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吉田説明員 お答え申し上げます。北緯二十九度以南の
南西諸島は、
信託統治には
なつておりませんけれ
ども、
信託統治にされるという
可能性が規定されておるだけでありまして、私
どもはこれが再び
日本に復帰する日を非常に待ち望んで、最近のサンフランシスコにおける
平和会議のいろいろな
演説の
速記録や、その後の
アメリカの
関係の
方々の御
演説の内容を承つておりますと、必ずしもそう困難ではないような感じがいたしております。ことに
日本の主権と
現地住民の
国籍の問題については、かなりはつきりした
見解が表明されていますので、私
どもとして、
アメリカの今後の
折衝において、かなり期待できるものがあるのではないかという気もいたしております。今の
恩給の問題でございますが、これは
国籍を持つことになれば
恩給を受ける
権利はもちろんございます。それは現在のところそういう
権利を喪失するということは、ほとんどないのではないかという
予想を持つております。ただそれを
支給いたしまする点につきましては、
昭和二十一年一月二十九日の
行政分離の命令が出ておりまして、これが一番大きな支障に
なつております。そのほかに送金の問題その他の技術上の問題もございますので、今停頓いたしておりますが、
現地の苦しい
実情、ことに年をとられた
公務員の
軍作業などに働けない
方々の苦しい
実情は、十分
承知いたしております。その他につきましても、
政府は極力、この
支給方に
努力はいたして参りましたが、
昭和二十五年の九月でございましたか、総
司令部の方で少し待つてくれという意見がございましたので、一応待つておりましたが、二十六年八月三十一日に、
現地の
司令官の方で
現地の各郡島知事に対して、
恩給を
支給する、あるいは
公務員の未払いの
給与を
支給するということに対しては、
自分たちとしては異存がないという返事が出たのであります。それに力を得まして、外務省では各省と
折衝の結果、十一月十六日にもう一度その問題を実現するよう、
現地住民の
希望に沿うように
努力をしたいというので、今
折衝をいたしております。書類も出しておりますけれ
ども、もう少し様子を見た上ではつきりしたことを申し上げることができるのではないかと思います。