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1951-11-02 第12回国会 参議院 議院運営委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十一月二日(金曜日)    午前十時五十八分開会   —————————————   委員の異動 本日委員永井純一郎辞任につき、そ の補欠として小笠原二三男君を議長に おいて指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     山田 佐一君    理事            加藤 武徳君            鈴木 直人君            境野 清雄君    委員            上原 正吉君            川村 松助君            安井  謙君            大野 幸一君            菊川 孝夫君            小泉 秀吉君            椿  繁夫君            原  虎一君            赤木 正雄君            杉山 昌作君            高橋 道男君            油井賢太郎君            三浦 辰雄君            須藤 五郎君   委員外議員            兼岩 傳一君   —————————————    議長      佐藤 尚武君    副議長     三木 治朗君   —————————————   事務局側    事 務 総 長 近藤 英明君    参     事    (事務次長)  芥川  治君    参     事    (記録部長)  小野寺五一君    参     事    (議事部長)  河野 義克君    参     事    (委員部長)  宮坂 完孝君   法制局側    法 制 局 長 奧野 健一君    参     事    (第二部長)  岸田  実君   —————————————   本日の会議に付した事件委員辞任及び補欠選任の件 ○公聽会開会承認要求の件 ○行政整理に関する緊急質問の件 ○議院運営に関する件 ○審議の自由に関する件   —————————————
  2. 山田佐一

    委員長山田佐一君) それでは只今から会議を開きます。  先ず常任委員及び特別委員辞任及び補欠に関する件を議題に供します。議事部長
  3. 河野義克

    参事河野義克君) 自由党から厚生委員島津忠彦君、建設委員上原正吉君、農林委員中川幸平君、郵政委員瀧井治三郎君がそれぞれ辞任せられて、厚生委員上原正吉君、建設委員島津忠彦君、農林委員瀧井治三郎君、農林委員中川幸平君を補欠として指名せられたいというお申出が出ております。それから社会党から議院運営委員永井純一郎君、決算委員小笠原二三男君がそれぞれ辞任せられて、議院運営委員小笠原二三男君、決算委員永井純一郎君を補欠として指名せられたいというお申出が出ております。それから国民民主党から平和條約及び日米安全保障條特別委員栗栖赳夫君が辞任せられて、櫻内辰郎君を補欠として指名せられたいというお申出が出ております。
  4. 山田佐一

    委員長山田佐一君) 只今報告通り決しまして御異議ありませんか。
  5. 山田佐一

    委員長山田佐一君) 御異議ないものと認めます。さよう決しました。   —————————————
  6. 山田佐一

    委員長山田佐一君) 次に公聽会開会承認要求に関する件を議題に供します。委員部長
  7. 宮坂完孝

    参事宮坂完孝君) 大蔵委員長代理理事大矢半次郎君から公聽会開会承認要求が出ました。事件名称所得税法臨時特例に関する法律案法人税法の一部を改正する法律案財産税法の一部を改正する法律案目下予備審査中でありまして、期日は十一月七日であります。  内閣委員長河井彌八君から公聽会開会承認要求が出ております。事件名称行政機関職員定員法の一部を改正する法律案目下予備審査中であります。期日は十一月八日でございます。
  8. 山田佐一

    委員長山田佐一君) 只今報告通り承認を与えることに御異議ありませんか。
  9. 山田佐一

    委員長山田佐一君) 御異議ないものと認めます。さよう決しました。   —————————————
  10. 山田佐一

    委員長山田佐一君) 次に緊急質問に関する件を議題に供します。
  11. 近藤英明

    事務総長近藤英明君) 社会党重盛君から行政整理に関する緊急質問のお申出が出ております。要求大臣総理大臣橋本国務大臣岡野国務大臣でございます。所要時間は十五分、月曜日というお申出であります。
  12. 加藤武徳

    加藤武徳君 緊急質問につきまして、この間千葉君がおやりになつたと思いますが、更に不十分な点があるから緊急質問を行うというような御意見でございますね。
  13. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 この前千葉君が行われました緊急質問のときは、まだ定員法が提出されておらなかつたのでありますが、いよいよ定員法が提出され、それに対し、これに直接関係のあるところの各職員団体等におきましても、この定員法によつて受ける諸影響についてそれぞれ陳情も盛んに我々のところに参つております。且つ又、その後の不安等に対して家族あたりからも陳情が参つております。従つて一つの大きな社会問題というものに発展する危険が極めて多いので、この点について何かこれを実施した後における社会不安をどういうふうに処されて行くか、或いは失業対策についても、そういう意味によつて安心させなければならないという必要に迫られておると思いますので当面最も緊急だと思います。更にこの点からこの前に十分お答えのなかつたような点について御質問申上げたい。こういうわけなんであります。
  14. 鈴木直人

