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1951-11-30 第12回国会 衆議院 通商産業委員会大蔵委員会連合審査会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十一月三十日(金曜日)     午前十一時八分開議  出席委員   通商産業委員会    委員長 小金 義照君    理事 高木吉之助君 理事 中村 幸八君       今泉 貞雄君    小川 平二君       澁谷雄太郎君    永井 要造君       中村 純一君    福田  一君       南  好雄君    山手 滿男君       風早八十二君   大蔵委員会    理事 小山 長規君 理事 佐久間 徹君       大上  司君    島村 一郎君       三宅 則義君    深澤 義守君  出席政府委員         大蔵事務官         (主税局長)  平田敬一郎君         通商産業政務次         官       首藤 新八君  委員外出席者         通商産業事務官         (通商企業局         長)      石原 武夫君         通商産業委員会         専門員     谷崎  明君         大蔵委員会専門         員       椎木 文也君         大蔵委員会専門         員       黒田 久太君     ————————————— 本日の会議に付した事件  企業合理化促進法案(小金義照君外三十四名提  出、衆法第七号)     —————————————
  2. 小金義照

    小金委員長 ただいまより通商産業委員会大蔵委員会連合審査会を開会いたします。  本日は大蔵委員長協議の結果、法案主管委員会委員長である私が、本連合審査会委員長職務を行うことに相なりましたので、さよう御了承願つておきます。  ただいまより企業合理化促進法案を議題といたします。まず提案者より提案理由説明を求めます。中村純一君。     —————————————
  3. 中村純一

    中村(純)委員 提案者を代表いたしまして提案理由の御説明を申し上げます。  講和条約の成立によりましてわが国は近く完全に独立することとなるわけでありますが、これに伴いまして、わが国の経済もまた完全に自立しなければならないのであります。従いましてわが国産業を振興し、輸出を増大させることは刻下の急務でありまするが、そのためには、企業の急速なる合理化を促進することによりまして、優良な商品の廉価なる生産をはかり、わが国産業国際的競争に打勝つようにすることが最も必要であると存ずるのであります。わが国企業は、戦時中及び戦後の空白期間を通じましてその技術機械設備原材料動力等諸点において著しく国際的水準に立遅れを来しておりますので、この際、これらの諸点につきまして、それぞれ合理化促進に必要な事項について立法化することといたしまして本法律案を提出いたします次第であります。本法律案は、右の趣旨にかんがみまして大要次のような措置内容といたしております。  第一に、技術向上を促進するため、一定試験研究を行う者に対しまして、一、補助金を交付し、二、政府所有施設を貸与し、三、試験研究用機械設備等特別短期償却——これは三年間の均等償却であります——を認める。四、右の機械設備等固定資産税減免をはかること。  第二に、機械設備等近代化を促進するため、一、一定近代的機械設備等特別短期償却——これは初年度五〇%の償却であります——を、認め、二、右の機械設備等固定資産税減免をはかること。  第三に、道路、港湾等企業合理化に資する施設の整備をはかること。  第四に、原材料または動力の節約を目的として原単位の改善をはかること。  第五に、中小企業の経営を改善するため、必要な診断、勧告等を行うこと。  本法案趣旨及び内容はおおむね以上の通りでありますので、何とぞ慎重に御審議の上、なるべくすみやかに御協賛くださるよう御願いいたします。
  4. 小金義照

    小金委員長 以上をもつて提案理由説明は終りました。続いて質疑に入ります。小山長規君。     〔委員長退席高木委員長代理着席
  5. 小山長規

    小山委員 まず提案者にお伺いいたしますが、本日は大蔵委員会通商産業委員会合同審議ということでこの席に臨んだわけでありますけれども、この法律案内容を見ますと、ほとんど税関係法律案のようになつています。これは、今後の取扱いもありますので、この法律案通商産業委員会において主管することになつたいきさつ、及び今後の取扱いについて提案者側の御説明を一応求めておきたいのであります。
  6. 中村純一

    中村(純)委員 ただいまお尋ねの点でございますが、本法案内容をなしておりまする点において、税関係事柄が相当部分を占めておりますことはただいま御説の通りでございます。しかしながら、本法案建前といたしましては、企業合理化促進一つ方法と申しますか、手段といたしましてこの税金関係措置考えられたわけであります。従いまして本法案においてかような規定を設けた次第でございます。しかしながら、もとより本法律案関係をいたします範囲はきわめて多角的でございまして、ひとり通産省とかあるいは大蔵省とかいうばかりの所管事項にとどまりませず、そのほかあるいは建設省、あるいは運輸省、あるいは農林省といつたような方面の所管事項にも関連をいたしますことが多いのでございます。従いまして、本法律運用に当りましては、それぞれの事項に応じまして、それぞれの所管大臣がこれに関連をいたしまして運用の万全を期する建前に相なつておるのでございます。その点御了承を願いたいと思います。
  7. 小山長規

    小山委員 将来の取扱いはいかがですか。こういうことが先例になるかどうかということです。
  8. 中村純一

    中村(純)委員 ただいま申し上げ費したような経緯から出発いたしましてさような立案の形式になつておりますのと、またただいま申し上げましたような建前において運用せられるのでございます。将来の問題につきましては、これが拘束を与えるとか、あるいは先例になるとかというようなことは何ら考えておらない次第でございます。
  9. 小山長規

    小山委員 将来においてこのような取扱い先例とならないという点を了承いたします。  それからもう一つ関連して伺いたいことは、本法律案の第六条を見ますと、主管大臣企業合理化に対します業種を指定いたしますと、自動的にそれに対して租税減免が働いて来るという法律案であります。企業合理化についてある程度の、あるいは相当程度の補助政策なり、あるいは促進政策なりを国としてとることについては異存はないのでありますが、どうしてこれは補助金政策でやらずに税制政策としておやりになることをお考えなつたのか、その点をひとつ参考のために伺つておきたいのであります。
  10. 中村純一

    中村(純)委員 直接の補助金を出す行き方も、この産業合理化と申しますか、助成方法としてむろん考えられる方法でありまするけれども、私ども立案者考え方といたしましては、直接の補助金政策をとりますことは、国の財政支出の面から考えましても、また産業に対する助成方法といたしましても、今日の状況から考えまして必ずしも適当な方法でないと考えましたゆえに、ただいまお手元に差上げておりまするごとく、税制措置において間接的に合理化を促進して行こう。なるべく産業自体の努力、創意、くふうを求めまして、国としてのこれの援助の方法は間接的な方法で、しかもこの税制措置は、むろん申し上げるまでもなく、当面一時的に税収の減少を来す面も考えられまするけれども、長い期間をとつて考えまする場合には少しも減収にならないと思うのであります。さような操作によりまして合理化を促進することが最も適当であると考えましてかような方法とつたわけであります。  さらにまた第六条の関係でございますが、お尋ねのありましたことく、第六条の所定の方法によりまして、つまり政令をもつて業種が指定せられました場合には、自動的に租税特別措置法適用を受けることになる関係になつておるわけであります。この産業はいかなる産業であるかということは前の答弁の際にちよつと触れておきましたことく、ひとり通産省ばかりでなく、あるいは建設省、あるいは農林省運輸省といつたようなそれぞれの産業官庁関連する問題でもあります。またもとより当然これは租税特別措置法規定関連をいたしまするので、大蔵大臣も当然その関係大臣であります。それぞれ関係責任者がよく連絡の上でそれらの措置が講ぜられるものと考えておるわけであります。
  11. 小山長規

    小山委員 補助金政策で行くのか、間接的に税の減免で行くのかという、考え方としては二通り考え方があるであろうと思うのでありますが、実際問題として、どういう業種に対してこの合理化法適用して行くかという考え方、これは主としてどこが考えるのか、それからそれを今度は税の面において、財政収入がどのくらい確保され、どのくらい失われるかということについて、どのような手続をとつてこれが実現されて来るのか、その辺のところはどういうふうにお考えになつているのでありますか。
  12. 中村純一

