○川村
委員 ただいま問題にな
つております
漁業取締りの問題、特に
新潟県の問題について、御意見も拜聽し、さらにそれに対する御
答弁もあ
つたのでありますが、過般私も大阪府、和歌山県、徳島県、
瀬戸内海全般の
小型機船底びき網の
状態がどうな
つておるかということを視察に参
つたのであります。和歌山県から紀伊水道を通
つて徳島に行
つたのであります。その場合の
小型機船底びき網の
操業状態は、いずれも二そうびきで、堂々と
違反している。そういう
状態を見せつけられまして、まことに唖然とせざるを得なか
つたのであります。紀伊水道には一そうの
取締船もおらないのか、
海上保安庁は何をしているのか、あるいは
水産庁の
取締船は何をしているのか、もつと端的に言うと、地元にもそれぞれ
取締船並びに
指導あるいは
監視の立場の船がいるはずだ、また
役所があるはずだ。しかるに
国会から
調査に行くということは各新聞に書かれたにもかかわらず、その面前で十五組ほどの
違反船が
操業してお
つた。あきれざるを得なか
つたのであります。時間がありますれば、和歌山県の
取締船に乘
つてお
つたのでありますから、これを一々とらえて、その事情等をよく
調査して参りたいと
考えましたが、時間の
関係上、徳島に直行いたしましたので、いとまがありませんでした。しかし実際今まで
取締りのことをずいぶんやかましく言われておるが、この
取締りの完璧を期せぬことは事実であります。これはわれわれの方にも責任があることは痛感しております。なぜといえば、
海上保安庁にはもちろん
取締りをするための船あるいは施設あるいは技術的なすべての
準備ができておる。先ほどから各
委員より指摘された
通りでありまして、これらを
予算化して、そして十分に施設も持たせ、あるいは
取締りの技術も十分持たせてやるということが当然だと思
つておりますが、とにかく
取締りということを
嚴重にしなければ、この
日本で枯渇している
資源がますます枯渇をいたしまして、しまいにはその余波があらゆる
方面に及び、
陸上にも波及するのじやなかろうか、かように
考えましたときに、この
取締りというものはまことに重大と
考えられるのであります。
そこで各
委員から
相当に意見もありましたので、
取締りの問題につきましては大体この
程度にしておきますが、私は遅れて参りまして、ただいまこの書類を見ましたところが、
小型底びき網の整理の要綱等が出ておりますが、この要綱を見ますと、
相当にこれは取扱いの上で何かの処置を講じなければ、この要綱一本やりで行
つた場合には、ま
つたくその地方の漁村の経済は破壊してしまうというようなことが、われわれが現状を
調査いたしました上で明らかに現われて参
つたのであります。もちろん原則的にはこの要綱でや
つて行かなければならないということははつきりしたのでありますが、取扱いにおきまして、これは
相当に
考えてやらぬと、たとえていえば、ある村ではこれに該当するところの船が全部だ、二、三隻除くと
あとは全部整理をしなければならない船ばかりだ、こういうことで、それをすぽつと全部切
つてしまうということになりますれば、そこの
漁民の生活が破滅するばかりでなく、漁村の経済の破滅にもなるということでありますので、この取扱いにつきましては、
委員会でも
相当研究をして、この要綱の
内容の変更も、あるいは改訂もしなければならぬではなかろうか、かように
考えておりますので、次回の
委員会にもしこれを取上げるといたしましたならば、
委員長はどうかしかるべく御処置をお願いしたいと思うのであります。もちろん私の
調査に対しましては、後刻本
委員会で詳細な報告をいたすべく、今それそぞれ各
方面の意見あるいは実態等をとりまとめて書類にしておるのであります。
水産庁ともいろいろ協議をしなければならぬのでありますから、
相当の日数を要すると思いますが、今月の末に大体その
調査の書類がまとまると思いますから、その後においてこの問題をお取上げ願えればけつこうだと思
つております。そこでまずその間の
取締りですが、これは何とか
水産庁並びに
保安庁が協力をいたしまして
嚴重にしなければ、いまに命を切られる
小型機船底びきであるから、乱脈しほうだいのことをした方がいいのじやなかろうかというような
考えを持
つておる向きもわれわれは見て参
つたのであります。たとえていえば、われわれに対する発言においても、国家がこれを
整備するというのであるから、国家の責任においてわれわれの要求する補償をすべきである。もしその補償がわれわれに納得行かなければ、われわれはいたし方ない、実力行使をしなければならないというような意見も中にはあ
つたのであります。
従つて今この要綱がおそらく新聞等に発表されますと、それぞれの地方において、これをすなおに守る所もありましようし、
断固反対する所もありましようが、
断固反対せんとする所は、いわゆる実力を行使してやるというような方向にあるいは行かないでもないというようなことを見受けて参りましたので、
海上保安庁並びに
水産庁では、その地方に対して集中的な
取締りをしていただくことを懇願する次第であります。もちろんその地方のどこどこということについては、いずれ書面なり口頭なりであなた方に申入れをしたい。この席ではあまりに範囲が広うございますので、この際はばか
つておきますが、とにかく
取締りの強化は十分にや
つていただかなければならぬ。特に
小型機船底びき網の問題についても、
新潟県と同様な、より以上の
取締りの強化をはかられんことをこの際要望しておくと同様に、
小型機船底びき
網漁業処理要綱の取扱いについては、
委員長において十分なる用意をしてから、本
委員会において本格的に取上げられんことをこの際要望しておきます。