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1951-11-16 第12回国会 衆議院 人事委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十一月十六日(金曜日)     午前十一時二十五分開議  出席委員    委員長 田中伊三次君    理事 田中 重彌君 理事 藤枝 泉介君    理事 淵上房太郎君 理事 松澤 兼人君       大野 伴睦君    加藤隆太郎君       塩田賀四郎君    藤井 平治君       星島 二郎君    中曽根康弘君       柄澤登志子君    岡田 春夫君  出席政府委員         内閣官房長官 菅野 義丸君         人事院事務官         (事務総局法制         局長)     岡部 史郎君         総理府事務官         (特別調達庁労         務部長)    中村 文彦君         大蔵事務官         (主計局給与課         長)      岸本  晋君  委員外出席者         労働基準監督官         (労働基準局給         与課長)    宮島 久義君         労働事務官         (職業安定局雇         用安定課長)  富山 次郎君         専  門  員 安倍 三郎君 十一月十六日  委員小川原政信君、尾関義一君、上林山榮吉君、  佐藤親弘君、瀬戸山三男君、高橋權六君、中馬  辰猪君、二階堂進君、吉川久衛君及び竹山祐太  郎君辞任につき、その補欠として藤井平治君、  渡邊良夫君、西村久之君、星島二郎君、田中豊  君、小澤佐重喜君、本間俊一君、大野伴睦君、  今井耕君及び芦田均君が議長の指名で委員に選  任された。     ――――――――――――― 同月十五日  公金冗費防止に関する請願外一件(早稻田柳右  エ門紹介)(第一二七五号)  與瀬町の地域給指定に関する請願岩本信行君  紹介)(第一二七六号)  石和町の地域給指定に関する請願鈴木正文君  紹介)(第一二七七号)  建設省補助員身分保障に関する請願成田知  巳君紹介)(第一三三五号)  江見町の地域給指定に関する請願(逢澤寛君紹  介)(第一三三九号)  川本町の地域給指定に関する請願山本利壽君  紹介)(第一三四〇号)  下松市の地域給引上げ請願受田新吉君紹  介)(第一三四一号)  大和村の寒冷地手当支給に関する請願岡田五  郎君紹介)(第一三四二号)  倶知安町の地域給引上げ請願星島二郎君外  一名紹介)(第一四一九号)  川島町の地域給指定に関する請願寺島隆太郎  君紹介)(第一四三一号)  公務員の給与改訂等に関する請願岡田春夫君  紹介)(第一四三九号) の審査を本委員会に付託された。 同日  西大寺町の地域給引上げに関する陳情書  (第七一三号)  石炭手当寒冷地給引上げに関する陳情書  (第七一四号)  鴨川町の地域給指定に関する陳情書  (第七一五  号)  松島町の地域給指定に関する陳情書  (第  七一六号)  原町の地域給引上げに関する陳情書  (第七一七号)  高槻市の地域給を五級地に引上げ陳情書  (第七一八  号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  特別職職員給与に関する法律の一部を改正  する法律案内閣提出第四五号)     ―――――――――――――
  2. 藤枝泉介

    藤枝委員長代理 これより人事委員会を開会いたします。  委員長におさしつかえがありますので、しばらくの間私が委員長の職務を行います。  ただいまより、特別職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出第四五号を議題として質疑に入ります。質疑は通告の順序によりこれを許します。  その前にまず法律案の正誤についてお知らせいたしておきます。この法律案の六ページ、別表第三に祕書官号俸「二三、〇〇〇円」とありますのは「二三、五〇〇円」の誤りでありまして、この旨正式に内閣より訂正の届出がありましたので、お知らせいたしておきます。それでは松澤兼人君。
  3. 松澤兼人

    松澤委員 昨日提案理由説明があつたのでありますが、もしおさしつかえなければ、逐条について少し御説明を聞きたいと思います。まず規定整備等がなされた点について簡単に御説明を得られれば幸いと思います。
  4. 岸本晋