    中村(純)委員 いかなる業種が選定せられるかという問題は、やはりこれはそれぞれの産業官庁において、一応案を考えなければならないことと思うのでありますが、先ほども申し上げましたごとく、当然にこれは税法上の特別措置を伴う結果になるわけでありまするので、これらの産業業種を決定いたしまするにつきましては、もとより税法所管大臣であります大蔵大臣がこの決定に当然参加する立場になると考えるのでございます。従いまして、これらの産業官庁大蔵省との間に、協議ととのいましたる内容をもつて政令が公布せられる、こういうことに相なるものと考えるのでございます。なおこれらの事務的な取運び等の点につきまして、御必要がございますれば、政府側から答弁をさせる方が適当かと思います。
  13. 小山長規

    小山委員 いかなる業種企業合理化促進法案対象に適当したものであるかどうか、それについては提案者の側において腹案がありましようか、伺つておきたいのであります。
  14. 中村純一

    中村(純)委員 そのいかなる業種考えるかという基本観念の問題につきましては、提案者側といたしましては、いわゆるわが国の今後の産業の発達上、その基礎となります。いわばキー・インダストリイズとも申すような産業について考えて行くべきものと考えておるわけであります。その具体的な事柄につきましては、先ほど申し上げましたごとく、それぞれの産業官庁大蔵省との間において、協議決定せられる次第であると考えるのでございます。     〔高木委員長代理退席委員長着席
  15. 小山長規

    小山委員 この企業合理化に対しまして、私まだ法案内容をよく読んでおりませんので、あるいは法律案に書いてあるのかもしれませんが、減免をする期間というものは、無期限にお考えになつているのでありますが、一定期間限つておるのでありますか。
  16. 石原武夫

    石原説明員 お答えをいたします。この法律には、法律期限としては別に限つてございません。従つて法律上何年間というような明文はございませんが、事の性質上、臨時的なものと考えております。従つて将来企業合理化促進のためにかような措置をいつまで継続する必要があるかという判断によりまして、そのときに廃止するなり、適当な方法に変更するなり——恒久立法という趣旨ではございません。
  17. 小山長規

    小山委員 期限を切らないということは、法律の文面から行きますと、無期限ということに相なるのでありますが、どうして期限をお切りにならなかつたのか、その点をひとつお伺いしたいと思います。
  18. 石原武夫

    石原説明員 法案をお読みいただきますと、第六条に「機械設備等を緊急に近代化する必要のある重要産業」ということになつておりまして従つて緊急に近代化する必要の事態の継続している間は、この法律適用いたしたいという趣旨でございます。また永久にというふうにしても相ならぬと考えるわけであります。なお租税特別措置関係以外の条文もございまして、現在この法案に出ております各条につきまして、廃止するのを画一にやるのは適当かどうかということも、また将来の状況の推移によりまして違うと思いますので、その辺、将来の見通しを、たとえば三年とか五年とかはつきり書きますことは、今から必ずしも十分予測できませんので、そういう意味におきまして一応期限をつけなかつたわけでございます。
  19. 小山長規

    小山委員 これは将来の問題でありますので、はたしてそうなるものかどうかわかりませんが、この企業合理化の職種が、そのときの情勢によつて非常にふえて行く、ふえて行つた結果、租税減免範囲がふえて行き、従つて税収が減るというような事態が来ました場合に、これをやめるかやめないか、財政収入の面からこの法案はやめたらどうかというような議論が出て来るような情勢が、かりに——これは将来のこととして、あり得るであろうと思うのでありますが、その意味から言うと、一応の期限を付すべきではなかつたかと思うのでありますけれども、その点は、提案者側においては議論はなかつたのでありましようか、参考のために伺つておきたい。
  20. 中村純一

    中村(純)委員 お尋ねの点はむろん相当議論いたしたのでありますが、ただいま通産省側から答弁をいたしましたような次第で、ただいまお手元に差上げておりますような案をつくつたのでございます。なお将来の点につきましては、先ほど来申し上げておりますごとく、この法律所管は決して通産大臣一人ではないのであります。関係大臣がそれぞれの面において共同所管という建前に相なつております。従いまして将来の情勢に応じて、この法律の存廃あるいは改廃というような問題が起ります場合には、それぞれの関係大臣がおのおのの立場からその点において意見を持ち出し、また発言し得ることと考えておるのでございます。
  21. 小山長規

    小山委員 この法律案が実際施行される面になつて参りました場合には、これは大蔵大臣考え方というものが相当——相当でなくて大部分を支配して来るのではないかと思うのであります。そこで、幸いにして主税当局が見えておりますので伺つてみたいのでありますが、産業大臣の側からは、この範囲を広げてくれという希望が多いであろうことは、これは当然に想像される。それに対して主税当局としては、税収の面から相当な考慮を払われるのであろうと思うのでありますけれども、目下のところ、どの程度業種なり、あるいはどの程度機械なりというものを考えているのか、主税当局側には何か腹案がありますか、伺つてみたいと思います。
  22. 平田敬一郎

    平田政府委員 先ほどの御質問を伺つておりますと、なかんずく合理化法の第六条の関係で、制令をもつて定める事業、これにつきましていろいろ御懸念のようでございますが、大蔵省の見解といたしましては、この条文はもともと税法に関する条文でございます。すなわち租税特別措置法によつて特別償却を行うことができるという規定でございまして、これは合理化法の中には、趣旨からいたしましてございまするが、この条文自体は税の減免に関する一つ条文である。従いまして本条主管は、実施につきましては、当然大蔵大臣職務だと考えておるのでございます。従いまして、この政令を定めます場合におきましては、大蔵省責任においてきめるわけでございまするが、しかしながら、これは産業近代化という産業政策にも影響しまする重大な事項でございますので、ひとり大蔵省等できめないで、政令をもつてきめる。そうしまして先ほど提案者から御説明になりましたように、この際といたしましては、各省がよく協議しまして協議ととのつたところで政令を定めまして、それによつてきめて行くということに私ども解釈いたしておる次第でございます。従いまして、この条文合理化法の中にありましても別にさしつかえない。合理化促進法全体といたしましていろいろな措置を講じまして、それによつて合理化促進をはかりたいという趣旨でございますので、本条本法の中に入りますことに実は賛成いたしたような次第でございます。ただその具体的な措置になりますと、企業合理化法の中で書きますのは、条文の体裁といたしましては、いかにも不適当でございまするので、いかような軽減を行うか、あるいは償却についていかような特例を設けるかは、附則で租税特別措置法を改正いたしまして、これによつて具体的に特別償却範囲をきめることにいたしておるのでございます。それと同時に、特別措置法におきまして、機械設備等政令で指定することになつておりますが、これももちろん大蔵大臣責任においてやるのでございまするが、先ほど申し上げました法律全体の趣旨からいたしまして当然関係各省とよく協議しまして、機械設備等も指定して行くことに相なるかと存ずるのでございます。趣旨におきましては、先ほど提案者から御説明になりましたこととまつたく同じでございますが、法律的にやや厳密に申し上げますと、私どもは今申し上げましたような趣旨に解釈いたしておりますことを御了承願いたいと存じます。  それから、なお具体的にそれではどういうものを今考えているかということでございますが、これにつきましては、目下各省集まりまして連日熱心に協議しておるような次第でございまして、この際緊急に近代化を必要とする事業であつて、しかもその事業産業の全体に相当重要な影響がある、あるいは国民生活向上輸出増進等に著しき重要な影響がある、そういうものを拾い上げまして、相当重点的にこの政策を実行するのが、今の段階においては妥当ではないか。と申しますのは、促進化意味においてもそのようなことが望ましいし、また先ほどからしきりに御指摘になつておりまする税収との関係考えになければならぬのであります。両者考えまして、実際問題として最も効果を発揮するような方向業種の選定を考えたい。それでまだ実は最終的に結論を得ておりませんので、具体的には申し上げにくいのでございまするが、今申し上げました趣旨各省間よく協議し、また本法提案趣旨も私ども十分考えまして、妥当な結論を出すようにいたしたいと考えておる次第でございます。
  23. 小山長規

