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1951-10-24 第12回国会 参議院 運輸委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十月二十四日(水曜日)    午後一時三十七分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     山縣 勝見君    理事            岡田 信次君            小泉 秀吉君            前田  穰君    委員            石原幹市郎君            仁田 竹一君            内村 清次君            高木 正夫君   国務大臣    運 輸 大 臣 山崎  猛君   政府委員    運輸省海運局長 岡田 修一君    運輸省鉄道監督    局長      足羽 則之君   事務局側    常任委員会專門    員       古谷 善亮君    常任委員会專門    員       岡本 忠雄君   説明員    運輸大臣官房長 荒木茂久二君    運輸省港湾局長 黒田 靜夫君    海上保安庁次長 山崎小五郎君    日本国有鉄道経    理局長     三木  正君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○一般運輸事情に関する調査の件  (ルース台風被害状況に関する  件)(補正予算に関する件) ○国有鉄道運賃法の一部を改正する法  律案内閣送付)   —————————————
  2. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) それでは運輸委員会をこれから開会いたします。  ちよつと速記をやめて。    〔速記中止
  3. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 速記を始めて。一般運輸事情に関する調査ルース台風被害状況に関する件を先ず議題といたします。政府説明を求めます。
  4. 山崎小五郎

    説明員山崎小五郎君) お手許ルース台風報告海上保安庁からの資料を挙げてございますが、それを御覽願いたいと思います。  大体ルース台風は六十メートルの風速を以ちまして沖繩から鹿兒島九州を拔けて中国から山陰のほうに参りまして、壱岐のほうを拔けておりますが、この台風によりましてどういう程度被害状況なつておるかということについて御報告申上げます。二に台風来襲時の船艇配備状況というのがございます。これは台風が大体来ますときに備えまして、海上保安庁で相当その体制を整えますために船の配備をしておつたのでありまして、それの状況でございます。これは御参考までにあとで御覽置きを願いたいと思います。その次に用途別被害状況というのがございます。この船の被害はいずれ海難報告が詳しいのが出て参りますので、そのときにはつきりいたしますが、取りあえず現在海上保安庁にわかつております概数を申上げますと、ここに出ておりますように大体総計いたしまして七千四百九隻の船が遭難を受けております。これはどういう被害状況かと申しますと、沈沒が大体千百十四、乗揚が十三、衝突が二、流失、行方不明千七百九十七、漂流九、その他の損傷が四千三百五十五、こういうことになつておりますが、この大きい被害の先ず沈船の千百十四を見ますと、貨客船が二隻、漁船が百七十七、機帆船六十一、その他が八百七十四ということになつております。乗揚のところを見ますと、貨客船が二、貨物船が九、漁船が四十五、機帆船が十、その他が六十六。流失、行方不明は主に漁船機帆船が多いのであります。漁船が百六十七、機帆船が五、その他が千六百二十五ということになつております。こういうのが主な状況でございます。その次に地域別被害状況が出ておりますが、これは大体今の内訳でございますからあとから御覽を願いたいと思います。(三)の主なる被害船舶及救助状況というのがございますが、これは大体三十トン以上くらいの船の被害を受けましたものの被害状況並びにそれに対しまする救助に要しました状況がずつと下に書いてあるのでございますが、大体ここに出ております、私のほうで調べましたところによりますと、三十トン以上の船で今まで報告を受けておりますでに難に会つたのが六十隻くらいございますが、ここに出ておりますものが大体救助されたのであります。そのうち沈沒したのが六隻ございますが、この中で海上保安庁の船で救助されたのが二十隻、それから米国の船で救助されましたのが三隻、その他民間の船或いは自力で帰つたのが八隻ということになつております。大体六十隻のうちの五割が救助されまして、後の半分はやられておるわけでございます。まあ三十隻助けられた中で二十隻が海上保安庁の船ですが、三十隻が救助されているような状況でございます。これらの今申上げました被害船舶の大体損害見積額は一体どれくらいになるかと申しますと、(四)に損害見積及びトン数と書いてございますが、ここに書いてございますように大体七千四百九隻、トン数が九万三千トンになつております。大体この損害見積額は、楽に見積りまして約二十億三千三百十万円ということになつております。これらの船の乗組員又はその乗つてつた者におきまして死傷者の数を見てみますと、大体八十五名ということになつておりまして、そのうち死んだ者が三名、行方不明の者が七十九名、負傷者が三名、この行方不明というのは大体亡くなつた人が多いのじやないかと思います。まだこれは生死の点がはつきりしないというのが相当ございますが、従来の例から行きまして、行方不明というのは大体死亡者が多いのであります。  次に海上保安庁の所属の船舶につきまして、これの活動をしました際に受けました損害あとのほうの集計合計が出ておりますが、これを御覽願いますと、大体二十九隻で約二千百万円程度で済んでおります。次に燈台航路標識被害状況でございますが、これも最後のほうに集計が出ておりますが、燈台でこのために消燈してしまつたのが六十一基、流失いたしましたのが十四基、沈沒したのが一基、その他の施設破損を受けましたのが五十二というふうになつております。これは今損害額を調べておりますので、はつきりしたことはわかりませんが、大体七、八千万円程度、一億ぐらいの金になりはせんかと思つております。以上大体今日までわかつておりまする被害の概況でございます。
  5. 前田穰

    前田穰君 ちよつとお伺いしますが、一般船舶被害状況というところを見ますと、貨客船沈沒二、乗揚二となつておりますが、(三)の主なる被害船舶のところには旅客の船名二つ出ておりますが、それが二つとも坐礁なつておりますが、沈沒したのはどういうことになつておりますか。
  6. 山崎小五郎

    説明員山崎小五郎君) 御質問の点がちよつとはつきりいたしませんが。
  7. 前田穰

    前田穰君 この用途別被害状況貨客船の沈沒したのが二隻、乗揚二隻、合計四隻になつておりますね。その次のページの主なる被害船舶及救助状況というのを見ますと、客の乗れるのが金剛丸白山丸二つで、両方とも坐礁ということになつておりますが、前のほうの乗揚だと思うのですが、沈沒二隻というのはどういうのですか。    〔委員長退席理事岡田信次委員長席に着く〕
  8. 山崎小五郎

    説明員山崎小五郎君) あとに出ておりますのは被害船舶の全部じやございませんで、三十トン以上の船舶で、而も貨客の救われたり何かしましたのが出ておりますので、こつちの表内訳にはいたしておらないのであります。
  9. 前田穰

    前田穰君 それは必ずしも合つてないとは思いますが、貨客船というと大きいように感じられますが、そうでないのですか、小さいのですか。
  10. 山崎小五郎

    説明員山崎小五郎君) 小さいのも入つております。
  11. 岡田信次

    理事岡田信次君) ほかにありませんか。私から一つお尋ねしたいのですが、燈台の消燈というのはどういう原因なんですか。
  12. 山崎小五郎

    説明員山崎小五郎君) これは要するに燈がつかなくなつたり、いわゆる電燈装置ガス燈、燈をつける機械がやられたんです。
  13. 岡田信次

    理事岡田信次君) これを見ると北海道が多いのだけれども、北海道はそうひどい模様ではなかつたんですが、大体燈台なんですが、我々素人から見ますとどうもわからない。    〔理事岡田信次退席委員長着席
  14. 山崎小五郎

    説明員山崎小五郎君) 大体燈光器具のやられたのが多いのです。ガラスが破れましたり。
  15. 岡田信次

    岡田信次君 岬のほうの燈台ですか、防波堤ですか。
  16. 山崎小五郎

    説明員山崎小五郎君) これは防波堤も岬も島も全部入つております。
  17. 岡田信次

    岡田信次君 非常にそうすると脆弱なものですな。
  18. 山崎小五郎

    説明員山崎小五郎君) まあ本当を言えば、こういうときこそ燈台は消えちやならないのですから、頑丈なものを造るべきだと思いますが、まだ予算関係で従来の燈台も完全に……、まあ新しくやつてありますもの、それから戰災でやられたものの復旧したやつは頑丈にできておりますが、昔からやつてあるやつは相当脆弱じやないかと思つております。
  19. 岡田信次

    岡田信次君 もう一つお尋ねしますが、船舶なり或いは燈台なり、その他の施設が相当被害をこうむつたこと、今回の台風被害状況というのから考えて、今後こういう被害を防止するには如何なる方法をとるべきかというような結論をお出しになりましたか。
  20. 山崎小五郎

