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1951-10-25 第12回国会 衆議院 郵政委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十月二十五日(木曜日)     午後二時十九分開議  出席委員    委員長 池田正之輔君    理事 飯塚 定輔君 理事 風間 啓吉君    理事 白井 佐吉君 理事 吉田  安君       石原  登君    玉置  實君       坪川 信三君    中野 武雄君       降旗 徳弥君    山本 久雄君       受田 新吉君    柄澤登志子君  出席政府委員         郵政事務官         (郵務局長)  松井 一郎君         郵政事務官         (経理局長)  中村 俊一君  委員外出席者         郵政事務官         (貯金局長)  小野 吉郎君         郵政事務官         (簡易保険局         長)      白根 玉喜君         専  門  員 稻田  穣君         専  門  員 山戸 利生君     ————————————— 本日の会議に付した事件  郵便法の一部を改正する法律案内閣提出第八  号)  郵便為替法の一部を改正する法律案内閣提出  第元号)     —————————————
  2. 池田正之輔

    ○池田委員長 これより会議を開きます。  郵便法の一部を改正する法律案及び郵便為替法の一部を改正する法律案を議題とし、前会に引続き質疑を続けます。柄澤
  3. 柄澤登志子

    柄澤委員 大臣がお見えになるまで、きのうお願いしました資料についてお答え願いたいと思うのでございます。一種、二種のコストをお願いしておいたと思いますが、おわかりになりましたらひとつ……。
  4. 中村俊一

    中村(俊)政府委員 お手元の資料に書いてありますように、郵便種類はいろいろございますが、主要なものは第一種、第二種、第三種でございます。それでこれは昨日も御説明申し上げましたように、郵便の総経費郵便種類ごとに一通当りに直したものでございます。なお申し上げておきますが、この原価調査は昨年の十月から初めて行つたものでございまして、現在集計されたものは、二十五年度の下半期の分、つまり第三・四半期と第四・四半期のものだけでございます。従つてそれをもとにいたしまして、二十七年度の総経費に引伸ばしたものであります。そこでそこに書いてございますように、第一種郵便物原価が六円四十七銭、それに対しまして今回郵政法改正法案に出ておりまするよう料金は、平均いたしますと十二円五十四銭。これは十二円でございますけれども、いろいろと目方も重いもの等がございまして、平均いたしますとそういうことになるということであります。  それから第二種郵便物、これははがきでございますが、原価で五円二十七銭、それに対しまして改正料金は四円八銭、この八銭というはしたの出ますのも、第一種と同じように、はがきには御承知よう小包はがきというのがございます。こういう関係で端数が出るのであります。  それから第三種新聞等でありますが、六円三十四銭の原価に対して改正料金平均は一円六十銭、こういうことになります。従つて見込み原価に対しまして郵便物数をかけたのが、その次の欄にありますような、いわゆる総原価であります。この総原価と今回予定されておりますところの改正料金による総収入との差引をいたしますと、第一種では三十六億という黒字になつて来る。それから第二種は十七億余という赤字になつて来る。第三種は二十億という赤字になつて来る。従つてこれを総括的にごくわかりやすく申し上げまするならば、第一種による黒は第二種、第三種赤字によつて帳消しにされる、大体こういうことになろうかと思います。     〔委員長退席飯塚委員長代理着席〕  なおこのほかのものが抜けておりますが、四種、五種等につきましては、これは今回料金種別変更が少しございます。これが二十五年度現在の種類別原価では少し当てはまらないものが出て来ようかと思いまするので、ここへはあげなかつたのであります。しかしこれを総括的に申し上げまして、郵便物の五種以下のものと、それから小包郵便との関係を申し上げてみますと、大体小包郵便物は、普通小包でも、特殊小包でも、いずれも原価よりも実際の料金の方が低うございますので、いずれも赤字になつております。それを四種以下の郵便並びに書留、速達といつたようなものの料金でカバーをしておる、こういうことに総体的に申し上げればなるのでございます。
  5. 柄澤登志子

    柄澤委員 きのうお願いしました資料の中で、郵政省の機構についての資料はここにございますようですが、もう一つ常勤非常勤のことにつきまして、非常勤の内訳を御請求申し上げたと思つておりましたが、それは私の思い違いでございましたでしようか。
  6. 中村俊一

    中村(俊)政府委員 ちよつと御質問がわかりかねますが、もう一回おつしやつてください。どういうことでございますか。
  7. 柄澤登志子

    柄澤委員 郵政省には非常勤職員というものがあつて、それが常勤的非常勤というものが含まれておるということを、人事院でも承つて来たわけであります。それがどういうよう職種別というか、仕事に配置され、どのくらいの人員があるかということを、資料としていただきたいというふうに申し上げたつもりだつたのですが、それはきつと不十分だつたのか、実はきよういただきたかつたのでございます。
  8. 中村俊一

    中村(俊)政府委員 それでは、この次に延ばしていただけませんでしようか。実はこれは人事部関係の所管でございますので、その方へよく伝えておきます。
  9. 柄澤登志子

    柄澤委員 それらの財源は、給與の方に組まれずに、予算書では賃金という項目がございますけれども、そこで操作なさるのでございますか。
  10. 中村俊一

    中村(俊)政府委員 さようでございます。
  11. 柄澤登志子

    柄澤委員 大体のことはおわかりなりませんでしようか。
  12. 中村俊一

    中村(俊)政府委員 常勤的な人で賃金をもつて支拂つておりますものは、その大部分電話交換に従事しておるような人でございます。これは御承知ように、特定局におきましては、電通省から委託を受けてやつておる仕事でございます。
  13. 柄澤登志子

