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1951-11-27 第12回国会 衆議院 大蔵委員会 第24号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十一月二十七日(火曜日)     午前十一時三十分開議  出席委員    委員長代理 理事 小山 長規君       大上  司君    川野 芳滿君       佐久間 徹君    島村 一郎君       清水 逸平君    三宅 則義君       宮幡  靖君    荒木萬壽夫君     早稻田柳右エ門君    松澤 兼人君       八百板 正君    深澤 義守君       中野 四郎君  出席政府委員         大蔵事務官         (主計局法規課         長)      佐藤 一郎君  委員外出席者         専  門  員 椎木 文也君         専  門  員 黒田 久太君     ————————————— 本日の会議に付した事件  租税特別措置法の一部を改正する法律案(内用  提出第五一号)  財政法会計法等財政関係法律の一部を改正  する等の法律案内閣提出第五三号)     —————————————
  2. 小山長規

    小山委員長代理 これより会議を開きます。  租税特別措置法の一部を改正する法律案、及び財政法会計法等財政関係法律の一部を改正する等の法律案の二法律案一括議題といたしまして、質疑を継続いたします。深澤君。
  3. 深澤義守

    深澤委員 昨日に続きまして、財政法会計法等財政関係法律の一部を改正する等の法律案について、なお質問をいたしたいと思います。支出負担行為計画について、大蔵大臣承認を求める必要がないというぐあいにしたのでありますが、しかし公共事業費その他大蔵大臣指定する経費による予算についてのみ、その計画については大蔵大臣承認を要するということになつております。なぜ公共事業費大蔵大臣指定する経費についてのみ、承認を得ることを要するというようにしたのか。その理由をひとつ明らかにしていただきたい。
  4. 佐藤一郎

    佐藤(一)政府委員 お答えいたします。前回御説明を申し上げましたように、今回支出負担行為計画承認という制度をやめましたのは、そのコントロールが支払い計画制度と二軍になつておる。二重になつておる場合に、三軍になつておるだけの効果がある場合にはよろしいのでございますが、いたずらに手続が煩であるという、非難のみこうむる場合があるのであります。すなわち一般俸給支払いのような場合、あるいは日常事務用品購入というような場合におきましては、契約支払いという場合が多いわけでございます。その場合に、契約においても計画わくをはめ込み、支払いにおいても計画わくをはめ込むということは、大して意味がないから、これをやめよう、こういう意味合いでございます。ところが公共事業費等になりますると、もちろん予算はできるだけ精密にこれを積算して、編成いたすわけでありますが、その内容は複雑でございまして、またいろいろな現地の事情等を勘案して、実行に移さざるを得ないということになつて参りますので、実際上予算の施行をいたします場合におきましても、さらにこれをできるだけ審査する機会を得ることが、執行を適正にするゆえんである。すなわち特定経費といたしまして、特別の実施計画、従来の支出負担行為計画のようなものを、四半期ごと大蔵大臣のもとに提出させまして、そうしてこれを審査することが必要である。また公共事業費のごときものは、契約支払いというものについてのずれが相当ございます。従いまして、俸給一般日常事務用品等と異なりまして、その契約をし、それからさらにそれに基く支払いをする時期のずれというものを相当考慮いたしますために、ある程度の計画を予測いたしまして、支払いの予測を立てるということも意味があるわけであります。それらの理由によりまして、特に必要な場合には、なお特定経費として指定をいたしまして、計画わくにはめ込む余地を残しておこう、すなわち必要があつたならば、そういうふうに特定経費として指定をしよう、こういう気持であるわけであります。
  5. 深澤義守

    深澤委員 なお公共事業費その他大蔵大臣指定する経費というのは、どういう範囲のものが大蔵大臣指定しようとする経費なのか、あらかじめ方針があられると思いますが、その点を明らかにしていただきたいと思います。
  6. 佐藤一郎

