運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1951-11-02 第12回国会 衆議院 地方行政委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十一月二日(金曜日)     午前十一時二十八分開議  出席委員    委員長代理 理事 野村專太郎君    理事 河原伊三郎君 理事 藤田 義光君    理事 門司  亮君       池見 茂隆君    大泉 寛三君       門脇勝太郎君    川本 末治君       小玉 治行君    鈴木 幹雄君       床次 徳二君    久保田鶴松君       立花 敏男君  出席政府委員         地方財政委員会         委員長     野村 秀雄君         総理府事務官         (地方財政委員         会事務局長)  荻田  保君         大蔵事務官         (主計局次長) 東條 猛猪君  委員外出席者         専  門  員 有松  昇君         専  門  員 長橋 茂男君     ――――――――――――― 十一月一日  福島県の衆議院議員選挙第二区区域変更に関す  る陳情書(第三九  五号)  公職選挙法中」部改正に関する陳情書  (第三九六号)  特別区の自治権確立に関する陳情書  (第四〇二号)  特別区設置に関する陳情書  (第四〇三号)  地方税法中一部改正に関する陳情書  (第四二〇号)  合併町村平衡交付金減額措置反対陳情書  (第四二二号)  地方財政確立に関する陳情書  (第四二四号)  地方債に対する制限緩和に関する陳情書  (第四三一号)  地方行政事務配分に伴う財源付与に関する陳  情書(第四三四  号)  警察法改正に伴う市費負担増高に対する特  別財源付与陳情書  (第四三五号)  地方自治法第百二十三條第三項の改正に関する  陳情書)(第四三  七号)  平衡交付金増額並びに起債わくの拡大に関  する陳情書  (第四四  五号)  地方税財政制度改正に関する陳情書  (第四四六号)  地方財政委員会存続並びに強化に関する陳情書  (第四四七号)  地方税改正に関する陳情書  (第四六二号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  連合審査会開会要求に関する件  地方財政に関する件     ―――――――――――――
  2. 野村專太郎

    野村委員長代理 これより会議を開きます。  それでは地方財政に関する件について調査を進めることにいたします。本日は去る二十七日国会提出されました地方財政委員会設置法第十三條の規定に基き、昭和二十六年における地方財政平衡交付金増額に関する意見書について、まず地方財政委員会当局より説明を聴取いたしたいと思います。野村政府委員
  3. 野村秀雄

    野村政府委員 地方財政委員会におきましては、地方財政窮状を打開するため、今回国会に対して平衡交付金増額意見書提出いたしたのであります。  御承知通り公共事業費地方負担増また物価騰貴による地方負担増給与改訂に伴う地方負担増等によつて地方財政の状態はすこぶる窮迫したものとなりまして、これを打開するために、地方財政そのものとしてもいろいろのくふうを凝らして、事業の繰延べ、冗費の節約、また経費の効率を上ぐるよう努力いたしておりまするけれども、ただそういう消極的のことだけでは、なかなかこの窮状を打開することができないのであります。現在地方財政委員会として見ているところは、地方財政需要総額は六千四十七億でありまして、これに対しまして地方財政収入総額は五千六百九億であります。差引その不足額は四百三十八億に及んでいるのであります。その補填方法といたしましては平衡交付金の二百億、起債増額百五十億、地方団体において整理節約する額八十八億、これによつてこの四百三十八億の不足額を補填いたしたいと考えているのであります。今年度補正予算におきまして、政府地方財政の現状にかんがみて、平衡交付金百億の増額起債わく拡張百億をもつて予算を編成せられて、この国会提出せられたのでありますが、先ほど申したような事情とまた数字によりまして、私どもはこの百億の平衡交付金増額起債わく百億の拡張をもつてしては、どうしてもこの地方財政を救うことができないことを認めて、さらに平衡交付金百億の増額起債わく拡張五十億を必要と認めまして、国会意見害提出国会の公正なる御審議、適切なる御判断を仰がんとするものであります。何とぞよろしく御審議を願います。
  4. 野村專太郎

    野村委員長代理 この際大蔵当局より地方財政計画について、説明を聴取することといたします。大蔵当局より東條主計局次長がお見えになつておりますので、東條政府委員より説明を聴取いたしたいと思います。
  5. 東條猛猪

    東條政府委員 このたび政府補正予算におきまして提出いたしております平衡交付金百億円の増額、及びこれと関連をいたしまして、地方起債百億の限度拡張という計数基礎なつております地方財政収支の見通しにつきまして、政府として考えておりますところを、しばらく御説明をさしていただきたいと思います。便宜上お手元昭和二十六年度補正後の地方財政計画表ということで、地方財政委員会で御算定なつておられますところの収支金額と、内閣算定いたしておりますところの金額とを比較いたしました表、それから当初予算におきまして政府といたしまして歳入歳出合計をどういうふうに推計をしたか。それが補正後いかにかわつているか。この二つ資料をお手元提出してございます。くだくだしくなりますが、具体的な計数を申し上げさせていただきたいと思います。  先ほど地方財政委員会で今回意見書をお出しになりました基礎なつておりますところの算定額と、内閣側で見ておりますところの数字との対照表をごらんいただきますと、歳出面におきまして既定財政規模におきまして、百六十八億円の相違があり、昭和二十六年度の新規財政需要におきまして、以下こまかく内訳が上つておりますように、三百六十六億円程度の違いがある。次のページをごらんいただきますと、予備費におきまして内閣側におきましては、当初の予算におきましても、いろいろの事態に応ずるよう、百億円程度予備費がいるというふうに考えておつたのでありますが、それはそのままにいたします。そして八十億円の節約、これまた当初予算におきまして内閣算定といたしましては見込んでおつたものを、今回もまたここに計上いたす、大きくわけまして四つばかりの点が地方財政委員会の見ておられますところと、内閣で見ておりますところとの違いに相なつております。  次の歳入面について申し上げますと、地方財政委員会の見ておられますところと内閣算定いたしましたところにつきましては、合計の欄の五千六百九億というところにつきましては、一応意見相違はない次第であります。そこで収支の過不足におきまして地方財政委員会の見られるところによりますと、四百三十八億の赤字が出る、内閣の見るところによりますと、地方財政全体としては七十七億の歳入超過と相なりました。そしてこれに対しまする補填方法といたしましては、今委員長お話通りの内容になつておりまして、内閣の方としては以下別に申し上げますところの事情によりまして、全体としましては七十七億程度黒字なつておると考えられますにかかわらず、今回平衡交付金増額百億、地方債増額百億を計上しておる次第であります。  便宜上次の表をごらんいただきたいと思うのでありますが、次の表は先ほども申しましたように、昭和二十六年度の当初予算の御審議をいただくに当りまして、地方財政歳入歳出金額は、こうなるであろうというように推計をいたしましたものと、今回の補正予算提出に伴いまして、政府側推計をいたしましたものと対照いたしてございます。それでこの歳入の方で申し上げますと、補正後の推計の五千八百九億という数字と、先ほどごらんをいただきました歳入の欄の五千大百九億に、下の平衡交付金増額百億、地方債増額百億両者合せまして五千八百九億というのと見合つておるわけであります。なおこの欄をごらんいただきますと、すぐお気づきになりますように、繰越金は当初予算におきましては三百七十一億円を計上いたしておつたのでありますが、これは備考の一に書いておきましたように、前年度の繰越しといたしましては、知事会議その他のいろいろの報告なりお話を伺いますと、百七十五億円程度の繰越しが見込まれるのではなかろうかと思われるのでありますが、この算定におきましては一応除いてある次第であります。そのことをここに付記いたしておるのであります。  その次には、下に小さく書いてございます当初歳出五千九十四億は歳入五千四百八十四億を訂正いたしましたもので、公共事業費内訳が具体的にきまつて参りましたに伴いまする増減の関係を表わした参考表でございます。  なお非常にささいなことでございまするが、その次のページに、地方債におきまして、当初三百憾ありましたものが四百五億、百億の増加があるにかかわらず、そこに五億の食い違いがあるということにつきまして、公営企業との関係の振替があるということを書いておきました次第であります。それから使用料手数料雑収入におきましては、私の見るところによりますれば、地方財政委員会で見でおられるところより、いま少しく見込まれるのではなかろうか。たとえば使用料手数料は一応百四十二億と計上いたしてございまするが、これが百五十三億程度、それから雑収入は三百七十億と見込んでございまするが、寄付金を除きましても三百九十五億程度見込まれるのではなかろうかと思はれましたことを、御参考までに付記いたしておる次第でございます。  初めの紙に返つていただきまして、既定財政規模の百六十八億の違いは、これは前回当初予算を当委員会におきまして御説明申し上げましたときに、地方財政委員会側で考えておられますることと、内閣で考えておりまする点につきましては、詳細御説明を申し上げましたので、時間の関係もありまするし、くだくだしく申し上げませんが、おもなる事項を申し上げて参りますれば、六・三制関係の校舎の復旧費見方でございますとか、あるいは戦時中に放置せられておりましたいろいろの諸施設の復旧費をどの程度に見込むかとか、あるいは予算外に見込んでおつたと思われる寄付金を、どの程度予算に組み入れるべきであるとか、あるいは徴税費金額をどの程度に見るべきであるとか、あるいは失業対策費資材費について、どういうふうに考えるべきであるとか、あるいは児童人口等増加に伴う経費とか、単独事業費との経費関係をいかに考えるべきであるか等々の項目について、御説明申し上げたのでありまするが、その違いはその後いろいろお話合いの結果、縮まつてはおりまするが、なお百大十八億程度食い違いがここに出ているということを示しておるわけであります。  それから給与改訂の点で、わずか五億円程度の差異が生じております。給与の問題については、前回この委員会におきましても、特段の御注意なり、御要望があつたのでありまするが、その後地方財政委員会の御努力を得まして、政府の方でいろいろ実態調査を行いまして、特に地方財政委員会の御努力によりまして、約七万程度であつたかと思いまするが、各府県市町村につきまして学歴、年齢、経験年数その他給与基準を決定する必要な要件につきまして、約七万について各人別の調書の提出を願いまして、それをいろいろ国家公務員と同じような基準によるとしたならば、どうなるであろうかという算定計算をいたしました結果、その基準につきましては、地方財政委員会から、国の方で見た切りかえ基準はこうなつているのだ。また府県別計算の結果は、一応こうなつているのだということを、各都道府県で今御検討願つておるのでありまするが、そういうような手続をいたしました結果、今回は地方財政委員会大蔵省、あるいは教職員給与につきましては、文部省、地方財政委員会大蔵省の間に、給与改訂に必要な増加額につきましては、意見一致を見たわけであります。ただここに五億程度の違いができておりまするが、これはごく限定された地域給関係意見相違でございまして、これはさらに資料を突き合せれば、両者の間に意見一致を見るというふうに考えている数字でございます。年末手当の支給に要する経費は、右の技術的な点に伴いまするものでありまして、これもさして問題はないと思つております。  それからずつと下へ参りましてA系統の十七億と申しますのは、前回申し上げた通りに、国の補助金を伴わずして地方でやられますところの各種行政につきまして、社会福祉主事の問題でありますとか、食品衛生監視員の問題でありますとか、環境衛生でありますとか、各種項目につきまして意見一致を見ておらない点でありまして、これは当初予算において詳しく御説明を申し上げた点であります。  臨時事業費の十二億、このうちの意見相違のございますのは、失業対策関係でありまして、地方財政委員会では、失業対策として行われております日雇い労務者事業資材費が、政府見方では少額に過ぎるという御見解であるに対して、私どもは労働省との話合いの結果、失業対策事業として計上いたします資材といたしましては、政府見解をもつて足りる。この問題は多分に単独事業費ともにらみ合せた上で、考うべきものであるという見解を、今日もとつておる次第であります。  その次の百二十九億三千七百万円は、地方財政委員の方で、富裕団体超過財源による通常の財政規模を超過する財政需要の増ということで、百二十九億円をおあげになつておる次第であります。この点が、今回政府地方財政全体といたしましては七十七億円の黒字になるにかかわらず、財源の片寄りがありますために、本年度の措置といたしましては、財源調整の手段といたしまして、地方財政平衡交付金百億円、起債わく百億円の増加をいたさなければならないということに考えましたものと、照応いたすものであります。地方財政全体といたしましては、七十七億円程度黒字なつておりますが、これを府県市町村別にわけて、検討いたす必要があるのであります。  大蔵省側の見るところによりますと、地方財政全体といたしましては、七十七億円の黒字でありますけれども府県だけを取出して見ますと、約八十五億円の赤字なつております。それから府県の中でも東京、大阪というような非常に規模の大きく財源のゆたかな団体がございます。これは現行制度をもつていたしましては、税制の関係あるいは平衡交付金関係から、ただちに調整が困難であろうということが考えられるのでありますが、その財源の片寄りが約九十億円程度であろう、両者を合せますれば百七十五億円程度——全体といたしましてはバランスがとれておりますが、財政の非常に窮迫いたしました府県だけを取出して見ますれば、百七十五億円程度赤字がここに出て来るであろう。それを考えまして、今回二百億円の財源賦与ということに相なつておる次第であります。  市町村につきましては、ただいま申し上げました計数のうらはらといたしまして、おわかりいただけますように、私ども計算で参りますと、市町村全体として見れば百六十二億程度黒字になるというふうに推定いたしておりますので、今回、財源措置計算いたしました場合の算定の一応の基礎といたしましては、右に申し述べましたような次第に相なつております。もつともこの平衡交付金の配付の方法の問題は、地方財政委員会の権限の問題でございまして、私が以上事務的に申し上げました説明は、決して百億円の増額をいたされました地方財政平衡交付金配分方法の問題につきまして、大蔵省といたしましてとやかく申し上げておるわけではございませんので、その点はあらかじめ御了承願いたいと思います。  それから予備費につきましては、先ほどもちよつと申し上げましたように、当初から内閣側といたしましては、地方財政はいろいろ経費需要の面もあるので、百億程度の、そこに余裕をとつておく必要があろうという考え方で、そのまま載せておる次第であります。  それから既定財政規模の圧縮、これは当初予算におきましても、先ほど委員長からもお話がございましたように、地方団体財政的に非常に窮迫いたしておりまするが、なおかたきを忍んで節約をお願いいたしたいという趣旨から、当初予算におきましても、お願いをいたしておる次第であります。  それからこれと関連をいたしまして、申し落しましたが、地方財政委員会の方では、物価騰貴によりまするところの一般物件費増加によりまして、二百億円余が必要である、こういう御見解でございまするが、政府の方といたしましては、今回の国家予算補正予算におきましても、原則といたしましては、物価騰貴に伴いまする要因は織り込んでおりません。たとえば通信でありまするとか、電通でありまするとか、そういう企業会計で、ほんとうにやむを得ない資材の値上り、一般会計につきましては、刑務所の収容費、あるいは病院の食糧費というようなものの計画の繰延べその他では、何としてもしのげないというものについてのみ、物価騰貴に伴いますところの経費の追加をいたしております。同様の意味合いもちまして、地方団体においてもこの際かたきを忍んで節約をお願いいたしたい、こういう趣旨のもとにここには物価騰貴に伴う一般物件費増加ということについては、内閣といたしましては計上いたしておらぬ次第でございます。  歳入の方は、先ほども申し上げましたように、大蔵省といたしましては、いま少し余裕があるのではなかろうかという点もないのではございませんが、地方財政委員会側のいろいろの御意見を承りまして、五千六百九億ということにいたした次第でございます。  長々申し上げてはなはだ恐縮でございまするが、一応地方財政委員会の御意見と、内閣側の考えておりまするところの相違点につきまして、ごく概略を申し上げた次第でございます。
  6. 野村專太郎