    鈴木直人君 緊急質問性質ですが、まあ緊急性を帯びているという点は一つの要素ですけれども、一つ案件国会に提出されて、それが委員会に付託されて委員会で予備審査なり、本審査をしているという案件については、今までの考え方といたしましては、委員会尊重という点から、その委員会において十分と質疑応答をする、若し緊急的にその点について質す必要があれば、直ちに委員会を開いて委員会を通じて十分質問をする、そうして若し委員外のかたで質問する必要があるという場合においては、委員外質問によつて、いわゆる委員会尊重という国会方針に基いてやるこういうような方向で今まで進んでいたと思うのでありますが、それがそうじやなくて、委員会に付託されているにかかわらず、本会議においてその委員会において質すべき性質のものをどんどん緊急質問の形においてやるということになりますと、この委員会尊重という点について将来必ず問題が出て来るというようなことにもなります。そこでそれに対しては、どうも委員会においてちつとも結論が出ない、どうもはつきりしないという場合には中間報告というものを委員長に求めるというようなやり方で、どこまでも委員会中心で行つているのですが、今まで相当この点については議論もありましたように記憶しておりますが、たくさんございましたかね、今までそういうのが……。委員会審査中において、付託されて十分審議すべき内容のものを緊急質問において本会議において何回もやるというような点。千葉君のときにはまだ案件は付託されていなかつたが、どういうものが出るかということがはつきりしなかつたのですが。
  15. 大野幸一

    大野幸一君 鈴木委員委員会中心主義ということは、これは法案審議委員会中心だろうと思います。併しこのことは定員法の点については一般に非常に公務員その他関心を持つております。そうして一旦これは誤まると、これは実力行使に移る可能性が十分あるのであります。こういうことを私は心配して、本会議における緊急質問一般国民に対する政府考えを伺う委員会におけるところの審議中心は、主に審議の資料、審議の材料としてやるのだ、これはやつてもちつとも差支えないものでありますから、これは今菊川君が言われたように、本当に心配している国民を安心させる意味の答弁がもらいたいという意味ならば、それはむしろそのほうが国会として重大だと思いますからお取上げ願います。
  16. 鈴木直人

    鈴木直人君 取上げるか取上げないかということは今後の皆さんの御意見によりますが、慣倒になりますからね、委員会審議しているものをどんどん緊急質問で、これはそのときの考え方国民に重大な問題であるというような見解からどんどんやられるということになりますと、委員会中心というものが失われてしまうというようなことになりがちですからね、何かこの点については議運等においてもはつきり方針をきめてやるのがいいのじやないかという意見です。
  17. 加藤武徳

    加藤武徳君 たまたま今鈴木委員からも発言がございましたので、私は根本的な問題について今ここで掘下げて論議しようという気持はないのでありますが、質問の本旨は書面質問が私は本来だろうと思うのでありまして、これで論旨が盡されない場合において初めて質問を行うということ、更に緊急性有無、この二つのことが本会議における緊急質問理由だろうと思います。なおこの点につきましては、他の機会緊急性有無の判断の問題、それから今の書面質問原則とするという問題ということについて理事会等で検討を行いたいという工合に私は思いますので、この機会に申上げておきます。
  18. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 今鈴木君の委員会中心というお話、我々も勿論委員会中心主義で行かなければならんと思いますが、これは委員会において一つ法案審議するということよりも更に発展いたしまして、どちらかと申しますと、そういうと何でありますが、社会問題として大きいものがあるのでありまして、事実それは否めないのであります。と申しますのは、この行政整理をめぐりまして、従来は職員団体中心となつて動いておつたのでありますが、今度はその団体に所属することを禁じられているような幹部の職員までも中心となつて、これについて動き出しているというような面もなきにしもあらずでありまして、これを具体的に申し上げることは避けますが、そういう点から行きまして、この問題について政府の所信をはつきりと明らかにしておく必要があるので、特に本会議において是非ともこれをやりたい。委員会における法案審査より以上の高い広い面から質したいというわけであります。こういうわけです。これは私は成り立つと思う。そうして委員会中心主義ということになりますと、緊急的な問題に関しましても、どの委員会かに関係のある問題が多いと思います。例えば、厚生問題でありましたら、厚生委員会においてやる、或いは内閣関係のものなら内閣委員会でやる、運輸関係運輸委員会においてやつたらいいじやないか、その委員会においてどんどんやつてしまえばいいじやないかということになると、本会議における緊急質問というものは全然……今の鈴木さんの御議論を発展さして行けば、そういうことにもなり得ると思います。これはどうしても議院の前例その他からいつて、そういうことは議院運営上まずい、絶対にこれはいけないということであればいざ知らず、私はその案件が仮にいずれかの委員会に付託されているからして、その問題に触れるところの緊急質問はすべて委員会においてやるべきであるという議論にはちよつと首肯できないのでありまして、今回の重盛君の要求している緊急質問是非お取上げ願いたい、とこう思います。
  19. 鈴木直人

    鈴木直人君 私の申上げているのは定員法委員会に付託された。それでいよいよその内容を見てみた結果、質問を必要とするようになつたという場合でありましたときに、いわゆる一つ定員法という案件が、委員会議に付託されておる問題について質問をするということであるならば、それは委員会に譲るべきであろうと思います。何も案件が付託されていないものを緊急質問するということであれば、何も今審議中のものではないのであるから、これはどこの委員会関係があるからその委員会質問するというものではなくして、定員法というもの、そのものが、もうすでに付託されて審議中なんであるから、その内容に関するものであるならば、委員会においてやるべきものであろう。こういうように私は思います。それから加藤君の先の議論は私はそれじやいけないと思います。仮に定員法というものが委員会に付託されて、そうして総括質問なり逐條審議をしておる場合には、やはりその委員会において質疑をすべきものであつて書面を以てその案件に関するところの質問をするべきものではない。定員法内容を今審議中であるのに、書面で以て質問する必要はない。これは案件が付託されていないものであれば、これを書面でやる場合もあるし、緊急性があれば緊急質問をするという場合もあるけれども、付託されている限りにおいては、そこでやるべきであろうという見解を表明しておるわけです。ですから今問題は付託されている案件についての内容に関する質問であるというように聞いたから、私は委員会中心ということを言つております。
  20. 加藤武徳

