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1951-11-21 第12回国会 衆議院 水産委員会 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十一月二十一日(水曜日)     午前十時四十七分開議  出席委員    委員長 冨永格五郎君    理事 鈴木 善幸君 理事 二階堂 進君    理事 松田 鐵藏君 理事 林  好次君    理事 田中織之進君       小高 熹郎君    川村善八郎君       久野 忠治君    五島 秀次君       田口長治郎君    小松 勇次君       水野彦治郎君  出席政府委員         農林事務官         (水産庁次長) 山本  豐君  委員外出席者         農林事務官         (水産庁漁政部         長)     松任谷健太郎君         農林事務官         (水産庁漁政部         経済課長)   奥田  孝君         農 林 技 官         (水産庁生産部         漁港課長)   林  真治君         専  門  員 徳久 三種君     ————————————— 十一月二十日  漁港法の一部を改正する法律案冨永格五郎君  外十九名提出衆法第五号)  水産資源保護法案石原圓吉君外十四名提出、  衆法第六号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  小委員補欠選任に関する件  参考人招致に関する件  漁港法の一部を改正する法律案冨永格五郎君  外十九名提出衆法第五号)  水産資源保護法案石原圓吉君外十四名提出、  衆法第六号)  水産金融に関する件     —————————————
  2. 冨永格五郎

    冨永委員長 これより水産委員会を開きます。  この際お諮りいたします。去る十五日二階堂進君及び十九日木村榮君が委員を辞任されましたので、漁業協定に関する小委員及び請願及び陳情書審査小委員がそれぞれ一名ずつ欠員になつております。この際その補欠選任を行いたいと思います。これは先例により委員長において指名いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 冨永格五郎

    冨永委員長 御異議なしと認め、漁業協定に関する小委員には、再び二階堂進君が委員に選任されましたので同君を、また請願及び陳情書審査小委員には横田甚太郎君をそれぞれ御指名申し上げます。     —————————————
  4. 冨永格五郎

    冨永委員長 次に水産資源保護法案議題とし審査を進めます。まず提出者より提案理由の御説明を願います。鈴木善幸君。     —————————————
  5. 鈴木善幸

    鈴木(善)委員 水産資源保護法案につきまして、提案の趣旨並びに今日までの立案の経過について御報告を申し上げたいと思います。  本法案水産資源に関する小委員長である石原委員中心になりまして、今日まで小委員会並びに民間資源問題に関するところの学識経験者を広く網羅したところの研究機関に諮りまして、慎重に審議いたして参つたのであります。そこで石原委員長より本来であれば御説明を申し上げるのでありますが、あいにく陛下が関西に御旅行中であり、石原委員がその御案内のために帰郷いたしましたので、私がかわつて説明申し上げる次第であります。  水産資源保護法は、お手元に配付しております目次でごらんになりまする通り水産資源保護培養がまず中心であります。すなわち水産動植物の採捕がその海区の資源の現状から見まして極限に達している。あるいはこのままの漁獲を続けて行きますと、その資源が将来枯渇するおそれのありますのに対しまして、適正なる採捕の制限をはかろうという措置を講じようとするものでありまして、そのために一定の水域を限りまして、保護水面を設定し、水産動植物繁殖保護を確保しようとするものであります。またさけ、ます等の遡河魚類につきましては、汚水問題、あるいは電源開発に伴うところのダムの問題、その他いろいろ従来遡河魚族保護培養上支障になります問題が、他の産業等の面から出て参つてつたのでありますが、これらを水産資源保護観点から調整いたしまして、魚類繁殖保護をはかろう、こういうことを法文化しているのであります。それから水産動植物繁殖保護のためには、積極的に種苗の確保が必要でございますので、それに対する対策をも含めてあるわけであります。さらに、水産資源保護培養と並びまして、その根底をなしますものは、昨日も当委員会において論議の焦点になりましたところの水産資源調査を積極的に行うことでございますので、法制的に資源調査の確立をはかりたい、こういうことであります。次に水産資源保護培養をはかつて参りますためには、国家としての所要補助助成を要しますので、その点を法文化した次第であります。そこでこの資源保護法を審議するにあたりまして、大きな問題は漁業法との関連であります。漁業法において従来漁業の調整、漁業権の免許、許可という問題のほかに、随所に資源保護に関する規定があつたわけでありますが、水産資源保護に関する法令は、一つの総合的な法律にまとめた方が適当であるという観点から、漁業法の中における資源保護に関する条項をも、この資源保護法の方に取入れまして、漁業法に対して所要改正を加えることにいたしたのであります。また、資源枯渇防止法も、水産資源保護一つ対策として立案されたものであります。そういう観点から、資源枯渇防止法の中の重要な部分を、この法案の中に取入れることにいたしておるのであります。私ども漁業法とこの水産資源保護法、この二つの法律わが国の今後の水産業発展の二大支柱になり、水産の憲法として、今後のわが国漁業の進展の上に大いに役立つものと確信いたしておるのであります。何とぞ委員各位の御賛成をいただきまして、本法案がすみやかに成立いたしますことをお願いする次第であります。     —————————————
  6. 冨永格五郎