    岸本政府委員 ただいま御質問のありました規定整備をはかつたという点が、いささか説明内容としては不明確であつたと存じます。この点を申し上げますと、今回の改正目的はもちろん主として給与月額引上げでございます。そのために別表改正をいたしたわけでございます。しかしながら、そのほか特別職職員内容にも若干異動がございます。たとえば食糧配給公団職員が、この四月以来特別職でなくなつております。従いまして、その食糧配給公団職員に関する規定を削除いたしております。  また従来の俸給表は、内閣総理大臣等一般のものと祕書官のものと、二本建になつておつたのでございますが、今回大公使につきましては別表を新たに設けることにいたしました。そのために俸給表三本建なつております。同時にこの大公使につきまして別表を新たにつくつたことと関連いたしまして、その大公使が将来具体的に受ける俸給号俸につきましては、大蔵大臣外務大臣と協議してきめるという規定を一本入れてございます。  第三の改正点は、従来特別職のうち、たとえば首都建設委員会委員とか、日本学術会議の会員、旧軍港市国有財産処理審議会委員というように、法律規定によりまして明かに非常勤という規定のある委員につきましては、日額手当を支給していたわけてございまして、この日額手当は千八百五十円というのが従来の額でございましたが、これを今回のベース改訂によりまして二千二百円に引上げるという規定改正をいたしております。  それから最後に、これはほんとうに法律技術だけの問題でございますが、特別職のうちで、失業対策事業のごとき、公共職業安定所から失業者として国が紹介して、雇用された職員に対しましては、従来PW適用しておつたのでございます。すなわち政府に対する不正手段による支払い請求防止等に関する法律というのがございまして、この法律規定するPW適用しておつたのでありますが、政府に対する不正手段による支払い請求防止等に関する法律昭和二十五年に廃止いたしております。それでその法律をそのままひつぱりはいたしませんが、同様にPW適用ができるという規定を新たに今回の改正法案中に設けた次第でございます。以上が規定整備に関する大体の内容でございます。
  5. 松澤兼人

    松澤委員 附則の切りかえの点につきましては、別段御説明を承るようなことはないのですか。附則の二項あたりはどういうことになるのですか。
  6. 岸本晋

    岸本政府委員 附則規定純然たる経過的な措置を書いた規定でございまして、法律を御審議いただきまして、これが可決され、公布された日から施行になりますが、適用期日は、一般ベース改訂と日を合せまして、十月一日からということにいたしております。その間の、たとえば新たに特別職になられた方の俸給をどうするとか、そうした経過的な規定だけでございまして、何ら実質的な意味はございません。
  7. 松澤兼人

    松澤委員 そういたしますと、法律の第一条、二十六号までありましたうちで、削られるのは二十五号の食糧配給公団職員だけが削られて、あとはそのまま生きているということでございますか。
  8. 岸本晋

    岸本政府委員 さようでございます。
  9. 松澤兼人

    松澤委員 それで十四号の中央更生保護委員会委員とありましたものを、委員長及び委員というふうに、単にわけてあるだけでございますね。
  10. 岸本晋

    岸本政府委員 これは、先ほど最初に、別表俸給金額を改めるということに関連して御説明申し上げるべきだつたと存じますが、中央更生保護委員会委員につきましては、従来委員長委員の差別なく、一本の俸給表にいたしておつたのでありますが、今回委員長委員をわけて俸給をきめるということになりまして、それに関連いたしまして、一条の規定もわけて規定したのでございます。
  11. 松澤兼人

    松澤委員 先ほど給与課長は、十三条の二十六号のことを仰せになりましたが、この二十四号の連合国軍需要に応じ、連合国軍のために労務に服する者、これは取扱いは今までの通りでございますか。
  12. 岸本晋

    岸本政府委員 取扱いは従前とまつたく同様でございます。
  13. 松澤兼人

    松澤委員 そういたしますと、やはり進駐軍要員というものは、PW適用を受けることになつておると思いますが、その点はその通りですか。
  14. 岸本晋

    岸本政府委員 現在この点は、実は法律規定改正が、ちよつと遅れたわけなんでございます。この進駐軍労務者給与に関する規定は、第十一条にございまして、その十一条の規定但書に「但し、政府に対する不正手段による支払請求防止等に関する法律を廃止する法律規定により、なおその効力を有する旧政府に対する不正手段による支払請求防止等に関する法律第十一条の規定適用を妨げない。」という規定がございまして、この規定は、今回第十三条の失業対策事業の方の、新たに入れました但書とまつたく同様でございます。と申しますのは、第十三条の方こそ先に、第十二条と同様な規定の表現にいたすべきでございましたが、この点は少し行き違いがありまして、規定改正が、十三条に関する限りは遅れて来たわけであります。今回進駐軍労務者のところで同じ規定に改めたわけであります。
  15. 松澤兼人

    松澤委員 どうもその関係はつきりわかりませんが、十一条の方は、主として進駐軍要員関係で、十三条の方は主として失業対策事業紹介を受けた労務者というふうに理解してよろしゆうございますか。
  16. 岸本晋

    岸本政府委員 仰せ通りでございます。
  17. 松澤兼人

    松澤委員 それでただいま遅れておりますというのは、十三条の方が今回改正になりまして、十一条の方は先に改正なつて、もうこれでよろしいことになり、これで十一条と十三条とはそろつたというふうに解釈してよろしゆうございますか。
  18. 岸本晋

