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1951-10-23 第12回国会 衆議院 内閣委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十月二十三日(火曜日)     午後一時二十九分開議  出席委員    委員長 木村 公平君    理事 青木  正君 理事 江花  靜君    理事 坂田 英一君 理事 船田 享二君       井上 知治君    大内 一郎君       鈴木 明良君    平澤 長吉君       本多 市郎君    松本 善壽君       千葉 三郎君    小平  忠君  出席政府委員         内閣官房長官  岡崎 勝男君         総理府事務官         (宮内庁次長) 宇佐美 毅君  委員外出席者         農林事務官         (大臣官房文書         課長)     臼井 俊郎君         農林事務官         (農業改良局統         計調査部長)  安田善一郎君         農林事務官         (食糧庁総務部         長)      清井  正君         専  門  員 亀卦川 浩君         専  門  員 小関 紹夫君     ――――――――――――― 十月十七日  委員成田知巳君辞任につき、その補欠として鈴  木義男君が議長の指名で委員に選任された。 同月二十三日  鈴木義男君が理事補欠当選した。     ――――――――――――― 同月十九日  日本国憲法八條規定による議決案内閣提  出) 同月十八日  恩給法の一部改正に関する請願松本善壽君紹  介)(第一号)  公務員の新恩給制度確立に関する請願立花敏  男君紹介)(第二号)  元陸軍教授恩給復活請願志田義信君紹  介)(第八五号) 同月二十二日  元軍人老齢者恩給復活に関する請願青柳一  郎君紹介)(第一一七号)  戦傷病者に対する恩給増額請願福田昌子君  紹介)(第一一八号) の審査を本委員会に付託された。 同月十八日  旧軍人老齢者恩給復活に関する陳情書  (第一八号)  恩給受給権復活に関する陳情書  (第七一  号) 同(  第八七号) 同月二十二日  北海道道政関係緊急諸問題に関する陳情書  (第一七〇号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  理事の互選  日本国憲法八條規定による議決案内閣提  出)  行政機構に関する件     ―――――――――――――
  2. 木村公平

    木村委員長 これより会議を開きます。  本日の日程に入りまする前にお諮りいたします。本委員会理事でありました鈴木義男君が十六日委員を辞任せられ、翌十七日再び委員に指名されました。つきましては理事補欠選任を行わねばなりませんが、委員長より鈴木義男君を理事に御指名いたしたいと思います。御異議ございませんか。     「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 木村公平

    木村委員長 御異議がなければさよう決定いたします。
  4. 木村公平

    木村委員長 次に日本国憲法八條規定による議決案を議題といたし、提案理由説明を求めます。岡崎官房長官
  5. 岡崎勝男

    岡崎政府委員 ただいまから、日本国憲法八條規定による議決案提案理由を御説明いたします。  皇室経済法二條並びにそれを受けました同法施行法第三條及び第五條によりますと、皇室に属する同一の方が一年内になされる賜与の総額は、天皇陛下及び内廷にある皇族におきましては、それらの方々を通じまして百二十万円、その他の皇族におきましては十五万円に達した後は、その後の期間においてなされるものは、すべて国会議決を要することになつております。たまたま本年は、貞明皇后の崩御によりまして天皇陛下及び秩父、高松、三笠の各宮殿下貞明皇后から相続せられる御遺金を救癩事業の資に充てるために、御四方から賜与されますので、この際別に二百万円を御議決いただきたいと存ずるのであります。  なお、この二百万円は、御遺産中の現金、有価証券の額から御遺産にかかわります相続税等を差引きました百九十七万六千五百余円に、内廷より端数金額を補充いたしたものでございます。  何とぞよろしく御審議あらんことをお願いいたします。
  6. 木村公平

    木村委員長 岡崎官房長官説明に対し、御質疑ありませんか。     〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
  7. 木村公平

    木村委員長 なお本日は宮内庁から、次長宇佐美毅君が来ておられますが、宮内庁側から説明の御希望がありますれば、この際発言を許します。
  8. 宇佐美毅

    宇佐美政府委員 別にございません。     —————————————
  9. 木村公平

    木村委員長 次に行政整理につきまして、本日は農林省関係調査を進めますので、まず農林省より説明を求めます。  行政機構の問題がようやく本委員会においても本格的に審議が進められるようなつたのでありますが、この際特に今回の定員法改正によりまして、最も大きい関心を受けておられまする農林省当局から、農林省側のいろいろの御希望もありましようし、あるいはまたいろいろの陳述もあろうかと思いますので、特にきようは御足労を願つたわけであります。後ほど事務次官が来るようでありますが、ただいまは文書課長が来ておりますから、文書課長より説明を求めます。臼井文書課長
  10. 臼井俊郎