    野村委員長代理 ただいままでに行われました御説明に対して、これより委員各位の質疑をお願いいたしたいと思います。御通告順によりまして、まず藤田義光君。
  7. 藤田義光

    藤田委員 まず野村委員長にお伺いしたいと思います。  ただいま大蔵省主計局次長から、いろいろ御説明がございましたが、私は大蔵省の従来の資料がすべて昭和二十四年度の基準に基いて計算されておる。シヤワプ勧告具体化前の数字によりまして、地方財政規模が測定されておる。四百億という厖大財源市町村に与えるという前の、いわゆる制度改正を無視した昭和二十四年度の基準によつて、一切が計算されているところに、累年地方財政委員会大蔵省見解相違を深くして来たんじやないかというふうに考えておりますが、この点に関しまして野村委員長の御意見を拝聴しておきたいと思います。
  8. 野村秀雄

    野村政府委員 私も今藤田委員の仰せの通り同様に考え、同様に見ております。
  9. 藤田義光

    藤田委員 東條次長の御意見を承りたい。
  10. 東條猛猪

    東條政府委員 私ども昭和二十四年度の決算基礎にいたしまして、地方財政収支見込み算定いたしておりますのは、御承知通り一万を越える地方団体財政収支でございます。従いましてその見込みを立てます上におきましては、客観的な基準に基いてやつて行きたい。昭和二十六年度の当初予算当時におきまして、地方財政収支算定いたしました場合におきまして、判明いたしておりますところの客観的な数字は、昭和二十四年の決算であつたわけであります。従いまして昭和二十四年度の決算基礎にいたしまして、その後の財政収支の変動をできるだけ詳細に検討いたす、かような次第に相なつております。なお昭和二十四年とその後とでは、収支の両面において、いろいろ事情変更があるのではないだろうか、特にシヤウプ勧告に基いて根本的に事情変更があるのではないかという御意見であります。それで私どもといたしましては、先ほどもちよつと申し上げましたように、全体といたしましての収支計算のもとに、主としてシヤウプ勧告に伴いますところの財政収入の片寄りというものに対しましては、必要な調整を加えるべきであろうという見解をとつている次第であります。
  11. 藤田義光

    藤田委員 ただいま次長から御説明がありましたが、財政計画表表面に現われました数字では、はつきりしないのでございますが、給与改訂による増額、これは現在の国家公務員地方公務員給与ベース相違を一応無視いたしまして、大体地方公務員給与が割高であるということを、この際補正しようという建前から、大体七百円から——教職員は千三百円程度引上げをやりまして、本来ならば国家公務員千五百円の引上げに対し、千九百円くらいが必要であるにもかかわらず、これだけの予算を組まれたというようなことを聞いておりますが、この点はどういうふうになつておりますか、お伺いいたしておきます、
  12. 東條猛猪

    東條政府委員 給与の問題は一番大事な問題でございますので、先ほどもちよつと触れて申し上げたのでございますが、御承知の第一次の千円の給与改訂と、それから十月から実施を予定いたしておりますところの第二次の千五百円の給与改訂というふうに、二つにわかれるわけでございます。それで藤田さんのお尋ねとは多少それた結果を申し上げるかと思いますが、結局第一次と第二次の分と合せて国の場合は御承知のまうに、二千五百円ないし多少それを上まわる数字なのでありますが、第一次、第二次を通じまして、内閣側算定基礎なつておりまするところの給与の単価は、どうなつているかということを申し上げてみますと、府県一般職員におきましては、一人当りこの十月の給与改訂後におきましては二千五百八円、それから府県教職員におきましては三千三百六十五円、市町村職員におきましては二千五百七円というのが、私ども計算いたしましたところの基礎に相なつております。それから人員は全体といたしまして、百三十七万八千八百人でございます。それでお言葉のございました従来の地方公務員国家公務員との給与の不均衡是正の点でございまするが、私どもといたしましては、これは前回の第一次、今回の第二次を通じまして、すでに一般会計国庫財政負担におきまして、地方財源を付与する場合においては、この不均衡是正をお願いいたしたいという意味合いもちまして、この計算をいたしておる次第でありまして、右申し上げました二千五百八円、三千三百大十五円、二千五百七円という数字は、そういうことを前提といたしました数字でございます。
  13. 藤田義光

    藤田委員 この政府施策に伴う経費増にも関連しますが、先般熊本県をモデルにいたしまして地方自治体、なかんずく町村潜在負担表面に現われざる負担計算してみますると、年間約五億でございます。これは予算面に現われざる数字でございます。その内訳を見ますると、国に対する負担が九千万円、県に対する負担が七千万円、それから農業団体に対する負担が、農業県といたしまして実に二億になつております。そのほかに種々雑多な予算面に現われざる負担が、農村財政を非常に圧迫する結果になつております。御存じの通り国家財政に関しましては逐一精細な資料帳簿がございます。こういう潜在負担というものは、全然ないわけでございまするが、地方自治体においては、予算面に現われざる厖大負担がある。かりに熊本県を年間五億の負担としますると、大体全国で二百億近い町村潜在負担があるのではないかと想像されます。こういう点に関しましては、大蔵省当局では、従来帳簿面は現われましたいわゆる予算のみを見ておられるのじやないかと思います。先般大蔵省から熊本県のある寒村を視察されまして、そこに繰越金が七千万円ありましたのを見まして、その村の財政は裕福なりという結論を下されたそうでございますが、実際上は、その繰越金は長年粒々辛苦しまして、設立以来五十年になる役場の改修費を積み立てておつた。必要な経費の中から、無理しまして積み立てておつた。こういうものを全国的に見られ、町村財政余裕があるという結論を下されたのではないかというようなことを、先般上京しました村長が申しておりましたが、地方自治体特有の潜在負担、出費というものに対しまして、東條次長はどういう御見解でございますか。こういうものはないというふうな認定をされまして、地方財政計画を推進されておるかどうか。この点をお伺いしておきたいと思います。
  14. 東條猛猪

    東條政府委員 私、先ほど来、また当委員会でしばしば申し上げおりまする計数は、仰せのように歳入歳出決算に現われました数字、そういうものを基礎にいたしております。従いまして藤田委員の今御指摘のように、内閣数字あるいは大蔵省のいろいろの計算に、もしそういう歳入歳出外の経理があるのならば、それは織り込んであるか、そういう仰せでございますれば、織り込んでありません。ただ地方団体のいろいろな事情、また従来からのいろいろの事情によりまして、そういう歳入歳出外の経理が行われるということの実情やむを得ないものがあるかとも存ぜられまするが、私ども地方公共団体経費に充てられる場合におきましても、経費の適正化あるいは経費節約、あるいは地方公共団体の会計制度の建直し——言葉は少し過ぎるかもしれませんが、そういう観点からいたしましても、なるべくそういう歳入歳出外の経理はなくするという方向で、物事を考えて行くのが適当ではなかろうか、かように考えておる次第でございます。
  15. 藤田義光

    藤田委員 現実には、たとえば税務署あるいは裁判所施設その他に関しまして、相当厖大負担金を、予算に計上せずして住民の寄付——役場が中心になつて寄付を集めて支出しておるという例は、全国に枚挙にいとまがない。特に中央官庁の出先の施設のすばらしい拡充ぶりは、熊本県一つの例を見ましても、想像に絶するものがございます。熊本市内の最近の、たとえば検察庁あるいは郵政省、電気通信省の出先官庁の新設というものは、全部国家の施設だけでございまして、ああいう現実を見ました地方自治体の指導者が、国家財政に相当の余裕がありというような見方をするのも、あながち不当ではないというふうに私たちは感じております。先ほど今回の補正予算に計上されました百億の平衡交付金配分に関しまして、大蔵省としては何ら関与しないということを言われましたが、これはかねて、市町村財政と、府県財政の現状に関しまして、府県財政が窮迫しており、市町村財政には余裕財源ありという認識を持たれておる大蔵省の御答弁としまして、多少論理が飛躍しておるというように私は拝聴いたしました。むしろこの際昨年よりも市町村平衡交付金を減らしまして、なおかつ四百億の余裕財源市町村にあるということを言われております大蔵当局として、どういうふうな意味で言われたか、この際いま一度お尋ねいたしておきたいと思います。
  16. 東條猛猪

    東條政府委員 地方平衡交付金配分の権限は、地方財政委員会で持つておるのであります。大蔵省といたしまして、地方財政委員会に私ども意見を申し上げ、また希望を申し上げるということは許されるかと存じまするが、平衡交付金配分方法について、権限の問題としては、そういうことを申すべきでないということを、申し上げる次第であります。
  17. 藤田義光

    藤田委員 現実先ほど野村委員長の御説明通り、さらに百億の平衡交付金と五十億の起債増加がなければ、本年度の地方財政は突破できないわけでございますが、さしあたり今回増加されます百億の平衡交付金配分に関しまして、府県市町村配分を、大体どのくらいにされる予定でございますか。府県は昨年に比べまして十億程度増加になりましても、町村は五十七億ぐらいの減額になるようなうわさも耳にいたしておりますが、この際、できましたならば、この百億の配分の具体的な数字をお示し願うと、今後の審議に非常に好都合ではないかと思いますのでお伺いしておきます。
  18. 野村秀雄

