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1951-10-26 第12回国会 参議院 運輸委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十月二十六日(金曜日)    午後一時四十八分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     山縣 勝見君    理事            岡田 信次君            小泉 秀吉君            前田  穰君    委員            石原幹市郎君            内村 清次君            小酒井義男君            高木 正夫君            村上 義一君   政府委員    運輸省鉄道監督    局長      足羽 則之君    運輸省鉄道監督   局国有鉄道部長  石井 昭正君   事務局側    常任委員会專門    員       古谷 善亮君    常任委員会專門    員       岡本 忠雄君   説明員    日本国有鉄道総    裁       長崎惣之助君    日本国有鉄道経    理局長     三木  正君    日本国有鉄道営    業局長     津田 弘孝君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○派遣議員報告国有鉄道運賃法の一部を改正する法  律案内閣送付)   —————————————
  2. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 只今より運輸委員会を開会いたします。  先ず議事に入りまする前に、東北北海道班議員派遣の御報告をお願いいたします。
  3. 岡田信次

    岡田信次君 運輸事情実地調査のために九月四日から十五日まで十二日間に亘りまして、北海道青森県及び岩手県に派遣され、小樽、札幌、釧路、阿寒、函館、青森、蟹田、三廐、宮古、釜石、盛岡、山田線沿線諸村において、道、県、市町村の理事者並びに議会代表者管区海上保安本部海上保安部管区気象台海洋気象台、測候所、海運局陸運局等運輸省地方機関並びに鉄道監理局営業事務所工事事務所等国鉄地方機関その他民間関係者より、運輸事情並びに運輸関係要望を聴取すると共に、港湾巡視船艇観測船鉄道敷設工機部等について実地調査いたしたのであります。以上の視察の詳細につきましては、お手許北海道及び東北における運輸事情調査報告書として差上げてございますので、これを御覧願うこととして、詳細の報告はお許しを願いたいと思います。なおその際派遣議員の受理いたしました。陳情書は、それぞれ参議院規則第百七十三條の規定による陳情書として取扱い、本院において審議することといたしたいので、所要の手続きをとつた次第でございます。なお私は都合によりまして、北海道視察には参加いたしませんで、鈴木委員が全行程を視察いたした次第でございます。以上甚だ簡單でございますが、先ほど申上げましたように、詳細なる報告書を提出してございますので、この程度で御了承を願いたいと思います。
  4. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 只今岡田派遣委員より御報告がございましたが、何かこれに関連して御質疑ございませんか。   —————————————
  5. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 御質疑がないようでありますから、次に国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案を議題といたします。速記をとめて。    〔速記中止
  6. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 速記を始めて……。  通商産業委員会から国鉄運賃法の一部を改正する法律案に関して、委員会の決議を以て当委員会申出があります。お手許に差し上げてありまするから御覧を願いたいのでありまするが、要点は、第一に国鉄経営合理化を更に徹底せしめること。第二に、貨物運賃値上げによる負担力の均衡を考慮し、可及的速かに貨物等級調整を行うこと。第三に、貨物等級調整実施までの応急措置として割引運賃制最低運賃制等の運用に彈力性を持たせること。第四に、国鉄輸送力増強サービス改善特段考慮を払い、特に貨車の新造と港湾設備の拡充を図ること。以上、こういうふうな申出が出ておりまするから御了承下さつて通商産業委員会意向等考慮して、当委員会で審議を続けたいと思います。ついで本法案に関する質疑を続行いたします。
  7. 前田穰

    前田穰君 貨物運賃につきまして、先般お話しておいたいろんな具体的の問題について、御当局で御研究なりお考えなつていることを一つ一般的に御説明願いたいと思います。
  8. 津田弘孝

    説明員津田弘孝君) 今回の貨物運賃の値上につきましては、車扱小口扱ともに一律に大体三割を目途といたしまして、運賃改正を御審議願つておるのでございますが、この中でも只今通産委員会のほうから御要望のございましたような、貨物運賃についての貨物等級調整の問題、或いはそれに至ります暫定的な応急措置といたしまして、割引運賃等の問題につきましても、目下具体的に考究を重ねておるのでございまするが、この中の貨物等級調整につきましては、先般も本委員会におきましても御報告申上げたかと思うのでありますが、国鉄部内におきまして等級改正に関する委員会を作つておりまして、これに基きまして非常に尨大資料に基きまして改正準備を続けておるような次第であります。いつ改正をするという日限を限るような運びにはまだ参つておらないのであります。これにつきましては熱意を持つてつておるということを御了承頂きたいのであります。  なお、この等級改正に至りますまでの応急的な措置といたしまして、数種の物資只今衆議院運輸委員会でも採決をされました際の文章の中に石灰石とか、鮮魚とか、木材とかその他数種の品目につきまして暫定的な割引を施行することを勧奨せられておるのであります。これらの物資につきましては国鉄部内におきましても、それぞれ関係の官庁或いは関係のかたがたと御相談いたしまして大体そういつた方向に向つて進んでおる次第でございます。何か特別の問題につきまして御質問ございますればお答えいたしたいと思います。
  9. 前田穰

    前田穰君 最後の特別の考慮を今払いつつあるという品目は何と何ですか。それから衆議院で何か問題になつておるというのはどういう品目でありますか。
  10. 津田弘孝

    説明員津田弘孝君) 私衆議院採決の際におりませんもので、ここに貨物課長がおりますが、貨物課長から聞きましたところによりますると、石灰石、それから木材鮮魚無煙粉炭等でございます。それでこれらの物資につきましては、従来ともに特段措置、例えば一定輸送距離以上のものに対しまして一定賃率割引をいたしておるものがあります。そのまま続けるものもございますし、或いは更にこの運送距離につきまして、従来よりも更に短い距離輸送それに対しましても割引をするというような措置を講ずるものもございます。適用範囲は広くなるわけであります。
  11. 前田穰

    前田穰君 醤油は問題になつていないのですか。
  12. 津田弘孝

    説明員津田弘孝君) 醤油につきましては私の知る範囲におきましては、今回は衆議院におきましても、又その他の方面からも余り問題を聞いておりません。
  13. 前田穰

    前田穰君 それならばここでお伺いするわけですが、醤油に関して我々の手許にはいろいろ陳情等が来ておるのでありますが、これは無論当局のほうにも来ておると思うのですがそれに対してどういうお考えを持つておられるか。ここに挙げられた石灰石等品目とは非常に違う。若しくは程度の差が非常にあるといつたようなことで醤油についてはお考えにならないのですか。
  14. 津田弘孝

    説明員津田弘孝君) 只今醤油につきましては、醤油等級は現在九級となつておりまして、貨物等級の中では十一類の中の最も低い部類に近いところにございます、これは日本人食生活の中で醤油の占める地位考えまして、これはまあいわゆる米、味噌醤油と申しておりまして非常に必需品でございますので九級になつております。従来国鉄等に対する陳情の中にソース醤油と同じ並みに扱つてくれというお話があるのでございます。ソースは現在四級でございますが、このソース醤油と比べて見ますと、先ほど申上げました日本人食生活の中に占める地位と申しますか、そういつたような点でも相当醤油との間に隔たりがありますんで、ソースはやはり現状通り四級にしておきたいと思つております。醤油そのものにつきましては、醤油先ほど九級と申上げましたが、これは八級でございますが、現在通りにとどめておきたいと思つております。併しまあ将来の貨物等級を根本的に検討するというような際におきましては更に十分検討いたしたいと思つております。
  15. 前田穰

    前田穰君 それからそのほかに一々言うのは面倒ですから我々の承知しているものを申しますと、砂利、それから陶器、今お話が少し出ておりました陶器の中でも非常にいい陶器と非常に粗雑な陶器とある。その粗雑な陶器負担力がどうか、こういう問題が我々としては多少考慮を払わなければならん問題じやないかと思います。こう考えているのでそれらについて何か……。
  16. 津田弘孝

    説明員津田弘孝君) 只今前田委員からお話のございました砂利でございますが、この砂利国鉄輸送料の中でも相当大きな部分を占めているのでございますが、又砂利は川にあるときは何らの値打もないものが輸送されることによりまして初めて価値を生ずるというような関係から申しまして、市場価格の中に運賃の占める割合が非常に高いものの一つに属しているのでございます。従いまして、この砂利につきましては運賃割引というような問題がなくはないのでございますが、御承知のように、最近非常にこのセメント、或いは建築、土木、土建、そういつたような関係におきまして砂利需要が、なかんずく都会等におきましては多い故でございますか、砂利市場価格も相当上つて来ておりますので、今回ほかのさつき申上げましたような物資並み特定割引をするということもどうであろうかというように考えております。但しまだこれにつきましては結論を得ておらないわけでございます。それから後段にお話のございました陶器につきましてはこれ又建築その他生活上にいろいろな方面に使われるのでございますが、目下研究中でございます。
  17. 前田穰

    前田穰君 それでは只今申上げましたのは、御研究中のようでありますので、なお御調査を煩わしたいと思うのでありますが、衆議院のほうで問題になりました石灰石以下の四品目は、どういうふうにお取扱いになるのか、それもやはり調査中ということでありますれば、それと同様に一つ今申上げました三品目についても御研究を願いたい。いつ頃までにこの応急的の処置の御研究が終ることができるか、この見通しを伺いたい。
  18. 岡田信次

    岡田信次君 今の前田委員質問に関連してちよつとお伺いしたいのですが、先ほど貨物等級改正ですね、これについて極力速かにやるように努力するというお話があつたんですが、昨年一月に貨物運賃の八割値上げを断行したときに際しても同様なことをおつしやつた。ところがすでに一年半も過ぎておる間に、無論途中朝鮮事変その他いろいろな関係もありましたけれども、一向これが進捗していない。今回もこの陶器を将来の研究に待つとおつしやるのですが、この点一つ十分本当に早く御研究をされて実施をやつてもらいたい。
  19. 津田弘孝