    臼井説明員 ただいまお配りいたしました資料の一番上をごらんいただきますと、本省と、食糧庁と、林野庁、水産庁の四本建に書いてございます。これは新しく改正になります定員法の中で規定せられます人数が四本建になつておりますので、全体をごらんいただきまするのに御参考になるかと思つてつくつたものでございます。初めに定員のところに書いてございますのが、現在の農林省関係定員でございます。それが総計いたしまして八万五千二百七十九人ございます。このたび整理いたしますのが、その次の整理人員の欄でございまして、二万六千七百六十五人となつております。差引きまして新定員と書いてございますのが、来年一月からの定員として規定せられるものでございまして、五万八千五百十四人となつております。なお局別にわたりましては、大体次の表に、ごらんいただきますとわかりますように出ております。このたびの行政整理は、御承知よう内閣で御方針を御決定になりまして、原則として一般事務については三割の整理をする。それ以外の事務につきましては、個々の事務を当りまして、一番たくさん整理いたしますのは、その仕事をやめて一〇〇%人を削減するというものから、逐次整理のパーセンテージが減りまして、八〇%とか七〇%とか、最も少いものになりますと、五%の率を適用するというように段階がいろいろわかれております。そういう基本的な方針がございまして、私の方と行政管理庁の方で事務的にもいろいろ御説明をいたしたりしまして、結局結論が出ましたのが、ごらんいただいております表のようなものでございます。ただ事務的に話しましたところでは話がつきませんで、閣議最後におきめになりました関係のものが、あとの表をごらんいただきますとおわかりになつていただけると思いますが、改良局のところの—ちようどまん中辺のちよつと上でございますが、統計調査部関係と書いてございますところに、一万四千九百四十二人の定員に対しまして六千五百二十人を整理いたします結果、八千四百二十二人が残るという関係定員と、食糧関係で現在やつております全面的な統制を、一応やめるといことを建前にいたしまして、三万九百六十五人おります。これは特別会計という欄に書いてございます関係中心になるわけでございます。その中から一万五千九百二十三人を整理いたしまして、残りますのが一万五千四十二人となる関係のところでございます。ただいまの食糧庁関係のは、閣議でおきめになりました線は、一般売買中心といたしました食糧管理関係仕事は六割を減らそう、そして検査をやつております、それは穀物検査中心にいたしました農産物検査があるわけでございますが、その関係仕事は五割減らす、こういう線でおきめになつたものであります。それから多少かわつておりますところは、畜産局のところをごらんいただきますと、備考の欄のところに競馬部関係のことが書いてございますが、現在御承知よう農林省競馬国営をやつておるのでございますが、これは民営にするということの話合いになつておりまして、来年度上半期までは政府が直接競馬を担当して参りますが、その後は五十人の監督要員を残しまして、あと民営にする関係から五百七人を整理する、こういうことになつております。それ以外の点は大体事務的に話が全部ついた部分でございまして格別申し上げるような点もないかと思います。一応基本的な大きな問題と考えられますのは以上のようなことだと思います。なお一番大きい問題であります食糧関係統計調査関係については、関係部長がお見えになつておりますから、詳しいことは御説明いただいたらと思います。
  11. 木村公平

    木村委員長 いわゆる定員法の上程はまだ二、三日後と思われるのでありますが、幸い食糧庁清井総務部長が来ておられますから、清井総務部長から御説明を願います。
  12. 清井正

    清井説明員 私、食糧庁総務部長であります。ただいま文書課長より概要の数字につきまして御説明を申し上げたのでございますが、なお私の方の所管人員の削減の問題につきましていま少し詳しく御説明申し上げたいと思うのであります。  私ども会計特別会計が大部分でございまして、その特別会計によりまして現在の主要食糧売買業務をいたしておるのでございますが、そのほかに若干一般会計に属する人間がおりまして、一般会計に属する人は、諸般の調査であるとか、あるいは主要食糧以外の砂糖とか、食品関係仕事とか、あるいは食糧研究に関する仕事、そういうことをいたしておるのでありまして、大きくわけまして、特別会計人員一般会計人員ということになつておるのでございます。一般会計人員は全部でただいまのところ二百九十一人おるのでございますが、そのうち、平均いたしまして三一・六%の整理率でありまして、結局整理される人員は九十一人、残る人間が二百人ということに相なるのであります。それから特別会計の方の人間は、総体で三万九百六十五人おるのでございますが、これは食糧管理仕事をいたしておりますいわゆる業務人間と、供出されるところの米麦をそれぞれの地元において検査をいたすところの検査員と申す者がおるのでございますが、その食糧管理をいたす者と、検査をいたす者の二つに大きくわかれておるのであります。食糧管理仕事に従事いたします者は七千四百三十一人おりまして、検査に従事いたす人員は二万三千五百三十四人おるのでございます。このうち食糧管理の方に属する者は、今回の米麦統制制度の改変によりまして、ただいまの人員を六〇%減員するということになつておるのでございます。もつとも、この中には一部守衛とか、小使とか、運転手、それから倉庫倉手というよう特殊技能職員がおりますが、これは五%という率をかけておりますので、結局七千四百三十一人のうち、残ります者は三千二百七十五人だけが残り、あと整理されるということになつておるのであります。それから検査員の方は、これは理論的に申しますると、食糧管理仕事とは別問題でありましてたとい米麦統制制度いかようにかわりましても、穀物検査法によりまして、ただいま米麦は全部強制検査なつておるのでありまして、たとい政府が買入れをいたさなくとも、検査というものは現に存在しておる。その他いろいろ理由がございますが、食糧管理制度と、検査制度というのは、理論的には無関係なのであります。しかしながら実際問題といたしまして、末端検査員は、供出をするに当りまして検査をいたしますと同時に、金を支払う支払証書というようなものの仕事をいたしておるというよう関係もありますので、そういつた関係を見合いまして、この二万三千五百三十四人の現在の検査員が五〇%という率に相なつたものだと存ずるのであります。要するに食糧検査員は、一万一千七百六十七人の整理、残りますのが、同時にまた一万一千七百六十七人ということになるのであります。従いましてこれを合計いたしますと、特別会計では三万九百六十五人いる。そのうちその五一・四%が整理されることになりまして、整理人員は一万五千九百二十三人、残るのは一万五千四十二人ということになるのであります。特別会計は今申し上げました数字でありますが、これを一般会計と合計いたしますと、結局のところ、食糧庁全体といたしましては、現在の定員三万一千二百五十六人が、五一・二%の整理率となりまして、整理される人員が一万六千十四人、残るのが一万五千二百四十二人ということになるのであります。以上で数字説明を経ります。
  13. 木村公平