    野村政府委員 財政委員会におきましては千百億の九割、九百九十億を先日概算交付として、地方へ割当を一通りつたのでありますが、この割当について、町村が著しく減つたということで、町村の方から、やかましい苦情が出たのであります。これはまことにごもつともと考えております。御承知通り平衡交付金は昨年実施いたしまして、その際これが配分についてどうも合理的でないとか、実情に即せぬとか、いろいろの批判や議論があつたのであります。私どもはこの声をよく聞いて、今年の配分については、これをできるだけ合理的にまた実情に即するようにいたしたいということを考えまして、まつたく政治的の考慮もまた私的の恣意もさしはさまずに、今申したような意味において仮の規則を定めまして、概算交付をいたしたのであります。ところが町村は約平均二割昨年より減じたのであります。もとより町村個々については税収の多くなつた所もあろうし、また昨年の規則が絶対に動かすべからざるものであるとも思つておりません。従つて昨年あまりに不合理な所があつて、そこに多く行つておるということもあり得たろうと思います。ことに所によつては警察をやめられた所があり、また生活保護法の改正によつて町村負担の軽くなつたこともありまして、この仮の規則によつてある程度までは是正した所もあるが、またある所は実情に即せぬ、また不合理な所もあつたと思います。その交付未済額が約三十五億ほどあるのであります。しかしこの仮決定と申すものは、いわゆる仮の決定でありまして、今度地方財政委員会が要求しておるところの二百億の平衡交付金増額が行われたならば、千三百億の平衡交付金の総額を地方に公正に配分いたしたいと思います。私どもの要望がいれられないで、政府提出通りに百億の増額にとどまつたならば、地方財政委員会としては千二百億の平衡交付金を、公正に配分いたしたいと思います。ただ具体的に府県は幾らになり、町村は幾らになるか数字を示せよとのことでありますが、これは今示すわけに参りません。ただ私どもは今申したような考えから、厳正に公平に配分いたしまして、これまでのいろいろの批評のあつたこと、また町村の苦情なんかにかんがみまして、そういう非難やら苦情のないようにいたしたいと考えております。
  19. 藤田義光

    藤田委員 この具体的な数字は、もう大体内定いたしておりまして発表できないのか、あるいはまだきまつていなくて、今後きめるということであれば、いつごろ大体千二百億としての最後決定をされる予定でありますか、この点を一つお伺いしておきます。
  20. 野村秀雄

    野村政府委員 実は昨日も町村長の方々がおいでになつて、もう腹案はできておるのだろう、地方財政委員会において具体的の数字はできておるのだろう、かように仰せになつたのでありますが、私はそれに対してちようど吉田、芦田両氏の問答のように、私どものポケツトにも机の中にも、何らそういうものは持つておりません。これからこの国会において審議せられ、そうして決定せられたものに基いて、公正に配分するということを申し上ぐるのほかございません、かようにお答えを申し上げたのであります。いつごろかということの仰せでありますが、これは今申したような事情で、いつごろかということは申しがたいことでありまするが、とにかく決定があれば、この決定に基いてなるべく早くいたしたいと考えております。
  21. 藤田義光

    藤田委員 ただいまの委員長の御答弁、予算審議中でございまして、大体決定していないのが真相だろうと了承いたしますが、この意見書の御意見通りませんで、起債平衡交付金の百五十億が追加計上されなかつた場合、たとえば大蔵省の資金運用部資金を短期融資をするとか、あるいは地方債わくを拡大して行くとか、あるいは二十七年度分を繰上げ流用する。十五年度においても二十六年度分を繰上げ流用されておりますが、そういうことによりまして、何か現在の地方財政の急場を救う方法を研究されておると思います。国会意見書を出されて、そのままじつとされておるとはわれわれ想像しておりませんが、もし追加予算でさらに百億の平衡交付金が計上されない場合の対策を、いかように考えられておりますか。この際ひとつ忌憚のないところをお聞かせ願えれば、非常に好都合ではないかと思います。
  22. 野村秀雄

    野村政府委員 災害も頻繁に襲い来りまして、地方としても非常に困惑しております。ことにルース台風のごときは、ずいぶん深刻な災害であつたと思います。その災害をこうむつた地方に対しては、非常にお気の毒に思つております。これは政府においてもこれの救済または復旧のために、必ずや何か施策せられるのではないか、かように考えております。百億の起債わく拡張をもつて、こういうことも一緒に見て行かねばならぬということになつては、地方財政としては非常に困るのであります。この政府の災害対策なんかをもにらみ合せて、いろいろのことを考慮いたさなければならぬのではないかと考えております。   「野村委員長代理退席、河原委員長   代理着席」
  23. 門司亮

    ○門司委員 私は総括的にちよつとお聞きいたしておきたいのでありますが、最初にお聞きいたしたいと思いますことは、大蔵省算定方法であります。これは今お話のように、既定財政規模で百大十八億九千三百万円違つておる。その次の項になつております昭和二十六年度の新規財政需要で三百六十六億という大きな数字の食違いが出ておるわけであります。これは見方によつて非常に大きな違いでありまして、大蔵省意見として、一体町村財政規模というものをどこに置かれておるかということが、この二つの大きな食い違いなつて来ておると私は思いますが、大蔵省としては地方の自治体の現状を、どうごらんになつておるかということを、一応聞いておきたいと思います。それの内容は、御存じのように日本の現在の公共団体は、長い間の戦争と戦災による都市の復興ということと、もう一つ新規の事業で、どうしても都市の膨脹に伴つて行わなければならない地方住民の要求が、私はかなりたくさんあると思います。これらのものを総合しないと、ただ平面的に見た財政の需要額だけでは、今日の町村というものは私はやつて行けないと考える。この間の見方において地財委と大蔵省との間に、相当大きな開き  があると思いますが、一体大蔵省はそういうものについて、ただ今までの二十四年度の歳入歳出決算を見てというような機械的のことでなくて、成長して行きます地方自治体を、財源的にどういうふうにごらんになつておるか、非常に抽象的のようでありますが、ひとつお考えを、この際拝聴しておきたいと思います。
  24. 東條猛猪

    東條政府委員 地方公共団体の施策のあり方の根本に触れる非常に重大なものであります。私のごときが御答弁申し上げるのが適当であるかどうか、疑わしく思いますが、国、地方公共団体とも、戦争中非常に無理を重ねております。財力は非常に疲弊しておる。そうしてこの間戦争目的ということのために、いろいろ一般の公共福祉の増進のため、やらなければならなかつた仕事が相当遅れたということは、国においても地方公共団体におきましても、同様ではなかろうかと思います。  なお地方公共団体事業の色彩が、国家の場合に比べますと、特に地方住民の厚生福祉ということに重点が置かれております関係上、そういう意味の施設が等閑に付されたということは、国地方同様でございましようが、地方団体の性質が違います結果、その違い方もまた違つて来ておるということも申されるのではなかろうかと思うのであります。ただ敗戦後の今日、仰せのごとく遅れておりますところの施設を、いかなる速度をもつて、どういう規模において回復して参るかという問題であります。私は国も地方公共団体も、力が許せばなるべくすみやかに、また大規模にこの復旧ということが行われるべきであり、また国民一致して、そういうふうに努力しなければならぬと考えるのでありますが、現在の経済力、財政力という観点から、よいこととはわかつておりながらできないということが、多々あるのではないかというふうに存じております。非常に抽象的なことを申し上げまして、恐縮でありますが、さように考えております。
  25. 門司亮

    ○門司委員 今の大蔵省の答弁だけでは、私は何を聞いたのかわからないことになりますが、大蔵省はそういうものの考え方で行かれるとするならば、私は財源の問題に触れて行きたいと思います。率直に私聞いておきますが、大蔵省のお考えの中には、地方の自治公共団体には、税制改革で相当の財源を与えているから、自治体がやつて行けなければ、もう少し税金をとつたらいいのではないかというお考えがあるのではないかと思う。もしそういうお考えがないとすれば、市町村財政が七、八百億黒字なつているということはおよそ想像つかぬと思う。従つて大蔵省としては、国の平衡交付金なり、あるいは起債というものを圧縮する関係から、大蔵省の底意の中には、ずつとこれを圧縮したけれども、そのかわりに税金がとれるだろう、税金がとれるように税法の改正をしたじやないかというお考えがあると思いますが、その点はどうお考えになつておりますか。
  26. 東條猛猪

    東條政府委員 私は大蔵省では、そういう考え方はないと存じます。
  27. 門司亮

    ○門司委員 そうすると大蔵省地方の税収に対しまして、大体地方住民の負担の限度に来ていると解釈してさしつかえございませんか。
  28. 東條猛猪

    東條政府委員 税負担の問題は申すまでもなく、国税地方両者を通じまして、負担がどうなつているかを考えろべきだと存じます。たいへん恐縮でありますが、私は大蔵省部内において税方面の専門家ではございませんので、的確なる御答弁を申し上げかねますが、政府といたしましてはなるべく税負担調整、緩和をはかりたいということで、今回の予算なり税制の改正案を提出している次第でございます。
  29. 門司亮

    ○門司委員 私のお聞きしたこととちよつと離れておりますが、——大蔵省地方に税制改革で財源を与えた、しかしその財源の範囲内で、地方財政が十分にまかなえないことはおわかりの通りだと思います。同時に税制改革はしても財源を与えても、税の徴収限度というものは、地方の自治体では大体来ているのだ、これ以上の地方税の増徴は困難であるというような見解にお立ちになつているとするならば、今度の大蔵省と自治庁との歳入の面の相違、あるいは歳出の面の相違というものは、こういうかけ離れた数字では出て来ないと思います。今大蔵省で考えられている歳入の面につきましても、非常に大きな開きを持つている。大蔵省としては少しも困らぬというようにお考えでありますが、実際は困つている。私は現実の問題として、こういう数字が出るはずがないと考えているので、大蔵省資料がありましたならば、大蔵省自身が御調査なつ町村の名前と、それに伴います調査された基礎的の数字を、御提出願いたいと考えております。そしてそれがわれわれの検討する角度から見て、大蔵省見方が正しいかどうかということ、同時に地財委にもお願いしておきたいと思いますのは、地財委で調査された範囲が、どういう範囲になつているか、もしここで書類によらないで、御答弁願えればけつこうでありますが、大蔵省としてはどういう角度から、こういう数字をお出しになつたのか、その基礎的の調査資料を御発表願いたいと思います。
  30. 東條猛猪

    東條政府委員 歳入面におきましては、先ほどちよつと御説明申したと思いますが、地方税から雑収入まで合せまして五千六百九億円ということで、意見一致を見ております。大蔵省の考え方といたしまして、前年度繰越金でございますとか、あるいは使用料手数料でございますとか、あるいは雑収入とか、そういうふうになお余裕があると思われるということを補足的に申し上げましたので、その点の御指摘かと思いまするが、ごらんいただきまするように、大綱につきましては意見一致を見ております。御要求の資料につきましては、できるだけ整えまして、ごらんに供したいと思います。
  31. 門司亮

    ○門司委員 それから資料の中で、もう一つ聞いておきたいと思いますることは、さつき藤田君も聞きましたが、例の俸給の問題であります。俸給の問題が非常に違うようでありますけれども地方は高いから、これを国家公務員並に引下げるのだというようなお考えを、一体大蔵省はお持ちになつて、こういうことをお考えになつておるかどうか。
  32. 東條猛猪

    東條政府委員 給与の点につきまして、引下げるということを、私不用意に申し上げたといたしましたならば、この点はよく御了解願いたいと思います。私ども給与の問題を取扱う場合におきまして最略必要なことは、相互の間に均衡を保つことであるというふうに考えております。従いまして国家公務員の平均ベースは、地方公務員の平均と比べて、高いとか低いとか論ずることはやつておりません。ただ同じ経験年数、同じ学歴でも、地方公共団体と国家では、仕事の性質も相当違いますから同じ程度の責任、あるいは同じ性質の仕事をやつておる場合においては、同等の給与であるべきだという考え方をもちまして、先ほども申し上げましたように、国家公務員約七万人につきまして、各府県その他の団体から資料の御提出を願いまして、しさいにそれらの点につきまして検討を加えました結果、国家公務員並の給与基準を適用すればこうなる。そうして大蔵省が考えました給与基準をはかるものさしはこういうものでございます。そのはかりではかつた結果は、都道府県別にこうでございますという資料を、御参考までに出しまして、地方財政委員会を通じて、各府県にも御検討願つておるわけであります。従いまして、くどいようでございまするけれども、引下げるとか、あるいはペースの高いのをいきなり持つて来たとかいうことではございませんので、給与の問題を取扱うにあたりまして、当然考えなければならないいろいろの要因を入れた上で、国家公務員地方公務員給与は、同じ扱いでやるという趣旨でございます。
  33. 門司亮

