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1951-12-05 第12回国会 衆議院 水産委員会 第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十二月五日(水曜日)     午後二時二分開議  出席委員    委員長代理 理事 鈴木 善幸君    理事 松田 鐵藏君 理事 田中織之進君       石原 圓吉君    小高 熹郎君       川端 佳夫君    川村善八郎君       田渕 光一君    永田  節君       平井 義一君    本多 市郎君       小松 勇次君    川島 金次君  委員外出席者         農林事務官         (水産庁次長) 山本  豊君         農林事務官         (水産庁漁政部         長)     松任谷健太郎君         農林事務官         (水産庁漁政部         漁業調整第一課         長)      高橋 泰彦君         専  門  員 杉浦 保吉君         専  門  員 徳久 三種君     ————————————— 十一月二十八日  委員小松勇次辞任につき、その補欠として三  木武夫君が議長指名委員に選任された。 同日  委員三木武夫辞任につき、その補欠として小  松勇次君が議長指名委員に選任された。 十二月五日  委員五島秀次君及び佐竹新市辞任につき、そ  の補欠として本多市郎君及び川島金次君が議長  の指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  漁業制度に関する件     —————————————
  2. 鈴木善幸

    鈴木委員長代理 これより水産委員会を開会いたします。委員長冨永格五郎君がさしつかえがございますので、委員長の指定により私が委員長の職務を行います。それではただいまより漁業制度に関する件について調査を進めます。本件に関し、各委員より発言を求められております。順次これを許します。松田委員
  3. 松田鐵藏

    松田委員 越佐海峡の問題につきまして新潟県の沿岸漁民と底びき網漁業との間に、水産庁告示をした許可に対する漁民生命に関する経済的な問題のために、非常なる問題が起つておるのであります。この点につきまして農林大臣水産当局においてもいろいろとあつせんされたのでありまするが、その妥結の点に入らないのであります。ゆえにこの問題は非常なる経済問題を惹起するものでありまして、当局からあらためてこのいきさつに対する説明と、また沿岸漁民の真実の陳情及び底びき漁業者陳情を承りまして、当委員会はこれに善処するよう努力をしていただきたい、かように考えるものであります。
  4. 鈴木善幸

    鈴木委員長代理 ただいま松田委員からお話がありましたように、本問題は関係漁民諸君にとりましてはきわめて重大な問題であります。よつて今回当局がとりました措置に関しまして、水産庁次長山本君より御説明を願います。
  5. 山本豊

    山本説明員 今回のこの問題は、昨年からの続きの問題でありまして、これはたしか本委員会におきましても陳情がありまして、その陳情に基きまして美星でもいろいろとお考えいただいた問題であります当時水産庁といたしましては、従来この海区は底びき船が相当に入つて来る、しかもひんぴんとして事故を起すというふうな事情もありまして、これらの事情をわれわれといたしましては、何とか秩序立てたいという気持もあつたわけであります。もちろんこの海域は、従来からとかくの事情のある海区であることは確かでありますけれども、しかし同じ県民なのでありまして、相互である程度話合いがつくものならば、何とか方法はないものだろうかということで、沿岸も底びきも両方立場をいろいろと考えながら。つくりましたのが一つの案であります。ところがこの案につきまして問題になりますところは、いわゆるこの沿岸漁民に及ぼす影響度合いでありまして、この度合いについて、ある程度底びき業者の方が補償するという問題があるわけであります。これらの点を両方協調さそうということで、当初は県あるいは地元におきましていろいろと折衝があつたのであります。しかし円満に妥結に至りませんので、それをいろいろと中央の方にも持つて参られまして、何とかいい結論を得るように努力してくれ、こういう依頼を受けまして、水産庁といたしましては、当委員会意向もいろいろ承つた上で、一応の結論を出したのであります。それによりまして先般告示をいたしました。むろん告示の前には両当事者を一応会合いたしまして、この実施要領につきましては、一応の相談をしたのであります。しかしいろいろと利害関係が相対立いたしました関係もありまして、円満なる妥結には入らなかつたのであります。  そこでわれわれといたしましては、これは何べんやりましても、いろいろほんとうの立場という事情もありますので、なかなか結論を導き出すことは困難であろう。しかし両方気持としてはほぼ話し合う気持はある、かように認めまして、一応告示を出したのであります。しかし告示を出しましたところが、沿岸側の方から非常な反対がありまして、われわれの漁場がなくなる、こういうふうな理由で、いやしくも告示を出す前に、この大事な補償問題を解決せずして入るのはもつてのほかだ、こういうふうな御要望が強く出たのであります。われわれもその点は率直に認めまして、一応底びき業者の方に対しては命令を出しまして、知事の采配のもとに出漁をとめるようにいたしまして、その間に現地においていろいろ折衝に入つたのであります。その折衝の結果、途中におきましては相当に歩み寄るような事態もあつたのでありますが、その後いろいろなもつれを起しまして、中央に持つて参りましても、まだ今日円満に妥結を見ない、こういう事情に相なつておるのであります。われわれといたしましては、もちろんこの案を立てるにつきましては、底びきと沿岸両方利害関係というものを十分に念頭に置いていろいろ考えてみたのでありまするが、しかしながらこういう問題は、要するにお互い協調することによつてある程度結論が出るものであろう、こういうふうな確信のもとにいろいろとあつせんをして参つたのであります。われわれといたしましては、どうかこの問題が、お互い県民同士でありますので、何とか妥結点を見出して、円満に進むようになることを懇願しておるわけであります。簡単でありますが……。
  6. 川島金次

