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1951-11-08 第12回国会 衆議院 地方行政委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十一月八日(木曜日)     午前十一時三十四分開議  出席委員    委員長代理 理事 野村專太郎君    理事 河原伊三郎君 理事 龍野喜一郎君    理事 藤田 義光君 理事 門司  亮君       生田 和平君    池見 茂隆君       大泉 寛三君    尾関 義一君       門脇勝太郎君    川本 末治君       小玉 治行君    吉田吉太郎君       鈴木 幹雄君    床次 徳二君       久保田鶴松君    立花 敏男君  出席政府委員         地方財政委員会         委員長     野村 秀雄君         総理府事務官         (地方財政委員         会事務局長)  荻田  保君         地方自治政務次         官       小野  哲君         大蔵事務官         (主計局長)  河野 一之君  委員外出席者         大蔵事務官         (主計官)   白石 正雄君         專  門  員 有松  昇君         專  門  員 長橋 茂男君     ――――――――――――― 十一月五日  委員門司亮辞任につき、その補欠として前田  種男君が議長指名委員に選任された。 同月七日  委員玉置信一君及び大矢省三辞任につき、そ  の補欠として尾関義一君及び門司亮君が議長の  指名委員に選任された。 同月八日  委員中島守利辞任につき、その補欠として佐  藤親弘君が議長指名委員に選任された。 同日  門司亮君が理事補欠当選した。     ――――――――――――― 十一月二日  地方財政平衡交付金増額並びに起債額拡大に関  する請願大石ヨシエ紹介)(第六二一号)  同(山崎岩男紹介)(第六二二号)  ゴルフ場設置に伴う代地補償に関する請願(千  葉三郎紹介)(第六四四号) 同月七日  附加価値税土石採取業を第二種に指定の請願  (宮原幸三郎紹介)(第七〇一号)  地方税法改正に関する請願久野忠治紹介)  (第七八二号)  公職選挙法の一部改正に関する請願久野忠治  君紹介)(第七八三号)  自治体警察特別捜査費国庫負担請願久野  忠治紹介)(第七八四号) の審査を本委員会に付託された。 同月六日  平衡交付金増額に関する陳情書  (第四八三号)  国家公安委員会廃止反対に関する陳情書  (第四九一号)  市町村職員給與改訂に対する財源措置に関す  る陳情書(  第五一六号)  平衡交付金配分等に関する陳情書  (第五一九号)  特別市設置反対に関する陳情書外五件  (第五三  〇号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  理事の互選  地方財政に関する件     ―――――――――――――
  2. 龍野喜一郎

    龍野委員長代理 これより会議を開きます。  都合により私が委員長の職務を行います。  この際理事補欠選任についてお諮りいたします。すなわち、理事でありました門司亮君が、去る五日一度委員辞任いたされましたので、理事が一名欠員となつております。  つきましては理事補欠選任を行いたいと思いますが、これは投票の手続を省略して、委員長より指名することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 龍野喜一郎

    龍野委員長代理 御異議なしと認め、門司亮君を理事指名いたします。     —————————————
  4. 龍野喜一郎

    龍野委員長代理 それでは、地方財政に関する件について、調査を進めることにいたします。  前会におきまして、一応地方財政平衡交付金に関する問題につきましては、地財委当局及び大蔵当局に対して、それぞれ質疑行つたのでありますが、本日はさらに地財委当局及び大蔵当局に対し、質疑を行います。
  5. 門司亮

    門司委員 大蔵省の方の来る前に、ちよつと自治庁一つお伺いをしておきたいのですが、これはさきに、予算委員会であつたかと思いますが、岡野国務大臣が、地方財政に対しては平衡交付金増額するということ、さらに起債わくを広げるというようなことができない現在の段階で、これを考慮して、短期債によつて大体まかなうというような意見が申し述べられておるのでありますが、もし短期債で、今の地方財政難を救つて行くということになりますると、一応話は何か都合のいいように聞えまするが、実際は本質が非常に違つておりまして、平衡交付金の場合は、地方財政需要と、さらに收入との関係のアンバランスを埋めるという形で、平衡交付金が交付されそのいるものの、足りないものを短期債でありましても、起債肩がわりして行くというような行き方は、私はどうかと思うのであります。その辺をどうか明確にしておいていただきたい、というのは、地財委要求しております百五十億の起債を、百億しかしないということになつておる。その五十億だけを一体短期債でやるのか、あるいは地財委要求である財政平衡交付金が二百億を百億しか出していない、これも百億足りないのであります。この百億も一緒に合せて百五十億というものが大体短期債で出されるという話であるのか、この辺をひとつ明確にしておいていただきたい。
  6. 小野哲

    小野(哲)政府委員 岡野国務大臣から御答弁することが適当かと思いますが、私からただいまの御質問に対しまして、一応お答えをいたしておきたいと思います。  地方財政の現況から考えまして、政府としては平衡交付金増額並びに起債わくの拡張につきまして、御承知の通り処置をとりたいと考えておる次第でありますが、さらに窮迫しておる実情を見ますると、他に何らかの方法がありますならば、これに対して対処して参りたいという心組みを持つておりますがために、岡野国務大臣といたしましては、池田大蔵大臣ともいろいろと相談を実は進めておるような次第であります。ただ問題はただいま門司さんが言われましたように、どの程度の額にするかということにつきましては、まだ折衝の途上にありますために、はつきりとしたことを私からは申し上げかねるわけでありまして、具体的にこれが取進め方につきましては、種々研究を進めておるように私も聞いておるわけであります。従いまして最善の措置とは考えられませんけれども、短期融資等方法によりまして、少しでも当面の地方財政の窮迫しておる実情を打開することができますればと思いまして、せつかく岡野国務大臣が努力をいたしておりますことを申し上げておきたいと思います。
  7. 門司亮

    門司委員 今の御答弁だけでは、われわれそのまま受取るわけには参らぬのでありますが、私どもがこういうことを聞いておりますのは、百五十億が両方とも短期起債で出るということになつて参りますると、なるほど地方の使います金においては、同じような額になつて参りまするが、短期起債でありましても、やはり今日九分五厘くらいの利息は払わなければならぬことは、わかり切つたことである、従つて地方財政から申しますと、非常に困つておりまするときに、当然政府処置として、平衡交付金増額されなければならないものを増額しないで、そうして政府には預金部資金が七百億あるから、このうちで貸してやるから使つたらいいだろうというようなものの考え方は、われわれはどうしても納得が行かぬのであります。もし地方財政ほんとうに完全なものとして行こうというお考えなら、少くともそういう非常に困つておる市町村が、利息を払わなければならない、ことに短期債でありますことのために、それの借りかえがその次には必ず必要になつて来る。今日の地方財政状態というものは非常に困つておりまして、預金部資金にあらざる、地方市中銀行から、きわめて短かい期間に高い利息払つて、借りかえその他のときには、これのつじつまを合せておるというような実情でありまして、従つてこうした実情をそのままの姿において、そうして短期公債によつて、それを何とか考えて行くということは、政府のたた一時のがれの、責任回避の問題であつて地方財政を根本から救つてやろうという誠意がないというように考えられる。従つて今の御答弁から考えてみますると、岡野さんの予算委員会における答弁の内容、かなりはつきりした自信のあるようなことを、国務大臣としては言われておりましたが、私がもう一つつつ込んで聞いておきたいと思いますることは、もし大蔵省との間に話がある程度進んで参りますならば、先ほど申し上げましたように、起債の五十億の分であるのか、あるいは百億の分であるのか、平衡交付金の分であるのかということを、明確にしていただきたいということと、それからもう一つは、もし百億の平衡交付金肩がわりとして、短期融資が行われるということになつて参りまするならば、その利息だけは当然政府が支払うべきであつて地方にそれまで負担させるわけに行かぬと思いますが、われわれはさつき申し上げましたように、どこまでも平衡交付金の形において、地方負担をかけないで、政府責任においてこれを支出すべきであるということを固執するのでありますが、百歩を讓つて、これを借りかえに求めるといたしましても、それから生ずる利息だけは、やはり政府責任においてこれを支払つてもらいたい。また支払うことが正しいと考えておりますが、その点に対する心構えがもしおありでしたら、お話願いたいと思います。
  8. 小野哲

    小野(哲)政府委員 先ほどお答えいたしましたように、目下のところは両大臣の間において話を進めておりまする段階にございまして、具体的にこれが措置についてどうするかというところまでの結論に、実は至つておりません。従つてただいまお話になりましたような利息問題等につきましても、ここで私からはつきりと申し上げるまでに至つておらないわけであります。
  9. 門司亮