    説明員山崎小五郎君) まあこの海難救助につきましては、これは海上保安庁としましては一番大きな問題になつておりますので、大体一昨年くらいから、台風時には海上保安庁は前からいろいろの準備の体制を整えま要して、いつ台風が来てもいいような一つ動員体制を整えるのでございます。これは先ず第一に船を大体台風が来る方向から或る程度配置換えをすると、それから気象台その他いろいろ警察というようなところと通信網連絡整備すること、或いは航路標識やその他につきましてはその方面の消えないように特に整備をさせるとか、或いは一般の船に対しまして台風のときの避難の心がまえとか或いは避難港の修理とか、まあいろいろ今年やつてあるわけでございますが、現在あります船で、全部の船の遭難を、而もこの台風みたいに一時にやつて来ましたやつをなかなかこれは救助ができないのでございます。まあ海難救助に対しましては大体海上保安庁の船の整備をやりますことと、もう一つ民間のやはりこの自主的な救助体制というものを確立して行くという二本建でやりませんと、全国に網を張つたように船を配置しますこ匡なかなか経済的にも許しませんので、大体二本建で進むことになつています。ただ今海上保安庁の船は相当整備の過程にありますが、従来は海難掖済会というものがございまして、相当民間寄附もありますし、又政府からもそれに対して補助金というものが出ておりまして、或る程度活動活撥にやつてつたのでありますが、最近は寄附もなかなかうまく集りませんのと、それと海上保安庁ができましたので、それに依存する傾向があるのと、それから補助金というものが全然国の建前から出せないということになりまして、民間の自主的な救助体制というものが活撥にならないのに我我としましては非常に弱つておるのでございまして、まあいろいろ研究はしておりますが、こういうものを、極力災害を少くして行く、或いは救助率を上げて行くということは、やはりどうしましても海上保安庁の船の整備と今の民間救助体制の確立というものの二本建でやらなければうまく行かないと思います。
  21. 岡田信次

    岡田信次君 何かこの燈台標識つての他に対してこういう地域というか……被害防止対策はありませんか。
  22. 山崎小五郎

    説明員山崎小五郎君) 燈台につきましては、やはり公共事業費を余計もらいまして、復旧整備それから補修を余計やる以外に手はないと思います。要は公共事業費がもう少し取れますと或る程度やれるのでございますが、今非常に公共事業費が窮屈な状況でございまして、相当皆一生懸命になつておりますが、大体去年あたり公共事業費といたしまして約三億程度公共事業費でございますが、その金じやなかなかがつちりした燈台というものの整備はできにくいのでございます。
  23. 岡田信次

    岡田信次君 お金のないことはどうも……。ここで私非常に遺憾に思うのは、先ほどお尋ねしたのに、次長さんは燈台の消燈の原因が何であつたかということも余りはつきり御存じないようですが、とにかくこういう災害と申しますか、被害、事故の原因、勿論台風原因になるでしようが、それによつて如何なることによつてなつたかという真因をつかむことが一番大事だと思うのに、当面の責任者がそういうことを御存じないのでは甚だ遺憾に思いますし、これは別に御答弁は要求しませんが、将来の災害対策に対して余り御熱心でないということを遺憾に思つて、私の意思表示をするにとどめて置きます。
  24. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) ほかに御質問ありませんか。それじや次いで港湾局長
  25. 黒田靜夫

    説明員黒田靜夫君) では港湾施設関係災害状況を御説明申上げます。  今度のルース台風の強さの問題でございますが、鹿兒島におきましては聞くところによりますと数十年来、二十年乃至三十年来のものでございまして、風速は瞬間四十メートル、而もこの上陸地点鹿兒島の県の枕崎附近であつたようでございまして、非常に被害は甚大でございます。この被害程度なり災害の規模を申上げますと、昨年のジェーン台風が非常に強烈であつたのでございますが、これと比較しますと、大体被害程度は同じようでございますが、ジエーンは関西地方に局限されておつたのでございますが、今回のルース台風による被害鹿兒島、宮崎から九州中国の西から殆んど全国に及びまして、二十九府県に跨がつております。その災害の額は港湾施設におきまして、目下わかつておりますところはおよそ四十億でございますが、更にこれは増大する見込であります。電報による速報その他いろいろな方法目下連絡をとつておりまして、わかつた額がお手許に差上げましたようなルース台風による府県別災害一覽表でございます。この中には、第三港湾建設部と第四港湾建設部直轄工事をいたしておるのでございますが、四港湾建設部の中の若松、関門、唐津等の港において相当な災害があつたようでございます。これを鹿兒島県附近に来ました従来の台風のどれに匹敵するかと申しますと、港における被害といたしましては二十三年のアイオン台風の二倍の被害額がございますし、二十年の阿久根台風、これは鹿兒島県阿久根に上陸した台風でございますが、これに比較しますと更に一倍半くらいの被害と相成つておる次第でございます。これにつきまして応急措置といたしましては、いろいろ公共事業費の中から災害復旧予備金のような枠が八十億残つておるのでございますが、それを大部分この復旧のために支出することになつております。これは併し港湾に限定をされたのではございませんので、御参考のために申上げますと、建設省関係公共施設被害額は二百八十億、農林省関係二百九十億、運輸省四十数億でございまして、計六百十億になつております。更に応急復旧、その他の復旧のために地元府県に対しまして繋ぎ融資を考えております。その額、措置等につきましては目下大蔵、安本と折衝中でございます。それから更に起債ができるようにする問題につきましても目下関係方面折衝中でございまして、災害復旧につきましては運輸省港湾局といたしましは、今月中にいろいろな大綱を決定しまして、十一月に現地の精密なる査定を終了いたしまして、十二月に予算要求をいたしたいと考えております。  なお今度の災害の特徴を見ますと、鹿兒島県におきましては高潮と台風が重つた関係で非常な災害を受けております。殊に枕崎、串木野、阿久根等港湾は、防波堤等が殆んど流失しておるような現状でございまして、非常に深刻でございまして、これが復旧につきましては万全を期して行きたいというつもりでおる次第でございます。詳しい内容等につきましてはまだ十分わかつておりませんが、大体今まで判明いたしましたところを申上げまして御説明を終りたいと思います。
  26. 岡田信次

    岡田信次君 ちよつとお尋ねしますが、この個所数というのは何ですか。
  27. 黒田靜夫

    説明員黒田靜夫君) これを御説明申上げますと、港の数だけではなくつて、港におきまして防波堤と岸壁と荷揚場がありますれば、これが三カ所に計上されるわけでございます。
  28. 岡田信次

    岡田信次君 そういたしますと台風中心区域ですね、被害を受けなかつた港はないですかな。
  29. 黒田靜夫

    説明員黒田靜夫君) この台風で、具体的に話は聞いておりませんが、被害の少かつたのは、初めこの台風によりまして北東の風が非常に強く長く吹きましたので、その蔭になる西南方面の港においては比較的被害が少かつたようでございます。
  30. 岡田信次

    岡田信次君 これも意見なんですが、将来の災害対策を樹立する上において、同じようなところで被害を受けなかつたところを調べるということも非常に役立と思うのですが、その方面一つお力を盡して頂きたいと思います。
  31. 黒田靜夫

    説明員黒田靜夫君) はい、承知いたしました。
  32. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 他に御質問ございませんですか。
  33. 前田穰

    前田穰君 金額は、これはどういうふうな計算になつているのでしようか。例えば船ならば破損度とかいうことでしようし、港の設備がこわれた場合にはどういう標準で計上してあるのでしようか。
  34. 黒田靜夫

    説明員黒田靜夫君) 例えば防波堤流失いたしました場合には、その防波堤を元の形に復旧するのに要する現在の工事費被害額というふうに考えておりまして、これに対しまして災害復旧に関する法律に基きましておよそ三分の二の国の補助が出まして、三分の一は地方地元公共団体の負担と相成ります。更にこれをいろいろの現地の情勢におきまして、先ほど岡田さんからお話のありましたような、改良を加えるというような場合には、改良工事をプラスして、その改良工事補助の必要がございますれば、これを一般港湾補助の率によつて出して行くということに相成るかと存じます。
  35. 前田穰

    前田穰君 この最後の四建という中に作業船というのがありますが、ここにあるのは、港湾そういつた施設だけかと思つているのですけれども、最後の四建の作業船というやつだけが被害を受けたんですか、そのほかにたくさんあるのですか。
  36. 黒田靜夫

    説明員黒田靜夫君) 御説明申上げます。ここに書いてございますのは全部施設関係のみでございますが、ただ三建と四建と書いてございますのは、直轄工事をやつております関係作業船を使用しているのでございます。浚渫船とか曳船、道具船、それの被害があつたものですから、その被害額をここで計上してございますので、これが災害復旧の対象になるかどうかということは目下折衝中でございます。
  37. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 他に御質問ございませんか……。
  38. 足羽則之