    加藤武徳君 私は包括論として申上げたのです。この案件ではなかつた。
  21. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 定員法改正法案についての緊急質問ではなく、緊急質問というよりも行政整理をめぐる社会問題、或いは醸成されかも知れない危険にあるところの社会不安、引続いて政府定員法を出した後のその行政部門におけるところの綱紀問題等にも私は触れる問題だと思います。そういう点からしてお尋ねしたい、こういうわけであります。
  22. 安井謙

    安井謙君 只今鈴木委員の御提案がありました。前例的にどういう扱をしたらいいかという点について……。
  23. 河野義克

    参事河野義克君) 先ほど鈴木委員のおつしやいましたことにつきまして的確にお答えを申上げることは、即ち案件として委員会に付託されておる事柄について、並行的に緊急質問を本会議でやつたことがあるか、或いはそういう緊急質問の中に並行しておるという理由から、それをやめてもらつたという例があるかというようなことにつきまして、的確にここでお答えすることは、十分調べさしてからさして頂きたいと思います。ただそれに関連して御参考になることを申上げて、鈴木委員の言われたような、本会議委員会並行審査は避けるべきであるという考え方は一貫してとられておると思いますので、例えば現在国会法の五十六條の二に、「各議院に発議又は提出された議案につき、議院運営委員会が特にその必要を認めた場合は、議院会議において、その議案趣旨説明を聽取することができる。」と言つておりますように、各議員関心の多いような案件につきましては、委員会に付託する前に、本会議で特にその説明を聞くことができ、議院運営の決議がありました場合はそういうことがあるのでありますが、そういつた際には委員会に付託します。本会議でも説明を聞いた委員会でも案件があるということになりますので、並行審査になるということから、議院運営委員会で論議の結果、そういう場合には委員会に付託しない、本会議審査されている間は、本会議説明を聞いている間は、委員会に付託しないということをきめたことがございます。そういう考え方鈴木委員の言われておりましたように、一つ案件について本会議委員会で同時に並行的に審査することは然るべきでないという考えから来ておるわけであります。今問題になつておりますこの緊急質問が、定員法改正法律案如何よう関係があるかということは、菊川委員も言われたように我々としては判断できないことでありまして、ただ一般的に申上げれば、同じ案件について本会議委員会並行審査すべきでないということだけは確立している慣行であるという点だけお答えできると思います。
  24. 大野幸一

    大野幸一君 それは鈴木委員審議の面から原則論をおつしやつたので、菊川委員のほうは社会不安をどういうふうにして除去して行くか、こういう意味でこれは本会議でやるのが本当であるという、こういう意味ですから、今議事部長の言われたように、同時審査を避けるという趣旨に当る、同時審査ということよりも、むしろ公平に言えば、何故に定員法を出さざるを得なかつたかということを、こういう意味政府に問い、国民に明らかにして置くのも必要であるということから、この緊急質問一つ皆さん了解を願つてやらせるようにお願いいたします。
  25. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 皆さんお話を承わつておりますが、定員法という法案そのもの自体審議というよりも、菊川君の説明を承わると、そのよつて来たる影響、惹起する大きな問題に触れてるから、これは原則論はともかくとして緊急質問をやつて頂いて至当かと思いますから、私はさように考えます。
  26. 上原正吉

    上原正吉君 だんだんと皆さんの御意見、いずれも御尤ものようでありますが、委員会といえども、本会議と同様に且つ公開ではありまするし、速記もつけます。どのようなことを質問をされても政府は答弁しなければならないというので、私はかように案件内容が重要なので、委員会に付託されておる案件に関連することは当該委員会において審議するのが本筋だと思いますので、私は従来社会党緊急質問に関しましては、その時間の要求といい、内容といい、大いに敬意を表しておりましたけれども、今回は委員会でも差支えないのではないかと思いまするので、妥当な慣行を守るということをお許し頂いて、委員会のときに質問をやるということにお願いいたしたいと思います。
  27. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 先ほどから繰返して申上げまする通り、これはただ単に定員法法案そのもの審議するというよりも、それによつて生じつつある、これは官庁の綱紀の問題の面からも私は考えられなければならん、というのは、どこでも所長、或いは部長という連中は盛んに国会へ個人の資格において来られるのはいいが、併し遠くの職場を離れて我々のところに陳情に来ておるということを承知しておるのであります。これは事実なのであります。これは官紀問題として考えなければならんと思います。又一面におきまして、これが通つた場合には相当決意をして、どうなつてもいいというくらい決意をして、今公務員には禁じられておる行為にさえも発展し兼ねまじき動きさえもあるのであります。又これを利用せんとする大きな勢力がなきにしもあらずと思うのであります。こういう観点から一つ政府にお尋ねしたい。政府のこれに対する対策、どういうふうに処置するかということ、これから安んじて公務員がその職場において、とにかくこれが実施されるまでは安んじて働けるようにしなければいけない、こういう観点から法案審議というよりも広い意味から……こういうわけですから……。
  28. 杉山昌作