    佐藤(一)政府委員 これは毎年予算編成いたします際に、そのときの情勢に応じまして必要な経費大蔵大臣が前年の実情その他をあわせ考えまして、特定経費として指定した方がしかるべしと思うようなものを、特定すべきものと今後考えております。今さしあたつて昭和二十七年度に何を指定いたしますかは、まだ予算編成の途次でございますので、はつきりきまつておるわけではございませんが、公共事業費官庁営繕費、あるいは予備隊経費というようなものを、今のところは考えております。
  7. 深澤義守

    深澤委員 なお提案理由の第三にあります、契約性質または契約金額少額のものについては、協議を経ずしてやるということになつておりますが、この契約性質と、それから契約金額少額のものというのは、この金額の限度はどの程度に大体考えておられますか。
  8. 佐藤一郎

    佐藤(一)政府委員 御承知のように、会計法の二十九條によりまして、政府が売買その他の契約をなします場合には、原則として一般競争入札に付さなければならない。但し法令に特別の規定がございますときには、指名競争契約あるいは随意契約の道が開かれておるということになつておるわけでございますが、その場合どういうものを考えておるかと申しますと、現在指名競争に付する場合で申しますと、予定価格が百万円を越えない工事もしくは製造をなさしめ、または予定代価が六十万円を越えない財産の買入れをなすとき、あるいは予定賃貸料年額総額が十万円を越えない物件の貸付をなすときであるとか、あるいは予定代価が二十万円を越えない財産の売払いをなすときとかいう場合に、多く政府といたしましても、実際上の措置として指名競争契約を認めております。また随意契約の場合で申しますと、やはり同様に、予定価格が五十万円を越えない工事製造、あるいは三十万円を越えない財産の買入れ、それからまた予定賃貸料年額が五万円を越えない貸付をするとか、そのほか契約性質としまして、たとえば労力の供給を受けるときであるとか、各省各庁、すなわち政府相互の間の特別会計一般会計というような、組織相互の間に契約を結ぶことがございますが、こういうようなときには、実際問題といたしまして、大蔵大臣協議を省いておりますが、これらを政令によつて明らかにしよう、こういうことになつております。
  9. 深澤義守

    深澤委員 それから継続費制度の創設についてでありますが、これは今までの予算にないことでありまして、われわれもよくわからないのであります。これは大体個々公共事業費等工事を全国的に積算して、ことしいるものは大体ことしの予算に計上するが、来年の予算はこのくらいというぐあいに、一応五年なら五年の計画を立てて、五年継続ということになるのでありますか。その際において、やはりそういう継続工事の全貌を、最初の年度においてあらかじめ国会等に明らかにして、そうして今年度はこれだけを予算に盛るのだというようなことになるわけですか。
  10. 佐藤一郎

    佐藤(一)政府委員 おつしやる通りであります。
  11. 三宅則義

    三宅(則)委員 私はただいま議題なつておりまする財政法会計法等財政関係法律の一部を改正する等の法律案につきまして、根本的なことを少し伺いたいと思つておるのであります。私は大蔵委員であり、なお決算委員を兼ねております関係上、ことに財政法会計法等については非常な関心を持つておるわけです。そこでいつも言うことでありますが、民間企業でありますと、もちろん会計課員がやりますが、実際の責任をとる者は専務であるとか常務あるいは社長、こういう最高地位にある者が全部責任を持つてつておる。しかるに公経済になりますと、最高地位にある者は決裁をするかもしれませんが、実際上は責任を負つていない。わずかに係官、あるいは昔で言うと属僚、係長もしくはその他の係官責任を負うのでありまして、根本的にその上長長官というものは責任を負つていない。むしろ会計法規方面から言いますならば、根本的に最後責任を負う者はその上の長の者、たとえば出張所にありましては出張所長、あるいは局にありましては局長というような最高地位にある者が、責任を負わなければなりません。にもかかわりませず、大体において責任を負う者は下の方の末端係官責任を負つて、あとの者は、たとえば注意ぐらいでりまして、たまたま栄転する、こういうことになるわけです。これを根本的にかえる用意が必要であると存じますが、政府委員の方は今どういうように考えておられますか、承りたいと存じます。
  12. 佐藤一郎