    木村委員長 ただいま食糧庁関係整理の構想を総務部長から伺つたのでありますが、これに対しましては御質疑はありますか。
  14. 松本善壽

    松本(善)委員 ただいま食糧庁総務部長から数字に関する大体の御説明をいただいたのでありますが、その二、三についてただしたいと思います。  もちろん、食糧関係統制撤廃という前提に立つて行政整理というものは考えるべきであるという結論は、私どもも同感でありますが、ややもすると、機構自体がまだできていないのに、ひとまず定員法というようなあり方から人員を割出したようにも考えられない限りでもない。一般関係においては三割の人員整理を企図しておる。それから今言つた特殊的な食糧管理分野における事務、それから食糧に対する検査をやつております分野と、この二つはもちろん、理論的に申し上げるならば、部長も言われたように、分離してこれを考えることがややできるとも思いますが、そのうちにおいて、部長もちよつと漏らしておつたと思うのでありますが、末端におきまする地方の分野を考察していだだきます上において、ただいま五〇%の整理人員というものが数字にあがつているようでありますが、そうした場合に、現在の食糧管理事務あるいは検査員が五割になつた場合において、今後作物の検査をなし、あるいはその他に必要な検査業務を行う上においておそらく支障はない、かような見地に立つて整理案は提出されるだろうと思いますけれども、その現状をもしもお調べになつておるならば—あるいはそういうこまかいことは調べてないといえばさることながら、あえて私ども聞かんとするところではありませんけれども、大体末端ほどかよう仕事分野というものは画然たるものがあり、従つてわれわれはただちにその案を受取れるかどうかということもひとまず聞きたいことでありますので、この際その点をまず質したいと思います。
  15. 清井正