    柄澤委員 大部分電話交換というお話でございますが、人数にいたますと、一月は年賀郵便どもありまして、特に多いと思うのでございますが、大体平均八千人ぐらいになつておるようでございますが、その大部分電話交換でございますか。
  14. 中村俊一

    中村(俊)政府委員 正月の年賀郵便で採用いたします臨時者は、これは常勤的なものではなく、ほんとう意味非常勤でございます。従つてお話常勤的非常勤と申しますのは、ほとんど一般定員と同じよう仕事をしている人、しかもそれが賃金支拂われるという意味だと思うのでありますが、これはまず五千人前後と思います。
  15. 柄澤登志子

    柄澤委員 常勤的非常勤というのは、この前も問題になつておりましたが、これはあなたの方ではどういう御方針で臨んでおいでになりますか。たとえばベースアップの場合にはこれは当然ベースアップされる——年末手当などは除外されておつたようでございますけれども、今度のよう一般職員ベースアップの際には、非常勤はどうなるのか、また常勤的非常勤であるならば、当然減員どころか、それは繰入れられて定員として組まれるのが当然であると思うのですが、その点お聞きしたい。
  16. 中村俊一

    中村(俊)政府委員 これは昨日大臣からお答えがあつたと存じておりますが、ほんとう意味非常勤は、御承知ように、きめられておりますところの賃金の単価がございます。二百十円とかいろいろございますが、ああいうもので支拂つておりますので、これはまつたく別でございます。しかし常勤と同じよう仕事をしている者につきましては、事実差別待遇をするわけに参りませんので、これは一般定員内の職員と同じよう待遇をする、こういうことでございます。
  17. 柄澤登志子

    柄澤委員 今度の予算を拝見いたしますと、賃金項目では、本予算のときよりも二十四万七千円というものが減つておりますね。これは一人当りコストは一体どのくらいになつてどうして減つたのか、もし給與が上りまして、当然非常勤が上るとするならば、これは追加が組まれなければならないはずだと思うのです。しかも八千人近くの人のものでございますと、これは一人のコストをかけましても相当の額になるのではないかと思うのでございますが、それがむしろ減つておるのは、どうも納得が行かないのです。
  18. 中村俊一

    中村(俊)政府委員 これは少し内容に入りますけれども賃金の減つておりますものはこういうものでございます。電気通信省から委託を受けております特定局仕事直轄にいたしますものがあるのであります。と申しますのは、それを普通局に改訂いたしまして、特定局郵政省仕事から電通省仕事へ切りかえる、こういうのがございます。従つてそこにおります職員は、そのまま電通省の方へ切りかえられるというので、賃金分がそこへ入つて来ます。従つて郵政省予算の中から、それだけが減少になつて来ます。
  19. 柄澤登志子

    柄澤委員 それでは郵政省のいわゆる常勤的非常勤、また非常勤をも含めまして、そういうものはなくなるということでございますか。一切お使いにならないという方針でございますか。この年末から一月にかけての予算になるといたしまして、むしろまた今までの方針でございますと、おふえになるんじやないか、また一万ぐらいになるんじやないかというふうに予想されるときに、全部それが電通省の方へ行つてしまうのかどうか、こういう点でございます。
  20. 中村俊一

    中村(俊)政府委員 年末等におきます非常勤は、本年度の本予算におきまして、年賀はがきは三億五千万といつたような計画が変更になりません限りは、そういつたような方面における賃金変更がないのでございます。しかし電通省の分は、ことし直轄なつたものがすでにあります。それを今回の補正予算で直すということになつておるわけです。それから常勤的な人々をいつまでも賃金で雇つておくか、こういうことの御質問に対しましては、大臣からお答えがあつたのですが、これは定員に組み入れべきものである、しかしこれには時期がある。今回の補正予算ではそれができないと、こういうことでございます。
  21. 柄澤登志子

    柄澤委員 定員法ができましてからもうすでに数年を経ておりまして、その間に自然減耗の欠員というものは、いつも差引かれまして定員——郵政の数はちよつとわかりませんが、運輸省の場合でございますと、数万人に上つております。つまり減つておるのでございます。今度また新たに定員法が上程せられるということが言われておるときでございましてこの機会をおいてほかにはないと思うのでございますけれども、時があるというのは、いつが適当だというふうにお考えになるのでございますか。
  22. 中村俊一

    中村(俊)政府委員 これはいつと申し上げるわけには参りません。早い方が私どもとしてはよろしいのでありますが、できるだけ早く常勤に直したい、こういうことよりほかに申し上げようがないのであります。
  23. 柄澤登志子

    柄澤委員 あまりこまかいことはあれですけれども、しかし大臣にはこまかいことがわかりませんので伺つておきたいのでございますが、そうするとこの予算の面から考えますと、どういたしましても今常勤的非常勤の人にはベースアップの恩典もないというふうに見受けられるのでありますけれども、その点はいかがですか。お上げになるおつもりでございますか、方針としてそういうふうになつておりますか。
  24. 中村俊一

    中村(俊)政府委員 方針としては、常勤的な人には一般ベースアップ定員内の人たちと同じよう待遇をいたすと、こういうことであります。
  25. 柄澤登志子

    柄澤委員 局長にお伺いしておきたいのでございますけれども、いつも定員の問題でも、きようも打明けた話を方々からいろいろ伺つて来たのでございますけれども郵政省では定員がこれでやれるという、局へ行くとむずかしいという、現場へ行くと、さらに困難だ、人が足りないという意見も承つているわけでございます。そういう際にこれでやれるというふうな大臣お話でございましたが、きのうの話では、事務的な手続を減らすんだということだけで、具体的には方針が承れないわけです。それでは私ども、とても納得できないし、郵政行政の円滑な運用というものもできない。この運賃値上げというものが、現場労働者首切りとにらみ合せまして、全部大衆の犠牲において行われる、首を切られる、こちらの方は郵便料金が上るというわけで、郵政行政というものがむしろマイナスの面ばかり、サービス低下の面ばかりだということが、今一般の声になりつつあると思うのでございますが、この集配を減らすとか、サービス低下の面ということがまた考えられて来るわけでございます。そういうことについて、具体的にどういう御方針でございますか、そういうことは一切やらぬ、集配も減らさないし、業務は今まで通りやるというふうな方針でお進めになられるかどうか。実は団体交渉のときに、労働組合側大臣が、仕事の面で減らして行くのだということを言われたと聞いております。そうしますと、その仕事の面というのが、やはり郵政行政の場合は直接大衆に接する面になると思うのでございます。その点ではどうでございますか。
  26. 松井一郎

