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門司委員 わかりました。もう
一つ聞いておきますが、私どもが最初
要求をいたしました
資料は、こういう
数字をわけただけでありませんで、各
市町村の
財政需要というものを十分見て行きますには、いろいろな
角度が必要でありますし、それからもう
一つは、ここでは甲町村、乙町村とわかれておりますが、この甲町村と乙町村とおわけに
なつた規模の
説明をお願ができれば、していただきたいと思います。われわれがそういうことを聞いておりますのは、今日の日本の都市の形というものは、どういう形であるかということです。日本の
地方の行政というものが、都市ならば都市を中心に
考え、あるいは村落を中心に
考えて参りましても、戰災によ
つて非常に荒廃した都市もあるわけでありまするし、また戰災を受けなくても、戰争のおかげで長い間何らの手入れもしていない非常に荒廃した町村がたくさんあるのでありまして、これらのものは、その荒廃の度合いと戰災の災害の度合いによ
つて、同じように律するわけには参らないのであります。
従つてここに今日の
地方財政の非常に苦しい現状が出て参
つておるのでありまして、これを完成されたアメリカの都市のような
考え方で、一切の
財政需要を見て行くというところに、私は大きな誤りがあると思う。日本の今日の
地方財政を見て行こうといたしますならば、そういうものを大体
基礎に置いて、それらのものからさらに
地方の町村が、あるいは
自治体が成長して行こうという新しい規模が、これに織り込まれなければならない。この度合いが非常にむずかしいのでありまして、われわれが実際
要求いたしておりまするのは、どの村で、あるいはどの町で、一体どういうものを
調査されたかということであります。私は神奈川県におりまするが、この中に神奈川県の
数字も出ておりますが、それは神奈川県のどこの村をどういうように
調査されたかということ、そしてその村の実態というものは、
数字だけには現われない村の将来の規模であるとか、あるいはさつき申し上げましたような諸條件が、どういう形に置かれておるかということが、
市町村の
財政の規模を見るには日本では最も大きな要素でなければならないと思う。この要素を忘れて、ただ單に平面的に
地方の行政だけを見て行くところに、
地方公共団体の都道府県知事のあるいは
市町村長等の
意見と、
大蔵省の
意見との非常に大きな相違が出て来ている原因があると思う。少くとも行政を行いますものは、それらの実態に即した
仕事をして行かなければならない。それが
大蔵省の
考えておりまするように、一切完成された都市のようなものの
考え方で平面的に見ているところに、私は
財政の問題で非常に大きな相違を来していると思う。
従つてもしおわかりでしたら、私の住んでおりまする神奈川県の調べられた町村の名前を
はつきりしていただきたい。そうすれば私の方も
調査いたしまして、一体
大蔵省の
調査した
数字と、われわれの
調査した
数字が合うか合わないかということも、一応見たいと思います。この問題は、單にここで議論するだけではございませんで、御存じのように、府県知事大会あるいは市長の大会、町村長の大会等、今までにか
つて見ざる大きな大会を開いて、さらに自治権擁護の大会を
市町村長が開くというような事態に立ち至
つております。これらの問題のすべては、今日の
地方財政が非常に苦しいために、この
財政をいかに打開するかということが、大きな問題にな
つて来ているからだと思う。大蔵
大臣でありませんから、そう政治的のことを申し上げてもどうかと思いますけれども、今まで日本で、今日ほど
地方の
公共団体の
責任者が東京に大挙して押しかけて来て、そうしてああいう大会を開いて、
政府に
要求するという事態が一体あ
つたかどうか。幸いにして良識のある
地方の知事並びに
市町村長でありまするから、そうはでなことはや
つておりませんが、そのや
つておりまする行為自体からわれわれが
考えて参りまするときに、あるいは行政の破綻を来すようなおそれを抱いて、ああいう行動をしておるのじやないかということを
考えて参りますると、政治の
末端機構である
地方財政が破壊されて、
地方行政が破綻するということになれば、これは申し上げるまでもなく日本の破綻である。われわれはこれを端的に言うならば、政治的末期症状だと
考えてもさしつかえのないほどの状態であると、突き詰めて
考えれば
考えられる。こういう事態を
考えます場合には、さつきの御
答弁のようなことだけでは、やはり承服はできませんので、この
資料につけて、どこの
自治体をどういうふうに
調査したかということの、もう少し明細な
資料を
出していただきたい。それと同時に、甲町村と乙町村にわけられたその理由といいまするか、それをもう少し明確に示していただきたい。