    説明員津田弘孝君) 貨物等級を根本的に改正せよというような昨年の一月に貨物運賃改正がありました際に、国会の御要望事項一つにそういうのがありまして、その後とりました処置につきましては、先般この委員会でも御報告申上げたと思うのであります。目下国鉄といたしましては、非常に多くの資料を集めまして、着々準備をいたしておるのでございますが、何分にも非常に価格変動が著しい。例えば昨年木材につきまして等級を分けまして、下級木材につきましては割引をいたしたのであります。その後朝鮮事変が起りまして、非常に木材価格一般が高騰するというような状況、この一例によつてもわかりまするように、非常にまだ経済が安定しない。従つて物価も非常に凸凹が甚だしいというような状況でございまするので、今日只今すぐに全面的な等級改正をするというのは、末だその時期ではないと思うのでありますが、併しながら決して国鉄といたしましてはこれをゆるがせにいたしておるわけではありません。大いに熱意を以て又迫力を以て研究を続けております。不日等級改正運びたい、かように存ずる次第でございまして、單なるその場逃れをしておるわけではございません。どうぞ御了承を願います。  それからもう一つ先ほど前田委員の御質問に対しまして、只今我々が考えておりまする今回の貨物運賃値上げにつきましての応急的な措置として考えておりまするものにつきまして、我々の考えておりまする方向を申上げたいと思います。  一番初めには無煙粉炭でございますが、これは家庭用の煉炭の材料でございます。主として山口県等におきまして生産をされるのでございますが、その工場が都会にあるというような関係から申しまして、相当遠距離輸送をされるのでございます。これにつきましては従来通り割引を続けて参りたい。具体的に申上げますならば、三百一キロから五百キロまでのものに対しまして賃率に対しまして一五%の割引、又五百一キロ以上のものに対しまして二割の割引をやつて参りたいというふうに考えております。これは従前通りでございます。  その次に石灰石につきましては、これ又価格のほうが余り上りません。これ又、砂利と同じように山にあつてはただのもので、それが製鉄の原料に使われ、その他のものに使われます際に初めて価値を生ずる、つまり運賃が非常に価格のうちで大きな割合を占める。今回の値上げによりまして、価格のうちで占めるところの割合が六割、六〇%近いというようなことでございまするので、これにつきましては従来は二百五十一キロ以上に対しまして一割の割引をいたしておつたのであります。今回は更にこれはそのまま存置するといたしまして、百一キロから二百五十キロに至りますまでのものに対しまして、五%程度割引をしたらどうかと思つております。それからなおこれは従来もあつたのでございますが、この石灰石が非常に短距離に運ばれる場合が多いのでございますが、その百キロ以下のものに対しましても、石灰石の山元に一定割引、例えば賃率に対しまして十円とか、二十円とかそういつたような割引を個々にいたしたならば、どうかというふうに考えております。  その次に木材でございまするが、これにつきましては去年の一部の等級改正に伴いまして、木材上級材と、下級材とに分けたのでございますが、その上級材解釈といたしまして、解釈と申しまするか、分類といたしまして、檜類樫類欅類と、類の字がついておりまして、この類のうちに入るものはこれこれの木材であるというような註釈がついておつたのでございますが、今回農林省当局ともよく連絡をいたしまして、この類を取りまして、上級に属するものは欅、樫、檜と、こういつたようなものに限定をいたしまして、その他のものは下級のほうに入れるということにいたしましたのであります。この木材につきましては、従来とも七百五十一キロ以上に対しまして一割の割引があつたのでございます。この木材のうちの普通木材でございますが、一割の割引があつたのでありますが、この割引につきましては従来通りに継続いたしたいと思つております。ただこの木材のうちで坑木につきましては若干去年等級改正をいたしましたときのいきさつもございまして、坑木につきましては七百五十一キロ以上という距離を縮めまして、四百一キロ以上に対しまして一〇%の割引をしたならばどうかというふうに考えております。  それから木炭につきましては、昨年と同じように七百五十一キロ以上に対して一割の割引、それから問題の鮮魚冷凍魚につきましては、従来は七百五十一キロ以上に対しまして五%の割引をしておつたのであります。申し遅れましたがこの鮮魚は三分類をいたしておりまして、上級魚中級魚下級魚というようにいたしております。その下級魚に対して只今申上げましたように、七百五十一キロ以上に対して五%の割引をいたしておるのであります。それを今回は水産庁ともよく相談をいたしまして、この距離を若干縮めまして、従来の七百五十キロ以上というのを、下級魚につきまして五百一キロ以上に縮めたならばどうかというように考えております。従来長崎から大阪方面に入りまする魚、或いは北海道から東京に参りまする魚は、従来とも七百五十一キロ以上の割引適用を受けたのでございますが、下関から大阪に、京阪神に参りますもの、或いは三陸方面から東京に入りますものは、この七百五十一キロという長距離ではその適用を受けなかつたのでございますが、今回は下関もの、或いは三陸のうちの一部は除けますが、大部分三陸地方のものは適用を受けるというようなことに相成るわけでございます。  その他細かいものは除きまして、金鉱につきましては、これは国際価格一定しているというような関係から申しまして、価格の、金鉱石運賃の値上りを製品にかぶせることができないというような特殊事情もございまするので、これ又通商産業省とよく連絡をとりまして、これは区間毎に特定をいたしておりまするが、大体二〇%の割引をいたしたいというふうに考えております。大体以上でございます。
  20. 前田穰

    前田穰君 只今伺つておりますと、無煙粉炭以下十数目ばかりについてはいろいろ御研究なつておるようでありますが、そのほか今申上げました砂利は、只今一応御説明伺つたのでありますが、資料として頂いておる表を見ても石灰石運賃負担力においては図拔けて大きくなつておる。それほどではないけれども、砂利運賃負担というものは非常に大きくて、他の品目とは群を拔いておるようなことになつておる。果してこれでいいかどうかということに疑なきを得ないと思うのであります。これはここに專門家の岡田委員がおられるから或いは何か專門的の御意見をお述べになるかも知れませんが、私としてもそういうふうに一応考えるわけです。  それから醤油のことは、やはり只今一応御説明は伺いましたが、伺つたところでは、他の品目ほど深く御研究なつていないようにも思う。味噌との関係、それから容器返送関係、そういつたいろいろ問題があるように思われるのでありますが、この二つを更に研究をして、まあどういう結論が出ますか、只今無煙粉炭以下の品目の御研究と同時に、一応の結論を出して頂きたい。こう考えますが、それと先刻申上げました大体いつ頃までに具体的研究を終えられるお見込みであるかということをお伺いしたい。
  21. 津田弘孝

    説明員津田弘孝君) 只今砂利につきましてお話がございましたが、元来この砂利と申しまするものは、先ほども申上げましたように非常に運賃価格の中に占める割合が多いのでありまして、従いまして余り遠い所から砂利需要地に持つて参るというようなことは、まあそれ自体として引合わない仕事なのでございますが、先年砂利公団というようなものができまして、運賃をプールにいたしておつたことがあるのであります。その際に非常に、どこから持つて参りましても運賃公団持ちというような関係から申しまして、相当遠距離輸送が行われておるのであります。併しながら鉄道輸送から申しますると、こういつたような大量の貨物を、而も長距離亘つて運送をされるということは、現在輸送力逼迫の折から輸送上余り望ましくないということが一応は言えるのでございます。従いまして、今後自由経済に相成りますれば、だんだんとその距離は、自然に縮まつて行くべきものというふうに考えております。併しながら現実の問題といたしましては、実際に鉄道運賃の如何によりましては、その河を対象としておりまする砂利業者が潰れるというような結果にも相成りまするし、又現実にそのような事態が発生もいたしておるような次第でございますので、この砂利の問題につきましては、一つ愼重研究をさして頂きたい。まだ現在におきましては結論を得ておらないのでございます。醤油につきましても、同様一つもう暫く藉すに時日を以つてして頂きたいと考えております。  なお、この等級改正の根本的な等級改正をする時期につきましては、はつきり明確化せよというお話でございましたが、これは非常にまあ困難な問題でございまして、今後の日本経済がどのようなふうに推移をして参りますのか、従いまして価格がどのような変動を辿つて行くのかということが、今日におきましてはつきりとわかりませんので、何月何日までに等級改正するというようなことを申上げることは、非常にむずかしいと思うのでございますが、先ほど来申上げておりまするように、この問題は非常に重大な問題でございますし、運賃と同様に重大な問題でございますし、又産業各般関係のある問題でございまするので、できるだけ早い機会に等級改正運びに至りたいということで、一つ了承願いたいと思います。
  22. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 速記をやめて。
  23. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) それじや速記を始めて。
  24. 前田穰

    前田穰君 私のこの研究見込みについてお伺いしたのは、根本的の等級改正研究ではない。根本的の等級改正は場合によれば数年を要すると私も考えるので、だからそれをお尋ねしておるのではなくて、今お述べになつ応急措置研究をいつ頃やられるか、こういうことをお伺いしたつもりであります。
  25. 津田弘孝

    説明員津田弘孝君) 応急措置につきましては、先ほど申上げました無煙粉炭以下の数品目につきましては、これは本運賃法改正案通りました十一月の一日に若し間に合えばその日から実施いたしたいというふうに考えておるのでございます。  それから砂利醤油につきましては、ちよつとそれに間に合わん、結論を得ることがむずかしいと思つております。
  26. 前田穰

    前田穰君 それでは貨物運賃につきましては、私は一応これで打切りまして、航路運賃についてお伺いしたいのでありますが、聞くところによると衆議院航路運賃の修正について意見が出ておるというので或いは重複するかも知れませんので、簡單に申上げますが、この航路運賃は今度の値上げが大体五割見当なつておる、五割以上に上つておるものもあると思うのでありますが、その結果航路運賃収入が四十四億でしたかになつておるのですが、そうしてその航路経営費を見ますと補正後が三十三億、その関連費をどういうふうに計算しますか、関連費収入で按分して見たつて、恐らくは七、八億円にしかならないのじやないか、だから原価ということであれば、四十億程度あればそれでとんとんになるのじやないかというような気持がするのですが、関連費ちよつとどういう計算になるかわかりませんが、私の見当ではそういうふうになる。そうして航路運賃というものは一面航路原価を見るということが必要であるかも知れませんが、同時にこれは先ほどちよつと申上げたようにフイーダーの意味が非常にあるのじやないか。かように考えますので必ずしも原価に拘泥する必要がないと言つては言い過ぎかも知れませんけれども、それほど気にする必要もないのじやないか、こうも考えられます。而も今のやつは旅客貨物を含めてであります。旅客運賃だけで言えば、むしろ普通の鉄道旅客運賃と同じような割合いで行つていいのじやないか。こういう感じを持つのですが、精密な計算ちよつと資料がないのでできませんが、私の頂いた資料だけを見ても感じはそういうふうに思うのです。それに対する御意見、或いは衆議院のほうでどの程度この問題が進んでおりますか、それを伺いたい。  それからもう一つ序でに、提案されておりまするのは鉄道船舶でありますが、国鉄自動車についてはどういうふうにお考えなつているのか。この点について一言も今日まで触れていないように思うのでありますがその点を一つ承わりたいと思います。
  27. 津田弘孝

