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1951-11-07 第12回国会 衆議院 大蔵委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十一月七日(水曜日)     午前十一時三分開議  出席委員    委員長代理 理事 奧村又十郎君    理事 小山 長規君 理事 西村 直己君    理事 内藤 友明君    淺香 忠雄君       有田 二郎君    大上  司君       川野 芳滿君    佐久間 徹君       島村 一郎君    清水 逸平君       高間 松吉君    塚田十一郎君       苫米地英俊君    三宅 則義君       宮幡  靖君    荒木萬壽夫君       宮腰 喜助君    上林與市郎君       松尾トシ子君    高田 富之君       深澤 義守君    中野 四郎君  出席政府委員         大蔵政務次官  西川甚五郎君         大蔵事務官         (主計局法規課         長)      佐藤 一郎君         大蔵事務官         (銀行局長)  河野 通一君  委員外出席者         大蔵事務官         (銀行局長総務         課長)     福田 久男君         大蔵事務官         (銀行局特殊金         融課長)    有吉  正君         大蔵事務官         (銀行局資金運         用課長)    高橋 俊英君         通商産業事務官 羽柴 忠雄君         (臨時通商業務         局経理第一課         長)         国民金融公庫総         裁       櫛田 光男君         専  門  員 椎木 文也君         専  門  員 黒田 久太君     ――――――――――――― 十一月七日  関税法等の一部を改正する法律案内閣提出第  二一号) の審査を本委員会に付託された。 同月六日  金庫手提金庫に対する物品税廃止に関する陳  情書  (第  四八六号)  海外抑留者留守家族援護のため未復員者給与法  改正等に関する陳情書  (第四九五号)  勤労所得者に対する所得税軽減に関する陳情書  (第五〇〇号)  在外資産補償に関する陳情書  (第五〇二  号)  林業税制改正に関する陳情書  (第五〇五  号)  酒、たばこの還付税制度に関する陳情書  (第五一一号)  家具に対する物品税廃止に関する陳情書  (第五三四号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  日本輸出銀行法の一部を改正する法律案内閣  提出第三号)  国民金融公庫法の一部を改正する法律案内閣  提出第一五号)     ―――――――――――――
  2. 奧村又十郎

    ○奧村委員長代理 これより会議を開きます。  国民金融公庫法の一部を改正する法律案を議題といたしまして、前会に引続き質疑を継続いたします。
  3. 三宅則義

    三宅(則)委員 私は一昨日も、公庫総裁がおいでになりましたから二、三質疑をいたしたのでありますが、時間の関係上中途でやめておきましたので、さらにお伺い申しあげたいと思います。  総裁にお尋ねいたしましたのは、国民金融公庫というものは中小企業者、零細なる商工業者の渇望の的であることは申すまでもないのであります。これに対します総裁のお答えによりますると、前は申込みに対しまして一五%、いわゆる一割五分しか貸していなかつた。本年も二割くらいは貸すようになるだろう、こういうことでありまするが、私ども前会も御質問申し上げたのでありますが、中小企業の中には、その性質帳簿などが完備してないのも相当あるわけでございます。そういうものに対しましても、その性質もしくはその状態等によりましては、ある程度まで認めて貸してやらなければならぬと思うのであります。そういうものにつきまして、もちろん部下を監督せられて整備せられておるとは存じますが、私はなるべくその業を助長さして、日本の再建に努力せしめたいと思うのであります。もう一度恐れ入りますが、その貸しまする基準点を、一体どこに置いているのかという抱負を承りたいと存じます。
  4. 櫛田光男

    櫛田説明員 お答え申し上げます。私ども仕事は、ただいま三宅さんがおつしやいましたように、法律の第一條にあります通りに、普通の金融機関から借入れをすることを困難とする方方に対しまして、小口事業資金を融通するのであります。十八條におきまして、その小口融資とは「独立して事業を遂行する意思を有し、且つ、適切な事業計画を持つ者で」なければならない。逆にまた消費的な救済資金供給をしてはならない。こういつたような法律上の明文がございます。砕いて申しますると私どもはこう考えております。国から大事な資金をお預かりいたしておるわけでありまして、その資金お客様方に活用していただきまして、その方々事業更生なりあるいは発展なりをはかつていただいて、国民経済全体の安定復興に役立つようにしていただきたい。そのためには結局法律に書いてありますような、独立して事業を営む意思はつきり持つておる、しかも適当な事業計画をお持ちになつて、私どものお貸出しをいたしましたお金を十分に活用せられて、その方々のなさつておられます事業が維持できる、またはすくすくと伸びて行くということが、御本人のみならず私どもの日からもはつきりと納得が行くというもの、というふうな考え方をいたしております。そこで結局お客様と私どもとの間でひざ突き合わせて御相談をして、いろいろ御計画を承つたり、その仕事がどう行くかということを客観的に判断をいたす、こういうことになるわけであります。言葉をかえて申しますと、ほかの金融機関はどうか存じませんが、私ども貸付というのは、私どもお客様との共同事業であります。その目的は、国からお預かりしておるこれだけの金額を、百パーセントお客さんに活用していただく、その方法お客さんと一緒になつて見つけ出す、そういつたような共同事業であります。こういう観念で仕事をいたしております。そこで今度は具体的に帳簿等を拝見いたしまして、あるいは事業計画書等を見せていただく、あるいは現場を拝見いたしまして、今までにどういうことをしておられたか、それが今後どういうぐあいになつて行くかというふうなことを、判断させていただくことになるわけであります。私どもお客さんの中には、小口零細企業も相当いらつしやいますので、現状におきましては十分な、近代的な帳簿を持つておらぬ方も相当にございまして、大福帳的な経理をされておられる、こういう方々——何パーセントくらいになるかということははつきり申し上げられませんが、相当おられる。そういう場合におきましても、私ども態度といたしましては、お客さんと一緒になつて——調査員等は現実に一緒になつて貸借対照表をつくつてみる。今後はこんなぐあいに貸借対照表をおつくりになつて、日常の帳簿等につきましても、こういうぐあいに整備されたらどうかというふうなことまでも、差出がましいようなことになりますが御相談をいたしまして、さてそのしで事業はつきり計数的に分析してみますと、こういう状況になつておる。それなら行けましようという場合もありますが、あるいはそれではこういう点がぐあいが悪うございますから、お直しになつたらどうかと、忠告と申すと何ですが、御相談をいたすようなこともあります。根本的には先ほど申し上げましたように、この大事な資金を百パーセント活用できるような仕方を御相談して見つけ出す、そういう態度でやつております。
  5. 三宅則義

    三宅(則)委員 今の総裁心持はよくわかるわけでありまして、その心持が末端の第一線にまで浸透いたしておりますれば、ますます活用度は増すと思うのです。つきましてはこういうことをわれわれは思うのです。すべての業態におきまして、半年や一年はうまく行かないというものが多いから、少くとも三箇年くらいの過去の実績、もしくは納税の成績等々を考慮の中に入れますることも、業の進歩、あるいは堅実、あるいは信用等が認識せられるわけでありますから、これは釈迦に説法でありますが、金を貸す場合、あるいは業体発展を期する場合におきましては、そういうような過去の実績もしくは業者信用、あるいは組合保証、あるいはその他の保証というようなことも、考慮の中に入れる必要があると思いますが、これに対してどういう信用調査なり、あるいは堅実味を根本とせられまするか。もう一度承りたいと存じます。
  6. 櫛田光男