    杉山昌作君 今お話の中で法案審議と言いましたけれども、法案審議というのは必ずしも逐條審議というのではないので、その法案提案理由説明、その影響如何ということまでやはり法案審議だと思うのであります。従つてやはり今菊川君のおつしやつたような、委員会とは逐條のものを審議するというのではないので、やはり委員会ではそういうふうな大きな影響の問題なんかも当然やるべきことであります。これは本会議委員会に二重に審議するということになり、併しながら委員会は御承知のように或る限られた委員だけであるし、従つてその関心のある委員だけになりやすい、実際問題として……。従つて国民に対しても、委員会のことはそう活溌には伝わらないというのが事実であります。従つて形式的には両方審議するような形にはなりますけれども、その問題の大きさ、その問題の取上方ということから行けば、仮に両方審議するようなことになつても、そのときの情勢、そのときの事態によつては本会議緊急質問することが、却つて政治的と言いましようか、問題の取上方として適切ではなかろうかと、そういう意味で、委員会尊重委員会と本会議両方審議するということはいかんという原則は確実に認めながらも、今回の件はそういうふうな、私申上げましたような意味から緊急質問を許されたらどうかと考えております。
  29. 上原正吉

    上原正吉君 それでは緊急質問の題目を何とか……。
  30. 近藤英明

    事務総長近藤英明君) 表題は行政整理に関する緊急質問になつております。
  31. 山田佐一

    委員長山田佐一君) それでは緊急質問承認を与えることに決しました。時期等について御協議を願いたいと思います。
  32. 近藤英明

    事務総長近藤英明君) これに関連しまして、次回の本会議の点について、ちよつとここで御協議置きを願いたいと思います。次回の本会議をいつにするかということにつきましては、議院運営委員会で御協議を願うことになつておりますので、御相談申上げますが、定例日は御承知通り月曜日でございます。それから今の緊急質問は前回に御承認なつたもの、並びに本日の御承認の二件とも月曜日という御希望が出ております。それから月曜日の他の案件、何があるかということを一応今当つてみますと、現在のところは決算委員長報告というものが出て来ております。併し決算委員長、現在御不在でございますし、代りになされる理事も御不在で、月曜日は工合が悪いから水曜日にしてくれと、こういうことを決算委員会のほうからは事務局のほうに御申出があります。従いまして、月曜日は今のままで参りますと、月曜日の本会議に日程に上すべき案件は他にないということになりますので、その場合はこの緊急質問だけで月曜日におやりになりますかどうかということをお考え置き願いたいと、こういうことなのであります。
  33. 大野幸一

    大野幸一君 私は緊急質問だけで、皆さんお話を願われるのもどうかと思いますが、月曜日は緊急質問をやらぬという了解を得て、七日にしたらどうですか。
  34. 山田佐一

    委員長山田佐一君) それでは次回の本会議は七日ということでよろしいございましようか。
  35. 山田佐一

    委員長山田佐一君) それじや月曜はやらんということに決しました。   —————————————
  36. 山田佐一

    委員長山田佐一君) 次に特別委員辞任及び補欠に関する件を議題に供します。
  37. 河野義克

    参事河野義克君) 只今国民民主党から、電力特別委員稻垣平太郎君が辞任せられて油井賢太郎君を補欠として指名されたいというお申出がございましたが、お諮りを願います。
  38. 山田佐一

