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山本説明員 御質問いろいろあ
つたのでありますが、
台風の
予算につきましては、ただいま御
注意がございましたように、要するに
融資の問題と
漁港の
復旧予算の問題と両方あるのであります。ただいまの
お話によると党として
応急融資の
方針がきまつたようであります。そこでわれわれといたしましては、これに乗り遅れないように早く
資料を固めまして持出して極力十分なるものをとれるように
努力いたしたいと
考えております。
それから次に
お尋ねの四でありますが、詳細は
担当課長から御
報告をいたしますが、
有明海の
関係につきましては、私先般
現地に参りました
関係上、ごく概略だけを私からお答えいたしたいと思います。
この問題は実は
相当長い
経過を経ておるのであります。大体
有明海のようなところは、
関係県がどういうふうにあの海を区分するかということは、非常にむずかしい問題であります。そこで当初から
水産庁といたしましては、
関係県でよく相談をして具体的の
漁場計画を立てるようにというふうに指示はしてお
つたのであります。ところが去る三月になるのでありますが、各県の下打合せがあつた際
福岡、
佐賀等に尋ねてみましたところが、具体的
計画を持
つていないのであります。それでは困るというので、
水産庁といたしましても、至急に具体的
計画を立てるように両県に
注意を喚起いたしたのであります。その後それを根拠といたしまして五月四日以後でありますが、両県におきまして四回ばかり会合を開きましていろいろととりまとめにかかつたわけであります。ところが御
承知のように
県境をまずきめなければならぬどいうようなところに至りまして、雲仙の線にするか、あるいは竹崎の線にするかというようなことが論議の対象になりました。しかしそれをや
つていてもらちが明きませんので、結局両県で一応線はそのままとして、両方のいわゆる
漁場計画を立てようじやないかということで、ある
程度まで話が行つたようであります。ところがこれはやはり
調整委員の一、二の反対にあいまして、結局妥結を見ずしてお流れに
なつてしま
つたのであります。その後四県の連合海区
委員会がこの問題を取上げまして数回会合を開いて参
つたのでありますが、最終的には連合海区
調整委員会の案も採択にならない。こういうことになりまして、その後
福岡県といたしましては非常にあわてまして、
水産庁方面に何とか
解決してくれというような運動がありました。また
佐賀県におきましては、今しばらく待
つてくれ、とにかく何とか話をつけるからというような申出もあ
つたのであります。そういう事情でございますが、一方
漁業権の取扱いの時期はだんだんと迫
つて参りますので、先般
国会でも
お話が出た直後でありましたが、八月の三十日から九月にかけまして、一応係官を
現地に
派遣いたしまして、いろいろ事情を聴取いたしたのであります。それに基きまして、九月の二十八日から十月の五日にかけまして私と係官二名が
現地に参りまして、一両日海面を
視察をいたしました。また
最後には鳥原におきまして、両県の
調整委員の代表を集めましていろいろ、と懇談をいたしたのであります。その懇談の経緯を大体ここに御
報告いたしたいと思うのでありますが、大体あの海区は、現在いわゆる境界線が一つありまして、その両側適当な距離を置きましての線がございまして、この両方の線は無償で入会
つているわけであります。その無償の入会いの外は、やはり入会
つておるのでありますが、これは有料に
なつております。そういう事情で、実際問題といたしましては、線を
中心に両方が入会
つておるのであります。ただ問題は、
漁場の価値を申しますると、どちらかと言いますと、
佐賀県側の方が
漁場としてはいいのであります。そこで問題がいろいろあるのでありますが、われわれの調停といいまするか、話合いをいたしました大体の
考え方は、とにかく
県境に両方の県が非常に神経をとがらしていましてなかなか両方を集めるということすら困難のような事情でありますので、県の境の問題はお預けいたしましてとにかく困るのは
漁民であります。従
つて新
漁業法の精神を織り込んだ意味の
漁場の
計画が具体的に立ちさえすれば、
漁民といたしましては、その権利の認定さえもらえれば、
佐賀県の
知事が認可しようが、あるいはまた
福岡県の