    櫛田説明員 お答え申し上げます。先ほども申し上げましたような考え方でいたしておるのでありますが、結局今お話がございましたように、新しく事業をお始めになる方は別でありますが、さもない限りにおきましては、今までどういうふうなお仕事ぶりをしておられたとか、その他そのお方の個人的信用、あるいは法人でありますれば会社そのもの、そういつたようないろいろな点からその方々信用調査をいたす、こういうことになるわけであります。ただいまおつしやいましたような事柄、さらにつけ加えましていろいろな各方面から調査をいたしまして、私どもの使命を達成する上に万遺憾ないようにいたしておるわけであります。
  7. 三宅則義

    三宅(則)委員 この前の国会でもお伺いしたと思いまするが、こういうものは全国にほしい。各府県に必ずなくてはならぬとわれわれは思うわけであります。支所のないところは代理店を利用しておると言われましたが、支店と申しますか支所と申しますか、出張所といいまするか、所轄の支店が相当できたはずだと思います。そこで、今後ともこれをおふやしになりまして、全国的に企業を再建し中小企業者の活路を開いてやりたいと思いますが、これに対しましての御抱負を承りたいと存じます。
  8. 櫛田光男

    櫛田説明員 お答え申し上げます。ただいまのところは、本所を入れまして直接の業務所が三十八ございますが、最近のうちにまた一箇所ふえて参ります。これは予算上の制限があるわけでございますが、一昨年六月国民金融公庫として出発いたしました折には、全国に店がわずか二十でございました。それがこの二年間に大体三十九まではふえることになりましたが、あと十一箇所——法律に、従たる事務所は各府県一つ、但し、東京都、福岡、北海道については二つ置くことができると書いてありますので、全体を計算してみますと、法律上のマキシマムが五十になります。それは大体昭和二十七年、来年度中にはこの五十の店舗を全部完成いたしたい、さように考えまして、予算政府御当局に対してこれができまするように、ただいまお願いをいたしておるところでございます。なおまた代理所でございますが、代理所は今度形式がえをいたしました相互銀行、それから信用金庫、それからまだ信用金庫になりません信用協同組合、そのほか銀行も若干ございます。現在約四百四十ございますが、これもだんだんとふえて行く現状にございます。できますれば資金量その他ともにらみ合せまして、全国的にまんべんなく直接の店舗なりあるいは代理店なりが行きわたりますように、せつかく努力をいたしております。また今後もいたしたいと存じております。
  9. 三宅則義

    三宅(則)委員 今までの御説明によつて大分よく了承して参つたわけでありますが、われわれはやはり今後ともこういうような零細企業者に対しましては、あたたかい手を伸ばしてやるという意味合いにおきまして、金融としての資金面におきましてもますます増徴、増加せしめたい、かようなお願いを持つておるわけでありまして、はなはだ失礼な話でありまするが、この調査をいたしまする人間と申しますか、第一線に活躍いたします者は、よほど親切な態度をもつて臨まなければならぬと思うわけであります。過日も御質問をいたしてあるわけでありますが、前には申し込んでから三箇月たたなければイエス、ノーがわからなかつたというお話でありました。しかしこのごろは一箇月以内に必ずやるという、注意と熱意をもつてつていただきたいと思つておりますが、現状はいかがでありましようか。国民は命の綱とも思つております金融公庫に、信頼と敬意を払つておるわけでありますが、これに対する実情をお話願いたいと思います。
  10. 櫛田光男

    櫛田説明員 まことにおつしやつた通りでありまして、できるだけ早く結論が出ますように、それも形式的ではなく、よくお客さんと御相談をして、納得の上でそれができまするようにということを、かねがねから申しておるのであります。何分にも人手関係が、予算上その他の制約もありまして、現在では全国で九百三十人であります。ところが他方、申込み状況は日に増しふえる一方でありまして、現在におきましても月に六千から一万件ぐらいの申込みがある状況でありまして、過去約二年間の間に受けました申込みが二十万件の余を越えております。貸出しをいたしました件数が大体九万件ぐらいになりましよう。回収の状況等を入れまして、残高が現在では約六万五千件、こういうふうな状況になつております。それから、貸出し申込み状況は二十万件余と申しましたが、これは私ども店舗に対する直接の申込みでありまして、代理所に対する申込みは統計がとつてございませんが、大体八割見当になるかと思います。そういたしますと約四十万件足らずであります。三十七、八万件の申込みがあつたと推定してよろしいかと思います。かような状況でありまして、何と申しましようか、件数がたいへんに多いということが私ども仕事の特徴でございます。ほかの例を申し上げますならば、銀行が七十八行ほどございますが、日本銀行調査によりますると、その銀行における全国銀行貸出先、お取引先が八十万件に足りません。一行平均一万件見当というのが現状のように伺つております。それに比較してみますと、先ほど普通小口貸付だけの数字を申し上げたのでございますが、現在その小口貸付だけで全体として約六万五千件、直接扱いとして私どもの本支所においての扱い高が約五万件残高としてございます。こういつた状況であります。そのほか更生資金と申しまして、引揚者、戰災者その他の方々に対するものを入れますならば、それらの方々に対しては、現在高が、直接、代理を通じて三十万件の余あります。これだけの大きな件数を九百三十人で処理している。大きな銀行一行の十分の一見当人間で処理している。もつとも預金とか為替とかいう業務をいたしませんから、その点を差引きますれば、また若干比較が違つて来るかと思いますけれども、大体こういう状況であります。私ども職員は朝から晩までと申しますか、調査員状況も、普通の能力の点から考えますと、一日に三件の調査をいたしますのが大体基準ではないかと考えておりますが、平均をとつてみますと、一日に五・七件調査をいたしております。夏のごときは日が長いものですから、朝出ますと大体もどつて参りまするのが晩の九時ごろになります。日が暮れてからもどつて参る。それから調査報告を書いたりいたして一生懸命やつておるのでございますが、これだけの件数でありますので、当初はときには三箇月くらいかかつたことがございます。最近においては大部分が一箇月内外でもつて処理できるところまで、こぎつけて参つたのでありまするが、それでも全部が全部とまで行かないのは非常に残念に存じております。ことに私どもの店は原則として各府県一つずつということになつております。まだないところもございます。そうしますと、遠隔地からの申込み等が相当ございますから、とまりがけで出かけるわけでありますが、いろいろ人手関係その他からいたしまして、そういう場合に一軒、二軒のためにとまりがけでお伺いするようなこともできませんので、遠隔地のものが二箇月、三箇月かかる、あるいはもつとかかる、そういうような状況が起きますので、まことに残念に存じております。今後できるだけ注意をいたしまして、全部が全部とまでは行きませんが、できる限り一箇月以内にけりをつけるようにやりたいというふうに、全体が念願しております。どうぞひとつ御鞭撻と御了承を願いたいと思います。
  11. 三宅則義

    三宅(則)委員 今の御説明によりまして、第一線の労苦もよく察するのでありますが、こういう点は重大でありますから、認識を深めていただきたいと思います。一旦申し込んだわけでありますが、業態が悪い、あるいは帳簿が整備されていないので断られた。しかしその人も泣きの涙で半年なり一年勉強をいたして、相当成績が上つて来る見込みが立つた。こう人に対しましては、二へん目に申込む期間をなるべく短縮してやつていただきたいと思いますが、現状はどうなつておりますか。私どもは、半年くらい過ぎたならば、もう一ぺん申し込む可能性があると信ずるのでありますが、国民金融公庫といたしましては、一ぺん断つた者に対しては、永久でもありますまいが、半年か一年あるいは二、三年やらぬという方針か。どういう方針でありますか。なるべく零細なる企業者の味方をいたしまして、その期間を短縮して、再度申し込むことをお許し願いたいと思いますが、いかがですか。
  12. 櫛田光男

