○
泉説明員 先ほど私が申し上げましたのは、
三宅委員のおつしやるように、青色申告につきましては所得がきつちり出たら一割ぐらいまけてやれという
意味においての特典を設けるということを申し上げたのではないのでございます。この点はあらかじめお含みおき願いたいと思うのでございます。
なお
お話のように、青色申告は法人につきましては、約七〇%が青色申告にな
つております。個人につきましては、二十五年におきましては
事業所得者の七%
程度が青色申告でありますが、本年におきましては減税等の
関係もあろうかと思いますが、若干減る見込みでございます。これはいろいろの原因があろうかと思いますが、
一つにはやはり個人の
企業は法人と違いまして、従来あまり帳簿をつけておらないのが実情であります。法人となりますと、やはり株主もおることでございますし、相当の従業員をかかえておることでありますから、帳簿組織が一応できておりますので、青色申告をするのがそう困難でない。
従つて相当数の者が青色申告を提出することにな
つておるのでございますが、個人の場合でございますと、従来どうも帳簿の記帳ができておりませんために、一挙に青色申告の制度をしきましても、なかなか帳簿をつける習慣が育たない。そのためにまだまだ普及しておらないという
事情もあろうかと思います。しかしこの点につきましても、
中小企業庁などの方の御努力もお願いいたしまして、帳簿をつけることの普及をはかるという
意味におきまして、いろいろ御努力を願い、またわれわれとしましても、できるだけ帳簿をつけていただくようにお願いしておるのでございます。そういつた面と、もう
一つは、やはり現在
要求しております、青色申告を提出する前提となります帳簿の記載が、
業種、業態を一応通じまして、全部一律にこういうことを記載するようにと
規定しておりますために、とかくあの規則を見ましただけで、非常に煩雑なように感ぜられまして、青色申告をするための帳簿の記帳をやらないというお方がおありになろうかと思います。これはしかし実際記帳いたしますと、そのようにむずかしいものではないのでございまして、いろいろ
お話申し上げると、それだけのことを記帳すればいいのかというような
お話すらあるような次第でございます。しかしなお
業種、業態によりましては、あの
要求しておる帳簿組織では、まだ記帳に非常に困難を感ずるというような御
意見もございますので、こういつた点は、われわれといたしましても、十分御参考にいたしまして、できれば
もつとあの帳簿様式を簡易な、つけやすいものにするように、もう一度再
検討いたしたい、かように考えておるのでございます。
それからもう
一つの原因は、先ほど来
お話がありましたように、青色申告をしてみると、どうも所得が正直に現われて、青色申告をしない人よりも、たくさんの税を納めなければならぬというような
事情がある。この点につきましては、先ほど来
お話があるわけでございますが、やはり所得が出ればその所得に対して課税するのが正当なやり方であろうかと思うのでありまして、青色申告をしない人の所得が、実際の所得をつかんでいないというような
状況の方が、かえ
つて青色申告を提出することを妨げるというような
状況にあると考えますので、青色申告をしない人の所得を正確に把握するという方向に努力を向けて行き、さらに課税標準の
軽減以外に
各種の特典を与えて行くというふうに考えて行くべきものと存じます。