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世耕委員 大体お読み願
つたので、その動きの全貌を了承することができました。今度の問題に参加した連中は、学生や労働者が主であるかもわからぬが、非常に低級な思想を持
つていることは想像できる。なぜかというと、天皇というものの性格を知らぬ、天皇は再軍備をするとかしないとか、あるいはどうするとかこうするという権限はない。それは旧憲法時代である。旧憲法時代の天皇をつかまえて言うなら、うなずかれる筋もありますけれども、今日は天皇は
国民の象徴であります。
国会が最高の権限を持
つている。そういうことがあれば、なぜ
国会に
陳情しないかと言いたい。しかも最高学府の学生がもしこれをやつたとすれば、よほど低級な者ばかりの集まりだと言える。また同時にそれを指導している教授並びに責任者は何をしているか、こういうことも言いたくなるわけです。昨夜の東京新聞の社説欄を皆さんごらんに
なつたでしようが、学園、特に国立大学で赤色闘士となるよりも、まず人間になるために、強くそれら学生の反省を望む。そしてもし反省の要なしとするならば、学園、特に国立大学を去
つてもらわなければならない。国立大学の維持費における月謝は、いわば九牛の一毛で、大部分は全
国民の血税である。民主的
国民は、その民主主義を破壊する者のために、一銭をも負担することは耐えられないということを言
つておる。これは
国民の声です。これは国警次長にお尋ねする筋ではありませんけれども、こういうような学生を取締るには、それぞれ相当の
考えを持
つていらつしやらないと、ただ学園は自治だから、大学の自治を守らなくちやならぬからというので、そうした時代遅れの
考えを持
つている連中、急進だとか進歩的という名前のもとに、警察官の行動を鈍らせるようなことは、今後なさらないようにしていただきたいということをお願いしておきます。
なおこの際特審局長にもう一点お尋ねしておきたいと思いますが、全面
講和ということについて、共産党の諸君は非常に熱心であり、社会党左派の諸君も熱心でありますが、学者の中にも全面
講和を主張する人がある。その全面
講和を主張する人の中に大学の先生がいる。私の調べたところでは四十何名かのそうそうたる大学の先生がいる。東京大学が十二名、京都大学が五名か六名というふうな数が出て来ております。そういう全面
講和論者がいるために、大学に赤旗がひらめいたり、わつしよわつしよやつたり、インターを歌
つて騒ぐように
なつて来ている。こういうような実情はどうですか。最近私が
調査した範囲によりますと、名前を申し上げることだけは差控えますが、平和問題懇話会という会ができて、人が集ま
つているようです。私が拾い上げたところでは大学の連中が四十名ばかりいる。こういう人物はどういう人物であるかということは、特審局は一応お調べに
なつたかどうか、後刻来られる文部大臣は、元やはりこの平和問題懇話会のメンバーの一人だつたということも聞きます。また東京大学の南原君も、同様に全面
講和論の主張者であり、平和問題懇話会のメンバーの一人であるということは世間周知であります。そういう人たちにたくさんの月給を払
つて、
国民は一生懸命
ちようちん持ちをしなければならないような何か義理合いがあるかどうか、真相だけ承
つておきたいと思います。