    岸本政府委員 さようでございます。
  19. 松澤兼人

    松澤委員 これらの両労務者給与上の取扱いは全然同一であつて、その内容においては少しも差異はない、こう考えてよろしゆうございますか。
  20. 岸本晋

    岸本政府委員 実は連合国軍労務者の中にも、いろいろな種類労働者がございまして、その中の一部がPW適用を受けるわけであります。このPW適用を受ける職員に関する限りにおきましては一進駐軍労務者失業対策事業労務者も、まつたく同様に取扱われるわけであります。
  21. 松澤兼人

    松澤委員 その点はわかりましたが、これらの特別職の人々に対する給与の問題ではないのでありますが、各種の手当の問題で、いつも問題が起つておるようであります。現在この両種の労務者取扱いは、どういうふうになつておりますか。たとえば年末手当あるいは石炭手当寒冷地手当といつたような手当は、この給与以外に、どの程度まで当るものがありますか、また支給しないものがございますか、その点一内容を御説明願いたいと思います。
  22. 岸本晋

    岸本政府委員 御質問の点は、特別職の点でございますか、一般職の点でございますか。
  23. 松澤兼人

    松澤委員 特別職です。
  24. 岸本晋

    岸本政府委員 特別職職員の全般につきましては、あまり問題ないのでございますが、そのうち特に進駐軍労務者の点と失業対策事業の点が御質問の点かと存じますが、この職員につきましては、いろいろな形態があるわけでございます。一口に労務者と申しましても、一日、二日の純然たる日雇いから、あるいは一箇月、二箇月というような短期間のもの、あるいは一般職常勤並に長期間雇用されておるものとか、いろいろな形態がございます。その中の常勤的なものにつきましては、石炭手当寒冷地手当あるいは年末手当につきましても、まつたく常勤職員並取扱いをいたしております。
  25. 松澤兼人

    松澤委員 それは非常勤であつても、二十二日以上勤務するという、そういう条件で取扱つておるのですか。
  26. 岸本晋

    岸本政府委員 大体一般職常勤職員と同様の勤務時間で、しかも労務内容からいたしまして、一年以上継続して勤務することを要するような職員に対しては、常勤職員並に取扱うという人事院取扱いがございます。その一般職に関する人事院取扱い方を、特別職についても同様にいたしております。
  27. 柄澤登志子

    柄澤委員 第十一条に該当するものは、ただいまではどのくらいの数になつておるか、お知らせ願いたいと思います。
  28. 岸本晋

    岸本政府委員 正確な最近の数は、今手元に持ち合しておりませんが、大体の数字といたしまして二十万程度でございます。その中の一万五、六千が英濠軍に雇用され、残りが米国軍の方に使われているわけであります。
  29. 柄澤登志子

    柄澤委員 これらの給与支払い形態というようなものは、いろいろな形態があると思うのでございますが、どういうふうになつておるのでございますか。
  30. 岸本晋

    岸本政府委員 進駐軍労務者の中にもいろいろ種類がございまして、純然たる事務系統職員でございますとか、あるいは労務系統船員家族宿舎系統というようなものがございます。しかしこれらの職員給与支払いは、すべて都道府県労務管理事務所を通じて支払われるということになつております。
  31. 柄澤登志子

    柄澤委員 そういたしますと、これらの職員の予算的な裏づけは、都道府県に計上されているわけでございますか。国からの支出だと思うのでございますけれども、どういうふうになつておりますか。
  32. 岸本晋

    岸本政府委員 私の説明が足らなかつたと存じますが、連合国軍労務者給与費用は、国の終戦処理費に計上いたしてございます。実際の支払いの手続を都道府県でやらしておるのでございます。
  33. 柄澤登志子

    柄澤委員 これは官房長官にお伺いした方がいいかとも思うのでございますけれども、終戦処理費というものは、今後、講和条約が締結されましたあと駐留軍ということになりますと、かわつた形になつて来ると思うのでございますが、そういう場合の支出基準と申しますか、そういうものが政府としてはまだ確立されておられないのか、あるいははつきりされておるのか、その辺のことにつきまして承つておきたいと思います。
  34. 岸本晋

    岸本政府委員 講和条約締結後におきます、一般のそうした連合国軍関係費用が、どうなるかという全体の取扱いにつきましては、まだ将来の情勢はわかりませんので、はつきりいたしておりません。ただ連合国軍労務者給与の問題をどう取扱うかということにつきましては、大体現在のラインが踏襲されるのではないかというふうに考えられます。現在のラインと申しますのは、つまり進駐軍労務者を管理いたしております特別調達庁米軍との間の直接契約によりまして、労務費ドル供給を受ける、それに対する支払いは円で日本国内で支払うという形になつております。この形が大体踏襲されて行くのではないかと考えております。
  35. 柄澤登志子

