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1951-11-28 第12回国会 衆議院 電気通信委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十一月二十八日(水曜日)     午後一時十五分開議  出席委員    委員長 關内 正一君    理事 庄司 一郎君 理事 高塩 三郎君    理事 辻  寛一君 理事 松井 政吉君       大西  弘君    岡西 明貞君       中村  清君   橋本登美三郎君       福永 一臣君    椎熊 三郎君       畠山 重勇君    石川金次郎君  出席政府委員         電波監理委員会         委員長     富安 謙次君         電波監理長官  長谷 愼一君         電気通信政務次         官       加藤隆太郎君  委員外出席者         検     事         (検務局刑事課         長)      神谷 尚男君         大蔵事務官         (管財局国有財         産第二課長)  牧野 誠一君         電気通信事務次         官       靱   勉君         專  門  員 吉田 弘苗君         專  門  員 中村 寅市君     ――――――――――――― 十一月二十一日  千葉電話局電話交換方式改善等に関する請願   (多田勇紹介)(第一五〇七号) の審査を本委員会に付託された。 同月二十二日  ラジオ共同聽取受信料軽減に関する陳情書  (第九四三号)  仙台酒田間長距離ケーブル工事促進に関する  陳情書(第九四四  号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  テレビジヨン放送等に関する件  海底ケーブル線拂下げ事件   請願  一 七北田郵便局電話交換事務開始請願(    庄司一郎紹介)(第八〇号)  二 鹿兒島市電話施設改善に関する請願外一    件(上林山榮吉君紹介)(第二一〇号)  三 仙台山形間市外電話ケーブル架設請願    (志田義信紹介)(第二四六号)  四 山口菱野地区等電話普通区域編入の請    願(早稻田柳右エ門紹介)(第二四七    号)  五 宝塚地区電話交換方式改善等に関する請    願(塩田賀四郎紹介)(第三七七号)  六 大見局電話交換事務開始等請願(福田    繁芳紹介)(第三七八号)  七 西脇、大阪間直通電話回線増設等に関する    請願川西清紹介)(第三七九号)  八 尼崎市の電話網拡充等請願吉田吉太郎    君紹介)(第四七四号)  九 ラジオ共同聽取料値下げに関する請願(椎    熊三郎君外一名紹介)(第四七五号) 一〇 六瀬村に電話架設請願塩田賀四郎君紹    介)(第四七六号) 一一 豊岡電報電話局新築並びに電話交換方式    改善請願有田喜一紹介)(第五八四    号) 一二 鳥取県下の電気通信施設整備拡充に関する    請願稻田直道紹介)(第六一三号) 一三 神岡、富山間直通電話回線新設等請願(    岡村利右衞門紹介)(第六六二号) 一四 室蘭電話局新築促進に関する請願篠田弘    作君紹介)(第七六二号) 一五 七ケ宿村に公衆電話増設等請願庄司一    郎君紹介)(第八一三号) 一六 吹田市を大阪通話区域編入請願(淺香    忠雄君外一名紹介)(第九六九号) 一七 門司市の電話交換方式改善に関する請願(    平井義一紹介)(第九七〇号) 一八 電気通信事業定員確保に関する請願(庄    司一郎紹介)(第一〇八六号) 一九 同(成田知巳紹介)(第一〇八七号) 二〇 小倉村を明盛局通話区域編入請願(植    原悦二郎紹介)(第一〇八八号) 二一 内川目村立石及び近郷を大迫局通話区域に    編入等請願山本猛夫君紹介)(第一〇    八九号) 二二 中野村に電話局新設請願山本利壽君紹    介)(第一二三三号) 二三 電気通信事業定員確保に関する請願(松    井政吉紹介)(第一二三四号) 二四 日田、小国間電話回線増設に関する請願(    松野頼三君紹介)(第一三一一号) 二五 久慈町にラジオ中継所設置請願山本猛    夫君紹介)(第一四〇一号) 二六 津賀局集中局とする市外電話回線増設    に関する請願若林義孝紹介)(第一四    一八号) 二七 電話私設交換制度改善に関する請願庄司    一郎紹介)(第一四五六号) 二八 千葉電話局電話交換方式改善等に関する    請願多田勇紹介)(第一五〇七号)   陳情書  一 盲人に対するラジオ聽取料免除に関する陳    情書(第    五六号)  二 小浜電報電話局舎新築に関する陳情書    (第七〇号)  三 高知市の電話交換方式改善陳情書    (第一六〇号)  四 川崎市の電話施設拡充に関する陳情書    (第一八    二号)  五 鹿兒島市電話施設改善に関する陳情書    (第二六六号)  六 電信電話施設整備拡充に関する陳情書    (第三三五号)  七 宝塚地区電話設備改善に関する陳情書    (第六一〇    号)  八 ラジオ共同聽取受信料軽減に関する陳情書    (第九四三号)  九 仙台酒田間長距離ケーブル工事促進に関    する陳情書(    第九四四号)     ―――――――――――――
  2. 關内正一