    佐藤(一)政府委員 政府会計関係予算関係職員責任に関しましては、昭和二十五年に予算執行職員責任に関する法律というのが出まして、現在はそれによつておるわけでございます。従来から一般職員予算なり会計仕事をやります場合には、支出官あるいは歳入徴収官というような、会計法上の特殊な職名が与えられまして、その者が最終責任を負う、こういうことになつております。わが会計法原則におきましては、各省、各庁の長、すなわち各省大臣がまず第一次的な支出官でございます。しかしながら実際問題といたしまして、万般の経費支出大臣がやることはできません。そこで多く各省会計課長支出官ということになつておりまして、その会計課長すなわち支出官最終責任をとる、こういうことになつております。責任の段階をどこで区切るかということは、実際問題としてむずかしいのでございますが、これは権限と責任とに比例して考えなければならないわけです。実際問題としましては、大臣がみずから小切手に判を押すというわけには参りませんから、どうしてもその下の代理官のようなものがいるわけであります。会計課長という地位は、各省においても最も重い地位でございまして、会計課長は少くとも最終的には直接の責任を負うという仕組みなつております。でありますから、三宅さんのおつしやいますような点については、十分体制はできておると思いますが、問題は個々の事案の処理について、十分な責任をとらせておるかどうかという点が最も問題であろうと思います。これについては、会計検査院等におきましても、また国会においても決算委員会等において、しばし議論がございまして、だんだんそういうふうな運営が行われるようになりつつあると信じております。
  13. 三宅則義

    三宅(則)委員 今佐藤政府委員お話によりますと、もちろん本省大臣責任を負うことは困難だと思いますが、たとえば局等において、地方の財務局あるいは国税局等におきましては、局長なり次長というものは相当責任地位にあるものでありますが、そういうものに一々目を通して——決裁書類には目を通しますが、実際の小切手に判を押すのは若い二十二、三歳の青年がやつておりまして、場合によりますと使い込みとか、浮貸しというような例があるわけです。これを厳重に監督するのをその局長なり次長なりにいたしますれば、地方におきましては相当信用もありますし、自分が栄進しなければならないという立場もありますから、そう無責任にはしない、こういうように考えます。結局国損を招くような事柄は、若い経験の足りない認識少い者担当官なつておる結果、そういう間違いが起る、こういうのでありますから、私どもといたしまして、むしろ地方等におきましては、その所長もしくは局長あるいは主任というようなものに最高地位を与え、責任を与えて、係官等はまつた事務官にすぎない、こういうふうにしなければならぬと思う。本省大臣ができないことは、これは問題でありません。会計課長けつこうです。問題が起りますのは、本省よりも地方行政官庁において往々多いわけであります。佐藤さんは雲の上にいる係官でありましようが、もつと下の方を堀下げて、よく研究して、これに対して認識を改めていただきたいと思います。それにつきまして、認証官支出官はもちろん大臣直属であると思いますが、認証官支出官の区別について、もう一ぺんはつきりとお示し願いたいと思います。
  14. 佐藤一郎

    佐藤(一)政府委員 現在政府支払いをします場合には、まず支出負担行為担当官——これはちよつと熟知されていない言葉でありますが、まず常識的に言つて契約担当官という地位にある支出負担行為担当官というのがございます。支出負担行為担当官支出負担行為計画について、大蔵大臣に認められたところの四半期計画を越えるかどうかということを確かめまして、その契約をしようとする際には、認証官認証をまず受ける必要がございます。その認証官はんこをもらいましたところで、初めて契約を結ぶわけであります。契約を結びました結果として、支払いが生じましたときには、それを支出官に要求するわけであります。支出宮は、大蔵大臣承認された四半期別支払い計画範囲内であるかどうかを確かめまして、その範囲内であるときには支払いをする、すなわち小切手を振り出す、こういうことになつております。
  15. 三宅則義