    松井政府委員 御承知のごとく、私ども現業をやつている立場から申しますると、実際問題として、これを簡單にやり切るというような余地は、なかなかほかの場合に比べては少いのであります。しかし大きな意味で、この際政府として人員を縮少するという方針がきまりました以上、われわれといたしましては、できるだけこれが直接サービスに影響しない範囲内において、何とかしてそれの実現をさせたいというので、実は現在非常に苦慮している次第であります。ここで絶対に、サービスにいかなる意味においても影響しないというようにまでは、実は言い切るのは言い過ぎであるかと思いますが、まあわれわれとしては、最小限度サービスに影響しないような方法においてやりたい、こう御返事を申し上げるよりいたし方がないと存じます。
  27. 柄澤登志子

    柄澤委員 その局と職場大臣考えというものが非常に違うのですが、これは上になるほどいいかげんな返事を大臣にして、大臣現場のことがわからなくなつているのではないかという場合が、いろいろな行政の場合にあるのではないか。たとえば私貯金局へ参りまして、超過勤務をやつておるというところを見せていただきました。ちようど六時ごろ参りまして、退庁前後に参りましたのですが、その場合に局長初め全部が超過勤務をやつておられます。残つておられたのです。うもの方はたいへん能率が最近上りまして、今こういうことをやつておりますといつて、原簿の差しかえをやつておられたのですが、その場合に、仕事能率を上げるということに対しましての判断が、たとえば京都では一分間三十枚やるのがいるので、もつとこれけ上げられるのだというようなことを言われる。現場行つて労働者のやつておる人に聞いてみると、一分間に三十枚やれるという人は、二十年間も勤めているような熟練工でなければやれないので、私たちように四、五年しか経験のない者に、その能率で割られてそうして職場全体の仕事は大体これくらいだから、一分間三十枚の率で割ると、これだけの人員でいいんだというので、新しい定員を割られたのでは困るんだという声もあるわけです。そういうようなことが、非常に現場局長大臣とで考え違つて報告が常に最高の能率でもつてつて行つて、それで割つて行けばできるんだというような形でやつておられるのか。それとも、日本逓信従業員定員が多いんだというような、どこか日本の国と違つた状態基準にして、今の労働状態というものがきめられているのか、非常に問題だと思うのです。吉田首相なんかに言わせますと、今でも日本労働者賃金というものは、いいんだということを国会の本会議でおつしやつておるわけです。吉田首相は大まじめにこれを考えおいでになるのだと思うのです。ところがそこへ上つて行くいろいろな資料というものは、今のような形で上つて行つたとすれば、これはたいへんなことになると思うのです。私どもはそれを本気にしたわけじやないんですけれども国会図書館あたり資料をとつて調べてみるとまあそんなにいい方じやないわけですね。エジプトのパン焼労働者でも一時間六十円ぐらい、五十円何がしをとつておりますから、一日八時間として四百円以上になるわけでございます。そういうようなアジアで一番高いんだというようなお考えで、講和会議に臨まれて、向うで、日本労働者の低賃金が、日本の一等国としての基礎の大きなものであつたというようなことで、いろいろなものの基準がきめられて行くとすると、これはもつと下るおそれがあると思うのです。それで私どもとしては、非常勤一般逓信従業員コストの半分で、しかも物件費に組まれている、人間としての資格の賃金になつていないので、物件費の中に組まれている。この賃金、いわゆる非常勤労働者賃金というものは、非常に大きな、臨時工賃金の問題と同じように、官庁労働者の場合にも一つのてこになつているとも考えられるのです。ですから仕事の量にいたしましても、今のようなことがはたしてあるかないか、あるとはおつしやらないと思うのでございますが、そういう形で今後またやるんだということで、無理だということがわかりながら、これが行われるといたしますと、相当これは問題と思うのでございます。そういう点で新しい定員要求が、たしか七万ぐらい出ていたのじやないかと思うのです。これは労働組合が調べたんじやないと思うのです。皆さん方郵政の方の審議会が何かから出て来たと思うのでございますけれども、そういう点につきましては、定員要求は、皆さん方郵政行政を担当していらつしやる局の方としては、持つておられるのじやないのでございますか、もう政府の命令でやむなくやるというような形でないのでございますか、どうなんですか。
  28. 松井一郎

    松井政府委員 従業員能率の問題でございますが、能率の場合においては、ただいま柄澤委員がおつしやいましたように、ある三十年もたつた非常な高能率の方、それを標準としてわれわれが見て行く、決してそんな甘いことは考えておりません。詳細に現場当りまして、通常の場合の能率ということを、われわれはどこまでも基準考えております。従つてそういう非常に特殊な能率というものを前提として現在の定員にまだ余裕があるというふうな考え方は持つておりません。  それからもう一点は何でございましたか。
  29. 柄澤登志子

    柄澤委員 その点ぐらいのお答えしかなさらないと思うのでございますけれども、具体的に、それでは今度の首切り標準になるものは、長欠とそれから婦人ということも聞いております、それからもう一つは、成績の悪い者というふうなことを聞いておるのでございますが、大体このくらいでございますか、どうですか。
  30. 松井一郎

