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小笠政府委員 お答えいたします。今回の改正
法案の主要点は、国家が信用保証協会の保証を再保証するというところに実はあるのであります。信用保証協会は現在五十ございます。信用保証協会が保証しておる残高は約百二十四、五億でございます。従来や
つて参りまして、保証をやつた額になりますと、三百数十億というふうなことに相な
つておるのであります。それでこの保証協会の現在の形は、昭和十二年に、東京府でいわゆる信用保証協会というものができましてから今日まで各地にできて、戦後の
中小企業金融に大きな役割を演じておるのでございます。今日この五十の信用保証協会は、大体財団法人の組織によ
つておるのであります。そのうち三十九が財団法人で、十一が社団法人というような形に相な
つておるようであります。この保証協会の活動の基礎は、大体都道府県あるいは大きな市というところの財政支出を基礎にして動いておるのでありまして、今日までのところ、全保証協会五十の出
資金のうち、出
資金あるいは基本財産と申しまするか、そういうようなもののうち九〇%余というものが都道府県その他の公共団体から出された金によ
つてまかなわれておるのであります。今日までのところ、各保証協会におきましては、大体保証基金の十倍見当というものを目安にして債務の保証をいたしておるようであります。一件当りの金額につきましては、大体多くの府県は五十万円から百万円というところを頭にいたしておるようであります。ただ東京、大阪につきましては、五百万円が一件当りの最高に相な
つておるようでございます。期限につきましては大体二箇月ないし三箇月の短期
融資を中心にいたしておるようであります。例外といたしまして北海道の信用保証協会のように、設備の
資金としてのものは約二年というものもございますが、大体短期
融資を中心にいたしておるようでございます。この間におきまして、いわゆる保証協会が、いわゆる債務者が
金融機関に対して支払わなかつたために、一定期間が過ぎまして支払いました。パーセンテージになりますと、大体三%半くらい、四%を切
つておるというのが最近の
実情でございます。これも代位弁済いたしましてから、あとで信用保証協会と債務者の間で割賦弁済その他の方法によ
つて回収をいたしておるようでありまするが、大体そういうふうな危険を出しておる、こういうふうな
状況でございます。この信用保証協会は、今申し上げましたような全額で動いておりまして、保証残高が百二十数億ということになりますると、相当多くの
中小企業の
金融に役立
つておる。先ほど
お話のように、これによ
つて踏み切らしておるということが言えるのでありますが、最近この保証協会の利用希望というものが非常に多いのでございます。ところが実際問題として、各保証協会には審議会というようなものがありまして、そこでふるい落しをするというか、選択をいたすことにな
つております。それは先ほど申し上げましたように、各都道府県の財政的負担の
限度がございますので、
わくが大体きま
つて来ておる。こういうような
状況で、一方希望はふえても
わくがきま
つて来ておるという
状況にな
つているから、そういうことになるのであります。言葉をかえて申しますと、保証協会の活動
限度というものが、大体極限と言うと語弊がありますが、相当
程度行詰ま
つて来て、こういうようなところまで参
つておるわけであります。そこでこれに対しまして政府が再保証ををしろ、こういう要請が昨年来強いのであります。これは横道に入ると思うのでありますが、両三年来、保証協会を立法化いたしまして、保証協会法というふうなものをつくりまして、それを中心にして、それに国家が損失補償をする、こういうふうな体系を考えたことがあるのでありますが、またごく最近におきましても考えたのでありますが、いろいろ
事情で立法化がむずかしいということにな
つたのでございます。ところが今申し上げましたように、国が信用保証協会の活動を助けてやるという必要は日々に強くな
つて参りますので、今回新しく
中小企業信用保険法の改正をいたしまして、ここにいわゆる
責任保険という観念をもちまして、信用保証協会の保証債務を保険にかけるということを新しく考えまして、この提案に及んだ次第であります。保証協会の大体の活動
事情、それからこの信用保険法によ
つて保証協会が再保証をしようということに至りました経緯は、以上の通りでございます。