    門司委員 私は、あとで大臣おいでになりましたら、もう少しお聞きしておきたいと思いますが、せつかく地財委の方がおいでになつておりますので、一応地財委意見をこの機会に聞いておきたいと思いますそれは大蔵省の定めておりまする定めるといいますか、計画をいたしました地方財政見積りの中に、予備費として百億が実は計上されておるわけであります。地財委は、この予備費の百億をどういう形で受入れられたかということであります地財委の方から出されておりまする数字は、大蔵省数字とは非常に大きな開きをもつておりまして、たとえば地財委出し昭和二十六年度の新規財政需要額というようなものについては、三百六十六億も削られておる。そのほか既定財政規模につきましても、やはり百六十八億というものが創られておる。こういうふうに非常に大口のものが創られておつて地方財政委員会要求しない、いわゆる経費の中に見積つておらないもので、百億というものが大蔵省の案で予備費に繰‘入れられて、そうして大蔵省のこの前の委員会における答弁に上りますと、既定は、算定基礎としてわれわれが考え数字と、地財委数字が違うので、われわれの考え数字において大体地方財政考えて見た。しかしなが、らそれだけではいけないと思うので、実は予備費として百億を考えておるのである。こういう答弁をしておつたのでありますが、もしこういうことであるとするならば、地財委の出されましたこの数字というものは、まつた大蔵省考え方からすると、不見識なものであつて一体大蔵省対地財委力関係といいますか、から考えて見ますると、数字は当てはまらないが、しかし足りないであろうから、予備費として百億だけは出してあげようというような、何か高いところから低いものに物を與えるような感じが、私はこの数字両方突き合して見て考えられるのでありますが、この百億に対する地方財政委員会の受入れの心境といいますか、それはどういうお気持であるか、ひとつ委員長からお聞かせを願えるならば幸いだと思います。
  10. 荻田保

    荻田政府委員 私からお答え申し上げます。  まつたくおつしやる通りでございまして、われわれといたしましては、はつきりと地方財政需要として、いるものを全部正直に出したのであります。従つて予備費というような使途のない、いいかげんなものは入れないという方針は、あくまでとつたわけであります。大蔵省がどういう意味で入れたか、いろいろ説明もあつたわけでありまするが、大体私の見ましたところでは、われわれの要求しております單独公共事業費増加というようなこと、それからもう一つは、物価騰貴による物件費増加、こういうものを全然見ないで、ここに持つて来たのじやないかと思われます。われわれといたしましては、一応根拠のあるところによりまして、それぞれ具体的に、單独公共事業費の増とか、物価騰貴による一般経費の増、そうして大体これに相当するもの二百八十億余りというものを出したわけであります。     〔龍野委員長代理退席河原委員長代理着席
  11. 門司亮

    門司委員 今の経緯だけを伺つたわけでありますが、われわれといたしましても、こういう数字でただ單につじつまを合せるというだけでは、大蔵省出しておりまする数字に、いかに大蔵省自身はつきりした自信を持てないかということがわかるのであります。足りないであろうからといつて百億を増すくらいなら、この各項目にわかれて、もう少し詳細に検討して出すということが正しいのであつて従つて私は大蔵省出したこの数字自体にも、実は信用が置けないのでありますが、地方財政委員会としては、出された数字が大体間違いがないという確信の上でお出しなつたかということをお聞きしたいと思います。こういうことは非常に不見識のように聞えるのでありますけれども、この数字を見ます。ると、先ほどから申し上げておりますような、大蔵省側の実にいいかげんな数字で、ものがきめられておるようになつているから、従つて地財委としては、ここではつきり私聞いておきたいと思いますることは、地財委の出されたこの数字が、どこから考えても、あるいはどこからこれを調査しても、正しい数字であるという確信の上で、お出しになつておるかどうかということを、一応この機会にひとつお話が願いたい。
  12. 荻田保

    荻田政府委員 われわれといたしましては、それぞれ根拠ある数字に基きまして、このような額を算定したのであります。従いましてそういう意味では正確なものであるということを、確信を持つております。ただ非常に国、地方を通じて財政の困難なときでありますから、あらゆる仕事につきまして十分な、相当ゆとりがあると申しますか、ゆとりがあるというほどまで行かなくとも、相当十分だというところまではなかなか行つていないのでありまして、ぎりぎり一ぱいこれならやれるというところを、最低限を正確に出した、こういう心持で計算しておるのであります。
  13. 門司亮

    門司委員 もう一つ聞いておきたいことは、歳入の面でありますが、歳入の面で、大蔵省意見地財委意見が、大体一致しておるのでありますが、これは私は少しおかしいと思うのです。本来ならこの支出の面で違いますと同じように、私はやはり歳入の面でも違つておらなければならないと思う。ことに大蔵省から出ておりまする手数料というようなものが、この前の数字にも書いてありますが、この使用料手数料大蔵省は非常にたくさんに見ておる。これにも書いてありますように、百四十二億を見ておる。ところがこの前の当初予算のときに地財委から出されましたこの使用料手数料いうものはきわめて少額であつて、そうして大体これの百倍くらいの大きさがおそらく大蔵省意見であつたと思うのでありますが、今度のこの数字を見てみまするとこの数字がまつたく同じになつておる。一体こういうことを考えると、当初予算のときに出された地財委歳入に対する使用料手数料というのは、あれは当初予算のときの数字間違つてつたということである。この点はひとつそういう間違いであつたかどうかということを、一応私は聞いておきたいと思います。それからそのほかの問題につきましても、内閣地方財政委員会との歳入の額が同じであるという数字根拠は、はつきりわれわれにはわからぬのでありまして、歳出が違うと同じように、私はやはりこの歳入の形も違つて来なければならないと思う。この両方から出して参りまして、歳入が同じだということになつて参りまして、そうして大蔵省出して参りましたこの歳出考えて参りますると、案は少しばかり金が余るような形になつて来ておる。地財委の方は四百三十八億の金が足りないと言つておるが、内閣算定によると、七十七億の金が余つて来るような数字が出て来ておる。私はこういう両方出し資料というものが、ほとんどわれわれの想像することのできないような支離滅裂のような形で出て来ておるところに、先ほど事務局長は、出し歳出数字に間違いがない、非常な根拠があつて出したものだと言われておるのでありまするが、実際はあまりはつきりした根拠がないのではないかというような、一応の危惧を持つのであります。歳入の面に対してもまつたくこれが同じであるということは、やはり先ほどと同じように、あらゆる調査に基いて確信の上にこれをお出しなつたかどうかということを、あわせてひとつお聞きをしておきたい。
  14. 荻田保

    荻田政府委員 歳入につきましてもそのような趣旨出したのであります。大蔵省の当初の数字というのは、ここに出ておりまする数字とはまた違うわけであります。もちろんわれわれの数字も違つたわけでありまするが、何も特に争うのが目的ではありませんので、両者検討しまして、意見が一致するところは合すという方針によつておりまするので、大体歳入については合つたわけでございます。その使用料手数料のところは、まつたくおつしやいました通りなのでありますが、この点につきましては、その後決算等のあつたものもありますし、もう一つ考え方としまして、特定事業に対しまする特定收入というようなものを外に見るか、内に見るかというようなことも考えたのでありまするが、一応ここでは内に見ましたので、当初の数字とは違つたわけでございます。
  15. 門司亮

    門司委員 これは当初予算のときと同じようなことになつておると私は思います。当初予算のときもこれを内に見るか外に見るかということで、実は議論があつたと思います。そのときの地財委意見としては、いろいろ理由もありましたし、われわれもまたそう考えておつたのであります。それは地方手数料あるいは使用料の中には、目的税的の性格を持つものが非常にたくさんあつて従つてその使用料手数料というものは、大体事業にほとんど使われる引合いを持つたものであつて、これはやはり内に見るべきでないという意見が、私はその当時立てられておつたと思うのであります。従つてああした数字が出て来ておつたと思いますが、今のお話を聞いて参りまして、これを内に見て来るということになつて参りますると、地財委意見が当初の予算のときとかわつて来たというように、はつきりこれは認めてさしつかえございませんか。
  16. 荻田保