    委員長山田佐一君) それじや只今報告通りに決しまして、御異議ございませんか。
  39. 山田佐一

    委員長山田佐一君) 御異議ないものと認めます。さよう決しました。   —————————————
  40. 山田佐一

    委員長山田佐一君) なお兼岩君は委員外でありまするが、発言を許しましてよろしうございますか。
  41. 兼岩傳一

    委員外議員(兼岩傳一君) 私は暫らく時間を頂戴いたしまして、先般来、この歴史的な十二回国会二條審議ついての言論の自由の問題につきまして、委員各位に私が議院運営委員であつた当時から問題を提起いたしまして、各位の御審議を受け、且つその問題を留保して頂いておるのでございますが、その後私は條約委員会のほうへ代りまして、更にこの問題を展開させざるを得ない立場になつて参つたのであります。と申しますのは、先般の三十分にも足りない、私の総理大臣に対する代表質問において、十一カ所が削除いたされました。又数日前の総理大臣に対する総括質問、これは約一時間でございましたが、やはり二カ所の削除を受けたのでございます。それで単に私が自分の発言に対して、削除を受けたということを、何ら個人的な意味で自尊心を傷つけられるとか、或いは何か意地を張つて皆さんに申上げるという考えは毫もないのでありまして、そうでなくて、この十二回国会日本的なものでなくて、まさに全世界の注視の的において行われておるということであります。すでにサンフランシスコ会議ではエジプトの全権がこの二條約に対して、こういう国民の意思に反して、自国の領土を外国軍隊によつて占領されておる間は、選択の自由のための條件が十分でないと判断するに最もよい資格を持つというようなことを言つておられますし、又ネール首相はその後インドの議会でこういうことを言つております。「インド政府日本主権国として條約第五條に定めてあるような自国防衛の取極を行う権利を持つことを承認する。併しこの権利日本が真に主権国家なつたときに、日本政府によつて行使さるべきものである。條約の條項中現在の占領軍防衛協定に定めた兵力の一部として残留することを示唆しておるが、この防衛協定独立国家としてその自由を十分に享受する日本が行なつた決定ではないという印象を起さずにはいないだろう。」、こういうふうに公正な第三の立場に立つ国々においても、今回の二條約について大きな関心と危惧の念を寄せられております。事実私はこれに対して、我々のみならず、我々の国民も又危惧の念を持つておるのであります。併しながらすでにそれが調印され、批准国会に参つた以上は、我々が論議を盡し、その盡した論議を全国民に明らかにして、そうして将来の百年の日本国民、及び日本民族の大きな運命をきめるべき二條約の審議は、如何に我々は條理を盡しておるかということを明らかにすることは、如何なる会派によらず、無所属であろうと、政党に所属するであろうと、これは重大な責任で、若しこの責任を果さないで、うやむやのうちに不十分な審議をいたして可否を決定したとするならば、その責任は将来政治的に我々がとらなければならない大きな欠陥として、過失として、私は残るであろうと考えるものであります。そこでサンフランシスコで調印されました講和條約を見ましても、二十三條のd項に「この條約は日本国を含めて、これに署名する国によつて批准されなければならない。」と、明確に批准の権限を日本国民に与えております。従つて日本国民並びにこれを代表する国会におきましては、何ものにも抑圧されないで、自由に発言し、自由に論議され、その上で採決されて、少数が多数に服従するという形に進まなければならないと私は考えます。まして吉田総理以下が事実再々、これは和解と信頼である、主権を有する対等の立場に立つものであるということを、繰返して述べられておるのであります。然りといたしますれば、私は日本国憲法第二十一條に基きますところの、保障されております一切の言論、その表現の自由が守られなければならないと考えるのであります。これはことに問題でありまするのは、我々は被占領国である、被占領国であるから、一九四六年の一月にきめられましたプレス・コード並びに貴族院宛のこれは官庁出版物にも適用されるのだという通知、こういうものに基いて事務局が、先ほど私が申上げましたように、十一カ所或いは二カ所、こういうものを削除いたしておる、事務的に削除いたしておるという点ですが、現に行なつておるのであります。そこで私はこの十二国会の劈頭に、そういうことであつては困るので、これは委員長の問題でもなく、又議長の名前において行われるにしろ、これは議長の問題ではない、正に国会運営、そうして参議院運営、ハウスの運営の問題であるから、この議院運営委員会において十分この問題を討議し、処理して頂きたいということを、私はお願いした理由はこの点であります。即ち我々が若し我々の発言が対等でない、被占領国であるというために、和解と信頼、或いは日本国の希望によるより、日本国が主権国として締結する安保條約について自由な論議が制限されるということになるならば、それは私は非常に重大なことだと考えます。つまり両條約に賛成するものは無制限に発言ができ、自由である。然るに反対するとその反対の理由が非常に制限され、我々の論議が国民に対して達することができないというようなことになりましては、これは私はこの論議が如何に和解と信頼だとか、日本国の希望だとか、或いは日本国が主権国としてとらわれざる真に自由な立場だなどという美辞麗句を用いましても、この條約の審議は明らかに抑圧されたものだと断定せざるを得ないのであります。然りとすれば、これは私どもの会派のみが遺憾とすることではなく、全会派、全参議院議員各位がそういう抑圧された状態において審議されたということは不名誉なことになると私は考えます。従つてこの議運の御決定に基かれまして、委員長議長がGHQに赴かれまして、以上私の述べましたような趣旨を全会派が御賛成下さいまして、私の以上申上げました。この歴史的な十二回国会運営に関する、言論の自由に関する、疑問を氷解されて、そうしてこの点を委員長なり、議長なりから全議員に通達されまして、そうして十二回国会運営について、二條約の審議について万全の措置が講ぜられたいというのが私のお願いの筋でございます。以上でございます。若しこれにつきまして、なお御質疑がございますならば、私はなお考えているところを申上げたいと存じます。
  42. 大野幸一

    大野幸一君 兼岩委員、如何なる場所が欠字されたということは今わかつておりますか。
  43. 兼岩傳一

    委員外議員(兼岩傳一君) わかつております。
  44. 大野幸一

    大野幸一君 それは本会議並びに條約委員会ともにわかつておりますか。
  45. 兼岩傳一

    委員外議員(兼岩傳一君) わかつております。なおこれは私が申上げるよりも、事務局でその衝に当つておられます総長或いは総長の命によつてつております担当者から御説明願つたほうがなおはつきり、専門的な角度からはつきりいたすと思います。若し必要があればそちらでお尋ね……。私はここへ持つて来ておりますけれども、私が説明するよりは或いはそのほうが明快じやないかと思います。
  46. 大野幸一

    大野幸一君 それは今兼岩委員が最後にお願いだと言われたのですが、この前国会の初めにおいてこういうことを兼岩委員から言われまして、議長の御臨席の上にこういうことについての意見も発表せられましたし、これに関連する意見も発表されましたし、十分にGHQとの間においても話合つてみて頂くことになつていたはずですが、その結果は如何でありましようか。
  47. 山田佐一