    政府委員足羽則之君) 鉄道関係の今回の台風被害状況簡單に御説明を申上げたいと思います。  台風状況につきましては今までに御説明があつたことと思いますので、被害状況について申上げますと、施設被害箇所といたしましては約八百六十二カ所ございまして、そのうち線路不通箇所が七十五カ所ございます。その日に二十二カ所、二日目に三十二カ所、三日目に十二カ所、四日目に三カ所を開通いたしまして、更に残つております箇所が六カ所でございます。六カ所、大分県の日の影線鹿兒島の指宿線、古江線、それから日豊線、それから広島県内の岩徳線がニカ所、この六カ所が不通なつておりまして、そのうちの一番開通見込の遅いのは日豊線鹿兒島から滝ケ水の間が十月の二十七日頃開通見込でございます。被害総額はまだはつきりしたことがわからないのでございますが、線路、電力、通信、建物、いろいろそうした関係全部で約十五、六億くらいになる、こういう報告を取りあえず聞いている次第であります。  なお私鉄関係でございますが、私鉄関係といたしましては特に大きな被害報告を受けておりませんのでございますが、ただ今までまとまつた報告の中で目につきますのは、防石鉄道という小さな鉄道広島陸運局管内にございます。この鉄道が約三個所、四十メートルの個所、六十メートルの個所及び四百メートルの個所、三個所線路流失いたしまして不通なつておりますが、これは復旧いたしましてございます。それから大分交通という鉄道が福岡の陸運局管内にございますが、大分交通国東線が約五百メートルばかり線路流失いたしまして、これも復旧いたしました。それから大分交通に豊川線という約十二、三キロの線があるのでございますが、これは第二駅館川という川の橋脚が二基倒壊して鉄橋が流失いたしましたので、これが復旧は先ず殆んど困難である、こういうふうな報告に接しておりますが、実はこの鉄道は現在朝一回、それが午後帰つて参りまして、一日現在一往復しかしておらん鉄道でございまして、この鉄道は実は休止をしたいという話もかねてある、ニフイート六インチのちつちやい鉄道でございます。先般この水害のあとに社長が見えまして、帰つてよく状況を取調べたいが、恐らく復旧は困難ではないだろうか、こう申しております。それから鹿兒島市電が相当被害がある模様でございますが、詳細な報告はまだ参つておりません。それから南薩鉄道は、台風の上陸した突端にある鉄道でございますからどうかと思つておりましたが、これは風速が非常に強い、約三十五メートルの風速つたそうでございますが、一時運転を休止した、この程度報告が参つておりまして、私鉄関係としては以上で、特に大きな被害報告して参つているところはございません。大変簡單でございますが、被害状況としては以上の通りでございます。  なお国有鉄道といたしましては従来の例によりまして、救恤品無賃輸送復旧資材割引輸送をその翌々日から開始いたしております。以上簡單でございますが、御報告申上げます。
  39. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 御質問ありますか。御質問等ございませんか。   —————————————
  40. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) それでは昭和二十六年度補正予算に関する件を議題といたします。先ず政府説明を求めます。官房長
  41. 荒木茂久二

    説明員荒木茂久二君) 二十六年度運輸省所管補正予算大綱について御説明申上げます。  先ず歳入でありますが、二十六年度の予算補正額は七億六千三百五十五万円でありまして、これをすでに成立しました昭和二十六年度の歳入予算額十一億七千三百二十二万六千円に加えますと、合わせて十九億三千六百七十七万六千円となります。  右の予算補正額の主なるものについて申上げますと、商船管理委員会決算剰余に伴う返納金といたしまして五億七千百十一万三千円、次に二十五年度において日本国有鉄道に資金の貸付を行いましたその利子収入として一億六千七百八十七万九千円、これらでございます。  次に歳出予算について申上げます。昭和二十六年度における予算補正額は、追加額十億四千五百九十四万七千円、修正減少額が一億一千百十一万三千円でありまして、差引いたしまして九億三千四百八十三万四千円の増加となつております。これをすでに成立いたしました二十六年度歳出予算額百二十六億百三十九万四千円に加えますと、百三十五億三千六百二十二万八千円となります。右の予算補正額のうち追加額の主なものを申上げますと、国家公務員給与改訂に伴う経費として六億二千百三十一万三千円、船員労働委員会並びに道路運送審議会委員の手当を改訂するに必要な経費として一千二百二十万八千円、先に成立いたしました民間航空路線を更に千歳、小牧、岩国に拡張するに伴い、これが管理に必要な経費として九百四万三千円、日本丸海王丸帰還輸送業務の解除に伴い訓練船としてこれが運航に必要な経費五千八百七十九万円、海上保安大学校の新営に必要な経費として五千万円、北海道及び内地の沿岸五十一個所汀線、燈は海岸線でございますが、汀線測量応急に実施するために必要な経費として三千三百四十六万九千円、瀬戸内海における消燈航路浮標整備等に必要な経費として二千三百二十十万九千円、津軽海峡に流入して参ります機雷発見のため竜飛崎、白神岬浮流機雷探知局を設置するに必要な経費として三千四百五十六万八千円、航路標識燃料価格改訂に伴い必要な経費として千七百十六万九千円等であります。なお修正いたしまして減少した額は、行政整理に伴う既定人件費不用額千六百六十八万三千円、既定の旅費、物件費節約額が九千百十九万七千円等であります。  以上が本年度の運輸省所管補正予算大綱であります。
  42. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 御質問等ございませんか。
  43. 前田穰

    前田穰君 この前本予算の、当初予算の際に気象台のことについてお伺いしたのでありますが、当時予算委員会では大蔵省の主計局長は、今後の場合に考慮するということを言つてつたのでありますが、今回のこの補正予算を見ますと、気象台に関する施設のための経費の増加ということがちつとも表面に現われていないようでありますが、今回の補正予算に際しまして運輸省と大蔵省とどういう交渉が気象台関係としてなされているかを伺いたい。
  44. 荒木茂久二

    説明員荒木茂久二君) いろいろと要求はいたしたのでございますけれども、今度の補正予算は、いわゆる極めて範囲を限定いたしまして、既存経費の自然増嵩といいますか、物価値上り等というようなものに限定されまして来ましたために、補正額そのものが給与の部分が大きいのでございまして、遺憾ながら補正予算では、折角参議院運輸委員会のほうで御鞭撻を頂きましたのでございますけれども、遺憾ながら取れなかつたという状態でございます。
  45. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 他に御質問等はございませんか、ちよつと速記をやめて。    〔速記中止
  46. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 速記を始めて。続いて国有鉄道法の一部を改正する法律案に関して質疑を続行いたします。監督局長説明に当りますようですから……。
  47. 岡田信次

    岡田信次君 今回のこの運賃値上げでは貨物の等級の改正は行わないというふうになつておるのですね。ところが当局から頂きました資料のうち、この重要な二十六品目の価格と運賃との関係というのを拝見いたしますると、石灰石であるとか或いは砂利であるとか硫化鉱であるとか、そういうような品月は他の品目に比しまして運賃の占める割合が非常に高い、殊にこの石灰石につきましては、当局の提出では石灰石のトン当りの運賃が四百四十八円、ところが一方石灰石鉱業協会かなんかのほうで見ますと、二百五十円というふうに出ておりまして、非常に運賃と原価との間の関係が大きい。こういうものに対しましては何か特別の割引等の措置をとられるかどうか、先ずその点をお伺いいたしたいと思います。
  48. 足羽則之

    政府委員足羽則之君) 今石灰石が問題になつておるようでありますが、石灰石は戰前に比べますと、輸送距離も非常に延びておりますような関係で、運賃の価格に占め割合ちも多くなつておるようなわけでございますが、特にこうした貨物等につきましては、あとでこの二、三の割引のことについては考慮したいと、このように考えております。
  49. 岡田信次

    岡田信次君 今、足羽君のお話の中に、最近輸送距離が非常に延びたというお話がございましたけれども、大体輸送距離が延びたということは、石灰石の用途が非常に拡まつたこと、御承知のように最近のビニール系の繊維その他……極く最近のことでも輸送距離が延びることは当然であつて、輸送距離が戰前のように縮まれば大体運賃の価格に占める割合も前と変らないというような御説明がありますが、これは少しく最近の価格その他に対する認識が足りないじやないかと、かように思うので、これらにつきましては十分御考慮をお願いしたほうが、日本の産業のためにいいのじやないかと思います。
  50. 足羽則之

    政府委員足羽則之君) いろいろ問題の貨物もありますので、それらについてはあとでいろいろ十分検討して考慮したいと思います。
  51. 岡田信次

    岡田信次君 それから国鉄で使つておる主要資材の値上りの表を頂いておりますが、この値上りの表だけでなく、これらの資材の購入の予定数量及びその金額というものを一つ御提出を願いたいんです。
  52. 三木正

    説明員(三木正君) 承知いたしました。
  53. 岡田信次

    岡田信次君 それから最低運賃の問題ですが、旅客につきましては十割上げておる。ところが貨物におきましては大口扱いを二六%、小口扱を一四%しか見ておらない。これはどういうためなのか。対自動車との関係を考えてそうされたのか、その点を明らかにして頂きたいと思います。
  54. 足羽則之

    政府委員足羽則之君) 旅客と貨物の最低運賃の関係が特に関連しておるわけではございませんので、貨物運賃は平均三割という値上げにはなつておりますが、最低運賃につきましてはその値上げの率をそれより低目にいたした、こういうわけでございます。最低運賃を同率、同額で値上げいたしますことはいろいろ諸般の関係で、最低運賃が高いといういろいろ議論もございますので、特に低いその程度の率にとどめたわけでございます。  それから旅客運賃の最低を値上げいたしますためには、この前或いは営業局長説明をいたしたかと思うのですが、旅客一人の輸送についての発着費及び一キロ当りの輸送費を考えて見まする場合に、現在の最低運賃五円では実はそのコストを償うことになりませんので、大体発着費が約六円七十八銭ぐらいになるようでございます。それに輸送費が一キロ当り九十八銭、合計いたしまして七円七十六銭ばかりになるようでありますが、それらの点を考えまして現在の最低運賃五円というものを十円にいたしたい、こういう事情でございます。
  55. 岡田信次

    岡田信次君 国鉄から頂いた運賃改正についてというパンフレットを拝見いたしますと、今回の運賃改正は海陸輸送の調整に役立つようにしたということが強調されているのですが、それで只今の最低運賃の問題になるのですが、旅客のほうは貨物と同率に論ぜられないと思いますけれども、旅客のほうの最低運賃は十割上げた。貨物のほうは大体二割内外であろ。そういたしますと、結局近距離の貨物輸送と自動車輸送との関係、これに対抗する意味合いにおいて余り上げないのだというふうにも解せられまして、鉄道と自動車の調整を図るという意味から逆方向じやないかというふうに考えるのですが、如何ですか。
  56. 足羽則之