    柄澤委員 先ほどのお話では、船員等も入るということでございましたのですが、これらの船員などが終戦処理費ということでございますと、当然戦争を終えるための目的を持つた費用として、国が計上しているわけでございますし、国民もさよう心得ておるわけでございますが、船員等朝鮮などへやられまして、そしてそこでなくなつたりいたしました者の費用というものが、ある場合は出なかつたり、ほとんど補償されていないということも聞いているのでございますけれども、そういうものはどういうふうに今まで取扱われて来たかということにつきましてお伺いいたします。
  36. 岸本晋

    岸本政府委員 特に船員の問題について話を限定して申し上げますと、船員給与規定の中で、国内労務者と同様な公務災害補償が行われるわけでございます。公務上の事故によりまして、死傷いたしたり、あるいは病気になりました場合には、純然たる国費で支払いするというのが今までの規定でございます。しかしそれは本年の七月一日以降、すべてそうした場合の支払い米軍が行う、米軍の方からドル支払いが行われるわけであります。同時にその公務災害の場合の補償金額につきまして、特に朝鮮水域におきます場合は、特別の加算額がつけられて、現在少し有利に取扱われておるはずでございます。
  37. 柄澤登志子

    柄澤委員 終戦処理費のわくの中から、やはり出ているわけでございますか。
  38. 岸本晋

    岸本政府委員 七月一日以後は、すべてドル払いでございます。それをドルでもつて受取りまして、その支払いは円でやるということだけなんでございまして、終戦処理費との関係は離れております。
  39. 柄澤登志子

    柄澤委員 終戦処理費関係なく、七月一日から支払われるということでございますか。
  40. 岸本晋

    岸本政府委員 米軍から支払われるわけでございます。
  41. 柄澤登志子

    柄澤委員 米軍から支払われるということだけでは、どうも納得が行きがねるのでございますけれども、その基準なつておりますのは、やはり日本国内法律規定されておりますところの賃金とか、あるいは身分保障というようなものが適用されているわけでございますね。
  42. 岸本晋

    岸本政府委員 七月一日から連合国軍労務者給与を、米軍が支払うという原則がきまつたわけでございますが、それがきまりましたときの米軍特別調達庁との間の契約によりまして、大体当時行われておりましたところの規定制度をそのまま当分の間は持ち込むということで始まつております。現在のところは、終戦処理費から給与が支払われた時分と、ほとんど同様な規定でやつておるわけであります。
  43. 柄澤登志子

    柄澤委員 災害補償で大体国内と同じことをやつて、多少はいいというようなお話でございましたが、朝鮮事件関係でなくなられました船員等災害補償その他で、多少いいというのは、どのくらいになつておるのでございますか。
  44. 岸本晋

    岸本政府委員 ただいま資料を持ち合せておりませんですが、あとでお届けいたしてよろしゆうございますか。
  45. 柄澤登志子

    柄澤委員 できましたならば、それはひとつ数字で具体的にお願いしたいと思います。
  46. 藤枝泉介

    藤枝委員長代理 委員長から申し上げますが、午後できますか。
  47. 柄澤登志子

    柄澤委員 それからできましたら、一人の船員の単価と件数を、ひとつお知らせを願いたい。それは午後いただけますか。
  48. 岸本晋

    岸本政府委員 午後差上げます。
  49. 柄澤登志子

    柄澤委員 それにつきまして政府の方の御見解を承つておきたいのでありますが、特別調達庁米軍との取引ということになりますと、商契約と申しますか、そういうことになると思うのでございますが、しかし私どもが考えておりますことは、日本船員が派遣されますことは、生命の危険を伴う戦場に行くわけでございまして、このことは単に商取引として考えらるべき筋合いのものではないと思うのでございますが、政府はこれに対しましてどういう見解を持つて、今まで当つて来られましたか。
  50. 岸本晋

    岸本政府委員 これは先ほど申し上げましたように、七月一日に制度を切りかえました場合に、一応各個人の承諾を得て、向うに引継がれるという形になつております。政府として進駐軍労務者に雇われるように強制いたしたことになつてはおりません。同時に将来の取扱いにつきましても、特別調達庁は、やはり政府といたしまして、できる限りの努力はするつもりでございます。
  51. 柄澤登志子

    柄澤委員 菅野さんの御見解をひと  つ承つておきたいと思います。
  52. 菅野義丸

    菅野政府委員 今大蔵省から申し上げた通り、これは軍と使用者との契約民法上の雇用契約だと考えております。従いまして、政府が強制するとか何とかということは全然ございません。自由意思によつて契約をしております。
  53. 柄澤登志子

    柄澤委員 副長官の御見解によりますと、政府が強制したのでもなければ、船員なら船員を雇用している雇用主が強要したのでもなく、米軍日本労働者とが商取引を成立させて、成り立つたものだという御見解でございますが、それは事実と相違ないというふうに思つていらつしやるのでございますか。
  54. 菅野義丸