    説明員津田弘孝君) 只今前田委員からお話のございました青凾航路運賃につきまして先ずお答えを申上げます。  国鉄は現在鉄道連絡船自動車経営をいたしているのでございますが、鉄道の部内といたしましては成るべくこうした鉄道船舶自動車ごと独立採算制に近づけて参りたい。それぞれの部門に属しまする職員の企業意欲を高めるという点から申してもできるだけ独立採算制に近づけて行きたいというような考え方を持つているのでございますが、その点から申しまして青凾旅客運賃につきまして運送原価を見ますると、昭和二十五年度の実績によりまして旅客一人当り二百五十二円という数字に相成つております。ところでこの一人当り二百五十二円という中には一等旅客も二等旅客も三等旅客も引つくるみになつておりますので、これを三等の旅客に換算をいたしますると、三等に換算の一人当りの青凾間の旅客運賃、船賃の経費は百八十九円ということに相成ります。これは二十五年度の原価でございますので、これに対しまして昭和二十六年度におきましては相当の原価の高騰があるわけでありますが、仮にそれを四割二分程度と見ますると、百八十九円に対して一・四二をかけまして二百六十九円という数字が出るのでございます。従いまして現在の旅客運賃の百六十円を二百五十円に改訂をしようという国鉄の当初の案、又それが同時に政府案として国会に御審議を願つているわけでございますが、その原価計算の面から見ますると、二百五十円の青凾旅客運賃を設定するということは妥当な値上げだというふうに考えられるのでございます。併しながら一般の鉄道旅客運賃が、国鉄の三割五分の値上げ申請に対しまして二割五分というようなふうに査定され、又その二割五分案で国会にかかつているというような状況におきまして、又一方におきましてこの北海道と本州との間を交通される旅客のかたがたの負担というような面も考えられましてか、衆議院におきましてはこの国鉄の二百五十円の値上案に対しまして、国鉄と申しまするか、原案の二百五十円に対しまして二百円というようなふうに査定をされたというふうに承わつております。なおその他の航路運賃につきましても、原案よりもそれぞれ若干ずつ下廻つたところで衆議院は訂正をされまして、参議院に送り込まれるというようなふうな運びなつている模様でございます。それでは航路運賃がこの衆議院の訂正のようなことで初めの原案よりもどの程度減収になるかという点を念のために申上げますと、大体七千万円程度でございまして、この程度のものでございましたならば、いろいろの他の方法によつてカバーのできる程度のものではないかというふうに考えているのでございます。  それからもう一つ質問のございました国鉄自動車運賃でございますが、国鉄自動車運賃につきましてはいろいろな経緯がございましたが、最近と申しまするか、ここ何年前かから、一般の自動車運賃旅客運賃貨物運賃ともに一般の民間自動車と同じ振合いによつて設定をいたしております。従いまして今年の初めでございましたか、トラツク運賃値上げになりました際に、それに即応いたしまして国際自動車のトラツク運賃もすでに値上げいたしましたし、又旅客運賃につきましては、今回一般のバス運賃値上げになりまするのに即応いたしまして大体それと歩調を揃えまして運賃値上げをいたす予定でございます。承わるところによりますれば、バス運賃につきましては会社ごとに三業建てを、私はつきりした数字を記憶しておりませんが、二円七十銭、三円、三円三十銭ではなかつたかと思うのであります。その運賃を会社ごとにそれぞれ運輸省が査定して適用するというような運びなつているように聞いております。国鉄自動車につきましては、大体まん中の三円というところを標準にいたしまして、一キロ三円というようなことで運賃を彈いております。従いましてこのバス運賃値上げによりましてやはり数億の増収が見込まれるのではないか。従来国鉄自動車運賃収入旅客貨物合わせまして二十五億でありますからやはり数億の増収になるのではないかというように考えております。
  28. 前田穰

    前田穰君 只今の御答弁の一番最初に言われた鉄道、汽船、自動車それぞれの部門において独立採算制をやつて行きたいのだという御答弁に対しては、私は別な機会に、営業局長でなく経理局長に御質問申上げたいと思いますからそれは御了承を願います。  その次に青凾原価の御説明がありましたが、船舶全体として私が今申上げた四十四億の収入に対して三十三億の経営費、そのほかに関連費がまあこれはラフななんで、七、八億、四十億あればいいんじやないか、無論その資料が大ざつぱな資料しかないのだから、そう申上げたのですが、それは間違いなんですか、どういう点に誤謬がありますか。
  29. 三木正

    説明員(三木正君) 詳しい数字を持つておりませんので、はつきり申上げかねると思いますが、仰せの通り今度の予算書で見て頂きますというと、収入が四十四億ばかりになりまして、船舶費の経費は三十三億ばかりになつております。あなたのおつしやる通り管理費及び鉄道公安費、営業費、或いは減価償却費、特別補充取替費、利子及び債務取扱諸費、そういうようなものをそれぞれのウエイトによつて、例えば減価償却費とか特別補充取替費のようなものは、これは主として利益の財産額の高に応じて按分すべきでございましようし、或いは管理費のようなものは人員を基礎において按分すべきであると思います。そういうようなものを加えたものが大体船舶の経費とこう見るべきであると思います。更にそこでももう一つ考慮しなければなりませんことは、船舶費と申しますのは、全く船舶の運行及び着橋いたします費用だけ挙げているのであります。一般の原価計算的に経費を考えます場合には、運賃を定める場合には、発着費と輸送費と別に考えて、それぞれそれが基礎になつておりますが、我々の経営いたしておりまする連絡航路におきましては、船舶自体の発の貨物というものは原則としてないのであります。必ず前後航送されて発着とも、ほかの航路の習慣でないところにあるのでございますから、その発着費というものの負担をしなければならんと思うのであります。ちよつと速記をとめて頂きたいのですが。
  30. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) ちよつと速記をとめて。
  31. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 速記を始めて。
  32. 岡田信次

    岡田信次君 私は運輸委員でなく、同僚議員の依頼によつて、りんごの輸送並びにそれに関連する運賃についてお伺いいたしたいと思います。りんごを世の中には贅沢品と考えているようですが、今日では大体野菜に近いという意味合いでりんごの等級を野菜並みにできるかどうか。又将来してもらえるかどうか、それからりんごの輸送の実態が大体七〇%乃至八〇%しか積めないということに鑑みまして、りんごの運賃計算を十トン数にしてもらえるかどうか。それから更にりんご輸送につきまして、距離逓減をもつと考慮してもらえるかどうか、この三点をお尋ねいたします。
  33. 津田弘孝

    説明員津田弘孝君) りんごにつきましては、一般の野菜と同様に扱うべきものかどうかというような点につきましては、これは一般の何と申しますか、常識が非常に大きな要素となつて決定をせらるべきものと思うのであります。併しながら戦前におきまして、そのりんごが九州中国方面には朝鮮りんごが非常に豊富に入つて参るというような時代と違いまして、青森でできるりんごを、やはり鹿児島のかたにも、なかんずく児童のかたには食べて頂きたいというような配慮もありまして、一時りんごにつきまして運賃割引をいたしたこともございます。その割引を継続いたしまするかどうかにつきましては、目下考究中でございますから、お尋ねのございました三点につきましては、今直ちにお答えできませんが、一つ研究さして頂きます。
  34. 村上義一

    ○村上義一君 先刻前田委員からお尋ねになりましたのに関連してでありますが、貨物運賃の特別措置として土管並びに陶器がそれは三百五十一キロ以上は一〇%割引をしてある。それを更に瓦を追加して三百十キロ以上一〇%引く措置運賃値上と同時に実行するという御計画のように伺つたのですが、この陶器関係につきましては、ただこういう特殊のものと接近した粗雑なものが随分あるのでありまして、例えば信楽焼の火鉢というようなものはかなり粗雑な陶器であります。九谷焼、伊万里焼等と同一視するということは弾力がない。そのために製造業者なども破産するものも少くないというようなことを聞いておるのであります。元来十一等級でありますると、そこに非常に無理があるのではないか、こういう特別措置をとられるということにもおのずから限度があると私は思うのであります。そういう等級以外に他の特別措置をとつて行くということも技術的には困難だと私は思うのであります。こういつたような点を考えますると、現在の等級が十一等級ということに無理が介在しておるのであつて、もう少し等級を多くして、そうして負担力その他の点を検討考察して当てはめるというようなことが必要なんじやないかと考えるのであります。その点についてはどういう御見解を持つておられるか、ついでながら伺つておきたいと思います。又今申上げました信楽焼はきわめて粗雑な火鉢なんかに対しまして、何らか特別措置をとられる意思がないかどうかということをお伺いしたいと思います。
  35. 津田弘孝