    松井政府委員 どういう方々に今度現実の場合に退職していただくかという方針については、まだ実はきまつておりません。今度は御承知のごとく、長欠の方は定員外になりますから、直接首切り対象にはならないわけであります。そのあとにおいては、できるだけ希望者を募りまして、希望者で全部行けばけつこうでありますが、希望者でどうしても予定数が満たない場合に、どういう順序でやるかという問題は、実はまだわれわれのところ書はつきりした方針を立てているわけじやございません。
  31. 柄澤登志子

    柄澤委員 定員外になるということは、やはり首と実質上同じようなことになるのじやないかと思うのでございますが……。
  32. 松井一郎

    松井政府委員 定員外になるということは、首切りの問題とは関係はございません。むしろ現在定員内であるがために、ある方が長期欠勤されますと、そこの定員というものが、その人は定員内の関係上埋められない。そこで残つた方々によつてその仕事を負担して行かなければならぬ。そうしますと、そこが非常に苦しくなつて来ると、いつまでもその定員内におられては困るから、やめてもらいたいという圧力が強くかかつて来るわけであります。定員外になられますと、もうその方が療養期間中、次々に埋めて行けばいいわけですから、むしろその方に対してやめてもらうという圧力はかからなくなる、私実は昔から長期欠勤者定員外といういうことを、この前の行政整理のときも感じたのでありますが、その点は私今度の行政整理において、長期欠勤者定員外にされたことは非常な進歩だと思います。
  33. 柄澤登志子

    柄澤委員 その点で必ず復職できるというよう條件がつきますれば非常にまたいいことになりますし、たとえば日通ように、三年の療養期間を認めるということが保障されました場合にはいいと思うのですが、結核病が職業病のように言われております全逓従業員の場合は、これは当然だと思うのでございますけれども、その点の御配慮はないのでございますか。
  34. 松井一郎

    松井政府委員 現益御承知のごとく、長期欠勤者療養期間というものは、大体一年ということになつております。それから教育公務員国民学校の先生の場合には、特に二年ということになつておりまります。二年がいいか、三年がいいか、いろいろ見方によつては差異があると思いますが、昨日も大臣の答弁の中にあつたと思いますが、大体われわれ過去の統計をとつてみますと、今日の割合進歩した医学の力でもつていたしますと、二年ぐらい完全に休養なさいますと、大体多くの方は回復しているというよう資料があります。そこでおそらく今度は政府は二年ということで切られたんだと思います。それから回復された場合の復職の問題でありますが、ご承知のごとく、われわれのところは常に現実には自然減耗に伴う退職者というものがありますから、病気がよくなられた方を受入れるには何ら支障はないと思います。
  35. 柄澤登志子

    柄澤委員 たいへんお話はすらすらと行くんでございますけれども現実には定員が減らされるというようなところへ、員外にあつた者定員に入れるということは、なかなか無理だと思います。それを何か法律的に保障するというような措置が講じられなければ、身分保障はできないと思うのでございます。その点をぜひどういうふうに進められているかということを聞きたいと思うのでございます。  それからもう一つは、なぜ私それを申しますかというと、全逓のいろいろな請願や何かで実情調査をいたしますと、保険募集が非常にはげしゆうございまして、非常勤が普通の本雇いになりたいために相当みんな無理をしまして、倒れてしまつて病気になつて、そのまま切られてしまつたというのがあるわけです。現実に私どもの手に入つております手紙なんかでも、当局を恨んで、世をはかなんで一家心中をやつたり、非常に無理な割当を、本雇いになりたいばつかりに非常に励んでやつたところが、割当が遂行できたのに病気になつてしまつた、私ども当局を恨んでおる、しかし小さい子供にひかれて心中もできないからというような形で、警察へ訴願を出して何とかしていただきたいというようなことを述べている。その中には、割当がいかに苛烈になつて来ているか、保険募集割当が、最近預金部資金運用権郵政省から離れて大蔵省行つて金融債一つの資源になつてから、非常に苛烈になつて来ているわけですね。そういう状態が、一方では大蔵省に全部吸い上げられている、郵政省には何らの益にもならないようなことになつて、非常な労働強化現実には職場にやつて来て、そのために病気になつた者はほうり出されて行くというよう現実にあるわけです。そういう問題について、皆さん方は、それは休養すればいいんだ、いい薬もできたとおつしやいますけれども健康保険法にしたつて、ごらんなさい、だんだん注射もやつてはいけないとか、ビタミンBまで使つてはいけないと言われる今日、全逓従業員がどうして休養して病気を治すかという問題だつてあると思うのです。そういう場合に、今度対象になつております三千人からの長期欠勤者の問題は、やはり身分保障をし、これが労働者に非常にいいという欺瞞的なかつこうをおとりになりますので、私どもそれならばこういう身分保障は当然じやないかということになるわけでございますが、その身分保障をお考えになつておられるかどうか。
  36. 松井一郎

    松井政府委員 まあいよいよ病気がよくなつた場合に、法律上当然これを優先的に復帰させろというところまでは、おそらく法文としては書かれないと思います。しかしわれわれのところの常時定員と実在員との差というものがあります。これは昨日も柄澤委員がお示しになつた数字の中にあつたと思いますが、大体二十五、六万の人間を擁しまして仕事をしておりますと、常時二千人程度の欠員というものは必然的に生じて来るわけであります。そのことを考えますると、よくなられた方を受入れるのに定員上自然的に困るということはあり得ない。これはもうわれわれ常識的に考えていいのじやないか。もちろんわれわれも、お互いの職場の中で病気になられた方、しかもその方がよくなられて再び迎えるのに何らやぶさかではないということからいたしますれば、そこまで法律的に規定しなくても、十分その趣旨は行われ得るとわれわれ考えております。
  37. 石原登