    小山委員 主税当局のお話聞きますと、まだ具体的にどういうものということも、さらに従つてその内容についてもまだわかつていない、検討中である、こういうことなのでありますが、それはしかしどうも法律案審議に入つて来るときには、少しおかしな話であろうと思います。すでに法律案として出されておる以上は、その目的もきまつていなければならないし、適用範囲もおおよそはきまつていなければならないはずである。そうすると主税当局は、自分の責任において、これは租税特別措置法の改正だと言われるのに対して来年度これが実施されたあかつき、一部のものは今年の一月または四月にさかのぼつて実施されることになつておるのであるが、一体税収が幾ら入るのか、最初予定された数字よりも幾ら減るのかということも見当もつかずに、これに対して賛成をとなえておられるのでありますか、伺つておきます。
  24. 平田敬一郎

    平田政府委員 目下大体検討対象といたしておりまする事項は、あるいは通産省からもお話があつたかとも存じますが、これはもちろん対象に上せまして、およその見当はつけておるわけであります。ただ相当問題がございますので、最終的にこういうものを入れたいということをまだきめていないということを申し上げた次第であります。現在有力な候補者としましては、鉄鋼関係石炭鉱業工作機械その他機械工業の中の特に重要と認められるもの、そういうものにつきましては、まず第一義的に認むべきではないかというので目下検討いたしておるのでございますが、なおさらにその範囲をどの程度まで及ぼすかということにつきましては、十分審議いたしまして検定するようにいたしたい。歳入率いたしましては、まだ来年度の予算計画が最終的に立つておりませんので、確定的には申し上げがたいのでありまするが、御承知通りおおむね今回指定しまする産業とその機械設備は、すでに措置法でやつておりまするあの五割増し償却に該当するものでございます。今回は二分の一を最初の年度に償却できるということでございますので、この五割増し償却よりもさらに相当大幅な償却ができるわけであります。歳入に及ぼす影響は、現在考えております五割増し償却を越えて償却できる部分が、実は合理化法によりまする特別償却によりまして、より以上歳入に及ぼす部分になるわけでございまして、その金額はその範囲いかんにもよりますが、今のところ大体十億ないし十五億円程度来年度に影響するくらいのところで、よく協議しまして審議してみたらどうかということでございます。しかしこれもまだ来年度の予算税収見積りは最終的にきめておりませんので、よく法案趣旨等考えまして、各省相談いたしました上で、最終的に決定いたしたい、このような意味で申し上げた次第でございまして、大体の点につきましては、今申し上げましたような方向で進めて行きたいと考えております。
  25. 小山長規

    小山委員 主税局長にもう一ぺんお伺いしますが、業種をきめるときには、租税特別措置法で従来きめておつた判断基礎でおきめになつて行くのか、あるいは企業合理化目的のところに盛られておるところの新たなる角度から、さらに再検討して行かれるのか、ただいまの説明を聞いておると、今まで租税特別措置法の省令であなたの方で出されておるところの五割増し業種範囲というふうに聞くのでありますが、その範囲を出ないのか、あるいはその範囲を出ないのみならずその範囲を全部やるのか、あるいはその範囲からさらにぐつとしぼるとか、その辺のところは、大体見当がついておるのではありませんか。
  26. 平田敬一郎

    平田政府委員 現在租税特別措置法でやつておりまする範囲は、相当広汎な範囲にわたつておりますことは御承知通りでございます。産業種類というよりも、機械設備自体能率化合理化に役立つというようなものを相当広汎に拾い上げまして指定いたしております。この種類はお手元にお配りしておりまする租税法規集の中にございまするが、相当広汎な範囲にわたつておるのでございまして、これは主として産業種類よりも機械設備を本体にいたしまして指定いたしておるのでございます。それで今回の措置はそれを越えまして、さらに大幅な特別償却を認めようというのでございますから、当然私どもはその中でさらに一層緊急に合理化なり、近代化を必要とするものを拾い上げましてやりたいという趣旨でございますので、おのずから産業種類範囲措置法で一般的に認めておりますようなものよりも縮小した範囲内において考えたい。それで重点的にやりまして、両方で償却目的を達成しまして、それによりまして、全体としての産業近代化促進のために資したいというふうに考えております。従いまして措置法のそのもの、これよりもより広い——措置法と申しましても、今度も措置法一つでありますが、現在認めておりますものが、相当範囲が広くて、今度やりますのはさらにその中で緊急に必要とするものであつて、しかも先ほど申し上げましたように全体の産業にいい影響を及ぼす、あるいは輸出国民生活等に顕著な重要な関係があるそういうようなものを考えまして、新法に基きます特別措置を行いたい、かように考えておる次第であります。
  27. 小山長規

    小山委員 どうも今の説明ではつきりしない点があるのであります。今度考えておられる政令内容になる事業は、現在の税特別措置法、きのう衆議院を通りました特別措置法も含めまして、その措置法業種範囲は、あの措置法範囲を逸脱しない、つまりあの業種範囲の中で選ぶのである、こういうふうに今おつしやつたのでありますか。  それからもう一つ伺つておきたいのは、この業種をきめるときには、これは考え方の前後の問題ですが、税収が幾ら減るだろうかということを考えておやりになるのか、あるいは企業合理化にこれは必要である、従つてこの程度税収の減はやむを得ぬというふうに、どつちの方が優先し、あとになるか。これは観念上の問題で非常にむずかしい問題でしようが、考え方としてはどうなるのでありますか。まず税を考えて、それからその範囲内で、それじやこのところまでは認めようということなのか、あるいは業種の方を考えておいて税の方はこれに伴つて自然に増減して来るというふうに考えられるのか、そこのところを主税当局としてのお考え方をひとつ承りたい。
  28. 平田敬一郎

    平田政府委員 現在の措置法によりまする減免範囲は実は相当広いのでございまして、小山さんにも差上げてあります租税法規集にも、約七十ページくらいに及ぶ機械設備等を指定しておりまするが、これは相当広汎な産業範囲にわたりまして、それぞれ能率化合理化に役立つようなものにつきまして指定しまして、広汎に認めておるのでございます。もちろん私ども今回この近代化促進法によりまする分は、このように広い範囲産業種類を指定しようとは考えておりません。やはり重点主義で行つた方が、一方においては妥当であるということと、それから一方におきましては歳入への影響並びにあまりにも負担の不均衡を来すというような点を考慮いたしまして、妥当な範囲できめたい、こういうような考えであります。そういたしまして、さらに今お話のように歳入の減に重きを置くか、促進の趣旨に重きを置くかということでございますが、これはそのときの情勢によりまして、両方考えまして、妥当な結論をくだすようにいたしたいということでございます。
  29. 小山長規

    小山委員 御答弁はおそらくその程度を出まいと思いますけれども、それからこれらの措置法に書いてある業種の以外のものは、今度の分の中には想定していない、こういうふうにただいまの答弁は了解してよろしゆうございますか。
  30. 平田敬一郎

    平田政府委員 私まだ精密に当つておるわけでございません。それからまだきめておるわけで。ございませんので、例外が一つもないかというようなお尋ねでございますと、若干留保しておきたいのでございますが、まあ、大体はそうであるということを申し上げておきます。
  31. 小山長規

    小山委員 それでは現在の措置法に書いてある以外のものでも、あるいは選に上るものがあるかもしれない。その程度に了解いたしておきます。そうしてもう一つ伺つておきたいのは、この附則は、租税特別措置法を附則で改正しておりますが、これは提案者伺つておきたいと思いますけれども、将来の所管の問題に関連して参ります。将来この合理化法の附則で改正しようということは、租税特別措置法を改正するということでありますが、その場合にもなおかつこの附則の改正は、通商産業委員会主管されるおつもりでありますか、これはひとつ将来のために提案者側のはつきりした御意見を伺つておきたいのであります。
  32. 中村純一

    中村(純)委員 この法律の附則をもちまして租税特別措置法を改正いたしたのでありまするが、この法律が成立いたしましたあかつきにおきましては、これは当然租税特別措置法自体がこの附則に書いてあるように、改正を見る次第なのでございます。将来さらにそれを改正しようという場合におきまする技術的な措置につきましては、これはまた政府側からでも答弁をしていただいた方が私よりも詳しいかと思うのでございますが、この租税特別措置法自体は、たとい他の法律の附則によつて改正せられましても、租税特別措置法そのものは、これは大蔵省所管であると考えております。
  33. 小山長規