    ○門司委員 もう一つ聞いておきたいと思います。国家公務員地方公務員給与に開きがあることは問題でありまして、開きがあるには開きのある理由がなければならないと私は思う。地方の公共団体も一つの公共団体でありまする関係から、何らのいわれもなければ理由もないのに、給料をたくさん出すことは毛頭ないと思う。もしこれを出すとするならば、濫費と言われてもさしつかえないと思う。人件費だから濫費ということは言えないが、とにかく出し過ぎておるということは言えると思う。こまかい数字は私は申し上げませんが、大蔵省は、地方の公共団体給与が高いからベース・アツプにしましてもこういう程度でいいのだ、従つて平衡交付金というようなものも、これでいいのだというようなもしお考えであるとすれば、実質の賃金は下るわけであります。国の公務員のベースを千五百円上げて、地方は上げないということになれば、何と言われても、国と地方の賃金を機械的に同じようにしようというお考えだと私は思う。これは大蔵省としては、そういう考え方が、あるいは機械的には成り立つかもしれませんが、従来の日本の地方公共団体に勤めておりまする公務員の勤務年限あるいは素質、それから従来の地方と中央との関係、これは非常にむずかしいのでありまして、われわれも地方の公共団体の議員をしておりました際に、こういうものが問題になつたのでありますが、当時の日本の状態というものは、中央における役人の権限と、地方の村役場あるいは市役所その他におりまする役人の権限というものとは、非常に大きな開きを持つてつたのであります。従つて同じように学校を出て参りまして、同じように経歴を持つておりましても、地方に勤める人のそれをカバーするいわゆる官尊民卑の激しかつた当時の、官僚の持つておりまする権限というものよりも薄い権限を付与される者については、やはりそれをカバーするために、多少の経済的のめんどうが見てあつたということは、私は事実であると思う。たとえば県庁をおやめになつて、県庁の課長から市役所の何かに転任されて行かれる場合には、同じ給料ではなかつたと思います。それにはそういう一つの不文律があつたと思う。これらの問題のために、やはりずつと今日まで給料が高いとか安いとかいうことになつております。それともう一つ同時に考えられておるかどうかということは、中央官庁に勤めております人の環境と、地方の非常に遠い所におります人の環境の相違であります。文化とか、その他の環境の程度におきましても、相当開きがあるわけであります。従つて同じような年数であるとか、あるいは同じような学歴であるから、必ず同一でなければならないというようなことは、これから先中央の権限がだんだん薄らいで来て、地方に権限が委譲されて、地方が完全に独立して行つて地方としてやれるようなことになつて、官尊民卑のような風習がだんだんなくなつて来て、われわれの考えているような、きわめて民主的なものができれば別でありますけれども、現在はなかなかそこまで行つておらない。従つてどうしてもこういう因襲的なものが残つてつて地方の公務員の給料が高いということになります。     〔河原委員長代理退席、野村委員長代理着席〕  もう一つは、これは私の考え違いではないか、あるいは言い過ぎになるかもしれないと思いますが、学校の先生の給料であります。学校の先生の給料については、国から指示されております一学級当り一、三か一、五とかいうようなことで、中央では大体給与計数を定めていると思います。ところが地方に参りますと、一、三とか、一、五、とかあるいはそれ以下の教員の配置数では実際の教育は行えない。そこで、どうしても国で認めたそういう規定以外に、教員を何かの名目でここに使わなければならないというようなものが、授業にさしつかえる関係から実際に出て来わしないかと思う。これはさつき藤田君も言つておりましたが、隠れた支出だと言えるかもしれない。これは張面に出ているか出ていないかということは別問題でありますが、地方公共団体は、実際の行政を運用して行く上においては、中央で定めた規格より以上の出費をしていると思いますが、そういうものを大蔵省で勘案されておつたかどうか、大蔵省は、どこまでも学校の先生の給与は、この頭数で割つてつたかどうか、実際の数字とこれがほんとうに合致しておつたかどうかという点について、詳細に御調査なつておつたかどうか、この機会にもう一度聞いておきたいと思います。
  34. 東條猛猪

    東條政府委員 いろいろ有益な御意見を拝聴いたしました。私どもが、地方公務員国家公務員との給与を比較する場合におきまして、どうも国家公務員に比べて地方公務員の方が割高になつているのではなかろうかということを申し上げておりますのは、たとえば初任給の扱いでありますとか、あるいは国の場合は、級別の格付の定数というものを予算の上ではつきりきめまして、特別の事情がなければその級別定数を越えてはいけないというようになつておりますが、地方の場合は、その基礎なつておるところの級別の格付の基準が比較的甘いと申しますか、ゆるいということであります。お話のように、同じ部長と申しましても、県の部長と国家公務員の部長と比べたときどうなるかということを一例をあげて申しますれば、——これは一例ですから、これをもつて全部を推してはいけないのでありますけれども国家公務員の部長でありますと、大体十一級、十二級ということになつておるのに対しまして、県の部長は十四級、十三級、十二級というように、国家公務員の格付の基準という頭でもつて見ると、そういう基準になるような給与をもらつておられるのであります。私どもといたしまして、お話のようなこともございますので、いろいろ相違はあるかもしれませんけれども、そう違うというのは、おかしいのではなかろうかというようないろいろの考え方、それからまた昇給、昇格の扱いにいたしましても、国の場合は法令あるいは人事院の規則というもので定まつておるのでありまするが、そこらもいいかげんになつておるのじやないかというようないろいろの観点から、実際お出し願つた資料を検討いたしておるわけであります。  それから従来国家公務員との扱いが、不分律的に違うのではないかという点でございまするが、あるいは仕事の性質も違いまするし、仰せのようにポストに伴いまするいろいろの微妙な関係から、そういう事情もあろうかと存じますが、私ども今回計算をいたしました場合におきましては、先ほど申し上げました格付け基準におきまして、多少の程度のしんしやくはいたしておりまするけれども、全般として地方公務員国家公務員より、たとえば一級、二級程度高くていいというようなことでは計算はいたしておりません。  それから学校教職員の例をかりて、実際どの程度詳細に数を調べておるのだというお話でありまするが、従来とも地方公務員の職員の数につきましては、地方財政委員会ともいろいろ打合せをいたしておるのであります。先ほどもちよつと申し上げたのでありまするが、今回の計算基礎の百三十八万という地方公務員全体の数字は、実際の数字よりは下ることはない、これは多少上まわつた数字なつておるのではなかろうかというふうに考えておる次第であります。
  35. 門司亮

    ○門司委員 次に聞いておきたいと思いますことは、物価騰貴による一般物件費の増を地財委では二百億見ておつて、そうして大蔵省がこれを見ないと言つておるのですが一体大蔵省はものが上つていないというお考えでございますか。
  36. 東條猛猪

    東條政府委員 これは先ほども申し上げた通りでございまして、相当の物価騰貴がございまするが、今回の国の補正予算におきましては、原則といたしましては、物価騰貴に伴いまするところの経費の追加はいたしておりません。むしろ関係各省各庁にお願いをいたしまして、この際わずかの程度でありまするが、物件費についての節約をしていただこうではないかということで、ピントを合せまして十三億円程度でございますが、補正予算でもむしろ歳出節約をいたすということをいたしておるわけであります。それから一般会計で申し上げますると、刑務所の収容費でありまするとか、あるいは病院の食糧費というように計画の繰延べが、どうしてもできない。何とものつぴきならないというもの以外は、経費増加は見込まないというような予算の編成の仕方に相なつております。そういう意味合いにおきまして、もちろん地方公共団体物価騰貴に伴いまして、いろいろ財政上つらいということは、仰せの通りであろうと思いまするけれども、何とかこの際物価騰貴の問題につきましては、経費の増嵩を来さないように切盛りをお願いいたしたい、こういう趣旨でございます。
  37. 門司亮

    ○門司委員 その点はおかしいと思う。地方の公共団体は、大蔵省もまた地方の公共団体も地財委も物件の節約をすることに大体八十億、あるいは八十八億とい、う数字が書いてありますが、これだけお互いが節約して行こうとしておる。そうすると地財委の要求では二百億の物価高騰によるものが必要だ。これを大蔵省は認めぬということになりますと、合計すると二百八十億というものを、地方財政の中から圧縮しなければならぬ、こういう結論が出るのですが、一体地方の今日の財政から二百八十億の圧縮ができるかどうかということであります。大蔵省物価騰貴は認めないと言われるかもしれませんが、物価騰貴を認めないということになりますと、どうしても財政を圧縮せざるを得ない。事業の繰延べをするかあるいは圧縮をする。その圧縮の量は八十八億認めておる。とにかく物価騰貴はするだろうけれどもこれは見ない。これだけは私は認めるわけに行かぬ。財政の圧縮をしてもらいたいというだけならわかります。財政の圧縮をしてもらいたいといつて八十八億を要求して、しかもこれを地財委ものんで、できるものは圧縮して行こうというお話合いができておる。それになお二百億を圧縮せよということになれば、二百八十八億の圧縮をするということになるのですが、そういう大きな圧縮が、今の地方公共団体にできるかどうか。私はこの点を抽象的なものではなく、もう少し詳細にはつきりと論拠を出してもらいたい。
  38. 東條猛猪

    東條政府委員 そこに圧縮として計上してございまする八十億円余は当初の予算におきまして、——これは前回の当初予算のときに御説明申し上げたと思いますが、何とか、節約をいたそう、こういう趣旨地方財政委員会でも御了承の上、計上いたした分であります。今回の二百億は、その後この当初予算に計上いたしました八十億とは別に二百億という話が起りまして、内閣側といたしましては経費増加は、この際としては認めないという趣旨のものであります。それで当初の八十億と、今回地方財政委員会で二百億の物件費の増がいるのだと言つておられますものを合計いたしますれば、二百八十億になるということは、これはその通りだろうと思います。先ほども申し上げましたように、私どもといたしましては、当初予算以来の国家財政におきましてとつておる方針にのつとつて、この際地方団体におきましても必要があるならば計画の繰延べ、その他をお願いいたしたい、こういう趣旨であります。  それからなお内閣算定におきましては、百億円の予備費も計上してございます。この予備費の内容は、もちろん私どもは文字通り予備的にいるであろうというふうに考えておりまして、この内訳等につきましては持合せはございませんが、もしどうしてもこの計画の繰延べその他において、無理な点があるというのならば、この中あたりからも多少の余裕は出て参ろうか、かように存じておる次第であります。
  39. 門司亮

    ○門司委員 今予備費お話をされましたが、大蔵省予備費の百億というものは、私は悪く解釈すると、地財委との数字のつじつまを合せるためのものだ、そう解釈するのであります。そうしないと数字をずつと見て参りましても、つじつまの合わないところが出て来る。こうした逃道をこしらえておいて、自分の方はこう出るのだが、そんなら百億だけはポケツトみたいなものをこしらえてやろう。私は、きわめて悪い言葉で言うと、大蔵省はずるい物の考え方で、こういう地財委の要求しない額を百億だけふやしておいて、ここで逃げようではないかというお考えではないかと、今の答弁を聞くと考えるのであります。これ以上議論することはどうかと思いますが、もう一つ別に具体的にお示しを願いたいのは、大蔵省は現在の物価が一体どの程度つておるかということ、——私は上つていないとは言われないと思いますが、当初予算に比較して、どの程度物価の値上りを来しておるかという数字を、はつきり示しておいてもらいたいということであります。
  40. 東條猛猪