    政府委員足羽則之君) 実は私それをきめました内容の議論については、実は詳しい事情を存じないのでございますが、最低運賃をこの貨物の一般並みに上げることにつきましてはいろいろな事情がありまして、その一つといたしまして或いは連帶の貨物なんかについて考えます場合にそれがはつきりすると思うのでございますが、いろいろな事情から特に一般の貨物並みに最低運賃の値上げをするということよりは、少しそれを低額にとどめることが適当と考えたわけなんでございまして、まあ一応適当であろうかと、こう考えておるわけであります。
  57. 三木正

    説明員(三木正君) 沿革的に申しますと、最低運賃は大体十数キロを基準とするのが普通であつたのでございます。終戰以後、戰争中でございましたか、私は確かなことは存じませんが、最低運賃を相当値上げしまして、現在では三十キロを超えておるのじやないかと思います。そういう関係で連帶輸送にかかる荷物等について自動車のほうとの十分な調整をするのに三割そのまま上げるという方法はまあ適当でないというふうに考えられたのじやないかと、かように承知しております。
  58. 岡田信次

    岡田信次君 航路運賃の値上率が一般の値上率より高くなつておるんですが、航路運賃の収入は大体年どのくらいになつておりますか。
  59. 足羽則之

    政府委員足羽則之君) 航路の旅客運賃は全体で約四億九千万円ばかりでございます。
  60. 岡田信次

    岡田信次君 あとは営業局長が見えてから伺いたいと思います。
  61. 前田穰

    前田穰君 私も営業局長に伺いたいことが多いので、殊に予算説明がまだないから、経理局長に対する質問は非常に少いのですが、先ず伺いたいのは今回の四百十億の増収ということは、値上げをすれば数量が減るということは当然予想しておられると思いますが、その予想の下に人トン・キロを想定されて、そうして列車キロの増加を計上されたものと思いますが、どのくらい人トン・キロが減ると予想されておりますか。
  62. 三木正

    説明員(三木正君) 補正予算見込みました貨物一億五千五百万円、三十一億人余りの旅客というものをそのまま見込んでございまして、値上げによる低減は計算に入れておりません。そのまま輸送されると考えております。
  63. 前田穰

    前田穰君 その次に運賃のキロ当りの金額、そういつたもののほかに全体を引括るめて一人キロ当りの賃率というものは大体想定されているだろうと思います。値上げ前の実績と値上げ後の想定とを一つ伺いたいと思います。
  64. 三木正

    説明員(三木正君) 只今よく承知いたしておりませんので後ほど申上げたいと思います。それから岡田委員の先の航路運賃についても、貨物並びに荷物を除きました旅客運賃が五億五、六千万円程度と考えております。それから荷物と貨物を合せたものが三十億弱、二十八、九億というところだと思います。
  65. 前田穰

    前田穰君 それではこれも或いは資料をお持ちになつていないかも知れませんが、旅客の遠距離逓減の率が前より大分殖えているわけなんですが、例えば千キロを超える部分は、百五十キロまでを100とすれば、従来は二七%だつたのが二四%ばかりまで減つておる。で遠距離逓減の率は従来でもそれぞれ何か計算の根拠があつたのですか、今度の遠距離逓減の率のきめ方ですね、それについてもこういうふうにきめた方針とか、算定の基礎とかそういうものがあれば伺いたいと思います。
  66. 三木正

    説明員(三木正君) 営業局長が参りましてから申上げたいと思います。
  67. 前田穰

    前田穰君 どうもそういうふうなことは営業局長に聞いたほうがいいと思うので保留いたしますが、先刻の岡田委員質問に関連して、監督局長の御説明をお願いしたいのでありますが、それは貨物の等級に関しての質問に答えて、問題になるものがあるからそれは後ほど何とか考えると、こういつたような御答弁であつたわけでございます。それは今の石灰石とか、硫化鉱とか、そういつた今年の問題になつておる品種ということに限つた御答弁のように承知したのですけれども、私は更にこの資料として頂いておる、物価とそれから賃率との詳しい表を拝見して見ますというと、この物価が十一年以来値上りをしておるのであるが、その値上りの速度が皆違つておる。従つて今日は昭和十一年と比べて非常にでこぼこになつておるように思う。従つて値上りの多いものは、平均の運賃の負担率をそう多く距てていないことになるのでいいかも知れませんが、値上り率の非常に低い貨物についてはたとえ同じ前の運賃との率であつても、非常に困るのじやないか、こういつた感じがするのですが、全体として物価中に占める運賃が以前は四%なんぞだつたのが最近改正すれば三・六%になると言つても、それは全体としてはそうであるかも知れませんが、個々については物価値上りがどうもまちまちであるだけに同じにするのは困るのじやないか、こういつた感じがするのです。等級表全体を成るべく早い機会に再検討する必要があるのじやないか、問題になつておるものだけでなしに、全体を再検討する必要があるのじやないか、こういつた感じを持つわけなんですがどういうふうにお考えになつておりましようか。
  68. 足羽則之

    政府委員足羽則之君) 運賃値上げをいたします場合に常に問題になりますのは、今お話のように、個々の貨物につきまして、或いはその値上りの関係なり、或いは需給の関係等によりまして、この一律の値上りというものが非常に困るという議論は絶えず出るわけでございます。併し運賃の値上げの場合に、個々の等級を変更して、そうして運賃値上げの案を立てるということは、実際問題としてはまあ非常に困難なわけでございまして、その辺の事情は御推察頂けると思うのでございますが、そこで結局まあ極く大数的に押えて、まあ大部分の貨物に共通をして、大体この程度の値上率であるならば、これは負担力としても一応我慢がお願いできると、こういう線に立つていろいろ値上げの率を考えて、そうしてこの一般的な一律の値上げを一応する、まあこういう恰好になるのでございまして、お話のような個々の貨物についての問題は当然本質的に起ると思います。そこで、併し運賃等級を早急に改正することがどうかという問題は、実はまあ一般のこの物価の値上り状態がやや安定しておるかどうか、或いはそうしたものの負担力というものが安定した状態と見て考えるかどうか、こういう点と非常に関連がありますので、直ちに一般の等級改正を行うかどうかということは相当困難な問題だと思うのであります。そこで先ず差当つて考えておりますことは、運賃改正をいたします場合には、一応の予算上の目安がございますから、大幅な変更はこれはその面から制約をされてなかなかできんと思いますが、併し個々の貨物についての価格変動によつての運賃負担力、或いは需給の関係などが異なつて参る点は当然予想されますので、極めて小範囲かと思いますが、そうしたものの甚だしいものについて、この特別な割引政策というものを個々の実情によつて多少検討いたして参りたい。勿論十分にとは参りませんが、多少そういうふうな心組、心がまえで、おるわけでございまして、運賃等級の改正の問題というものは勿論当然考えなければならんことでありますし、又我々の念頭を去らん問題でありますが、差当つての運賃改正の問題に関連しては一応まあ取りあえず見送りたい、こういうふうに考えているわけでございます。
  69. 前田穰

    前田穰君 いや、この運賃改正によつて個々の等級を考えてかがるということが不可能であることは無論よくわかつておるつもりで、値上に際しては一律に行くということはこれは避くべからざることだと思うのであります。併しこの非常に経済界の変転の激しかつた曉の運賃改正でありますから、それで負担力の点から言つて非常に苦しいものが多々出て来ているのじやないか、こういう感じがするわけなんでありまして、従つて私のお尋ねしたのも運賃改正の前にそれをやれという趣旨でないことはもうあなたの言われる通りであります。私どもの手許にでも相当のこの問題になつておる品種の陳情がたくさん来ておるわけですから、運輸省なり、或いは国鉄には或いはもつとたくさん来ているのじやないかとも思うのでありますが、それらについて今日まで何らかお考えになつたことがあれば、そつちから御説明を伺つたほうが簡單だと思うわけです。若しまだ何もお考えになつていなければ、この委員会において只今岡田君が石灰石についてお尋ねしたように、ほかの品目についても、私どもが陳情を聞いたり、或いは頂いている資料を見て、いろいろ疑問に思う点をこつちからお尋ねしなきやならん、こう思うので、若し何か運輸省なり国鉄なりでお調べになり、又多少こういう点を改正するといつたようなことがおありになれば、そつちから説明して頂ければ簡單じやないかと思うのですが……。
  70. 足羽則之

    政府委員足羽則之君) 営業局長が参りましたら詳しく御説明申上げるかと思うのでありますが、個々の貨物につきまして、或いは多少お話のように等級を変更する必要があるというふうに感じておるものもあるようであります。そうした点については只今検討をいたしておるようでございますが、実は私、それらの内容の詳しいことを存じませんので、取りあえず只今申しましたような、幅は非常に狭いと思いますが、或いは取扱う種類も少いと思いますが、そうした特別割引という点は、これは少くともやはりそこに一つ運賃値上げに対する緩和曲線を入れる、こういう点は少くともやる、こういうふうに考えているわけでございまして、いずれ又詳しくは営業局長が参りましてからの御説明に讓りたいとこう考える次第でございます。
  71. 岡田信次

