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1951-10-26 第12回国会 衆議院 電気通信委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十月二十六日(金曜日)     午前十一時五十分開議  出席委員    委員長 關内 正一君    理事 庄司 一郎君 理事 高塩 三郎君    理事 辻  寛一君 理事 長谷川四郎君    理事 松井 政吉君       岡西 明貞君    高橋 權六君       中村  清君    中村 幸八君       中村 純一君   橋本登美三郎君       福永 一臣君    淵上房太郎君       山口 好一君    畠山 重勇君       石川金次郎君    田島 ひで君  出席国務大臣         電気通信大臣  佐藤 榮作君  出席政府委員         電気通信事務官         (経理局長)  肥爪 亀三君  委員外出席者         電気通信事務次         官       靱   勉君         電気通信事務官         (業務局長)  田辺  正君         電気通信事務官         (施設局長)  吉田 五郎君         専  門  員 吉田 弘苗君         専  門  員 中村 寅市君     ————————————— 十月二十六日  委員犬養健君、井上信貴君、小峯柳多君、樋貝  詮三君及び森下孝君辞任につき、その補欠とし  て高橋權六君中村純一君、淵上房太郎君、中  村幸八君及び山口好一君が議長の指名で委員に  選任された。     ————————————— 十月二十五日  仙台、山形間市外電話ケーブル架設請願(志  田義信紹介)(第二四六号)  山口菱野地区等電話普通区域に編入の請願(  早稻田柳右エ門紹介)(第二四七号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  電信電話料金法の一部を改正する法律案(内閣  提出第六号)  電気通信事業に関する件     —————————————
  2. 關内正一

    關内委員長 これより電気通信委員会を開会いたします。  昨日の委員会におきまして、電信電話料金法の一部を改正する法律案に対する質疑は終了しておりますので、本日はただちにこれに対する討論に入ります。討論通告があります。これを許します。橋本登美三郎君。
  3. 橋本登美三郎