    荻田政府委員 この見方につきましては当初とかわつたわけでございます。従いまして歳出の面において、また相違が出て来るわけでございます。
  17. 門司亮

    門司委員 見方がかわつて来たといえばまあそれでいいと思いますが、少くとも国の予算の形の上において、当初予算と今度の補正予算で、見方が違つて来たというようなことで、一体いいのか惡いのかということである。ことにこの問題は相当大きな数字に上つておりまするので、歳入にこういう大きな数字で見積られると見積られないということでは、地方財政にも非常に大きな影響を持つと思うのであります。従つて地方財政計画を立てまする場合に、今のような趣旨財政計画を立てられて、補正予算が出されるということになつて参りますと、地方公共団体というものは、政府といいますか、地財委の見解が異なつたことにおいて、やはり相当予算の執行の上に、大きな欠陷を生じて来るのではないかというようなおそれを抱かざるを得ないのであります。その点については、地財委としては地方公共団体に対して、この見積り方法が多少かわつて来た、従つてこれによつて平衡交付金その他にも多少影響があると思いまするので、何らかの指示をされておるかどうかということであります。これは指示も何もされていないで、そうして中央だけでこういうことが組まれておりますると、末端公共団体では、それは外に見るべきものだというようなことで仕事を進めて行つてつて政府の方ではこれを内に見られておつたということになつて参りますると、多少の食い違いが生じて来まするので、局長がもし当初予算違つた考えでやつたということなら、その旨を地方公共団体に親切に伝えられているかどうかという点をひとつお聞かせ願いたい。
  18. 荻田保

    荻田政府委員 ただいま申し上げましたように、これは計算のかつこうをかえただけでございまして、実質は別にかわつておらぬわけでございます。特にこのために歳入をずつとふやしたという関係にはなつていない、ただ表のつくり方をかえて、外に出したものを内に入れたというだけでございます。
  19. 門司亮

    門司委員 事務的にはそういうことが言えるかもしれませんが、実際仕事をしておりまする側に参りますると、たとえば地方財政平衡交付金関係におきまして、いろいろな角度からこういうものを地方財政平衡交付金の対象にすべきかすべきでないかということについても、私は問題が出て来はしないかというように考えられるのであります。従つて事務的には何らの支障がないからということで、私は実際の問題を片づけて行くわけには参らぬと思います。局長地財委の方でこれを何にも指示しなかつたと言われれば、指示しなかつたということで、私はそれ以上追究はいたしません。しかしわれわれが考えて参りますると、やはりこういうものは将来の算定基礎になる数字でありますので、たとえば来年度の予算編成する場合におきましても、地方要求額その他におきまして、内に見るのと外に見るのとでは、予算数字がおのずから違つて参ります。従つてはり地財委としてはこれを徹底して、そうしてもう少し親切な態度をとつてもらいませんと、来年度の予算編成のときにも、ある自治体はこれを内側に今まで通りに見積るべきだというのがこつちに申告がされ、予算編成に非常に困るようなことがあると思いますので、この点は地財委では特に留意をしていただきたいと考えておるのであります。  今大蔵省主計局白石という方がおいでなつたということでありますけれども、委員長ちよつと聞いておくのですが、この人だけでありますか。それとももう少し責任のある人がおいでになつておるのか。一体どうなんですか。
  20. 河原伊三郎

    河原委員長代理 責任がある人かどうかということですが、説明員ですから、相当責任を持つて答弁をされると思います。
  21. 門司亮

    門司委員 今日は事務的のことだけを聞くというならばいいのですが、政治責任のない人だと、あまり聞いても実はしようがないのです。数字つじつまが合うとか、合わぬというような事務的なことならばお聞きいたしますが、それ以上政治的に責任が持てるかどうかということまで聞いていいかどうか。責任のない人に聞いても始まらぬのですから。
  22. 河原伊三郎

    河原委員長代理 説明員として来られたのですから、説明員としての責任は持たれると思います。
  23. 門司亮

    門司委員 それでは大蔵省の方に聞いておきますが、この前の委員会要求いたしました市町村歳出入の額の調査の表がここに出されておりますが、これはただ單に各府県の幾つの村を集めておるということだけであつて、具体的にちつとも示されておりません。われわれがほんとうに見たいと思いますことは、町村別にこれを明らかにしてもらいたい。どこの村をどういう角度で調べたかということが、これにはちつとも出ておりません。北海道の十一の村を調べたというが、どこの村をどういう角度で調べたのか、ちつともわかつておりません。こういう資料では、われわれがほんとうの行政の末端を見て、そうして地方財政がどうなつておるかということを調べます場合に、非常に困難がある。われわれはこれだけの数字ではわかりませんので、北海道を十一調べたというのはどこの村とどこの村であつて、その調査の内容はこうであつたということの説明ができるなら、この機会にお聞かせ願いたい。
  24. 白石正雄

    白石説明員 ただいま御提出いたしました資料は、今お話のありました通りに、單なる集めました数字だけでありまして、具体的にどの市町村財政がどういうようになつておるということにつきましては、別途実地に地財委と協力いたしまして、二、三調査した実際はあるのでありますが、ただいま御提出をいたすような資料といたしましてまとめたものはございませんので、この春以来まとめました千百町村に及ぶ地方財政数字を御提出した次第であります。
  25. 門司亮

    門司委員 千百でありますか。ここでは百五十八と書いてございますが、どつちの数字が正しいのですか。
  26. 白石正雄

    白石説明員 甲町村と乙町村を合計いたしますと、千百になつておるはずであります。
  27. 門司亮

    門司委員 わかりました。もう一つ聞いておきますが、私どもが最初要求をいたしました資料は、こういう数字をわけただけでありませんで、各市町村財政需要というものを十分見て行きますには、いろいろな角度が必要でありますし、それからもう一つは、ここでは甲町村、乙町村とわかれておりますが、この甲町村と乙町村とおわけになつた規模の説明をお願ができれば、していただきたいと思います。われわれがそういうことを聞いておりますのは、今日の日本の都市の形というものは、どういう形であるかということです。日本の地方の行政というものが、都市ならば都市を中心に考え、あるいは村落を中心に考えて参りましても、戰災によつて非常に荒廃した都市もあるわけでありまするし、また戰災を受けなくても、戰争のおかげで長い間何らの手入れもしていない非常に荒廃した町村がたくさんあるのでありまして、これらのものは、その荒廃の度合いと戰災の災害の度合いによつて、同じように律するわけには参らないのであります。従つてここに今日の地方財政の非常に苦しい現状が出て参つておるのでありまして、これを完成されたアメリカの都市のような考え方で、一切の財政需要を見て行くというところに、私は大きな誤りがあると思う。日本の今日の地方財政を見て行こうといたしますならば、そういうものを大体基礎に置いて、それらのものからさらに地方の町村が、あるいは自治体が成長して行こうという新しい規模が、これに織り込まれなければならない。この度合いが非常にむずかしいのでありまして、われわれが実際要求いたしておりまするのは、どの村で、あるいはどの町で、一体どういうものを調査されたかということであります。私は神奈川県におりまするが、この中に神奈川県の数字も出ておりますが、それは神奈川県のどこの村をどういうように調査されたかということ、そしてその村の実態というものは、数字だけには現われない村の将来の規模であるとか、あるいはさつき申し上げましたような諸條件が、どういう形に置かれておるかということが、市町村財政の規模を見るには日本では最も大きな要素でなければならないと思う。この要素を忘れて、ただ單に平面的に地方の行政だけを見て行くところに、地方公共団体の都道府県知事のあるいは市町村長等の意見と、大蔵省意見との非常に大きな相違が出て来ている原因があると思う。少くとも行政を行いますものは、それらの実態に即した仕事をして行かなければならない。それが大蔵省考えておりまするように、一切完成された都市のようなものの考え方で平面的に見ているところに、私は財政の問題で非常に大きな相違を来していると思う。従つてもしおわかりでしたら、私の住んでおりまする神奈川県の調べられた町村の名前をはつきりしていただきたい。そうすれば私の方も調査いたしまして、一体大蔵省調査した数字と、われわれの調査した数字が合うか合わないかということも、一応見たいと思います。この問題は、單にここで議論するだけではございませんで、御存じのように、府県知事大会あるいは市長の大会、町村長の大会等、今までにかつて見ざる大きな大会を開いて、さらに自治権擁護の大会を市町村長が開くというような事態に立ち至つております。これらの問題のすべては、今日の地方財政が非常に苦しいために、この財政をいかに打開するかということが、大きな問題になつて来ているからだと思う。大蔵大臣でありませんから、そう政治的のことを申し上げてもどうかと思いますけれども、今まで日本で、今日ほど地方公共団体責任者が東京に大挙して押しかけて来て、そうしてああいう大会を開いて、政府要求するという事態が一体あつたかどうか。幸いにして良識のある地方の知事並びに市町村長でありまするから、そうはでなことはやつておりませんが、そのやつておりまする行為自体からわれわれが考えて参りまするときに、あるいは行政の破綻を来すようなおそれを抱いて、ああいう行動をしておるのじやないかということを考えて参りますると、政治の末端機構である地方財政が破壊されて、地方行政が破綻するということになれば、これは申し上げるまでもなく日本の破綻である。われわれはこれを端的に言うならば、政治的末期症状だと考えてもさしつかえのないほどの状態であると、突き詰めて考えれば考えられる。こういう事態を考えます場合には、さつきの御答弁のようなことだけでは、やはり承服はできませんので、この資料につけて、どこの自治体をどういうふうに調査したかということの、もう少し明細な資料出していただきたい。それと同時に、甲町村と乙町村にわけられたその理由といいまするか、それをもう少し明確に示していただきたい。
  28. 白石正雄