    東條政府委員 物価騰貴数字を示せ、こういう仰せでございますが、私どもは二十六年度予算につきましては、昨年の秋ごろの物価を基準にいたしまして、そうして当初予算が編成された次第でございます。それから今回の補正予算におきましては、るる申し上げておりますように、原則といたしましては、この物価騰貴に偉いますところの経費の追加をいたしてございません。そういう意味におきまして、予算積算の基礎になるべきところの物価騰貴見方はどうか、こういう仰せでございますと、きわめて断片的なことを申し上げざるを得ないような結果になるのであります。たとえば今回の累次の主食その他を中心といたしまするところの食糧品の値上げというものは、大体今回の八月の改訂によりまして、平均いたしますと、消費数量その他を勘案いたしますれば、食糧費におきまして一八%程度の値上げなのではなかろうか。従いまして、刑務所の収容費、病院の食糧費がどの程度増加しておるかということにつきましては、この一八%という数字を積算の基礎にいたしまして、予算の見積りをいたしております。それから例外的に見ておりますたとえば電気通信事業の特別会計では、資材関係の値上りはきわめて大幅でございまして、損益勘定におきまして保守工事用資材におきましては、大体昨年の八月ごろを基準にいたしますと、五〇%程度の騰貴になりそうだというふうな見方をいたしております。もし全般的に物価騰貴の趨勢はどうかということに相なりますれば、ちよつとただいま資料の持合せがありませんので、たいへん恐縮でありますが、たとえば卸売物価指数であるとか、小売物価指数であるとか、あるいはCPIの数字でありますとか、そういう計数をごらんいただくなり、あるいは調査の結果申し上げるなりいたすべきかと存じます。
  41. 門司亮

    ○門司委員 これは何度も繰返しておることで、これ以上申し上げるのもどうかと思いますが、先ほど申し上げておりますように、物価の騰貴しておるのは事実であるということをお認めになる以上は、当然これに伴つて地方歳出はふえるのであります。それだけを経費の中に見て行かなければ、地方の公共団体はなかなかやつて行けないのであります。ことに大蔵省の認識の欠けておる点は、地方の公共団体をどういうふうにお考えになつておるかということであります。地方の公共団体、ことに都道府県よりもむしろ市町村は、直接住民につながつておりまして、住民の直接の要求であれば、これは繰延べなければならないというような事業であつても、地方住民の要求に対しては、地方理事者というものは応じないわけには参らぬのであります。ことに先ほど申し上げましたような、今日再興いたしております日本の、公共団体のいろいろな事業というものはよくても悪くても、とにかく日本が育つてつておるということは事実であります。文化的にも、環境的にも成長して行つております地方公共団体の住民の要求は、単に大蔵省がものを考えておるように、物は上つてもとにかく物件費は出ない、従つてつただけは事業を縮小すればよいではないかというようなものの考え方では、地方の公共団体の仕事は理事者にはできないと思う。また地方の住民もそれでは承知しないと思う。大蔵省は、地方住民の税制改革による税の徴収も、ほぼ限度に来ておるのだということを、もしお考えになり、物価が上つておるということをお考えになるのなら、そういうしやくし定規な、何でもよいから頭から削るというようなやり方は、官僚の最も悪いところであると思う。行政を行うものの仕事ではないと私は思う。ほんとうに政治を行うものが、一体こんなことでやれるかどうか。  またもう一つ私どもがお答えを願つておきたいと思いますことは、この二百億の物価騰貴による増減は、大蔵省はどうしても認めない方針であるかどうか。従つて先ほど申しました八十億の経費の圧縮と、両者合せて二百八十億だけ地方財政規模を圧縮することを、大蔵省はお認めになるかどうか。
  42. 東條猛猪

    東條政府委員 仰せでございますが、内閣算定基礎におきましては、二百億の物価騰貴増加は計上いたさない。それから既定財政規模の圧縮は、当初予算に予定いたしました通り八十億の圧縮をお願いいたす、ただこれは中央の財源の付与の計算基礎といたしまして、さよう考えておる次第であります。予備費の百億の問題も、先ほど申し上げたのはその点でありますが、これが各地方公共団体計画の繰延べ、あるいは中止ということにただちになりますかどうか。これは各地方公共団体のいろいろの財政事情もあることであろうかと存じますが、平衡交付金なり、地方起債の積算の基礎といたしましては、右に申し上げました次第であります。
  43. 門司亮

    ○門司委員 最後にもう一つ要望しておきますが、先ほど申し上げました三百六十億と百六十八億の食い違いなつております既定財政規模と、昭和二十六年度の新規財政需要との関係についてであります。これは調べられた数字は、なるたけ早く、ただちに出してもらつて、この次来ていただきますときに、われわれも十分勉強する時間を与えておいてもらいたい。今日出て来て今日与えられたのでは、なかなか数字を検討する時間がありませんから、それをひとつお願いしておきます。  もう一つお聞きしておきたいと思いますことは、先ほど言われました市町村に七十七億の黒字があるということであります。大蔵省計算するとこういうものが出るということであ力ますが、われわれはどうしても市町村黒字が出るということは考えられないのであります。赤字は出るとしても黒字は出ないと私は思います。これも大蔵省のもう少し明細な資料を、市町村の分を別にひとつ出しておいてもらいたい。これが統計で同じように出ざれると困りますのでひとつ別に出しておいていただきたい。  それからもう一つ聞いておきたいと思いますことは、地方財政平衡交付金を百億増されたということは、府県財政が困つておるから府県に出したのだということを、大蔵省ははつきりお認めになるかどうか。これはりくつから申しましても、市町村黒字であるから出さなくてもよいというりくつなら、私にはわかるのでありますが、大蔵省はそれをはつきりお認めになるかどうか。  もう一つは、とにかく今までの千百億に対して、もう百億の追加であるから、千二百億として、これを地方財政平衡交付金として割当てる。従つて府県にも行くだろうし、あるいは市町村に行くかもしれないというきわめて要領のよいお話でありますが、一体大蔵省はそれでよいのかどうか。大蔵省の金を出される方の側からいうと、少し文句がなければならぬはずだと思いますが、これでも大蔵省地方財政委員会にまかしておるのであるから、その使途はいかように使われようと、自分の方は知らないということになりますと、大蔵省のいう市町村黒字だということが、少しあやしくなるような気が私はするのです。大蔵省はそれでよいかどうか。
  44. 東條猛猪

    東條政府委員 大蔵省地方財政委員会資料をいただきましたり、あるいは御協力をいただきまして、地方財政収支見込み算定いたすのでありますが、地方財政のうち府県の分はどうなるか、市町村の分はどうなるかという計算は、算定基礎といたしましては、一応出すわけであります。そういう意味におきまして、先ほど来、府県なり市町村内訳につきまして、私どもの見るところを申し上げておる次第であります。平衡交付金配分の問題につきましては、私は法規の定めております権限といたしまして、地方財政委員会の権限に属しておるということを申し上げておるわけであります。
  45. 川本末治

    ○川本委員 ただいま藤田委員、門司委員から詳細な質疑等がありましたが、私は本日はごく簡単に要望だけを大蔵当局に申し上げておきたいと思います。ただいままで承つておりますところによつても、なお大蔵省から提出されました数字を見ましても、地財委の数字と相当の食い違いがあるようであります。公平に私どもが判断してみましても、いささかこの問題は大蔵省の方に無理があるように考えられます。特に市町村財政を甘く見ておるという見方は、否定することができないだろうと思うのです。従いまして少くとも市町村に対しましては、昨年度程度平衡交付金を支給せられるような方策を講ぜられなければ、本年度の市町村財政の実情から行きまして、とうてい結末はできないだろうと思いまするが、この場合大蔵当局といたしましては、いま一考を煩わすだけの余地があるかどうかということを、一言承つておきたいと思います。
  46. 東條猛猪

    東條政府委員 ただいまのお言葉の御趣旨が、大蔵当局において平衡交付金増額でありますとか、あるいは地方起債わくの拡充でありますとか、その各わくをさらに増額するという意味の考慮の余地があるか、こういうお尋ねの御趣旨でございますれば、そういう考慮の余地はないということを申し述べたいと思います。
  47. 川本末治

    ○川本委員 大蔵省の方では大分強硬な御意見のようですが、間違つた算定があつても、実際に即さないものがあつても、これをそのままつつぱるということになりますと、先般の門司委員のお話を、そのまま肯定しなければならぬような結果が出て来るのであります。この際私も本日ここのこの数字を見せられて、今すぐそれを幾度ここで繰返しておりましてもはつきりしませんので、門司委員のお説のように、もう少しく詳細な資料を至急御提出を願いたい。私どもはこの際地方公共団体窮状大蔵当局の言われるように、さように甘くこれを解決することはできない、かように考えておりますし、材料が不十分であり、またそれに伴いまして大蔵当局の御答弁も、はなはだ不十分であるやに感じられますので、次会までに十分的確な御答弁のできるように、われわれの方も十分これに対しまして突き進んで御質問することができるような機会をお与え願うように、委員長の方においてしかるべくおとりはからいを願いたいことを、この際お願いをいたしまして、大蔵当局にはつつぱなさないで、どこまでももう一回反省をして、実情に即した方向に持つて行かれるように、よく御協議願うことを強く私は要望をいたしまして、本日はこの程度で終りたいと思います。
  48. 大泉寛三

    ○大泉委員 二、三点伺います。先般相当被害を受けたルース台風の被害に対して、財政的な処置はどういうふうにとられておるか。これは地方財政委員会としても、大蔵省としてもどんな処置をとられてありますか。
  49. 野村秀雄

    野村政府委員 せつかく今現地にも役人を派遣しておりますし、またいろいろの材料を収集しておりまして、これに基いて適当な処置をとりたいと思います。今のところ具体的な財政的処置はとつておりません。
  50. 東條猛猪

    東條政府委員 地方財政委員会としてと申し上げるよりも、各省の関係にわたりますので、お尋ねと多少それるかと思いますが、とりあえず災害復旧費の短期融資の金を——私実はこれは所管でございませんので、的確に金額は存じませんが、出そうじやないかということが、たしか考えられておるのではないかと考えております。  それから厚生省方面におきましては、御承知の災害救助法を適用いたしまして、今回災害を受けました地域に対して、とりあえず食糧でありますとか、応急の小屋でありますとか、あるいは薬品でありますとか、法律の命ずるところに従いまして処置をとりまして、財政状態の悪い府県には法規の命ずる補助が出る運びになつております。  それから災害復旧費につきましては、ただいま委員長から仰せのございましたように、目下関係各省で査定中でございますので、その結果によりまして、何分の措置がとられることであろうと思つております。
  51. 大泉寛三

    ○大泉委員 それから先般自治体警察から国警に移管された町村に対する財政的な交付金が、今度充実することになりますが、それが増加はどれくらいな額になりますか。
  52. 荻田保

    ○荻田政府委員 大体十億くらいであります。
  53. 大泉寛三

    ○大泉委員 それから今回本委員から市町村に対する交付金の増額を要望されましたが、私もそれにつけ加えて申し上げたいことは、政府は法人税、所得税その他の源泉徴収というような点において、今年度は非常に自然増収を見込まれておる。私は物価が騰貴した結果、それに輪をかけて自然増収があるものと思います。しかるに地方税においては、特に市町村の最も有力な財源とする固定資産税あるいは住民税というようなものは、きちんときまつておる。自然増収というものは相当伸縮性のあるものであるから、そうした伸縮性のある財政の動きに対して、これを活用して行かなければならないのじやないかと私は思う。これは中央ばかりでなく、地方においてもそうした立場を認めて行かなければならない。そこで先般府県税に対しては府県知事が相当強硬ないわゆるいすわり戦術までもやつて、とにかく二百億に達する増額を認めさした。これは府県知事が非常に強硬な態度をとつたから、政府が応じられたのであろうと私は思う。市町村長の立場は、どうも職業的な力もない。またそういう矯激なる運動ということは人柄としてできない。そういうおとなしい行動に対して、市町村余裕があるからというが、それは警察の関係から言われるのでしようけれども、やはり地方財政はどこまでも市町村府県を一体としたところの立場を見なければならぬ。先ほども申し上げた通り、物価の騰貴による自然増収ということは、むしろ政府の立場においては増収が見込まれるけれども市町村の立場においては、まつたく自然増収は見込まれない。むしろ今年度は固定資産税というようなものが制定された初めての年であつて、必ず私は計画通りには参らぬと思う。その評価においても必ずしも全国一定とは行かない。基準は一定されておりましようけれども、あるいは場所によつて、その査定は相当変更されなければならない。こういうような状態から、市町村の立場は、私はむしろ相当財源を上まわつておるように見受けられるのです。府県の方は政府に追従して行くような事業税の立場、あるいは遊興飲食税、入場税というような立場で行くのだから、これも収縮性がある。いわゆる一般社会の経済状況と行をともにするような形である。こういうことを見ましたときには、市町村財政というものは経済界から相当違ざかつて、遅れておる。いわゆる財源というものは窮迫しておるというふうに見なければならぬのじやないか。そこでせめて政府の自然増収になつている比率において、これを地方に還元する必要があるのじやないか、こういう立場から、まず市町村財源を再検討してもらいたいということを、私は要望しておきます。  それから野村委員長に対しては、府県の方は相当力も社会性も大きいのであるから、これはなるたけ起債の方を多く認めて、市町村の方は財源も小さいのであるから、なるべく交付金を多くして配付してもらいたいというように私は思う。これに対してもし私の希望と一致するならば、ぜひ御答弁を願つておきたいと思います。
  54. 野村秀雄