    冨永委員長 次に漁港法の一部を改正する法律案議題とし審査を進めます。まず提出者より提案理由説明を願います。川村善八郎君。     —————————————
  7. 川村善八郎

    ○川村委員 漁港法の一部を改正する法律案提案理由を御説明申し上げます。  漁港法の施行によつてわが国漁業上の重要施策である漁港修築維持管理等に関する制度が確立され、法律規定されている漁港指定漁港整備計画等も順次進捗を見、本法の運用も軌道に乗つて来たのでありますが、漁港管理者指定漁港管理委員のうち漁業者代表選任方法等については、手続が煩雑であり、しかも相当多額の経費を必要とするので、本来の性格を失わない範囲内において、簡素な方法に改めることを妥当と認めるのであります。また北海道漁業発展をはかるため、北海道における漁港施設をすみやかに整備し、道内船道外船等にこれら漁港を高度に利用せしめなければならない必要上、地方財政特異性を考慮し、その修築に要する費用に関する国の負担、または補助の割合を引上げるとともに、本土における第四種漁港に対する国の負担率に不分明な点がありましたので、これを明確化し、さらに国の負担金または補助金に関する会計手続規定を設ける必要があります。  これがこの改正案提出する理由であります。
  8. 冨永格五郎

    冨永委員長 ただいま両案につきまして提出者より提案理由説明を聴取いたしましたが、これより両案を一括議題とし、質疑をお許しいたします。  ちよつと速記をとめてくだざい。     〔速記中止
  9. 冨永格五郎

    冨永委員長 それでは速記を始めてください。  別に質疑の御要求もないようでございますから、両案に対する質疑は省略し、両案に対する討論採決は、各派の態度を御決定願うため一度党にお持帰り願いまして、午後一時より討論採決を行いたいと思います。     —————————————
  10. 冨永格五郎