    菅野政府委員 ちよつと私ただいま間違えましたので、訂正いたしますが、米軍使用者との契約ではなくて、特別調達庁米軍との間に労務供給契約をいたしまして、そして特別調達庁労務者との間の雇用契約によつて、これを米軍に提供する、こういう形になつているそうであります。
  55. 柄澤登志子

    柄澤委員 そういたしますと、米軍特別調達庁との契約によつてそれが行われる。なお労務者との関係は、特別調達庁労務者との契約ということでございますか。
  56. 菅野義丸

    菅野政府委員 仰せ通りであります。
  57. 柄澤登志子

    柄澤委員 それでは米軍労働者との関係は、どういうふうになつているのですか。それは民法上の雇用契約の上から言いますと、どういうふうになつているかということです。
  58. 菅野義丸

    菅野政府委員 米軍との間には、使用関係があるだけでもつて雇用契約はございません。特別調達庁労務者の間には雇用契約が成り立つておる。いずれもこれは民法上のものである。こういうふうに解釈しております。先ほど朝鮮水域へ行く船員の問題がありましたが、これは仰せのごとくいろいろ危険のこともありますので、一々事前に船員承諾を得て、そうして行くか行かぬかということをきめてやつております。
  59. 柄澤登志子

    柄澤委員 そういたしますと、米軍労務者の間は使用契約だとおつしやるのですか。
  60. 菅野義丸

    菅野政府委員 使用関係でございます。
  61. 柄澤登志子

    柄澤委員 そういたしますと、生命危険等を伴いますような場合には、労務者がそれに対しまして拒否できるというようなことに対して、それが強制的に、拒否することはできないのだというようなことがもし行われているとするならば、それはどういうふうなことになるとお考えになりますか。
  62. 菅野義丸

    菅野政府委員 これは法律的には強制というようなことは絶対できませんで、いずれも自由意思による契約である。従いまして、承諾がなければ、そういう所へその意思に反してやるということはできない、かように考えております。
  63. 柄澤登志子

    柄澤委員 そういたしますと、米軍特別調達庁に要請を出しまして、どの船に労務者をどのくらい乗せてということになりました場合に、それは決して強制されたものではない、それに従事する船員なり労務者は、自分の自由意思によつてそれを拒否することができる、生命を守ろうと思う場合には、これを拒否することができるというのが、現在の占領下におけるところの日本労務者の立場である、かようにお考えでございますか。
  64. 菅野義丸

    菅野政府委員 目下のところでは、そういう契約でもつてつております。しかしこれは別にポツダム政令がございまして、強制することもできるようにはなつておりますが、このポツダム政令は、今効力を実際に実施したことはございません。
  65. 岡田春夫

    岡田(春)委員 米軍労働者関係は、使用関係お話になりましたが、法律上の関係はどうなりますか。
  66. 岸本晋

    岸本政府委員 法律上の関係と申しますと、何かの契約とかいうことでございますか。——現在は少くとも直接の契約関係はないのです。一般労務供給契約の場合におきまして、大体そういうことになろうかと思います。労務を提供いたしますものは請負者でございます。提供を受けた人間と、実際使われる人との間には、使用関係が発生する。
  67. 岡田春夫

    岡田(春)委員 今の御説明ですと、特調が何か労務供給業務を担当している。基準法その他の労働関係法で禁止しているところの周旋業をやつているということになるのですか。そういうように解釈してよろしいですか。
  68. 岸本晋

    岸本政府委員 これは基準法で禁止されている周旋業というふうには考えていないのでございまして、普通の労務供給契約によつてつていると解釈しております。
  69. 岡田春夫

    岡田(春)委員 実質的な契約関係はあるでしよう。法律上の関係はそうであつても、実質的には労務供給業務をやつているでしよう。実際問題として、人夫の供給特調が実質上やつているような場合もあるのじやないですか。その事実関係を伺つているのです。
  70. 岸本晋

    岸本政府委員 現在の段階におきましては、法律的にどういうふうに解釈するかということにつきましては、政府としての意見はまだ確定いたしていないのであります。
  71. 岡田春夫

    岡田(春)委員 管野さんに伺いたいのですが、政府としての意見がまとまつてない、かような点は菅野さんも同意見であるか、この点はつきり確認したいと思います。
  72. 菅野義丸

    菅野政府委員 これは非常にいろいろな形態もありますし、また占領軍需要に応ずるためにやることでありますから、これがはたしてどういう法律関係になるかという、これが政府の有権的な解釈であるというものは、きまつておらないのであります。しかしいわば私が先ほどから言つたような形に解釈されるということでありまして、はつきりした見解というものは、ただいま大蔵省の方からお答えした通りであります。
  73. 岡田春夫

