○川村
委員 漁業権証券の債権者の差押え、あるいは税務署その他税金の滞納に対する処分について、か
つて留萌で国税庁が取上げた問題その他いろいろな問題がありましたので、
水産庁として早く何らかの手を打たなければならぬということを、前
国会から私が要望してお
つたのであります。先般の当
委員会におきまして久宗連絡員の答弁によりますと、一応は手を打
つている。また大蔵省等とも連絡をして、その
措置を講ずべく
努力している。大体見通しは近くはつきりするというような御答弁があ
つて、一応われわれは了承したのでありますけれ
ども、去る十一月十三日の
北海道新聞を見ましたところ、今度は森町、しかも私の出身地から問題が起きたのであります。これを
参考までにちよつと読み上げまして、そうして差押え等の停止の
措置を急がれんことを要望しておきます。「
漁業権差押え、町税滞納処理にあてる」、こういう見出しであります。そうして発信地は森、文面はかようにな
つております。「近く
交付される
漁業権補償証券については債権者はいずれも虎視タンタンこの確保にねらいをつけているが、森町では早いところこれに先手を打
つて漁業権の差押えを強行、町税滞納処理に振当の
手続をとり注目を引いている。町が今回差押え
手続きを完了したものは全部で十六件、対象
漁業権は約三十三件で、滞納総額約百四十五万円、このうちには
漁業会など大口なところをはじめ定置
関係が主とな
つている。差押えになつた
漁業権は
手続きとともに道庁に登録され、補償券
交付の際道から供託局に差押額とこれを差引いてなお残りがあれば本人にかえる分とに区別して供託される仕組みにな
つており、とくに今度差押えられた
漁業権は他の債権者から重複差押えができないといわれ、いまのところさすがの国税庁あたりも手がでない恰好。借金の多いものの中にはかえ
つて町のこの
措置を歓迎するといつた奇現象さえみられている。」こういうふうなことに記事が現われておるのであります。地元であるだけにまことに奇怪千万と言わざるを得ないのであります。私は、ずつと以前に町長に会つたときに、そんな
措置をとるべきでない。
漁業権証券というのは、
漁業制度改革のために
交付するのであるから、町の財政がいかに苦しくても、森町は
漁業で立
つているところであるから、かような
措置をとるべきでないという
勧告をしておいたにもかかわらず、森町でこういう
措置をとつた。末尾の方を見ると、
漁業者が、他から押えられるよりも町に押えられる方を歓迎しておるというようなことを書いておりますが、これは明らかに税務署なり、すなわち国税庁なり他の債権者なり、町なりが競うてとろうとしておる。漁民はどうせとられるのであつたならば、町にやつた方がいいのだというふうに解釈される文面にな
つておるのであります。そこでこれはひとり町ばかりでなしに、この新聞の文面にもある
通り、虎視たんたんとして債権者はとろうとしておる。この手を何らか早く打たなければ、せつかくの
漁業制度改革の裏づけをする
漁業権証券も、出したはいいがほとんど漁民の手にはなく、また
漁業制度の改革もできないという憂いもありますので、私らはずいぶん
水産庁に一日も早くその
措置を講じろという要望をしております。もちろん手は打たないわけではなくや
つておりますけれ
ども、近くその成案も出るでありましようけれ
ども、次長におかれましては、すみやかに部下を督励いたしまして、また大蔵省等に直接交渉に当
つて、最善の
方法をとらなければ、実際に
漁業制度改革ができないということに相なりますので、きようからただちに大蔵省と交渉いたしまして、今週中に解決をつけて本
委員会に
報告するまでに
努力あらんことを要望する次第であります。もし御
意見がありますならば、御
意見を承
つておきたいと思います。