    委員長山田佐一君) 申上げます。実は先般の兼岩君のお話委員長理事及び議長に一任して交渉をしてくれということでありました。よつて委員長理事会を招集いたしまして、理事会にお諮りをいたしました。ところが理事会では議員の言論は自由である。言論は如何なる議論をお闘わしになつても、これはいいけれども、プレス・コードの問題は行政上の問題であつて、我々がタツチすべき問題ではない。理事会はこれを取上げないという満場一致の御意見であつたのであります。それでその旨を兼岩委員に申上げました。併し議長はそのときにおられたかどうか、こういう問題でありますが、議長はお見えになりませんでした。あとから議長に承わつたのでありますが、議長としての御見解、御意見はあとで議長からこの席において御説明があることと思います。その際には、理事会のときには共産党の岩間君も出ておられまして、別に大した御異議はなくて、満場一致賛成だということで、理事会は済んだわけであります。
  48. 大野幸一

    大野幸一君 そうすると、私はこの前国会の初めにおいてここで問題になつたときに、理事会がそれを取上げなくてもいいじやないか、こういうことになつたとすれば、従つて議長にはもう何らの責任がない、私は議長に対する質問は放棄します。
  49. 兼岩傳一

    委員外議員(兼岩傳一君) 今削除されているところを大野さんからちよつと御質問がございましたが、例えば一カ所だけ申上げますと、こういうふうです。ここに日米合同委員会についての質問の箇所をちよつと申上げますと、「アメリカ人を委員長とする日米合同委員会の権限を決定し、日本の行政についての〇〇○と伝えられているが、然りとすればかかる最高行政委員会の存在は、日本の〇〇○を外国人の手に委ね、その下に隷属する〇〇〇〇は実質的にはこの日米合同委員会事務局に過きないではないか、」こういうふうに今〇〇と私申上げました、そんなようなふうに削除されているのであります。それからなお理事会の問題がございましたが、理事会は私が丁度その当時他に所用がございまして、この問題を十分了解していなかつた代理のものが出ておりましたことと、それから元来私がこの理事会でそういうふうに軽く決定さるべき問題ではなくて、当然当時の速記録を御覧になると明快だと思いますが、これは第十二回国会運営の根本義であるから、議長並びに委員長及び理事の諸君がよくGHQと打合わされて、そうしてその結果止むを得んということになれば、明快にその止むを得ないということを明らかにして、そうしてこの十二回の国会審議をせられたいということが承認されているのでありますから、たまたま理事会で不十分な、私も参加しないような、そういう不十分な形でおきめになつたとしても、大体理事会は何ら決議機関でもございませんし、こういう重大な問題を理事会の、私も出席していない、議長も出席していないような、そういう理事会できめたということを楯にとられることは非常に遺憾だと思います。
  50. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 速記削除の問題に関連しておるようですから、速記をおとめしてこの際……。
  51. 山田佐一

    委員長山田佐一君) 速記をとめて下さい。
  52. 山田佐一

    委員長山田佐一君) 速記を始めて……。この際兼岩委員発言に対して、佐藤議長の御見解を承わりたいと思います。
  53. 佐藤尚武

    議長(佐藤尚武君) この問題に関する経過は兼岩委員みずから御説明なつた上に、委員長からもお話がありまして、結局理事会において意見の交換をする。そうしてその交換があつたということになつたわけであります。理事会の満場一致の意見は先ほど委員長から申された通りでありますが、そうして私は理事会に出ておりませんでしたけれども、後刻その理事会の決定を承わりまして、私は全然それに同感であつたのであります。従つて当時この委員会で兼岩君からGHQに対して、このプレス・コードの問題についてGHQの意見を尋ねてもらいたいという要望があつたことは、私も理事会に出席しておりましたから、存じておりましたけれども、すでに理事会において、今申上げましたような決定がなされた上に、私も全然同感であつたので、GHQに足を運ぶということはいたしませんでした。そこで本日改めて兼岩委員からこの問題についてのGHQの意見を確めてもらいたいという、そういう御要求を依然持つておられることを先ほど御説明になつたのでありまするが、私はこのプレス・コードというものを研究いたしました結果、GHQに足を運んで、そうして意見を聞くということは無駄なことだというふうに私としては考えざるを得ないのであります。何となれば、これは占領軍として最も重きを置いているこれは政策の一つであろうと思うからであります。かかるが故にこそ貴族院時代にああいうものを突きつけて来たわけであります。この占領が続いておる間は、私は最高司令部として、このプレス・コードを変更する意思のないことは問わずして明らかなことであると思うのであります。それで私は申すのでありますが、講和條約は締結された。併し締結されたがということで以て日本は独立をすでに得たわけではなし、又占領が解除されたわけでもない。講和條約が効力を生ずるまでは、今まで六年越し続けて来たところの占領下の事態というものは依然続いて行く、これは疑いのないところであります。従つてその占領政策の一つとして、これは又最も重大なる政策の一つとしてこのプレス・コードが挙げられている。プレス・コードが、日本に対してそういう制限が加えられておるということであつたならば、この制限は日本の独立体制を得、従つて進駐軍が撤退するというときまでは依然続いて行くということは、これは我々として承服をせざるを得ないように、このコードが続いている以上は、この院内の議員諸君の言論は自由であつたとしても、それを院外に発表するときにはプレス・コードの制限を受けるということは、これは止むを得ないことである。従つて仮に私がGHQに行つて、この二條約に対する言論に関する限り、このプレス・コードの適用を受けないようにしてもらえないか、というようなことを言つたところで、向うが依然プレス・コードはプレス・コードである、これを変更する意思はないというように返事をすることは目に見えていることであるし、又何故に変更する意思がないかというような理由をも私は示すことはないだろうと思う。そういうことに対して議長がわざわざGHQに行つて話をするということは、それ自身が私としては不穏当である、それに及ばないことであるというように感ぜざるを得ないのであります。でありまするから、再度の兼岩君の御要望ではありまするけれども、私としての考えを率直に申上げまするならば、この問題について私はGHQの意向を質すということはやるに及ばないことであるというように感じます。それについて皆さんがたのほうでどういうふうにお感じになるか存じませんけれども、私としてはそういうように感じております。
  54. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 議長お話を伺つたのですが、私たちはこういうふうに考えておるのです。占領軍といえども、今度の條約審議は十分に審議さして、そうして国民にその全貌を余すところなく知らしめて、国民の納得の上でこの條約が結ばれることを希望しておるのではないかと思います。今の議長了解議長了解であつて占領軍の意思であるかどうかということが私たちにはわからないわけなんです。或いは議長がその申入れをなすつたら、ああそうか、それはおれのほうでも賛成だという意見が或いは出やしないかと私たちは了解をしておりますので、ただ単に議長了解の下でこういうことをうやむやに葬らないで、一応そういう意見が出たならば先方にそういう申入れをして頂いて、向うの意見を聞いて頂くということは決して無駄ではないのではないか、私はそういうふうに考えます。
  55. 加藤武徳