    白石説明員 お話通りに全国一万もある団体でありまするので、その実態を明らかにすることは非常に困難であります。二十五年度の決算にいたしましても、まだ私どもは地方財政委員会から、その決算の内容をいただいていないという状況でありまするので、どういう市町村をピツク・アツプしてその実態を明らかにするかという、標準の選び方は非常に困難であります。私どもが一、二参りましたような町村では、幸いにして六・三の建築費等が、すでに完成せられておりまするので、比較的その後の財政は余裕があるというな町村もあるかと思いますれば、また他方におきましては、いまなお六・三の建築費もできなくて非常に困つておるというような町村もあるという状況でありまするので、ただ單に一、二の町村のみを抽出して、それをもつて全般の市町村財政を推すことは、非常に無理であろうと考えるわけであります。私どもが市町村財政の実態を明らかにする目的で、どういう抽出の方法を選ぶかということにつきましては、そういう点におきまして困難を感じたわけでありまするが、まず比較的に農村とか、山村とか、漁村とか、あるいは都市に近い衛星的な町村というような標準にわけまして、そういつた標準の中から、比較的その府県において標準的であると思われるような町村を選んで、決算見込みを出していただくようにという通牒を出しまして、集りましたのがこの千百団体に及ぶ数であります。従いまして私どもといたしましては、これが比較的市町村の標準的な財政を現わしているのではなかろうか、かように考えまして御提出した次第であります。従いまして御指摘の神奈川県の町村が、どの町村であるかということは、ただいま手元にはわかりませんので、もし御必要とありますれば、後日調べました上で御提出いたしたいと思います。  それから甲町村、乙町村の区別は、自治体警察のある町村と、ない町村との区別であります。
  29. 門司亮

    門司委員 もうこれで私やめますが先ほどのことで、事務当局の調査なさつたのが、比較的標準と見られるようなところ、こういうお話でありましたが、私は、標準と見られるような町村の調査というものが、実態を現わすということは、これは役人の非常な安易な物の考え方であると思います。もし標準をとられるならば、ほんとうに惡いところをとつてもらいたい。あるいは非常に裕福なところをとつてもらいた。そうして裕福なところはどこに原因があるか、惡いところはどこに原因かあるか、これが明瞭にならない限りにおいては、ただまん中をとればよかろうというようなことになつて来れば、これは調査の上で誤りであると思う。いずれの物を調査する場合におきましても、普通常識から考えてみれば、まずいいところと惡いところを一応調査して、そうして地方財政は大体このくらい足りないのではないかということを、標準の町村にそれを比べて行く、この三つが照合されて、初めて地方財政というものの形が現われて来なければならないので、まん中だけとつて行けば、まん中は大てい標準のところでありますから、私は大して大きな数字というものは出て来ないと思う。またそれらのものはそんなに数字的にも実際的にも問題を起す町村ではないと思う。今日の自治体がやつて行けないというのは、困つているところがたくさんあるから、これをどうするかということであります。従つて私は、もし今のような御答弁であるとすれば、大蔵省調査方法に非常に大きな誤まりがあると思う。私はこれ以上申し上げませんが、さつきの神奈川県の問題だけは、ぜひ御呈示を願いたいと思います。
  30. 藤田義光

    ○藤田委員 ちよつと関連して。私の聞き違いかもしれませんが、大蔵省主計局では町村財政の実態をつかんでいないというふうに、御答弁があつたように拜聽しておりますが、間違いありませんか。
  31. 白石正雄

    白石説明員 実態をつかんでいないというような意味のことを申し上げた意図はなかつたのでございまして、何かあるいは言い間違いであつたかと思いますが、御質問はどういう意味でございましよう。
  32. 藤田義光

    ○藤田委員 門司委員の質問に対しまして、私が拜聽したのでは、大体門司委員の言われる通りに、町村の詳細な実態はつかんではおらぬということを言われたように拜聽しておりますが、もしそういうことになりますと、実態をつかんでいない大蔵省主計局が、あの平衡交付金その他起債問題等に関しまして、強硬な態度を示し、しかも地方自治体の要望を阻止しておるということは、これは重大なことです。だからもしそういう発言であつたならば、この際もう一回繰返してその点をはつきりお答えを願いたい。これは資料が出ておりますから、その資料説明に関連した答弁で、そういうふうなお答えがあつたように私は拜聽いたしております。
  33. 白石正雄

    白石説明員 市町村は申すまでもなく一万有余もある団体でありますので、その一万の団体のすべてにわたりまして詳細なる調査をすることは、非常に困難であるという意味におきましての実態をつかんでいないということならば、その通りだと申し上げざるを得ないと思います。ただわれわれは、実態を調査するにつきまして、そういう意味においてどういうような方法で、最も的確に実態をつかむ調査をしたらいいかという点に非常な困難を感じて、そうしてこういうような方法で、千百の調査を実施したのであるということを申し上げたわけであります。
  34. 藤田義光

    ○藤田委員 事は非常に重大でございます。地方自治は民主主義の発展の基盤になります。この民主主義の発展の基盤たる地方自治、なかんずく町村の実態調査に関しまして、数が多いから十分詳細な調査ができぬという御答弁でございましたが、これは、もし十分詳細な調査ができぬならば、十分な組織と人員を擁しております地方自治体並びにその相談相手たる自治庁あるいは地方財政委員会資料を、最も正確な政府機関の資料として取上げなくてはならぬわけです。しかるに実際の政府の行政運営を見ておりますと、大蔵省主計局が中心になつて、十分ならざる調査に基いてすべての地方財政の運営がきめられておるというふうに、われわれは解釈いたしております。だから白石説明員の御答弁に関しましては、いずれ後刻本会議におきまして、私は大蔵大臣はつきりと申し上げてみたいと思いますので、ただいまは関連質問でありますから、これ以上は申し上げませんが、今後はぜひとも詳細な資科に基いて、正確な判断のもとに地方財政を観察してもらわぬことには、日本の民主主義の基盤である地方自治というものは発展しません。こういう意味で私は、白石説明員の御答弁をいま一度速記録によつて調査いたしまして、本会議場において十分質問する機会をつくつてもらいたいと思います。これは委員長にお願いいたします。
  35. 白石正雄

    白石説明員 大蔵省資料地方財政委員会資料が食い違つておるというお話のように拜承いたしましたが、大蔵省主計局といたしましては、地方財政委員会から提出せられました資料基礎にして立案を進めておるわけであります。昭和二十四年度の決算額を基礎といたしまして推算いたしましたのは、まさに地方財政委員会から提出せられた資料であります。しかしながら昭和二十四年度はすでに古い年次に属しますので、その後の最近の資料を私どもは求めたいと考えたのでありまするが、地方財政委員会としてもいまだ整つていなかつたので、相協力して二十五年度の決算をとりまして、それも参考としていろいろ推定を下したわけであります。従いまして、決して大蔵省が、地方財政委員会資料を無視して、独自の資料によつて事を推定したということはないのであります。ちよつと念のために申し添えておきます。
  36. 床次徳二