    ○石原(登)委員 関連して……。今の柄澤委員質問を聞いておりますと、どうも私は非常に不愉快なところがある。特に不愉快に考えるのは、実に私もかつて逓信従業員としてその末席をけがしておつたのでありますが、少くとも私は逓信従業員であつた当時は、現在もさようでありますが、決して単なる労働者というような気持でこの逓信従業員として勤務しておつたのではなくして、少くとも国家の公務員というような大きな誇りを持つて私は勤務しておつた。おそらく現在の従業員諸君も、そういうような立場で非常に努力されておるものと私は確信をしております。そういうよう従業員に対しまして、ただ單なる筋肉労働者だと——極端に言いますならば、戦後一時的ではありましたが、国家的な要請を忘れて、非常に混乱をいたしましたあの頽廃時代の感覚でもつて、今日の逓信従業員を御批判願うことは、非常に従業員のためにも迷惑でありますし、またわれわれ国民が大事な郵政事業を委託しておるところの責任者として、われわれ非常に納得行かない点が多々あるわけでございます。この点について政府はどういうふうにお考えであるか。あるいはただいまの議論の通り、単なる労働者であるか、あるいは国家公務員としての大きな誇りを持つて、国家のいわゆる目的に向つて努力しておるところの職員であるのか、この点について明らかにしてもらいたい。でないと、軍なる労働者としてわれわれはやつているということであるならば、これは非常にゆゆしい重大な問題でありますから、郵政当局に対して猛省を促さなくてはならない。この点について、大臣がいないのははなはだ遺憾でありますが、適当なる方から御答弁願いたいと思います。
  38. 松井一郎

    松井政府委員 ただいまのお尋ねに対しましては、大臣から御答弁されるのがもとより当然であろうと思いますが、今日この席にいらつしやいませんから、私かわつてお答え申し上げます。  ご承知のごとく、今日のわれわれ郵政省従業員は、はつきりと国家公務員法に基く一つの責任を負わされておるという意味におきましても、決して一介の軍なる労働者という意味における、ただ労力を売るというだけの立場のものではないということは、はつきり申し上げていいのじやないかと思います。
  39. 石原登

    ○石原(登)委員 ただいまの郵政省の御答弁まつたくその通りであると思う。われわれは逓信従業員郵政従業員のいわゆる面目のために、あるいは名誉のためにも、この委員会が、單なる労働者だ、労力を売るだけのものだというような前提に立つての議論は大いに愼みたい、こういうことを提議しておきます。
  40. 柄澤登志子

    柄澤委員 何か石原委員がたいへん興奮しておいでになるようでございますけれども、私は、予算書で物として物件費の中に賃金を繰入れて、人間として取扱つていないので、むしろ政府方針の方が、公務員たる同じ仕事をしている労働者諸君を、物として取扱つているじやないか、こういうのはけしからぬじやないかということを申し上げたのでございますから、逆に攻撃は私の方よりも、やはり物として取扱つているやり方、こういうものに向けていただき、共同戰線を張つていただいた方がいいのじやないかと思います。その点でひとつ私は御抗議申し上げたいと思うのでございます。労働者も人間です。公務員も人間です。違つたものじやないのでございまして、この点をひとつ申し上げたいと思います。
  41. 石原登

    ○石原(登)委員 私はその面の議論に関する限り、柄澤委員の説に非常に同感であります。人を少くとも物件費で扱うということは、はなはだ不都合だと思いますが、これは私の感覚によりますと、行政整理に際して、おそらく郵政省が柄沢さんが好まれないところの従業員首切りを親心でもつて非常に努力されて、こういうような方法によつて行政整理対象になるものを非常に防がれた、こういうことであろうと私は考えております。そういう意味でわれわれは、こういう人も近い機会に当然いわゆる定員の中に入れられまして、しかもその範囲によつて、公正なる国家の配置に基きまするところの、郵政事業が円滑に行われるところの対象人員として考えられることを特に要望いたしたいと思います。討論でありませんから、これは要望として申し上げておきます。
  42. 中村俊一

    中村(俊)政府委員 私、予算関係の点から柄澤委員の御発言に対してちよつとお答えを申し上げたいと思います。予算賃金物件費ということなつておりますが、しかしこれは予算上の一つの区分でございまして、われわれも、また政府といたしましても非常勤者、賃金をもつて支給する方々を物と考えておるなどということは毛頭ございませんから、この点はひとつ特に申し上げておきたいと思います。
  43. 柄澤登志子

    柄澤委員 それはあなた方個人をお責めしたのじやないのでございまして、予算の目、節、項にわたつてのいろいろな変更はしたのでございますけれども、やはり組み方というのは昔の民主主義でない時代のことを踏襲いたしましてやつておるわけだと思うのです。物にしておりますのは、炭鉱などもやはり資材費の中に入れているのです。労働者賃金というものを人間として扱つておりませんで、資材と考えている。これはまあ外国でも、日本の百五十万の人的資源というふうに、日本の人口を人的資源に繰入れている先進文明国もあるそうでございますから、この予算の組み方だけじやないと思うのでございますが、そういう点について申し上げないのでございます。個人やあなた方下の方の官僚の処置を責めたのではないのでございまして、もつと大きな建前から申し上げた、取扱い上の態度、日本の帝国主義時代からの因習が残つているという点に対しての意見でございますから、その点御了解願いたいと思います。  さらにお聞き申し上げたいのは、組合が言つておりますのは、行政機構の改革のためであるならば、たとえば大蔵省関係とか人事院関係の、今必要でないものを事務的にやめるということで人員が滅らされるのであれば、まだわかるというのです。しかし行政機構改革をやらない前に、定員要求していた郵政省首切りがあるどいうことはどうも納得できぬ、それならば行政機構改革が出た場合にはもつと出るんじやないかということになるわけでございます。その点皆さん方はどう思つておいでになるのかということ、これはもう繰返して申し上げなくてもいいと思うのでございますけれども、その点と、それから承るところによりますと、来年度になればまた郵政省が併合されるのではないかということまで行政機構改革の面では言われているわけでございます。ですからよほど腹をきめてかかりませんと、これは郵政省という省がなくなつてしまうというようなところまで来ているのではないかというふうに私ども考えるわけでありまして、そういう点で、機構改革をやらないのに、なぜ定員が足りない郵政省で首を切るか——これは各省でございますけれども、そういうことが言われておるわけでございます。  もう一つ大臣が来られます前に承つておきたいのは、郵政省からも、運用金をもとしてもらいたいという各地方の局長などの市を取上げまして、そういう何か運動とか動きをやつておいでになるのでございますか。
  44. 松井一郎