    説明員津田弘孝君) 貨物等級は現在は十一等級なつて、その中にありとあらゆる物資を適当のウエイトで分類をいたしておるのでございますが、この貨物等級につきましては非常にいろいろと沿革もございまして私の記憶しておりまする限りにおきましても、二十等級ぐらいであつた時代もあつたようにも思われるのでございます。現在の分類の根本的な考え方といたしましては、大体この価格を一番根拠におきまして、価格の高いものからこれを五等級に列べる。そして例えばトン当りの価額が、金は幾らで瓦は幾らだというようなふうに考えまして、五等級分類をいたしまして、それに価格だけではいけないのでありまして、いろいろと社会政策的な意味或いは産業政策的な見地或いは場合によりましては国鉄の営業政策の面から考えまして、これに対しまして、更にその等級を一応五等級にきまつたものを下げる。更にもう一つの要素といたしまして、そこに容積と重量との考え方を入れまして、いわゆる国鉄では嵩高品と言つておりますが、そういつた要素をそれぞれからみ合せまして、現在におきましては十一等級に相成つておるのであります。この十一等級のものを、今度は更にそれを多くするか少くするかというようなことにつきましては、未だ何らの結論を得ておらないのでございますが、先ほどお話のあります貨物等級改正、全面的な等級改正というような際には、この問題も取上げて研究をさして頂きたいというふうに考えております。それから三州瓦なり、陶器なりに匹敵するようなものもあるではないかというような御質問のように承わつたのでございますが、元来、今仰せられたような事態はこれは非常に発生する可能性もありまするもので、この問題につきましてはなお一つ十分に研究さして頂きたい、かように考えております。
  36. 村上義一

    ○村上義一君 ついでと申してはなんですが、国鉄当局にお願いをいたしたいと思うのでありますが、それは非常に複雑な、又尨大調査でありますが、すでにもうでき上つておるかも知れません。とにかくこの国鉄全体の施設の復旧、復興の計画を各線別に立てて、その所要改良費がどれだけになるかということを、一つお示し願いたいと思うのであります。只今申す通りこれは非常に尨大調査を要することでありまして、まだできてないということでありますれば、相当の時日を要すると思いまするが、是非一つ調査を願つてお示しを願いたいと思うのであります。東海道線のごときはもう電化工事、浜松以西の電化工事、又京都駅のヤード、又駅舎、その他若干のものは考えられまするが、大体東海道線のごときは復興が完成という域に進んでおると思うのであります。併しながらその他の幹線におきましては、なおよほど東海道線に準じた復興計画、改良計画ということになりますと、相当今後多額の経費も必要であろうと思うのであります。特に幹線でありながら、山陰線とか北陸線、中央線等を見ましても、よほど今後大きい改良費を要するのじやないかというふうに考えられるのであります。常備編成車におきましてもなおこういう幹線駅の常備編成車でも、小荷物車を改造して応急の三等車にしたというものが常備編成車に加つて運転されておる。又一般の問題ですが、貨車のごときでも耐用年度を経過してそうして使用されておるものが随分少くない。又固定設備におきましても駅舎が相当老朽化しておる。更に跨線橋のごとき、スクラツプ供出という意味合で戦時中に撤去せられた跨線橋がそのままに今日まで放置されておる。北陸線で十数カ所跨線橋を撤去したままで今日に及んでいる、何ら復旧しておらんというような現状であるのであります。とにかくこういう車両及び固定施設でありますると、そこに非常に修繕費が多くかかる、つまり合理的の経営と言えないと思うのでありまして、この運賃原価を見る場合も、特に普通の施設ができておる場合と、今日のような老朽化した施設を危険なからしめるように必要限度の保安度を保つように維持して行くのには非常な多額の修繕費を要するというようなことも考えられるのであります。一面サービスの点においても遺憾になつて来ることは勿論であります。  それから更にもう一点、この調査をお願いしたいという理由は、新線建設計画及び建設費との関連でありまして、つまり建設費と改良費との調整均衡を睨むという見地からこの調査が必要であると思うのであります。或いは建設審議会等の御要望によりまして、すでにこの復興復旧計画の調書をお示しになつておるかも知れません。願くば各線別に所要の工事改良費、それから又何年計画くらいで遂行するというお考えであるか、そういう点お示しを願いたいと思うのであります。
  37. 三木正

    説明員(三木正君) 戦争中並びに終戦後の取替え不足と申しますか、修繕不足というものにつきましては、前から鋭意その改善を図つておりますけれども、同時にどれほど残つておるかということを着々研究いたしておりますから、そう遠くない機会にそういうものをまとめたものをお目にかけることができるのじやないかと思いますが、改良と申しますか、そういう部面に対しまする分は、如何なる規模においてこれを見るかということによりまして、非常に額が違つて参りますので、どの程度に見るかということを十分研究し盡しておりませんので、暫く時間を頂かなければできないのじやないかと思いますが、非常に平常の状態よりも枕木の状態が足りなかつたり、レールの耐用年数が過ぎておつたり、或いは車両の耐用年数が過ぎておる、そういうものにつきましては不日調査したものを差上げることができるのじやないか、かように考えております。
  38. 村上義一

    ○村上義一君 只今の経理局長のお説御尤もでありまして、頗るこういう御注文を申上げるというのは御手数だと思うのであります。で、基準が問題だというお説であります。私もそれを思うのであります。先ずA線、B線、C線というようなふうに大体区分しておられることは承知しておりますが、併しながら先ずそのうちでも非常に線のウエイトが各線間において違うことと思うのであります。それらの標準をおきめになるということも、一つのこれは国鉄当局国鉄経営せられる重要なる方針の一つだと思うのであります。とにかく決定してない場合には、それらの点を一つ御計画願つて、半年かかるか何ぼかかるか存じませんが、とにかくそういう結論一つお示し願いたい。ただ私先刻も申しまする通り、建設審議会において新線の建設がどうしても今後やかましくなつて来ると思うのであります。別に私は改良偏重の主張をするのじやありませんけれども、新線の建設費と、そうして現況のごとく痛めつけられておる諸設備の改善という間にバランスを維持して行くことが緊要であると思いまするが故に、是非御面倒でしようが、まとめて頂きたいのであります。重ねてお願いをしておきます。
  39. 高木正夫

    ○高木正夫君 私今日はもう質問を申上げんつもりでおつたのですが、先ほど津田業局長お話を聞きまして、念のために伺つておきたいことがあるのです。それは例の貨物等級改正の問題ですが、お説の通りこの貨物等級の根本的な改正はなかなか困難であろうと思うのですが、それまでには特別措置を講じよう、割引等においてやつて行こう、こういうお話で御尤もだと思うのですが、先ほどからお話を聞いておりますと、これは私の聞き違いであるかも知れないのですが、相当距離のある所、遠距離の間に、或いは五十キロ……、百キロの場合には倍とかいうお話が重点のように思うのですが、それでは我々の希望する点には行かんのじやないかと思うのです。例えば一定の目的地に定期的に多量の荷物が出るという場合に、いわゆる特割と申しますか、そういう処置を十分に講じて頂くのが一番利用者の目的も達するのじやないかと、こういうように考えます。その点について一応念のために伺つておきたいと思います。
  40. 津田弘孝

    説明員津田弘孝君) その点につきましては、先ほど申上げましたものは概して申しますれば、遠距離割引、遠距離割引ではありますが、その遠距離距離を少しずつ縮めて行く、例えば坑木について申上げましたように、或いは下級鮮魚について申上げましたように、そういつたような例でございますが、今高木委員からお話のものは、発地も着地も一定なつていて、而もその中を大量に、まあ我々が俗にピストン輸送言つているような方法で輸送されるというようなものにつきましても、特段措置を講じろと、こういうような御意見のように承わるのですが、まあそういつたようなものもなきにしもあらず、例えば一番問題がございました石灰石等につきましては、百キロ以下の近距離に対しましても、山元に割引率をきめているというようなものでございまして、具体的の問題といたしまして、具体的に研究さして頂きたいというふうに考えます。
  41. 高木正夫

    ○高木正夫君 これはむしろ請願になるわけかも知れませんが、いろいろ先ほどから品目が出ておりましたが、しゆろ製品ですね。たわしだとかほうき、大分細かい話になるわけですが、これがまあ家庭生活になかなか重要な地位を占めておる。これは御承知の通り、今のところでは価格運賃と殆んど同じなんです。今度運賃が上りますと、却つて赤字が出るというようなことにもなつておるらしいのです。これはまあ農産物の中に含まれておるかも知れませんが、特にこれだけは頭に入れておいて頂きたい。これは請願になるかも知れません。
  42. 津田弘孝

    説明員津田弘孝君) 只今お話は御意見としてよく承わつておきますが、但しそのたわし、ほうきは何もそう遠距離から取寄せないでも、どこにでもあるように思われますが、ただしゆろでできましたたわしとかいうようなものになりますと、しゆろというものはやはり日本でも南の、九州の南でなければできないものと思うのでございますが、どうもそういつたものを遠距離まで運んで、しゆろでなければいかんというような用途もあるのかないのかよく存じませんですが、併しながら御意見としてよく承わつておきます。
  43. 高木正夫