    川島委員 ただいま山本次長からのお話を承つておりますと、何かわれわれといたしましても、きわめて納得のできない説明の点がありますので、この機会に一、二お尋ねをしておきたいと思うのであります。と申しますのは、今説明によりますと、従来の禁止ラインに対して底びき漁船が頻繁に侵入するという事例があつた、そういう事情もあるので、今回の措置考えた、これは一つ理由だ。これは私は漁業にとつてはまつたくのしろうとでではございますが、まことに奇怪な説明だと思う。従来の禁止ラインがあつたということは、あるべくしてあり、そのラインを設定いたしたことは、もとより私どもの想像によれば、漁族保存いわゆる資源保存でありましよう。聞き及びますところによれば、一面においては沿岸に三十万に及ぶ零細な漁民が、この越佐海峡沿岸生命線としてその生計を保ち、生業を辛うじてささえて来ているという実情である。その実情に対して、しかも違法である禁止ラインにひんぴんとして底びきの漁船が侵入して来るような事故があつた、だからという理由はいわゆる違法性の侵入的な漁獲に対して、政府みずからがそれを合理化して行く、こういう形にわれわれはただいまの説明では聞き取れた。これは非常に重大なことだと思います。単に沿岸漁民生計に及ぼす経済的影響のみではない。もつと根本的な政治の問題だと思う。と申しますのは、ただいま申し上げますように、私が承つたことに何らの間違いがないとすれば、政府みずからが一方的に行われたその違法性を、いつのまにか政府が承認をし、それを合理化して、そうしてその暫定措置を出す。そういうようなことでありといたしまするならば、これはいよいよ大きな問題だと私は思うのですが、その点をもう一ぺん私ども納得のできるように御説明が願いたいと思います。
  7. 山本豊

    山本説明員 あの海区は沿岸生活の根拠地であるということはわれわれも十分了承しているのであります。しかし従来日本沿岸漁業調整という問題は、県と県との入会もございますし、それからまた場所もいろいろあります、伊勢湾だとかあるいは有明海、いろいろそういうふうな所におきましても、沿岸のものと底びきとの調整をいろいろやつて参つているのであります。もちろんこれは地方々々の事情がありまして、そこに多少の違いはあるとは思うのでありまするが、しかし漁業調整の問題は大体がそういつた問題でありまして、むろん資源保存という問題もあります。しかしまた一方には、いわゆる海区というものはみんなの人間がとにかくとりに行くんだ、こういう原則もあるわけであります。でありまするから、そこの話合いがつくのであればこういう方法を講じるこも、これによつて間接にまた沿岸のためにもなるのではないか、こういうような気持でいろいろとあつせんの労をとつて参つたわけであります。
  8. 川島金次

    川島委員 どうも残念ながら山本次長説明ではわれわれちよつと納得が行きません。私の質問に対する説明になつておらぬと思う。というのは、もつとざつくばらんに申し上げます。どうも隣近所にどろぼうが入つた、これはよくない、しかしどろぼうが入つて来て事故が頻出するから、これはひとつ何とかしなければならぬ。何とかするためには、ひとつ午前二時から三時まではどろぼうに入つてもよろしいというがごとき例になるようなこれは判定措置です。何のために禁止ラインというものが設定されたかという基本的な政府態度方針であります。私はその基本的な方針についてそう詳しく承らぬでもわかつております。その設定されたラインの中に、いわゆる資本を背景とする、力を背景としているとも言つてさしつかえないような漁船がそのラインを突破して来ている。それが従来事例的にひんぴんとしてあつた。そういうことがあつたから、この暫定措置を出すのだという説明は、窃盗が多いからひとつ窃盗する時間をきめて二時から三時までは窃盗をしてもよるしいというような事柄暫定措置と、て政府みずからがきめると同じような形じやないか。私は漁業そのものに対する専門家でございませんから、その点はよくわかりませんが、今の説明を聞くとそういう形になるのだと承つたのであります。そこで何ゆえに業者沿岸漁民との十分なる——一応の話合いはしたけれどもという説明でありますが、私は十分な話合いをしたがという説明があるのだと思つたが、案に相違して一応の話合い、一応の話合いはしたが、なかなか話合いがつかないから、暫定措置としてこれを強行することになつたというようなことに至りましては、一体政府また水産当局というものは、この漁獲政策水産政策というものに対して、どういう厳然たる基本的な方針をもつて今日に及び、明日も臨むのか。そういうような基本的な立場考え方にさえも、われわれは重大な疑いをさしはさまなければならないことになるのではないか。そこでもう一ぺんその点をひとつ御説明を願いたい。
  9. 山本豊