    小山委員 それではただいまのはこういうふうに了解してさしつかえございませんか。この附則で定めておるのは租税特別措置法である。従つてこの附則を改正しなければならぬ状態に立ち至つたときには、すなわちこれは租税特別措置法の改正案であるからして、議会においてはこれは当然に大蔵委員会主管すべき法律案であろうというふうに提案者側もお考えになつておる。こういうふうに解釈してよろしゆうございますか。
  34. 平田敬一郎

    平田政府委員 私の方からちよつと御参考までに御説明申し上げておきたいと思いまするが、税法をよくほかの法律の附則で、関連するという意味におきまして改正する例は相当あるのでございます。あるのでございますが、それはあくまでもその法律の附則に宿借りしていると申しますか、そういう方法で改正するということでありまして、改正自体はあくまでもそれはやはり租税特別措置法の改正でございます。従いまして今後さらにこの特別措置法を改正します場合におきましては、これはもちろん税法の改正案として提案することになるわけでございまして、国会に出されましたときにおきましては、どの委員会にかかるかということは、私どもよく存じないかと思うのでございますけれども、普通の今までの例から行きますと、特別措置法に対しては通常大蔵委員会で御審査を願う。しかし近代化法等で関連がありますので、それに影響がありますことにつきましては、あるいは本日のような合同審査というようなことになる例があるようにも私どもは聞いておるのでありますが、改正自体はあくまでも、附則では改正いたしておりまするが、租税特別措置法の改正である、かように考えるのでございまして、別段その点税法自体の改正ということに形式は影響を及ぼすとは考えておりません。
  35. 小金義照

    小金委員長 佐久間君。
  36. 佐久間徹

    ○佐久間委員 私は提案者にちよつとお尋ね申し上げたいのですが、これは補助金を出す——いわゆる直接と間接と両方わけてこれを考えてみまして、直接には補助金を出す。そしてこの法律の効力を上げよう、反面においては、間接には減税を行つて改善の目的を達しよう、こういう二つの構想と思うのでありますが、補助金予算範囲内ということが書いてありますが、大体の見当をおつけになつておりますかどうか、この点をひとつ承りたいと思います。
  37. 中村純一

    中村(純)委員 お答え申し上げます。この法律の中にただいまお話のごとく、直接補助金を出す面もあるのでございます。これは現在すでに実は実行いたしておりまする範囲内のものでありまして、それをここに法律的根拠を与えて、将来予算の許す限りにおいて増強をいたして参りたい、かように考えておる趣旨でございまするが、ただいま二十六年度の予算に計上されておりまする補助金は、総額において四億五千万円ということに相なつております。
  38. 佐久間徹

    ○佐久間委員 それから減税の面につきましては、これは主税局長お尋ねした方がいいと思うのでありますが、どの程度金額を見込んでおられますか、御構想を承りたいと思います。
  39. 平田敬一郎

    平田政府委員 その点につきましては先ほど申し上げました通り、まだ確定いたしておるわけではございませんが、今審議しております状況でありますると、来年度十億ないし十五億程度歳入影響あることになりやしないか。しかしこの点はよく促進法の趣旨考えまして、妥当なものをきめまして、それが来年度の予算に織り込むということに相なろうかと考えております。
  40. 佐久間徹

    ○佐久間委員 それからここに事業者の定義がございまするのでお尋ねしたいのですが、これは提案者の立法の趣旨を伺いたいと思うのであります。この事業者は、原単位改善の対象としての事業者でございますかどうですか、この点をお伺いしたいと思います。
  41. 中村純一

    中村(純)委員 第二条に事業者の定義が書いてあるわけでございまするが、それは第三条以下各条に、事業者は云々ということが現われて参る場合が数箇所あるのでございます。それはただいまお話の、原単位改善の場合もありまするが、あるいはまた産業関係施設の整備という面におきましても、事業者というものが現われて来ておるのでございます。そのほか一、二あるかもしれませんが、おもなところはさようなところでございます。
  42. 佐久間徹

    ○佐久間委員 原単位の改善のため、この中をずつと見てみますと、十条、十一条あたりに初めて事業者ということが出て参つておりますが、第二条の、事業者とは、工業、鉱業、電気事業、ガス事業、運輸、土木、水産、その他政令で定める事業、こういうことになつておるのですが、この目標とするところは、重要産業といわれておるものを目途としておられるのでありましようか、どうですか。
  43. 中村純一

    中村(純)委員 御説の通り、重要なる産業をピックアップして参りたい、こういう趣旨でございます。
  44. 佐久間徹

    ○佐久間委員 重要産業としてこういうぐあいに大体の項目を掲げて、その他政令で定めるというようなぐあいにしてありますが、この政令で定めるということが、非常に範囲を広める意味でこういうことをやつておられるかどうか、この趣旨をお伺いしたいと思います。
  45. 石原武夫

    石原説明員 第二条の関係は、御説明いたしましたように、八条あるいは十条というようなところに出て参りますが、それの関係の定義を書きましたので、これらの条文対象とすべき業種を二条で書いたわけでございますが、できるだけ法律で書くという趣旨で、ここに掲げてありますように、具体的に列挙したわけでございますが、将来あるいはさらに、ここに今列挙しております以外の事業についても追加することが適当だということがあつた場合に、簡単に追加できるようにという意味で、政令というものを置いたわけであります。今ただちにこの政令で、いかなる業種を指定するかということは予定しておりません。そういう意味で念のために書いております。一応二条で主要な業者については全部掲げたつもりでおります。
  46. 佐久間徹

    ○佐久間委員 先ほど平田主税局長小山君に対する答弁において、あるいは私が聞き漏らしたかとも思いますが、大体鉄鋼、石炭、工作機械、こういうぐあいに申されておつたようですが、冒頭にこれだけの広範囲を列挙しておいて、そうして実際に行うのはこういう小範囲にとどめるというようなぐあいに解釈されたのでございますが、この点はいかがでございますか。
  47. 中村純一

    中村(純)委員 ただいまお話のような誤解があるいは起るかもしれないと思うのでございますけれども、実は先ほど申し上げましたように、二条に書いてありまする事業者という定義は、これはそれぞれの各本条事業者という言葉が現われて参りまするので、その場合の定義を掲げたのでございます。第六条に関しまする場合は、この事業者という言葉が第六条にはございません。これは第二条とは観念的には別個の見地から、第二条の適用を受ける業種を指定することになるのでございますが、しかしながら元来この法案自体が、重要産業合理化という一つの大前提を持つておるのでありまして、どんな産業でもということを初めから考えておるわけではないのでありまして、重要産業という一つのわくを初めから上よつておるわけでございます。しかして第六条のごとき、租税減免措置による特別償却というような恩典を与えるものにつきましては、さらにそのうちから、特に先ほど申しました、キー・インダストリイと申しますか、そういう概念に当てはまるものを選択をして緊急必要あるものについて第六条の適用をして行きたい、かような建前にいたしておるわけであります。
  48. 佐久間徹

    ○佐久間委員 重要産業と申されておられるのでありますが、この重要産業というのが、いろいろ最近かわつて来ておるようにも承知しておるわけでございますが、戦争遂行というような場合におきまする重要産業と、平和時代の重要産業、これは当然区別さるべき段階に入りつつあると私は思うのであります。今までのような観念で参りますと、資源的のものを重要産業としておつた、しかるに反面においては、重要産業と名をつけるのはどうかと思いますが、農業、水産業というようなものは非常に現下のわが国にとりましては重要なものである。重要産業と名前をつけるのがおかしいかもしれませんけれども、それに類する一つ事業でなければならぬと思うのでありますが、こういうものもこの中に包含されるのでございましようかどうですか。将来これを入れる意思があるかどうか、この点をひとつ伺いたいと思います。
  49. 中村純一