    橋本(登)委員 ただいま議題となつております電信電話料金法の一部を改正する法律案に対し、自由党を代表して賛成するものであります。  本法案について、二十三日以来連日質疑を続けて参りましたが、本法案は、いくつかの重要なる意義を持つているものと信ずるのであります。その第一は、従業員ベース・アツプ並びに資材の高騰によつて予算不足を補うための財源として、料金改訂が行われておるのであります。  第二は、今回の料金改訂機会として、料金体系に対して合理化が行われたことであります。すなわち従来、市内電話料金市外電話料金とは、不当に市外電話料金が高率であつたのでありますが、今回の改訂によつて市内電話値上率を五一%強とし、市外電話値上率を一六・六%として平均をとつたことであります。しかしこの改正によつてもなお多少市外電話料金が高率であると信ずるのでありまするが、これが是正を将来において考慮されるとともに、特別至急通話料制度は、最近の機会において廃止されるよう善処されたいのであります。この制度は、商人の弱点につけ入つて、その驚くべき高額になることを知りつつも、一刻を争う商売人的感覚から使用させられる結果になつておりまして、ある意味においては誘惑される性質のものであり、結局において産業活動を阻害し、物価高へしわ寄せをする必然性を持つているものであります。市外電話料収入二百八十億円のうち、四〇%の百十二億円を占めるという厖大な数字になつていることは、これを証明してあまりあるものであります。できればわれわれといたしましては、本年度一ぱいをもつてこの制度が廃止せられるように善処せられんことを、当局に希望するものであります。  第三は、本料金改訂は、将来当局において実施すべく、目下構想中の電信電話事業公共企業体へ移行した場合、その基本的財源として考慮されている点であります。その具体的な現われといたしましては、補正予算支出面で見られるごとくに、従来電信電話保守改善費は、八〇%をもつて不満足な現状でがまんしなければならなかつたのでありますが、今回の補正予算において一〇〇%の保守改善費を計上することになつております。かつまた減価償却費を、再評価資金の五分八厘を計上して、平年度において約百四億円という巨額な償却費を当てることができたということであります。この金額は、本年度建設費百数十億円に匹敵ずる厖大減価償却費でありまして、この厖大償却費は、今日ただいまの現状におきましては、戦争中から一文の償却費も計上されておらなかつたのでありまするから、今日において、これが歴年的に老朽あるいは低下しておる電信電話施設に対して、急速に改修をしなければならぬという実情からして、やむを得ないものがありますけれども、少くとも平年度予算として、これだけを恒久財源の中から稔出するということは、必ずしも妥当でないのではないか。少くともその一部を特別減価償却費として区別し、一般減価償却費は平均されたものを計上して、特別減価償却の終了したあかつきは、この分だけでも、ただちに料金引上げ財源に充てる、こういうような明確な心構えがあつてしかるべきものと思うのであります。しかし当局においてはその点については十分なるお心組みもあると考えられまするので、この点についても、特に速記録に残して了解をする次第であります。  なお、二、三の点につきまして見解を述べたいのでありますが、電信収入による収支バランスがとれていないために、電話収入よりこれをカバーておる。こういう現状に対して、一部には電信事業と切離して考慮して、独立採算によるところの電信値上げによるか、またはこれを一般会計から繰入れることを考慮してはどうか、こういう意見があるようでありますけれども、電信電話事業は一体としての事業体であり、かつ電信電話事業の厳格なる意味での一般性及び公共性から考えまして、政府資金の投資あるいはまた免税等の保護が講ぜられておるのでありますから、この具体化された企業体としての事業経営に対しては、何らの矛盾がないものとわれわれは信ずるものであります。将来において公共企業体なつた場合におきましても、施設共通性という点から考えまして、これが一体化の運営が当然のものであると信ずるのであります。  第二点は、人件費の増額が四十二億円という金額に達しており、かつまた物価騰貴保守改善費などが合せて五十三億円を計上されておるのであります。資材値上りによつてこういうような補正予算が組まれるのでありまするが、今回の値上げは、ある意味においては画期的な値上げでありまして、結局は国民の、使用者の血の出るような金がこれに使われるわけであります。従つてその使途については、厳重なる監督をするとともに、監察の機構についても特別の考慮を払つてもらいたいと考えるのであります。終戦後の人心の不安定も原因いたしまして、当省関係におきましても三、四の不正事件のあつたことは、まことに遺憾にたえないものがあります。料金改訂につきましても、これらの悪影響があつたものとわれわれは考えるのであります。  以上、大綱にわたつて論議の点を明らかにいたしましたが、参考人の公述にもありまするごとく、独占企業であるために、利用者にとつては選択の自由がない。従つて実質的には使用を強制せられておる結果になつておるのでありますからして、当局は常に反省して、サービスを強力に推進するとともに、商業主義の長所を常に取入れ、利用者は大切なお客さんであることを忘れないでいただきたいのであります。今回の画期的な料金改訂が成功するのも失敗するのも、この経営方針のいかんにあると思うものであります。特に従業員待遇改善については、単に名目上の賃金向上だけではなくて、庄司委員等から発言があつたごとくに、住宅、衛生、保養施設についても格段の措置を講じて、明朗にして親切なる電通従業員として、利用者より歓迎される日の一日も早からんことを切望するものであります。  最後に、再び繰返すのではありませんが、特に前段に申し上げた意見については、十二分に当局において検討を加えられ、特に善処方を要望いたしまして、本法律案に対し、自由党を代表し、賛成の意を表するものであります。
  4. 關内正一

