○
井上(良)
委員 どうですか
大臣、ここをよくお
考えにな
つてもらわなければならぬが、つまり一万六千人の人を
整理する。この
整理は、
食糧統制を
撤廃するという
基本方針を決定してやろうとするのですから、当然、そういう結論からこれだけの人を減らすということにな
つておる。ところが今御
答弁をされました
通り、この
統制撤廃に伴
つて逆に多くの
外国食糧を輸入しなければならぬ。これは明らかであります。その輸入に伴
つて輸入補給金が当然それだけふえる。また
国内の産麦に対しても何とか手当をしなければならぬことは明らかであります。それからいま
一つ消費者価格の値上りに伴
つて当然給与ベースの改訂も必至であります。これは先般あなたが
農林委員会で、私の
質問に対して、給与ベースは改訂しなければなるまいということを言明されました
通り、給与ベースの改訂は必至であります。給与ベースが改訂されれば物価
はつり上るのであります。物価が上れば
予算が膨脹することもこれ必至であります。そう
なつた場合の
負担というものと、物価体系一切が崩壊し財政が危機に至るであろうという危険があるがゆえに、ドツジさんがどつちもよう結論をつけ得ないで今日がんば
つておるわけだ。問題はそこにあると私は思う。それほどの問題を
政府当局でまだ結論がつかず、しかも一万六千人の人を首切るということについて、この問題に対する具体的な
方針さえ
国会で説明できない現状において、しかも法的にも、いろいろな点から
考えても問題でない
食糧庁の
整理を、この際無理にやらなければならぬことはないじやないですか。なんで通常
国会に正々堂々と
食糧の
統制廃止に関する
法律案を出さないか。それを出して、その
法律案の並行審議によ
つて定員法の改正を出されたらいいのです。しかもこれは一月から四月までにやろうというのでしよう。またあなた方
自身も、一月から四月までの間に
食管法の改正なり、あるいはこれにかわる米穀
需給調整法なり、あるいは米穀市場法等を出そう、こういうつもりでおるのですから、そういうものが
国会の審議で並行されるときに、
食糧庁関係の
定員法の改正案を出されるということが妥当じやありませんか。そういう手続をとられることが、
政府のためにも
国民を納得さすにも必要であります。また現に
供出の最盛期を控えて、実際
政府が必要とする二千五百万石か二千五百五十万石か知りませんが、それだけ確保するということは——今日こういう問題を論議すること
自身が非常な悪影響を与えるのであります。こんなことを
国会で論議し、こんなことを
政府がふれまわ
つてお
つては、おそらく二千万石の米は集まらぬと見ておるのです。知事みずからが二千三百万石以上は引受けられないと言
つているではありませんか。そうしたら一体どうするのですか。それほどの大きな不安と、それほどの大きな問題を
国民に投げ与えて、
政府がそこまで無理押しをして
食糧庁関係の
定員法をこの際改正し、実施しなければならぬという理由はないのです。どうしてもあると言うのならば、そのあるという理由をひとつ具体的に法的に説明してください。われわれはどう
考えてもないのです。これは昨日から何べんも繰返しておりまして、
委員長に怒られるかもしれませんけれ
ども、少くとも現行の
定員法は
食糧管理法によ
つてや
つている。これの改正案を出さずに、何を
根拠に、何の
法的根拠によ
つて一万六千を首切ろうというのですか。単なる
政府の
方針にすぎない
一つの仮定的な事実に立
つているのではないか。まだ
司令部の許可も得ていない今日、そういう点から
政府がやろうとするなら、具体的にその法案を整備されて、この法案はこう
なつたからこれだけの人がいらぬことに
なつた。そこで改正をしてくれ、こういうのが順序だと私と思
つている。閣議決定でも、いつでもかえることはできるのです。決定はどうしても決定
通りやらなければならぬということはない。たまにはかえなければならぬ場合も起
つて来るのです。今まででもそんなことはたびたびあるのです。あなたは、出した以上は、これはもう
政府の面子上どうしても引つこめるわけに行かぬと言うかしれませんけれ
ども、これはどこからどう
考えてみても事実上検討がしにくいです。このわきの問題はまだ聞いていないからわかりませんが、少くとも
食糧庁関係の
人員整理というものは納得ができ得ない
整理の仕方ですね。私はそう
考えますが、あなたはどう
考えますか。依然としてこれは閣議決定であるから決定の線で行けるとお
考えになりますか。法的裏づけ、
法的根拠はなくても
定員法はかえられるとお思いになりますか。