    三宅(則)委員 重大な問題を申し上げたいのですが、それは公共事業費の点でございます。ことに四半期ごとにやるのはけつこうでありますが、積雪寒冷地帯、北海道とかあるいは奥州地方におきましては、往々にいたしまして十二月から来年の三月までは、工事ができないというような点がありますので、実際上の工事は進行いたしておりせん。しかるに四月になりまして、急に暖かくなつたので工事を始めることがある。実際問題は三月までやつたようなことにしてやります関係上、往往にしてそこに不純なことが起りましたり、でき上らないものをでき上つたように詐称してやる場合がありますが、こういうものにつきましては、ある程度まで新しく設けられた明許繰越しということを基準に考えて、そういうふうなできないものは早くやる形式をとるか、もしくは認証のできるときにやる方式をとるか、そのどつちかをはつきりしたいと思いますが、政府委員はどう考えておりますか、承りたいと思います。
  16. 佐藤一郎

    佐藤(一)政府委員 繰越しの問題でございますが、政府といたしましては、当初の予算におきまして、これはとても年度内に完成の見込みがないという場合には、いわゆる予算の審議を受けます際に、あわせて繰越しの明許をお願いいたしておるわけであります。それからその場合には予想いたさなかつたが、年度末に至つてやむを得ず繰越しをしなければならないというときには、いわゆる事故繰越しと称しておりますが、各省大臣大蔵大臣承認を求めまして、繰越しを認めております。事故繰越しについては、特別に悪質の原因があれば別でございますが、大部分の場合におきまして、必要やむを得ざるものとして、大蔵大臣各省大臣承認を与えておるのが例でございます。と申しますのは、すでに相手方請負業者とは契約を済ませておるのでございますから、よほど特別の事情のない限りは、繰越しの承認を与えなければ、国が相手方に対して債務不履行を生ずるわけであります。従つて大蔵省としては、できるだけやむを得ないものは繰越しの承認をするという方針で、初めから一貫して参つておるのでありますが、ただ末端出張所長、あるいはその他の建設関係に携わつておる人々は、第一に承認手続各省を通じて中央大蔵省に求めることが煩瑣であること、それから承認は得られるとしましても、繰越しをたびたびやるような場合には、その翌年度において予算編成の際に考慮、しんしやくが加えられるのではないかというおそれあること等々の理由によりまして、実際問題として成規手続を踏めば繰越しを認められるにかかわらず、それを認める手続をあえてとらないという風習がございます。これは私どもとしてはまことに遺憾でございますが、そういうような実情がございますために、余計検査院から、しばしばその批難を受けておるわけでございます。従つて繰越しの手続については、私どもも一面できるだけ簡素化することもに、そういう弊害のないように、代理出張のような弊害、あるいは実際問題として工事ほんとう完成もしておらないのに、紙の上だけで完成を装うという悪習は徐々になくして参りたい。関係各省とも相談をして、そういう悪習はなくすように努めております。
  17. 三宅則義

    三宅(則)委員 ただいま佐藤政府委員お話になりました事柄は、まことに名答弁であると思うのでありますが、実際は各省ともでき上つていないものをでき上つた、こういうふうにし、また物品の購入等についても、三月に購入するもので、四月、五月になつて納まらないものを納まつたようにして、つじつまを合せておる。こういうものがたくさんあります。あなたはよく御存じだろうと思いますが、法律を簡易にして認めてやるという法制を立てまして、十分実情に合うようにしてもらいたい、こういうことを特に希望するわけであります。会計法は御承知通りむずかしく、手続がなかなかめんどうくさいからというわけで、今までの例によりますと、でき上らないものをでき上つた、買わないものを買つた、こういう不純きわまる方式が往々にして行われておりますからして、今お話になりました事柄は、もちろん各省大臣とも打合せのことだろうと思いますが、なるべく平易にこれを許してやる。繰越しも認めてやるという制度を利用されますならば、今までのような公団、営団、その他にありましたような不純なことはなくなると思います。しかし根本は、政府事業あるいは政府関係のある事業というものは、こういう誤解を起すおそれがありますから、そういうおそれのないようにしていただきたい。そういうことをまず強調しておきます。ただ三の随意契約もしくは指名競争、こういうのでありますが、私も昨年各地をまわつて参りましたが、随意契約の中には、単純なものは随意契約けつこうでありますけれども、相当高額なものであるにもかかわらず随意契約のものもあります。これは不純きわまるものでありますが、政府としてはこれをどういうふうに監督しておるか承りたい。
  18. 佐藤一郎