    ○床次委員 ただいままでいろいろ地方財政の議論が出ましたが、一番今日の地方財政において問題といたさなければならないことは、地方財政委員会考え大蔵省並びに内閣の査定額が、非常に違うという点であります。ここに地方財政計画表がありまするが、地方財政委員会意見によれば、四百三十億は欠陷がある。これに対しまして、内閣大蔵省査定は七十七億のプラスがあるという結論になつておるというところに、大きな問題があるのであります。私どもはこの問題をこのまま看過することはできないと考えております。これについて順次御答弁いただきたいと思いますが、小野政務次官もおられるので、これは政府意見を代表される方と思つて御質問申し上げます。もし困難でありまするならば、今後の問題につきましては、適当の方の御出席までお待ちいたしたいと思います。  第一に既定財政規模に対しまして、両者の意見に百六十八億ばかりの差があるわけであります。私どもはこの既定歳出における意見の差というものは、昨年の交付金の問題におきましてもこれはすでに問題になつて、これが引続きことしに来ているのでありまして、今日の地方財政の一番窮迫の根源は、まずここから解決しなければならぬわけであります。内閣の査定のごとく考えましたならば、現在の地方団体はまことに不当な経理をやつているということも同時に言えるのだと思う。政府が必要と認める以上の支出をして同じ仕事をやつてつたということになるのであります。この点に関しまして、地方財政委員会あるいは地方自治団体は相当責任があるのだと私ども考えております。市町村民に対しまして、よけいな不当支出をしたということが、同時に言えるのじやないかと思うのでありまするが、この点内閣ははたしてさようなことをお考えになつておるかどうか、また内閣のかかる考え方に対しまして、地方財政委員会地方自治団体の支出がよけい過ぎたのだ、こういうことではいけないということに対して、御注意を與えて来られたかどうかということを承りたいと思います。
  37. 小野哲

    小野(哲)政府委員 床次さんからあらかじめ條件を付しての御質問でありますので、私もさような意味合いで御答弁申し上げたいと思います。  地方自治庁という立場におきましては、地方公共団体財政の面につきましては、地方財政委員会とともどもに格段な関心を持つておりまするし、何とか財政運営が円滑に行くようにという心組みでやつておりますので、従つてただいまお話のありましたような問題につきましては、むしろこれに関して内閣の案ではございますが結局におきまして、政府予算編成を担当しておる大蔵省意見としてお聞取り願う方がいいのじやないか、さような意味合いで、私といたしましては、この点について内閣としてこう考えておるというふうな御答弁は、地方自治庁仕事を担当しておる者としてはお答えいたしにくいので、御了察願いたいと思います。
  38. 床次徳二

    ○床次委員 小野政務次官がどうも御答弁困難であるようでありまするから、私はこれは内閣という立場において御答弁できる政府委員の御出席をいただきたい。これを委員長にひとつおとりはからいをいただきたいと思います。  次にお願いいたしたいのは、災害に対する問題でありまするが、今度のルース台風による被害というものは、各地方団体とも相当大きなものでありまして、これが対策に関しましては、今日政府においてもいろいろ考えておられまするが、地方財政平衡交付金を処理するという立場において、いかようにお考えになつておるか、御意見を承りたいと思います。従来平衡交付金の交付におきましては、災害というものもある程度まで考慮して配分せられておるようでありまするが、今日までの配分の実績を見て参りますると、まだまだ災害というものの要素を大きく考えてよいのではないかというふうに、私ども見ておるのであります。すなわち一般交付金の場合におきましても、災害というものがどの程度まで、一般財政影響するかということをお考えいただきたい。すなわち最近の状態を見ますると、災害の被害を受けまする府県は次々と重なつて災害を受ける、しかもその災害の処理というものが完了せられていない。これが最近の地方財政の大きながんになつておるのであります。従つて一般平衡交付金の配分の際におきましても、災害というものの計数を多分に見ていただく必要があるのだと考えております。なお特別交付金の場合におきましては、もとより災害の特殊性を見まして、よけいひとつ配分をせられることが必要である。なお場合によりましたならば、今回の災害等におきましては、さらに平衡交付金の災害による追加交付ということも必要ではないかと思うのでありまするが、これに対する御意見を承りたい。
  39. 荻田保

    荻田政府委員 災害につきまして、普通交付金の方におきましては、公債費というのがございますが、それはもつぱら災害のための起債の償還費を全額見ているわけであります。これによりましてある年度の災害復旧費等は、大部分起債によつて地方負担は処理されると思われますので、その償還を将来平衡交付金によつて考慮するという方法で解決したい。  なお申し落しましたが、ことしからの災害に対しまする補助法におきましても、財政力と災害額とをにらみ合せまして、補助をするようにもなつております。それ以上に一般普通交付金においてはなかなかむずかしい。特別交付金におきましては法律にも書いてありますように、災害ということを相当重く考えまして、分配いたしたいと考えております。
  40. 床次徳二

    ○床次委員 普通の場合でありまするならば、ただいまお言葉のように、災害に対しましてはいわゆる起債額——公債費というものによりまして、わけるということも一応の理由が立つのでありますが、先ほど申し上げましたように、災害がたび重なるということによつて被害が累増して来る、県民の負担、町村民の負担というものが、非常に苦しくなりまする場合を考えますると、公債費だけをもちましてこれをあんばいするというのには、まだ足らないところがあるような気がする。この点は災害に要する支出がいかようなるものであるかということについては、よく自治庁でもおわかりであろうと思います。ぜひ特別の考慮をこれに加えられるように要望する次第であります。  なおこの機会にひとつ大蔵省主計官にお願いしたいのですが、この地方財政計画表の終りの方にありまするところの歳入の合計と、それから收支過不足また同上補填方法に関しまして、県と市町村との区分がありましたならば、これを明らかにしていただきたいと思います。なおほかの項目につきましては後刻でよろしゆうございますから、御報告をいただきたいと思います。この結論の分だけでけつこうでありまするが、県と市町村の分がわかりましたら、この際御説明いただきたい。
  41. 白石正雄

    白石説明員 府県と市町村との内訳でありまするが、一応の試算によりますると、全体におきまして七十七億という歳入超過の数字は、府県におきまして八十五億円程度の收入不足でありまして、市町村におきまして百六十二億円程度の收入超過と相なつております。
  42. 床次徳二

    ○床次委員 右の数字に対しまして、地方財政委員会の方ではいかようにこの数字考えておられまするか、なおこのC、Dという項目につきましてもこの際御説明いただきたいと思います。それからDの方に対しまして、大蔵省の方としては内訳を考えておられますかどうですか。大蔵省数字でこの計画表の中に、今の数字があるのでありますが、一番終りの方の同上補填方法地方債の増額その他に関して、大蔵省として一応の案をお持ちでありまするか、どうですか。
  43. 白石正雄

    白石説明員 地方財政全体としては七十七億程度の收入超過になつておりまするが、それに対して地方債百億、平衡交付金百億、合せて二百億円の財源措置をしたのは、どういうわけであるか、こういうお尋ねだろうと思いまするが、これにつきましては、ただいま申し上げましたように、都道府県につきましては、なお八十五億円程度の收入不足になつておる。さらに東京とか大阪というようなところにつきましては、現行の地方税法によりますると、標準財政需要に対しまして、相当收入超過になると考えられます。こういう額が府県におきまして約九十億円、市町村につきまして、同じく九十一億円程度に達すると考えられます。従いまして都道府県全体といたしましては、全体の八十五億円の不足と、東京、大阪に收入超過になる分が、その他の貧弱府県におきまして收入不足になるものと考えられまするので、それを合計いたしますると、大体百七十五億円程度に達する、かように考えられまするから、合せまして二百億円程度の財源措置を講じた、こういうことになつております。
  44. 荻田保

    荻田政府委員 全体で四百三十八億不足しますうち、三百二十三億が府県、市町村が百十五億となつております。これに対しまして、八十八億程度は整理節約によつて埋めてもらう、あと百五十億の地方債と二百億の平衡交付金というものをもつて両者をカバーしたいと考えております。
  45. 床次徳二

    ○床次委員 ただいまの御説明はその数字でわかるのでありますが、これが県と市町村に実はわかれておらないが、県と市町村にいかように大体予定されているかということを承りたいと思うのであります。Cの收支過不足の分とそれ以下の分でけつこうです。
  46. 荻田保

    荻田政府委員 これは公共事業費の府県、市町村の割振りというようなことも、まだはつきりしてないところもございますので、そういうところがきまりまして、しかもこの総額がきまりましてから、配分ははつきりきめたいと考えております。
  47. 床次徳二