    櫛田説明員 一度お断りいたしまして、それからまたお申込みになりますときに、前にお断り申し上げましたからすぐその場でお断りするということはいたしておりません。全部新しい申込みと同じように、お取扱いをいたすことになつております。ただ申込書には、できますならばそのお方々貸借対照表、それから過去六箇月間の業績、それから将来の見込み等についていろいろ書いていただきまして、お出しを願つておるわけでありますが、一応それを拝見いたしまして、たとえばおつしやいますように、三箇月前に申し込んだときと、それから今お申込みなつたときとの状況が、その内容によつて、かわつておるとか、いろいろな点がわかるわけでありますから、そういうような意味合いにおいて、全部二度目のお申込みも新しくお越しになつたと同じようなつもりで、御相談に乗つております。その点どうぞ御懸念のないようにお願いいたします。
  13. 三宅則義

    三宅(則)委員 その期間の点ですが、一般の業者は、なるべく早い機会にもう一ぺん命の綱を出していただきたい、こういう希望があるわけでございまして、私は少くとも半年が過ぎたならば、再度出す可能性があるというふうに、穏便なるお取扱いを受けたいというのが、業者の心理だろうと思うのでありますが、その辺をかゆいところに手の届くようにお話願いたいと思います。
  14. 櫛田光男

    櫛田説明員 三箇月がいいか六箇月がいいか」年がいいかということは、私としては申し上げかねるのでありますが、再度お申込みになりましたのも、すべて新しいお申込みと同じようにお取扱いいたしております。お客様方の方で最初お申込みになりましてお断り申し上げましたときに、こういう点をこうしていただけば、また御相談に乗ることができましようと申し上げる方もございます。そういうお客様方が、三箇月の間にこれだけ立ち直つたという御自信があれば、もちろんお申込みになつてけつこうであります。そこら辺はひとつ具体的に……。
  15. 大上司

    大上委員 一つ二つお尋ねいたします。すでに本年度増資分二十億円を十月までに貸付を終つたので、さらに十億円を増資したいというのが本法案提案理由でありますが、そこでお尋ねしたい点は、資金需要とそれから供給源との問題であります。これは政府にお尋ねしますが、なぜこれだけはつきりしたものを、国民金融公庫増資についての法案をたびたび出すのか。もう少し計画が立たないものであろうか。従つて、この提案理由は大体わかるのですが、見通しをお聞かせ願いたい。すなわちこの法案を本国会補正予算に計上しておるのですが、さらにまた次に出るんじやなかろうか。そういう場合に、もう少し計画性が持てるものか持てないものかということが一つ。それから本法案提出するについての、もう少し具体的な、計数的な理由説明してもらいたいと考えます。
  16. 河野通一

    河野(通)政府委員 この点につきましては、前会か前々会でありますか、ある程度詳細に御説明を申し上げたのであります。今般国民金融公庫資金を拡充いたしましたのは、補正予算に計上されました、従つて今御審議を願つておりまする増資の十億の問題以外に、国民金融公庫資金源を拡充いたしますために、いろいろな措置をとつて参つております。その第一は、資金運用部資金、それの運用計画補正予算の編成とうらはらになつてこれを検討しかえまして、約二十億程度のものを資金運用部から国民金融公庫に貸し付ける。現在まで確定いたしておりますものは、資金運用部からの二十億と、この法律が通過されました場合の十億、この三十億だけは確定いたしております。そのほかに現在見返り資金から、中小企業のために本年分として四十億程度を予定しておるのでありますが、これが今後の見返り資金運用状況いかんによりましては、若干余裕が残るんじやないかと考えております。この金額は具体的にはちよつとはつきり申し上げられませんが、これが残る見通しがつきました場合には、これを国民金融公庫への貸付に振りかえるというような措置もいたして参りたい。少くともこの法律通りますれば、三十億だけは確定いたします。そのほかに、今申し上げました見返り資金から、ある程度のものがこれにつけ加えられますならば、今年度のところといたしましては、ある程度資金の融通はできるというふうに考えております。もつとも先般申し上げたのでありますが、国民金融公庫に対する需要のきわめて旺盛なる時期におきましては、この国民金融公庫資金源を確保する点は、多々ますます弁ずることだと思います。しかしながら、これは資金運用部なりあるいは一般会計なり、財政全体の需要の一環として考えなければなりませんので、これにはおのずから限度もございますために、その点から申しますと、決して十分なものとは私ども考えておりませんが、この際の財政全体の立場から申しますと、まずさしあたりこの程度でがまんを願いたいというような気持でございます。今申しましたような資金源ができますならば、非常に大きな割合でもつて需要に応じ得るとは考えませんが、まず何とか国民金融公庫資金需要に対して、対応して参ることができるのではないかと考えておる次第であります。
  17. 大上司

    大上委員 そこで河野さんにもう一点お尋ねしたいのですが、普通銀行は大体資本金の年間の回転率をどの程度に見ておるか。それから国民金融公庫資金回転率ですが、この法案提出理由書だけで判定いたしますと、小口貸付八十二億円、これに対して現行は七十億円の資本でございますから、大体一割五分、一回転半余り回転しておるわけですが、それとの比較はどうなつておるか、まずその点をお伺いしたい。
  18. 河野通一

    河野(通)政府委員 国民金融公庫の方の資金回転は、今お話のようなことであろうと思います。銀行につきましては、今手元に資料がございませんが、大体三回転から四回転くらいではないかというふうに考えております。
  19. 大上司

    大上委員 そこで今度は櫛田さんにお尋ねしたいのですが、今も局長が説明なされた通り普通銀行では三回転または四回転ではなかろうか。もちろんこれは資料がないので、それでお聞きしたのですが、そうなりますと、やや運営の仕方において批判の余地があるのではなかろうか。すなわち小口貸付資金においては、もちろんこれは回収不能な部分も出て来るかもしれませんし、その他いろいろなものも出て来るだろうと思います。あるいは銀行自体によつていろいろな種類があります。純然たる商業銀行的な点もあるだろうし、あるいは大わくをうんと出すとか、金利の点とか、手形を割引くとか、いろいろ業務方法が違うと思いますが、経営方法についてわれわれはまだ納得しがたいので、その点をもう少し教えていただきたいと思います。
  20. 櫛田光男

    櫛田説明員 お答え申し上げます。今のお尋ねの主たる点は、資金回転率と申しますか、従つて出し期間の問題が中心だろうと思います。私どもにおきましては、大体期間は三年以内ということにきめております。三年を越えることはできない。そこで先ほども申し上げたのでありますが、お客様方資金需要内容について、ひざを突き合せて御相談をいたすのであります。きわめて短期間、三、四箇月でお済みになる方もありますが、三年一ぱいなければならないという長期の設備資金、運転資金を御需要になる方々も多いのであります。簡單に申しますと、二、三箇月では返せないが、二、三年なら返せるであろう。またそういつた事業計画、そういつた仕事をなさつておられる方が、ことに中小企業、零細企業方々には非常に多いのであります。大体におきまして平均いたしますと、二十箇月から二十五箇月、二年平均ということに相なります。これを月賦でもつてお返しを願つております。利息の方は、毎月末の残高の月一分——年にいたしまして一割二分に相なりますが、月一分に相当する金額を毎月添えてお返しを願つております。きようでありますので、大体資金回転率は、その見当で御計算くださいますれば、おわかりになると思います。     〔奥村委員長代理退席、小山委員長代理着席〕 この長期で貸すというところが、また私ども一つの特色であろうかと思います。  余談になりますが、お客様方からこういうことを申されます。普通の金融機関の方ではどういたしましても六十日から九十日、長くても百二十日ということになりますので、もうけは残るが資本が残らぬ。ところが私どもの方からお貸出しいたしたものについては、そのまま資本になつてつて、もうけの一部で元利命の返済ができて来る。そういつた意味で中小企業、零細企業方々の将来の見込みはつきりと立つて、立て直つて行くということで、その点が非常にお役に立つておるように感じました。私どもとしても非常にうれしく思つておる場合がたいへん多いのであります。余談になりましたが、御了承願いたいと思います。
  21. 大上司