    清井説明員 ただいまの御質問の点でございますが、先ほど申しました点をいま少しく詳しく申し上げてみたいと思うのであります。御承知通り食糧庁定員は、これを二つにわけまして、米麦統制の方式に関連いたしますところの、いわゆる売買業務をいたしております職員と、検査をいたすところの職員、この二つにわけまして、その二つにわけられたものがそれぞれ六〇%、五〇%という率になつておることは、ただいま申し上げました通りであります。ところがこの検査事務でございますが、私ども事務的に考えまして、かりに米麦統制制度がかわりまして、ただいま問題になつておりますことが相当に実現されました場合におきましても、私ども事務的に考えまして、現在従事しておりますところの人はそんなに減らし得ないというふうに私ども確信を持つておるのであります。何ゆえかと申しますと、その点についてちよつと時間を拝借いたしたいと思うのでありますが、第一に私ども考えておりますのは、この春の国会におきまして、農産物検査法というのが国営建前において御決定なつたことは御承知通りでございますが、結局米麦は全部強制検査という建前で現在は進んでおるのであります。従いましてかりに統制制度がかわりまして、米なり、麦なりの政府買上げ数量が非常に少くなつたというようなことを仮定いたしましても、米麦というものは存在いたすのでありますから、しかもそれが強制検査であるという建前でありますから、そういつた意味から申し上げまして、統制制度いかようにかわりましようとも、米麦検査数量にはかわりはない、こういう点があるのであります。従つてその点は統制制度とは無関係である、そういうふうに考えていいかと思うのであります。また米麦についてはただいま申し上げた通りでございますが、その他米麦以外に食糧庁といたしましては、非常に多くの雑穀なり二次製品について検査をいたしておりますし、こうぞ、みつまたその他除虫菊の検査もいたしておりますので、こういう実情なつておることも御承知おきを願いたいと思うのであります。  それが第一点でありますが、第二点といたしまして、検査数量につきましては理論的には変化はないのであります。むしろ今までよりもふえやせぬかという心配があるのであります。と申しますのは、今まで統制をいたしておりまして、相当需要が圧縮されておるのでありますが、これがかりに統制撤廃になるといたしますれば、いろいろ今まで潜在いたしておりました需要が増大して来るのではなかろうかということが考えられるのであります。たとえばアルコールにしろその他加工品にしろ、相当需要がふえまして、農家では雑穀を食べて米麦なりを売り出すということが、今までよりも多くなりはせぬかということが考えられるのであります。そういつたことを考えますと、少くとも今までよりも検査すべき数量が多くなつて来るということが考えられるというふうに思うのであります。しかもただいま申しました通り、今までやらなかつたところの精麦なり製粉なり加工品もふえて参りますし、さらに問題になりますことは、かつてつていなかつたところの三百二十万トンの輸入食糧について検査をいたしております。その仕事が完全に昔よりふえておるという関係もあるのありまして、こういつた関係から申しますと、むしろ検査数量は、たとい生産数量は問題でなくとも、検査仕事はむしろ分量的にふえて参る、こういうことが言えるのではないかと思います。それが第二点でありますが、第三点といたしましては、検査内容であります。これは申し上げるまでもないことでありますが、かつては非常に質よりも量ということが尊ばれまして、ややもすれば検査というものが相当簡単に行われたのでありますが、漸次社会の情勢の推移とともに、柄銘なり等級というものが非常に厳密になつて参りまして、ただいまのところ麦については数種の銘柄をつくつております。米については等級しかつくつていないのでありますが、これが自由ということになりますれば、結局米につきましても産地銘柄品種銘柄、各種の銘柄をつくらなければならぬ。それに等級を加えるということになりますので、従つてそれに基きましたところの検査も、よほど慎重かつ厳重にやつて行かなければならぬ。自由経済になればなるほど、そういうことを慎重にやつて行かなければならぬことになるのであります。そういつた面から申しまして、検査内容というものが、今までより非常に複雑多岐にわたつて来ることがあるということを申し上げなければならぬと思うのであります。その点が第三点であります。  それからかりに統制撤廃によりまして、ただいま申し上げました通り、いわゆる支払い証票を交付する事務とか、あるいは多少の調査事務とかをただいまやつておりますけれども、それが今度統制撤廃になりますれば、支払い証票を交付する事務は、政府買上げ数量が減つて来れば減ると思います。調査におきましては、新しく現在高とか移動高とか消費高調査をしなければなりませんから、これは調査の方法はかわりますけれども、やらなければならぬということになりますので、従つて支払い証票仕事分量が多少減りましても、一方またただいま申し上げた通り調査は相かわらず違つた角度でしなければならないし、またその他今申し上げたよう仕事内容が複雑になつて参るという関係がありますので、若干の仕事の減少があつても、ほかの仕事分量が非常に多いと考えられるということが、言えるのではないかと思うのであります。また仕事の実態から申しましても、ただいま政府で買上げまする場合は、主として農業倉庫検査をいたしなおるのでありますが、これが自由になりましても、そうかといつて急に遠方の所に農家に運ばせるというわけに行きません。農業倉庫なり何なりにおいて検査をしなければなりませんから、そういつた面から見ましても、そう簡単に人を減らすことはできないというふうに考えます。  それから最後に、たとえば人数だけそろえて—出まわり期だけ雇うところの非常動職員というものがあるのでありますが、そういう出まわり期だけでも非常動職員でいいではないか、出まわり期だけといつて忙しいときだけ使えば、人はそんなにいらぬじやないかという意見もあるのでありますが、これは私どもといたしまして、ただいま申し上げた通り検査の責任は非常に公正でなければならぬということと、規格が非常にふえるということからいたしまして、ぜひ責任ある人をして検査をさせなければならぬ、こう幸いうふうに考えております。  以上申し上げましたような諸点に基きまして、私どもといたしましては、かりに米麦統制撤廃がありましても、検査人員をそう大幅に減らすということはできないのではないか、こういうことを私ども事務的には考えておる次第であります。  それからただいまお話がありました点でございますが、現在の食糧庁としては、御承知通り本庁のほかに各県に食糧事務所がございまして、これは各県の県庁所在地にございます。それからその下に支所がございます。これは大体一郡を単位としておりまして、全国で五百十四箇所ございます。その下に出張所というのがございまして、これがただいまのところ三千九百九十八箇所、一約四千箇所近いものがございます。そこに所要の人員が配置されまして、検査仕事なり食糧管理仕事をやつておるわけであります。そこで現在の人員の配分を申しますと、二万三千五百三十四人検査関係職員がおりますが、そのうち末端出張所におります者が一万八千二百四十二人、支所に勤務しております者が三千五百四十一人、それから各県の事務所に勤務しておりますのが千六百十六人、その他は本庁におります。そういう組織になつておりまして、末端出張所におりますのが大部分でありまして、その人間がそれぞれ農業倉庫に出かけたり、それぞれのところに出かけて検査をいたすということになつております。今度の整理数字を見ますと、ちようど五〇%、一万一千七百六十七人の数字整理されることになるのでありまして、残りますのが一万一千七百六十七人ということになりまして、現在の末端の一万八千二百四十二人と比較いたしましても、いかにその数字が少い数字であるかということが御了解願えると思うのであります。かりに市町村の数を一万四百ぐらいといたしましても、現在も一市町村に平均一・七人であります。市町村によつては二人か三人置いておるところもございますし、また全然置いてないところもありますが、とにかく相当人間が出てやつております。それでさえ一万八千人おります。今度の数字で行きますと、一万二千人足らずでありますから、この数字にも足らない、まして支所にも置けないし、本庁にも置けない、末端にしかおけない、その数字もごくわずかな数字だということになりますので、私ども事務当局といたしましては、検査の方の仕事がふえるということが言えるようなときに、半分でやつて行くということについて非常に苦慮しておる状態でありまして、端的に実情を申し上げた次第であります。
  16. 木村公平