    山本説明員 沿岸漁業日本漁業相当な部分を占めておるのでありまして、この沿岸漁業の大切なことは、われわれといたしましても十分承知しているわけであります。ただしかし沿岸漁業のみが日本漁業のすべてでないのでありまして、底びきもあり、あるいはまた遠洋もあるわけでございます。遠洋の問題におきましては、いわゆる終戦後非常に漁場が圧縮されまして、沿岸あるいは沖合い相当つて来ているわけであります。そこにもまた問題を起しているのであります。またそういう圧縮を受けまして、この中型の底びきと沿岸との問題も、各地方にいろいろの問題を起しているのであります。しかしこれにつきましては、水産庁といたしましてはどつちに重きを置くか。大局から言いますれば、もちろん沿岸中心に順次沖合い考え遠洋考えるという気持で、しかし非常にもつれた所におきましては、相互関係をよく調整するというような、公平な立場に立つて調整するというような気持で進んで参つているのでありますが、具体的な問題につきましては、いろいろとその地方特殊事情等によりましてなかなかむずかしい問題になつているのであります。しかし考え方はそういう気持で、当面その狭隘な漁場相互協調気持で運用して行く、こういうような与持で現在は臨んでいるのであります。しかし将来あるいは漁区が拡張になるというようなことによりまして、漸次この問題も明るく転換して参るので去ろうというように考えているのであります。
  10. 川島金次

    川島委員 どうも次長説明は現先的な説明にすぎない。もつ水産庁水産政策に対する根本的な方針はこうだ、こういうものが私どもに聞かされてほしいと思う。ただ越佐海峡の問題としてわれわれは取上げているのではない。もつと高度な立場における水産水産政策、しかもそれは単なる資源の開発だけでなしに、保存の問題、それを中心とした国民生活の問題、こういつた問題も当然に密接な関係を持つておる。そういう事柄についての基本的な政策中心というものをどこに置いておるのか。そういうことがまず基本となつて、この越佐海峡問題什こう解決したいという考え方になつたのだという麟をわれわれは求めて肢るのです。その点をもう一ぺんお尋ねしたい。
  11. 山本豊

    山本説明員 この方針といたしまして、とにかくわれわれの考えでは、現在漁場が各地方とも狭隘になつておるわけであります。従いまして、一方には資源の方の問題も大切であります。またその観点に立つていろいろ対策も立てておるのでありますが、同時に一方には、また今後開発し得るような所につきましては、その線に沿うて開発して行かなければならぬ。しかし何と申しましても、終戦後の日本漁業というものは、いろいろな事情のもとに、いわゆる生産増強といろ観点から、必要以上に船が多くなつております。従いまして、これらの船の整理の問題も、一応われわれの頭では考えておるわけであります。近くは小型の整理から沖合い整理に及んで行こう、こういう段階にあるわけであります。しかし現状におきましては、あつちこつちでいろいろ摩擦を起すものですから、その根本的な方針が確立、実行できるまでの暫定的な取扱いというものは、あるいは種類が違うと言われるがもしれませんけれども、北海道と東北海区の入会の問題もあります。あるいはまた有明海方面入会の問題もあります。これらの問題をいろいろそういうような方法調整をして参つておるわけであります。
  12. 川島金次

    川島委員 もつとわれわれは、高度な基本的な立場に立つた政府水産政策というものを開きたいと思つたのですが、その程度説明では、残念ながらどうも私どもの希望に沿いません。しかしながら、これ以上論議しましても無理と思いますので、次に、先ほど次長は、沿岸漁民と当面の底びき業者との話合いを進めた、こういうふうな説明でありますが、その話合いを進めたというのは、一体どの程度話合いをするためのあつせんをされたのか、しかもこの暫定措置を出せば、従来のいろいろいきさつ的に起つた紛争も解決がつくという、確固たる見通しを持つてこれを出されようとしたのでありましようが、案に相違して、この暫定措置要綱が出ても、一層問題は深刻になつて来ておるというのが現実であります。そこで水産庁としては、この問題を具体化せしめるまでに、まだ相当打つ手があつたのではないか、もつお互い納得するような努力の余地があつたのではないかというふうにわれわれは感じておるのでありますが、その点の事情と、水産当局見通しなどどうであつたかについて、簡単でよろしいですから承つておきたいと思います。
  13. 山本豊