    松井政府委員 機構改革と行政整理の関連の問題につきましては、これはもうしばらくいたしますれば大臣がお見えになると思いますから、大臣からお答え願う方が適当かと思います。
  45. 白根玉喜

    ○白根説明員 運用再開について郵政省として何か運動しておるかという御質問でございますが、運動というものはいろいろの面がございまして、どういうふうな面の運動かということになりますと、明らかに出る面と、まだ時期を見る面とあると思うのであります。従いましてこれらのことは政策の問題でありまして、当局といたしまして特段の運動はただいまのところいたしておりません。
  46. 柄澤登志子

    柄澤委員 委員長にお伺いしたいと思いますけれども、当委員会としてもこれは再三決議をした問題であつたと思うのでございますけれども、きのう大臣も言われましたように、自主独立の講和後の新しい変革に直面いたしておりますが、そういうことにつきまして委員会としての意思を新しく表明するというようなお考えは当委員会としてはないのですか。
  47. 飯塚定輔

    飯塚委員長代理 それは池田委員長が席をはずしておりますから、個人としての考えは私にあつても、委員会を代表しての意見とすれば、正式の委員長おいでなつたときに御相談願いたいと思います。
  48. 柄澤登志子

    柄澤委員 首切り対象になつております婦人というのはどういうことになつておりますか、婦人が対象に上つておるようでありますけれども……。
  49. 松井一郎

    松井政府委員 特に私どもの方では男女の別というものを表に立つて考えておりません。それぞれ男子に適当な職場、女子に適当な職場があつて、今日成り立つておるわけでありますから……。
  50. 柄澤登志子

    柄澤委員 能率の上らない者という範囲は、たとえば先ほど申し上げましたような一分間に三十なら三十という最高能率基準にして、それに及ばない者というふうなことになるのでございますか。たとえば保険の募集なども大分割当が多いようでございますが、その募集の割当の遂行できない者は首切り対象にするということになるのでありますか。その基準をどこに置いておりますか。
  51. 松井一郎

    松井政府委員 私ども人員の算定をする場合には、一定の能率基準というものを常にその職場に即するように持つておりますが、人員整理の場合に、能率のどの程度の者を切るとか切らないとかいうようなことは、実はまだ全然考えておりませんので、ただいまそういう意味合いではお答えするわけには参りません。
  52. 風間啓吉

    ○風間委員 議事進行について……。先ほど来の柄澤委員の御質問を拝聴いたしておりますと、今回議題となつておりますところの郵便法の改正並びに為替法の一部を改正する法律案という議題には直接的には関係がきわめて薄いようにも思います。こじつけて言えば関係はないではないとも思うのでありますが、私も少しばかりお尋ねしたいこともありますので、またの委員会の機械に柄澤委員の御質問は熱心にしていただくことにして、委員長の御判断によつて、ひとつ他の方にも質問をさせていただきたいと思います。
  53. 柄澤登志子

    柄澤委員 ではどうぞ……。私はまたあとでさせていただきます。
  54. 飯塚定輔

    飯塚委員長代理 では風間君。
  55. 風間啓吉

    ○風間委員 それではお許しを得ましてお尋ねいたしたいと思います。昨日の受田委員の御質問にありました事柄と関連いたしておるのでありますが、この法案が予定通り今月一ぱいに成立いたしたといたしまして、十一月一日から施行されるということであります。そういたしますと、準備期間というようなものがまつたく数時間しかないということなのでありますが、十一月一日から施行する場合に、はがき等の印刷は間に合わぬというふうに考えておるのでありますが、これは幾日間くらいかかつたならば、切手を張つて出すというような煩わしさがなくなるのでありますか。それとも、手まわしよく新しい印刷でもしてあるかどうか、ちよつとお伺いしておきます。
  56. 松井一郎

    松井政府委員 はがき料金は、正確に申し上げれば、法律が通過しなければ確定をしないわけでありまして、事前にそれを印刷しておくということは、実際問題としてはできません。それで、従来もそうでございますが、どうしても新しい料額印面の入つたはがきというものは、やはりおよそ一箇月くらいたたなければ出すことができません。それで、その中間におきましては、どうしても若干不便ではございますが、差額を切手でもつてつていただくということよりいたし方がないと思つております。
  57. 柄澤登志子

    柄澤委員 これは関係がないのじやないのでございまして、やはり値上げの問題も賃金の値上げが大分理由になつておりますし、人件費が七割だということも理由になつておりますので申し上げたいのでありますが、強制募集の割当というようなことが方針ではなかろうと思いますけれども、そういう事実があつて、それに及びつかない場合、それが理由になつて首になるといつたようなことがありました場合にはどういうふうにお考えになりますか。
  58. 白根玉喜