    關内委員長 これより電気通信委員会を開会いたします。前会に引続き電波管理に関する件について質疑を続けます。椎熊三郎君。
  3. 椎熊三郎

    椎熊委員 前回の委員会までに放送局経理内容について、特に進駐軍関係放送料金の問題についてお尋ねいたしました。本日私の要求に基きまして、これの資料を配付されました。ただいま配付を受けただけで、内容の点検はまだいたしておりませんがおそらく電波監理委員会においては旧来とも、詳細にこの内容を御検討になつてつたことと私は信じたい。そこで私は本日この内容についてかれこれ申し上げることは差控えます。いずれ詳細に研究してみたいと思つております。ただこういう明確な資料があるにもかかわらず、当初予算審議にあたつては、これに対する何らの説明を承らなかつたという点は、われわれ委員といたしましてもその点に気づかなかつたという不明は万々責任を負いますが、同時にこういうことも将来は、当初予算審議のときにおいては、親切なる御説明つてしかるべきものと私は信じます。これは将来に向つてお願いをしておく点であるのであります。従つて本日の委員会においては、この問題に対する論議はひとまず留保しておきまして、これ以上に進みません。  第二の点は、テレビジヨン放送に関する問題でございます。私一たびこの委員会で発言いたしまして以来、世上の注目が非常に大きくなつて参りました。私どもの手元にもいろいろ材料等を提供してくださる向きもありますし、私直接にも研究しておる点等もあります。われわれは前国会におきまして、テレビジヨン放送実施促進に関する院議の決定を見ております。満場一致をもつて衆議院はこれを可決しております。すなわち講和後の日本における文化向上のために、一日も早くテレビジヨン放送実施すべしとの見解は、衆議院においては満場一致した意見であります。国家最高機関たる衆議院意思決定が明確になつておるのであります。従つて旧来とも鋭意この研究に努めておられました電波監理委員会の方におきましても、十分の御研究、御努力を賜わつておることとは存じますけれども、いまだに標準方式決定も見ない、あるいは電波法によるところの聽聞会ですか、そういうものもいまだに開かれておらぬ。前々回の委員会においては、いろいろなデータを多少見せていただいたのみでございます。これはひとり衆議院の問題のみではございません。ことにこれらの問題に関する専門家の多い参議院の委員会等においても、非常にやかましい論議の的となつておるのであります。現にテレビジヨン放送実施を申請しておるものは、四件ほどあるということも伺つております。しかしながら日本テレビジヨンに使うことのできる電波の数は、電波監理委員会説明によると五つよりないので、今日の技術では、全国的な放送は一箇所しか許可することが不能ではなかろうかということも内々承りました。そうするとこれはそれぞれ自信を持つて計画を立てて、これの実施の許可を申請しておる向きにとつては、非常な重大問題になりましよう。旧来実験放送を許されておるNHKのみではなく、民間においてもそれぞれの計画の上に立つて願書を出しておるのでありまして、それを荏苒許可することなくして、放任されておくような形に見えるという状況は、この問題をさらに一層紛糾、混乱せしむるもとになるのではなかろうか。一日も早く電波監理委員会の権威ある標準方式決定をしていただきまして、そうしてただ一つより許可することのできないこの願書に対しましては、至公至平態度をもつて、ほんとうに委員会の権威ある学術的研究の上に立つたる御決定をお願いしたい、それが私どもの念願するところでございます。当国会はもう会期が切迫しておりまして、本日をもつて会期はございません。従つてこの問題について、なお追究して私は食い下つておるという余裕を、今国会においては持ち得ないのです。ですからこの問題はあげて来るべき通常国会に、私はさらに政府当局の御意見等をも拜聽したい。その際において、われわれの意見も開陳してみたいと考えておるのであります。要はテレビジヨン放送実施を促進せしめるという決議案趣旨にのつとつて国家最高機関たる国会意思を尊重せられて、その趣旨に沿うたる処理を一刻も早くしていただきたい。それが私の念願なのでありまして、みだりに世上を騒がして、あるいはNHKに傷をつけ、あるいはその他の出願者に対する何らかのあら探しでもするような行動とは、私の精神は違うのです。