    冨永委員長 次に水産金融に関する件を議題とし、質疑を許します。小高委員
  11. 小高熹郎

    小高委員 水産金融の問題について、水産庁当局お尋ねをいたしたいのであります。     〔委員長退席松田委員長代理着席〕 ただいま私ども水産金融でいかに悩んでおるかということは、すでに論をまたないのでありますが、なかんずく昨年は、漁業演習による災害補償といたしまして一億二千四百万円の金額が国庫から支出されたのであります。その当時も議論になりました九十九里を中心とする災害補償の額でございますが、災害補償を出してもらつた、涙金的のものをもらつたと言つて漁業者はそれで満足しておるのではございません。これを契機として、一つ転業対策をして行かなければならないのじやなかろうかというところから、当然の結果として金融必要性に迫られ、そこで大蔵省主計局長とも、この点については昨年来その話を進めておるのでありまするが、一向にらちが明かないのであります。そこで漁業災害補償金と並行して、新たなる特融とでも言うべき転業資金金融措置を三十億くらい講じたらどうかということを主張しておりますが、それに対する水産庁のお考えはいかようになつておるかということが一点と、  いま一点お尋ねしたいのは、最近合成繊維によるアミランとかビニロンとかいう漁網が、これまた操業度を高める意味におきまして、あるいは合成繊維を使うことによつて網ぼしとか休漁日が非常に少くなる、あるいはまた網の水切れがよいので労力を省くことができる、従つて食糧等もこれに関連して減量できる、人数が減るから従つてそういう消費面においても関連的に経済がとれる、そういうことから合成繊維要求度が非常に高まつて来たのでありまするが、何分にも現在の不況においては、この合成繊維を利用して合理的に漁獲を得ようとしても金がない。そこでこの合成繊維に対する補助金政府はどの程度考えておられるか。またそれに関連して、補助金のみでなく、——補助金はそう巨額なものが出せないという見通しを私どもも持つておるのでありますが、特別な金融措置をどの程度に努力しておられまするか。これはかねがねの懸案でもありますので、一応お尋ねいたしたいのであります。
  12. 山本豐

    山本(豐)政府委員 最初のお尋ねの、いわゆる演習等によりまして生業を奪われましたものに対する転業資金考えておるかというお話でありますが、この特に九十九里浜等演習によりまする損害補償は、ただいまお話にありましたように、全国を通じまして一億二千万円程度のものになつております。しかしこれは、各漁民にとりましてはきわめて涙金程度のものにしかすぎないのでありまして、根本的には、そういう漁民がどういうふうに主業にありつくように今後指導するか、こういう問題が非常に大切なことになると思うのであります。これらに対する一つ転業資金というお話でありまするが、一概に転業資金と申しましても、これは金融ルートという面から言いますると、なかなか乗りにくいと思うのであります。そこでやはり具体的に、たとえばそういう漁民が何人か寄りまして、将来マ・ライン等撤廃になりまして、かつお、まぐろにでも出るというためのひとつ仕込み資金といいますか、船を仕立てる資金でありますとか、あるいは網を購入する資金でありますとか、具体化した場合における、いわゆるひとつ生産面資金というふうな計画を持つて参りますれば、これは金融ルートにも乗りまするし、また具体化いたしますれば、われわれといたしましても、できるだけそういうものは取上げて参りたいと考えておるのでありますが、現存のところ漠然とした、ただ転業資金というふうなものについては、実は具体的な案を持つていないわけであります。しかし各地方々々によりまして、ただいま申しましたように、所によりまして、たとえば浅海増殖に転換するとかいうような事例考え得ると思うのでありますが、そういう具体的事例が出ました場合には、これをできるだけ生産面に向きまするひとつ資金というふうに取上げまして、措置するような方法は講じて参りたいと考えておるわけであります。  それから第二点の合成繊維の問題でありますが、これは御承知のように先般綿漁網の統制が撤廃になりまして——その撤廃以前におきましても非常に漁獲とのつり合いが均衡を失しまして、漁民はますますコスト高に追われまして、非常に生活が苦しくなつているということは御承知通りであります。何らか資材面において積極的なひとつ助成策考えなければならぬと考えまして、昨年来合成繊維普及宣伝でありますとか、あるいはまた、会社を通じてでありますが、試験であるとかいうようなことをある程度つて参つておるわけであります。水産研究会等におきましても、若干のそういう試験をやつて参つたのであります。その結果は、アミラン等につきましては大体価格相当な需給力もあり、またよい品であるということがわかつて参つておるのであります。もつとも一口に合成繊維と申しましても、ビニロンであるとかあるいはその他の繊維もあるのでありますが、これらについてはまだアミランほど研究段階が進んでおらないのであります。しかしいずれにしましても、こういうふうな非常に堅牢な網を持つということは、これはひとつ保険対象にも相なり得るのであります。現に長崎地方ではアミランの網につきましては、——この網はいかなる網でもいいそうであります。名前を忘れましたが、ある民間保険会社がこれを保険にとつておるようであります。一種の損害保険であります。千円につきまして七円くらいの保険料で、保険料としてはかなり高いのでありますが、そういう恩典といいますか、便宜も受け得るのでありますから、ぜひ代用繊維というものの普及徹底ということは政府としても大いに考えたい、かように考えておるわけであります。一口にも申されませんけれども、現在編網原料になります綿糸、これは海外に仰いでおるのでありますが、この外貨の計算が幾らになりまするか、はつきりしたことは申されませんが、おそらく百億以上になるのではないかと思うのであります。これだけの金にかわるべきアミラン等が国内にできるとなりますと、これらに対するいわゆる助成とかあるいは融資とかという問題は、国内的に見れば大した犠牲ではなくしてそれだけの効果は上り得るのではないか、そういう意味から言いましても、何らかこれらの対策を講ずることが私は非常に大切であると思うのであります。  そこでお尋ね融資の件でありますが、二十六年度におきましては御承知のように特別融資関係の金も非常にきゆうくつでございました。二十七年度計画といたしましては、私たちはただいま、漁港その他を全部含めてでありますが、大体事業費において二百億、そのうち補助金負担金がございますので、融資額だけ考えますと六十二億程度特融わくから出してもらいたい、これはもちろん現在のところ冷蔵庫等も含んでおるのでありますが、そういう要求を現在官房の方に取次いでおるのであります。その中にはいわゆるアミラン等購入資金といいますか、これらもひとつの相当堅牢な固定施設というふうに見まして、特にこれは個人の場合には困難でありますが共同経営——組合が自営する場合に限つて融資をする道を開いてもらいたいということで、一応十億程度のものを見込んでおるわけであります。これは官房としましても、わく関係もありましてなかなか簡単には結論は出ないかもしれませんが、水産庁としてはこういう問題も大きく取上げまして、大体二十七年度の計画に十億こういう面の融資をお願いいたしたいと申し入れると同時に、いろいろ希望関係とか、全国的にどのくらいの生産量があるか、いわゆる生産面需要者の面と両方の関係をただいま調査しておるわけであります。先般、今月に入つてからではございましたが、各府県知事あてにもこの合成繊維転換資金の、——これはまだ確約を得たわけではありませんが、一応そういう仮定のもとに融資をするとすれば、どれくらい必要であろうかというような照会をいたしております。これらが集まりますと、大体はつきりした計画が立とうと思うのであります。一応今漠然と十億程度を見込んでおりますけれども、それらの照会の返事が参りましたならば、これらを集計いたしまして、さらに練り直してひとつつよく要求をしたい、かように考えております。
  13. 小高熹郎