  5. 石川金次郎

    石川委員 社会党本案反対することに決定いたしました。私はこれに従いまして、本案反対意見を申し上げます。  まず第一に、現在の電信電話収支の状況をお伺いいたしますと、その企業健全化のためには料金改訂の必要のあることは、これを認めるものであります。しかしその引上げの率は真にやむを得ざる限度にとどめなければならぬことは、事業性質上当然であります。内に、大臣の言われる、いわゆる企業努力は、自他ともに認められる完全に近い程度にまでこれをなされ、その上に料金改訂はなされなければならないのであります。政府は、本案はやむを得ざる限度料金改訂案であると言つてはおられますが、われわれはこの政府意見に承服し得ないものであります。内に企業努力の余地はなお多く残されておることを発見しておるのであります。これは参考人意見に聞きましても明らかであります。また本案には均衡、公平のとれておらないという一つの欠点を持つております。その一例は、民主党長谷川委員によつて強く指摘せられました特急料金制度にこれを見るのであります。私たちは、この改正案が妥当の限度にあらざること、しかして料金公平均衡をとられておらないという点において、反対理由一つとするのであります。  次には料金値上げはかりに必要であるといたしましても、改正の時期が妥当でないのであります。政府事業政府独占事業は、料金改訂にあたつては、一国の経済に及ぼす影響が重大であることを考察して、できるだけ国民生活の不安を避け、そのために時期を選ぶことに配慮しなければならぬのであります。インフレ抑制——物価値上り、これを極力避けなければなりません。政府、また一国経済政策の目的ここにありと信じます。しかるに今本案のような高率な料金改訂いたしますことは、別に案として提出せられておりまする鉄道運賃値上げと相まつて一般物価値上り原因をなし、インフレの危険を招来しないとは限りません。われわれはこれを恐れまするがゆえに、適当の時期を見はかろうて、必要限度改正をなすべきであると考えるのであります、しからば必要の時期とはどこか、適当な時期はどこにあるかと申しますならば、電通事業企業形態が転換いたしまするとき、そのときに経済客観的情勢とにらみ合せ、堅実な企業計画を樹立し、しかしてそのときにやむを得ざる料金改訂方法に出ることが妥当であると信ずるのであります。今日ただちにこれを実施いたしまするにおいては、大臣がせつかく言われましたいわゆる減税も、中小企業者等にとりましては、通信費のために、交通費のために減税にまさる負担となるのであります。しかして政府一般国民生活に大きな暗影、不安を与えるのであります。しからば当面必要であるところの経費、これをどうするかというのでありますが、別にこれが融通の方法は講じ得ると確信しておるのであります。この点につきましては、補正予算に対して、社会党は態度を明らかにするであろうことを信じております。  第三に、輿論本件高率値上げ反対しております。もちろん値上げいたしますことについて、需要者が常に反対することは通例でありますが、本件改正にあたつては、反対理由の中に、政治の信託を受けておるものが、その声を聞かなければならぬところの幾多のものを持つておるのであります。昨日参考人意見を吟味してみますと、まず第一に大臣のおつしやる企業努力はなされておるかどうか、これをなされて後にという声が大きかつたのであります。適正の料金であるかどうか、いわゆる原価計算は適正になされておるかどうかに対する不安を持つてつたのであります。またこれを消費者側意見を聞いてみまするのに、その各人の生活の不安を招来すること、これは物価値上り原因をなす、そこに不安を持つておるのであります。必要なる経費不足、これは別に道を講じ得るものでありまして、政府の力をもつていたしましては、これを講じ得ないことはないのであります。われわれはこの場合輿論に聴従いたすものであり、聴従いたしますことは、これは電気通信事業の破綻を来すものではなくて、かえつて聴従してこそ、聴従してしかして政策を立てることこそが、電気事業の声価、信用をかち得るものであることを確信しております。大臣初め政府委員諸君の皆さんの熱心にして懇切な説明答弁に対しましては、敬意を表します。われわれは、ただ単に反対の快味を味うために反対しているものではありません。大臣初め政府委員各位説明を聞きまして、その意見に合致せしめようとわれわれも努力をいたしました。しかしながら私たちはそれに合致せしめるよりも、さらに反対することにおいて、より輿論を代表することであり、より社会価値を高めるものであることを信じて、これに反対するものであります。しかしてこの意見は私は国民を代表するものであると信ずるのであります。  以上簡単ながら反対意見を開陳したしました。
  6. 關内正一

  7. 長谷川四郎

    長谷川委員 大臣のまことに御親切なる答弁、また説明資料等を見ますと、非常に納得するのでございますけれども、民主党といたしまして、これに反対せざるを得ない理由を申し上げます。  ただいま石川委員から申し上げたのに重複いたします点はこれを省略をいたします。ただ一点、政府が昨年来日本経済実情を無視いたしまして、自由放任経済を実施いたしまして、従つてこれによつて物価騰貴を招来し、その責任を大衆課税に求めるというようなことに対して、私たち民主党はこれに反対するものでございます。  以上申し上げまして反対理由といたします。
  8. 關内正一