    中村(純)委員 重要産業という言葉の持ちまする意味なりその範囲ということは、なるほどいろいろと解釈の仕方もあることとは思いまするが、大体において社会通念から考え結論を出すべきことだと思うのでありまするけれども、今日のわが国の置かれておりまする国際的な立場、さらにまたわが国の経済が、今後講和条約発効後、いわばまる裸になつて、国際経済場裡において負けないように自立をして行くという見地から考えましての重要産業、かように私ども観念をいたしておる次第なのでございます。しかして本法第二条にありまする「事業者」というものは、これももちろん第一条に本法の全体の目的が、重要産業対象といたしておることを明らかにいたしておるのでありまするが、その次に表われております第二条におきまして、「事業者」とありますのは、やはりこれは重要産業一つの例示であると私は考えております。しかしてこの重要産業なるものは、この第二条の規定は、先ほど通産当局から御説明申しましたように、大体まずここで例示を尽しておる、かような考え方でおるのでございます。しかしながら、少し話がこまかくなりまするが、たとえば第三条におきまする各種の試験研究に対する補助金あるいは税法上の措置といたしましては、第二条の制限もないわけであります。つまり「事業者」という言葉がここに表われておりません。でありますから、第二条に所定のもの以外のものも、第三条、第四条の適用を受くる場合があるのであります。しかしこれもやはり法律全体のわくでありまする重要産業範囲内でなければならない。従いまして第三条、第四条のごとき場合におきましては、農業とか何とかいつたような第二条に例示されていないものも、適用を受くる場合が考えられるのであります。
  50. 佐久間徹

    ○佐久間委員 本法はおおむね税に関係するところが非常に多い、従つて大蔵大臣責任においてなさるべき範囲が広いのじやないかと思うのであります。ところが第四条には「主務大臣及び大蔵大臣は、政令の定めるところにより、」というぐあいに、はつきりここに大蔵大臣を入れてある、ところがその他の部分には、主務大臣と協議の上ですか、何かそういうような文言で、大蔵大臣は別に書いてないようでございますが、やはり四条へこうはつきり書いてあるのですから、以下税に関係する部分は、主務大臣及び大蔵大臣というぐあいに、はつきり法文の上に御記入になつておいた方がよいのじやないかと思うのですが、立法の趣旨と申しますか、その点どのようにお考えであられるでございましようか、お尋ねいたします。
  51. 石原武夫

    石原説明員 便宜私からお答えをさしていただきたいと思います。第四条もお話のように課税上の特例の規定ではございますが、承認にかけております規定は、四条の第一項でございますが、これが承認の対象になりますので、具体的な試験研究で、これが企業合理化の促進のために緊要であるかどうか、あるいは具体的な機械設備が、その研究に必要であるかどうかという点を、一応形式上は承認にかけておるわけであります。従いまして、もしこの条文大蔵大臣ということを、うたつておきませんと、大蔵大臣が入られるかどうか多少疑問がある、これは具体的なこの試験研究かどうかという判断を承認するという規定の書き方になつておりますので、四条全体としては、もちろん課税の特例の規定でございまするが、具体的な承認にかけております事項が、さような事項でございますので、これは多少解釈上疑問がありはしないかという点で、大蔵大臣を明記したわけでございます。六条は、先ほど主税局長からもお話がありましたが、これはこの規定がそもそも租税特別措置法によりまして特別の短期償却ができるのだという規定でございますので、これは大蔵大臣所管であることは明らかである。従いまして法律技術的には、ここには特に書かなくとも問題はないということで、第四条、第六条あわせてごらんになりますと、ここに差異があるようにちよつとごらんになれるわけでありますが、さような趣旨でかような規定にいたしたわけであります。
  52. 佐久間徹

    ○佐久間委員 私たちは法案をまだよく拝見しておりませんので、質問があるいは重複したり、他の面にそれたりいたすかもしれないので、まことに申訳ないと思つております。国家の予算を立てて行く上におきまして、収入は税収入が基本であることはもちろんでありますが、その収入に見合つて支出が行われて行くわけでありまするので、大蔵大臣といたしましては、その点が最も重大な責任のもとに置かれておるわけでありまして、各主管大臣から、それが当初の見込み通りに行かないようないろいろのものが出て参りまして、大蔵大臣と対立するというような場合が生ずることも考えられるのであります。そういうことが随時随所に出て来るようなことになりますと、国務の渋滞を来すようなことを心配するあまりに、主管大臣ということについて非常に関心を持たざるを得ないわけなのでございます。今後そういう事態が出て参つた場合を想定いたしまして、立法の趣旨お尋ねしたいわけなのでございますが、この政令というものを定めるにあたりまして、一体どういうぐあいに——閣議にかけることはもちろんでございましようけれども、相当了解の域に対するような、予備交渉というような何か方法を、あるいは委員会のようなものをつくるとか、これは運営上の問題になりますけれども、何か御構想がございましたら、この際率直にお聞かせを願つておきたいと思います。
  53. 平田敬一郎

    平田政府委員 私から申し上げまするが、非常にこの運営について、大蔵省としての立場につきまして御心配になつておるようでございますが、先ほどから申し上げた通りでございまして、現在もすでに各省から大蔵省に来ていただきまして、範囲をどうするか、各省の間でよく協議いたしまして、その上で閣議できめる。各省で話がつかない場合は、これを閣議で具体的にきめてもらう場合も出て来るかと思うのでありますが、なるべく各省でよく協議しまして、その上で閣議できめるということにいたしたいと考えます。なお大蔵省におきましても、産業政策のことも、税の上においてはいろいろ考えておる点が多いのでございまして、これに始まつたわけではございません。たとえば所得税、法人税につきまして、重要物産の製造業を三年間免税するという規定がございます。これはもちろん所得税法施行規則、それから法人税法施行規則で、何を重要物産にするかきめておるわけでございます。そういうものをきめる際におきましても、各省の意見をよく聞きまして、事務的にできるだけまとまつたところで、閣議へかけてきめる。こういうふうにしている例もございます。なおまた一般の減価償却の年限をきめる際、あるいは産業政策関係のある事項が、税の立法の上におきましては相当多いのでございまして、そういう際には、常によく関係省と協議しましてその上できめるといつたような次第でございます。たくさん経験もございまするので、その点御心配御無用かと存じます。できるだけ審議の際出た御意見、並びに法案の提出されました趣旨をよく私ども考えまして、先ほどからも申しておりますように、そのときどきとして妥当な結論が出るように勉強してみたい、かように考えておる次第でございます。
  54. 小金義照

    小金委員長 次に三宅則義君。
  55. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 ただいま議題になつております企業合理化促進法案でありますが、先ほど来同僚小山委員並びに佐久間委員から質問がありましたからしてなるべく重複を省きたいと思いますが、根本の事業者ということにつきましては、やはり疑念があるわけでありまして、工業、鉱業、電気事業、ガス事業、運輸業、土木建築業、水産業、これは全部入つておるわけでありまして、こういうようなものを将来入れるということについての構想からやるというならばともかく、当分は入れないというのであつて、鉱工業、鉄鋼業、あるいは石炭、工作機械、こういうような超重要産業のみに根幹を置く、こういう構想でありまするならば、むしろ今のうちにそういうような多くのわくをはめない方が、かえつて合理化を促進するのじやないか、こういうふうに思つておるのでありますが、中村提案者の方におきましては、そういうふうに大幅にすることこそ合理化を促進するというようにお考えになつておりましようか。むしろ私は縮小された方が本案の趣旨に合致する、かように思うのですが、いかがでしようか、承りたい。
  56. 中村純一

    中村(純)委員 先ほどちよつとお答えを申し上げたのでありますが、事業者と申しますのは、本法律案の中で事業者という言葉が出て参りまする条文が一、二箇所あります。その出て参ります条文は、たとえば原単位に関する報告の義務とか、あるいは産業関係の設備を改善増強する場合に、事業者という言葉が出て参るのでございます。さような条文適用を受けます塩合の事業者の範囲は、二条に示してあるようなものを考えておるということをそこに示しておるのでございます。おそらくただいま三宅委員の御心配の点は、税収関係いたしまする面における御心配ではないかと思うのでございますが、その点は先ほど来申しておりますごとく、第六条に関しまする場合においては、第二条とは無関係でございます。それは別個に、お話のごとき、いわば超重要産業と申しますか、そういう範囲において考えて行きたい、かような趣旨でございます。
  57. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 今の御弁明は政府またはよくわかる人にはわかるかもしれませんが、普通の人には、第二条を見て、これは何でも入るのだ、こういう疑問を起させる。立法者といたしましてそういうことを起させることははなはだ不穏当である。こういうふうな意味合いにおいて御質問いたしたわけでありまして、今後の法案の作成等につきましても、こういうように初めて見た者が何でも入るのだという誤解を起さないような法案をつくることが、われわれといたしましても当然であると思うわけでございます。  次に申し上げたい事柄は、ことに鉱工業、石炭、こういうようなものは基礎産業でありますから、当然これにつきましては相当設備をしなければならぬということは一番必要でありましようが、ややもいたしますと、これは特殊階級にのみ恩典があつて、普通の者には恩典が少い、こういう疑念があるわけであります。これらに対しては、提案者としてはどう考えておられますか、承りたい。
  58. 中村純一