    木村委員長 この際安田統計調査部長から、御所管整理の対象となられる事案について、何か御陳述がありますれば、承つておきたいと思います。
  17. 安田善一郎

    安田説明員 ただいま文書課長の方から、あるいは行政管理庁の方から、農林省定員整理案がどうなつておるかということについてお話がありましたが、私の方の人数整理その他の関係について、委員長の御指示に従いまして、簡単に御説明申し上げます。農林省統計調査部は農業改良局に属しておりますが、農林省の設置法に従いまして、相当独立性を持ち、また予算等においても局扱いをされております。また定員におきましては、予算とともに一般会計の中に入つておりますが、御配付いたしてあります中にありますように、改良局の中の一部として計上されております。従つて本庁二万八千八百十二人の現在定員の中におきまして、統計調査の現在定員は、一万四千九百四十二人でございます。今回の整理案によります整理人員本庁八千二百六十四人のうち、統計調査部の整理定員は六千五百二十人でございまして、その整理率は四三・六%でございます。整理後の定員は八千四百二十二人でございます。その内訳を簡単に御説明申し上げますと、統計調査部は、農林省本省といたしましての統計調査部と、その地方機関であります直属の統計調査部、その一部の出張所がございまして、事務は、大まかに大別いたしますと、人事、経理、庶務等の管理事務、その中に国立国会図書館支部図書館が合せてございまして、その図書館事務をも含んでおるのであります。仕事の大きな予算定員分量を占めておりますものは、重要性はともかくとしまして、農作物調査に根幹が目下のところございまして、この農作物調査は、結局においては約百種類の農作物の生産高を調べるものでございますが、年々調べ、また冬作、夏作を通じて一年間調べるものでございますが、その中を私の考えるところによつて分類して申し上げますると、耕地面積の調査、予想収穫高の調査、最終的に実収されまする推定をする推定実収高の調査調査上最少の経費と最少の定員によつて調査を行いまするように、また調査の正確を期しまするように、調査のために調査表の基準尺度をつくりまする一部の試験等を含んでおるのであります。そのほかに農作物調査以外といたしまして、皆様御承知かと思いまするが、広く申しますれば、農林経済調査と申しておりまする農家経済調査とか、米麦その他主要農産物の生産費調査、農村の物価、賃金状況等を調べます物価賃金調査農家のモデル的な経営状態を調べます経営調査を含めて、それらを概括しました農林経済調査というのがございます。また広く日本の農家人口、農家世帯階層別の農業状況がどんなふうであるかということを調べまする農業センサス、農業一齊調査とでも申すべきものがございます。これに類似するものは、水産において水産基本調査、水産センサス、畜産でいえば畜産センサス、林業でいえば林業センサスというようなものがございますし、養蚕業の生産高を調べまず繭の生産量調査、林業関係調査、以上を私ども一口に農林統計と申しておりまするが、この農林統計というものがございます。また水産の漁獲量、漁家経済の状況等を調べておりまする水産統計というものがございます。そのほかにIBMという電気集計の機械を使いまして一つの小さい工場のようなものを経営いたしております。統計の集計の機械的なものでございますが、電気集計場を持つております。整理案内容なつておるものを大別いたしますと、国立国会図書館支部の事務を含めた一般管理事務と、かなり大きな部分を占めまする農作物調査の分、その調査の基準尺度をつくる試験の分、農林経済調査、農林統計の分、水産統計、電気集計の分でございます。本省中央の定員は現在におきまして四百八十名でございまするが、整理率四八%、整理人員百十四人でございます。地方におきましては一万四千四百六十二人、整理率四四・三%整理定員六千四百六人でございまして、中央、地方の合計は、現在定員が先ほど申しましたように一万四千九百四十二人でございまして、整理率は四三・六%、整理定員六千五百二十人、整理後の人員八千四百二十二人でございます。その内訳を申しますと、管理事務におきましては、やや他の部分一般管理事務における整理率と同様に、現在定員四十七名に対しまして、中央は二割の二〇%の整理率でございまして、整理人員は九人であります。地方におきましては、現在員四百四十一名で整理率一八%、整理定員は八十名でございまして、合計、管理事務としましては、現在人員が四百八十八名のところ、整理率約一八%で、整理定員八十九名、整理後の定員は三百九十九名でございます。  農作物調査は、政府部内においてもいろいろ論議がございましたが、食糧庁からお話がありましたことも一部関連しまして、—また農作物調査というものは、供出制度下において作報作報と言われて来ましたが、本来の農作物調査としましては、農林省関係調査のうちの最も基本的な約百種の農作物の生産基本統計でございますので、その統計上の必要等も勘案されまして、食糧庁の率とはおのずから別で、中央が現在定員二百四十七名のところ整理率三〇%、整理定員は七十四人地方におきまして、現在定員が一万八百九十七名のところ、整理率が五三・二%、整理人員が地方におきましては合計五千七百九十五名でございます。農作物の計といたしましては、現在人員が一万二千百四十四名でございますが、整理率は五二・七%で、整理定員は五千八百六十九人、整理後の定員は五千二百七十五名でございます。  先ほど申しましたところの、農作物調査の目的のための試験でございますが、その中には被害試験でありますとか、気象感応試験と申しますものとか、作況試験と申しまするものが三つございまするが、本省におきましては、その定員の現在におきまして二十四名、整理率は五%、整理定員は一名であります。地方におきましては、現在人員六百二十四名、整理率は五%、整理人員三十一名でございます。中央地方の合計としまして、現在定員六百四十八名のところ、整理率五%、整理定員は三十二名、整理後の人員は六百十六名でございます。経済調査、農林統計、水産統計は、整理率としまして同率でございますので一括して申し上げますと、現在定員で中央は百三十二名、整理率は二割、二〇%、整理定員は二十六名でございます。地方におきましては、二千五百名の現在定員がございまして、整理率二割、整理定員五百名でございます。中央地方の合計は、現在定員が二千六百三十二名でございまして、整理率は二割でございます。整理定員は五百二十六名、整理後の人員といたしましては、二千百六名であります。電気集計は中央だけにございまして、三十名の定員がございまするが、整理率は各省共通の一五%でございまして、整理定員としましては四名でございます。整理後の人員は二十六名でございます。以上であります。
  18. 木村公平