要は一刻も早くこの日本国家の上に、テレビジヨン放送実施してもらいたいという熱願にほかならないのでありまするから、この点委員会においても、国会意思を尊重するという建前を持つていただきまして、一委員たる私の発言のあるいは実際に触れざりし点等は、それは枝葉末節のであり、中心テレビジヨン放送を一刻も早く実現したいというのにほかならないということを、よく御心底に置かれまして、そうして特に科学技術の上に立つている問題ですから、われわれしろうとにはなかなか了解に苦しむ点が多く、これらについても明快に私どもが納得行くように、今日以後一段の御努力を賜わりたいのであります。現に許されておるNHK実験放送の問題につきましても、世上幾多の論難が展開せられております。その点について、電波監理委員会の方々と私の見解等には、やや食い違つた点があるようですが、それは専門家にあらざるしろうとの私の見解と、専門家たるあなた方の権威ある御見解とのゆえに、おのずから食い違いが生ずるかもしれない。しかしながらわれわれ専門家でない委員といたしましては、蒙を開いていただいて、われわれが納得するような説明を賜わるならば、私どもは満足するのであります。実験放送限界、現にやつておるNHK行動等についても、私が発言しなくても、諸君におかれましては十分御検討があつたことと思いますが、この上ともこれらの問題については、十分な御検討をお願いしたいのであります。そうして世上疑惑を一掃し、至公至平態度をもつて、一日も早く日本テレビジヨン放送が実現するように御努力を願いたい。  本日いろいろな材料もございまして、お尋ねしたい点がたくさんあるのですけれども、きようは特に国会としては多忙な日でもありますし、これを展開しておつたのでは、とうてい本日一日の委員会をもつては盡されません。あげて来る、べき通常国会において、諸君とともに検討して行きたい、こういう考えでございまするから、その意味で十分の御用意置きを願いたい。そして間もなく開かれる通常国会におきましては、われわれが納得できるような諸君説明のもとに、われわれも喜んでこの事業完成のために、国家のために協力して行く、そういう態度をとりたいのであります。ただ先般のしろうとの直感的な感覚からの質問に対しましては、その後速記録の一部も見ましたが、あなた方の説明もあのままでは済まされないのではなかろうか。私の聞き方もまた的はずれの点があつたのではないかと反省するところもございますから、今はその論争を避けます。そういう意味ですから、誤解のないように、清純な気持で、国家最高機関たる国会意思が那辺にあるやということを、心にとどめていただきたいのであります。  なおわれわれから見れば、今日まで荏苒日をむなしゆうしておつたような委員会態度は、世上疑惑を一層深めます。そういうことはあなた方も迷惑でしよう。私どもとしてもとらざるところでございます。一刻も早く科学的見地に立つたる権威ある態度をもつて標準方式を徹底せられて、現に許可申請している四社に対して、内部の事情を十分御検討の上、やつてもらいたい。私どもは実はテレビジヨン放送は、おそらく来年度くらいからは実際にできるものだと確信を持つてつたために、前国会でもああいう決議案を出している。それが何年たつて実施を見ることができないようなことは、文化国家日本のためにはなはだ遺憾であります。これらは必ずしも電波監理委員会の全責任というのではないけれども、本日もまたこの委員会終了後におきまして、民間会社側のいろいろな陳情説明のようなものもあるということを承つておりますから、これらについても十分な検討を私どもはしてもらいたいと思つております。そういう意味ですから、私どもはむしろ電波監理委員会に協力するつもりで、こういうことを発言しているのだということに御留意を願つて、われわれの納得するような説明を次の国会に期待いたしまして、本日はこの程度でとどめておきます。
  4. 富安謙次

    富安政府委員 ただいまのお言葉に対しまして、一言申し述べます。私ちよつと遅刻して参りまして、初めの方を聞き漏しまして、はなはだ恐縮でございますが、私の承りましたところによりましては、まつたくその御趣旨ごもつともと存ずるのであります。十分にお言葉趣旨を体しまして、私どもといたしましては御期待に沿うように、できるだけのことをいたして、最善を盡したいと思います。     —————————————
  5. 關内正一