    中村(純)委員 今のお話の中にございました、誤解を起しやすい書き方はよくないという御説は、まことにごもつともなのでございます。この節の法律一つの型として、定義を書くことになりましたために、定義が出て来ますので、ややもすると、お話のような誤解を生じやすいようなかつこうにどうしてもなつてしまう。その点は今日の立法技術上やむを得ない点であろうと思うのでございます。  それから次のお尋ねの、大きな産業にのみ集中されるのではないかという御説のように承つたのでございますが、法律建前といたしましては、大企業であろうが、中小企業であろうが、この法律に該当する条件を備えております限りは、何でもよろしいという建前に相なつておるのでございます。しかしながら実際問題といたしましては、いわゆる超重点産業というような面において選択をいたします場合において、比較的大規模のものになりやすいということは、事実問題としてこれは考えられるかと思うのでございますけれども、これはその経済の実情がそうでありますので、一面から申しますと、やむを得ない結果になるかとも思うのであります。しかしながら中小企業の面におきましては、これはわれわれ立案者といたしましても、十分考慮はいたしておる考えでございまして本法律案の中にも中小企業に関する条項も取入れてあるのでございます。のみならず、本法律案身離れましても、中小企業全般につきましては、いろいろとこれの育成助長に関する施策はやつて行かなければならないものと、当然考えておる次第でございます。
  59. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 先ほど佐久間委員からも御質問がありまして、御答弁があつたと思いますが、この試験研究費というものは、これはそういうような超重要産業についてはたいへんあるわけであります。これについて予算面において四億五千万円とかをとるというように承つたのでありますが、ややもいたしますと、このために税法上との関連におきまして、収入から減ずる試験研究費というものの損金に落します程度等々は平田主税局長といたしましても十分考慮しなければならぬ、かように思つておりますが、主税局長はこれらにつきまして、どういう御構想を持つておられますか、承りたいと思います。
  60. 平田敬一郎

    平田政府委員 試験研究につきまして、技術向上、経営の合理化をはかる上におきまして、やはり一定の研究施設を設ける際に、普通の場合でございますと、御承知通り資本的支出になる部分が多い。試験研究費の中で、人件費とか、消耗品費みたいなものは、当然その期の損になるわけでございますが、建物を建てる、あるいは機械設備をすえつけるというようなことになりますと、やはり普通の資産に計上して償却をして行くということになるわけでございます。しかしやはりこういうものを急速に償却をはかるという必要があります場合には、特別償却を認めまして、それによつて促進をはかることは、これは相当有効であると考えておるのでございます。戦時中におきましても、重要産業に限りまして、この種の試験研究費を損金に認めた例が実はあるのでございます。ただ一ぺん損金に認めましたものは、二重償却をその当時からも排除いたしたのでありますが、研究費支出をいたしました場合におきまして、損金にするという例もあつたのでございます。この際近代化法ができまして、大いに促進をはかるということになりますと、やはりこういうものにつきましても、この種の税法上の措置をいたした方が妥当であるということで今回提案なつたような次第でございますので、私ども賛成いたしておるのでございます。ただ方法といたしましては、一ぺんに認めますと、やはり歳入にもある程度影響いたす場合も出て来ますので、三年間にわけて償却するということになつておりますので、そういう点から考えまして、これによりまする歳入に及ぼす影響は大した額ではなかろう。もちろん先ほど特別償却につきまして申し上げましたものよりも、はるかに少い程度のものであると考えておるのでございます。ただ基準をどういうようにするか、具体的にどの程度に承認して行くか、その点につきましても、今後検討を要すべき問題でございますので、先ほどからたびたび御議論がありましたように、歳入面とそれから必要性と両方よくにらみ合せまして、妥当な結論を出すようにして参りたい。しかし特別償却に比べますと、歳入に及ぼす影響は大したものではないと思つております。
  61. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 先ほど小山君の御質問に主税局長がお答えになつたわけですが、まだわからぬ、こういうことでありましたが、私どもの構想からいたしますると、おそらくこれはどれもこれも超重要な産業だという意味合いにおきまして、新しい機械を取得した場合には、この法案にみんな入つてしまう、こういうふうにも思うわけでございます。そういたしますと、これは仮定でありまするが、おそらく何十億円というような減収が起りはしないか、こういうような想定をいたすわけでありまするが、主税局長はまだチンプンカンプンわからぬ、こういうような意味でしようか。もう少し具体的なことはわかりませんか、伺いたいと思います。
  62. 平田敬一郎

    平田政府委員 私はまだチンプンカンプンわからぬとは申し上げていないので、正確に申し上げ得るような段階にまでばなつていないが、大体のところはすでに小山さんにお答えいたした通りでありまして、来年度といたしましては、十億ないし十五億程度くらいの影響は起るのではないか、しかし来年度歳入計画の全体がきまつておりませんので、本法趣旨もよく考えまして妥当なところできめたい、こういう考えでございます。それから二年、三年目になりますと、あるいはもう少しふえはしないかということは考えております。だんだん増設が来年、再来年あるいは三年目ということになりますと、やはり増加の傾向があるということは私ども伺つておりますし、それも頭に入れまして妥当なところできめたい、かように考えております。
  63. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 せつかく副大臣である首藤通産政務次官もおられますから一言お伺いいたしたいと思います。高橋通産大臣は特に産業合理化についても熱心である、こう思つておるわけでありまするが、これは先ほど来各委員からの御質問にもありました通り、特に大蔵、通産の共管ということを主眼に考えているわけでありまして、むしろ税方面につきましては、主管大蔵大臣であることは当然であります。でありまするから、この法案審議あるいは原案の作成等につきまして、参考案が必ず通産省にも参つておりまするし、また各大臣も御了承かと思うのでありまするが、副大臣はどういうふうに考えておられますか、ひとつ率直に承りたい、この法案に対しまする構想及び今後の発展等につきましての首藤副大臣の御意見を承りたいと存じます。
  64. 首藤新八

    ○首藤政府委員 お答えします。申し上げるまでもなく、この法案趣旨は、基礎産業をなるべく急速に合理化いたしまして、そうしてあらゆる生産の原価を低くして、輸出の振興をはかりたいということが目的であります。従いまして、この指定されるところの産業は、他の産業になるべく広い範囲影響を持つ中心産業を指定いたしたい。そうしてこれを指定することによつて、その産業のみならず他の関連産業の原価をできる限り引下げて行きたいということをねらつているものであります。
  65. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 それから次に申し上げまするが、これは提案者かもしくは政府当局でもけつこうでありますが、今の首藤政務次官のお話によりまして、根本的のことはわかつたのでありますが、主として今後の問題を考慮に入れますと、超重点産業にのみ利益が多くて中小企業等につきましての利益というものは、それに従つて来るわけでありましようがおそい。そういうことになるわけでありますから、むしろ中小企業の方におきましても、診断ということを掲げておりまするが、この診断する方法等については、当局は何か考えを持つておりましようか、その辺についての構想を承りたいと存じます。
  66. 首藤新八