    ○白根説明員 この問題につきましては、毎回柄澤委員から御心配の意味におきまして御質問があつたのであります。私どもの方といたしましては、大体におきまして強制的な割当というよう考え方をもつてつて参らなかつたのでございます。大体割当の目標等につきましては、組合とも懇談いたします。むろん組合が少し下まわつてもらいたいという御希望はあつたのでございますが、しかしながら事業の内情を御説明申し上げまして、この程度をやつてもらいたいということを申し上げまして、大体の御了解を受けた上で、募集目標をきめたのでございます。もつとも終戦直後におきましては、いろいろの関係からいたしまして、組合の御協力がなくて、実は成績の面におきまして、民間の一会社にも及ばないような件数に立ち至つた時代もございます。しかしながら現在におきましては、来年度の目標につきましても組合の申入れがあり、また私どもといたしましても愼重に研究いたしましてできるだけ無理募集をしないように、ただいま来年度の目標も勘案中でございます。さような事情でございまして、本省といたしましては、強制的な割当というような気持で割当を年々設定しておるわけではないのでございます。ただ下部の面におきまして、事業を愛するあまり、一部御指摘のように、監督者側で多少無理なことを従業員方々にお願いした面もあろうかと存じますが、これらは事業を愛するあまり、ある程度出たのでございますが、本省といたしましては、強制的な割当というような観点で契約の募集の目標を設定しないように、従来とも努力いたしましたし、今後はなおその面につきまして、努力を重ねて行きたい、かように存じておる次第であります。
  59. 柄澤登志子

    柄澤委員 それでは、あなたの親心を下が知らないで、大分無理をさせたということに了解してよろしいのでございますか。郵政局からのきびしい指示によつて、日曜も休まずやつた。本雇いにするからというようなことで、できなくて首になつたという例が相当来ているわけなのでございます。そうだとしますと、それはそういうふうにした当面のそこの局が悪いわけで、皆さんの責任じやないということになると思うのでございますし、またそういう間違つたことに対しては、たとい手遅れであつても、当然直して正しくしなければならないと思うのでございますけれども、その点につきまして…。
  60. 白根玉喜

    ○白根説明員 私は最近簡易保険局に参つたのでございますが、貯金局時代もある程度の割当というものがあつたのでございます。従いまして、各個人の割当を完成しないからという意味で首を切つたという例は、私寡聞にして聞いておらないのであります。多分それ以外の理由で前の行政整理のときにはやめたと思うのでございます。お前の割当額は一日何件だが、それを完成しないからということで首を切つたということは、本省としては絶対そういう指示をいたしませんし、下部にもないと思います。それは多分別の意味であろうと思います。
  61. 柄澤登志子

    柄澤委員 これは中村局というのですから、愛知だと思うのでございますが、ここでは六、七月ごろなのですけれども、実際にあるわけなのです。これは若い人ではないのですけれども、募集の割当ができるかできないか、できる自信のある者は手を上げろといつて忠誠を誓わせて、とてもこんな無理な割当はできないから、郵政の部長さんによく頼んでみたいというふうにある従業員がこぼしたところが、それを陰で耳にしていた課長がかんかんになつてつて、すぐ呼びつけて、君はこの局には用のない人間だから、すぐ辞表を出してやめろといつて局長を出し拔いて、課長が脅迫して辞表を出すことを迫つた。課長の名前もわかつております。そのことが職場全体に伝わつて職場の人々は、自分の問題だというので、稻垣課長の横暴を、全体の職場の人の力で、そんなばかなことはないというので、取消さしたということが来ております。これは幸いにして職場がみんな同情して、支持されたからそうなつたのでございますが、そうでないような、実際に弱くて、自分も言つたらにらまれるというので、首になつた場合に——これ船橋ですけれども、関口友次さんという人が、現実に警察署に嘆願書を出しているわけです。本採用になりたくて無理をした。私の保険の募集目標は二十五年度は一月より十二月上旬まで百四十八万円であつた。九月に入つてやつと五割強の八十万円程度しか達していないので、残額の八十八万円を九、十、十一の三月間で面目にかけても果そうという意気込みのときであつたので、自分は入つて間もなく三日目で保険募集の責任額を一箇月一万二千円、しかも十日目、ことに締切つて、四千円ずつを十日目ごとに集めろといつて割当てられた。しかしとてもできないというので、当惑したけれども、連日保険課長から成績を上げろと言われて、成績の悪い場合は解雇すると言われた。はつきり言つております。私はやつと就職して、再度失業しては家庭を暗くすると思つて、一日の勤務を終えて、夜間も知人宅を訪問し、深夜に至るまで努力して、毎日募集に精励し、九月分は割当を上まわる一万二千三百四十円の成績を上げました。十月分は九月分よりも上まわつた一万二千八百九十五円の成績を上げ、一時は四十六名中のトップをリードしました。ところが、先輩たちの反感を受け、妨害行為を受けた日もあつた。仲間からはきらわれたというのです。十一月分も両月分をはるかに上まわる一万六千七百八十五円の成績を上げ、十二月五日には全目標を達成した。七箇月間一、二位の成績を上げた人が、今度とうとう二十六年度分の保険募集割当は、成績を上げたことによつて一箇月百十五万円になつた。ところが、昨年よりは経済状況は全体に悪くなつているために非常に成績が上らなかつた。ところが連日保險課長はきげんが悪くて毎日みんなをどなり散らした。私の成績は一月は四十万円、二月は百五十九万五千円というふうに、とても無理が重なつて、とうとう職場で倒れるようになつて卒倒した。午後四時半ごろ卒倒し、あとでうちに寝ていて妻や子供から聞いて知つたのですが、郵便局で倒れて頭が狂つたとか、大分へんなことをどなつたという。 七日間意識不明だつた。とうとう倒れて二日目に首を切られているわけです。二十二日に初めて保険課の外務主事が私宅へ見舞がてらに来まして、私の妻に相談したいから局へ来てもらいたいと言われて、妻が局へ行つて面会したところ、卒倒して無意識のうちに保険課長の悪口を言つたというのです。その保険課長の悪口を言つたということで、ぷんぷん立腹して、即座に解雇を申し渡された。そういう状態で、もうあとはとりつく島もなかつたというのです。首を切りながら、離職票もくれないというので職安にも行けない。一家心中をしようと思つても、子供がかわいそうで、一家七人がどうにもできないから、相手が強くて泣寝入りしている状態なので、何とかひとつ私の死地を徘徊している状態を警察署でお救い願いたいということが来ているわけです。その後の経過につきまして、ようやく失業保険をもらうことになつたというのでありますが、これがただ單なる一つの例であればまだだと思います。しかし行政整理が常にこういうふうに職場の中でおどされながら、不安定な状態でやられる今の全逓従業員状態を物語つている一つのモデルとして皆様に考えていただきたいと思います。
  62. 白根玉喜