    關内委員長 次に請願審査に入ります。  まず日程第二八、千葉電話局電話交換方式改善等に関する請願多田勇紹介文書表番号第一五〇七号を議題といたします。  紹介議員がお見えになりませんので、紹介議員にかわつてその説明を求めます。高塩三郎君。
  6. 高塩三郎

    高塩委員 請願者千葉市長宮内三朗、本請願の要旨は、千葉市は人口十五万を擁し、千葉県の政治文化中心地であるのみならず、最近とみに諸工業の発達を見るに至り、戰前地方消費都市から、ようやく近代生産都市へと変貌しつつあることは、識者のつとに認識するところである。しかるに千葉電話局はその創設が古く、いまだに共電式のままであり、その設備はすでに飽和状態に達しているので、現在加入者二千三百三十四戸に対し、新規加入希望者が一千名を越える状態を示しつつあるにもかかわらず、これに応ずることができない実情にあつて市政発展上の一大障害となつている。ついては同電話局施設拡充をはかるとともに、自動式に改式せられたいというのであります。
  7. 關内正一

    關内委員長 本件に対する政府意見を求めます。
  8. 加藤隆太郎

    加藤(隆)政府委員 御請願千葉電話局自動改式につきましては、現在同局の加入者は二千三百名でありますが、終局容量は三千五百名程度でありますので、加入者台増設によつて、なお約千二百名程度加入者増設が可能となります。当省といたしましては、本年度加入者台一台とマルチブルジヤツク増設工事を行い、加入者約七百名程度を收容し、さらに二十七年度においても加入者台一台とマルチブルジヤツク増設し、加入者約五百名程度を收容するよう計画を進めております。以上の計画実施したあかつきにおきましては、現局舎での加入者増設は不可能となりますので、自動式に改式しなければならないと考えておりますが、毎年拡張予算が少いために、緊急に自動改式をしなければならない局の一部しか実施できない状況にありますので、二十七年度の実施は困難でありますが、二十八年度以降の計画においてできるだけ御要望に沿うよう努力いたします。     —————————————
  9. 關内正一

    關内委員長 次に日程第一ないし第二八の各請願一括議題とし、採決いたします。  日程第一ないし第三、日程第五、日程第七ないし第一四、日程第一七、日程第二〇、日程第二一、日程第二四ないし第二六及び第二八の各請願は、いずれもその趣旨妥当と認められますので、採択の上、内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 關内正一

    關内委員長 御異議ないものと認め、さよう決します。  なおただいま採択いたしました各請願報告書につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 關内正一