    小高委員 ただいま私の前段の質問に対しては、具体的の方途が樹立できるならばそれにこたえようという明解なる答弁がありまして、その点は了とするものでありますが、後段の質問中のアミラン及びビニロン等合成繊維補助金というか、あるいは奨励金というか、これらのものに対して今後予算に取組むべきことが妥当であるということをわれわれは考えておるのでありますが、その数字と成行きをお聞かせ願いたいのであります。
  14. 山本豐

    山本(豐)政府委員 お答えを忘れまして失礼いたしました。その補助の問題も、実はこの臨時国会補正予算の際にも、水産庁としてはいろいろ検討したのであります。しかし補正予算でございますので、いろいろな事情のもとにこれは取上げられなかつたのでございます。二十七年度におきまして、いわゆる試験研究という意味で、これは広く組合というわけにはちよつと参らぬかと思うのでありますが、現物を重要な地点また重要な漁法につきまして試験研究をするという意味で、政府が買い上げるような形にしまして、そうしておそらく試験場等になるかと思うのでありますが、そういうところに試験研究をさせる。そういう意味のいわゆる補助金を今考えております。初めはこれは仮定において、いろいろこうでもないああでもないと議論したのであります。たとえば協同組合が買う場合に、いわゆる綿糸綱との差額の何ぼかの補助、こういうことも検討いたしたり、あるいはまた単に融資だけでなく、融資利子補給考えてみたらどうかと、あれこれいろいろやつてみたのですが、どうも省内でもなかなかむずかしいのでありまして、現在のところ一応省内考えが大体まとまりそうな点は、先ほど申しましたような試験研究機関を通じて、さらに実地の研究を進めて行く、そのための原料を手配し補助する、その線は大体省内には異論がないのであります。しかし大蔵省方面でこれをどう受けますか、これは将来のことであります。
  15. 小高熹郎