    大上委員 そこで最後に一つだけ資料要求をお願いしたいのですが、ただいまの御説明でよくわかりましたが、でき得れば中小企業の種目別と申しますか、鉄鋼関係で幾らとか、電気の下請で幾らとか、造船が幾らとか、海運とか、いろいろあると思いますが、まず重要産業の十項目だけについての貸付のパーセンテージでけつこうでございますから、全体のこの八十三億円のパーセンテージを後ほど出していただきたい。これだけお願いして私の質問を打切ります。
  22. 川野芳滿

    ○川野委員 常に人格者として御敬愛申し上げております櫛田総裁の人格が、第一線にも反映いたしまして、まことに円満な運営をいたしております国民金融公庫について、かれこれの質問をすることはなかつたのであります。しかし先ほど三宅委員の質問に対する答弁の点について、いささか実情に沿わない点もございますので、一、二お尋ね申し上げてみたいと思います。と申しますことは、先ほどの御答弁によりますと、大体従来は貸出し申込みがあつてから結末をつけるのに三箇月くらいかかつておつたが、今では一箇月くらいで処理いたしている、こういうような御答弁があつたのであります。しかし私が承知いたしておりますところでは、実は申込んで八箇月になりましても、まだ調査が未了のところがあるくらいであります。そこでどういうわけでこういうふうに調査が遅延するか。それでいろいろ調査をいたしましたところ、旅費がないからまだ調査が未済である、こういう第一線の方の御返事であります。そこで実は公庫にも十分な旅費がないとも考えるのでございますが、旅費をおわけになる場合におきまして、県の大小というようなことももちろん御考慮になつて、御配分に相なるかと考えるのでございますが、しかしただいま申しましたように、旅費がないために八箇月も調査未了になる、こういう県に対しましては、相当旅費の増額をお願いしたい。こう考えておりますが、これについて御答弁をお願いいたします。
  23. 櫛田光男

    櫛田説明員 お答え申し上げます。お話を承りましてたいへん恐縮に存じております。お話の県は、おそらく支所の所在地から非常に離れておるところではないかと存じます。そこで旅費の問題が起き上つたのでありますが、旅費は何分にも経費予算をもつてある程度限定いたされており、しかも四半期ごとに支出負担行為と申しますか、区切つて支出せねばならぬような状況がありまして、この旅費の点については、人手の点と合せまして、常々十分でない、円滑に行かぬので非常に困つております。大体はただいまおつしやいましたような県の大きさでありますとか申込み件数でありますとか、その遠近関係その他を考慮して、配付はいたしております。何分にもお客様方需要状況がそのとき、その地方によりまして、非常にかわつたりして参つておりますので、その点円滑に行かないので、非常に御迷惑をかけておることがございます。先ほど申しましたように、大体は一箇月見当までこぎつけたいと申し上げたのも、結局は支所の所在地並びにその近傍に関する問題であります。先ほど申し上げましたような遠隔地に関する限りにおきましては、たまたまたいへんに遅れうるのもございます。恐縮千万に存じております。その大きな理由がもし旅費にありますならば、何とかやり繰りをいたしまして、そういつた点を是正いたしまして、できるだけ早くまんべんなく皆様方の御期待に沿えるように、善処いたしたいと存じております。どうぞひとつごかんべんをお願いいたします。
  24. 川野芳滿

    ○川野委員 旅費には限度がございますめで、そういう関係でその調査が遅れる。こういう場合に、地方の方で旅費を負担するから、調査に来てもらいたい、こういうような自発的な申込みがあつた場合には、公庫として旅費を受入れて、調査をおやりになるお考えがあるか。その点をお尋ねしたいのであります。
  25. 櫛田光男

    櫛田説明員 お話の点でございますが、たいへん恐縮でございますが、たいへんにありがたいお話だと思うのでございますけれども、私どもといたしましては、お貸出しをいたしました金額に一定の割合の利息——現在は年一割二分に当る金額でありますが、利息をいただきます以外には、一銭といえどもお客様方に御迷惑をかけたくない。従いまして旅費が足りない場合、旅費を負担するから来てくれというお話がございましても、その点はごかんべん願いたいと思うのであります。そこで先ほど申し上げましたように、旅費が足りないというふうなことで、調査が遅れまして、御迷惑をかけておるようなことがございますれば、何とかやりくりをいたしまして、その支所なりに旅費を増額するという手当を講じまして、できる限り御期待に沿えるように処置いたしたいと存じております。御好意はたいへんありがたいのでありますが、そういつた性質のものは私どもとしてはお受取りいたしかねます。そこはひとつ御了承願いたいと思います。
  26. 川野芳滿

    ○川野委員 国民金融公庫ができたというので、日本国民は非常に喜んでおるわけであります。しかし地方々々の実情を見ますると、都市中心に今日貸出しが行われておるような実情であります。と申しますことは、先ほど来御質問申し上げましたような旅費等の関係もございまして、辺鄙なところは従つて調査が遅れる、こういつたようなことから、現在の国民金融公庫の利用者というものが、都市中心の利用者、こういうことに相なつておると考えるわけであります。そこで実は私は選挙地盤が宮崎県でありますが、先般宮崎県の西臼杵郡という熊本県境のまことに辺鄙なところに参つたのでありますが、こういう地方におきましては、まだ一回も村において利用させていただいた人がない。こういうような不満も実は聞いたのであります。そこでせつかく円民の税金でできました国民金融公庫でありますので、でき得べくんば、都市はもちろんでありますが、辺鄙な町村にもその恩典に浴させたい、こういうような実は考えを持つておるのでございますので、そういう方面におきまして申込みがあつた、しかし旅費の関係調査ができない、こういうような場合が起きましたならば、どうかひとつ先ほど申上げましたような国民全体が喜ぶというような気持において、旅費の増額を願い、至急御調査を願つて恩典を均霑させていただくようにお願い申し上げて、私の質問を終ります。
  27. 淺香忠雄

    ○淺香委員 今川野委員からお尋ねしました調査の問題ですが、最初に申込みがありまして調査する。そうしてその採否に至るまでの経過と私少し伺いたいと思うのですが、どういう意味から伺つているかと申しますと、私は大阪でありますが、非常にいろいろなデマが飛び、今度は正式に申し込んだくらいではとうてい金は貸してもらえぬのだ、何としても調査員にとり入らなければならぬ、それについては調査員の宅を訪問するとか、あるいは調査員が来られた場合に適当なおみやげをつけるとか、何かそこを考えなければ、まともに行つて金庫の金は借りられぬ、こういううわさがしきりに乱れ飛んでいるわけであります。そこで冒頭に申しましたように申し込んだその後に調査員が行つてその書類を持つて帰られる。それからどういう径路をもつて最後にどういう結論をきれるかということについて、率直に伺いたいと思います。
  28. 櫛田光男