    野村政府委員 地方財政委員会といたしましては、府、県、市町村団体を通じて、財政需要額、財政収入額を見合つて、公正に配分いたしたいと思います。御了承願います。
  55. 東條猛猪

    東條政府委員 税の自然増収の内訳がどうなつているかという事務的な問題を申し上げるといたしますれば、先ほど申し上げましたように当初予算と比べましての増収を四百二十三億見込んでおりますが、そのうち都道府県におきまして約二百七十三億、市町村におきまして約百四十九億という増収が見込まれるということで、税収の内訳見込みを立てております。
  56. 立花敏男

    ○立花委員 まず第一に委員長にお尋ねいたしたいことは、私前の委員会のときに、地方財政委員会がお出しになつている意見書をどういうふうに処理なさるか、あの当時はまだ内閣が握つておりまして、国会に出て来ておりませんでしたから、早く出すように促進していただきまして、委員会ではつきりした態度をおとり願いたい。特に予算委員会がすでに始まり、進行いたしておりまして、月曜日あるいは火曜日には審議を終えると申しておりますので、それまでにぜひこの委員会で慎重審議をいたしまして、委員会としての結論をお出し願う、そして委員会としての適当なる手をお打ち願いたいということをお願いしておきましたが、きようの様子を見ますと、自由党の方十数名のうち二名しかおいでになつておりませんし、財政平衡交付金問題につきましては、あまり真剣な御討議も御質問もないようであります。こういうことでは私は委員会としてのこの重大な責任が果されないと思います。また私から委員長にお願いしておきましたことも、これでは十分遂行されないのではないかと思いますが、この点に対して委員長はどう考えるか。この地方財政委員会意見書を、委員会としてどういうふうにお取扱いになり、また予算審議との関連において、どういうふうに運ばれる御趣旨なんですか、これを最初に伺つておきたい。
  57. 野村專太郎

    野村委員長代理 ただいまの立花委員の御意見に対しましては、委員長としましては最善を尽しておるわけですが、今日意見書に対して地財委員長より御説明いただいて、その線に対して委員各位から熱心に審査をしていただき、今日の委員会においてはまだ各党の委員から質疑を残しております。地財委員長としては二回にわたつて意見書提出があり、これについてはわれわれとしましてもまつたく同感で、本問題は非常に重大な問題でありますから、予算委員会審議状況ともにらみ合せ、各位とともに最善を尽したいと考えております。そういう意味において数回にわたつて、この委員会の審査を続行しておるわけであります。今日の委員会におきましても、さつき門司、川本両君から大蔵当局に対して市町村財政に関する参考資料を求められ、これらが一番中心であろうと思いますが、これらの提出を待つて十分委員各位と協議いたしまして、この問題に最善の努力を払いたい、かように考えておるわけであります。
  58. 立花敏男

    ○立花委員 慎重審議もいいですが、ではその資料はいつお出しになつて、それに基いていつ審議なさるのか。これをはつきりきめていただかないと、審議に日が暮れて、地方は干上つてしまうという結果が起るわけであります。先ほど申しましたように予算委員会はもう月曜、火曜に終ろうとしておりますが、予算委員会が終つたあとで、いくら私ども数字をひねくりまわして結論を出しましても、予算の修正は不可能だと思います。次いでの補正予算がいつ出されるか、出されないか、これも私は脈はないだろうと思いますが、そういうことではたして私ども委員会の責務が果せるかどうか。遅ればせではありますが、私ども手元に出て来ております地方財政委員会意見書、これはただ一片の紙でございますが、この背後には全国一万に上る自治団体の重大な問題が含まれておるわけであります。それがこういう状態で、はたしてわれわれが十分職責を尽して審議できる期間があるか、またその審議の結果を、有効に実現さす道が開かれるか、私非常に疑いなきを得ないのであります。だから委員長が万善を尽して、あるいは誠意を持つてと言われるならば、もつとはつきり具体的に今後どういう方法で、いつどうやるかということを、ひとつ御発表願いたい。もうほんとうに日は二、三日の後に迫つているわけであります。しかもきようもまだ時間が十分ございますが、これで打切ろうと言つておられる。あしたもやらないと言つておられる、あさつてもやらない。そうしたら一体いつおやりになるのか、大蔵省の重要な資料がいつ出て来るか。そのはつきりした見通しが立たないと、私はこれを審議を続けろ必要はないと思う。何にもならないことをやつているのと同じなんです。もつと悪く言えばごまかしなんです。だから委員長の誠意を疑うわけではございませんが、はつきりした見通しをお聞かせ願えないと、われわれはただ委員長の万全を尽してやるという言葉だけに信頼するわけには参りません。これは私個人の意見ではなしに、おそらくここにもおいでになつている、あるいはこの間も私どもがお会いしました全国の市長さんたち、あるいは町村長さんたちが、私どものこの委員会の成行きを見守つておるだろうと思う。またその意向をくんで地方財政委員会意見害を私ども委員会に出して来ておられるが、はたしてこういうやり方でよいのか、委員長のはつきりした対策をお聞かせ願いたいと思います。
  59. 野村專太郎

    野村委員長代理 委員長としては予算委員会審議経過なり、これらとにらみ合せて委員諸君と最善を尽したい。共産党だけがいわゆる地方自治体に対する今の御発言ですが、各党ともこの問題に対しては、最毒を尽さなければならぬ問題でありまして、特に地方自治体に対する健全な運営ということは、日本の民主政治にとつて申すまでもなく一番の根幹であります。しかし国の財政も非常に困難なときでありまして、われわれとしては委員各位の熱心なる御協力によつてこの問題を善処したい、かように考えているわけであります。理事会等に諮りまして、予算委員会の経過と十分にらみ合せて、この問題を善処いたしたい、かように考えているわけであります。
  60. 立花敏男

    ○立花委員 少々具体的な、理事会をお開きになるという御意見ですが、理事会をいつお持ちになる御予定か、それをお聞きしたいと思います。
  61. 野村專太郎

    野村委員長代理 理事会は予算委員会の経過状態等をもにらみ合せて、十分その時期をはずさないで開いてやりたい、かように考えております。
  62. 立花敏男

    ○立花委員 もつと具体的な御答弁をいただきたいのです。その程度では地方団体の私どもに寄せられております期待に沿つて、事が運べるようには決して思えません。しかしこれ以上は水かけ論になりますので、結果を見る以外には方法がないと思います。  野村さんにお伺いしたいと思いますが、野村さんのお考えの中に、平衡交付金に対するお考え方が、やはり少しずれているのではないかと思う点があるのであるのですが、平衡交付金の決定、あるいは平衡交付金増額の決定は、原則的な点でよいですが、一体どういうふうにしておきめになるというお考えなのか。これをひとつ伺いたいと思います。
  63. 野村秀雄

    野村政府委員 この意見書にも示しているように、地方の各団体財政需要額と財政収入額とにらみ合せまして、そうして今年度において、さらにそれがいろいろの事情において増加する場合には、その増加額を加えまして、政府の方に要求しているわけであります。
  64. 立花敏男

    ○立花委員 そうしますと平衡交付金の額というもの、総額一千百億、あるいはお出しになつている一千三百億、あるいは追加分の百億、あるいは二百億、こういうものの額につきましては、これは上から政治的な要因によつて決定されるものではなしに、地方の具体的なものに基きまして、この積算されたものの結果として、はつきりした具体的な最後の数字が出て来るのであるというふうに考えてよろしゆうございますか。
  65. 野村秀雄

    野村政府委員 さようでございます。積み上げて決定するわけであります。
  66. 立花敏男

    ○立花委員 では積み上げます場合には、どこの団体がどういうわけで幾ら足りない、市町村がどういうわけで幾ら足りない、府県が幾ら足りない、こういうことがはつきりわかつた上で、御計算が出て来ると思うのでありますが、そう考えてよろしゆうございますか。
  67. 荻田保

    ○荻田政府委員 御承知のようにこの財政需要財政収入とで計算いたしますが、これは予算でございますから、個々の団体全部にわたるわけではございません。見積りによりまして計算しておるわけであります。
  68. 立花敏男

    ○立花委員 もちろん予算ということはわかつておりますが、それの予算の出し方がそういう原則的なものによるのかどうかということをお尋ねしておる、これは野村さんにお伺いしたい。
  69. 野村秀雄

    野村政府委員 ただいま局長から御説明申し上げたところで、おわかりを願つたと思つております。
  70. 立花敏男

    ○立花委員 局長と同じ御意見だと思いますから、そういうふうに理解しておきますが、そういたしますと地方財政委員会がお出しになりました二百億増額、この増額、この増額算定基礎をひとつお示し願いたい。
  71. 荻田保

    ○荻田政府委員 意見害の付録としてついております通りであります。
  72. 立花敏男

    ○立花委員 意見書の付録はこれは別の数字なんで、これで出て来たものじやないと思う。各地方団体の具体的な算定の根拠に基きましてお出しになるということを、野村地財委委員長はお認めになつておるので、この意見書の付録はそれとは全然別個なものです。だからその意見書の付録の数字ではなしに、具体的な各地方団体平衡交付金の必要願をお示し願いたい。
  73. 荻田保

    ○荻田政府委員 先ほどから申しておりますように、具体的な個々の団体財政収入財政需要を、予算でございますからこれを推測によりまして見込みまして、それを積み上げたものが、この付録の数字なつております。
  74. 立花敏男

    ○立花委員 それは詭弁なんです。見込みましてと言われるが、どういうふうに見込んだのですか、その見込みましたものを一応こういうふうな項目に配列し直しただけ、その元がなければこういう二百億という数字はどこから一体出て来たのですか、平衡交付金というものはあくまでも地方自治団体の具体的な財政収入財政支出の状態、これに基礎をおいてこれが積み上げられて出て来るはずのものです。それを見込むとしても、総額をこういうふうに配列し直すことはできるかもとれませんが、やはり根本といたしましてはそうでなければいけない、そうじやなければ単に政治的な数字が上から出て来る、しかもそれを政治的に大蔵省と折衝する、だから大蔵省の政治力の方が強いから、地方財政委員会はいつでも負けちやう、こういうことでけんかにならないと思う。だから地方財政委員会が二百億足りないとおつしやれば、やはりはつきりどういう具体的なものに基いて、こういう二百億の数字が出て来たのかお示しにならないと、私は単なる大蔵省地方財政委員会の水かけ論に終ると思います。だから大蔵省地方財政委員会にお出しになりました地方財政の付録の数字に対しまして、大きな差をもつて反駁いたしておるのに対して、地方財政委員会の方からは何ら具体的な反駁はないわけなんです。まことに地方財政委員会は歯がゆいと思うのですが、そうしたはつきりした根拠で、大蔵省に交渉なされるおつもりはないのか、ひとつ地方財政委員長にお伺いいたしたいと思います。
  75. 野村秀雄

    野村政府委員 はつきりした具体的な数字をもつて政府に折衝しておるのであります。
  76. 立花敏男

    ○立花委員 その数字がさいぜんから問題になつておりました物価の値上りを見込むとか見込まないとか、まつたくたわ言みたいな数字であり、こんなことでは話になりません。地方は物価が上らないと大蔵省は言つておりますが、物資を毎日々々買つて仕事をしているのですから、物価が上らないという立場で予算を組むというのはお話にならない。地方では毎日々々物価の上つている物を買つて仕事をしているのですから、大蔵省が机上の空論で、上らないという立場で予算を組むということは問題にならない。それを打破るだけの強力な、地方財政委員会で具体的な数字をもつて交渉なされないと——具体的な数字と申しますのは、こういう一般化された数字ではなしにこの地方団体ではこうなんだ、個々のこういうものを集めるとこうなるのだという、もつとはつきりした数字で交渉なされる必要があると思いますので私はそのことを言つているわけです。付録についているような、具体的なものを一応並べて、項目に書き直したようなものではなしに、そういう方法をおとりになるお気持はありませんか。
  77. 野村秀雄