  9. 田島ひで

    田島(ひ)委員 わが国の電話事業が現在ますます不均衡になつていますことは、すでにわが党がたびたび指摘したところでございます。その原因は、根本的には、言うまでもなく、吉田政府国連協力の名による戦争への政策のためであります。占領軍用回線増設は、昨年六月の朝鮮戦争始まつてから、日本国民大衆の必要な回線の極度の犠牲においてなされて来ております。このことは明らかであります。特に最近のいろいろ物価値上り国民生活窮乏化、これらに対する国民大衆不平不満を弾圧するための警察用には、これまた優先的に通信事業使用されております。大体現在の日本国家財政支出の面から見まするならば、公共事業としての電話事業に十分な費用を支出するくらいは、決して困難ではございません。すべてが少数戦争屋のために、国民経済犠牲にする財政方針から根本は出ておるのであります。大体電話にいたしましても、施設が老朽化して、かからない電話一般国民が新設を申し込んでも、金融業とか大商店とかいう方面には優先的に向けられまするが、一般大衆にはほとんど通じない。その上サービスの低下は、従業員不足労働強化が大きな原因と相なつております。電通省みずからその白書で認めておるところでございます。政府朝鮮戦争に協力して以来の物価値上りによる物件費の増加のために、この値上げが必要だ、こう言つております。さらにそのためには給與ベース改訂による人件費のためにも必要だということになつておりますが、諸物価の急騰は、政府の考えるような千五百円くらいのベース・アツプでは、今度のこの料金値上げ、さらに続いて郵便料金あるいは鉄道運賃その他の一切の物価値上りと相まつて、かえつて従業員生活は一層苦しくなるばかりでございます。さらにこの値上げは、一方では従業員の首切り、一層の労働強化が予定されております。政府国連協力や再軍備という、電通事業にとつて不可欠な要素を抜きにして、ただ電気料金一般物価より安いから、真の独立採算制にそぐわないからというので、経営合理化の一策としてこの値上げをしておるのであります。だからわれわれは日本精神文化の神経であり、平和な日本再建には不可欠な電通事業独立採算制には、初めから強く反対して来たゆえんであります。このことはたびたびわれわれが繰り返しますように、少数戦争屋利益を代表して、まつたく国民大衆利益とは対立する吉田政府にとつては解決し得ないことでありましよう。わが党は、第一に料金値上げには絶対反対、第二に日本人の通信事業戦争のために使うようなこと、こうした態勢にもまた絶対反対、第三には平和産業住宅電話をうんと安く増設して、サービス向上をはかることが何よりも必要である、そのためには従業員をもつとふやして、従業員にごまかしたようなベース・アツプではなく、十分安定して食べられるような賃金を與えること、これが根本であります。その根本的な問題を解決するためには、現在の戦争への協力態勢をやめる以外にはありません。このような姑息な料金値上げによつて一般大衆犠牲を転嫁することによつては解決はいたさないのであります。だから、このような値上げに対しては、日本共産党を代表いたしまして、私は絶対に反対をいたすものでございます。
  10. 關内正一

    關内委員長 これにて討論通告者全部の討論は終りました。よつて本案に対する討論は終局いたしました。  引続き電信電話料金法の一部を改正する法律案の採決を行います。本案を原案通り可決するに賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  11. 關内正一

    關内委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決すべきものと決しました。  なおこの際、本案に対する委員会報告書の件についてお諮りいたします。これは先例によりまして、委員長に御一任を願いたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 關内正一

    關内委員長 御異議なしと認めます。よつてさように決しました。     —————————————
  13. 庄司一郎

    庄司委員 この際時間もございませんから、ほんの二、三分の時間を割愛いただきまして、電気通信事業に関する件についてお聞きとりを願いたいことがございます。右お許しを願いたいと思います。
  14. 關内正一

    關内委員長 ただいま庄司一郎君より電気事業に関する件について発言したいとの申出がありますが、これを許すに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 關内正一

    關内委員長 御異議なしと認め、これを許すことに決しました。庄司一郎君。
  16. 庄司一郎

    庄司委員 ごく簡単に電通大臣並びにその他の政府委員の方のうち、直接私の質問に該当する担当の方よりきわめて簡単にお答えを願つておきたいことがございます。それは先般本員は東北六県の電通関係事業の視察のために歩いて参りました。その際青森市において新聞記者団に取囲まれまして、かような重大問題があるが、電通委員として十分調査研究を行い、その対策をとつてほしいというような意味の言葉を前提として、かような事実の話がございました。それは本年の四月十六日ごろ、青森函館間の海底電線施設ケーブル関係のものが、青森地方に本社を置く東北産業会社という会社によつて海底ケーブルが相当大量に窃取された。その被害高が約三千万円程度であると伝えられておる。かような三千万円程度以上復旧費を要した大なる損害をこうむつた問題であるが、その後電通当局はこの被害を受けた問題に関してどういう措置をとつておるのであるか。あるいは青森地方検察庁等においても、相当捜査の手を延ばしておるようであるが、その後の経過が一向わからぬ。とにもかくにも被害総額が約三千万円の復旧費を要した大問題であり、むろん電通大臣等の許可、認可あるいはオーケーにもならないものを、東北産業株式会社なるものが故意、悪意の上に出発したものであるか、あるいは誤つて切取したものであるかわかりませんが、国家に対して非常な損害を与えておる。また予備線ではあるけれども、電気通信事業損害を与えたことがおびただしいのである。かような問題について電通委員たるものはよく調査をして善処されたいものである旨の、新聞記者団よりのお話があつたのであります。その後本員もでき得るだけ調査の歩を進めておるのでございますが、本件に関して一応経過並びに現在の状態の御報告をちようだいしておきたい。これは一人本員のみならず、本委員会としても聞き捨てならない大きな問題であると思いますので、過般の公務出張の折にかような事新しいことを耳にいたしましたことを、委員各位に御報告申し上げると同時に、政府の所見を承つておきたいと思うのであります。
  17. 靱勉