    木村委員長 ただいまの安田統計調査部長説明に対し御質疑はありませんか。
  19. 松本善壽

    松本(善)委員 ただいま安田統計調査部長から御説明があつたのでありますが、その数字については大体御方針を伺いました。そこで、先ほどもちよつと触れたことでありまして、総務部長との質疑応答の中に出たことに関連いたすのでございますが、ただいまは安田部長から承りたいと思います。食糧管理事務で大体六〇%が整理対象になつた。これはもちろん、統制撤廃後におけるところの売買行為に対する事務整理内容、それから見ればまことに当然だと思いますが、この整理の案として残された四割はどういう方向の仕事に携わるのであるか。地方あるいはその他から言えば、検査事務、あるいはその他の技術の面についての者を整理の対象にしておるが、この中にも、あるいは食糧管理事務の中にも技術者が相当多いと思うのでありますが、この技術者については特殊扱いをするか。それから、この事務関係の者、あるいは、いわゆる検査の資格を持つている者、かよう分野に立つてはどういう整理の本筋になつておるか。かような点については区別がないというならばさようなことでけつこうでありますが、食糧管理事務に関するところの売買行為をやつている者の六割、かよう整理の本質としては、技術者または一般事務屋というものを差別して整理の対象にしておるのかどうか。この点をまず承りたいと思います。
  20. 清井正

    清井説明員 お答えいたします。ただいまの御質問の点でありますが、食糧管理に現在従事いたしております人数は、先ほど申しました通り七千四百三十一人ということでありますが、そのうち五%の特別扱いをいたしまする率は、これは先ほども説明申し上げた通り、ごく極限されたところの、小使いとか、あるいは運転手倉手というような技術者でございまして、これが五〇%でございます。その他の人間は全部一率六〇%ということになつているのであります。従つて、三千二百七十五人を残してあと整理されるということに相なるのでございますが、この食糧管理に属しております仕事というものは、申し上げるまでもなく、ただいまやつておりまするところの米なり麦なりを農家より買い上げましてこれをまず保管をいたし、あるいは大消費地に米麦を輸送する。あるいは麦につきましては、これを精麦なり製粉なりに加工いたしまして、そうして今度は、米、麦一緒に卸業者に売る。こういう一連の保管、売買というよう仕事が一貫して今あるのであります。従いまして、ただいま米については約二千五百万石程度、あるいは麦につきましては八百万石程度の買上げでございますが、統制方式がかわりましても、やはりある程度政府が買い上げることになろうかと思うのであります。そういつた場合におきましては数量相当減るのじやないかというようなことを考えますれば、相当程度の整理は可能だろうというような見地に立つてこの六〇%がきめられたのではないかというふうに考えておるのであります。しかしながら、一方私ども事務的に申し上げますと、その売買に伴いますところの経理事務が、今日非常に厖大な量に上つておるのであります。出納事務なりその他それに随伴するところの事務が、今まで相当計画的に買上げをいたしておりましたものが、相当無計畫になつて参るということもございます。あるいは今まで等級別に整理いたしておりました帳簿を全部銘柄等級別に整理いたさなければならないということは、これは非常にこまかいことでありますけれども、その準備には非常に手間がかかります。そういつたようなこともありますので、私どもは六〇%整理につきましても、相当苦慮いたしておるのでありますが、何しろ統制撤廃という前提において六〇%ということがきめられたと思うのであります。ただこの従事しております人間は、むろん庶務、会計等の仕事に従事する者は、事務系統の人間でありますし、売買、運送、保管、加工、そういつたよう事務に従事する者は技術関係であります。従いまして、この六〇%という率も全体で六〇%ということでございますので、これに相応いたしまして今後これを実現いたしまするならば、適当に考えて、総体で六〇%になるというように実行せざるを得ないじやないか、こういうふうに考えております。
  21. 松本善壽