    山本説明員 この種の問題は、先ほどから言いますように、地方によつていろいろ事情があります。従いまして、あちらでできたものがこちらでできないという場合もあろうと思うのでありますが、先ほどから申しましたように、いろいろ各地方でこういう問題を取上げているのであります。その取上げる方法が、在来は相互申合せ実施要領というふうなものをつくりまして、両者会合せしめましてある程度それを説明し、多少の不満がありましても、大体納得の行くところでもつて実施をして来たのであります。具体的問題につきましても、その方法は講じたのでありますが、ただ情勢判断と申しまするか、そういう点につきましては、今日こういうふうに沿岸の方がいろいろ御心配になる、その点の認識といいますか、それらの点に多少足らなかつたところがあつたと思うのであります。それは率直に認めておるわけであります。従いまして、省令が出ました直後でありますけれども、率直に認めまして命令を出し、また手を尽して今日まで参つておるわけであります。
  14. 川島金次

    川島委員 ほかの方からもいろいろ御質問があろうと思いますので、私はあまりくどくどしく申し上げることはしないのですが、問題は、率直に申しまして、この暫定措置を一応取消すという意思はないのかどうか、そうして白紙にかえして、あらためて必要とあるならば、両者間の協定をあつせんするということもあり得る。いずれにいたしましても、一応政府は、すべからくこれを白紙にかえす、中止する、そして将来のことはその後において、また政府政府としての考え方に基き、民主的な協定に基いて、やれるものならやる。しかしこれは不可能ならば永久にやめる、そうして元へかえる。率直に申しまして、こういう意思があるかないか、それをお聞かせ願いたい。
  15. 山本豊

    山本説明員 そういうお考え一つ考えであろうと思うのであります。水産庁といたしましても、とにかく出した告示にこだわつているわけではありませんけれども、それらの扱いにつきましては、片方の相手方もあるわけでありますので、十分検討した上で結論を出したい、かように考えるわけであります。
  16. 田中織之進

    田中(織)委員 川島君から結論的な御質問もあつたので、一、二私の納得のできない点を伺つておきたいと思います。川島君の御質問の第一点の、従来から底びき船が入ることに対して何らかの調整をしなければならぬということを考えておられたにもかかわらず、十分その間の話合いができないままに今回の暫定措置要綱告示したということについて、われわれ水産庁の真意を遺憾ながら捕捉しかねるのであります。その点について山本さんの御答弁ではまだ納得が行きませんが、一応その問題は、その処置が出た現実の上にに立つて伺つてみたいと思うのであります。われわれの手元に、越佐海峡におけるこの問題について十一月三十日付の補償協定に関する水産庁告示案というのが出ておりますが、これより前十一月の十九日に告示が出ておるわけなんです。告示と同時に船が入つて紛争が起きたことだと思うのでありますが、われわれの手元へ配られている補償協定に関する水産庁呈示案を、紛争が起つたあと出して来たのでは問題にならないと思うのです。その前に補償ついていろいろあつせんしたが妥結しなかつたので、本委員会並びに各方面意見を聞いて水産庁が裁断をくだしたということでありますが、この十一月三十日の呈示案以前に具体的に補償について水産庁ではどういうようなあつせんをやられたかという点を、まず明らかにしておきたい。
  17. 山本豊

    山本説明員 その点は実施要領の中に一応項目が入つてつたのであります。しかしその項目話合いのときには、今日の三十日案のような詳しいものにはなつておらなかつたのであります。抽象的なことでありまするが、いわゆる入ることによつて沿岸の人の漁具を損壊した場合そういうものの補償と、それからもう一つ、たらを混獲した場合には補償する、こういう原則的な点をきめておつたのであります。もちろんその間にある程度、何ぼくらいをするというような話合いもあつたと思うのでありまするが、そういう程度話合いで、大体あとのものは、その後におきましても速急に両者でよく相談し合う、こういう気持でおつたのでありますが、先ほど申しましたように、その後に翼の方々のいろいろな御注文も出て参りました。そういう事情で三十日のような案になつて参つたわけであります。
  18. 田中織之進

    田中(織)委員 水産庁補償に関して、これは関係漁民納得するものであるかどうかという検討は別問題といたしまして、どうも後手を打つているように私は感ずるのであります。そこで根本的な問題として一点伺いたいと思うのは、底びきについては従来から厳重な制限をして来ておるという点、これはやはり影響のみならず、資源確保の点から、従来から一定の制限を設け、また禁止区域を設け来たことは事実だと思うのでありますが、そういう建前から行きますならば、今度のような問題の場合に、補償ではたして解決するかどうかということを、私は根本的に考えなければならぬと思うのであります。水産庁は今度の禁止ラインを置いて、沿岸五海里の外で操業ということに線を引いたようでありますが、これによつて現実に損害が起るから補償ということを水産庁考え出して来ておるのだろうと思います。これは補償によつて、従来から底びきに対して制限を加えて来た趣旨とマッチできる筋合いのものであるかどうか、この点について根本的な考え方伺つておきたいと思うのです。
  19. 山本豊