    ○高木正夫君 いずれ又実情を申上げる機会もあります。
  44. 内村清次

    ○内村清次君 総裁に御質問しますが、今回の運賃改正の要綱を見ましても、物件費の値上りによるところの額が、これが大半占めておるようでありますが、そこで国鉄のほうでは従来用品の購入に対しましては、入札制度で買つておられる。やはり国鉄もこれは諸物価の値上りを勘案せられることも一つの條件でありましようが、大体国鉄所管の予算において一つの基準線というものを持つて、そうしてできれば入札がその下位のほうに競争的に下つて行くということは、これはまあ好條件として認められるでありましようが、先般の枕木の購入に対しましても苦い経験が国鉄自体も考えられたようであります。それは折角入札されたものが納入がなかなか困難である。その原因をつきとめて見ると、どうもそれを一つの何と申しますか、商売というと語弊がありましようが、とにかくそういうような形の、中間ブローカー的な性格を持つ人たちが入札に携つておる。そういうようなことで、現品の納入が予定通り来ない。そうして而もそういう人たちはあとでは権利を放棄して行くからして、国鉄は迷惑するのだと、こういうようなことがやはりこれは相当行われておりはしないか。そこでそういう制度そのものというものが、総裁としては今後改善をして行かれるような御意思があるかどうかですね。又行かれるとすれば、まあこれに対してどのような方法を考えておられるか、まあそういう点を一つ説明願いたい。
  45. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) 今おつしやつていることはいわゆる自由競争というお話だろうと思いますが、いわゆるオープン・ビツド、これは私はオープン・ビツドをやるについては、前提條件がいろいろ要るのではないかと思うのです。実は物が少くて需要が猛烈だというときには、何もオープン・ビツドというものがそう物の値段を下げるということは無論できない、ただ物の豊富な場合には、而も品物を見て買える、物がどんどんできる、その生産状態も非常にいい状態であるという場合には、私はオープン・ビツドというものは非常に効果があると思うのですが、日本のように生産量もそうたくさんはない、殊に鉄道だけが使うような品物、そういう今のお話の枕木というようなもの、これはどこでも使う物じやないので、実はああいうふうに材木を短く切つては、これはどうにも使えない物なのです。特殊な品物になりますと、これはなかなかオープン・ビツドだからいいのだというわけでなくて、むしろ品物がよくて納入の時期等についても正確を期することができるという、いわゆる信用のある製造業者にやらせるのが私はいいと思うのです。そういう場合にはオープン・ビツド必ずしもいいものじやない。更に進んでいえば本建築のようなもの、こういうものはコンクリートの建物ができちやつてからいいとか悪いとかいつたつてしようがないので、やはり信用のある技術者の立派な人がいるところを相手にして契約をしなければならんものだと思います。承わるところによると、アメリカのようなああいう生産力が旺盛であり、マス・プロダクシヨンをやつて品物がたくさんできる場合にはいいが、やつぱり單純に値段が安いからといつて契約するというのではなくして、その中にある技術がよいとか生産設備の豊富なもの、こういうようなものをいろいろ勘案して後に契約をされるとかいうことにしたらいいと思います。今日のような情勢の下において純然たる自由競争だけに頼つて行くということはむしろ危險である、この際はむしろ考え直さなければいかん。これは我々は鉄道を動かすのが使命でありますけれども、物が入つて来ずに鉄道が動かないのでは、値段だけが安くても困りはせんか、これは両方の線のいずれにも一長一短がございますが、物によりことによつては必ずしもオープン・ビツドによつて行ける物ではない。むしろ自由競争とか或いは資格審査を嚴重にやりまして各社にやらせるというような方向に行くべきものじやないかと思います。
  46. 内村清次

    ○内村清次君 私もその点はそういうふうな今回の枕木、それから石炭問題から勘案いたしまして、やはり一応その資格審査その他あの制度に対して再検討をする必要はなかろうか、かように存じましたからお伺いしておる次第であります。今後の国鉄の職員に対しましても相当何と申しまするか、労務管理のほうで現状より以上の能力態勢を築く上においては、やはり総裁とされましても、現在の機構その他一般におきまして再検討の必要があろうかと思いますが、問題は例えば今回職員がやめて行きました、そのやめた後の国鉄従業員の生活安定と申しまするか、そういう点に対して現在の状態ではやはりこの失業者の吸収というものが非常に手ぬるいために、折角まだ働くからだを持ちながらこの狹められておるところの就職の面に対して、非常に悲惨な鉄道退職者の生活がなされておるという状態でありまするが、今でも例えば鉄道と関連した事業の一端を担なつておられる鉄道弘済会とか、或いは又交通公社だとかその他関連した契約工場あたりに対してのこの受入態勢の機能というものを相当やつぱり考えてもらわなければいけないと思いますが、こういうような御斡旋についての見通しですね、こういう点はどうでございますか。
  47. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) 内村委員の御説誠に御尤もなのでありまして、やはり従業員諸君が安心して安定した形で使われて行く、就労して頂くということは、これはいうまでもなく、最も大事な條件の一つだと私は思います。従いまして今回人員の整理をやるということに際しましても、何とかして、そういうやめて行かれるかたは非常にお気の毒ですが、残つた人に対しても、いやどうも先輩がやめたのだがえらいことになつてしまつた、それでは我々の前途は真つ暗じやないかというような感じを与えますと、やめて行く人だけじやなくて、残つている人にも、非常に私は悪い影響を与えると思います。そこでこれを何とかいたしたいのですが、世の中の変転いたしました今日におきましては、過去において私どもの先輩が受けられたような安定感がないのですね。これを何とか、まあそこまで行かなくても何か幾らかなりとも、お世話を頂いた、世話をしてくれたなという気持になつてもらいたいと思いまして、今折角その心持だけでもそういうところに行きたいと思つていろいろ考えておりますが、気の付いたことを申上げるとこれということは申上げられませんが、本来の鉄道業務、それと余り関連のない、そんなことを鉄道自体がやつていなくても列車の運転の安全であるとか或いは旅客荷物のサービスにそう影響のなかりそうなものも可なりあると私は思うのです。そういうようなものはこの際どういう形になりますか知らんが、そういう仕事に退職されるかたがお廻りになつたらどうかと思います。これはなかなか数だけの問題でなくて、やはり能力の問題もありますから、或る部面では非常に能力があつても、そういう仕事に向かない人もあります。それでまあそこらはなかなかむずかしい問題ですが、気持はそういうつもりでおります。
  48. 内村清次

    ○内村清次君 いま一遍お伺いしたいのですが、報償制度というのが確立いたしたわけですね。第一次の裁定によりまして明瞭ですが、今なお実施されておらない、細則の決定もなつておらない。そこでこの石炭報奨金だとかというような問題は逐次当局のほうでやつておられるようでありまするが、これも又どちらかとすると、組合とは話合いはあるとしても、どうしてもやはり一方的な形である。その制度化における、黒字のときの報奨制度を確立するというようなことではないようですが、何かこれを実施する上におきまして非常に困難なことがあるかどうか、この点に対して総裁は今までお考えなつたことがあるかどうかですね。これは私は今後この機能を上げて行きまするに、一番重大な問題ではなかろうかと思うのでありまして、国鉄の運営が非常に円滑に行き、又従業員がはずんで、そうして働いて行く、こういうのがやはり独立採算下の国鉄の機能増進の一番大事なことだろうかと思いますが、これはどこに支障があつて、これが締結できないかということにつきましての御意見を伺いたいと思います。
  49. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) 実は私甚だ怠慢なんですが、仲裁裁定かなんかにその話があつたらしいのですが、まだ詳しく聞いておらんのです。どこに支障があるのかよく伺つておりませんが、聞いた上でなるたけ早く、そういう線ができますれば考えて行きたいと存じておる次第でございます。
  50. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 速記をとめて……。
  51. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 速記を始めて……。
  52. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 我々地方の者としまして、今回の値上は或る程度止むを得ないと思うのでありますが、値上だけやつて相も変らず四等車、五等車級の車に乗せられておる。そればかりではなく、実は人命にも危險を感ずるような、これは先般の委員会でも申上げたのでありますが、そういう車にしばしば乘せられるような感を持ちます。こういういわゆるローカル線のサービス向上ということに格段の研究と御注意を払つてもらいたいと思うのでありますが、この点重ねて総裁にお願いします。
  53. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) 誠に御尤もでございまして、どうもローカルの線と申したらいいんですか、ローカル輸送のほうがいいかも知れませんが、先ほど衆議院で常磐線のごときは、あれは本線ではないか、本線の上を走つている近距離の列車はひどい。あえて支線ばかりではないというお話でしたが、ローカル輸送でございましようと思いますが、これがどうもまだなかなか手が届かないでおるということは、私身を以て体験いたしております。これはどうかして何とかしなくてはならんものですが、石原委員御承知のように、戰争たけなわになりまして、資材が少くなるとか、あらゆる面で窮屈になりまして、実は当時できました車両にはかなり手を抜いて設計したものが多いのでありまして、もはや壽命の来ておるような車もありましよう。それから線路のようなものでも、当時は戰争に勝ちさえすればいいんだ、あと十年ぐらいやつて、あとのことはそのときというようなことで、相当手を抜いてあるのですが、その穴埋めがなかなか容易でない。そこで今度の値上によりまして、それとどういう関係に立つかというお話でありますが、この値上によつて増収をしました分の中には、減価償却或いは特別取替の費用というようなものが入るわけです。それが今までのままで値上をやらなければ、仮に例をとつて申しますと、二千両なら二千両の客車が毎年々々改造され改良されて行くべきはずのものが、それが物価騰貴によつてできないというような結果になるわけですから、今度値上して頂きますと我々の計画通りできますから、予定通りだんだん進捗して行きまして、そうしてローカル輸送も改善されるわけでございます。併し又そのやり方についても、とかく二等、一等は至つてよくなつているというお話でございますが、大体我々としましてはやはり飽くまでも大衆のサービス、三等のサービス、これが私どものお客様のうちでは一番ドル箱でございますから、これを是非やつて行きたい、かように考えております。
  54. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 これも又重ねての質問なのでありますが、只今総裁から計画通りに今度の値上によつてやれるというお話を聞いたのでありますが、最初国鉄が要求した三割五分の引上が二割五分或いは三割に下げられたのでありますが、これでも計画通り遂行し得る自信を持つておられるかどうかということだけでいいのです。
  55. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) 成るほどお説の通り我々の予定よりは幾らか減りましたけれども、これは一つは物の値段が幾ら上るかという見込の相違でございます。まあ若干のものは、これは運賃値上をして頂いた以上、我々のほうでも能率を挙げ、経費を節約して既定の計画通りつて行く義務を私は持つていると思います。
  56. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 それから今日の新聞で地方鉄道も一斉に何か運賃値上をやるというようなことが出ておるのでありますが、私はこれは先日の委員会で運輸大臣にお尋ねしたときに、この地方鉄道或いは地方のバスですね。これが国鉄運賃値上げによつて、一斉に右をならえというような形をとることは果してどうかという感じを持つておるのでありまして、中には非常に黒字の、殊にバスなどによつては独占企業の関係から非常に営業状態のいいところがたくさんあるのじやないかと思うのでありまして、これらが一斉に右をならえをして値上げをするということについては、愼重に研究をしてもらわなきやならんと思うのでありまするが、この点について運輸省当局から御意見を聞いておきたいと思います。
  57. 足羽則之