    佐藤(一)政府委員 会計法並びに予算決算及び会計令によりまして随意契約をやる場合に、大蔵大臣協議を求めております。先ほどちよつと申し上げましたように、そのうちで特に一々協議を煩わす必要のないものは、一面手続簡素化の見地から略して行きたい、こう思つておりますが、お話のような事重要なものに関しましては、必ず中央大蔵省まで協議が参つております。私どもがそれを審査いたします場合には、真に法文の趣旨に照して、随意契約をすることが適当であるかどうか、そこにいわゆる不都合なことがないかということを、十分に審査をいたして認めておるようなわけであります。
  19. 三宅則義

    三宅(則)委員 それからもう一つお伺いいたしますが、公共事業等につきましてはもちろん土地改良でありますとか、あるいは道路建設建設省関係農林省関係が多うございますが、こういうものに対しての監督というものは、よほど厳重にしなければならぬと思うのであります。たとえて申しますと、官庁みずから経営いたしております地方建設局事務所等々におきまして、架空人間をあたかも実用いたしたように計算をいたしましてやつた事件が、たびたびあつたのであります。これは建設省自身の問題でありましたけれども建設省自身のような公共事業を取扱う指導階級であると言われるものが、往々にいたしましてそういう間違いがあつたわけでありまして、会計検査院から指摘されてびつくりしたと言うのであります。これを二箇年も継続して、そうしたような架空人間を雇用しておつた、あるいは利用して請求を出したという事件があつたわけですが、ああいうような問題は、まことに大蔵省といたしましても監督不十分の責めは免れない、かように私は思うのですが、こういう実情を監察するのには一体どこが監察しているか。それを一ぺん承りたいと思うのであります。
  20. 佐藤一郎

    佐藤(一)政府委員 御承知のように現在の日本——日本と言いますか、おそらく各国の会計制度におきましても、各省大臣予算執行責任を負つております。予算編成、調整につきましては大蔵大臣最終責任を持つておりますが、予算執行については、結局各省業務内容そのものと表裏一体の関係にございますので、各省大臣がこの責任を負つております。現在の内閣制度大蔵大臣が他の大臣の一段上に立つという建前になつておりませんので、この点はやむを得ないと考えております。しかしながら国庫大臣としての責任は、あくまで大蔵大臣が持つておるわけであります。従いまして会計検査院検査とは別個に、現在会計法四十六條に基きまして監査をするという仕組みなつております。しかしむしろこの監査のやり方が非常によくないという非難を、各省からこうむつておるような実情でありまして、運営をできるだけ円滑にして参りたいと思つておりますが、しかしながら私どもも四十六條に基く監査は今後もこれを続けて行きたい。御指摘のような事実がしばしば起りまして、予算編成をする大蔵省立場といたしましても、そういうような予算の使い方をされたのではたまらない、こういう気持を持つておりまして、その点はまつたく同感と思つております。
  21. 三宅則義

    三宅(則)委員 この前も池田大蔵大臣が閣議に報告して、大蔵省で調べた各省の濫費がはなはだしい、予算執行がまことに適当でない、こういう報告をされたわけであります。大蔵省にはもちろんその調書があるはずですが、こういうものを本委員会にもひとつ参考に出されまして、ほんとうに厳重に国費を正確に使つてもらいたい。血税でありますので、国民の血のかたまりである租税をむだに使わないようにするということは当然であります。ことに大蔵省はその国庫省といたしまして十分なる責任監督がある、かように思いますから、今後もこの会計法あるいは財政法等を勘案いたしまして、十分地方官庁とも監察いたしまして、その成果を上げることが最も必要であると思いますが、これに対しまする政府のお答えをひとつ承りたいと存じます。
  22. 佐藤一郎