    岡田信次君 経理局長にお伺いしますが、先ほどの航路運賃の五億六、七千万円というのは、これは今回の値上げによつての平年度の見積りなのか、それとも二十六年度の普通の見積りなのか。それからもう一つ、この前国鉄から頂いたこのパンフレットのうちの輸送原価、旅客一人キロ当りの原価が二十五年度が七十八銭、二十六年度が一円十二銭何がし、その下のこの収入のほうですが、二十五年度が一キロ一人当りの収入が九十四銭何がし、二十六年度が九十二銭何がしと減つておるのはこれはどういうわけですか。これは営業局長のパンフレットの第八ページにあるのですか……。
  72. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 営業局長あとで来ますが……。
  73. 岡田信次

    岡田信次君 経理局長でもわかると思いますので……。一人キロ当りの収入が二十五年に比し二十六年度が減つている、ところが一方この表を見て計算すると減つていないのです。
  74. 三木正

    説明員(三木正君) この表というのま……。
  75. 岡田信次

    岡田信次君 この表の二十二ページ、二十六年度の運輸数量並びに純収入表というのがございます。人キロが出ておりますが、それで割ると一円何がしになるのですが……。
  76. 三木正

    説明員(三木正君) これは現行の現予算補正予算との輸送量並びに賃率を書いた表でございます。船舶について申しますと、輸送人員が八百三十九万三千人で、収入が七億四千三百万円でございます。
  77. 岡田信次

    岡田信次君 私のお伺いしておるのは、船舶だけでなくて旅客全体なんですが。
  78. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 如何ですか、何でしたらもう少し詳細に調査してから……。
  79. 岡田信次

    岡田信次君 五億六千万円はいつのですか、船舶旅客収入の……。
  80. 三木正

    説明員(三木正君) 船舶の定期が補正予算におきましては六百九十八万円、定期外が五億八百八十四万円、合計しまして五億一千五百万円余りでございます。貨物につきましては次のページに書いてございます。船舶は二十八億六千六百万円というのが補正予算の案でございます。
  81. 岡田信次

    岡田信次君 今の経理局長に伺つたのは、先ほど伺つた航路の旅客収入が五億六千万、五億七千万円だとおつしやつたのは今度の値上げを考えての年間の収入なのか、それとも従来の値上げ前の年間の収入なのか。
  82. 三木正

    説明員(三木正君) 値上げ前の分でございまして、五億五千万円と申上げたのが五億円余りということになつております。
  83. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 私の質問も営業局長の御答弁に関係するところ多いのでありますが、時間の関係上一応質問しておきたいと思います。局長が見えましたときに又御答弁願いたいと存じます。  第一は、今回の値上は物価騰貴のため必要最小限度にとどめておるのだという御努力はよくわかるのでありまするが、これは国鉄として現在程度の、現状程度の営業を続けて行くに止むを得ない運賃値上であるというのでありますか、それとも今回の値上の中には、若干従来のサービスよりも向上しようとか、或いは場合によつては新線の建設であるとか、或いは鉄道の電化とか、こういう方面に幾らかでも向けたいという考え方の下にこの値上を考えられたものかどうか、その点について伺いたいと思います。
  84. 足羽則之

    政府委員足羽則之君) 今回の運賃値上は、極く概括的に申しますと、現在の営業を継続するために必要な最小限度の収支のバランスをとるという建前とお考え頂いてよろしかろうかと思います。或いは電化をするとか、或いは新線を建設するとか、そういつた点につきましては、これは別にその財源を求めるべきでございまして、それらの新らしいつまり工事をする、財産の増加になるものを営業収入によつて賄うという建前はとつておりませんので、大体現在の営業をやつて行くのに必要な運賃値上というふうにお考えを頂いたほうがいいのじやないかと、こう思います。ただ勿論サービスをよくして参るということは常に国鉄としては考えておるところでございまして、ただ運賃の値上をして、そして従来通りの若しサービスの悪い点がございますれば、それはそのままにしておく、こういう意味での現在通りの営業をやるためという意味ではないのでございますが、できるだけサービスの向上には勿論努めるという点は間違いないと思いますが、ただ工事財源を今度の運賃値上に求めるという意味での御質問であれば、そうではない、こういうふうに御了解願いたいと思います。
  85. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 私も新線建設であるとか、或いは鉄道電化の促進等にまで今回の値上によつて振向けるというようなことは、これはなかなか困難であるということはよくわかるのでありまするが、サービス向上という面については、やはり相当考えてもらわねばならんのではないかと思うのであります。運賃が或る程度上るということについては、これは物価騰貴に関連してでありまするから、一般国民も納得すると思うのでありまするが、鉄道の現状のサービス、これは大分改良されまして、殊に東海道、山陽は勿論、東北本線等の幹線は比較的といいまするか、非常によくなつておる面があると思うのであります。併し一歩ローカル線に入りますというと、これはもうたびたび今までの委員会でも話は出ておると思うのでありまするが、これは相当ひどいものでありまして、大臣もお見えになつておりまするが、大臣の御郷里のほうも通ります例の水郡線であるとか、磐越東線などの実情は、我々乗つておりましても、途中で自然分解するのじやないかと思われるような客車にときどき乗せられることがあるのであります。最近新聞で見ますと、仙鉄で何か簡單に客車の腐朽度を調べるような機械が発明されて調べたところが、即日廃車しなければならんというような車も出ておつたのでありまするが、そういう非常にひどい客車が廻されておる。それから又二等車はどの汽車にもない。これは二等車は賛沢だという感じもあるかも知れませんが、今日の二等車はもう場合によつては賛沢でない、必要止むを得ない人も相当おるのでありまして、これは急行に接続するような主要なローカル線にはそれくらいのものを付けてもらつてもいいのじやないか、と私は考える。それから又時間表の改正などを地方民が挙つてお願いしておるような場合でも、国鉄当局の話は、収支が合うかどうかというようなことを先ず話されまして、どうも地方のそれによつて非常に利益が増すとかどうとかいうことは第二段の話になつて、先ずそろばんの話になつておる。そういうふうにそういう意味のサービス向上というようなことにつきましては、私はもう少し真剣に考えて行つてもらわねばならんのじやないかと思います。運賃値上げはこれは或る程度は当然我慢しなければなりませんが、値段だけ上げて行つて、一方内容が充実向上して来ないということでは、地方民の不平が非常に……相当まずいのじやないかと思いまして、そこらについてもう一度……。
  86. 山崎猛