    政府委員(足羽則之君) バスのほうは所管外でございますので、私は詳しい事情は存じませんので、私鉄について御説明を申上げさせて頂きたいと思いますが、この前もたしかここで御説明いたしましたかと思いますが、私鉄につきましても、動乱発生以来の資材の値上り、或いは給与ベースの改訂、その他資産の再評価の問題、いろいろ原因がございまして、どうしても値上げをして行かなければなかなかやつていけない、そういういろいろな事情があるのでございます。又この私鉄は非常に公共性の強い、公益的な、丁度国鉄と同じような性格、使命を帯びたやはり事業でございますので、運賃なんかにつきましても、従来認可制度をとつてつて、自由に運賃を上げるわけには行かないので、常に値上げが抑えられておる企業でございますが、非常に収益性のない企業でございまして、従つて非常に企業としての赤字が、大部分の共通した現象としては赤字が非常に多い、こうまあ観察されるような状態であつたのでございます。詳しい数字は今ここに手許に持つておりませんので、ちよつとはつきりいたしませんが、昭和二十五年度の状況で見ましても、大体四、五十社程度は無配という状況でありまして、ほかと比べても配当いたしておるところは非常に少い。或いは配当の率なんかも非常に少い、そういう状態にあつたのでございます。従つてこれが事変発生以来、只今申しましたような事情で自然値上げの必要に迫られている。そこで従来も昨年の五月に運賃改正いたしたのでございますが、その後小さい鉄道につきましては、申請によりまして緊急止むを得んものについては、それぞれ値上げをいたしておつた、そういう状況であつたのでございますが、最近に東京及び大阪を主として中心とする大きな会社十六社、この運賃は大体国鉄と時期を同じうして値上げをいたしたい。こういうことなのでございます。これらの鉄道は取扱う数量におきましても非常に私鉄の中で占める割合も大きくて、いわゆる国鉄とのいろいろな連絡事務の関係もあり、それらの点から見まして、時期を同じうして運賃値上げをすることが必要であり、且つ便利であります。そういう点から実は相当前から申請はあつたのでございますが、いろいろ内容を検討いたしておりまして、国鉄と時期を同じうして出すことにつきまして、国鉄運賃値上げをするから、これらの私鉄もいたすという因果関係でないということを御了承願います。
  58. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 つまり私は一斉に右をならえと国鉄にまねをして、地方の交通運輸機関が一斉に値上げされるようなことがあれば地方民は困る。それぞれの状態をよく周知させて頂きまして、必要止むを得ざるものを認めるのはこれは止むを得んのでありますが、そういう処置をとつて頂きたいということを申上げます。バスのことを何回も聞くのでありますが、いつも所管が違うということで、これは国有鉄道運賃法と直接関係はありませんが、やはり運送事業の料金問題でありますので、バスのことも適当な機会に誰か来て答えて頂きたいと思います。  それから総裁にもう一点、先日大臣が近く鉄道の建設公債をいよいよ出すように近く閣議でもきめて、建設方面にも今後当るというようなお話をされたのでありますが、よく私前から建設公債の話を聞いておりまするが、これは極く近々にこういうことが始まるのかどうか、一遍承わつておきたいと思います。
  59. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) これは何か日本国有鉄道法に鉄道債券というようなものを出すことができるようになつたらしいんです。ところが政令がまだ出ていない。その政令を今度閣議に出しまして、交付して発動ができるような状態にまで持つて行くということでありまして、今から実行してどの程度にどうするかというようなことは、これは国全体の経済財政とも非常に大きな関連を持つだろうと思います。私どものほうで鉄道債券を出すならば、僅かばかりのものでないのでありまして、相当大きな額になります。かように考えております。併し御承知のように建設線、或いは電化問題、いろいろの鉄道の設備増設と申しますか、増加と申しますか、拡張と申しますか、そういう御要望は各地に相当多くあるのでありまして、これらの財源を如何にして調達するかという問題は、これも一番大きな私の一つの仕事なんであります。ただこれはやはり普通の会社のように銀行と話合いをするとか、或いは証券会社と話合いをして云々というわけには行かないのじやないか。やはり国の財政と大きな関係を持つておりますから、大蔵当局との話合いもありましようし、いろいろな経過を経て……、
  60. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 そうすると政令は出て、あと資金内容とかその他の問題でとにかく発動し得るような状態にはなつた……。
  61. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) その通りでございます。
  62. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 それからこれも、むし返しでありまするが、運輸大臣にもお願した問題ですが、戦時中は将来は必ず復活してやるという約束のもとに従来営業しておつた線を引離して、まだ復旧してもらえない線が私の聞いておる範囲では全国に三カ所と聞いております。その一つが私どもの福島県の白河、棚倉間の線でありまして、これは数年血の叫びを上げているのでありまして、実は一時復活が認められて起工式もやる、一部分線路を敷きかけたのでありますが、それが又中途で二度の引離しを喰つた、沿道民は誠に悲歎に暮れているのであります。その鉄道でその地方の産業なり経済の状態ができておるということは、私から申上げるまでもないことで、これは今度新規の建設の始まるその際には、私は最も優先して取上げてもらいたい。戦後の経済状態や産業の状態が変つておるから、総合的に考えなければならんという見地もあるかと思いますけれども、とにかく復活はやるという約束のもとに引離しておるものでありますから、国民思想の上から非常に悪いと思いますから、是非特段の御考慮を頂きたい。できれば総裁から言明を願えればなお仕合せだと思います。
  63. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) 鉄道を離した分につきましは、私も相当責任があるわけなんですが、今度造るとなりますと何か今度新らしく鉄道建設審議会ですか、できておりまして、私もその委員に任命せられておりますから、私は委員として石原委員のおつしやつたお言葉をよく考慮の上に……。
  64. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 建設審議会には、どこからか原案を作るところがなければならんと思うのですが、その原案はどこで作成されるのですか。
  65. 足羽則之

    政府委員(足羽則之君) 新線建設審議会は運輸大臣の諮問機関でありまして、鉄道監督局がその事務局としての仕事をいたしております。いろいろ資料を私たちのところで差上げまして今後建設審議会が新線を如何に選定すべきかという点についてのいろいろ御検討を願うわけでございます。
  66. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 よろしうございます。
  67. 前田穰

    前田穰君 予算の関係のほうがむしろ主なんですが、運賃関係に関連するだろうと思つて大綱だけお伺いして置きたい。細目は予算のときに讓るということにしておつたわけなんですが、そのほうに入つてよろしいですか。
  68. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) どうぞ。
  69. 前田穰

    前田穰君 それでは時間の関係もありましようから、細かく切つて一つお尋ねして見たいと思うのですが、先ず今度の補正予算を見ますると、いろいろなことをやつて足りない、それは運賃値上げでこれだけ賄うのだ。こういうことになつておりますが、そのいろいろなことをやる中に、節減として石炭と修繕費と二つ主な項目が上つております。この石炭も修繕費もおのおの増額の面があり、そうして節減の面があり、両方の面があるようであります。そして殊に修繕費では細かく費目に分れておるのですが、その中で直修と申しますか、国有鉄道で直接修繕する部分だけが節減のほうに入つておるようであります。そこで私は多少疑問を持つのでありますが、しわ寄せは石炭と修繕だけにかたよつておるのか、人件費のほうにしわ寄せが行つてつても、この表ではわからないようにできておるので、一向その点の判断ができないのでありますが、先ず以て節減は石炭と修繕だけに固めてあるのかどうか、人件費にはないのかという点。  それからもう一つ、ここに附加えてお伺いしたいのは物価騰貴等によりまして工事費が予定よりも高くかかる。そのために運賃資料のほうで頂いておる平年度の特別補充取替費は七十五億ほど殖えておるのでありますが、今年の補正予算には特別補充取替費というものは一文も殖やしていない。これはどういうわけなんだろうか、これだけのことを先ずお聞きしたいと思います。
  70. 石井昭正

    政府委員(石井昭正君) 御質問の趣旨を或いは取り違えてお答えすることに相成るかも知れません。そのときは又改めてお叱りを頂くことにいたしまして、節減額と申しましても、これは石炭につきましてはいわゆる消費の節約ということを考えておるのでありまするが、修繕費につきましては当初予定しておりました値上り單価に対しまして、昨年度中に安い單価で買入れております貯蔵品を使うその差額を考えておるわけでございまして、特段に消費の節約を強制するという点にはなつておりません。それから人件費の点につきましては、これは例の給与改訂につきまして当初調停案通り四月からということで考えておりましたが、結局財源関係上八月からということに予定いたしておりまするほかは、特段に圧縮してはおらないのでございます。
  71. 前田穰

    前田穰君 特別補充取替費の点について……。
  72. 石井昭正

    政府委員(石井昭正君) 特別補充取替費の増額は、これは本年度におきましての工事費の自己資金の財源でございます。結局当初予算につきましては借入金百億と政府からの交付金二十億並びに特別補充取替費、減価償却費と合せまして工事財源を三百十二億といたしておるのでございますが、今般の補正におきましては、借入金五十億並びに昨年度からの剰余の資金を約十五億、約六十五億の資金を追加することができましたので、従いまして借入金が百五十億、それに自己資金といたしましては約当初の百九十二億に対しまして十五億を追加いたしまして二百七億程度に相成るかと思いますが、そういう状態に相成りましたので、ほぼ工事資金の財源の資金のバランスはとれておるものと考えておる次第でございます。
  73. 前田穰

    前田穰君 特別補充取替費の件、ちよつとよく私理解できないのですが、先ず以て石炭の増額と減額ですね、大体石炭費は四割ばかり増されて、そうして一割ばかり節減せられておるように見えるのですが……、それから一面列車キロは一割くらい殖えておる。それから八トンキロの増加とこの列車キロの増加とどうなるか知れませんが、とにかく列車が重くなるということであろうと思うので、石炭が殖えるというのはよくわかるのですが、この一割減らしたというのはどういうような節約方法を講ぜられるつもりなのか、その点をお伺いしたい。
  74. 石井昭正

    政府委員(石井昭正君) 石炭の増額のほうは、これは單価の引上げに見合つた増額をいたしております。そのほかに昨日御説明申上げましたように輸送量の増加。つまり増収、運賃値上げによる増収でなくて運輸数量の増加による増収に伴う経費が約九十億あるということを申上げましたが、その中にやはり石炭費は入つておるのであります。従つて單価の値上りと使用数量の増加は、やはり列車キロに見合つて見ておるわけであります。その全体に対しまして消費節約額は約六%程度であります。
  75. 前田穰