    山本説明員 その点は補償のみでは結論は出ないと思うのであります。従いまして、問題はそのいわゆる入れ方というところにありますので、あるいは隻数でありますとか、あるいは沿岸漁民の方に影響の最も少い時期を選ぶとか、あるいはまたその時期を選びましても、ある業種を主としてとるというふうな、いろいろの条件の方が大切だろうと思うのであります。しかしそれと同時に、この越佐地方沿岸の非常な生命線である点も考慮いたしまして、特殊の業種をとるといたしましても、混獲は当然考えられることでありますので、これらに対する補償もさらに考える、こういうふうなつもりになつて参つたわけであります。
  20. 田中織之進

    田中(織)委員 山本さんが率直に認められるように、私の水産庁に関する乏しい知識から見ましても、私は沿岸漁業機船底びき漁業との間の問題については、単なる補償だけで問題は解決できる性質のものではないと思う。それだけにやはりこういう暫定措置を指示することにつきましては、私は、慎重に態度をとらなければならないにもかかわらず、その点どうも水産庁処置については遺憾な点が多いように見受けるのであります。そこで問題は、こうしたことにつきましては、先般国会で成立いたしました漁業法に基きまして、各海区に調整委員会がありまして、こうした問題についても十分自主的に関係漁民双方意見を聞き、また第三者の意見も聞いて、十分現地で民主的に解決できる制度になつておると私は思うのでありますが、この越佐海峡の底びき漁業の問題につきましては、現地のそうした調整委員会等意見は、本省としてどの程度取上げられたか、また今回はあまりにも沿岸漁民の猛烈な生活を守るための反対運動の前に、知事をして出漁をとめさせるところの緊急処置をとつておるようでありますが、県当局意向なり、そういう意向は、本省としてどの程度まで具体的に取上げて、しかる上にこの告示を出したかという点について、伺つておきたいと思います。
  21. 山本豊

    山本説明員 当初問題が起りましたときには、地元の海区調整委員会等でいろいろと検討があつたわけであります。またそのときには県が中に入りましていろいろと論議も闘わされて参つたのであります。従つてそれらの事情あるいはまた県の意向、そういうものは現地にも参りますし、あるいはまた県からも来てもらうというようなことで、十分とはあるいは行かなかつたかもしれませんが、ある程度はそういう意見もよく取入れたつきりでおるわけであります。最後にこの案をつくる段にも、私ははつきりは知らないのでありますが、委員の方の中には、現地調整委員の方も入つておられたのではないか、かように考えております。
  22. 田中織之進

    田中(織)委員 その点については、調整委員会制度も、段階的に地方審議会まで持つて来るようになつておると私は思うのでありますが、そういう点についても水産庁のとつた処置については、どうも適正を欠く点があると私は認めざるを得ないのであります。そこで最後に、これは川島君からの質問に対しまして——告示を撤回して白紙立場で、水産庁が期待しておるような協調の精神の上に立つて解決がつくまで努力をしてはどうかということに対して、一つ意見として聞きおくというような意味合いの御答弁しかないのでありますが、現実には命令に基いて知事の裁量で出漁をとめておるのでありますが、これは私この問題の根本的な解決のつくまでは、告示を撤回して白紙に返すということも一つ方法だと思うのでありますが、この暫定的に出漁をとめておくことによつて問題の解決を促進しようというこの処置は、問題解決まで続けられる意思があるかどうか、その点をひとつ伺つておきたいと思います。
  23. 山本豊

    山本説明員 われわれの考え方といたしましては、告示を出し、また円満なる妥結を見るまで、とにかく出漁を中止する、こういう建前を今日も堅持しておるわけであります。しかしいろいろと諸般の事情も出て参ります。従いまして、先ほど申されましたような考え方も、これは相当よくわかる考え方でありますので、いろいろと諸般の情勢を慎重に考え結論を出さなければならぬ、こういうふうに思つておるわけであります。
  24. 松田鐵藏