    櫛田説明員 お答え申し上げます。まずお申込みを受けましてから、決定に至るまでの事務的の取運びの状況を御説明申し上げたいと思います。  まず所定の様式の申込書がございますので、それにお書込み願つてお持ち願うわけであります。それから日をきめまして御通知を差上げまして、私どもの店の方にお越しを願う。そのときにはいろいろな参考書類、帳簿等をお持ち願いまして、そこでまずいろいろ状況を口頭でお伺いいたします。普通これを面接調査などと申しておりますが、耳で聞くわけであります。それからまたそこでもつて大体いろいろ御相談申し上げるわけです。それからさらにお貸出し可能性があるというぐあいに考えられました件数については、今度さらに進みまして実地調査と申しまして、お宅に伺うとかその事業場に伺いまして、現実にどういうぐあいに仕事をしておられるかということを拝見いたします。そういたしましてそれに報告書その他を書きまして、調査員が大体その申込みについては、あるいは金額、期限その他はどの見当がよろしいかという意見を添えまして、今度は課長と申しますか、地方ならば業務課長でございます。そこの手元に出し業務課長から次長へ、次長から所長へというふうに、そこで一応審議して、最後に決定をいたしまして御契約の取運びになる。こういう段取りになつております。そこでただいまのお話でありますが、私ども国から大事な資金をお預かりいたしております者として、先ほどお話申し上げましたように、百パーセントこれを御活用願う方をお客様と共同して発見すると言うと語弊がありますが、そういつた気持でいたしておるのであります。何さま前前から申し上げております通りに、需要はたいへんなものであります。それに対しまして二割内外という見当しか、お客様方の期待に応ずるわけには行かない状況でございます。何と申しますか、申込みに対してパスする率が、資金関係その他からいたしまして非常に少い。そういつた関係も伴いまじて、いろいろなうわさも聞くのであります。私ども全体はかくのごときことがないように、戒心に戒心を重ね自粛に自粛を重ねて、私自身といたしましても、しばしばそれとなくお客様方にお伺いをいたします。どういう調査をしておるか、どんなことをやるかというふうなことも、間接にお伺いいたしたこともございます。そうやつて注意注意を重ねておるのでございまして、ただいまおつしやいますように、ごちそうをされるとか、あるいはみやげものをもらうとか、そういうことは万ないと思うのでありますが、何分数の多いことでありますから、そういうことのないようにお互いに戒め合つて仕事をいたしておるつもりでございますが、何かまたそういつたようなお話がございましたら、具体的にひとつ注意くださいますれば、たいへんに責任者といたしまして仕合せかと存じております。おつしやいます点は、常々私どもが最も心配いたしておる点でありまして、お互いに戒め合つてお客様方に対して公平に、またできるだけ早く、できるだけ親切にということをモットーにしていたしておるようなわけでございます。
  29. 内藤友明

    ○内藤(友)委員 先ほどから川野さんその他からお話がありまして、大体わかつたのでありますが、実は私ども国民金融公庫というものは、一部の人だけの利用でありまして、国民全体から見ますると、まことに縁の遠いものになつておるということは、私ども実はよくわかるのであります。それは私は仕組みの問題が根本的にあるのではないかと思うのであります。なるほど先ほどお話のように、九百人何がしの人でおやりになつておるのでありますから、とうていこれだけの方で三十七万件を扱うなどということは、それはなかなかたいへんなことはわかるのでありますが、従つて私はもう少し国民金融公庫の仕組みを、よくお考えなさることが必要ではないかと思つておるのであります。公庫の出張所を各県におつくりなさることも、それはよいと思いますが、しかしこれには経費の伴うことでありますから、なかなか思うようには行かないと思うのであります。そこで相当信用のある金融機関代理業務を行わせるということがよいのではないか。ある程度その代理業務を行つた店にも責任を負わしてやつて行くということになりますれば、回収も割合によくなるし、従つて利用率も普遍化するということになるのではないかと思うのであります。そこでお尋ねしたいのは、代理業務をおやりなさる何か基準があろうかと思いますが、それがどういうようなことになつておりますか。それをひとつお聞かせいただきたいと思う。
  30. 櫛田光男

    櫛田説明員 私ども代理所は、現在は先ほども申し上げましたように、相互銀行信用金庫信用組合、それから若干の銀行がございます。大体四百四十くらい全国にあるかと存じます。もちろんその各金融機関信用状態、あるいは——これは庶民金庫時代から、ずつと引続き私ども仕事代理お願いしておりましたところが多いのであります。その過去のいろいろな実績と申しますか、そういつたようなことを考えて、うちの仕事お願いいたしております代理の方に対しましては、今までの資金の配分でありましたが、当初は直接お申込みの方が非常に多く、また資金量が少なかつた関係もありまして、大体新規資金め二割見当しか代理所の方にまわすことができなかつた状況でありましたが、最近は資金量もふえましたし、またできる限り全国的に配分いたしたいという考えからいたしまして、代理の方に対しまする資金の割当も増額いたして参つております。本年度に入りましては大体三割三分、三分の一見当代理所の方にまわしております。今後の分はおそらく四割見当代理所の方に資金としてまわすことができるのではないか。できる限り代理所を活用することは、御説の通りできるだけ今後とも努めて参るつもりであります。
  31. 内藤友明

    ○内藤(友)委員 私がお尋ねしたのは、代理所をおつくりなさるのに何か基準があろうかと思うのでありますが、その基準をどういうところに置いていらつしやるのか、それをお聞きしたい。
  32. 櫛田光男

    櫛田説明員 大体この代理契約は私どもの方でいたしまして、それから大蔵省の認可を必要とすることになつておりますが、地方々々によつて異なるのであります。預金貸出しの量とか現在の活動の状況をよく拝見さしていただいて、代理契約を結んでおりますが、一応の基準は、信用組合にいたしますと、たしか預金が五千万円程度ありますようなところ、そういつたようなところ、それを公正に貸出しの方で運用をなさつていらつしやるようなところが、一応の基準になつておるかと記憶いたしております。地方によりましては、預金が五千万円にもならないけれども、その地方にはその組合しかなくて、ほかに信用金融機関がないというふうな場合には、特別な例外としてそれより少い場合におきましても、その地方の方の御便宜をはかる意味で、代理契約を結んだところもあつたかと思いますが、大体預金五千万円程度の規模を持つておるところというのを、一応の基準としておるように記憶しております。
  33. 内藤友明

    ○内藤(友)委員 それでは銀行局長にお尋ねしたいと思いますが、今五千万円の預金ということを総裁お話なつたんですが、こういうことに合理性が欠けておるのではないかと思う。むしろ私は地域的に見まして、かりにその信用組合なり信用金庫なりが——信用金庫は今度ものさしがありますからこれにかわりますけれども、そうでないところはそれ以下でありましても、その附近にはこういう仕事をやるものがない、またどこかの支店のあるところまで出かけるのにも非常に距離があるというところは、地域的に考えて代理所を置くというふうなことをお考えなさることが、必要ではないかと思うのでありますが、あまりに取扱い金額、預金の金額ばかりに拘泥するということは、これが全国平均に渡らないといううらみが生じて来るのではないかと思うのでありますが、もし大蔵省が五千万円以上の預金のあるところというふうなことであるならば、これをひとつお改めなさることをお考えかどうか。それをお尋ねいたします。
  34. 河野通一

    河野(通)政府委員 お話の点はただいま櫛田総裁からお話申し上げましたようなことで、大体の基準は今お話のように五千万円程度の預金ということにいたしております。しかしそれで例外を全然認めないということではございませんので、比較的彈力性を持つて考えております。その考える場合には、お話のようにその地域においてほかに適当な、代理をしてもらうような金融機関がないというふうな場合も一つでありましよう。ただしかしこの場合には、政府資金をもととした国民金融公庫資金でありますから、これが適当に確実に運用されることが、確保されなければならぬという点がございますので、ただその地方に金融機関がないから、どんな規模の、またどんな内容の、あるいはどんな経営ぶりの金融機関でもよろしいというわけには参りません。個々に判断いたしまして、政府資金代理して運用していただくだけの資格のあるものでなければならぬと思います。従いまして個々の問題についてはそれらの経営ぶり、資産内容等についで十分検討を加えなければならぬかと思いますが、必ずしも先ほど櫛田総裁が申された通り、五千万円以上のものでなければ絶対にいかぬというような方針はとつておりません。現に相当それ以下のものでも代理所を認めたものもあるわけであります。具体的な問題として処理して参りたい、かように考えておる次第であります。
  35. 深澤義守