    ○床次委員 政府を代表されるところの政府委員が、いつごろ御出席いただけるか、それによりまして私の質問を打切りたいと思いますが、どういうふうにおとりはからいいただけますか。
  48. 河原伊三郎

    河原委員長代理 お答えいたします。これは先方へ申し入れましても先方の都合がありますので、私の方で今どうというお約束はいたしかねます。しかしなるべく早い機会に、その機会を得るようにいたします。
  49. 床次徳二

    ○床次委員 今日すでに歳出歳入予算も決定されようという時期になつておるのでありまして、私ども今こういう問題を論ずることは、いささか時間的に遅れつつあるということを感じておるのであります。しかしこれをうやむやにして過すということに対しましては、われわれ地方行政委員といたしまして、非常に遺憾に思うのでありまして、ただいま委員長のお言葉がありましたが、できるだけ早い時期におきまして、責任ある政府委員の御出席を得まして、この御答弁をいただきたい。なおその御答弁によりまして、私ども地方行政委員としての立場において、さらにいろいろ意見を申し上げたいと思いますので、どうかひとつよろしくおとりはからい願いたいと思います。
  50. 立花敏男

    ○立花委員 野村委員長代理がおられましたら、私野村委員長代理責任を追究したいと思つておりましたが、この二日に地方行政委員会を開きまして、予算の准行の状態とにらみ合せまして、予算の上ります前に、地方行政委員会が、地方財政委員会がお出しになりました意見書について、十分審議をくださるように、そうして委員会としての意思を決定いたしまして、予算委員会に合同審議の申入れなり、あるいは地方行政委員会としての意見の申達なりをやつていただきたいということをお願いいたしました。そのときには委員長も、そういうふうにはかろう、できたら理事会も開いて、予算委員会に申し入れるというふうなことまで言われたわけなのです。ところが予算委員会は、おととい質疑を打切りまして、きのう討論をやりまして、予算委員会予算の審議は終つております。本日すでに本会議に上程されることになつておりますが、遺憾ながらそれまでには私どもの委員会は開かれなかつたわけであります。本日初めて開かれておるのでございますが、何ゆえに委員長代理は、このお約束をお守りにならなかつたか。  非常に私不可解に存じます。これは委員長代理個人の問題でなしに、この委員会全体の面目にも関する重大な問題でございますので、その点をひとつ最初に明らかにしていただきたいと思います。
  51. 河原伊三郎

    河原委員長代理 私よりお答えいたしますが、委員長としましては、これはだれがかわりましても、委員長責任があるわけであります。しかしそういつた特殊問題につきましては、野村君本人より説明を聞くことにいたしたいと思います。ただいま野村君は席にいませんので、野村君の出席の機会に、本人より説明をお聞き願う、こういうふうにいたしたいと思います。
  52. 立花敏男

    ○立花委員 どうも委員長がふらふらおかわりになりますので、だれに問題を処理していただいたらいいのか、だれが一体責任をおとりになるのか、一向わからないわけなんです。先般も、六日の日でござがましたか、委員会を至急開いていただきたいので、野村委員長代理を探しましたが、どこか地方の方へお出かけになつて、いらつしやらない。理事の方にお話いたしますと、いや、理事は合議制でやつておらないから、理事がおつて委員会を開けないのだというようなことで、まつたく雲をつかむような話なんで、委員会は開くとお約束になつ委員長代理が御不在であり、しかもそのあとにおられる理事が、まつた委員長あるいは委員長代理との連絡がおつきにならないで、委員会すら招集することができない。こういつたことでは、これは実に私どもの重大なる責任が果せませんので、この点はひとつ明確にしておいていただきたいと思うのです。  それから問題の本質でありますが、遺憾ながら予算はさいぜん申し上げたようにもう上つております。ところがその後におきまして、自由党の人たちは、議院運営委員会におきまして、山口総裁が発言されたところによりますと、平衡交付金の問題は、再補正予算出して処理したいということを言つておられますし、それからまた本日の議院運営委員会におきましても、自由党自身が平衡交付金の決議案をお出しになろうとしておられます。こうなつて参りますと、私どもはまつたく不可解なのですが、自由党の方も、平衡交付金の再補正あるいは平衡交付金増額の決議案を出されるほど熱意を持つておられるのに、なぜこの委員会で十分なる審議をなさらなかつたか、そうして予算委員会が決定するまでに、なぜ適当なる処置をおとりにならなかつたか。私ども現在の責任政治におきましては、政党と内閣は不可分一体だと考えておりますから、單に政府を責めるだけではなしに、與党である自由党に、十分この点は責任をとつていただきたいと思うのです。この間の二日の委員会には、自由党の方はほとんど出ておられなかつた、わずか二人しか最後におられなかつたのですが、きようは非常に出席がいい。問題が済んでから御出席いただいても何にもなりませんので、やはり鉄は熱いうちに打つべき必要がありまして、問題を処理すべきときに処理しないで、問題が済んでから処理しでも何もならぬと思います。今後ともあることですから、十分御考慮願いたいと思います。特に問題は今後の問題だと思うのです。私たちはこの委員会だ審議いたしますのは、審議そのものは問題でありませんので、現在も破局に瀕しております地方財政に、どういうふうら措置をするかという結論を見出す、政府がそれに着手いたします方針を考え出す、これだと思うのです。だから問題は今後にあるわけなんですが、さいぜんも申しましたように、この再補正をやるとか、あるいは平衡交付金増額の決議を出すような自由党といたされましては、どういうふうな今後の方針をお持ちになつておられるか、また自由党出身の委員長とされては、平衡交付金増額に重大なる責任のあるこの委員会の運営を、どういうふうにされようとしておるのか、この点を明確にしていただきたい。
  53. 河原伊三郎

    河原委員長代理 お答えいたします。議院運営委員会でどうとか、予算委員会でどうとかいうことについては、私といたしましてその事柄について、一々責任を持つわけに参りません。また自由党の問題につきましては、これは私は総裁ではありませんので党員としての責任はありますが、総裁的な責任は持ち得ませんし、またそれだけの仕事をしようとしてもできるわけでもありません。なおこの委員長としての運営のことでありますが、前尾委員長指名によつてつておられたのかどうか存じませんが、とにかく野村君が委員長代理をやつておられましたので、一応それでこの委員会も認めて、まかしておつたかつこうになつておけますので、私どももそれに従つてつた次第であります。従いまして、委員長代理ではありますが、委員長的に動いておられました。従つて私どももそれに信頼しておつたわけであります。
  54. 立花敏男

    ○立花委員 あなたが信頼されておつただけでなしに、委員会委員はほとんど信頼しておつたと思うのですが、そのせつなになりまして、ああいう裏切り的な行為をやられましては、これはまつたく言語道断だと言わざるを得ない。私ほんとう委員長の不信任案まで出したいと思つておるのですが、問題は過去のことではなしに、今後のことなんで、今後どうなさるかということを委員長から承りたいのです。これはあなたに求めるのは酷かもしれませんが、野村さんがそこにおすわりになつておれば、野村さんにはつきり御答弁願いたいと思うのです。少くとも委員長代理の代理を受けられまして、委員長代理として、ここにおすわりになつている以上、はつきり御答弁願いたいと思うのです。そうでなければ野村委員長代理がおかえりになつたときに、明確に御答弁をいただきますように、あなたから特に御配慮願いたいと思うのですが、その点はどうですか。
  55. 河原伊三郎

    河原委員長代理 今後の運営につきましては、立花君のお話もよく取次ぎまして、最善を盡して行きたいと思います。  ただいま野村さんがお見えになりましたので……。     〔河原委員長代理退席、野村委員長代理着席〕
  56. 立花敏男