    ○白根説明員 ただいまのお話がもしさようであるといたしますれば、たいへん恐縮に存ずる次第でございます。しかし私ども考えといたしましては、保険の割当が、部分的にあるいはへんぱになつたことが、多数の局でありますので、あつたかと存じますが、全体論としてはそういうことのないように努力を続けて参つたつもりであります。なおそういう目標を達成するために血みどろの努力をせられた方々が、遂に倒れた事実が出る程度までやつていただいた方々につきまして、それを理由に休んだ、からだが悪くなつたというような理由で、それだけの理由で行政整理をしたということは、もしあつたとすれば実は手落ちでございます。多分私の方の考え方からいたしますれば、その当時は私多分人事部長の時代であつたと思いますが、そういうことはないと思うのです。なお私の方で調べてみまして、もしそういうことがあれば善処いたしたいと存じます。ただ御参考までに申し上げますが、いろいろ地方の下部から流れて来て、こういうことがあつたということで、多分柄澤先生からもときどき御指摘を仰いだこともあろうかと存じますし、また他の方々からも御指摘を仰いだことがございます。実はそのたびごとに郵政局を通じてよく調べてみたのでございます。その際におきましては、今までの経験から申しますと、御指摘のように、仕事のために一生懸命やつて、その結果倒れて、それをもう使えないからとか、あるいは課長の言うことを聞かないからというだけの理由をもちまして、首を切つたということは、私ども御指摘によりまして調べた結果からいたしますと、なかつたわけでございます。しかしせつかく御指摘していただいたのでございますので、私よく調べてみたいと存じます。もしさようなことがあれば、私どもといたしましては、たいへん恐縮に存じなければならない、かように存じておる次第でございます。
  63. 飯塚定輔

    飯塚委員長代理 柄沢さんにちよつと申し上げますが、大臣は電通の委員会で、おそらくきようで採決することになるじやないかと思いますが、どうしても出られないということでございますから、明日は参考人を呼んで聞くことになつておりますから、その翌日の委員会で大臣に十分御質問願いたいと思います。  なお保険の関係の問題は、人員整理や何かに関して直接影響があることと思いますけれども、これはこの前の委員会で、大臣が保険の額の問題とか、そういう保険法の改正も考えておるということを言明されておりますから、そのときに十分御質疑いただいた方がいいと思いますが、いかがでございましようか。
  64. 柄澤登志子

    柄澤委員 あさつて時間がいただけますならば……。
  65. 飯塚定輔

    飯塚委員長代理 大臣はあさつて必ず出席する予定であります。あしたは御承知ように、條約案の本会議がありますから、委員会は午前中参考人の御意見を伺うことだけになつております。二十七日には午前中に大臣が出席する委員会を開きたいと思つております。
  66. 柄澤登志子

    柄澤委員 よろしゆうございます。  ちよつと今のことで……。そうでなければならないと思うのでございます。そういう事実が出ておりますことをやはり申し上げまして、そういうことにつきましては、下部の間違つたことは適当な処置をとつていただいて、しかし一家心中してしまつてからでは、死んだ者は帰つて来ないのでありますから、そういうことのないようにしていただきたいことと、もう一つ聞いておきたいことは、一万二千円の責任額があとでは百十五万円になつておるわけですが、そういうことがあるかないか、あるとすれば、いくらあとから手を打つていただいても間に合わないのでございましてやはりその点をひとつお答えを願いたいと思います。それだけで質問を終ります。
  67. 白根玉喜

    ○白根説明員 それは具体的に調べなければわかりませんが、年度当初におきまして目標を設定いたしまして、ある程度進行した度合いを見まして追加して、これならまだできるだろうというよう意味、また事業を早く再建しなければならないという意味におきまして、たしか一回程度は追加目標を設定したこともあろうかと存じますが、そういう影響を受けてそういうことがあつたかもしれませんが、今後はわれわれといたしましては、目標の設定につきまして、あまり無理をしない目標を年度当初に設定いたしまして設定した以上は、たとい伸びぐあいから見まして、まだ余地があるといたしましても、今後は追加目標というのは設定しない方針で行くつもりであります。御了承をお願いいたします。
  68. 柄澤登志子

    柄澤委員 この前のときと現在との数字で、抽象的でない御返事をこの次にでもいただきたいと思います。  それからこれがどう使われているかという保險の運用の問題に関連いたしますいわゆる金融債に関するドツジ氏の覚書以後、それをどう使われているかということも大蔵省の方からでも資料をとつて委員長の方からぜひ当委員会に出していただきたいと思うのでございます。これで終ります。
  69. 飯塚定輔

    飯塚委員長代理 次会は明二十六日午前十時から開会いたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後三時二十九分散会