    岡田(春)委員 先ほど菅野さんは、これはポツダム宣言に基いてそれを供出する義務があるというようにお話しですが、朝鮮事変もポツダム宣言によつてやらなければならない義務が日本にあるのですか。これは国連軍との関係ですが……。
  74. 菅野義丸

    菅野政府委員 ですからその政令は適用しておらないというふうに申し上げたのです。
  75. 岡田春夫

    岡田(春)委員 最後に一点、先ほどの使用関係で行くと、特調労務供給をやる。そしてアメリカと労働者との間には、法律上の関係というものは明確になつておらない、そうすればその労働者が、たとえば朝鮮の水域において死傷をしたというような場合における、その補償関係はどこが責任を負うことになりますか。     〔藤枝委員長代理退席、委員長着席〕
  76. 菅野義丸

    菅野政府委員 それはもちろん日本政府でございます。
  77. 柄澤登志子

    柄澤委員 今の点に関連いたしまして、私の方で御返事がはつきりしない点があつたのでございますが、米軍との間には使用関係はあるが、法律上の関係はない、ポツダム政令があつて、しかし強制はできることになつているというお話のように承つたのでございますが、そうでございましようか。
  78. 菅野義丸

    菅野政府委員 御質問の趣旨は、米軍との間には使用関係はあるが、別に法律関係はないと言つたけれども、その通りか、こういうことだと思いますが、使用関係がありますために、法律雇用契約に基く契約関係はございまするが、使用関係があるということについての法律上の関係はございません。しかし雇用契約はあくまで日本政府労務者の間にやつておりますから、そういう関係はございませんが、使用関係にあるということで、いろいろな法律問題が起りますが、そういうことはあり得るのであります。
  79. 柄澤登志子

    柄澤委員 どうもややこしいのでございますが、使用関係があるから法律上の関係がないとは言えない、ただ労務を提供しなければならないという立場にだけ置かれている、こういうわけでございますか。
  80. 宮島久義

    ○宮島説明員 ただいまの使用関係から生ずる法律関係という問題でございますが、雇用関係と違つて、労働法上における使用者の義務というものは、法律上生ずるわけであります。ただその使用者米軍であるということで、この法律と別な関係が事実関係としては生じておりますが、使用者使用される者との法律関係は、当然に生ずるものと考えております。
  81. 柄澤登志子

    柄澤委員 先ほどの副長官お話の中で、ポツダム政令があつて、強制できることになつているということでございましたが、この点につきまして……。
  82. 菅野義丸

    菅野政府委員 占領目的を達成するためには、物の調達であるとか、あるいは労務者使用というようなことについて、強制できることになつておりますが、これは先ほども申し上げた通り、一回も実施したことはございませんで、自由なる契約によつてつております。
  83. 柄澤登志子

    柄澤委員 そこで岡田委員も触れられたのでございますけれども、ポツダム宣言に基く日本の占領と、それから朝鮮の戦争との関係、つまり国連軍のやつておりますあの戦争と、日本の占領との関係でございます。われわれはこれは別個のものだと、かように考えているのでありますけれども、なぜ特別調達庁は、国連軍のやつているところの朝鮮動乱に対して協力しなければならないか、協力する義務があるか、この点なのでございます。この点につきまして、どうもはつきり了解できないので、伺つているのでございます。
  84. 宮島久義

    ○宮島説明員 占領目的を達成するための労務供出に応じた特別調達庁の任務というものは、従来完全に遂行されて来たわけでございます。ただ朝鮮事変に伴つた労働者の供出ということにつきましては、これと切離してやつているわけでございます。その間に事実関係としまして、協力している点がございますが、これは別な問題として扱つているわけでございます。
  85. 柄澤登志子

    柄澤委員 そうすると、占領目的を達するための労務供出ということはやつておつた、しかしこれと切離して朝鮮のことについては、やつているというのは、ドル払いなつたということだけが、切離されているのでございますか。
  86. 宮島久義

    ○宮島説明員 日本国に義務づけられたその義務に応じてやるということではなくて、別な問題として労務供出や、協力をしている、こういうことでございます。
  87. 柄澤登志子

    柄澤委員 これは、国民はずいぶん重大な問題と思つているわけでありますが、日本国に義務づけられたものでないものを、なぜ日本国民の税金の中から支出し、労務を提供し、生命を冐すようなことに使用されなければならないか。その別な問題というのは、どういう別な問題なのでありますか。
  88. 岸本晋

    岸本政府委員 全然義務づけられていないものを、日本の金で支払うのはなぜかという御質問だと思いますが、七月一日以後の分は、一切ドル払いということになつております。
  89. 柄澤登志子

    柄澤委員 それでは、ドル払いという経済面だけではなしに、労務を提供するかしないかということも、強制されるのではなくて、これはまつたく自由であつて特別調達庁がやるべき筋合のものではないということになるのでございますか。さように了解してよろしゆうございますか。
  90. 岸本晋