    松本(善)委員 ただいま総務部長から御説明いただきましたから、安田部長から—どちらの部長でもけつこうですが、そこで私どもちよつと考えますることは、食糧管理事務で六割が大体事務分野が、あるいは技術分野かもわからない、その方針についてはいまだ明確でないようでありますから、これ以上私どもそれについては追究いたしませんが、たとえば統制撤廃という前提に立つて考えられて、整理案が出ているはずでありまするから、事務の遂行上において支障を来すよう人員整理はむろんやられないということを、私どもは確信しておりますから、その点は安心であります。そういう考え方に立つてもう一応ただしたいことがあるのでありまするが、そうした場合においては、今までなればいわゆる地方自治体におけるところの県庁の統計課においてやつておりた事項もありまするが、今回の統制強化の上において、あるいは人員的にも、県庁の統計課から作報関係に転出された方々も相当おる。ことに相当の人材が作報関係にも流れたというのは、各県の実際の実情であると思うのであります。あるいはまた昔の農業会、いわゆる農業協同組合関係からも、かような技術者でその事務に流れたものも相当あると思うのでありますが、そういたしますと、たとえば農林統計に関するところのもの、この分野については、今後品質の点においても、今までのような統計一本やりの、悪いものもよいものも一緒にするというようなやり方はもちろん払拭されることは当然でありますが、そとにおいて地方自治体におけるところの統計課というものは、しからばどういう見地に立つて地方の統計をなされるであろうか。あるいは中央においてもかような統計で行きたいということは私どもわかりましたが、もしももう少し御説明が願えるならば、—もちろん地方自治体の侵害になるということでさしつかえある、言葉で発言はしない、こうおつしやられればそれまででありまするけれども、この際地方官庁として県庁におけるところの統計事務というものが、しからばどういう構想に立たれるか、あるいはダブりはしないか、あるいはダブればかような点をどうしてほしいということのお考えのもとに整理というものはもちろんしなければならぬのであつて、かような点については一応考慮されているかどうか、この点をただしたいと思います。
  22. 安田善一郎