    加藤武徳君 私も運営委員会理事会の一員に加わつて、この問題の審議をしておりましたが、先ほど来兼岩君の御発言や、又今の須藤君の趣旨を前提として、運営委員会で慎重に検討した結果が、只今議長報告された発言内容と大体同一である、この結論が満場一致で出たわけであります。この結論を運営委員会にお諮りになれる筋になつております。二回ばかり諮りかけたことがありますが、この委員会の議事の運営の最後に二回とも出されたために結論が出ずに終つてしまつておるのであります。正式に議長から理事会の結論をこの委員会にお諮りになられて、そうして締めくくりを付けて頂きたい、かように考えております。
  56. 大野幸一

    大野幸一君 今度の臨時国会に対する言論の自由という方面からいい、又本当に自由対等の講和條約という見地から、或いは和解と信頼の條約という見地から、私は遺憾ながらこれは共産党の言われることが正しいと思います。併し又議長の今の御見解は、これは現実の問題として了承せざるを得ない。我々社会党も講和については賛否分れておりまするが、日米安全保障條約については、これは挙げて反対をしております。最小限度の反対理由としても、やはり対等でない国柄においてこの條約が結ばれたということを主張しておるのが、最小限度の一つとしても反対の理由になつている。そのほかいろいろありますけれども、併し現実の問題は、そうなるが故に我々は反対するという意味でこれを承認しておる意味の反対でありまするから、議長の御意見に対してはこれは承認せざるを得ないと考えます。
  57. 兼岩傳一

    委員外議員(兼岩傳一君) 議長にちよつと一言お尋ねしたい。議長只今の御意見は、そのほうが日本国民のためにいいという御意見ですか、あなたがそういう法律的解釈をお持ちになつているという意味ですか。
  58. 佐藤尚武

    議長(佐藤尚武君) 日本国民にいいか悪いかということは、これは結果論であろうと思うのでありまするが、我々としては準拠すべき規則があるならば、その規則によつて、規則に従つて行動しなければならんということに盡きると思います。
  59. 兼岩傳一

    委員外議員(兼岩傳一君) 議長のそういう御見解は私は甚だ不條理だと考えたいのです。つまり二つの條約が対等の立場において自由な論議を盡した上で批准條項を付けなければならんという理由と矛盾するのですから、矛盾点を明快にして頂ければ、つまり何も陳情に行つて下さいという意味でなくて、我々が現在プレス・コードを適用する、我々自由な立場において、主権を回復した日本として正しい自由な立場において論議する、この二條約に対する態度と矛盾する、この矛盾点をどうするのかという点を明快にしてこの委員会報告して下さるということは、かような歴史的なこの條約に当然ハウスの運営上なさるべき義務だと考えるのでありますが、そういう義務を果さないことが法律の解釈からきまるのじやなくて、やはりそのことが日本国民のためになるかならんかということから議長としてはお考えつても然るべきものではないかと考えます。
  60. 佐藤尚武