    ○国務大臣(山崎猛君) お答えいたします。只今のお尋ねは全面的に、私どもが特に地方支線に対して感じておるそのままの御感想であつて、全然御同感であります、それで今更講釈がましく申上げるまでもありませんが、現在の国鉄の場合においてはサービスの向上ということを一口に申しますけれども、向上というよりも、どうすれば足りないながらも現在のサービスを特に支線の場合において維持ができるが、ややともすれば維持の線を下廻つて行くようなサービスになりそうである、殊に又御指摘のような即日試験の結果廃車しなければならないというような腐朽、老朽の車がある、私も運輸大臣として非常に心配に堪えないのは、日日心配に堪えないのはサービスどころじやない、事故の発生というようなことがどこかで起つても重大な問題であるということを日々憂えておるような実情であります。これは御指摘のように運賃の怖る怖る行なつた値上げというような程度のもので救われない国鉄全体の現在の状況ではなかろうかと、私自身もこう考えておるような次第であります。然るに一方においては、国有鉄道公社という形で発足をして、独立採算制、公共企業性を十分に発揮して行かなければならないような縛しめを受けつつこういう現在の鉄道に対して行かなければならない。これは日本の鉄道が、今日から顧れば戰争を通じて十年近い間酷使して使い放しで、車もレールもその他の施設も使い放しで、戰時中十分なる補修もできずに、改廃もできずに来たのが累積して現れた今日の一つの姿だと思うのであります。一面においては国有鉄道、即ち国民の鉄道として国民から新らしい線の新設とか、電化とか、たくさんの要求があるのでありますが、顧みて国鉄の現状を見れば、相当危険に頻した施設がどうやら間に合わされて運転されておるようなことで、いずれが先かと言えば、新線の建設も無論戰後の社会情勢、国際情勢から急を要するものには相違ありませんけれども、今走つておるものを何とか安全な状態まで取り戻し得るように、中央線、地方線のサービスの違いが甚だしくないように取り戻すということも又放つて置くことのできない急を要することであろうと、こう思うのであります。これらにつきましては、結局は事業資金の問題が出て来るのでありまして、簡單に言えば、金さえあればできるのでありまして、どうしてその金を捻出するかということに帰着すると思うのであります。勿論申上げるまでもなく国有鉄道でありますから、国費を以てこれに補給をして行くという方法もありますけれども、今日の国有鉄道公社として独立採算制で、一本建で行かれるという建前から申せば、そう無限に国によることもできず、国も又財政許さざるところもあるのであります。借入金をするとしても国から利払いその他の裏付がなくして借入れもできないというような窮境にあるのが現状であります。丁度極めて最近に閣議のほうは一応決裁を経ることに相成りましたのが、鉄道債券の発行というようなことを、法文を整備いたしたような次第なのであります。簡單に言えば鉄道事業公債であります。勿論これは現在の日本の経済界の情勢等の関連がありまして、直ちにこれが立法化されてもこれを実施するということはできないような種々な関係に置かれてはありますけれども、一応この法文だけは整備して置いて、そういう事情が許すような時期が来たならばいち早く一つこれを活動させる。民間資金を得るようにする。勿論これに対しては非常な高い利子は鉄道の公共性に鑑みまして払うこともできませんけれども、何とか地方の人たちの納得し得るような利払いでありまして、若し箪笥預金というものがありますならば、そういうものをここに一つ集めてこれを事業化し、これを交通機関のほうに働かせて持つて行くというようなことを考えているような次第なのであります。  今後、国有鉄道公社のあり方については、この公社の出発して以来二年余り運営実績でありますけれども、これはひとり外部ばかりでなしに、内部から考えて見ましても、国有鉄道公社の姿は結構に相違ないのですけれども、これができましたときの事情等から考えて、どうやら日本の国情、民情、いろんな点にぴつたりせざるところがあるようであります。殊に全面的ではありません、部分的においてそういう点があるようであります。すでに二年の歳月、これを体験した以上は、この辺のところで一応立ち止まつて振返つて見て、これに改正を加えて行つたならば、一層いいものになるのではないかというふうなことが考えられている次第であります。この点につきましては、国鉄の新総裁も深く考えるところがあるようであります。すでに五月のリッジウエイ司令官の命令にもありましたようなわけで、さような場合には国情に適したように変えて行つてよろしいというような心持が十分に表明されている。政府の行政改革というようなものもこの線に沿うて行過ぎを正して行くというような方針でいるのでありまして、国鉄の場合においてもやはり同じ線に沿うて、こういうことを考えるべきだということを長崎新総裁もみずから申しているようなわけでありまして、私も運輸大臣として誠に結構な考えと思つて賛成いたしているようなわけであります。これはただ考えるだけでなしに、何らかの機関を設けて衆智を集めて、よりよき国有鉄道のあり方に持つて行くというような方法を余り遠からざる機会に実際的に進めて行こうというようなことを話合つているわけであります。  只今御指摘になりましたようなことの現れて来るのも、又これらを改善、改良をいたして行く上にも、そういうふうな工夫が必要ではないかと思います。資金と併せて組織機構の上における改廃等も必要ではないか、こういうふうに考えているような次第であります。  大体お尋ねの御趣意、私も十分に納得の行くところでありまして、心持ちをお述べしてお尋ねに答える次第であります。
  87. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 只今懇切な御答弁を頂きまして、大臣の御苦心の気持、非常に私はよくわかるので、鉄道に最近いろいろの新らしい事故が起つて来ているのでありますが、私もやはり心配しますのは、運行中に客車が自然分解をしたとか、或いはレールが折れて事故が起らなければいいがというようなことを心配しているものの一人であるということを申上げておきたい。  それから国鉄が公社になつて、まあ独立採算制ということを強く言われるようになりましてから、どうも我々末端で受けまする感じが、これはよく国鉄の人にも言うのでありますが、話が先ずそろばん……採算が合うかどうかという話になりまして、地方の公共性であるとか、或いは地方の総合開発であるとか、こういうことは腹の中では考えられておられるのかも知れませんが、我々が受ける感じでは、国鉄というものはそろばんが取れなければ何もやらないのだという感じを非常に地方民に与えていることが多いと思うのでありまして、こういう点につきましては国有鉄道の名前にそむかないように、全職員を一つ御指導を願いたいと思います。  先ほど新線建設とか、いろいろの問題についてはよく今後のありかがわかつたのでありますが、これも私たびたび申上げておりまして、この運賃値上とは直接関連はありませんが、戰争中に引き剥がされた線路、これは恐らく剥がされたときにはまあ戰争でも終り、平時になれば復活してやるのだという恐らく約束をしておられると思うのでありますが、そういう線がまあ全国でまだ何カ所か残つております。私は福島県でありますが、不幸にも福島県に一本残つているのでありまして、数年越しでこれをお願いしているのであるが、一向なかなか復活しない。併し御案内のように、鉄道があることによつてその地方の産業経済が一応でき上つているのでありまして、その線を剥がされたのでありまするから、その地方民の不利不便といいますか、産業上に及ぼしている、或いは民生の上に及ぼしている影響は非常に大きいものがある。それから又路床だけできておりまして、もう線路だけ敷けばいいというような線がちよこよこあるのでありまして、こういうようなものは将来新線建設の際にはまつ先に私は取上げて頂きたい、これはやや陳情めいたことになつたのでありますが、これを一つお願いを申上げておきたいのであります。  それからこの三割五分の    〔委員長退席理事岡田信次委員長席に着く〕  引上げを国鉄として申請されたものが、旅客運賃は二割五分、貨物運賃は三割ということになつたのでありまするが、これによつて国鉄が当初考えておつたことに対して相当の狂いを来たしていやしないかと思うのでありますが、ここらについて如何でございましようか。
  88. 山崎猛

    ○国務大臣(山崎猛君) 私は一応総括的のことをお答えいたしまして、三割五分等の問題は事務当局よりお答えするようにいたしたいと思います。  御指摘のように独立採算制の気持が徹底し過ぎ、行き過ぎている、末端の場合には常にそろばんを片手に応待しているというような感じをお与えする、私もこのことを感じておる一人なのであります。これは国鉄当局者が、従来ややともすればルーズになりがちな些細なことが相当集計して大きなことになるというようなことを非常に憂えて、一面においては合理化、節約、そうして簡素化して能率を挙げるというような気持で発した指令が、末端において行き過ぎた反応を現わすというような場合もあろうかと考えますので、これらは御注意までもなく、今後とも末端に、地方に対して注意を促すことにすべきであろうかと、かように考える次第であります。  それからやりかけで路床までできているもの、剥がした線とか、或いは鉄橋ばかり、トンネルばかり残つてあとさきにちよつとレールを敷きさえすればいいとか、停車場の敷地も取つてあるのに一向やつてくれんという声が全国各地からあるのであります。これに対しましては、その後又全全新たなる線の陳情、請願が国民の間から多数に出ているというような事態を通覽しまして、実は鉄道建設審議会を前の国会で御審議御決定を願つて発足をしたわけでありますが、その場合に審議会の委員諸君にも特に御了解を得ておきましたことは、確かに国有鉄道敷設法は現在生きておる、もうすでに敷設法に挙げられたものは約束済み、既得権であるというような感じも非常に強くあるのであります。御尤もであると思うのであります。併し我々には更に又大局から痛感しなければなりませんことは、戰争後における日本の全体の中央、地方を通じ、政治的経済的、社会的の情勢が非常に変つておりますので、敷設法には計上されておつても、今日の情勢はもつと急なことを要する線ができた場合もあり得るであろうというようなことをいろいろ考えまして、これらは現実の情勢と十分に照し合せて、本末軽重を誤まらないように新らしい情勢に応じた角度からも十分入念に選定、審議を進められたいというようなことを審議会の諸君にもお願いをしておるようなわけでありますが、第一には現実の実情と照し合せて、更に資金の用意を得て進めたいと考えておるようなわけでありますので、これらは十分鉄道建設審議会の研究討議を得たい、そうして極めて公平に全国的に新線建設の意義を果し得るようにすべきであると、こう考えておるようなわけであります。併し福島県方面は、東北全体を通じてそうでありますが、大体鉄道には恵まれない地方が多いのであります。人口が四つの島に過剰に詰め込まれた以上は、どうしても人口の捌け口としては東北、北海道というような所を考えなければならないとも私ども考えておりますので、この点も開拓鉄道というような心持で意を用いて御審議を願いたいということを鉄道建設審議会にお願いをしておるようなわけであります。あとは事務当局から……。
  89. 足羽則之

    政府委員足羽則之君) 只今御質問の第三点でございますが、国鉄で平均三割値上げを申請して来たのに対して、貨物三割旅客二割五分という値上げはどういう理由なのか、こういう御質問でございますが、    〔理事岡田信次退席委員長着席〕  これは国鉄の要求は経費の増とそれから収入の増加と両方を見合にして五百三十三億、これを平均旅客二割五分、貨物三割の値上げで賄いたい……三割五分で賄いたい。こういう数字なのでございますが、運輸省で査定いたしました数字といたしましては経費において四十四億……
  90. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 余り細かいことは要らないので、その計画に齟齬を来すようなことはないか。
  91. 足羽則之

    政府委員足羽則之君) 経費において全体で四十四億査定減をいたしまして、それからその後の情勢の変化を見て収入増で五十五億見たわけでございます。従つて国鉄から申請して参りました数字とは約百億、つまり少い数字が三百三十一億、こういう数字が運賃値上げによつて賄う数字と出たわけでございまして、これが約旅客二割五分、貨物三割、こういう運賃値上げによつて見合う数字と、こういうふうになつておるわけであります。
  92. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 私はつまり値上げするのだから、サービスも余ほどよくしなければいかん。私のサービスというのは、ただ幹線の客車をよくするというような今のサービスではございません。先ほどから言つておるサービスでありますが、よくしてもらわなければ地方民が納得しないであろう、こういうふうに私は考えておるのでありますが、そこで国鉄が三割五分の値上げを申請されたときに、どういう内容の計画を持たれたかよくそれはわかりませんが、それが二割五分であるとか、或いは三割に一応国鉄の計画から引下げられたのでありまして、先ほど説明を聞きますというと、どうも現状を維持するのに今回の値上げでやつとだというようなお話である。それが最初の国鉄の計画より更に引締められておるのでありますから、少くとも現状程度の維持すらもできないのじやないかというような私は若干の危惧を持つので、そういう心配がないのだ、まあ現状維持はもうこれで十分できるのだということさえ聞いておけばいいわけです。
  93. 足羽則之