    靱説明員 お答えを申し上げます。青森函館間ではありませんで、青森湾を横断する海底電信電話共用線であります。本年の一月中旬ころこれが障害になりましたので、ただちに所管管理所から、海底線の問題は本省で直接取扱つておりますので報告があつたわけであります。御承知のように、海底線の修理は特殊の船をもつていたさなければできない。当時千代田丸がただちにそこへ行くことができなかつたものでございますから、三月下旬ごろようやくそこに到着できた。そこで調べましたところ、障害ではなくて、相当部分切断されてとられておるということが発見されましたので、ただちに水上警察あるいは海上保安庁等連絡いたしまして、この捜索に努めたわけでございますが、たまたまそのケーブルは御指摘会社引上げまして、同地の財務部の承認を得まして、他に売却するような形になつていて、青森駅に引上げたものが積まれてあつたので、ただちにそれを押えまして、海底線といたしましてはすでに売却された部分を除きまして、引上げたものもとりもどしたので、新たに接続いたして、現在はもちろん完全な状態になつておる次第であります。この問題の処理といたしまして、実は青森湾にかなり旧軍部の海底線がございまして、これの整理をやつておつた。そこで善意に解釈いたしますれば、これも誤つて電気通信省の線を引上げたということになるわけでありますが、これにつきましては、もちろん両者の間に言い分がございます。そこで電気通信省としては、ただいま盗難という形で検察庁連絡をとつておる次第でありますが、ただいま庄司委員の御指摘の三千万円といいますのは、結局船を回航し、不足した分を新たに再取得するというようなすべての経費を含めて考えますと、三千万円ということでございまして、この会社がすでに売却したもりは七万円程度のものと承知いたしております。電気通信省としても実質的にその間通信ができなかつた、あるいは海底線青森まで回航するというようないろいろな経費がかかつておりますので、これの損害賠償を請求しなければならぬという建前にあるわけであります。と同時に、御承知のように、陸上におきましてもかなりの金へん景気と申しますか、電気通信線路盗難というものが非常に多いのでございまして、警察当局とも連絡をとりまして、これの防止は相当私ども真剣にやつておる次第でありますが、どうも一片の盗難として取扱われるおそれがあるのであります。御承知のように古い電信法によりまして、通信を妨害するということは、その事実を知つてやられた場合には、在来非常に大きな問題として取扱われておるのであります。これらの点も検察当局においてよく調査されまして、その結果そういうような原因、動機というものにつきまして、徹底的な調査をお願いしておるような次第で、今なお、現在のところにおいては、検察当局の最終的な決定を待つておる、こういう状態であります。  なお詳細の点の御質問がありましたならば直接訴訟関係取扱つております審議室長から御答弁申し上げることといたします。
  18. 庄司一郎

    庄司委員 大体の要点はただいま承りました。なお電気通信省として直接間接にえらい損害を受けた問題でありますので、一層その後の対策に万遺憾なきを期してもらいたいと同時に、適当な機会にもつと詳細にお話を承りたいと思います。
  19. 田島ひで

    田島(ひ)委員 関連して……。ただいま緊急提案の問題が出ておりますが、これは非常に重大な問題だと思います。政府側の御説明では納得できない点が相当ございます。というのは、最近方々の新聞に電通関係不正事件が相当出ております。これとの関係があるかないかは別でございまするが、これは単なる盗難事件ではなかろう、しかもそういう問題との関係もないとはいえない。だからそういう点についても政府にいろいろお聞きしたい点もございまするし、もつと調査すべき点も相当あると思いますから、この問題はあわせて次の委員会なり何なりに、もう少し徹底的にお伺いいたしたいということと、それから何らかの方法でこれを調査して、徹底的にその原因を明らかにするような方法をおとりになることを希望いたします。
  20. 關内正一

    關内委員長 本日はこの程度にとどめまして次会は公報をもつてお知らせすることにし、本日はこれにて散会いたします。     午後零時二十三分散会      ————◇—————