    野村政府委員 地方財政委員会としては、地方財政委員会の見るところの数字をもつて政府の方へ折衝いたしましたが、政府地方財政委員会意見を異にいたしましたために、ここに国会意見書提出して、国会の御審議、御判断を仰ぎたいと思つている次第であります。
  78. 立花敏男

    ○立花委員 この平衡交付金に対する根本的な考え方がやはりずれている、ずれていると最初に申しましたのは、そういう見地からであつて地方財政委員会の方もずれておりますし、大蔵省はよけいずれております。ずれた同士がやつておりますのでこれは水かけ論に終らざるを得ない。だからいつでも政治力の強い大蔵省が勝つてしまつて地方財政委員会は泣寝入りということになつておりますが、こういうことではいけない。大体地方財政平衡交付金大蔵省自体が査定してしまうことが間違つているのではないかと思う。地方平衡交付金の建前からいつて、これは委員長がお認めになつたように、地方の個々の不足額を積み立てて行つて、はつきり出て来る数字ですから、これの責任者である地方財政委員会のおきめになつ数字を、大蔵省が何だかんだといつて査定することは間違いだと思う。これこそ地方財政平衡交付金というものが、まつたく政治的な観点から大きなわくをはめられて来る余地を残すことになりますので、もつと地方財政平衡交付金を確保する意味で、平衡交付金本来の建前から、個々の地方不足額をこれで十分補うのだという観点で、交渉なすつていただきたいと思います。そういう観点から言いますと、この二百億の配分の問題、あるいはこれは大蔵省でも同じなんですが、大蔵省が百億の増額を認めたわけですが、これの配分の問題、市町村へ幾らということを御説明していただけないはずはないと思います。それでなければ百億というのは、これはまつたく政治的に知事側との妥協の結果生れて来た数字にすぎなくなるので、何も平衡交付金本来の下から積み上げて行つた不足額の集計ということにはなつて来ないわけです。あるいは地方財政委員会が、もう二百億ふやせと言つておられますが、この二百億もまつたく政治的なかけひきの数字でしかない、こうなつて参りますと、数字の交渉に実力が伴わないわけで、非常に残念だと思います。そういう観点にお立ち願いますと、この百億の配分の内容あるいは百億の配分の内容が、御説明していただけないはすはないと思います。もう一度お尋ねいたしますが、大蔵省でも百億の配分の内容はおわかりにならないのかどうか。大蔵省の方では、配分の問題は地方財政委員会の権限だからとおつしやつておられますが、権限はそうでしようが、大蔵省としてもこの積算の内容はおつかみだろうと思うのです。この百億増額補正でお出しになつた根拠、平衡交付金積算の結果としての百億の内容をお示し願えないかどうか。それから野村地財委員長にも二百億の配分の内容をお示し願えないものかどうか。野村地財委委員長はさいぜん千三百億あれば公正な配分をするとおつしやいましたが、すでに千三百億の公正な配分の構想があるのなれば、その構想とは一体どうなのか。すでに九百九十億は概算交付しておられますので、あとの二百億をどういうふうに公正に配分しようとしておられるのか、ただ公正だと言われただけなんで、公正の内容はちよつともないのかどうか。おそらくそういうことじやなしに、公正の内容ははつきりお持ちだろうと思うのですが、公正とは一体どういう数字をお考えになつているのか、これは大蔵省地方財政委員会と両方から御答弁願いたい。
  79. 野村秀雄

    野村政府委員 先ほどから申し上げた通り、まだ千百億に百億が加わるか、あるいは二百億加わるか、国会の決定をまたなければわかりません。これに基いて私ども善処するのでありまして、公正の内容というのは、要するに不公平でない、そこに私意をさしはさまない、規則の命ずるところによつてやりたい、かように考えているわけであります。
  80. 東條猛猪

    東條政府委員 大蔵省がどうして平衡交付金増加を必要とする金額を、百億と考えたかという点につきましては、本委員会が始まりまして以来、この資料につきましてできるだけ詳細に申し上げたつもりでございます。地方財政委員会の御意見の内容を十分尊重いたしまして、地方財政収支はこうであろうかと思われるところの内容を考えまして、この百億円を算定いたした次第でございます。
  81. 立花敏男

    ○立花委員 そういう御説明を承りますと、平衡交付金というものは、まつたく政治資金化されてしまつて、本来の地方財政確立のための金にはなつてないという感じを、非常に多く受けるわけであります、そういうことであつては、地方財政は決して安定しませんし、また地方自治団体の人たちが、かえつて元の配付税の方がよかつた、こういう気持になつて——いろいろ政治的な観点からふやしたり減らしたりする。むしろふやされるのではなくて、減らされることが多いのですが、一つの法的な根拠のない金になつてしまつたということで、かえつて平衡交付金になりましてから、大きな不安を地方の者に抱いているのですが、今の財政委員長あるいは大蔵省意見を聞きますと、ますますその感を深くせざるを得ないと思います。そういう点で、もう一点地方財政委員長にお聞きしておきたいと思いますが、地方財政委員長は九百九十億配分なさつた、それが仮りの規則を定めて、概算で交付した、しかもそれは町村に対しまして、はなはだしい減額になりまして、約二〇%去年よりも減つておる、こういうことを言つておられるのですが、こうなつて参りますと、まつた平衡交付金というものは、大蔵省あるいは地方財政委員会の意のままに減らされることになると思うのですが、一体どういう仮の規則をおきめになつて、また何を根拠にして、町村平衡交付金を二〇%もお減らしになつたのか、私ども平衡交付金ができますときに、こういう配分の問題につきましては、あくまでも法律ではつきり根拠を持たすべきだ、決して地方財政委員会などの規則あるいはその規則にかりにかえられるようなもので、配分してはいけないということを極力主張したわけですが、ここに私どもの申しました杞憂が実現して参りまして、仮の規則で、去年よりも二〇%も減らす、しかも町村財政は非常にゆたかなんだ、大蔵省は余つていると申しておりますが、そんなばかなことはないと思う。きのうもたまたまこの委員会、飯能の問題で、大騒擾事件を起しました飯能の町長あるいは町会議員の方が来られまして、飯能町のあの大事件の原因を承りましたが、その原因は学校が建たない。川がありますが、その川に橋がかからない。町長さんが申しますには、毎年水で橋が流れておるということであります。橋のない村ができるわけであります。学校が建たなくて、町民同士が大げんかをしなければならないという事態が起つているわけです。これが私は多かれ、少かれ全国の町村の実態だと思うのですが、こういう町村に対して、なぜ仮の規則というようなものをつくつて、二〇%もお減らしになつたか、地方財政委員会大蔵省の言つている町村財政には余裕があるということをお認めになつているのか、この点をひとつ委員長に御返事願いたいと思います。
  82. 野村秀雄

    野村政府委員 地方財政委員会は、地方団体とも困つておると思つておるのでありまして、財政上決して余裕があるとは思つておりません、従つてここに平衡交付金増額と、起債わくの拡大ということを政府に要望し、また国会意見提出したわけであります。たまたま町村の概算交付において二〇%減らしましたが、減らさんがために減らしたのではありません。従つて今度の改訂におきましては、これを是正して、公正に各団体配分いたしたい、かように考えておるのであります。
  83. 立花敏男

    ○立花委員 去年の平衡交付金と今年の平衡交付金は、大差ないと思います。決して二〇%も減つておりません。ところで町村だけ二〇%もお減らしになつた。そうして野村地財委委員長のお言葉を聞きますと、今度ふやされました場合には、町村に対して是正すると言つておられる。そうなりますと、地方財政委員会がお出しになつている二百億は、これはこの二〇%を埋めまして、委員長の言われる公正なる配分をなさるのか。それからもし二百億が実現できなくて百億でとどまりました場合にも、この二〇%を完全に埋めた上で、適正な配分をなさるのか、これを聞いておきたいと思います。
  84. 野村秀雄

    野村政府委員 是正いたすつもりであります。百億ふえればまたその百億に基いて適正公平に配分いたしたいと思います。
  85. 立花敏男

    ○立花委員 では二〇%は是正なさるわけですね。
  86. 野村秀雄

    野村政府委員 大体われわれの見込みといたしましては、これが是正し得る、かように考えております。
  87. 立花敏男

    ○立花委員 二〇%で額は幾らになりますか。
  88. 荻田保

    ○荻田政府委員 五十億くらいであります。
  89. 立花敏男

    ○立花委員 百億の場合も是正なさるとおつしやれるのですから、百億の場合で、五十億を埋めましたあとの五十億を公正に配分なさる、こういうふうに理解してよろしゆうございますか。
  90. 荻田保

    ○荻田政府委員 先ほど申されました通り、仮配分で少し余つております三十五億も入れまして、全体で是正いたしたいと思います。
  91. 立花敏男

    ○立花委員 そうなりますと、市町村側も非常に安心するのではないかと思いますが、ただ問題は百億になるか、二百億になるかということになるのですが、地方財政の責任者であられる委員長としては、今後この二百億をどういうふうな形で、実現しようとお考えなのか、大蔵省の方では絶対にもうやらないと申しておるのですが、委員長はどういうふうにお考えになられるか伺いたい。  それから岡野国務大臣がこれを埋めるために、百億の短期債をやると言つておりますが、平衡交付金をどういうふうに推進なさるか、またそれができなければ岡野国務大臣はこういうことを言つておられるのですが、この言葉はどういうふうに私どもは理解したらよいのか、それもあわせて伺いたいと思います。
  92. 野村秀雄

    野村政府委員 二百億を実現するのにどうするかという御質問でありましたが、これは国会において御判断を願いたい、かように私ども考えておるのであります。  それから短期債について岡野国務大臣がいかに説明されたか存じませんけれども、この短期債は不確実なものでありますので、これをもつて財政計画を立てるということは、地方としてもむつかしいことではないかと思いますただ地方の困窮した状態から考えて、短期債でもなるべく多く融通してもらいたいと考えておるのであります。
  93. 立花敏男

    ○立花委員 不確実なものでも、やはり短期債でもないよりましなんで、もつとこの問題を明確に実現できるように御努力願いたいと思うのです。この問題について大蔵省にお聞きしておきたいのですが、大蔵省は短期債、あるいは地方債の岡野国務大臣の言葉を、どういうふうにおとりになつているか、実現の見通しがあるかどうか、これを伺つておきたい。
  94. 東條猛猪

    東條政府委員 年度内の短期融資の問題につきましては、実は私その方面のことは銀行局方面でやつておりますので、ただいままでのところは承知いたしておりません。いずれまた別の機会に、別の政府委員から答弁をすることの許しを得たいと思います。
  95. 立花敏男

    ○立花委員 あなたの専門ではないとおつしやられますので、これ以上申し上げませんが、できればこういう問題で責任を持つて答弁できる方に、委員会に出て来ていただきたいと思います。非常に重要な委員会ですし、かんじんなこういう問題に答弁のできない人に出て来てもらつても、何にもなりませんので、今度はひとつかわつて出て来ていただきたい。  それからお帰りになりましたら、こういうことを言つてつたということを、えらい人に伝えておいてもらいたいと思うのですが、大蔵省には金がたくさん余つているわけなんです。預金部資金の金も、九月現在で七、八百億ばかり金が余つておるが、これは一体どこへ使うつもりか。これをなぜ地方にまわせないのかということのはつきりした御答弁を、責任のある人にここに来てしていただきたい。  それからまだ見返り資金の金が三百五十億ばかり余つております。これは当物の平衡交付金をきめます場合にも、そのときは七、八百億ばかり余つておりましたので、余つておるのではないか、これを一体どうするかと言うと、いやこれはもうこういうふうに費目がきまつているので、そのうち何とかするのだと言つておりましたが、今に至りましても三百五十億ばかり余つているわけです。これは経済再建費という名前で、最初七、八百億くらいとつておりましたのを少し使つたようですが、未だに三百五十億ばかり残つております。この二つを合せましても一千億くらいの金が余つているわけです。こういう大きなポケツトを持ちながら、なぜ百億や二百億の地方債が出せないのか、非常に私ども不可解なのであります。この点は、私どもが納得のできるように、また地方起債を要望しております一万の市町村自治団体が納得できるように、大蔵省説明する責任があると思いますので、次の機会には、ぜひこれを説明していただきたいと思います。今申しました範囲で、わからないでもけつこうですから、あなたはどういうお考えか、ひとつ伺いたいと思います。
  96. 東條猛猪