    ○深澤委員 国民金融公庫について銀行局長にひとつお伺いしたいのでありますが、政府金融問題については大体重点金融を強調されておるように拝見するのであります。さらに金融の引締めという方向に移つております。そのために中小以下の業務といたしましては、想像以上に金詰まりがひどくなつて来る。特に私は年末金融に際しましては、中小企業以下の金詰まり状態というものは、非常に深刻な状態になるのではないかと考えております。そこで私は国民金融公庫の受持つ役割というものが、非常に重要性を帯びて来ると考えております。ところがどうも国民金融公庫の運営を見ますと、私は政府自体がどうせ始めたんだからまあぼつぼつやつて行つたらいいだろう、積極的にひとつ一番金詰まりのしわ寄せになるところの一般中小企業以下の業者に対して、何らか積極的な手を延ばしてやろうという積極性がなくて、とにかくやつておるのだから、どうやら現状維持程度にひとつつて行こうじやないかという方針が、われわれにはうかがわれるのであります。従つてもつと積極的にやらなければ、今日の事態に対する国民金融公庫の使命というものが果されないと考えております。その根本的な方針をひとつ私は政府からお聞きしたいのであります。
  36. 河野通一

    河野(通)政府委員 この点はたびたび私からこの委員会でも申し上げたと思うのであります。中小企業、ことに国民金融公庫が対象といたしておりまする生業資金金融につきましては、現在の状況から見まして、極力これが疏通について考えて参らなければならぬというふうに考えておるのであります。中小金融につきましては、一般的な金融の引締めという、言葉は非常に悪いのでありますが、インフレーシヨンを押えて行きますために、資金の効率的使用ということについて、私どもは今後も一層この点に両点を置いて参りたいと考えておりますけれども、それがために中小企業にまでそのしわが及ぶことは、極力緩和して参りたいという努力はいたしておるつもりであります。先月二十日に私ども金融機関に対して、いろいろ金融の抑制について通達を出したのであります。このうちでも中小企業については特に例外的な措置をとるようにということを、はつきり申しておるわけであります。方針といたしましては中小金融の特殊性、及び現下の状況から見て最も重要な問題でありますので、この点の金融の疏通については、今後といえども一層努力をして参りたい、かように考えております。  御指摘の国民金融公庫に対する資金源の拡充の点につきまして、あるいはこれでは不十分ではないかという御意見かと思うのであります。この点はたびたび私から申し上げておりますように、決して十分とは思つておりません。もつともこの法案として提案されておりまする十億の出資金の増加以外に、国民金融公庫資金源の拡充といたしましては、資金運用部から近く二十億はなるべくすみやかに貸出しをいたしたいと思つておりますが、そのほかに先ほども申し上げたのでありますが、見返り資金からの中小企業に対する融資のわくのうち、これがある程度残る見通しが出ました場合には、これを国民金融公庫資金源の拡充に充てたいという方針で、目下検討を加えておるわけであります。できるだけ国民金融公庫資金源を拡充いたしますためには、努力をいたして参りたいと思つております。ただ何分にも政府資金財政資金がもとになつておりますので、一般の財政需要が非常に大きいという点から考えまして、この際といたしましては、今申し上げましたような程度でがまんするよりしようがない。できれば、できるだけ多額のものを国民金融公庫資金源として、注入することがいいと思うのでありますけれども財政需要全体の立場から、この際としてはこの程度でがまんをしていただかなければならぬ、こういうことであります。御了承をいただきたいと思います。
  37. 深澤義守

    ○深澤委員 そこでそういう御考慮を払つておられるとすれば、問題になるのは、どうも今までのやり方が大都市中心に傾いていたように考えられるわけであります。従つて全国にまだ国民金融公庫支所等を設置されない県が大分あるのでありますが、これらの県に対して、来年度あたりから全部に支所を設けるというような方針を考えられておるかどうか、その点をひとつ……。
  38. 河野通一

    河野(通)政府委員 この点も先ほど櫛田国民金融公庫総裁から話があつたのであります。支所につきましては、本年度においてもさらに二箇所程度を増置いたしたいと思います。法律の許します限度において、できるだけすみやかに充実をはかりたいというつもりでおりますが、国民金融公庫の活動は必ずしも支所を通じてのみではないのであります。全国に現在四百箇所以上の代理所というものがございます。これは相当地方の末端まで分散をされておるはずであります。具体的に個々の事情で、あるいはこの地方にはなければ困るじやないかという問題は、先ほど内藤さんからもお話がありましたように、いろいろ具体的な問題としてはあろうかと思いますが、支所だけで国民金融公庫は活動いたしておるものではなくして、代理所を通じて相当な部面の活動をいたしているわけであります。現在、先ほど申し上げましたように、四百箇所以上のものがございますが、さらに必要なところにつきましては、この代理所の拡充につきましても今後考えて参りたい、かように考えておる次第であります。
  39. 深澤義守

    ○深澤委員 そこで櫛田総裁の分野だと思いますからお伺いいたしますが、支所がある県に対する資金量と、それからない県に対する資金量とは、おのずから差別があると私は聞いておるのでありますが、大体資金の配分を各県各県の事情によつて配分ずるのか、あるいは支所があるなしによつて配分するのか、そういう点についてひとつお伺いしたいと思います。
  40. 櫛田光男

    櫛田説明員 資金の配分でありますが、結局各県を中心といたしまして、その地方々々の資金需要が過去においてどの程度、また今後三箇月あるいは半年の間にどの程度というふうなことを勘案いたしまして、配分いたしておるわけでありますが、結局は支所なりあるいは代理所なりからの見込みというものが、一応は第一の資料になりまして、それから各地方におきまする大きさ、あるいは中小企業の布存の状況、そういつたことを考えて配分をいたしておるような状況であります。
  41. 深澤義守

    ○深澤委員 それでお伺いいたしますが、現在支所のない県は何県になつておりますか、具体的にひとつ伺いたい。
  42. 櫛田光男

    櫛田説明員 北の方から申しますと、岩手県、それから栃木県、千葉県は千葉に最近のうちにできますが、現在は千葉県がございません。それから山梨県、富山県、福井県、岐阜県、徳島県、大体その程度であります。佐賀には最近十一月一日から店を開きましたので、西の方は大体できております。
  43. 深澤義守

    ○深澤委員 私も大体は承知しておつたのですが、どうも中小企業地帯の多いところへはこの支所が設置されずに、割合産業活動等が大産業などの影響を受けて非常に盛んなところへは、支所を設けているという傾向が強いと私は思います。国民金融公庫がもう少し中小企業を育成する、あるいは助けて行くという任務を果すためには、割合に恵まれない中小企業地帯にこそ、重点を置かなければならぬと私は考えます。先ほど銀行局長は、支所があるなしにかかわらず、資金の配分はやるのだというお考えのようでありますが、事実上は支所のないところと支所のあるところとでは、非常に資金量が違つて参ります。代理所の扱う資金量というものには、おのずからわくがあるように聞いております。従つて私が具体的にお伺いしたいことは、支所がある場合には、その支所に対する資金量がどのくらいという割当があるか。代理所は大体一箇所の代理所に対して、どのくらいの資金量が割当てられるのか。こういう標準があるように考えておるのでありますが、そういう点はないのでありますか。あるのですか。
  44. 櫛田光男