    小高委員 ただいまのお答えによりますると、約十億程度特別融資を二十七年度予算に織り込むべく努力中であるというふうに了解するのでありますが、私は全国漁業者合成繊維に切りかえるということになりますと、十億や二十億の金ではなく、少くとも第一回において三十億程度のものがいるのではなかろうかという見通しをつけておるのであります。そこで農林漁業特別融資性格から行きまして、これから冷蔵庫資金とかあるいは農業関係の林道であるとか、製塩であるとか、いろいろなことを考察いたしますと、実際問題としては、そう多くを希望しても得られないのじやなかろうかということを考えます際に、この預金部資金の活用ということを水産庁はお考えになつておるかどうか、農林中金保証によるところの預金部資金融資水産関係にせしめる数字が画然としておればこれはでき得る、むしろこの方がよろしくはないか、それに対して利子等補助をするとか、めんどうを見るとかいうようなことになればまことにけつこうでありますが、合成繊維綿漁網と違いまして、外国に金を払わないで国内産の原料でこれができるという方面に、政府は特段と力を注いでも、あるいは資金補助を出そうとも、また金融をしようとも、これはさしつかえないではないかという議論が一応立つのではなかろうかと考えておりますので、その預金部資金農林中金保証等を活用して、もつとたくましくこれらの合成繊維資材を購入するところの方途を講ずる意思があるかないか、その点をお尋ねしたいのであります。
  16. 山本豐

    山本(豐)政府委員 お尋ねの点でありますが、現在の特別融資というものは一つの特別の法律によります融資であります。形は非常にきゆうくつなものでありますが、要するに農林水産関係預金部資金あるいは一般会計、こういうものが財源になつておるわけであります。御承知のように初年度では六十億のうちたしか四十億か何ぼかを一般会計残り預金部資金というような財源になつております。さらに補正予算の場合にそれに六十億——当初の要求では、百億くらい要求したのでありますが、その百億の内訳は、やはり一般会計が約半分くらいで残り預金部資金に仰ぐ、これはコスト関係がありますので、そういう要求をしたのでありますが、一般会計はだめで、結局預金部関係から六十億追加をしよう、これが現在の状況でありますが、今大蔵省といたしましては、預金部資金の放出は、そういう農林関係につきましては、せつかくあります特別融資のこの法律の中に盛り込んで、ばらばらにいろいろ持つて行かない方が明瞭になつてよかろうというふうな考えも相当あるのであります。従いましてわれわれといたしましては、まず第一段に考えることはこの特別融資を活用する、しかし第二段といたしましては、今小高委員の申されましたような方法も絶無ではなかろうと思うのであります。また交渉次第によつては可能であろうとは思うのでありますが、要するに預金部資金から幾らほどそういう方面に出せるかの問題にかかつておりますので、一方特融で相当に預金部資金を出しておる関係もありますので、別途に交渉してもなかなか預金部自体として金を出せる余地は少かろうというふうに思われるのであります。しかし方法としてはお考えのような方法も成り立つと思うのであります。特にアミラン等の網については、先ほども申しましたような保険対象にもなり得るというようなことになりますと、特にそういうむずかしい法律による融資のみによらなくとも、やや長期にわたりますが、中金の普通融資の道もあり得ると思うのであります。問題はその際における預金部の金を特にひもつきで金庫にどのくらい出してくれるかという問題にかかつておると思います。こういう点は今後もひとつ研究してみたいと思います。
  17. 小高熹郎