    松田委員 この問題は、五月の十二日に当委員会陳情業者から受けたものであり、またこれを論議したものであります。また十月の十六日に、沿岸漁民陳情を受けて、しこうしてこの問題に対して委員会は即刻協議会を開きまして、この問題に対処したものであります。当時川島君、田中君は委員でなかつたために、その内容はおわかりにならなかつたのであります。しこうして私どもは、かような事柄に対しては、一つ日本漁業というものに対する方針を、先ほど山本次長が抽象的にお話ありましたが、私どもは将来の日本漁業というものに対する一つの主義をもつてつておるのであります。それは御承知の通り、日本の国は明治以来侵略漁業をもつて国是としてやつてつたのであります。進取の気性をもつて最もとうとぶべきことである、かような観点から漁業というものをやつてつたのであります。国は、日清戦争、日露戦争また太平洋戦争に至るまで、日本の国の発展をするがために、侵略的な戦争を行つて参つたものであります。そこで終戦後における画期的な漁業法の制定ということは、すなわち日本漁民を民主的な漁業方針に進めて行かなければならないというのが骨子であるのであります。しかして日本の国民であつたならば、日本沿岸はどこに行つて漁業をやつてもさしつかえないというのが、漁業法の精神であります。日本の国の法律または協定に対し、民主的な漁民であつたならば、それをよく守つて行くことによつて、初めて秩序が立てられ、しかして日本漁業の進展が期せられるであろうというのがあの漁業法の最も重要な意義をなすものであります。日本漁民日本の全国のあらゆる海区に行つて漁業を営む権利を持つておるのであります。かような点から行きまして、今までにおいては苦しい漁業法のもとに、機船底びきであつたならば機船底網漁業取締規則があり、またあらゆる漁業に対して取締規則が厳存しておるのであります。これもその都度適当な方針によつて改正して行かなければならないと運命づけられておるものであります。かような観点から政府は、今論議されておるものは、日本の国の沿岸漁業に対しては、八海区制というような大海区制をもつて沿岸漁業制度の確立をしなければならないというところまで参つておるのであります。かような点で私どもは、その法の精神に基いて、この問題に対してもいろいろと論議したものであります。しかしただいま議論になつておまりする、かような越佐海峡の問題に対しては、私どもがさような観点であり、また戦争中、戦後における日本の食糧問題によりまして、日本漁民はいまや飽和状態になつておることは事実の通りであります。いかなる漁場に行きましても、この飽和状態になつておるがために紛争の絶え間がないのであります。たとえば紀伊水道のごとき、また瀬戸内海のごとき、または有明海のごとき、裏日本海のごとき、またここの新潟県の問題もあり、秋田県にもあり、三陸にもあり、北海道にもあり、全国がかような紛争のちまたになつておるのは、戦争中及び戦後における日本の食糧を確保しなければならないということで、やむを得ざる措置として政府及び県がどんどんと漁業を許したからなのであります。これがために小型の機船底びきは三万五千そうになり、以東底びきは、戦前は千そうであつたものが二千そう以上になつておる現状であるのであります。かようなことでは漁民の相剋摩擦はいつまでたつても絶えないということで、あらゆる努力をいたしまして、小型機船底びきの整理をすることにまず手をつけたのでありまして、わずかの予算を得まして、この整理転換に今年からかかることになつたのであります。また将以東底びきに対しても、将来必ずやその手が打たれることでありましよう。でありますが、現在日本国民の行つておる漁業に対して、ただちにこれは停止するとか整理するとかいうことは、お互いとしてでき得ないことであります。ゆえにそこに緩衝地帯を設けて、あらゆる面に対する協定を行つて、民主的な漁業方針に移つて行かなければならないという考え方をわれわれは持つておるのであります。さような点から行きまして、補償問題ということも、現行法において機船底網漁業取締規則というものがある以上、しかも今これを廃止することができ得ない状態にあるがゆえに、民主的な方法によつてお互いが協議しよう、それ以外にとるべき道はない、われわれが十月十六日の委員会が済んだ直後において、沿岸漁民実情、涙の出るような叫びを聞いて、こういうことになつた。たとえばただいま私が申し上げるように、一方磯船底びきが自分らの生活を擁護し、営業を続けるために越境してここの中へ入つて来る、一方沿岸漁民のあの苦しいお話をこのままに見のがしするようなことであつてはいけない、かような点からわれわれが協議を開きまして、この程度ならば沿岸漁民に対してもいいじやないか、また一方において営業が立つて行かないと叫ぶ者もあるのであろうが、この程度の犠牲はやむを得ないじやないか、これは民主的な協定という線に進むべき問題ではなかろうかという考え方をもつて、今日の実態になつたものであります。しかしてまた新しく、こうした沿岸漁民の非常なる反対機船底びき業者陳情というようなことが、今日繰返されておるのであります。ゆえにわれわれ、この委員会において沿岸漁民の実態をよく聞き、また底びき業者の実態をよく聞き、そうしてお互い議員は、民主的な漁業法を守り、日本漁民を育成して行かなければならないという観点から善処することを考えて行かなければならないのではなかろうかと考えるのであります。  どうか委員長においてしかるべくおとりなしを願つて両者意見を聴取されんことを希望するものであります。
  25. 鈴木善幸

    鈴木委員長代理 この際委員各位にお諮りいたします。この問題は非常に重大であり、かつ関係者にとりましても、深刻な問題でございます。本日も陳情にお見えになりました関係者各位が多数傍聴されております。この際委員会として、沿岸漁業者の関係、底びき漁業者関係、それぞれ各一名の代表者の方から、この問題に対する業者各位の陳情を詳細承りたいと存じますが御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  26. 川島金次

    川島委員 議事進行について一言申し上げます。委員長の言われた通り、この問題は政府水産政策の根本的な問題にもつながり、また当該地区の零細な漁民の人たちにとつても死活の問題であります。しかも私の先ほど来のお尋ねに対しまして、山本水産庁次長も、最後的には何か含みのある御答弁をされておるのであります。その含みのある答弁をわれわれはきわめて重大に承つておるのでありますが、この機会に、このような重大な事柄については、委員長から農林大臣の出席を求めて、農林大臣にもこの席におつてもらつて、当面の両業者の代表者からの陳述も、ひとつ熱心に具体的に聞いてもらう必要があるのではないかと私は思うのであります。そこで議事進行上、委員長はただちに本委員会に対する農林大臣の出席を要求するようにとりはからつてもらいたい。同時にあわせて農林大臣の出席の後において、われわれは業者からの陳情を聞いたあとで、必要とあれば農林大臣に、さらにもつと大きな立場から大臣の意見をも尋ねておきたいと思いますので、そのようにとりはからつてもらいたいということをお願いいたします。
  27. 鈴木善幸