    櫛田説明員 お答え申し上げます。一支所にこれだけ、一代理所にこれだけという特別な基準というものはございません。そこの地方の需要状況等を勘案いたしまして、それからこちらの全体の資金というものをにらみ合せまして適宜にその都度配分いたしておるような状況であります。全体的に申しますと、先ほど申し上げましたように、当初は資金が非常に手薄でありました関係から、代理所の方にまわします資金が、全体の二割見当にとどまらざるを得なかつたのであります。ぞれを逐次ふやして参りまして、現在では三分の一見当代理所にまわして、今後は四割見当まではまわせるように、そこまでは持つて参りたい。今度御増資をいただきまして、十二月に資金量がふえますれば、その際は四割見当までは代理所にまわしたい。そういう大きな目安を立てております。一代理所、一支所にどのくらいということは、具体的に勘案いたしておりませんので、これだけでなければならないという抽象的な形式的な基準は、別に設けてありません。
  45. 深澤義守

    ○深澤委員 そこで資金需要量というものを、どういう基準でお考えになつておるのか。その点がはなはだわれわれは理解に苦しむのですが、一般の産業状況とか、あるいは今までの金融機関の活動の実績というようなものが、その基準になるのでありますか。あるいは国民金融公庫としての独自な立場から考えられておるのか。そういう点の基準は一体どこにありますか。
  46. 櫛田光男

    櫛田説明員 一等的確にわかりますのは、過去半年なりその間に、どれだけ窓口にお申込みなつたか、あるいは御相談にお越しになつたかというのが一つの目安になりますが、そのほかにただいまおつしやいましたその地方の産業状況、あるいは中小企業の数でありますとか、広さでありますとか、そういつたようなものをいろいろ広範囲に考え合せまして、一つの結論と申しますか、一応の目安を具体的に立てて、配分をいたしておる次第でございます。
  47. 深澤義守

    ○深澤委員 そこで私は、どうもやはり国民金融公庫の存在、それからその運用というようなものを知らない人々が非常にたくさんあると思う。たとえば信用組合なり、あるいは無盡会社なりの代理所というものが、その国民金融公庫というものの存在を一般国民に知らせるということは、ほとんどやつていない。むしろ自分の事業と折合わして、その事業を活用しておるという向きが、私は非常に多いと思う。従つて国民金融公庫の利用の範囲というものは、地方に参りますとおのずから限定されておると思うのです。そういうような観点から、單に私は窓口に対する需要量というものから算定するということでは、ちよつと的確に事情をおつかみになれないのではないかと考えるのです。銀行なんかに関係し、あるいはその他の金融機関関係する人々は、今までの従来の実績をもつて、どうやら金融機関と結合してやつて行けるのでありますが、問題は金融機関から切り離された、あるいは金融機関に行つても相手にされない人々こそ、私は国民金融公庫が救い上げてやらなくてはならぬ層であると考えるわけです。そこに今深刻な金詰まりの状態、あるいは資金難の状態が起きておるのでありますが、それに対して手を差延べるというお考えはないのかあるのか。そこに私は一番重点があるのではないかと考えるわけですが、その点はいかがでありますか。
  48. 櫛田光男

    櫛田説明員 おつしやる通りでありまして、まだ国民金融公庫がどういう仕事をしておるのかということを、御存じにならないような地方その他も、あるいはあるかと存じます、その点につきまして、各支所においてはこんなことも実は実行いたしております。各市町村の商工会というものがございます。それからもちろん県庁あるいは市町村の役場の方々に、しばしば出張をいたしまして、その地方の状況を伺い、またこちら内容も御説明申し上げ、だんだんそれが広がつて来ておるやに考えるのであります。何さま、まだ人手関係もあり、また時日も浅いことでありますので、全国的に十分に私ども仕事内容がわかつておるところまでは、あるいは行つていないのではないか、そういつた点も考え合せまして、実は先ほど申しあげましたように、第一には支所なり代理所なりに参りまする今までの申込み状況なり、御相談を受けまする状況なりが、計数的には、一つ資料にはなるのでありますが、ただそれを、県なり市町村なり、あるいはその地方の経済団体なりその他の意向などを比べ合せて、いろいろ調整をいたしまして、資金の配分がまんべんなく行きまするように、できる限りの努力をいたしておるつもりでありますが、自然まだ不行届きの点も多いかと存じまして、その点はいろいろ御指導なりお話によりまして、いかようにでも改めて行きたいというのが私どもの考えでございます。どうぞひとつ御了承願いたいと思います。
  49. 深澤義守

    ○深澤委員 私どもが四国を調査いたしましたときに、金融公庫の末端で働いておる方々の意見も十分拝聴いたしまして、その非常に涙ぐましい努力に対して、われわれは感激したのであります。たとえて申しますれば、各金融機関の給与ベース等は非常によいのであります。ところが政府機関である国民金融公庫はおのずから制限がございまして、とてもおつき合いができないというような悲鳴も、われわれは各責任者から聞いております。そうしてまた人手の足りないということについても、非常に努力されているようでありまして、その涙ぐましい努力に対してわれわれは非常に感激したのであります。そこで私お伺いしたいのは、今度の政府の行政整理の対象として、国民金融公庫はその対象になつておるかおらないか。私まだその点よく承知しないのですが、その点をひとつお伺いしたいと思います。
  50. 河野通一

    河野(通)政府委員 国民金融公庫の人員の充実が必要がありますことは、先ほどお話のありました通りでありまして、今般の政府機関の行政整理の対象といたしましては、国民金融公庫というものの特殊の性質から見まして、これを除外しております。むしろある程度の増員を予定いたしております。
  51. 苫米地英俊

    ○苫米地(英)委員 ちよつと簡單な質問をいたしたいと思います。  現在の日本は物価高で非常に困つておる。これが国際水準を抜いておるというようなところから、輸出貿易も行き詰まつておる。国内の物価高のために生活が圧迫されて、ストライキが各方面に起つておる。しからばその物価高の原因は一体どこにあるのかと考えてみますと、それは中小企業金融の逼迫であると私は考えておるのであります。そこでこの中小企業金融を緩和しなければ日本の物価を押えることができず、輸出の振興もできないで、インフレ傾向をますます増して行くと考えるのであります。この中小企業金融難を打開する道は、私はまず重要なものが二つあると思うのであります。その一つは、国民金融公庫のようなところで資金をできるだけ今後も継続して増額して、これを中小企業にまわす。またこのまわす金額を現在よりもう少し広げて行くということが、必要ではないかと思うのであります。この物価高と抽象的に言いましてもわかりにくいので、著しい例をとつてみれば、造船であると思うのであります。この造船の船の値段が非常に高いという原因はどこにあるかというと、この下請工場等の中小企業が三百以上もある。これが金融難のために、やみの金を使う。高金利のものを使う。そのために下請工場の生産品が非常に値が高くなつて、これが結局でき上つた船のコストを非常に高めておるのか事実であります。政府でこの増産奨励のために各方面で金融を考えておりますが、これが大体四期にわかれて船会社に渡される。船会社から造船会社へ四期にわけて支払う。ところがこの造船会社が金融難であり過去の負債があるために、この金をあたためてしまつて、三箇月、場合によつては六箇月の手形で中小企業者の下請人にやつておる。そこで最末端の中小企業者は、その手形をもらつておるけれども金融はできない。できないから高い金利のものを使つて、コストを上げて、造船会社に物を納めるということになつておるのでありますが、こういうことを打開するためには、政府が四期に出しているものをまとめて一期に出す。三十億なら三十億を一期に出すというようなことが非常に有効でありますが、同時にそういうことをすると、インフレをあおるという結果にもなるのでありますから、その辺の調節は相当むずかしいと思いますが、少くともこれを四期にわけないで、二期くらいにわけて、ゆたかに船会社が造船会社に支払い、造船会社がこれをあたためないで、末端に流すということになつて行けばいいのでありますが、この方法については造船会社から、それでは過去の負債が返せないから困るというような、苦情も出るかもしれませんけれども、この辺を政府が取締りをし、また調節をして行くことがいいのであると思います。ただいま申しました二つの案、一つ国民金融公庫に対して、将来政府はまだ増資する——先ほど増資したいというお話はありましたけれども、そういうような計画を持つておられるかどうか、これが一つ。もう一つは、先ほど申しましたように、大企業から小企業に流れて行く金融を、もう少しくふうする意図を持つておられるかどうか。これを銀行局長からお伺いしたいと思います。
  52. 河野通一

