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平川篤雄君 ただいま上程されました両案に対しまして、
国民民主党は応対をいたすものであります。(
拍手)以下、その
理由を簡単に申し上げます。われわれの
反対をいたします第一点は今回
提案をせられました
給與体系そのものについてであります。今回の
給與は、先ほど
委員長報告にもありましたように、十八歳
男子の一箇月の
標準生計費を四千円と定めて、これを五
号俸として置き、七十一
号俸としましては、
取締役の
民間平均を三万三千九百九十六円といたしまして、この間をただ
カーブをも
つてつないだにすぎないのであります。この間に何らの理論的な根拠がない。
民間給與の実態に即してやらなければならないということは、
給與の根本の原則でありますが、単にこの
取締役の
平均三万三千九百九十六円というものだけが
民間給與とつり合うものでありまして、その他の点においては、
人事院の
給與体系の約一割三分減、八八%をはじきだすために人為的につく
つたカーブであるにすぎないのであります。かようなことは、すでに皆さんの御承知のように、今年の六月、七月ごろから、今度の
給與改訂は千五百円のべースアップだという声がし音りに聞えておりました。その後今日に至るまで相当な
経済情勢の
変化があつだにもかかわらず、出て参りました予算はやはり千五百円である。こういう点から考えましても、この際の
給與の
引上げが何ら
経済り実質に触れたものではなくして、
政府の御都合から総額が定められ、それによ
つて人為的につくられだ
体系であると断ぜぎるを得ないのであります。また最低の
俸給であります一級の一号は、一実に三千六百円にすぎない。それに反して、十五級の四号は五万円にな
つておりまして、この比率は一対十四であります。低い方ではわずかに六百円しか上らないのに、この十五級四号におきましては、実に一挙に一万三千円が
昇給となのであります。私
どもは、この
最高給を五万円と押えることについては根本的に
反対をするものではないのであります。聞くところによりますと、
日本の
総理大臣吉田茂氏の
俸給は、アメリカの
最下級の役人の
給料と同じだそうであります。さようなわけでありますから、私
どもは上を押えるものではない。しかし、ながら、五級、六級、七級というような低い方の
給與を受ける者が大多数を占めております際にかような者が
給與りベ
ース・アップによ
つて十分な恩恵を受けないということは、これは考えてみなければならないことである。われわれは、このような点におきまし又現在の
給與というものは、なるほど
能率給というものを考えなければならぬのでありますが、しかし、ある
程度の
生計を維持するに足るだけのものを保障した上で
能率給を考えるというのが、
現状としては至当な問題であると思うのであります。(
拍手)しかるにあまりに
能率給主義にな
つてお
つて、いかにも現在の
政府は
高級官僚のみを優遇し、
下級官吏を圧迫するものであるという
い印象を與える
給與法であることは、私
どもはなはだ遺憾とする点であります。(
拍手)次に
勤務地手当の問題でありますが、昨年五月につくられました料に基いて本年五月に
勧告をせられた。それを、
政府が
財源措置を怠
つために、今日まで延びて来ておるの下あります。この間一年以上た
つておりますうちに、
地域差というい問題も非常にかわて来る、のでありますただいま、この、ままの
資料を出されたのでは、とうていわれわれは承服することができないのであります。ことに要な問題と思われますことは、最初は大した問題でもなか
つたのでありますが、最近のように、
ベースの
改訂ことに下に薄く上に厚い急激な
上昇カーブを描いております
給與体系によりましては、現在一例をあげると、五万円の
給料をと
つておる東京都の人は、実に
地域給として一万二千五百円をもらうのである。それに対して四千円の
給料をと
つている者は、わずかに千円しか広らわない。大体
地域給などというものは、
生活が困難であるという見地から考えられたものであ
つて生活給的な性格を持
つておるものであります。しかるに、
最高給五万円の者が一万二千五百円もらうというのは、もろすでに
生活給の意義を失
つておる。かような点をそのままにして強行しておりますことまは、先ほど私が指摘いたしましたように
高級官僚のみを考えておる
政策の現われであると断定されても、これはいたしかたないと思うのである。また
休職給の問題でありますが、これは現在、
教育職員は三箇年の
期間というものを認められておるのである。
人事院はそれに右へならえをいたしまして、三年間を主張いたしておるのでありますが、