    鈴木委員長代理 川島委員にお答えいたします。農林大臣の出席をお願いしてございましたが、先ほどまでの連絡では、ほかに重要な問題がございまして出席ができかねる、但しその問題が済み次第委員会の方に連絡をとるというお話でありましたが、重ねて委員長の方から御都合を伺うことにいたします。  それでは業者の代表の方、底びき関係の方から一名、沿岸漁業関係から一名、一名だけにいたしまする一から、できるだけ意を尽せるように十分御発言を願います。  その間速記をとめます。     〔速記中止〕
  28. 鈴木善幸

    鈴木委員長代理 速記を始めてください。先ほど川島議員より大臣の御出席を御要求されましたが、さつそく委員部をして連絡いたさせました。大臣はよんどころない要件で、どうしても本日は出席がいたしかねるとのことでありますので、また後日委員会を開きまして、大臣の出席を求めたいと思います。
  29. 小松勇次

    小松委員 私は本問題が今日の委員会にかような結果になつて取上げられたことを実に意外とするものであります。この問題に対する陳情は、かつて委員会において承つたこともありまするけれども、われわれはかような結論を出すことが妥当であろうというお話を申し上げたことはないと私は考えておるのであります。さような意味において、私は意外に思つておるのであります。本日はあたかも利害相対立する方々が多数ここにお見えになります。この場合において、われわれがいろいろここで意見を申し上げることは、さらに紛糾を重ねるような感じがいたしますから差控えまして、私は水産庁に一、二だけお尋ねしておきたいと思うのであります。  去る国会におきまして、御承知のごとく漁業法の一部を改正いたし、あるいは資源法を制定いたしましたことも、要するに最大の生産を維持するために、漁業資源を保護する、培養するということが大きな目的であつたのであります。従つて小型底びき船あるいは中型船、大型船等も、資源量と見合つてこれを整備することになつておるのであります。そういう直後におきまして、一部分ではありまするけれども、かような措置が越佐海僻においてとられたことは、資源法並びに漁業法制定の精神と相矛盾するように私は考えるのであります。こういう点について、水産庁は一部解除せられたその地域については、十分に資源量を調査されて、特別措置であつたとしても、これを解除することが妥当であるとしてかような取扱いをしたのであるかどうか、また解除したその地域に対する操業船舶の制限をどういうぐあいにしたか、トン数の制限はどうであるか馬力の制限をしてあるのかどうか、資源量と見合つた水産庁の調査の基礎を承りたい。  いま一つは、かように長い問いろいろ紛糾しておつた問題は、あくまでも天くだりの調停でなくして、双方の漁業者にできるだけ納得をせしめて円満なる解決をすることが、漁業制度改革の根本の精神でなかろうかと私は信ずる。かような意味よりいたしまして、紛糾しておる問題であればあるほどかような措置をとるべきものを、とらずして、さらに一層紛糾せしめる事態を生じたことは、水産庁としては大なる責任を感じなければならぬと思う。これらに対しまして、かような解除した地域において漁業秩序の維持ができる自信がおありになつておるかどうか。かつまた補償問題に対しましても、かような特別の措置をとるに至つた場合においては、従の問題ではなくして、特別措置をとると同時に、かような補償問題は並行すべき問題である。補償の問題の話が円満に了解ができて、しかる後にかような告示を出すことがきわめて妥当なる措置であつたと私は思うにかかわらず、そういうことをなさずして、われわれから言せれば、紛糾している際に緊急にかような措置をとつた理由はどこにあつたか、このことを承りたい。  さらにまた承れば、拿捕船があつた、不法拿捕されたとおつしやる。また一面においては、違反船はなかつた、不法拿捕であつたという。一方においては違反船があつたとはつきりここで申された。われわれは両者意見を承つて、いずれが正しいかという判断に苦しむのであります。この一事をもつてしても、あらゆる問題に対してお互いのおつしやることが、われわれには判断に苦しむ。だからこういう拿捕船の問題、違反船の問題についても、その真相をはつきりと水産庁はお調べになつて、本委員会にこれを報告してもらいたい、これを要求しておきます。  さらにまたかような紛糾の問題に対し、長い間この委員会でどうこうと論議をすることは、一層紛糾を生じてはいけません、誤解を招いてもいけませんから、われわれ委員会は別の機会において、この問題の善後措置を講ずるように私は重ねて委員長にお願いをしておく。
  30. 山本豊