    ○立花委員 野村委員長代理がどこかへ御不在でございましたので、河原委員長代理にお願いしておつたわけですが、去る二日の日に委員会を開きました。その節私から予算審議の関係とにらみ合して、この委員会におきましても、十分それに間に合うように意見書を審議いたしまして、この委員会としての結論をもちまして、予算委員会に御交渉願いたいということをお願いいたしました。委員長代理からはそれに対しまして、できるだけそのようにはからう、できたら理事会を招集して、理事会をもつて予算委員会理事会とも折衝いたすようにはからいたい、そういう旨の御答弁がありました。そういうふうにはからつていただけるものと考えておりましたところ、遂に本日まで延期されまして、予算の審議は、委員会は終了いたしております。そういうわけで、もう私どもはこれを審議いたしますのは非常に時期遅れの感じがございまして、まことにその責任を痛感いたすわけなんでございますが、こういう結果になりましたのは、私委員長代理責任が非常に大きいと存じます。どこへ行かれたか不明であり、お残りになつておる理事では、委員長代理との連絡がなくて、委員会も招集できないというような御返事でございますので、こういうことでは非常に困ると思いますが、その点はどういうわけでそういうふうになつたのかということを承りたいと同時に、今後も委員長代理とされましては、地方財政に重大な責任のあるこの委員会をどういうふうに運営されまして、地方の要望しておる平衡交付金の問題を解決なさろうというお考えなのか。聞くところによりますと、本日は自由党の方からも地方財政平衡交付金の決議案すらお出しになろうとしておられますので、その自由党の一員であられる野村委員長代理が、特にその平衡交付金を扱う委員会責任者として、相当の御覚悟をお持ちだろうと思うのでございますが、それをひとつ具体的に承らせていただきたい。
  57. 野村專太郎

    野村委員長代理 ただいまの立花委員お話に対してお答えいたします。地方財政の現況にかんがみまして、平衡交付金の重要性はよく党派を超越して、この現実というものは認めておるわけです。私委員長代理といたしましても、この問題のために本国会当初から数回にわたつて委員会を開会いたしておるわけであります。問題は地財委関係大蔵省関係考え方が一致いたしませんで、委員会を継続してこの真相を探究することに努めたわけであります。そこで昨日は理事会を開催いたし、本日さらに委員会を開会いたしまして、委員各位から、この根本の具体的の事実の御調査をいただいているわけです。私委員長代理といたしましては、この問題の重要性は皆さんとともに認識いたしております。遺憾ながら大蔵省関係資料が、ようやく今日の委員会に間に合つたというようなことで、私としては連日この提出方を奔走をいたしておりまして、ただ予算委員会が意外に進捗を見たものですから、幾分そういう点から御指摘のようなこともありました。この委員会は今日の地方の現状にかんがみまして、よく国民負担というものを考えながら、この真相を突きとめて行かなくちやならぬというので、私としては、非常に微力ですが、これに当つて来たわけでありまして、私の足らないところは、ひとつお許しをいただきたい、かように考えております。
  58. 立花敏男

    ○立花委員 あまりこういうことで時間をとりたくありませんが、やはり根本的な態度の問題に関連すると思いますので、もう少し意見を述べさしていただきたい。実は委員長代理資料をお待ちになつてつた。だから委員会が開けなかつたのだとおつしやつておられるのであります。本日自由党の方からお出しになつておる決議案は、地方財政委員会資料というか、地方財政委員会意見を尊重して、平衡交付金の総額を調整すべしというような意見になつておりまして、地方財政委員会資料大蔵省資料と比較いたしまして、自由党のこの決議案は明らかに地方財政委員会資料をとつておると見ざるを得ないと思う。だからこそ「地方財政委員会の意思を尊重して」という決議案の文案になつておりますので、これから見ますと、もうすでに自由党といたされましては、どちらの資料をとるかということは問題ではなしに、明らかにこの決議案の内容において、地方財政委員会意見を尊重するということが意思表示されておるわけなんで、自由党の一員であられる野村委員長代理が、しかもこの重大なる責任の地位にあられる委員長代理が、この問題を御存じないとは言われないわけなんです。だから資料が遅れたということは、單なる一つの事務的な問題でございまして、予算案が予算委員会を通過いたしまする前に、適当な意思表示をなさろうと思えばなされなかつたことはないと思う。しかも予算委員会が案外早く上つたと申されますが、自由党の方針といたしまして、六日に上るということは既定の事実だつたわけです。だから決して予想より早く上つたのではなしに、あるいはまた方針がなかつたのではなしに、いたずらにこの地方行政委員会が開会の運びに至らなかつたと見ざるを得ないと思うのです。そうでなければ、本日お出しになろうとしておられる自由党の平衡交付金に関する決議案は、まつた意味をなさない欺瞞的なものであるというふうに断ぜざるを得ないと思う。そういう関係で、何といたしましても、今回の私どもの審議がかんじんな予算の審議に遅れまして本日まで委員会が開けなかつたということは、重大なる委員長責任であり、また私は自由党の方々の責任を問わざるを得ないと思うのですが、問題は今後にありますので、爾後こういうことのないように、ぜひひとつ委員会の運営を愼重にやつていただきたいと思います。しかもさいぜんも申しましたが、自由党の山口総務は、再補正によつて平衡交付金の調整をするということまで言われておりますが、委員長代理とされましては、議員提出でそういうふうな措置をなさるような見通しをお持ちかどうか、最後にひとつ承つておきたいと思います。
  59. 野村專太郎

    野村委員長代理 ただいなの立花委員の御発言に対しましては、将来とも善処をいたしたいと思う次第であります。どうぞ御了承いただきたいと思います。  ちよつと立花委員さんにお願いしたいのですが、河野主計局長がなるべく一時までに済ませなければならぬということですから、恐縮ですが、それまでにどうか……。
  60. 立花敏男

    ○立花委員 大蔵省ちよつとお尋ねいたしたいのですが、都市分の二十五年度の歳入あるいは歳出の見込み額で、百六十ばかり都市をお調べになつておられるようですが、この都市はどういうふうな基準でお選びになつたのか、ちよつとお聞かせ願いたい。
  61. 河野一之

    ○河野(一)政府委員 各知事に一任いたしまして、適正だと認められるものを選定願つたのであります。
  62. 立花敏男

    ○立花委員 この二十五年度の市町村歳出歳入比較におきまして、都市だけでけつこうですが、結果がどういうふうになつておるか、簡單な数字でけつこうですが、伺いたい。
  63. 河野一之

    ○河野(一)政府委員 おつしやる意味ちよつとわかりかねるのでありますが、昭和二十四年度の決算で見ますと、百五十八団体で三百六十七億、それから二十五年度の決算におきましては、百六十団体でありますが、五百七億というような数字になつております。二十六年度の予算で参りますと……。
  64. 立花敏男

    ○立花委員 差引です。私が尋ねておりますのは、歳入歳出の差引です。総額についてはけつこうですが、総額の差引です。
  65. 野村專太郎

    野村委員長代理 立花委員に御了解願いたいのですが、さつき床次委員から河野政府委員に対する質問が留保されておりますので、今御答弁がありましたら、それを伺つて、床次さんにお願いして、その次にまたひとつお尋ねを願いたいと思います。
  66. 河野一之

    ○河野(一)政府委員 十四億九千七百万円の歳入超過になつております。
  67. 床次徳二

    ○床次委員 大蔵省政府委員にお伺いするのでありますが、今日の地方財政の問題は、大蔵省の見解と地財委の見解が違う、しかも政府としては大蔵省意見をそのまま採用しているというところに大きな問題がある。私は平衡交付金の多い少いという問題よりも、現在の地方財政をいかに見ているかというところに大きな問題があると思う。ここに結論から申し上げますると、本年の補正におきましても、地方財政が四百三十八億の赤字があるというのと、七十七億の黒字がある、この見方の差なのであります。私どもは過去の一年間を通じましても、やはり同じような事態があつた。すなわち既定財政規模におきまして、すでに百六十八億の大きな意見の差が今日まで持越されておるのであります。このことに関しまして伺いたいのは、大蔵省なりあるいは政府が査定いたしておりますところの歳出額を越えた歳出を、地方でやつておりますものは、明らかにこれは適当な運営でない。政府が必要と認めた以上の経費を使い過ぎておるのだと私は考える。政府のお考えから申しまするならば、そういうふうにならなければいけないと思う。また今後政府の施策に伴うところの経費増につきまして、政府が予定いたしましたところの経費以上に、各市町村あるいは県が使うということになれば、これは運営の仕方がへたなのだ。県知事あるいは市町村長が、政府の予期した以上のへたな経費をかけて、一定の仕事をやつたということになるわけでありまして、これは現在の県知事、市町村長にとりましては重大な問題であると、私は考えるのであります。なお過去の県知事会議等におきましても、政府からの経費が足らない関係上、一部の仕事に関しましては、これを府県としては担当しないということを言つた者もあるようでありまするが、さような状態であります。今日の内閣の査定額というものが、地方団体の財政一つの基準だと私は考えておる。これを政府はつきりとここに示しておきながら、現実におきましてはこれと違つたものが行われておるということに対して、政府はいかように考えておるか、超過支出したものに対しましては、当然警告を與えて、かかる濫費は取締るべきものだと思う。また今後の執行方法におきましても、政府が意図しました以上に経費がかかりましたものは、明らかにこれは知事あるいは市町村長の越権であるということができるじやないかと思うのですが、これに関しまして政府としての御意見を伺いたいと思います。
  68. 河野一之