    小高委員 預金部資金から充足するという点もよくわかるのであります。預金部資金農林中金保証によるような措置をとらない限り相当大幅には解決しにくいというので、この点特に考慮のうちに入れておいていただきたい。  それから先ほど御答弁がございました約十億を二十七年度予算希望しておるというのでありますが、これは大体とれるという見込みのもとにわれわれは行動をとつてよろしいかどうか、その見通し経過をお聞かせ願います。
  18. 山本豐

    山本(豐)政府委員 この点ははつきりしたことはまだ申し上げる段階ではないと思うのでありますが、水産施設金融の面については、どうしても特融のもつと大わくなものをぜひお願いしたいと思うことは、長年皆さんと同様の希望を持つているわけであります。その皮切りが冷凍設備始つたのでありますが、これも今年度と来年度くらいで、大体目的のある程度を達し得ると思うのであります。これは年々続いて出て参るものではございませんので、それらの関係で少しずつでも余裕ができてくれば、将来の問題としてはアミランあたりとずらして交換的に持つて行ける、またそういう余地もひつかかりもできて来ると確信しているのであります。何といつても全体のわくの問題もございますので、いろいろ議論にもなろうと思いますが、幸いにして大蔵委員会等におきましても課税の問題、漁業権証券課税の六%がだめになりましたので、その振りかえ対策として、大蔵大臣証券の買上げは十億を約束せられております。そのほかに特融関係わくに十億だけひもつき考えてくれる。われわれ今申しましたような計画の中に入つている以外に考えてくれということを、強く大蔵委員会に参議院の水産委員会の方から申出があるわけであります。大蔵大臣としても非常に大事をとつて考え中のようであります。金額はきまりませんけれども、そういうようなことが出て参りますと、たとえば十億を冷蔵庫の方に持つて行くことになれば、予定の計画わくの中にまた余地も出て来るのではなかろうかという気持で、われわれとしては強く押して参りたいと考えております。
  19. 小高熹郎

    小高委員 今の山本次長答弁ははなはだ巧妙であつて、あとで速記録を見ましても、希望として努力しているようにしか聞えないのでありますが、かようなことであつては断じてならない。ことに綿漁網の統制が撤廃された今日において、水産庁はどこを中心として動くかというと、合成繊維等について補助金とかあるいは金融方途を講ずる、これが最大の責務でなければならないと考えているのであります。そういう意味合いにおきまして、十億を特融からとれない場合には必ず農林中金保証でも出させる熱意をもつてしてもらわなければ、漁民水産庁に対する期待が非常に薄らがざるを得ないことになりますので、この方面については、いずれ今会期中の最終ごろもう一回質問をいたしますから、それまでどうか関係方面と十分連絡折衝を持たれまして、私の希望に対して答えの出るような措置をとられんことを強く要望いたして質問を打切つておきます。
  20. 松田鐵藏

    松田委員長代理 この程度で休憩いたします。午後一時から再開をいたします。     午前十一時三十九分休憩      ————◇—————     午後一時四十六分開議
  21. 冨永格五郎

    冨永委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  水産資源保護法案議題といたします。これより討論に入るのでありますが、本案につきましては別に討論の通告もございませんので、討論を省略し、ただちに採決いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  22. 冨永格五郎

    冨永委員長 御異議なしと認め、これより水産資源保護法案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の御起立を願います。     〔総員起立〕
  23. 冨永格五郎

    冨永委員長 起立総員、よつて本案は満場一致をもつて原案の通り可決いたしました。  なお本案に対する委員会報告書作成につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  24. 冨永格五郎

    冨永委員長 御異議なしと認め、さようとりはからいます。  なお漁港法の一部を改正する法律案に対する討論採決は、都合により次会に延期したいと思いますので御了承願いたいと思います。     —————————————
  25. 冨永格五郎

    冨永委員長 この際参考人招致の件についてお諮りいたします。漁船損害補償制度に関する件につきまして、損害保険料率算定会理事、海上部長八十島満晴君を参考人として明日の委員会に出席を求め、意見を聴取いたしたいと思いますが、これに御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  26. 冨永格五郎

    冨永委員長 御異議なしと認めさよう決定いたします。  本日はこの程度でもつて散会いたします。     午後一時四十八分散会