    前田穰君 減のほうはどういうことをやつて減らされるのかということを伺いたい。
  76. 三木正

    説明員(三木正君) 今石井部長からの説明にあつた通りでございますが、この予算を編成いたしましたのは、昨年の八月頃でありまして、その当時から一年間鋭意石炭節約に努力しました結果、実績としましては三%余りのすでに節約を実行いたしております。更に今年は清罐剤というようなものを罐水処理をいたしまして、もう三%節約できる見通しがつきましたので、約六%の節約をしたいと考えております。更にそれに対しまして、大蔵省ではもう一%くらい節約しろということで、数量としては、機関車一キロ当りの所要石炭量としては、その一%引きました約二十億の節減を見ております。数量はそれだけ減ると同時に、列車キロの増加に伴いまして、機関車キロの増加に伴う所要石炭の量は見込んでございます。その見込みました数量と、それから單価が御承知の通り非常に値上りいたしておりますので、その値上りました單価を、下期の契約の金高を基礎といたしまして、それで所要の増加額を挙げたわけでございます。ところが上期におきましては、下期に契約いたしましたのよりも、相当低い値段で購入いたしておりますから、平年度を見ますときには、下期の数量を見なければなりませんけれども、今年度としては上期で現実に安く契約しております石炭の單価を差引くために、そこに挙げたわけです。それから修繕費につきましては、先ほど石井部長のお話通り手持ちの資材、安く購入しました資材を、昨年度中に購入し、或いは昨年契約し、今年度に入つて来た安い資材を、取得した値段で払出して決算して行くということによる節減額、来年は本当の節減額ではございませんので、一部食い潰しと考えられます、そういうものでございます。電力料金は値上げのものを一応挙げまして、値上げ実施以前の、八月以前の額をそれだけ引いた、こういう勘定でございます。それで業務費の中に五億となつておりましたのは、これは一般会計の節約方針と歩調を合せまして、いろんな雑品、石炭であるとか、修繕材料以外の物品のうち、特定用品と申しまして、運輸帳票費であるとか、シート網、或いは油脂、ウエスト、こういうようなものは値上りを見ましたけれども、その他のものにつきましては、値上りを見てない現予算の単価で数量を節約しろということで見たのが五億、こういう勘定でございます。
  77. 前田穰

    前田穰君 そうすると石炭は熱管理の能率を挙げるようにやつたというように承知していいですか。それから修繕費は安い物件費を今日使うからだということは、結局貯蔵品の払出しは時価か、或いは平均、そういう方法でやつておるのを購入価格で決算した、こう見ていいわけでありますか。
  78. 三木正

    説明員(三木正君) 石炭についても、その数字は確かに上期の安い單価の数字だと心得ておりまして、七%節約いたしました分は、今後それで行くために、来年度予算を見る場合にも便宜なように、左側の増加の分のところに入つておるのです。その分はだから上期の五百円増しで三千五百円で購入しましたものを、今度下期で購入します四千三百円と比べまして、その差額だとこういうふうにお考え願いたいと思います。
  79. 前田穰

    前田穰君 そうしますと残りは特別補充取替費と、先刻の御説明よくわからなかつたのですが、本年度やる工事は値上りをしておるのであるけれども、減価償却の意味で、特別補充取替費をとるのにはまだ時期でない、こういうふうに考えていいですか。そうではないですか。
  80. 石井昭正

    政府委員(石井昭正君) 減価償却、嚴密に減価償却を行なつておりますといたしますると、いろいろむずかしい問題もあるかと思うのであります。極く大雑把に私どもはこの自己資金の範囲を、本年度施行いたします工事のうちで、取替的な性質のものに見合う経費が、先ず自己資金からの繰入れに、いわゆる損益勘定からの繰入れで賄い得られますれば、ほぼそれで妥当な財政計画ではないか、こういう非常に大雑把な考え方になりますが、いたしておるわけでございますが、従来ともその考え方で特別補充取替費というものを考えて参つておるわけでございます。従つて減価償却のごとき一定の金額が必要だというような限界にはまだ研究もできておりませんし、それだけの調査もできておらないのでございますという意味で、今年度の補正を当初予算から通算いたしまして見た場合に、先ず大体これで差支えないのじやなかろうか、こういう考えでございます。
  81. 前田穰

    前田穰君 特別補充取替費は一番これは最初のほうにちよつとお伺いした、ところが本年は特にこの再評価式のことをやつて殖やしたんだ、そういつたようなお話があつたので、よほどこれは嚴密にやつておられるのだというふうに了解しておつたのでお伺いして見たわけなんですが、無論これは一面新らしい工事と睨み合わせてやるわけですから、一応この程度ということならばそれでも仕様がないと私は思います。それで一応了解しておくことにいたしますから、残るところは人件費なんですが、これは昨日お願いしておいたのですが、二万二千二百三十二人の整理を引受けられたのには成算があるんでしよう。それはどういうふうな人員配置並びに交流なりをしてやられるお考えであるか、それに対する研究は或いはまだ御発表願えないかも知れませんが、大体の目途がおありになるんだろう、それを伺いたいということを申上げておいたわけなんです。
  82. 石井昭正

    政府委員(石井昭正君) 二万二千三百人ほどの定員の縮減でございますが、実はこれは御承知のように国鉄は行政官庁と違いまして、定員法の適用を受けておらないのです。国鉄には行政官庁のいうがごとき定員はないのであります。ありまするものはいわゆる給与総額でございまして、この給与総額というのは、結局給与ベースに或る一定の人員を乘じて計算いたしました額を以て人件費の範囲と定められておるわけでございます。その計算の基礎となりました人間がまあほぼ定員という概念に相当するならば相当するかとも思うのでありますけれども、一面又国鉄の場合には実際人員というものがございます。そこで本年度の実際人員は、これは大体年度当初におきまして四十七万三千何がしかであつたと思うのでありますが、それを大体欠員不補充という方針に基きまして、年度末までに、四十六万一千人程度まで減らさなければこの給与総額の枠に合わないということになつておりまして、これは当初からそういう考え方で予算が組まれてあつたわけでございます。そこで現在行政管理庁のほうと折衝いたしまして出しました結論は、この現在の九月末に持つておりまする国鉄の人員から、これは二万二千二百三十人落すということといたしたのでありまするが、これはどういうことを意味するかと申しますると、これは現在持つておりまするところの人間を当初の計画に基いて、新規採用を極力圧縮いたしまして、当初の予算の考え方で持つて行つた人間をこの中に含めてよろしいという考えになるわけであります。そういたしますと実際問題といたしましては、二万二千の人数から約一万四千名か或いは三千名か、その辺の人数は当然初めから、今年行うべき欠員補充をしないことによつて生ずる自然減耗の予定と言えるわけです。それから今度の定員の取扱い方といたしまして、一般公務員につきましては病気欠勤者、長期欠勤者は定員外とする、但し給与は或る程度只今のところでは八割ということになつておりますが、その程度支給するということにいたしておるのでありまして、この取扱い方も国鉄考え方と全く同じように適用すべきである。こういうふうに相成つております。そこで結局この人員が一万人でございますか一万三千人か程度ある見込みでございますので、この分に対する給与は別に計算いたしまして計上いたすことができるわけでございますので、従つてその長期欠勤者をそういう取扱いをいたしますと、そこで実際に働きます人間につきましては、当初考えておりました自然減耗の数字をそのまま実行いたしておく、こういう面につきましてこういうやり方で以てほぼ実働人員に響かないで済むのじやないか、かように考えておるわけでございますが、なおその業務量等も増加いたしておりまするので、必ずしもそれで足りるというような結論も出て参らないかと思うのであります。その点はやはり或る程度国鉄経営の合理化、或いはそのほかの人員の欠陥を補充する措置、まあ例えて申しますと臨時人夫を採用するとかそういうことで補つて行く、こういう考え方に立つておると思います。
  83. 前田穰

    前田穰君 このいわゆる無定員といいますか、予算定員に單価をかけた給与総額と、それから実際の給与の総額との間に開きがあるということは、これはもう昔からあることなんでちつともおかしくはないのだが、それが昔と今日と客観的情勢が非常に違うということを考えて見ますときに、何だか今のお話を伺つておりますと、昔と同じような考え方の下に人事管理がなされておるようにも思うのですが、昔は判任官の定員は例えばずつと昔ならば千円とか、奏任官ならいくらだとかいうやつに予算定員をかける、実際はそれよりも少い人員で仕事をしておつた、だから何人整理せいと言つても、実際の人員の整理というのは割当より少いということでしやあしやあして行けたわけですが、今日は単価のほうは役所が勝手にきめたのではなくて、国有鉄道の場合には労働組合との団体交渉で調停とか仲裁とかいうことで抑えられた、一面勤務の條件のほうは労働基準法というものがあつて、それで或る程度抑えられる、だから勤務時間のほうも、給与のほうも客観的情勢で国有鉄道経営者が勝手にやるわけには行かない。そういうふうに変つておる時代に昔と同じような考え方で人事管理をやられて、それでうまく行き得るかどうかという懸念を起さざるを得ないのです。従つてそういうことに追込まれるのはなぜであろうかということを考えて見ると、公共企業体にはなつたが、やはり国家公務員と同じ振合いということが頭の底に意識するとしないとにかかわらずあるのじやないか。そうすると公共企業体としての本当の機能を発揮するということが、新らしい総裁が如何にふん張られても、非常に困難なのではないかといつたような感じがするわけですが、そこでそういう抽象論をやつてつてもしようがないのですが、私の伺いたい点は、その二万二千人減らされたので実際にどういうふうに国有鉄道の仕事を運営して行かれるのか。と申すのはこれは公式の話ではなかつたので果してどうだかわかりませんが、前加賀山総裁が新らしい時代に処して行くためには一万何千人かの人間がなければ困るのだ、こう言つたようなことを聞いたということを耳にしておるわけです。そのときに国家公務員との振合い上、お前のほうもこれだけ減らせと言つて、それを引受けられるのには、現場の具体的の配置とか、そういつたことに一応の成算を持たれたのではないかということ、そういうことを具体的に承わりたい、こういう質問をしているつもりなんであります。
  84. 三木正