    ○首藤政府委員 ただいま答弁いたしました通り重要産業合理化するということによつて、結局は他の中小企業の方面にもよい影響を及ぼすであろう。また及ぼさなければならぬという考え方を持つておりますが、しかし実際問題として影響程度考えますれば、指定された産業が一番大きな影響を受けるのであつて、他の産業に及ぼす影響は、漸次薄くなつて行くであろうことは考えられます。そこでこの薄いと考えられるところの中小企業に対しましては、法案にも書いてありまする通りに、勧告その他の指導の措置によつて強化いたしたいというふうに考えておりますが、現実にしからばどういう指導をやつておるかという点について御答弁いたしたいと存じます。現在政府がやつておりますところの中小企業の対策の一環としての診断でありますが、これは各産業によつて中小企業としての内容もそれぞれ異なりますから、大体この産業ではこういう程度中小企業の標準であろうというものを取上げまして、そうしてその中小企業の労務管理であるとか、あるいは経理面であるとか、あるいはその他の面を一定の標準によつてこれを指導して参る。そうしてこれができましたならば、それを一つのモデル工場といたして、他の中小企業をこれにならわせるというような指導方法をとつておるのであります。むろん技術向上の面に対しましても、これまた格段の措置を講じておるのであります。同時に中小企業の問題は、これら技術の指導あるいは診断等々も必要でありますが、何といつても大きな条件は金融であります。金融に対しましては、商工中金あるいは信用保険あるいはまた国民金融公庫であるとか、これらの特別のケースを通じまして、一般市中銀行の金融とあわせて中小企業の金融を困難のないような方向に推進いたしておるのであります。
  67. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 今の首藤政務次官のお話でわかりましたが、次は診断の方法等については、よほど経理面もしくは技術面、両方面から診断しなければならぬ。こういう意味合いにおきまして、通産省では何かそうしたような特別な技術者もしくは経営管理者あるいはそれらに対しまする診断者という職能を考えておるのでありましようか。それともかつてにこれをやるという意味合いでありましようか。当局はどういうふうに思つておりますか承りたいと存じます。
  68. 首藤新八

    ○首藤政府委員 この診断に必要としまする経費として、本年度は千四百万円を組んでおります。しかしこれは本省だけの経費であります。この指導、診断は、あげて各府県と協力してやつているのであります。従いまして国の経費は千四百万円でありますが、府県の支出しております経費およそこれの三倍ないし四倍程度に達しているのであろうことは想像されるのであります。そこで実際の指導の面におきましては、それぞれの専門家を迎えまして、それぞれの専門の部門に応じた指導を行つておるのであります。
  69. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 今のお話によりまして専門家に委嘱するというふうにお話になりましたが、私はむしろ経営診断上あるいは技術診断上、経営経理士というようないわゆる職能を設けた方が、かえつて公平ではないかと思うのでありまして、今までのような官庁を中心にいたしました技術者もしくはそれらに関連しました臨時委嘱と申しますか、あるいは顧問と申しますか、そういうものに重点を置くのでありましようか、また第十四条に「立入検査」ということがありますが、これらにつきましては相当経験を持つた者が立入り検査をしなければ効果はないと思う。ただその会社の重役等によつて、ごまかされるということはございませんが、ある程度言いまくられると、その通りに認容するということがあつてはいけませんから、むしろそういう方面には超党派的と申しますか、超官吏的と申しますか、すべてのものにとらわれないで、いわゆる離れた立場から、公平なる判断のもとにおいてこれを検査し、報告する、こういう程度が一番よろしいのでありますが、これは官庁を中心にやるような意味合いでありましようか、もう一ぺん承りたいと存じます。
  70. 首藤新八

    ○首藤政府委員 中小企業の診断に対しまして、先ほど申し上げましたごとく、国と府県と協力してやつておりますが、その指導の面に当つておる方は、民間のエキスパート並びに学術研究者という方をあわせて嘱託の上でやつておるのであります。なお本条にありますところの立入りの問題でありますが、これは官庁の方でやりましても、その当該業者がかりに不正あるいは虚偽の報告をいたしますと、他にそれを是正する方法が幾つかあるのでありまして、さような虚偽不正の報告は断じて許されないということの結末が得られる自信をはつきり持つておりますから、一向さしつかえないと考えております。
  71. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 今度は平田主税局長にお伺いするわけでありますが、附則の方の五条で青色申告云々ということが書いてありますが、青色申告であると青色申告でないとにかかわらず、これはおのおの重点的にやられるべきものであると思いますが、この案によりますと、青色申告を重点におきまして、他の青色申告でないものはそうでない、かように解するのでありますが、私どもはむしろ青色申告であるといなとにかかわらず、すべての産業に通ずるところの一種の企業合理化促進でありますから、公平に取扱つてしかるべきであると思います。法人、個人を問わず、青色申告あるいは白色申告を問わず、公平にやるのが当然であると思いますが、その点を承りたいと存じます。
  72. 平田敬一郎

    平田政府委員 青色申告を提出することにいたしました趣旨は、前々三宅さんにも申し上げておりますように、青色申告というのは、企業の経理に関しまして相当詳細な記帳をいたしまして、それによつて計算の基礎が非常にはつきりする、そういうような場合におきまして、いろいろ租税上の特別措置を認めるというのは、ひとりこの例ばかりではございません。現在の特別償却もそうでございますし、それから先般新たに御審査願いました価格変動準備金もそうでありますし、貸倒れ準備金もそうでありますし、このような企業の課税標準の計算に関しまして、相当精密な特例を設ける必要のあるような種類のものにつきましては、やはり私ども青色申告書を提出するというのは、つまり帳面等がしつかりしておりまして、企業の計算等につきましてはつきり記録があり、それに基きまして税法上も申告をする、こういうものに限るというのは、今までの立法の御賛成願いました流れからいたしましても当然のことであると考えております。なおこういたしましても、実際問題といたしまして、こういう特例を認めますものは、先ほどたびたびお話になつたような趣旨のものでございますので、大体申告書に限つた方というので特別な支障はないものと考えておりまして、こういう方法を選んだわけであります。
  73. 小金義照

    小金委員長 次は大上司君。
  74. 大上司

    ○大上委員 ひとつ提案者お尋ねいたしまして、次に主税局長お尋ねしたいと思います。  まず本法案の附則の「この法律は、公布の日から施行する。」、こう中村さんからたびたび、同僚委員の質問に対してお答えがあつて法律上のテクニツク、すなわち法制上のテクニツクという言葉がちよいちよい見受けられたのですが、これをいつごろ施行なさるか、この見通しをまず第一にお伺いしたいと思います。
  75. 中村純一

    中村(純)委員 お答え申し上げます。法律成立次第なるべく早くやりたいと思つております。
  76. 大上司

    ○大上委員 そこでもう一つお尋ねいたしたいのですが、企業合理化促進法案提案理由を見せていただいておりますと、言葉はどうかと思いますが、産業革命ということはあまりぎようぎようしいかもしれませんけれども、ややそれに類似した処置でなかろうか。このように思うのです。そこで何事も財政といいますか、金が結びつくのでございますが、この技術向上を促進するため、あるいは次の機械設備近代化を促進するためというように提案理由説明がございますが、これに要する、補助金を幾らに考えておられるか。あるいは政府所有施設を貸せるということを言つておりますが、もちろん通産省所管のものでありましようし、また大蔵省所管しておる国有財産等も指しておるのじやなかろうかと思う。その他をにらみ合せまして、大体これが施行になつたとした場合に、国家負担額は幾らであるか。そのうちの一部門といたしまして、さいぜん主税局長の十億ないし十五億円の歳入減でなかろうかということももちろん一つの要素になつておりますが、それ以外のもので、大体国家負担はどのくらいになるのか、それをお尋ねしたいと思います。
  77. 中村純一

    中村(純)委員 先ほどちよつと申し上げたのでありますが、補助金予算は二十六年度におきましては、総額四億五千万円がすでに計上されております。これはすでに実行をしております。二十七年度におきましては、目下通産省大蔵省間においてこの問題の予算検討中でございます。これは積極的に国の方から持ち出す金でございますが、消極的にマイナスになつた金は、先ほど主税局長から答弁をいしたた通りであります。ほかにはこれといつて予算関連するものはございませんが、この第何竜でありましたか、本法案の中にあります産業関係の設備をいたします経費というものが考えられるのでございますが、これまた今日まで公共事業費のわくの中において、産業関係の公共事業費というものをある程度考えてそれを出しておるのでございます。これは来年度におきましては、やはり公共事業費全体のわくがきまりました後において、そのうち産業関係のものを幾ばく考えるかということが来年度予算において考えられて来る問題であろうと思うのであります。
  78. 大上司