    關内委員長 御異議ないものと認め、さよう決します。     —————————————
  12. 關内正一

    關内委員長 次に本日公報に掲載いたしました陳情書審査に入ります。専門員をして、趣旨説明をいたさせます。
  13. 中村寅市

    中村專門員 日程第一、盲人に対するラジオ聽取料免除に関する陳情文書表番号第五六号、陳情者岐阜市梅ケ枝町岐阜盲人会下呂大会代表者小坂井桂次郎盲人にとつてラジオ唯一無二文化といこいの泉として日常感謝して利用しているが、この聽取料に関しては、貧困盲人及び盲人でない貧困者聽取料免除という規定になつているが、これは不合理と思われるから、すべての盲人ラジオ聽取料を免除されるように改正されたい。  日程第二、小浜電報電話局舎新築に関する陳情文書表番号第七〇号、陳情者福井小浜市長田中信蔵外八十四名、小浜市は本年三月小浜市制を施行し、若狭地方政治、文教の中心地として、すでに人口三万五千を越え地方都市として大きく存在価値を有するに至つた。しかるに小浜電報電話局現状は、設備容量の点ではすでに狭隘で、加入電話増設も不可能で、同市発展を阻害することはなはだしいから、同小浜電報電話局舎新築されたい。  日程第三、高知市の電話交換方式改善陳情文書表番号第一六〇号、陳情者高知県議会議長岡村三省高知市内電話交換サービスは、ほぼ戰前に復帰したが、現有施設、人員では可能な限界点に達しており、新規加入希望者の積滞は増加一途をたどつている。交換室ならびに機械は満十八年を経過し、その壽命はあと二年を残すのみである。近く電通局舎新築を機会に、電話交換方式自動式改善し、サービス上の諸欠陷を一挙に解決されたい。  日程代川崎市の電話施設拡充に関する陳情文書表番号第一八二号、陳情者川崎川崎商工会議所会頭根本茂川崎市は人口においてわが国第九位、工業生産額において第五位を占めている重要工業都市であるが、これに反して、電話設備は他の諸都市に比してはなはだしく劣つている。すなわち加入電話の率は他都市に比べてはるかに下位で、しかも市内は五局に分割され、同一市内にありながら相互に市外通話制度がしかれている。同市電話設備に全面的に早急な改良拡張が加えられなかつたならば、日ならずして行き詰りを生ずるから、同市内外電話施設拡充に特別の配慮をされたい。  日程第五、鹿児島市の電話施設改善に関する陳情文書表番号第二六六号、陳情者鹿児島市長勝目清、終戦以来鹿児島においては、電話の復旧、新設希望者は累増したが、同市電話局架設限度から見ると、加入者余力数はわずかに八十件残されているにすぎない。これは局内および回線路設備が伴わないためで、引続きこの共電式交換方式をとるものとすれば、收容限度関係から昭和二十九年度半ばには行き詰まつてしまうことになるので、早急に現在の共電式交換方式自動交換方式に改式されたい。  日程第六、電信電話施設整備拡充に関する陳情文書表番号第三三五号、陳情者東京都港区芝西久保巴町三十五番地全国町村議会議長会長齋藤邦雄電信電話施設整備拡充が、近来大都市偏重の傾向があり、終戰後すでに五年有余を経過せる今日、地方の該施設は旧態依然たるものでまことに遺憾である。地方政治産業文化のバロメーターとしての同施設改善ならびに普及をはかられたい。  日程第七、宝塚地区電話設備改善に関する陳情文書表番号第六一〇号、陳情者兵庫宝塚町長北俊三外二十名、現在宝塚地区一般電話交換業務に使用されている電話局舎は、老朽かつ狭隘な旧三等郵便局舎内に施設されており、ことに電話機は最旧式の磁石式交換機であるため、能率低く、加入者の利用上はなはだ不便を感じている。しかも過去十年間において三〇%の人口増加率が示すごとく、産業文化各面発展する同町の電話架設申込み増加一途をたどつているにもかかわらず、受理されるものはほんの少数である。よつて川辺宝塚町の宝塚電話局舎電話局交換業務を移転し、交換方式自動式交換に改め、加入者要望に沿うよう処置されたい。  日程第八、ラジオ共同聽取受信料軽減に関する陳情文書表番号第九四三号、陳情者北海道虻田喜茂別字喜茂別二百四十番地喜茂別有線放送協会会長荻野嬉外二名、ラジオ共同聴取施設放送受信料値下げについては、北海道ラジオ共同聽取連絡協議会中心として、全道をあげて運動中であり、加入者一同の切望にたえないところである。同会においては、目下電通局その他の指導協力により、漏話障害排除のため、着々準備を整えているが、今後業務の運用、施設整備に、その万全を期したいから、すみやかに放送受信料軽減の具現をはかられたい。  日程第九、仙台酒田間長距離ケーブル工事促進に関する陳情文書表番号第九四四号、陳情者酒田市長本間重三外二名、仙台酒田間長距離ケーブル工事は、電通省において明二十七年度全区間着工計画し、その中継所酒田市内に建築中であるが、予算削減により、明二十七年度は單に仙台山形間のみを実施し、明後二十八年度以降において山形酒田間が着工される見込みである。同地方電気通信施設現状ははなはだ不良で、同一県内の山形市への通話すら半日を要すほどで、また全国において長距離ケーブル施設を有しないのは山形県のみというありさまであるから、同工事実施をぜひ促進せられたい。
  14. 關内正一

    關内委員長 以上の各陳情書趣旨は、いずれも請願と同様、電信電話施設拡充改善及びラジオ受信料減免等に関するものでありますので、委員会といたしましては、これらの各陳情書趣旨は了承することといたしまして、委員会審査の上に、実質的に反映させて参ることにいたします。     —————————————
  15. 關内正一