    ○河野(一)政府委員 床次さんのおつしやる通りだと私は思うのであります。この地方財政の規模というものは、なかなか算定しにくいものでありまして、平衡交付金算定する基礎として、この程度のものが基準になるではないだろうか、もちろん地方財政全体でありまして、個々の団体について組み上げておるわけではありません。従いまして一般にいう予算とは違うものであるということは、よく御存じだろうと思うのであります。ただそれを越えてやつた場合に、それがどういう姿によつてやられておるか、それがいけないのか、あるいはやむを得ず自分らの負担を増してもやつた歳出になつておるのか、そういう点は個々の団体について、検討を要する問題だと思います。但しその問題について、どういうふうに政府が警告をするかというようなこともありましようが、地方自治の建前から、これをただちに糾彈するというような点につきましては、政府の立場としては、現在の権限その他から、なかなか問題があろうと思います。また地方財政委員会におきましては、いろいろなことをやつておられるように、拜承いたしておるのでありますが、これを法制化してどうのこうのということは、現在の段階ではちよつと困難ではないかというふうに考えます。
  69. 床次徳二

    ○床次委員 ただいまの政府委員の御答弁によりますと、今日の地方自治団体の長は、政府の予期した運営をやらないために、非常に極端な負担市町村民、県民にかけておるという結論になりまして、その点をお認めになつたように、私ども考えておるのでありますが、それでほんとうにいいのでありますか。地方財政実情は、今日政府の見ておるものと非常に異なるということを、私どもは考えておりますが、やはりあくまで現実において市町村財政というものは、それほど苦しくはないのだ、今日ここにお示しになつておりまする数字のように、ある程度まで余力があるというふうにお考えになつておるのかどうか、あらためてお聞きしたいと思うのです。
  70. 河野一之

    ○河野(一)政府委員 余力があるとかないとかいう問題でなしに、われわれといたしましては、平衡交付金算定基礎としては、地方財政全体としては、この程度のものであつてほしいという考え方から出ておるわけであります。その考え方地方財政実情に沿うか沿わないか、これはいろいろ御議論があろうと思いますが、少くとも政府の立場としては、こういうふうな姿であつてほしいということで出しておることは事実であります。
  71. 床次徳二

    ○床次委員 ただいまのお言葉は、あつてほしいという数字のように承りますが、それならばそれでもつて予定通り仕事ができる数字であるかどうか、その点をひとつ伺いたい。
  72. 河野一之

    ○河野(一)政府委員 われわれとしてはできると考え出しておるわけであります。
  73. 床次徳二

    ○床次委員 ただいまの御答弁は、私は現在の地方財政を担当いたしまする者といたしましては、非常に大きな問題だと思つております。今日まで政府といたしましては、かかる意味において地方団体に対して、意見を発表しておられた例はむしろない。一般的には地方財政は非常に苦しいんだ、国も財政が苦しいんだから、地方財政もできるだけがまんしろという立場に立つておられた。平衡交付金のごときものも、財源があればあるいはもう少しふやしたい、しかし財源がないためにやむを得ず、あの程度の少額の交付金でがまんしてもらいたいという立場であつたように考えるのでありまするが、この数字から見ますならば、またただいまの御答弁から見ますならば、地方財政の規模はむしろこれが理想的なんだ、現状からいえばこれでもつて大体実施できるんたというお考えのもとに、立案しておられるのであります。私はこの考え方は根本的に大きな問題だと思います。ほんとう大蔵省の真意、同時に国家の真意というものが、各地方団体に伝わりましたならば、県知事初め市町村長は、いかなる思いを持つかということに対して、実に私は慄然たるものがあるのであります。この点はひとつ政府においても、十分御反省をいただきたいと思うのであります。今日平衡交付金に対しまして、再補正という議論も出ておるのでありますが、しからばこの次の再補正予算機会において、平衡交付金増額するということは、いかなることを意味しておるのか、政府委員から御答弁をいただきたいと思います。
  74. 河野一之

    ○河野(一)政府委員 ……。
  75. 床次徳二

    ○床次委員 ただいまの質問がおわかりにならないようでありますから、それでは少し具体的なものを申し上げますが、この計画表の中に、予備費としまして百億の金額が計上してある。で、この百億をいかなる意味において計上してあるかということについては、先ほど門司委員からも御質疑があつたようでありますが、大蔵省はそれではいかなる考えをもつて百億を計上しておられるか、それから伺つて参りたいと思います。
  76. 河野一之

    ○河野(一)政府委員 百億というものは、地方財源を計算いたしまする上において、上に述べたいろいろな経費のほかに必要とするものもあるであろう、たとえば物価の騰貴という問題もあるでありましようし、それから職員の昇給の財源ということもありましようし、そういつたようなことで、この程度のものは地方財政全体としては、いるんじやないかという財源付與といつたような意味合いであります。
  77. 床次徳二

    ○床次委員 いろいろの費目において足を出しておるものを、これでカバーするんだというふうな一応の了解をすれば、一番簡單でありますが、できればむしろ各項目におきまして、ほんとうの必要額というものを計上すべきである。ここで一括して百億という数字が出るのは、私はまことにおかしいと思うのであります。なお今回平衡交付金の審議におきまして、将来政府においてさらに増額ということに対しましても十分考えておられる。ただいま議論になつておりまする増額に対する決議案等も、今日すでに云々されておるのでありますが、大蔵省におきましては、現在の地方財政を、また地方行政を、この財政においてまかなえば支障はない、しかし今後平衡交付金増額する場合は、その分だけは、地方財政負担軽減、積極的な負担軽減に使える意味におきまして、交付金が増額されるということに解釈されなければならぬわけなんですが、そういうふうに解釈してよろしいか、あるいは政府といたしましては、地方窮乏の声に対しまして、政府の財源に余裕があれば、これを増額して交付しようとお考えになつておるのか、その点も伺いたいと思います。
  78. 河野一之

    ○河野(一)政府委員 平衡交付金増額という問題は、どういうふうになつておるか私は存じないのでありますが、もちろんこの千二百億という平衡交付金は、現在の事態をもとにして、この程度でわれわれとしては十分であると考えておるわけであります。それが実情に沿うか沿わないか、この点につきましては、われわれはこういうふうに考えてはおりますが、国会においてどういうふうに御判断になりますか、その点はわれわれのとやかく申すべき筋合いではないと思います。ただいまのところでは一応こういう算定をいたしておるのでありまして、もちろん十分であるとは考えておりませんけれども、一応やつて行けるというふうな考えを持つております。
  79. 床次徳二

    ○床次委員 ただいま御答弁がありましたが、私御答弁応対しましてはまつたく同意いたしかねるのであります。しかし結局お言葉にもありましたごとく、国会においてどういうふうに考えておるか、それによつてきまるんだというお話がありましたが、私は委員長代理にこの点において承りたいのであります。今日地方財政に関しまして、地方財政委員会あるいは内閣、おのおの二つの対立した意見があるのであります。これに対しまして今日まで、たびたび委員会においては議論をいたしておりますが、しかし根本的に現在の地方財政がいかようにあるかという事実に対しては、はつきりとした事実をつかまえなければいけないと思います。これが当委員会の職務だと思うのでありますが、これに対しまして、委員長代理としては今後いかようなる態度をとられるか、お考えを承りたいと思います。私の意見を申し上げますならば、さらに当委員会に特別の小委員会までつくりまして、地方財政の現状をはつきり把握して、今後交付金に対しまして、基礎になつております地方財政の姿自体に対して、二様三様の見解があるということのないようにいたしたい、かように私は希望しておるのでありまするが、当委員会が審議を進めます一つの前提といたしまして、委員長代理といたしましても、この点ひとつ一定の前提を、はつきりつくつていただきたいと思うのでありますが、委員長代理の御意見を伺いたいと思います。
  80. 野村專太郎

    野村委員長代理 ただいまの床次徳二さんの御意見にはまつたく同感でして、理事会を開きまして、十分現状を直視して、当委員会としては地方財政に関しては、甚大なる関心を寄せて具体的に審査をしなければならない、かように考えております。  それではこれをもちまして、本日の委員会は散会いたします。     午後一時八分散会