    政府委員足羽則之君) それはまあ勿論この経営をいたしますためには、運賃値上げをいたします前に十分経営の合理化、冗費を節約するということに努めて、国鉄もその観点からこの案を出して来たわけでございますが、なおこういうふうにまあ査定減をいたし、値上げに対応する額が少くなつたわけではございますが、これはこれだけの値上げでできるだけ事業としては大体支障なくやれる。こういう見通しでこういう査定をいたしたわけでございます。  それからなおちよつと漏らしましたが、只今申上げましたのは損益勘定の関係だけでございまして、工事勘定のいろいろな或いは車両を増車いたしますとか、或いはいろいろな設備に手を加えて参りますとか、いろいろそうした財産の増加になります部分、或いは取替えます部分、そうしたいろいろな仕事に対しては補正予算として約二百五十七億要求があつたのでございますが、これを財源の関係でいろいろ大蔵省と折衝をいたしたのでございますが、結局六十五億しか補正予算として認められませんので、内容といたしましては、今年度手を着けております新線の建設三線をいたしますことと、それから高崎線の電化を完成いたしまして、東海道線については今年度初めに予定をいたしました額によつて工事をいたす。それから車両については貨車を五千七百両造りまして、なおその他の車両に関する工事をいたして三十一億円追加をいたす。これが主なる内容でございますが、それ以外の工事につきましては、止むを得んために極力これを繰延べ、或いは手控えをする。こういうまあ現状になつた次第でございますが、まあこれも止むを得ない次第かと考えておるわけであります。
  94. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 そうしますと、今回のこの国鉄運賃の値上げの率と、今回いろいろ郵便料金の値上げをされようとしておる、或いは電信、電話料も値上げされようとしておる、先般電力料金の値上げもあつた。或いはガスの値上げもあろうとしておる、いろいろ値上げがあるのでありまするが、こういう公共サービス事業の他の値上げと今回の国鉄運賃の値上げとの比率といいますか、どういうような按配になつておりますか。資料があればそれで結構です。
  95. 足羽則之

    政府委員足羽則之君) ほかのものの値上げとの関係でございますか。
  96. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 ほかの値上げと言つても郵便料金、電信、電話料とか、いろいろの公共サービス事業の値上げが今行われんとしておりますね。そういうものと比べて国鉄の値上げは低い点にあるのか、それともこの料金の値上げは非常に高いところにあるのか、そこの率ですな。
  97. 山崎猛

    ○国務大臣(山崎猛君) お尋ねに実は胸算用で、或いは腰だめでお答えすることは甚だ失礼でありまするけれども、率直に申せば事務当局はその比較表はできておりません。併し丁度葉書の場合において二円が五円になるということの極端な例を考えます場合には、併しその二円が安過ぎたかどうかということが又別の問題になつて参りますから、これもつかまえどころがないように考えるのでありますが、鉄道の旅客運賃の場合も貨物運賃の場合も腰溜めから申しますと、相当恐る恐る遠慮をしながらこの程度までならば国民生活に影響は及ぼさないだろうというような心持ちを以て言つたことだけはこれは事実であります。殊に運輸省におきましては、早速公聽会を開きまして、四日間に亘つて各界の代表者五十名ばかりでありましたが、意見を徴して練りつめた結果が、貨物三割、旅客二割五分という数が出たわけなのであります。運輸省自体の考えは、政府自体の考え方もその辺だろうかと考えておつたのと、公聽会の考え方とも大体出合つたようなわけなのであります。国鉄側においては、経営当事者という真劍な立場、殊に又深刻な先ほど申上げたような国鉄のあり方というようなことから、重い責任感の下に、できるだけサービスの維持、できることならば向上というようなことに考えて行つて、そうして逆算をして来て三割五分という数字が出たろうと私は見ておるのであります。併しそれでは三割五分で初めてなし得たものが三割、二割五分で責任がとれるかという虞れを万人が抱くであろうと思います。お尋ねはこの点にあるのではないかと考えますが、勿論国鉄といたしましては、貨物、旅客三割五分の値上げをして、そうしてその財源によつて当初の意図するところの赤字を防ぎ、サービスの維持、改善に努めるということであつたのでありますけれども、公聽会の結論がすでに三割、二割五分となり、運輸省の査定の物指もその辺に符合したような形で来た以上、国鉄としては輿論に従い、三割、二割五分の限度で一つ最善を盡して当初の目的に代るものを果そうと、こう一大決心を持つて潔くその査定を受けたようなわけなのであります。従つて三割五分で果そうとしておつた予定のことは、或いは危険のあるものはこれはやりますけれども、そうでなかつた部分はできるだけ省いて、本当の正味のところで赤字をなくし、サービスの維持改善に力を入れて行くというように引受けて立上つたわけなのでありますから、どうか御審議に当りましては、できるだけ運賃の値上げを、社会の情勢を察し、国民の負担を少くしよう、国民生活を、経済生活を脅かさないようにという心遣いの下に遠慮がちに考えたということを、同時にこれを以て最善の効果を挙げようと、努力するという一つの心持ちをも一つ十分に御諒察を願つて御審議になるようにお願いしたいとこう考える次第であります。
  98. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) ちよつと監督局長から補足説明がありますから。
  99. 足羽則之

    政府委員足羽則之君) 只今の御質問についての交通関係の大体の値上げの状況を私の知つておる範囲で申上げたいと思います。先般バスが値上げをいたしたのでございますが、バスは従来一キロ当り二円二十五銭でございましたのを、三円三十銭と三円と二円六十銭と三段階に分けて、それぞれ値上げをいたしまして、平均約三割二分の値上げと、こういうふうに我々聞いております。それからやはり内航の船の旅客運賃を先般値上げいたしましたが、やはり平均二割二分というふうに聞いております。最高三割二分で、平均二割七分というふうに聞いております。それからなお近く、この国鉄運賃と時期を同じういたしまして、十六会社、大きな私鉄でございますが、それの運賃の値上げをいたしたいと、まあこういうふうに考えておるわけでございますが、これが恐らく約三割二分から三割四分見当の運賃値上げになるのではないかと、こういう見込でいろいろ只今検討いたしております。大体そういうことでございますので、国鉄の運賃との比較をして頂ける数字ではないかと思うのでございます。
  100. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 私もこの運賃値上げは低いに越したことはないと思うものでありますが、併し命がけで乗らなければならないような所がある、ローカル線、少し表現が極端かも知れませんが、そういう所はできるだけ直してもらいたいという気持から今回のこの値上でまあ果して十分であるかどうかということをまあ伺つたわけでございまして、先ほどのそれぞれの御答弁によつて大体了承した次第であります。  それから只今バス等の話も出たのでありますが、これは私次にもう一つお伺いしたいと思つてつた点で、先般地方鉄道の値上げの問題等の話もちよつとこの委員会で出ておつたのでありますが、地方鉄道或いはこのバス事業あたりの事業経営の状況、収支状況等を運輸省当局ではどういうふうに見ておられるかということ、これは地方によつて非常にまあ違うと思うのでありますが、私らの感ずるところでは最近バス事業というようなものは大体独占を続けておりまして、相当いい成績を挙げておるのではないかと思う、国鉄が上げたから直ちにそれに皆追従しなければならん必要が、まあ若干あるところもあるかも知れませんが、全部がそういう状態ではないようにも私は思いますので、そういう感じを承わつておきたいと思います。
  101. 足羽則之

    政府委員足羽則之君) バスの点につきましては私の所管外でございますので、ちよつとお答えをいたしかねますが、軌道、いわゆる私鉄につきましては、国鉄が上げたから上げるというよりは、むしろ私鉄全体としてやはりどうしても上げて参らなければ経営がうまく行かない、大体こういう状況のようでございます。御承知のようにこの私鉄の事業はまあ投下資本をたくさん固定させましてそうして一般の他の事業に比べますと、非常にもう収益という点から見ますと、収益性の極めて少いものでございます。それがこの戰後のいろいろな災害、戰災の復旧等のために相当な社債なり、借金もたくさんできておる、それからこの朝鮮事変後非常に資材の値上りもいたして参つて、或いは先般御承知のようなこの私鉄全体の給与ベースの改訂もございます。或いは電力の値上り、或いは石炭の値上りというような動力費の値上りが、電気を動力といたす、或いは石炭を動力といたすそれぞれの鉄道につきましても、非常に大きな打撃のようでございます。それらのいろいろな事情を考えます場合に、企業自体も非常に収益性が小さい、かてて加えていろいろそうした事情がございますので、私鉄自体としても是非運賃の値上げをいたして参りたい。そうしなければバランスがとれんという内容であるように考えております。ここで詳しくは申上げませんが、私鉄の利益配当の姿を見ましても、一般の他の企業から見ますと極めて少い、無配をいたしておる会社も四十数社まだあるように私承知いたしておるのでありまするが、非常にそういつた状況でございまして、従つてやはりそれらについては内部で或いは人員を縮減をいたし、或いは動力を電化し、或いはガソリンカー、或いはディーゼル・カーに変えるとかいうふうに動力の変更をいたすとか、いろいろな点でそれぞれの私鉄が工夫はこらしておりますが、なかなか経営がうまく行かん、そこでやはり最終的にそうした内部の経営の合理化と相待つて、やはりその企業が企業として存立をして、地方交通の負担を担うという観点から申しましても、我々それを監督する立場としてはやはり適当な運賃値上げを認めて、そうしてそれらの鉄道の存続を図る、こういうことが必要であろうかと、こういうふうに考えておりまして内容的には私鉄としては必ずしも現在いい成績であると、こういうふうには考えていない次第であります。
  102. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 最後に先般運賃値上げの公聽会が行われました。その公聽会の意見の要旨をまとめたような参考資料をお作りに若しなつておられましたら頂きたいと思います。なければ仕方がありませんが、どういう意見が述べられてあるかということを、若しあれば頂きたいのであります。
  103. 足羽則之