知事がやりましようが、あるいはまた両県で話がつかなくて、農禁大臣がこれを認可いたしましようが、要するに
漁民は自分の思うような働き場所さえ得られればいいわけであります。そういう意味で話を元に返すというような意味合いでいろいろ相談をいたしたのであります。そこで大体その話合いをした
漁業計画を立てる一つの
方針といいまするか、そういうものを数箇条こしらえまして両方の
委員をかわるがわる呼んでは
意見を聞いて調停に努めたのであります。その一つは、共同
漁業権は対等に相互入漁する、こういうことが一つであります。ですからこれは現在の無償入漁の区域のいかんを問わず、広く両方で入会いを認めて行く、こういう
考えであります。その次には区画
漁業権でありますが、この内容はいろいろ複雑でありまするけれども、一応高度の増殖行為を行うものだけに限りまして、たとえばあさりの稚貝を一回ぐらいまいたとか、あるいは単に
ちよつとした手入れをしたとかいうようなものは、区画
漁業としては認めない。これはどこまでも共同
漁業として広く開放する。こういうことが一点であります。それから区画
漁業は、従来実際に
漁場を使用していたものが、不当に締め出されておる点があると思います。これは新
漁業法の精神に反するものでありますので、そういうことのないように、ある
程度権利者として—その
実情によ
つてはいろいろありましよう。共同に共有する場合もありましようし、入会う場合もありましようし、あるいはどつちかにウエイトが重い場合には、片方が権利者になるということもあると思いますが、要するに締出しを食わせないような
方針を立てていただきたいということをお願いしたのであります。それから
漁場計画及び免許にあたりましては、いろいろと両県に
紛争が多いのでありますので、両県にまかしただけでなかなか扱いにくいと
考えまして、事前に必ず
農林大臣の承認を受けること、こういうことを一つ注文をつけたのであります。もう一つは、今回は
漁業権を切りかえて設定いたしまするが、その次には原則として今後五年間新規免許は行わない。と申しますのは、従来途中におきまして、
佐賀県あたりですぐ貝が出るような所は、かきを張
つて門戸を杜絶するというようなことも多か
つたのであります。そういう問題がないように、五年間は絶対に新規免許を行わない間にいろいろの事情がありますれば次の切りかえのときによく考慮する、こういうような大体五箇条を、一つの
漁場計画を立てる
方針として両方いろいろと話合いをいたしまして、そうしてまとめてみたのであります。なおこれは今後若干問題が残
つておるのであります。たとえば向うで貝ばかりを売るいわゆる青田売りといとふうな慣習がありまして、これは
福岡県の連中に
佐賀県の権利者が貝を売
つているというのでありますが、これはやはり新
漁業法から言いますと、内容によると思うのでありまするが、賃貸の一形態と見まして、賃借人を権利に参加させる事情があるのでないかとわれわれは
考えておるのであります。しかしそれは賃貸の形態がいろいろあるのでありまして、一概にそうも言えないかと思うのでありまするが、そういうふうな問題はなお
水産庁としまして、双方の
意見も聞きまして、ある
程度解決の
方法を指示したい、こういうふうに
考えておるのであります。そういうふうな事情で、これらの
方法によ
つて両県が具体的の
漁場計画をすみやかに立ててくれ—大体十一月一ぱいぐらいにこの
漁場計画を両方から立てさせまして、それを
水産庁で十分検封して、その上で線をもし
考えるなら
考える、こういうふうな方向に持
つて参りたい。現在両県は非常に神
経過敏に
なつておりまして、とかく
先ほど申しましたように、こういう調定をいろいろやる場合にも、二日二晩徹夜してや
つたのでありまして、
ちよつとした言葉じりでもいろいろの問題が出て参りまして、非常に困
つたのでありますが、とにかくそういう点に触れさせないようにいたしまして、
漁場計画をまじめに立てる、そこで本然の姿のところへ両方の気持を引返すということに極力
努力をいたして参つたつもりであります。これで両県も一応この線に沿うてとにかくや
つてみよう、
調整委員の連中も責任がありますので、何とかこれを
解決したいという気持は十分持
つておるようであります。それでわれわれが後見的にいろいろ指導いたしまして、今後この問題をなるべく円満に
解決いたしたい、こういうふうに
考えておるわけであります。きわめて簡単でございますが、先般参りました
関係上、その事情だけ御
説明申し上げておきます。