    佐藤(一)政府委員 まつたくおつしやる通りでありまして、私も昔税務署長をやつたことがあるのでありますが、貨幣価値は違いますが、十万円の差押えをやつてとるということは、これはたいへんな並々ならぬ税務官吏の苦労が伴つておるのであります。それをいいかげんに使うということは、私どももまことに申訳ない、こう思つております。ただいまお話がございましたが、私どもとしましてもできるだけの事故はなくして行きたい。終戦後だんだんと少しずつよくなつて来てはおります。これについては会計職員という、いわば無味乾燥仕事を長年やつて参つております人たち待遇改善の問題でありますとか、あるいは制度手続をわかりやすくしてあやまちを少くすることだとか、あるいは責任に関する体制を確立することであるとか、いろいろな点がございます。いろいろな方面を検討しまして、少しでも事故が少くなるように目下考えております。
  23. 三宅則義

    三宅(則)委員 ただいまの御説明政府のお心構えを承つたわけでありますが、将来ともますますそうしたような厳重な監督をお願いいたします。  最後にひとつ承りたいのは、この昭和二十七年の予算から新しい制度によります会計法を施行しよう、こういう話でありますが、この繰越金等を勘案いたしまして、官庁会計原則、三月のものを四月、五月まで二箇月間かかつて一応整理いたしまして、七月までにすべて完了いたしまして会計検査院の方へ報告をする、私はこういう制度にしなければならぬと思いますが、実際面になりますと、あるいは一月遅れたり、二月遅れたりする場合があると思います。これをもう少しく簡素化いたしまして、ほんとうに三月で締め切つたものは四月、五月の二箇月に全部完了いたしまして、中央にこれを報告済みにすることが最も賢明な策であると思います。私経済におきましては会計整理というものは、二箇月以内にすべて決算いたしまして、税務官庁に出すことにいたしておりますが、国家といたしましてもこれに類するように早く手わけをいたしまして、四、五、二箇月間に全部完了して、六月にはもう出す、こういう線を出した方が最も簡素化するゆえんであると思いますが、政府はどう考えておりますか承りたい。
  24. 佐藤一郎

    佐藤(一)政府委員 おつしやる通りでございます。私どももできるだけ決算を早くして参りたい。それで実は今回、一時八月の末までに延ばしておりました決算の締切り期日を、従来通り七月末ということに、一月元に繰上げることをこの法文の中に入れております。もちろん終戦直後非常に混乱いたしまして、各方面の手不足あるいは通信の不備、いろいろな関係がございまして決算が遅れて参りましたが、その後、年を追うてこの決算の提出済み、その他の報告提出状況は改善されて参つております。いつも問題になりますのは歳入でございまして、租税方面が人手不足その他の関係で相当遅れて参りましたが、これだんだんと改善されております。もう大体常態にもどる時期が来た、こういうふうに考えております。
  25. 三宅則義

    三宅(則)委員 六月ではいかぬですか。
  26. 佐藤一郎

    佐藤(一)政府委員 まあ五月に締め切りまして、六月というのはちよつと無理だろうと思います。それからまた私どもが締切り期日を厳守します理由は、会計検査院に対する提出を遅らしたくない。すなわち会計検査院検査を厳重に受ける期間を与えなければならない。ひいてはそれは国会に対する決算提出を遅らせないようにしたいという見地に立つております。しかしながら一面決算の正確を期するということも必要でございます。日本銀行と各省の勘定が合わないというようなことがまれにありまして、その間違いを一月くらいかかつて発見するというようなことが現在も残つております。従つて六月までに締め切るということは、今の実惰では多少無理であると思います。
  27. 三宅則義