    政府委員足羽則之君) 運輸省でその資料を作つておりますので、後刻お届けいたします。
  104. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 私は最後に大臣に先ほど申上げました戰争中に引き剥がされて、いろいろその当時約束されておつたような線につきましては、これは全国でたしか三カ所とか四カ所しか聞いておりませんので、これは地方民に対する感情の問題から言いましても、いろいろ苦しい財政と思いまするけれども、建設審議会等におきまして、最優先に一つ取上げられまするように、格段のお骨折りを願いたいということを陳情申上げる次第であります。
  105. 山崎猛

    ○国務大臣(山崎猛君) お答えいたします。只今三カ所くらいに御指摘になりましたけれども、私もはつきり記憶がありませんが、二十近い線だつたかと思います。
  106. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 それは大体的に申しまして、私の記憶では北海道の札沼線と、新潟の魚沼鉄道と、それから福島県の白棚線、この三つだと聞いておるのでありましたがね。
  107. 山崎猛

    ○国務大臣(山崎猛君) そうですか、私の記憶しておるのにも手近な所にもまだありますから、はつきりした数字は別段ここで申上げるわけじやありませんが、できるだけそういうふうなやりかけて途中でやめたというようなものをやめることは、地方民心に影響するところも相当大きいのでありますから、十分考慮を加えて御期待に副うようにいたしたいと思います。
  108. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 国鉄運賃法の一部を改正する法律案に関して、運輸大臣が折角見えておりますから、御質問があれば暫時御質問を継続いたしたいと思います。
  109. 岡田信次

    岡田信次君 運賃法に関係ないのですが……。
  110. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) いやその点了承しておりますが、運賃法の一部を改正する法律案に関して……。
  111. 岡田信次

    岡田信次君 運賃にからんでもう一つ理局長に伺いたいのですが、あの国鉄から頂いた表を見ますと、諸資材の値上りが非常に大い。中には三倍くらいになつておるというふうに相成つておりまするが、私はこれを使う数量なり或いはその目的によつて特にそういう必要はないのだろう、こう思います。そこで一番心配になりますのは枕木ですが、枕木は大体年に五百万丁使う、而も二十五年の事変前には二百四十九円であつたものが六百二十円になるというふうに倍以上に上つておる、而も使う数量は非常に多い、こういうものの何と申しますか、取扱いというか、処理が今後の鉄道の経営に非常に大きな影響を与えると思うのですが、そこで最近の枕木の壽命はどのくらいになつておるか、これの延命策と申しますか、長く持たせる方法に対して何か格段の方法を講じておられるかどうか、その点を一つお伺いいたしたい。
  112. 三木正

    説明員(三木正君) 仰せの通り枕木は非常に主要資材でございまして、この入手並びに延命というものは非常に大事でございます。最近におきましては單価の値上りのみならず、入手それ自体に非常な苦心をし、本年の一月だつたと思いますが、本年度上期用の所要量とし百て七十五万丁の契約をいたしたのでございますが、殆んど納入がなかつたのでございます。單価の改訂と素材の値上りを理由として殆んど納入がございませんので、価格の改訂もいたしたいと思つたのでございますが、関係方面とのいろいろな懇談もあつたりして非常に延び延びになりまして、本年の枕木の入手状況は極めて悪いのでございます。そうして東北の秋田、盛岡、或いは青森、北海道は比較的良好のようでございますが、秋田、青森、盛岡、あの辺の雪の降る地方に対する必要最小限度の交換枕木の手配が非常に困難でございまして、九州なり山陰なり非常に遠方から高い運賃をかけて雪の降るまでに敷換えをやるように努力をしておるような次第でございます。枕木の延命策につきましては、昨年から本格的に行なつたのでございますが、特に軟材に対する注入処理でございまするが、以前は山で切られましてから防腐処理されるまでに、その途中の運搬等に時間を取りまして、相当月の経つたものを注入するという状態でありましたために、注入の効果が十分でなかつたように見受けられますので、本格的に昨年から切りました際に直ちに簡易な防腐塗料を塗りまして、一応の表面の防腐をいたしまして、それを運び込んで、そうして本格的に注入をする、こういう方法をとつております。勿論これには経費が相当かかるのでございます。けれども、従来のは短いのは七、八年、良好なものでも十数年しか持たなかつたものが、この方法を以てやれば十五年は楽に持つ、うまく行けば二十年くらい持つんじやないかというのでそういう方法を講じております。そういう枕木の入手状況が非常に悪いので、コンクリート枕木を或る程度購入いたしておりますし、更にフィリピンの材木を長尺物に、使うために輸入で調達する。それに防腐をいたしましてやる。こういうような状況でございますが、延命策として考えておりますのは、今申上げました伐り出した後にすぐ簡易な防腐をする、こういう方法を講じております。
  113. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  114. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 速記を始めて下さ。
  115. 小泉秀吉

    ○小泉秀吉君 運賃値上げと直接の関連はないのですけれども、ついでだから伺いますが、戰後鉄道のレールが相当いたんでおつて、危険の率が増しておるということを聞いたのですが、先ほど何かそれに関連したような御質問があつたように思いますが、ぼんやりしておつて御答弁をはつきり聞かなかつたのですが、その後鉄道の枕木なり、レールなりの古い、或いは危険率の相当増しておるというようなものは殆んど全部お取替ができたのでしようか。その点について御説明を伺いたいと思います。
  116. 三木正

    説明員(三木正君) 決して十分には参つておらんのでございまして、枕木につきましては只今申上げました通り、最小限度の安全性を保持するのに汲々として、財政的でなくて現物的にその入手に非常に狂奔しているような恰好でございます。レールにつきましても、特に東北本線、北陸本線のレールが命数が来ておりますので、命数を越しておりますので、非常によくない状態にございます。山陽線は幸いに戰後数年を要しまして全部新らしいレールに取替えたのでありますが、東北線と北陸線に今後主力を注いで取替えて行かなければならない状態でございますので、決して十分に廻つておるというようなわけには参りません。更にもう一つ一番心配しておりますことは貨車の担バネでございます。貨車の担バネは戰争中資材が足りませんために十分の補給をしておりません。摩り減つたまま使つておるという恰好で参りましたために、最近殊に故障が多いのであります。それを二年乃至三年の間に取替えたいというので、本年から発足いたしまして、取替えて行くことにいたしております。決して十分というのではございません。ただその危険のないように十分にやつて行くつもりでおります。何とかやつて行くつもりでおる次第であります。平常な状態に置くというにはまだまだ不足している現状でございます。
  117. 小泉秀吉

    ○小泉秀吉君 例えばレールが老朽或いは老廃に近いというようなものは技術的に絶えずお調べになつているだろうと思うのですが、それでそういう取替えないところは毎年どのくらいの程度予算を組んで、修理といいますか取替えに使つておりますか、金額的に明示願いたい。
  118. 三木正

    説明員(三木正君) レールにつきましては損益勘定、工事勘定合せまして約本年には五万トンの取替えをするつもりであります。最近までには現在の総敷設設備が二百二十万トンでございます。そのうち戰争中取替不足であつたのが二十万トンと考えられますが、その間二百二十万トンというものが年年何ほどか取替えて行かなければならぬ分がございます。取替えなかつたものの二十万トンと毎年取替えて行かなければならぬものが数万トンあるわけでございますが、それが本年度におきましては当初六万トンを計画いたしておつたのでございますが、六万トンまでやり得るかどうか、六万トン少し切るような数字になるのではないかと思います。  枕木につきましては、四千五百万丁の敷設がしてあるのでございますが、そのうち約一千万丁は昔の姿にすれば一千万丁を取替なければならぬ。そのほかに年々取替えて行かなければならぬ、十年も保つといたしますと、四百五十万丁はしなければならぬわけでございますが、今年度は計画数量として四百五十万丁を予定しておつたのでございますが、特に枕木の傷みが甚はだしいので、入手さえできれば四百八十万丁くらい取替たいと思つて入手に苦慮している次第であります。
  119. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 他に御質問がありませんか、若しも御質問がありませんでしたら、先ほど書類がまだ提出がなかつたために一応あとに廻しました国鉄の補正予算に関する説明を求めたいと思います。速記を止めて下さい。    〔速記中止
  120. 山縣勝見

    委員長山縣勝見君) 速記を始めて下さい。  それでは本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十八分散会