    關内委員長 次にこの際青森湾内海底線拂下げ事件に関しまして、本委員会を構成する各委員所属各党の一致した意見を代表して、関係政府当局に対し一言申し上げます。  本件に関しましては、さきに庄司委員より質問の提起があり、関係官庁たる電気通信省、大蔵省並びに法務府当局より、書面及び口頭によつて報告がなされ、これに対して庄司松井石川委員より詳細な質疑が行われたのでありますが、この質疑応答を通じて当委員会の受けました印象といたしましては、事件国有財産に不当の損害を加え、公衆電気通信の安全を害したという、きわめて重大性を有するにかかわらず、関係官庁のこれに対する処置には、遺憾の点が少くなかつたように認められるのであります。  すなわちまず拂下げ契約に関して、大蔵当局において旧軍用財産の存否の確認、関係官庁への連絡、拂下げに際する措置等につき事務上の粗漏があり、電通当局においても財産の保全に関し遺憾の点があつたように認められるのであります。検察当局においても、本件処理に関し多少事務澁滞があるように考えられるのでありまして、関係各官庁いずれも職務執行上懈怠の責めを免れないように認められるのであります。本委員会電気通信事業の所管委員会といたしまして、本件に重大なる関心を寄せるものでありまして、この事件の発生したことを深く遺憾とするとともに、今後は関係各官庁一層連絡を緊密にし、この種事故の絶滅を期せられんことを切に要望するものであります。
  16. 牧野誠一

    ○牧野説明員 ただいま委員長からお話のありました点、われわれの方といたしまして、事務上の手続について確かに粗漏の点があつたことを、われわれ自身深く遺憾といたしております。今後国有財産のいろいろな処理について、かかる事故の起きませんように、関係各庁と連絡を緊密にするとともに、われわれとしても十分注意いたしたい。下部機構に対してもその趣旨を十分徹底させて、事故の絶滅を期したいというふうに思つております。
  17. 靱勉

    ○靱説明員 ただいま電気通信委員会といたしまして、海底線の問題につきまして御警告があつたのでありますが、私ども電気通信施設を主管いたしましてこれを運用する点におきましては、これらの財産の保有につきまして、細心の注意をいたさなければならぬ次第であります。ことに現用線の損害というものに対しましては、單にその設備の損害だけでありませんで、これを通じて国民の利用されている通信を阻害したということになるわけでありますから、いかなる場合におきましても事故の発見を迅速にいたしますとともに、その措置を適切にいたさなければならぬ次第であります。実は本件が起りまして、関係庁とも共同の形で通牒も出しまして、こういう事故の再発をすでに阻止いたしている次第であります。本件はなお国有財産としての損害の点も残つておりますので、この措置につきまして今後急速に善処いたしたい。こういう考えでおりますとともに、今後委員会のただいまの御意見に対しまして、十分これを体しまして、注意いたして参りたいと思います。
  18. 神谷尚男

    ○神谷説明員 おもに地方検察庁におきまして、本事件の処理が多少事務澁滞にわたつたという点を御指摘になつたわけであります。確かに事件を受理いたしましてから六箇月にも捜査が及びまして、その点は事務澁滞のそしりを免れないという点は、われわれとしても反省しなければならぬと考えております。今後かかる事件につきましては一層処理の迅速を期するように、検察庁に徹底させたいと考えております。
  19. 椎熊三郎

    椎熊委員 ただいまの関係官庁の発言に基きまして、私は非常に重大なる問題であることを痛切に感じますから、あえて一言したい。新憲法下、国会の組織はこういう改まつた形になりましてその後五箇年を経過いたしますが、常設委員会におきまして、関係官庁にかくのごとき嚴重なる警告を発したということは、類例を聞きません。事ほどさように、この問題の内容は重大であつたと私は痛感するのであります。委員長におかれましては、嚴粛なる態度をもつて関係官庁に警告を発せられまして、同時にまた関係せられたる各官庁においては、率直にこの警告を認容せられて、決意のほどをこの委員会を通じて宣明せられました。これもまた新憲法になつてから、かくのごとき事態は初めてであります。私は委員会の空気が、このような緊張の度合いによつて、かくのごとく官庁と国会との間に論議をしなければならぬというような事態を、再び日本国家のために見たくはない。従つてどうぞ本日の率直なる決意のほどは、ただちにあなた方の職責の上に十分反映せられますように、私は国家のために念願する。同時に先般国会におきましては、綱紀官紀紊乱に関する粛正の決議案が、満場一致をもつて決定しております。これらの趣旨をも十分わきまえられて、ほんとうに平和後における日本の大発展のために、諸君の置かれたる職責の重大さを痛感せられて、われわれもまたこれに協力いたします。どうか再びこのような不幸なできごとのないように、ただいまの関係官庁諸君の率直なる発言には、私はむしろ敬意を表する次第であります。国会としては珍しいことですから、私は特にこの一言をつけ加えておきたいのであります。
  20. 關内正一

    關内委員長 それでは本日はこれをもつて散会いたします。     午後一時四十九分散会