    説明員(三木正君) 先ほどの石井君の説明通りなんでございますが、国有鉄道の定員というのは一応ございませんので、給与総額というもので、それが今お話しのようにベースがきまり、予算がきまりますから、総額がきまる。こういう恰好に置かれております。併しその定員はずつと二十四年の行政整理以来常に年度当初の実員よりも少い定員である、それを若し定員と称しまするならば、少い頭数であつたわけであります。毎年三%ずつ減耗して行く、不補充でやつて行くということでございまして、常に年度当初には何人かやめなければ給与が払えない。こういう給与総額を持つてつたのであります。でありまするから二十六年度の予算におきましてもまさにそれと同じ轍でございまして、昨年の八月には、来年も三%減るから三%減つた人数を以て定員とする。こういうことであつたわけであります。それに対しまして私どもはこの輸送量の激増に対処しまして、到底それは減つたものから一万三千人程度は殖やしてもらわなければ輸送ができないということを話した。今度の定員法は只今説明がございました通り、今年の予算定員、我々の計画しておつた或いは一万三千人欲しいといつたその数からではありませんで、昨年度末、つまり今年の三月三十一日末の現在人員から二万七千人近く、二万六千人何がしかを出す。その中には病気のものは休職者として八割の給与を出す。そうでないものを減らす。昨年九月末までに整理したものをその数に含めるから、九月以降においては二万二千何がし、その中には一万余りと称せられるものうち一万だけ整理する、こういう勘定になるわけであります。なお業務量の増加に対しましては、超過勤務手当というようなものも幾分含められておりますので、その程度の補いはできるのではないかと思います。ただ非常に人が足りないのでございますが、整理を積極的にやらないと、こういう方針でやつておりますので、地域的に又職種的に人員のアンバランスがございます。これを配置転換によつて埋めるので、人がやめるとどんどん配置転換、職種の変更をして対処して参つたのでございますけれども、なかなか最近のような社会事情におきましてはこれも殆んど限度に来まして、非常に困難を伴うような現状にあつたのでございますが、こういう一般官庁が整理を断行される際には、職員ももう一つ奮発して遠い所へも転勤してもらう、慣れない仕事にも代つてもらう、こういうようなこともいたしまして人員のバランスを続ければ或る程度まで行えるのではないかと、かように考えておる次第でございます。
  85. 前田穰

    前田穰君 只今の三木経理局長の御説明は経過の説明のようでありますが、二万二千人を整理する理由はどこにあるのか、国家公務員の整理のおつき合をしておるのか、業務上こういう必要がおありになるのか、そのことを一つ承わりたいと思います。
  86. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) 今度の行政整理というまあ意味がどういうところにあるか知りませんが、いわゆる行政整理ということから申しますれば、我我のところは行政機関ではございませんから、行政整理ではないと思います。併しながら公共企業体である。だから我々も行政機関ではないというので、整理の方針に超然としておるかという問題だと思います。ところがこれはまあ政府の方針でありますから、私どもは公共企業体、先ほど石井部長からもお話申上げましたように事業の繁閑に応じて人員を按配すればいいものでありまして、いわゆる行政方針と申しますか、そういうものによつて動けるべきものではない、本質的にそうじやないと思いますけれども、それじや国有鉄道には絶対にそういう余地なしということもこれ又余りにも行過ぎであるのであります。そこでまあ俗な言葉で申しますれば、今前田委員のおつしやつたようなおつき合なのかというお話がございましたが、まあ簡單に申上げればおつき合であると申すほうがいいかとも存じます。そういう次第でございますから、先ほど来各局長から申上げましたように、その結果的な影響というものも最小限度にとどめて行くわけなんであります。むしろ何と申しますか、殆んどまあ影響のないような、ただ強いて言いまするならば運輸量増大に伴う増員がないじやないかということになるのでありますけれども、これも先ほど三木局長から申上げましたように、年度当初の予算のほうに一万数千人の減員を予定しているのです。それを数の中に入れて更にその長期欠勤の者も又整理の中に入れると申しているのですから、ここにもう二万数千人の名目上のいわゆる整理人員が出るわけであります。そんなような次第でありまして、私はその程度のものならば、どうも超然として理窟ばかり言つておられんであろうということで、まあ組合とは非公式ではありますけれども、大体そういう話合いをいたしまして、こういうことであるから、まあ多少苦しいところもあるだろうがまあお互い勉強してやろう、まあそういうようなことで納得したとは申しませんが、協力して行けると私は確信いたしております。
  87. 前田穰

    前田穰君 そうすると二、三年来こういうことを予想して人員を減しておつたといいますか、その意味は加賀山前総裁が一万数千殖やす必要があるということを含めて今日まで下準備をして来られたとそう解していいのでありましようか。それからもう一つはこの国有鉄道の人員配置というものは全体の数量によつて見たつて少ないので、実際の仕事の分量如何にかかわらず、とにかくポストには実際人間を据えるという必要があることは申すまでもないのであつて、なかなか算盤で彈いたように行かないのが当然なんでありますが、往々定員は減すというその代りに臨時その他の名義で実際においては人間を補充しておるのだ、充足するのだ、こういうことが往々あるわけなんですが、そういつたような方法をとらないでこの二万二千人の減員はやつて行けるとこういうお見込みのわけなんでしようか。
  88. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) いやもう前田委員は人事の関係では大先輩で詳しく御存じなんですから、時宜に適した適切な御質問でございますので、その点が一番困るのです。結局配置転換というようなことを口で申してもなかなか実行がむつかいしのです。人数の上でこれはこうだと言つてもそれは実際問題となつて来るとなかなかむつかしい問題であります。これはよく承知しておりますけれども、先ほど申上げましたように、殆んどの何といいますか、四十何万から見ましたら極めて微微たる割合なんでありまして、それだから私はやり得るのじやないかしらと思つております。というのはもう一つ考え方をこの機会に述べさして頂きますと、今度国鉄に参つて見ますと、二十三年以来でありますか、約十数万人の整理をやつて以来、新規採用は一つもやつていない。それからむしろ配置転換で場合によると降職になつておる、今まででしたらば御承知のように何年か経つたらば長になり、助役になるという、そういうブライトな面があつたのですが、何にもないので、これではいけないのでありまして、こういう機会に何にも無理をして整理する必要はないですが、希望者がありましたならば、できるだけそういう面にもブライトな、明るい面も持たして上げたい。かような考えもまあ意図としては持つておるわけであります。
  89. 小酒井義男

    小酒井義男君 今の総裁の御答弁の中でお尋ねしたいのですが、先ほどからお話があるように、この前の予算編成のときには私の記憶ですと一万六千人の増員を要求されたというふうに記憶しておるわけなんです。今度二万二千人ぐらいの人員は微々たるものだというお話でありますが、一万六千人の増員を必要とするところへ二万二千人逆に減員するということになると三万八千人ということになつて、大体国鉄の総人員数の八%ぐらいに当るのであつて、私は微々たる数だなどということにはならんのじやないかと思うのです。なおそういう余裕がありながら、それでもなぜ増員が必要だという、増員要求がなされる根拠があつたかということに対しても非常に疑問が持たれておるわけなんです。これだけの人数を減らして、人員配置というような部分的なことで勤務時間という問題に触れることなしに、国鉄がこれから客貨の数が殖えて行く見通しの下に国鉄の事業が果してなし得るだろうか。例えば貨車が殖えればそれの修理の手数も殖えるでしようし、駅におけるところの増結なり或いは場合によつては列車の本数が殖えるというような問題、操車場に行きましても操車に必要な人員はやはり必要になつて来ると思います。こういう現実問題がありながら、こうしたことが勤務時間等に何ら影響することなしに実現可能だという確信をお持ちになつておるのかどうか、そういう点について一つ御見解をお聞きしたいと思います
  90. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) 人数の問題については大分ややつこしいことになるようなんですが、二十六年度の予算それ自体が、定員はないのですけれども、年度当初に実際おつた人間よりも年度末になると一万数千人減つたことになる予定だつたそうです。そこへ輸送数量で相当な増加があつたから私はそれに向つて必要なりとして人員を要求したのじやないかと思つております。ところが今度は人員整理という問題になつたときには、いわゆる予算の上に現れている数は問題にせずに、現在実際働いている頭数、九月末でしたらば九月末に現に働いてこの輸送数量の増加に対処している現在人員、それを根本にしたわけであります。そこに相違があるわけであります。何人でありますか、私今数は記憶しておりませんが、ともかくも、この八月九月というような時期に、これからも大いに増送になるかも知れませんが、いずれにしても今年などは八、九月にも、いつもならば夏枯れで荷物がないのに相当荷物があつた、その現実を支配しておつた人間の数を基にしたのであります。そうしてそれから二万何千人の減員と、こういうふうなことでありますが、併しながらそのうちの一万数千人というのは長期欠勤者であります。これは現に仕事に当つていないもの、今でも休んでいるもの、それをも二万何千人の人員の中に含める。ですからそれはマイナスになるわけですね、それだけ……ですからあとは一万何千人であります、ところがこれは自然減も毎年二分とか三分とか出るそうです。それらを差引いて見ましても、仮に二分といたしましても四十万なら八千人であります。そうするとあとは極く少い人間で、成るほど一万何千人の増員ということは、予算の上の数だからそういうことになるのですが、私の交渉した、話合いをしたのは現実に九月において働いておつて運営していた人員を基にして申上げているのであります。その点一つ了承願いたいと思います。
  91. 小酒井義男

    小酒井義男君 その点無理な出血はないという御説明はわかるのですが、あとの作業が、勤務時間に触れることなしにやり得るかどうかという点は如何ですか。
  92. 長崎惣之助

    政府委員長崎惣之助君) それは今申上げましたように、九月現在で毎年四十万トンなら四十万トンの荷物が出ますが、その四十万トン出る荷物を現に扱つている人間がいるのであります。そのくらいですから……
  93. 小酒井義男

    小酒井義男君 ですから、現在の勤務時間というものに何ら触れることなしに行けるという御回答だというふうに受取つてよろしうございますか。
  94. 長崎惣之助

    政府委員長崎惣之助君) さようでございます。
  95. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 他に御質疑がありませんようでしたら、本日はこれを以て閉会いたします。    午後四時二十三分散会