    議長(佐藤尚武君) これを私は読んで見て、はつきり私の言うような態度をとらざるを得ないということが言えると思うのであります。例えばこの三にこういうことが書いてあります。「聯合国ニ対スル虚妄ノ或ハ破壊的ノ批判ハ一切之ヲ掲載スベカラズ」四、「聯合国占領軍ニ関スル一切ノ破壊的批判並ニ同軍隊ノ不信又ハ怨恨ヲ招致スルガ如キ事項ハ一切之ヲ掲載スベカラズ」、そういう二項があるわけであります。もつとほかにもありますけれども、直接に我々に関係するのはこの二項であろうと思います。私はこの二項に抵触しない範囲で以て、あの二條約に関する言論ができないわけはないと思います。私はこの二項が存在しても、十分にあの二つの條約、講和條約並びに安保條約に対していずれの党派といえども十分の議論ができないわけは私はないと思う。然るに不幸にしてその言論の中に、この二項乃至はその他の條項もありまするが、それに引つかかるというようなことでありますならば、やはりこれは発表の際にはどうしてもこのプレス・コードによつて処置しなければならんということになると、私はこういうのが正論であろうと思います。
  61. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 私も本当に理窟、理論の上から言つたならば、兼岩君の言うことは一応正しいし、又そうしたいと思いますけれども、議長からも、今の情勢下においてなかなか行つたところでその目的を、兼岩君の要望に副うようなことは困難であるという議長の御見解の御表明もございました。過般の理事会も止むを得ないものとして決定をされておるようであります。なお言論の自由ということと、これは又速記録の配付ということと私はおのずから違うと思います。仮に速記録、大事な問題で、秘密会において十分論議をして、そうして決定の場合もあり得るわけであります。従つて院内においては一々必らず速記録を配付しなければ言論の自由は守られないということになると、ちよつと私はここにも疑問があると思いますのでというのは、委員会その他において速記をとめということをしよつちゆうお互いにやつているわけであります。その点から考えましても、私は言論の自由が守られないということであつたならば、これは我々としてもまだまだ考慮しなければならん。どうしても腹を据えてぶつかつて行かなければならんと思いますが、そういうことも考慮されて、理事会においあああいうふうな止むを得んということで、兼岩君の希望としては尤もの点もあるけれども、止むを得んということで抑えておりますので、私は理事会の決定を一応承認せざるを得ないと思います。そうしまして、ここで考えなければならんことは、この前に議長も言われましたように、言論の自由はこれは院内において当然確保されなければならんが、議員たる以上は国際関係、国際礼儀というものも十分考慮しなければならんということを言われました。これは勿論私はアメリカに対しても、同様未調印国に対しても私は考えなければならん問題がと思います。と申しますのは、軍部の華やかなときでも、あれは共産党嫌いだと思いますが、共産主義については反対だ。共産主義の主義に対する批判というものは十分やり、結構だと思いますが、国際的ないわゆる反ソというような言論については慎しまなければならん、というのは、軍部のあの華やかなときでも、いよいよ困つたときにはソヴイエトに頼みに行つた。現在の議長さんがソヴイエト大使のときにソヴイエトに頼みに行つたこともあるし、又後藤新平さんあたりも、ソヴイエトとの国交のことについて努力されたのでありまして、その点において余りにも反ソ的な言論というものについても、やはり国際礼儀という点から、何時世界の情勢が、これは米ソの間が親密になつて来る、妥協ができるということもあり得るのでありますから、そういう点からいつて、今から又特に考慮して置かなければならん問題だと思う。又イギリスのチヤーチル首相のごときは、一遍これからスターリンのところに話しに行つて世界の和解に努めると言つているので、むしろ日本なんかの何ら力を持たない国は両方から疑いの目を持たれ、恨まれることは特に警戒しなければならない。この点も国際礼儀という面からも考慮されまして、プレス・コードの問題を同時に、将来の日本がどこからも恨まれない、併し共産主義に対する批判ということと他国を非難するということは私はおのずから違うと思いますので、我々も共産主義についての批判ということは大いにやらなければならん。これは結構だと思います。この点も議長さんにおいて今後速記録を扱われる場合には私は考慮願いたいと思う。そうして又兼岩君の今の問題について、これは世の中の情勢というものは変つて来るものでありますから、あの当時に配付しなかつたものを又生かして配付できるという時代も来るかも知れない。そうしてもう一遍あのときを振り返るということになつたら、そのときの情勢においてやられるということも又あり得ると思いますので、今の場合においては、今議長が一応情勢判断に基いて所見を述べられ、又理事会でも率直に話合いましたので、これは了承せざるを得ないと思いますので、理事会の決定を私は了承いたしたいと思います。
  62. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 言論の自由が守られるのは勿論当然だと思いますが、私はなぜプレス・コードの自由をとつてもらいたいという感見を持つているかというと、言論の自由は院内だけのことでありまして、重要な問題を一般国民に余すところなく知らせる必要がある、国民全部の批判の下にこの條約が論議されなくちやならんという、そういう立場で我々はプレス・コードの問題を取上げている。ただ院内だけのことを考えていつているわけではない。ですから私たちは飽くまでこの問題がプレス・コードの下に論議されるということはやはり不当ではないかという意見を持つているわけです。それで社会党の人たちの意見とはやはり違いがあるわけです。ですからこの点はつきりして頂きたいと思います。
  63. 山田佐一

    委員長山田佐一君) もう論議は盡きたように思いまするので、この際にお諮りをいたしますが、やはり採決いたしますか。
  64. 兼岩傳一

    委員外議員(兼岩傳一君) それは僕の希望としては委員は須藤君ですから、私としてはやはり共産党を除く全員が必要を認められたこと、若し事実とすれば明らかに責任をとつてもらいたい。これまで條理を盡して再々繰返して来たにもかかわらず、我々共産党全員がこういう状態で院内のものが正しく国民に知らせなくてもいいという態度をとられたという事実を一つ明快にして頂きたい。
  65. 山田佐一

    委員長山田佐一君) それでは理事会の決定通り処理いたしまして御異議ございませんか。
  66. 山田佐一

    委員長山田佐一君) 御異議ないものと認めます。さよう決しました。  本日はこれを以て散会いたします。    午後零時六分散会