政府はこれを二年間といたしているのであります。
政府側の
意見を聞きますと、
教育職員は生徒や児童に
病気をうつすおそれがあるから、それで三年にするというのである。それならば、普通の
一般の
職員は二年で出て参りまして同僚に
病気をうつしたり、
本人が倒れてもよいと言われるのでありましようか。やはりこれは
本人の
病気と、いうものを考えて行かなければならない問題であると思う。それから年末
手当ての問題でありますが、大体このべ
ース・アップの問題と関連して考えますときには、
政府のべ
ース・アップというものは、私は年遅れておると思う。
吉田内閣が組閣せられまして以来、毎月々々
内閣が
公務員に対して負
つておる借金は累増いたしておる。その額は大したものである。でありますから、年末
手当というものは勤勉であるから與えるというようなものではなくて、むしろ一年間の非常な困難な
生計をこの際償うという意味をまず第一に持
つていなければならないものだと思うのであります。しかるに、それに十分見合うほどのものでないということは、私
どもはなはただ遺憾に思う次第であります(
拍手)以上申し上げました諸点について、私は
吉田内閣の
給與政策というものを考えてみたいのでありますが、大体
公務員は、
国民に対するサービスを本義といたすものであります。公正であるとともに能率的でなければならぬと思います。しかしながら、その公正とか何とかいう
公務員本来り特性につきましては、いわゆる厳格な
国家公務員法その他によ
つてこれを縛りましてその反面、能率の良否は何によ
つて表現するかというと、単にこれは行政整理である。そして
給料は低いところに押える。ことに
人事院と
政府の間に、しばしば
給與問題について衝突がありますが、
人事院を廃止してもこの
公務員の
給與を
政府考え通りにやろうという動きがあることは、はなはだ遺憾であります。こういいう
給與の問題で守りましてこそ初めて
公務員は安心して能率を上げ公正なる態度を維持することができるのだと思います。最近良識のある人たちは、しつかるり
政府は
給料を拂
つてもらいたい、そのかわりしつかり働いてもらおうと言うのであります。ところが、いわゆる労働
基準法なんかを
改正いたしまして、八時間だけで済ませるということは
日本の実態に合わない、こう言う。しかし、私
どもは、八時間の間一生懸命に働く態勢そぼずつくるということが、ただいまは先決だと思うのであります。くだくだといいかげんな
給料をや
つて、ふまじめな、能率の上らない
職員を置いて、そうして長々と勤めてもらういことには
反対であります。そういうような、ま
つたく違
つた観点に立
つて少し考えてもらわなければならないと思うのであります。行政整理も、国家の行政機構をほんとうに能率的に
運営することのできるようなものであるならば
賛成である。しかし、ただいまやろうとしておるのは天引である。そのようなやり方である。またそのために
国家公務員の
給與がよくなるというのなら話がわかりますが、そうではないのであります。
自由党は首切りだけ考えておる。さて、特に皆さんに考えていただかなければならぬことは、最近
公務員に対しで非常な不信の声が
国民の中に起
つております。ところが、人材を集めることのできないような状態にしておるのは
政府である。大学卒業生の最近の就職希望の動向などを考えましても、これは将来憂うべきものがあるのであります。そこで、
政府はなぜそんなに低い
給與で押えなければならぬかということを尋ねますと、もつぱら
財政的な
理由だと言
つておるのであります。ところが、今回の
一般会計の補正予算によ
つて増額せられるものは実に千五百九十二億七千五円に及んでおる。それに対して
一般会計分の
給與改訂はわずかに八十七億であ
つて、これは全体の六四%にすぎないのであります。かようなことでは、私は
財政的な
理由だという逃げ口上は決して許されないと思うのであります。(
拍手」大蔵大臣は、今回の補正予算をいわゆる安定と能率と発展と豪語しておられますが、われわれれの考えますところ、当予算の見込み違いから、インフレを押さえることができないために、当初に見込みました事業を十分遂行することができないいわばしりぬぐいの予算である。物を買うことができない。事業をやることができないそれは
公務員においても同じであります。
給與を上げなければならないことは明らかである。この点だけを知らない顔をして、ほおがむりをしておるということは、それは
自由党に特別な意図があると考えるよりほかにない。大体インヴエントリー・ファイナンスというような手持ち
資金の存在することについては、各階層が
反対をいたしておるのであります。