    山本説明員 ただいま小松委員からのお尋ねでありますが、この資源の保護をやり、あるいは漁船の整備をする段階において、こういうことはけしからぬじやないかというお尋ねだつたと思うのであります。われわれも資源の保護は、狭陰な漁場関係もございますので、現在いろいろと皆様のお世話になりまして、法律もつくり、いろいろやつているわけであります。それからまた小型その他の整備の問題は予算も伴いますので一挙には参りませんが、今後数箇年の間に漸次目標の域に近づけたいというわけで努力をしているわけであります。しかし、そういう方向にありますがゆえに、よけい当面あつちこつちで問題を起す場合が多いのでありまして、これらの問題をごく短期に暫定的に一応、これは最善の策ではないのでありますけれども、腰だめ的にある程度の安定感を持たしておいて、しかる後最終の先ほど申しましたような方向に持つて参りたい。それも根本の目標は、ねらつておりまするそういうものが最終的に円満に運びますための一つの方便として、いろいろ考えて参つたのであります。しかしこれは場所によりましていろいろ事情もあり、またその判断につきまして、あるいはまた慎重な態度で臨まなければならぬ点も少くなかつたろうと思うのでありますが、従いましてこの漁場につきましても入れ方の問題もあるのであります。全部を撤廃したという意味ではないのでありまして、一応禁止区域は残して、冬季沿岸に最も影響のない、さけと、きすとをとる、これは技術的に困難かとは思いますが、そういうふうに極力沿岸に支障のないような方法考えまして、両方調整をはかつて行こう、こういうつもりでかかつているのであります。従いまして一応の資料が——これは見方によれば必ずしも的確でないかもしれませんが、たとえば在来の古くとれました魚種、底びきではどうだ、沿岸にはどうという魚種がどれくらいとれているかということも一応は調べてあるのであります。しかしながらこれが決して資源をふやすという意味のためにはならないことはわれわれも認めているのであります。しかし将来の資源をいろいろあれする場合に、現在非常に局地的にせり合つております事情もございますので、腰だめ的に便法を考えざるを得ない、こういうような事情もあつたわけであります。  それからもう一点、先ほどお等ねのありました違反船の問題でありますが、この問題は実は違反船であるかどうか。これはこういうときでございますので、慎重によく実態を調べた上でないと申し上げにくいと思うのであります。先ほど課長から率直に何か申し上げまして、かえつて誤解を招くかと思いますので、私からそれは訂正しておきます。しかし保安庁からの一応の連絡だという程度でございまして、実情もその調書の内容もはつきり見ていないのであります。これは調べた上で御報告申し上げたい、かように思います。
  31. 川島金次

    川島委員 重ねてお尋ねするようで恐縮なんですが、今われわれは両者立場に立つた詳細な意見を聴取した。このまつたく相反した対立的な立場で、それを無視しながらなおかつ政府がこれを強行するということになりますと、これは私の思い過しであるならばけつこうでありますが、いついかなるときにおいて不測の事態を生ずるやも知れないというような、憂うべき感じを私は身につけたのです。そこで最後に重ねてお尋ねしておくのですが、この両者のまつたく対立した関係を、できるだけ政府努力を払いまして、この両者間の対立関係が何らかの形で打開するという点に入るまでは、この要網の実施を現在のように保留しておくということも私は一方の方法であろうと思う。何も政府がきめたこと、発表したことだからといつて、民情のいかんにかかわらず、事態のいかんにかかわらず、これを強行しなければならぬというものでは政治はございません。主食統制撤廃のごとき重大な問題でも、総理大臣が言明した事柄ですらも、内外の事情によれば、声明を発してこれを一時中止するというような事柄さえもつい最近では行われたことである。政府の面目だけにとらわれて、事態を不測なところに持つて行くということは、なお一層政治のために私は慎まなければならぬ事柄であろうと思いますので、そういう配慮のもとに、一層慎重な検討を特に私は煩わしてもらいたいということを強くこの際希望しておきたい。それに対して、簡単でよろしいから、もう一度お話を願いたいと思います。
  32. 山本豊

    山本説明員 大体そういう御意見の点は十分考慮したいと思つております。
  33. 鈴木善幸

    鈴木委員長代理 本委員会は、この問題の重要性にかんがみまして、本日も沿岸漁業者の代表の方、底びきの関係の方からつぶさに御陳情の趣旨を承りました。この休会中に委員各位が御参集を願いまして真剣に本問題を審議いたしておりますことは、関係者各位の立場に十分御同情と理解を持つている結果であります。本日はただ農林大臣はやむを得ない事情で御出席がなく、委員各位も多数帰郷いたしており、この問題の重大性にかんがみまして、これらの委員各位にもできるだけすみやかなる機会に御相談を申し上げまして、そうして政府に協力して漁業者各位の御納得の行くように、みなさまの御陳情の趣旨を十分行政の上に反映せしむるよう当委員会としても善処をいたしたいと考えております。  本日はこの程度で散会いたします。     午後四時九分散会