    三宅(則)委員 それではもう一言だけ申しますが、お説の通り六月までのものを七月に再認識いたしまして報告する、こういう点でありまするが、早く印刷に付しまして政府にも報告いたしますし、また会計検査院にも送付しなければならぬ、かように思うわけですが、会計検査院とタイアップいたしまして事前監査、なるべく早いうちに監査する。最後の決定権は最後報告書が来てからやるわけですが、まあ四半期ごと、あるいは半年ごとに事前監査をするという必要があると思いますが、これについて政府の構想はどうでありますか。一番しまいに監査をしてもだめですから、ときどきやつておいて、最後にぱつとやる。なるべく早くから監査しておいて、最後の段階はしまいの方一つでよろしい。こういう制度を設けたらよかろうと思いますが、どうですか。その辺を承りたい。
  28. 佐藤一郎

    佐藤(一)政府委員 新憲法によりまして会計検査院法が根本的に改まりまして、ただいまの事前監査ということをできるだけやつております。
  29. 深澤義守

    深澤委員 最近国費の濫費というのが非常にひどいのです。会計検査院の批難事項も毎年倍増して来るというような状況にあります。それ以外新聞等においても国費の濫費が指摘されて、官庁に幾多の不正事件が起きておるわけです。佐藤さんは先ほど十万円の税金をとるにも、並々ならぬ税務職員の苦労があると言われますが、それを納める国民の苦労というものはもつと偉大なものです。その税金を適正に使うということは非常に重要である。そうして現在の不当支出を徹底的に粛正しなければならぬという段階に来ておると思うのですりそういう立場から財政法会計法の適正なる運営ということは私は重大であると思います。このような財政法会計法の改正案を出されるときに際して、当然国会大蔵委員会といたしましても、現在の不当なる予算支出に対しては、相当の究明をしなければならない機会であると私は思います。参考人等を呼んで十分究明する機会を持つべきだろうと思うのです。ところがこの法案が会期末の現在になつ提出されて、審議も十分できなく、実情の把握も十分できなくて通過するという結果になると私は思う。こういうことはまことに政府として法案の出し方が親切でないというぐあいに私は考えるのです。会期末に迫りましてこの法案を出して来て、そうして十分の審議もせずにこれが国会を通過するという結果になつてしまうのですが、その点について政府はどういうぐあいに考えておりますか。こういうことは今後十分ひとつ慎んでいただいて、予算支出が現在大問題になつておるから、そういうものとあわせて十分な審議を国会においてするというような心組みが、私は必要でないかと思う。希望と同時に、最後政府の見解をお聞きしまして、私の質問を打切りたいと存じます。
  30. 佐藤一郎

    佐藤(一)政府委員 ただいまの点はまことに申訳ないと私どもも思つております。今後こういうことが絶対ないように私どももしたいと思つております。各般の交渉等に予想外の時間がかかりまして、われわれの気持ちにも必ずしも沿わないような遅れた結果になりましたことは、まことに申訳ないと思つております。今後はできるだけ慎む、こう思います。
  31. 佐久間徹

    ○佐久間委員 ただいま議題なつております二法律案のうち、財政法会計法等財政関係法律の一部を改正する等の法律案につきましては、すでに質疑も尽されたと思われますので、本案については質疑を打切り、討論を省略し、ただちに採決に入られんことを望みます。
  32. 小山長規

    小山委員長代理 ただいまの佐久間君の動議のごとく決定するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  33. 小山長規

    小山委員長代理 御異議なしと認め、本案については質疑を打切り、討論を省略し、ただちに採決に入ります。  本案に賛成の諸君の御起立を願います。     〔総員起立〕
  34. 小山長規

    小山委員長代理 起立総員。よつて本案は原案の通り可決せられました。  なお本案に関する報書の件につきましては、委員長に御一任をお願いいたします。  暫時休憩いたしまして、午後は一時から開会いたします。     午後零時七分休憩      ————◇—————     〔休憩後は開会に至らなかつた