    ○大上委員 そこで大きい問題なんですが、いわゆるその四項の事項固定資産税減免をはかる、この項ももちろん出ておるのですが、さいぜんの政府所有施設等についてはさして問題はなかろうかというように私は思うのですが、第四項目の固定資産税減免というものは、税の性質から見て、提案者もおわかりの通り相当影響が多いと思うのですが、これをどのくらい見積つておるか、この点をお尋ねいたしたいと思います。
  79. 石原武夫

    石原説明員 ただいまお尋ね固定資産税関係規定は、そこに掲げております試験研究、あるいは近代科学の設備について地方税法の六条の規定に該当するのだという書き方になつておりますので、具体的にそれらの機械設備等に対する固定資産税を軽減するかどうかということは、各地方自治団体の任意になつておりまして、別に強制をしているような規定になつておりませんので、言いかえますと、地方税法の六条に、地方団体は、公益上その他の必要があれば税を免除する、あるいは不均一課税とするとか、軽減ができるという規定があるわけですが、それに該当するのだということを書いてあるわけでありまして、従つて具体的に固定資産税減免いたしますのは、各地方がその趣旨従つてどこまでやるかという問題になりますので、はたしてどれだけの減収になるかということは、ちよつと明確にわかりませんが、われわれの推算するところでは、国税はもちろん百億以下の金額にしかならないじやなかろうかというふうに考えております。
  80. 大上司

    ○大上委員 まず大体骨子はわかつたのですが、そこで提案者または当局、またはこれは大蔵省でもけつこうなんですが、お尋ねしたい。どなたでもけつこうです。  まず第一に、われわれが思つているのは、これはかつて新聞紙上で見たのですが、日本に相当ビルの建築がある。これについて日銀等においても、対外的な影響から即時融資を停止したとかいうようなことを聞いておる、また見てもおるのですが、そこで今度の場合に、日本の税額に対してそれ自体の税収が非常に少い、いわゆる十億または十五億円、こういつておりますし、その他の固定資産税も今石原さんからお話があつて、われわれは了とするのですけれども、この対外的な関係をどう見ておられるか。われわれは賠償等について、今日非常に関心を持つておるのですが、そういうふうな影響はどういうふうにはかられて、事前に慎重審議なされて本法案が出たかいなかという点をひとつお尋ねしたいと思います。これが第一点、次に今度平田さんにお尋ねしたいのですが、ただいま各同僚委員の質問に対する説明の中に私が聞き取れたのですが、たとえば基準等は、目下協議中だ、あるいはこれの範囲について、各省とも来ていただいて協議中だということを言つておられる。そこで最後的な大蔵省の案が出ておらぬような気がするのです。出ておれば問題ないと思うのですが、その点が一つと、それから今度は税収の面につきまして、なるほど本法適用することによつて十億または十五億円の歳入減になつたとして、これが一般国民に及ぼすところの影響、すなわちこれは償却面だけだからどうこうという問題だけではなくして、こういうふうな実例があるんじやないか、こういうふうなものがあるじやないかということになると、国民それ自体の租税を完納すべきところの感覚上から、私個人が主観的に考えてピンと来ないのですが、そこの点をどういうふうに考えておられますか。すなわち、この結論を申しますと、直接出たものでなくして、国民感情から割出したものにおいては、本法案適用することがいいのか悪いのか、あるいは影響があるのかないのか、この点と、二つお尋ねいたします。
  81. 首藤新八

    ○首藤政府委員 近代化法案を実施することによつて、日本の現在置かれておる立場から、賠償その他に関連して他への聞えがどうかという御質問かと思います。しかしながら、この問題はあくまでも日本経済を強化する、自立経済をできるだけ早く促進する。これに目的を置いておるのでありましてしかもこれがために財政に非常な圧迫を加えない範囲内において、経済を自立するということに目的を置いておるのでありまするから、賠償その他に関連いたしまして、海外に対する悪い反響というものは何らないと確信いたしております。むしろこれをやることによつて、かえつて賠償能力が充実するという結果を来すのでありましてかえつて海外の方でも好感を持つていただけるだろうことを私は考えておるのであります。  なおまた財政の負担とこの指定の問題でありまするが、これは大蔵省の局長から詳細繰返して御説明してある通りであります。要するに財政の状態と、片一方の指定することによる税収の減収のウエートというものを慎重に検討いたしてどちらが国家経済に有効であるかという判定の上に、最終的な決定が行われるものと考えておるのであります。
  82. 平田敬一郎

    平田政府委員 指定の範囲につきましては、たびたび申し上げたような趣旨でございまして、今ほかの人からも申し上げられましたような趣旨におきまして、なるべく妥当を期するようにきめたい。大体の点につきましては、先ほど例として申し上げたのでありますが、なおさらにそのほかにどの程度広げるかということにつきましては、今御指摘のような歳入に及ぼす影響、あるいは必要性がはたしてあるかどうか。やつた場合の効果が、全体に対してどういういい効果を及ぼすか。その辺をよく検討いたしましてきめたいと、こういう趣旨で申し上げておる次第でありますので、御了承願いたいと思います。  それからもう一つは、このように重要産業につきまして租税特別措置を講ずる、これは実は御指摘のような感がないわけでもない。ただしかしその点につきましては、そういう措置をとることによりまして、産業が全体として盛んになり、その結果国民生活もよくなる、こういうことになりますと、私はある程度租税上特別優遇措置を講じてやつていいじやないかという考えを持つております。ただその程度なり限界というものにつきましては、やはり相当慎重に考えなければならないのでございまして、その点は先ほども申し上げましたように、重要物産に対する三年間の免税制度等もございますが、そういうものにおきまして考えて参りましたのと同じようによく考えをめぐらしまして、他の納税者に及ぼす影響等も考えた上で範囲を適当にきめたい。そうしますと、やはりこういう措置を講ずることによりまして、全体として結局国民に影響を来すということで、そういう点からいたしましてこういうことは必要かつ妥当なことであろうと考えておるのであります。
  83. 大上司

    ○大上委員 大体了承したのですが、そこで結論的にただいまのお答えから出るのですけれども、本法案は、いわゆる減価償却その他税等におきましての措置、または直接的な補助金措置等からにらみ合せてみまして、いわゆる社内留保金というか、これを粗雑に使わさぬというか、こういうふうな意味でも私はなかろうと思うのです。そこで国家的に見たら、もちろん政府当局からは、今首藤政務次官からお話のあつたような大きな面、あるいはそれ以上に上まわるじやないかという面もよくわかるのです。そこで何らかこのような措置を国家がすることによつて、いわゆるこの法案に浴するところの企業者が、国家に対して反対給付と申しますか、いわゆる社会的な反対給付をどの辺に求めておられるのか。単なる国内の自立経済を確立するためにこのような措置をやるのであるというならば、それまででありますが、さらに何らか補助金を出すにはここまで生産を上げよとか、あるいは減免するにはここまで企業力を持つて行けという目安があると思うのです。これをきたない言葉で言うと、反対給付をどこに求められておるか。すなわちこれも計数に基いてある程度説明願えればと思います。従つて本質問は提案者にお願いしたいと思います。
  84. 中村純一

    中村(純)委員 なかなかむずかしい御質問でございますが、本法樺の適用を受けることによりまして、恩恵があるわけであります。これによりまして私どもは、実は個々の企業から何らかの見返りを得ようということよりも、国金体としてわが国企業近代化せられて、大いに能率が上つて、経済自立の基礎が困ることを第一の目標といたしておるのであります。個々の企業といたしまして、これによつて能率が上り、大いにもうけが出ますならば、大いに税金をひとつ奮発して納めてもらうことを期待いたしておるのであります。
  85. 小金義照

    小金委員長 それでは本日はこの程度にいたしておきます。  なお本案が継続審査に付せられることに決定いたした場合におきましては、閉会中に再び本連合審査会を開会する予定でございます。  それではこの程度にて散会いたします。     午後零時四十九分散会