    東條政府委員 預金部の融資計画、あるいは見返り資金の運用計画につきましては、これは御承知のここと存じますが、預金部の融資計画におきましては、前年度からの繰越金と本年度から翌年度への繰越しの金がいるわけであります。預金部も一種の金融機関的な機能を営んでおりますので、現金を全然なしで済ませるというわけには参りません。従いましてある時期をつかまえまして、今現にこの程度の現金があるのではないかというお話でございますれば、それは預金部というものは金融機関でありますから、現金があるのは当然であろうと私は存ずるのでございます。  それから預金部の運用資金に多少の余裕があるためにもかかわらず、何で地方債に出さないか、また見返り資金は何で地方債に出さないかという仰せでありますが、これは御承知通り政府は全般としての経済安定計画に基きまして、財政は総合的に収支均衡を保つて、資金の蓄積のできました限度内におきまして、原則として放出をいたします。従いまして資金運用部の原資とにらみ合せの上で、その運用計画は立てられている次第であります。また見返り資金におきましても、資金の収入があり、これを見合いのもとに支出計画が立てられております。従いまして一般会計、特別会計あるいは今の資金運用部資金、見返り資金、そういうものの全体を通じまして、資金の放出超過にならないように、資金の放出超過になりますと、経済の安定を阻害するおそれがございますので、そういう結果にならないようにということで、政府としては全般的に資金計画を立てているわけであります。従いまして地方債につきましては、その後資金運用部におきまして、資金の蓄積状況といろいろにらみ合せ、できるだけの考慮を加えました結果、百億の地方債増加が可能であろう、かような見通しを持つているわけであります。  短期融資の問題につきましては、仰せの通り別途の機会におきまして申し上げます。
  97. 立花敏男

    ○立花委員 なかなかよく知つておられます。しかしかんじんなことを知つておられないと思いますが、預金部資金の金は、国会でも決議いたしまして地方にまわすということになつているわけです。この金は、余つておれば地方に優先的に出さなければならぬ金だということを御存じない、忘れておられると思う。ただいまあなたの言われますように、来年度繰越金というような金があるのであれば、当然これは地方に出すべきである。資金の過剰放出によつて危険があると言われるのでありますが、そんな過剰放出の危険というあいまいなものよりも、もう地方は災害が来ても救えない、冬寒くなつても子供がガラスのない所で勉強しなければいかぬ、こういうような目に見えた直接の危険が迫つておりますので、資金の放出による危険というようなことで、余裕金を出さないという理由は、私は成り立たないと思うのです。しかもその金が非常に莫大な金なので運用部の翌年度繰越金は数百億に上つております。二十五年度から二十六年度への繰越金は六百六十六億もございまして、おそらくこれよりもさらに上まわつた金を二十七年度へまわすために、これが残してあるのだろうと思いますが、一体何のために、そんな一千億近い予備金を来年度にまわさなければいけないのか。資金運用部の金は、地方の零細な金を集めたものでありまして、この金は地方が困りました場合、地方が必要とする場合は地方に還元するという国会の意思表示もあるわけで、特に地方財政の困窮しております場合に、こういう莫大な余裕金を持ちながら地方に出さないということは、私どもどうしても合点できませんし、また国会の意思を無視したものだと考えますが、そういう点でどういうふうにお考えになりますか、もう一度意見を伺います。
  98. 東條猛猪

    東條政府委員 資金運用部の原資、見返り資金の収入金、まことに貴重な資金でございます。これらは現在の諸般の情勢を勘案いたしまして、地方財政もとよりきわめて重要な問題でありますが、国家全体の見地から、経済再建その他の観点もございますし、いかなる方面へ運用し、あるいは支出すべきかということは、総合的に決定せらるべきものであるという総合的観点から、この両資金の運用ないし実施計画は立てられておると存じます。
  99. 立花敏男

    ○立花委員 預金部資金を国家全体の立場からやるということは、これはあたりまえのことなんですが、しかしそういうことを理解した上で国会では、この金はさいぜんも申しましたように、地方から集まつて来た零細な金なのだから、地方の必要に応じて優先的に出すのだということを意思表示しているわけです。だからあなたの言うことを認めた上で、この金を地方に出すべきだということを認めているわけです。それ以上の観点に立つた御答弁では、私どもは納得行きません。それを私どもを納得させるためには、もつとはつきりした、こういうわけでこの金は使えないのだ、予備隊に使うなら使うでよろしいから、ひとつはつきり言つていただきたい。この金の中で実は食糧証券なんかを五百億ばかりも買つておるわけですが、これは何も預金部資金で融通しなければならぬことはありませんで、ほかに肩がわりのできる金なのですから、ぜひそういうふうにはからつていただいて、短期債はおろか、平衡交付金増額、あるいは地方起債増額を、ぜひやつていただきたいということをひとつお伝え願いたい。  それから給与の問題ですが、あなたと池田大蔵大臣の言葉と大分違うのです。池田大蔵大臣は本会議で、中央の給与より地方の方が高いのだから、中央通りはやらないのだということを言つておられる。ところがあなたは、そういうことはやらないで平均化するためだということを言つておられますが、地方公務員国家公務員を、給与の面だけで平均化してそれでいいかどうか。法律の上では明らかに別扱いしているわけであります。地方公務員法と国家公務員法は、法律の上でもはつきり違つておりますし、その他いろいろの条件が違つております。しかもそれを給与の面だけで平均化する。しかも低い方に平均化する。中央の国家公務員給与引上げが、千五百円で足りないのは申すまでもありません。その足りないやつにまた平均化するということになつて参りますと、これはたいへんなのですが、さいぜん申しましたように地方公務員国家公務員は、法律の上でも明らかに区別されており、その他の問題でもいろいろな相違がありますし、地方の特殊性がありますのに、給与の面だけで平均化しようとする論拠を承りたい。
  100. 東條猛猪

    東條政府委員 先ほどお話の中に、資金運用部資金を食糧証券に運用しておるではないか、そんなものは資金運用部でしないでもよいではないかというお話がありましたが、資金運用部で一時の金の運用といたしまして、一時的に食糧証券を買つておるということはあるかもしれませんが、立花委員の仰せの通りに、長期にわたる運用計画として食糧証券を買い、これによつて年度を越すという計画は立てておりません。  次に給与の問題でございますが、先ほど来御説明申し上げておりますように、私どもは、給与の問題に関しては、給与の相互の間に均衡を保たせる不均衡を来さないようにということが、きわめて大切なことであると思つております。
  101. 立花敏男

    ○立花委員 では食糧証券の五百億というこれの使い道は、これは臨時的なものなのでやめてもよいとおつしやるのですか。
  102. 東條猛猪

    東條政府委員 私はやめてもよいという趣旨のことは申し上げておりません。食糧証券に運用しておるとすれば、それは一時の金の運用であつて、年度にまたがります資金運用計画といたしましては、そういう計画を持つておらないという趣旨のことを申し上げております。
  103. 立花敏男

    ○立花委員 ほかの団体がやつてもよいような五百億円の食糧証券の融資、こういう融通すらやりているのですから、地方の短期債の百億や二百億やそごらは、やれないことはないと思いますので、こういう資金運用部の根本的な計画にもないような融資は、なるべくほかの団体にやらせまして、五百億あればずいぶん地方のうるおいになりますから、ぜひひとつこれをまわすようにお願いいたしたいと思います。  それから給与の面ですが、私の聞いておりますのは、ほかの条件が全部違う、法律の方でも差異を認めておきながら、なぜ給与の面だけで平均化しなければならないのか。一体その根拠はどこにあるのか。そういうことで、はたして地方職員の勤務がうまく行くかどうか。国家みずからほかのことは差別してほつておいて、単に給与の面だけ、一部分だけ平均化するようなことでやつて行けるかどうか。一体そういうことをやる根拠はどこにあるのか、これをひとつお聞かせ願いたい。
  104. 東條猛猪

    東條政府委員 資金運用部の食糧証券への運用は、ほかの団体でも、あるいはほかの資金でもやれるじやないか、こういう仰せでございますが、御承知のような現在の金融情勢では、なかなかおつしやるように消化することは容易でないのであります。食糧証券の消化ということは、きわめて大切な問題でありまして、食糧証券の発行のために、金融上に思わざる影響を及ぼさないようにいたしますためには、一時的にもせよ、国民の中から集まる資金の蓄積によつてまかなうのが、金融の常道であろうと存じております。  給与の問題につきましては、先ほど来申し上げておりますように、相互間の均衡を保つ——国家公務員も一千五百円の給与改正をもつてがまんいたしておるといたしますならば、その間に私ども学歴、経験年数、あるいは勤務の特殊性というようなものにつきましては考慮を加えておりますので、その上で均衡のとれた給与体系になることは必要で偽ると思つておる次第であります。
  105. 立花敏男

    ○立花委員 給与だけ均衡をとられては私は困ると思うのです。ほかの條件がみな違うのですから、給与だけの均衡は、ひとつおやめ願いたいと思います。その問題はそれくらいにいたしておきます。  それからさいぜん門司君も触れておられましたが、大蔵省説明のこの数字は、やはりつじつまを合わすためにお出しになつたという感じしか、私ども持てないわけです。大体平衡交付金を百億だけしかふやさないために、こういうつじつまを合わした数字をお出しになつておるので、それ以外の何物でもないと思います。だからこういう数字は、あなたたちがほんとうに地方の実態に基いて、ずつと積み立てて行つて、結局百億という平衡交付金数字が出て来たのではなしに、池田さんが閣議で百億という数字をおきめになつて、あるいは知事との交渉で百億という妥協的な数字をお生み出しになつて、そしてその結果雑収入をこれくらいにしなければならぬ。あるいは給与をこれくらいにしなければならぬというふうに、おきめになつ数字だと思うのですが、そうじやないというならば、その根拠をひとつはつきりお聞かせ願いたい。
  106. 東條猛猪

    東條政府委員 先ほど地方財政委員長からもお話がございましたように、そういう根拠に基きまして、地方財政委員会から御提出になりました事柄と、私どものいろいろ検討いたしました結果とを織り合せまして、今回の百億という金額の根拠にいたしておる次第であります。
  107. 立花敏男

    ○立花委員 最後に念を押しておきますが、百億の配分については、あくまでも地方財政委員会がおやりになつ大蔵省の方では何ら異論はない、さいぜん野村地財委委員長が確認なさいました、市町村への二〇%の減を穴埋めするのだ、その上で公正に配分するのだというふうにいつても、大蔵省の方は異存はない、こう了解してよろしゆうございますか。私の聞くところによりますと、この百億は大部分を府県の知事が交渉してとつたのだから、府県の方へ流すのだというふうに聞いておるのですが、地方財政委員会のいうような配分方法をとつても、大蔵省の方では異論はないというお考えなのかどうか、念を押しておきたいと思います。
  108. 東條猛猪

  109. 野村專太郎

    野村委員長代理 まだ本日の質疑が若干残つておるようですが、本問題は非常に重要な問題でありますので、次の委員会政府側より委員各位の納得できるような資料をいただきたい、かように考えておるわけです。本日の委員会の質疑はこの程度で一応終了いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  110. 野村專太郎

    野村委員長代理 御異議なぎものといたしまして、残余の質疑は次の委員会にいたすことにいたします。     —————————————
  111. 野村專太郎

    野村委員長代理 この際お諮りいたします。開会前の理事会において協議いたしましたが、ただいま内閣委員会におきまして審査中の行政機関職員の定員法の一部を改正する法律案について、内閣委員会と連合審査会を開きたいと思うのですが、この点について内閣委員会に申入れをいたすごとに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  112. 野村專太郎

    野村委員長代理 御異議なしと認めまして、さようにいたします。この開会の日時等につきましては、内閣委員長と協議して御通知申し上げます。  本日の委員会はこれをもつて散会いたします。次の委員会は公報をもつてお知らせいたします。     午後二時九分散会