    河野(通)政府委員 お話の第一点でありますが、国民金融公庫資金源を拡充して参りますために、今後も努力をいたして参りたいということは、私から実はたびたび申しておるわけであります。ただ問題は、国民金融公庫の出資、つまり一般会計から出資いたしまする金額だけでなくて、あるいは資金運用部資金でありますとか、あるいは見返り資金でありますとか、これらはとにかく形のいかようにもあれ、国民金融公庫が運用し得る資金を拡充して行くということで考えて参ればいいのではないか、そういう観点から従来も努力をいたして参りましたし、今後においても、この点については十分努力をいたして参りたいと考えておる次第であります。ただこの際、さらに今後いつ幾ら増資をするとか、あるいは資金運用部から幾らいつ出すかという点につきましては、先ほど来申し上げました、現在きまつております以外のことにつきましては、はつきりした具体的な数字を申し上げることはまだできない段階にあります。はなはだ残念でございますけれども、御了承いただきたいと思います。  それから第二点の、下請と大企業との間の金融のつながりの問題であります。これは苫米地さんも今御指摘のように、なかなかむずかしい問題であります。金融全体が非常にゆるやかに行つておりました時分におきましては、下請と大企業との間の金融というものも、今お話のように、手形を通じて相当円滑に進んでおつたのであります。現在におきましては、日本経済の持つておりまする資金全体が非常に不足いたしておるという関係から、大企業自体においても、金の使い方はいろいろありますが、金繰りについては相当きゆうくつになつておる。今御指摘のように、むしろ大企業が下請に対して手形を出すというのは、実はまだいい方なのでありまして、手形を出さないで、何といいますか、支払いを延ばしておるというようなものも相当あるようであります。私どもといたしましては、この問題については、今お話のありましたような、大企業から中小企業に対しては、手形をとにかく渡すという段階だけはできるだけ励行するようにということで指導いたしております。日本銀行総裁の方もそういう考え方で指導していただいておるのであります。その上でさらに手形を書いても、その手形が金融の対象にならないという問題も実はあるわけであります。これはそれから先はやはり一般の金融なり、信用力の問題になつて参りますので、中小金融に対する一般の問題として考えて参らなければならぬ。現在のところでは、手形が書かれるならば、それはある程度割れて行くということも聞いております。手形が書かれたときは、日本銀行としても、これを対象として取扱つてつている事例も相当あるようであります。何さま金融全体がなかなかきゆうくつな状態にありますので、手形を渡されたからといつて、それがそのまま右から左へ金融がつくということは、なかなか困難なような状態にあるわけであります。中小企業がことにそういう関係からしわが寄つて金融の圧迫がますます中小企業に寄つて来るという点は、できるだけ緩和して参りたいということで、今後も努力をいたして参りたいと思います。金融債に対しても、私どもとしましては中小企業に対する金融に、極力重点を置いて指導して参りたい、かように考えておる次第でございます。
  53. 苫米地英俊

    ○苫米地(英)委員 よく了解できましたが、先ほど申しましたように、最近は一度に多くの金額を造船会社に渡すということは、インフレのおそれもありますけれども、これをやらなければ、どうも中小企業になかなか流れて行かぬと思いますが、それをどのくらい多く渡すかということは、銀行局として十分お考えだろうと思いますが、その点はそういうようなことにおとりはからいができるのでありましようか。ちよつとそれだけお伺いいたします。
  54. 河野通一

    河野(通)政府委員 先ほどお尋ねの点、お答えを漏らしましてはなはだ申訳ありません。今お話の点は、おそらく見返り資金から政府が造船に対して出しております資金出し方の問題ではないかと思いますが、見返り資金につきましては、御承知のように特殊な性質資金でもございますので、これが資金の解除につきましては、現在のところ総司令部の具体的な承認を個々に受けて、実はやつておるわけであります。そういう関係でいろいろな点で、資金の放出が時期的にあるいは分量的に片寄つたり、あるいは間が延びたりするような点が事実としてあろうかと思います。これらの点は極力実情に即したように、円滑なる措置をとるように今後も努力をいたしたいと思います。ただ現実には、政府だけの判断なりあるいは処置で解決つかない問題もありますので、これらの点をよく関係方面とも折衝の上、御期待に沿うように努力をいたします。
  55. 内藤友明

    ○内藤(友)委員 資料を願いたいのですが、それは都道府県別の支所の設置してあります代理店の数、それから都道府県別の最近の残高——と申しますのは、深澤君が今尋ねましたように、支所とかなんとか、窓口のないところはどういうふうになつているかということを見たいので、その資料をいただきたい。
  56. 小山長規

    ○小山委員長代理 午前中はこの程度で休憩いたしまして、午後は一時半から再開いたします。     午後零時二十八分休憩      ————◇—————     午後二時三十四分開議
  57. 西村直己

    ○西村(直)委員長代理 休憩前に引続き会議を開きます。  国民金融公庫法の一部を改正する法律案を議題といたしまして、質疑を継続いたします。ほかに質疑はございませんか。
  58. 佐久間徹

    ○佐久間委員 ただいま議題となりました国民金融公庫法の一部を改正する法律案につきましては、すでに質疑も盡されたと思われますので、この際、本案につきましては質疑を打切り、討論を省略し、ただちに採決に入られんことを望みます。
  59. 西村直己

    ○西村(直)委員長代理 ただいまの佐久間者の動議のごとく決定するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  60. 西村直己

    ○西村(直)委員長代理 御異議なしと認めまして、本案につきましては質疑を打切り、討論を省略し、ただちに採決いたします。  本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立をお願いいたします。     〔総員起立〕
  61. 西村直己

    ○西村(直)委員長代理 起立総員。よつて本案は原案の通り可決せられました。     —————————————
  62. 西村直己

    ○西村(直)委員長代理 次に、日本輸出銀行法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案についてはすでに質疑打切と相なつております。これより討論に入ります。
  63. 佐久間徹

    ○佐久間委員 ただいま議題となりました日本輸出銀行法の一部を改正する法律案につきましては、すでに質疑打切りとなつておりますので、討論を省略し、ただちに採決に入られんことを望みます。
  64. 西村直己

    ○西村(直)委員長代理 ただいまの佐久間徹君の動議のごとく決定するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  65. 西村直己

    ○西村(直)委員長代理 御異議なしと認めまして、本案につきましては討論を省略し、ただちに採決に入ります。  本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を願います。     〔賛成者起立〕
  66. 西村直己

    ○西村(直)委員長代理 起立多数。よつて本案は原案のごとく可決いたしました。  ただいま可決せられました二法案に関しまする報告書の件につきましては、委員長に御一任願います。  本日はこれにて散会いたします。     午後二時三十七分散会