    岸本政府委員 事実上協力いたしておるという関係でございます。
  91. 柄澤登志子

    柄澤委員 副長官に今の御答弁を願いたいと思います。
  92. 菅野義丸

    菅野政府委員 大蔵省からお答えした通りでございます。
  93. 柄澤登志子

    柄澤委員 先ほどもちよつと触れたのでございますけれども、これらの労務提供が、いわゆる基準法違反と言われているような形で、紹介されているという例は無数にあるわけでございますが、そういうものに対しまして、政府は見のがしておいでになるのでございますか。そういう事実はないとおつしやるのでございますか。
  94. 宮島久義

    ○宮島説明員 私ども、たとえば基準法違反というような問題はないように考えております。もしそういう実例があれば、その都度われわれのところに知らせていただきまして、そしてこれを総司令部に持ち込むなり、その他適当なる方法によつて解決するようにやつております。
  95. 柄澤登志子

    柄澤委員 とかく米軍のことになりますと、皆さんいろいろ遠慮なさるので、こういう問題は共産党ぐらいしかいろいろ突つ込んで御質問ができないと思い、あえてやつているわけでもないのでありますけれども、これは日本労務者生命にかかわる問題でございまして、食えなくなつてあぶれた労務者が、やむことなしに連れて行かれている。たとえば横浜の例なんかもそうでございますが、海上ホテルというものをいつか見に参りましたときに、海上ホテルの労務者というものは、戦災者であるとか、引揚者であるとか、そういう方々でありまして、非常に悲惨な人たちでございます。しかも地方からの首になつた者、あるいは官吏で首になりました者等が転々として、やはり水上ホテルに相当入つておる。そこの監督をやつております人の話では、首になつてから夫婦わかれして、家族もなく、家もなく、転々として渡り歩いていたというような人が多いので、ここであぶれが続いて、あまりに気の毒なので、実は米軍の方の労務提供ということで、せわをしてやつたということは、その労務者にとつては、むしろ恵まれたことなんだというふうに考えて了解しておるわけでございます。その労務者の中から、やはり多少の帰つて来ない労務者があるわけであります。そういうものはどこへこの骨を渡していいかわからないというような実情もある。だから今のあぶれの状態よりは、むしろそこで労務提供をやつて、せわをしてやつた方がいいのだというような見解を持つておるような取締人が、水上ホテルの取締りをやつておられまして、私はそれを聞いて参つたのでありまするが、そういうようなことが、どうして行われるかと申しますると、職業紹介所で募集されておるのでございます。そういうようなことが事実この日本のあなた方の政府のもとで、方々で行われているのでございまして、それらの労務者の給料というものは、まことに——ここにありますところの総理大臣が今度八五円におなりになるそうでございます。しかしその労務者たちは今どのくらいの給料で、命がなくなつたときにはどのくらいの補償でもつて、また危ない徹夜の荷役のような仕事、朝鮮に荷物を荷揚げするような仕事の場合には、どのくらい一体割増しの手当をもらつてつておるのか、というようなことにつきましては、私どもにぜひ政府としては明らかにしてもらいたいと思うのでございます。
  96. 田中伊三次

    田中委員長 柄澤君。ちよつと御注意を申し上げますが、特別職職員給与に関する御質疑でないと、今の御質問のようなことは、もう昨日までに終了しておるのです。そこをよくわきまえてやつてください。少しおかしいですよ。政府委員のお答えがありますか。
  97. 柄澤登志子

    柄澤委員 きようは第十一条と第十三条の問題が出て来ております。
  98. 田中伊三次

    田中委員長 政府委員が今お答えをするから……。お答えありますか。きようは特別職関係の方ばかり来ておるのですから、お答えできないはずです。
  99. 柄澤登志子

    柄澤委員 十一条と十三条がございますので、それに関連してやつているわけでございます。決して別な問題じやないのでございます。
  100. 田中伊三次

    田中委員長 お答えありますか。
  101. 岸本晋

    岸本政府委員 先ほどの横浜の海上ホテルの例を一例として御引用になつたわけでございますが、特別調達庁で現在労務供給事業をやつております場合には、やはりあくまでもそれに御本人が志望して来られるということで、おせわをしておるわけでございまして、こういういい口があるから、ぜひ出て来いというような強制的なことは、あくまでもやつていないと思います。
  102. 柄澤登志子

    柄澤委員 今の募集というようなことは、特別調達庁とは関係がないというふうにお考えでございますか。これは十三条の方に関係すると思うのでございますが。
  103. 岸本晋