    安田説明員 私どもの方の今度の整理案につきましては、農作物調査の点から申しますと、農作物調査につきましては、終戦後先進国と対等あるいは対等以下か判断に迷いますが、時代の進歩とともに、各国にわたりまして、一統計の尊重がございまして、各種の行政、政治が国際規格に応じました統計をもとにして、これを尊重して—それを基礎にして行われるの風潮が大きくなりまして、特に農林漁業につきましては、まことに統計がとりにくい調査統計でございます。従いまして古くからいたしておりました統計方法をかなり刷新をいたしまして、簡単な言葉で申し上げますと、標本調査と申しておりますが、まず人間でも、畑でも、農家でも、品種でも、収量でも、ざつとこれを大まかに全部申告か土地台帳かその他のもので調べまして、その中に類似性を持つた階層わけを経費、人に応じてだんだんといたしまして、その中の階層に応じた標本を上手にとりまして、それら少数の標本をしつかり調べて、全体を調べたものと、両方でもつて統計をつくりますと、人数も比較的少く、経費も比較的少く、そして間違いが割合少い統計ができる、こういう方法をとるものでございます。この方法は、アメリカ、カナダ、イギリス、ソビエトから英領、ベルギー領のアフリカに至りますまで、インドを含め約十五箇国、最近では西ドイツでもとつておる方法のようでございます。この方法を私ども採用いたしておるのでありますが、この方法には全国画一の設計と申しますか、規格が必要でございますと同時に、調査にあたりまして、各階層を代表いたしまする標本を的確にとつて、そうしてこれを実測する必要がございまするので、統一した機関を必要とするのでございます。そこで農林省では、国際的に通用する調査を農業統計においてとることといたしまして、各県とは別に独立の統計官を設置して、今後も国内、国際関係を通じまして、これが必要だと考えております。過般の整理案の際にも、その必要性と存続性とを大体内定していただいておる、政府側案としては、そう考えております。  そこでこの正確な統計が本来必要であることは、国内、国外の国際的な関係から申しましても、また広く農林漁業行政全体の基本の統計といたしましても、必要でございますが、たまたまただいまお話もあり、松本委員からもお話がありましたような、日本が特に食糖事情において窮迫をいたしました際には、特にその価値を発揮し、まただんだん食糧が緩和をいたしました場合においても、食糧の国家生産の上において占める割合、あるいは輸入関係といたしまして、輸入食糧が大きな割合を占めること、あるいは農山漁村に住んで生業を営んでおる方々が全人口の四五%を占めておるというような事情からいたしまして、農業統計が非常に重要で、そのような統計機関を持つた統計が、今後の国際的にも必要だと考えておるのであります。これは講和條約の調印にあたりましての日本政府の宣言においても、一九二九年のジユネーヴにおける経済統計に関する国際協定議定書その他のものに、最短期間において日本は加入する意思を有するというふうな、宣言が表明されたことによつても、この協定議定書においてそのような統計がおそらく必要であろうということも規定いたされておりますから、必要だと考えておるのであります。  この調査方法をとる現在のような機構を維持して、そして今回の整理案による調査はどうなるかということになりますと、従来との比較において申し上げますことが、御説明の一つになると思うのでありますが、従来は昭和二十四年の初めにおきましては、一万九千五百人くらいの人を擁しましてそうして市町村別に農業統計が、特に米麦統計は面積、収量を通じてできるようにということで、必要な事業費を加えて事業をいたしておりました。それがだんだん整理をされて、今年度の初期におきましても、六月までに千五百名の定員の減がございまして、それをやつと終つたところでございますが、その約一万九千人以上の人をもつて市町村別の農業統計をやることになつておりました関係は、相当こまかい食糧供出制度が日本の食糧の窮迫な経済状態において行われておつたためであろうと思うのであります。今回におきましては、本来の農業統計を、今後の食糧需給調整のこととか、あるいは土地改良、農業所得の差等、その他生産状況の変化、あるいは単作地帯の対策、農業保険の各種の制度、これらに最小限度に必要なものだけはぜひつくるようにということを意図いたしますと同時に、また行政整理というような大きな政府の政策に従いまして、従来の調査方法、調査機構というものを維持しながら、最大限度にこれを削減をいたされたものと事務局は考えておるのであります。  その結果といたしまして、整理案定員からどんな調査ができ上るかということに問題があるかと思うのでありますが、しさいに検討の上、こういう調査にはこういう定員がいる、またあわせて事業費がいるということが、必ずしも明瞭でなしにきまつておる点もございます。事の性質上そういうことだと思いますので、概略を申し上げることが、今の段階で今後研究をいたさねばならぬと思いますが、先ほど市町村別と私が申し上げたものは、都道府県別とでも申し上げるとちようど合うということであります。すなわち日本全体で米麦がどれくらいできるかというようなことがわかる際に、北海道、新潟、茨城、鹿児島、東京というようなところで、前年と比較がつくように、また国全体として外国との関係でもそのくらいであつたということがわかるような範囲で、都道府県統計ということになると思います。そこでもしこれを県の中で、市町村別とか、あるいは郡別とか、平坦部、山間部、二毛作地帯、一毛作地帯を、昭和二十四年以降本年度に至りますまで計測して来ましたような県内の細別を統計ができるかということにつきましては、この整理案による人員をもつて調査をいたしまする統計の一年分だけではできないかと思うのであります。最近の三箇年とか、ほかの資料とか、あるいは簡単な調査をつけ加えて何かくふうしてみないか、こう言われれば、だんだんと事務当局としてもくふうするつもりであります。この整理案によつて、端的に食糧供給制度そのものに役立つようなものとか、市町村別の単作地帯の振興計画に役立つものとか、市町村別、さらにはこれをこまかくして筆別、農家別の農業共済制度に役立つ米麦その他の農作物統計ができるか、こういう点に至りますと、それはとうていいたしかねるのであります。  もう一つ、この私どもの機関は、国内、国際情勢の関係で、また調査方法の関係で存立されており、今後は、国際的にもアフリカまでやつているようなことでありますし、当然講和後の日本としましても、財政がいかようになろうとも、農業統計として必要な調査方法と調査機構だと思います。これができまする前の県庁の統計といいますのは先ほど申しましたように、大体農家から申告をとりますとか、ひどいものは、部屋の中で、この村の米麦の収量はどうか、山林の状況はどうか、水産の状況はどうかというような、表式調査と申しますが、そういうような方法によりますが、国勢調査で皆さまよく御経験と思いますが、申告をさして、紙に本人に書かせてとつて、単にそれを合計する。実際どうであつたかどうかを顏を合せて調べたり、ものさしを使つてはかつたりするような、そういう統計方法でございません。そういう方法ばかりをやつておりましてまた農業統計としましては、県間のバランス、均衡ということが、非常に今後の食糧需給調整でも—いわんや従来の食糧供出制度では、また単作地帯、土地改良、農業共済制度というような点で、国家財政、国家行政というものにおきましても、いずれもその間— のバランスがとれておる、また国際的に通用する正確度を持つた調査が必要である。こういうような観点からいたしますと、現在ほかの鉱工業等の調査はともかくといたしまして、私どもが基本統計として必要な農林統計におきましては、府県庁の行つておる人員と、府県庁の行つておる調査方法では、十分でないと考えるのであります。そこでこの仕事を各県別々に、方法も訓練も職員のやり方も企画設計も、統一せずして行わせることはできませんが、整理後におきましては、先ほど申し上げましたように、引下つた国が最小限度ギリギリのところで必要な統一国家統計というようなものになるわけでございますので、しからば地方では県内統計なんかをどういうふうにやるか、こういうようなことにつきましては、私どもが指導訓練教育の立場に立ちまして何かいたしますか、地方費をもつてどもに援助してくれて、私ども仕事をするか、いつそのこと人員整理しないで、もつと拡充して私どもでやらしてもらうか、あるいは私どもの統計の範囲外に県別の、愛知県なら愛知県の数字を私ども使つてもらつて、その中を細別調査をしてもらうように、地方自治の精神に従い、地方自治体の機構を使つてつていただくか、それらの方法について研究をいたさねばならぬと考えておる次第でございます。
  23. 木村公平

    木村委員長 御質疑は他にもあると思いますが、近く法律案が提出されますので、その際にさらに十分検討いたすことにいたします。  この際農林当局に申し上げておきますが、今回の行政整理はまことに重大なことでもあり、当局におかせられましては、実にさんたんたる御苦心の結果結論が出ておると思いますが、結論に至る経過につきましては、本委員会は詳細にこれをいまだ関知いたさないのであります。従いまして、私どもは時間の許す範囲内におきまして御苦心のほども伺い、さらにいろいろの御陳述等も伺いまして、本委員会独自の結論を得たいと思う次第でございますので、今後も本委員会が必要と認めた場合には、ときにまた御連絡をおとりいたしますから、その際は再び御足労を願いますれば本委員会の光栄とするところであります。  次会の期日は公報をもつてお知らせいたすこととして、本日はこれにて散会いたします。     午後二時四十三分散会