    岸本政府委員 現在私の記憶いたしまするところでは、十三条関係職員は、国では使用していないはずでございます。
  104. 柄澤登志子

    柄澤委員 ではだれが一体どういう権利で、その労務者をそういう立場に持つて行くのか、ということがわからないわけであります。たれが一体どういう権利を持つて、どういう立場から、どんな補償をして、その労務を提供させるのか、ということでございます。現にあなた方の下部機関であります職業安定所が募集しているという事実があるのでございます。それはその職業安定所の独自の見解でやつたのでございますか。
  105. 岸本晋

    岸本政府委員 これは実際の米軍に対する労務は、特調が大体の数字をつかみまして、これを職業紹介所を通じて募集いたしておるわけでございます。その場合には、もちろん特調との間に、もし雇うとなれば、雇用契約が成立するわけでございますから、その条件となるべき給与の額とか、種類というものは当然明示されるわけであります。これこれの内容給与が出るから、これを集めてほしいという申入れに対しまして、向うがそれでは行こうということで、雇用契約が成り立つわけであります。
  106. 柄澤登志子

    柄澤委員 そういたしますと、これ以上追究してもしかたがありませんので、別な方に発展したいと思うのでございますが、そこでやはり私ども日本労働者が、法律に保障された範囲内、日本の合法的な範囲内で、自分の生命を守り、自分の生活を守る、労務を提供するという雇用契約が、正当にそこで成り立つということから考えますれば、そういうことが妥当だというふうに、政府がお考えなつておるとすれば、そこでは労働組合というようなものが、特別調達庁労務者との間におきまして、それらの労働者の利益を守る一つの機関として、公然たる活動がやはり許さるべきだと思うのでございます。米軍との雇用関係における労務者の組合活動の自由というものが、ここでも大きな一つの問題になつておると思うのでございますが、政府としては、そういう組合活動が抑圧されておるというようなことはない、ここでも十分にやつてよろしいのだというふうに考えていらつしやいますか。
  107. 宮島久義

    ○宮島説明員 その使用関係がだれでありましても、組合活動は労働者の自発的な意思に基いて、自由にできなければならぬと思つております。また事実問題といたしまして、米軍使用されている労働者が組合を結成し、組合活動をやつております。ただ軍事基地の中では、たとえばわが国の一般の職場で見られるような職場の中の組合活動というものは、一般に非常に厳格に禁止されておるという実情でございます。
  108. 柄澤登志子

    柄澤委員 そういう中では、日本人の仕事に対しまして、たとえば生命の危険というような問題についてもでございますが、一切の保障というようなことについての自主的な活動というものは、保障されていないということをお認めになるわけでございますか。
  109. 宮島久義

    ○宮島説明員 生命の危険を守るための活動、それから実際に災害が起つた場合の補償関係、これらにつきましては、その他の一般日本労働者と、何ら異なることなく、活動もいたし、また補償もされておるものと了解しております。
  110. 柄澤登志子

    柄澤委員 具体的な例がたくさんあるのでございますが、今ちよつと資料としてここには手元にないのでございますが、そういうことにつきまして、もしありました場合、日本労務者の相手となりますのは、米軍でございますか、日本政府でございますか。たとえば生命が保障されておるとおつしやいましても、現実にピストルで射撃されて殺されておる労務者もございます。あるいは組合活動をやつたということで片つぱしから、首を切られておる者もあります。そういうことが現実に行われておる場合に、日本人の基本的な生命を守る権利すらも侵害されているような場合に、その保障をしてくれます相手は、日本労働者にとつて米軍であるか、日本政府であるか。
  111. 宮島久義

    ○宮島説明員 労働関係から生じた災害に対する保障は、雇用主たる日本政府が青年をもつてやることになろうかと思います。なおその経費は先ほど大蔵省の方からも言われました通りドル払いなつて来るわけでございます。労働関係以外の、ほかの関係で受けた災害につきましては、その個々の具体的な例によつて処理されることだろうと考えますので、その責任者がだれだということは、一概に言えないだろうと思います。
  112. 柄澤登志子

    柄澤委員 第十二条と第十三条の関係質問がまだあるのでございますが、失業対策事業というものが、進駐軍労務者関係だけのことになると思いますが、地方でも、たとえば横浜の市長を先日人事委員会でお呼びいたしましたときに、港の九割以上が接収されてしまつているというようなお話、それから数十万町歩というような土地がやはり接収されてしまつて、横浜市の財政というものは、まつたく破綻してしまつたというような話がございまして、あらゆる公共事業、土木事業を打ち切らなければならなくなつているというようなことがございます。そういたしますと、横浜市の労務者というものは、どうしても市の独自の、日本の市民のための仕事だけでは生計を立てる仕事の範囲が狭められまして、米軍との関係が非常に大きくなつて行くのではないかと思うのでございます。ことに今度の吉田内閣の方針によりまして、軍事基地その他が相当たくさんに提供され、さらにたくさんの飛行場もできましたし、たくさんの接収地もできて、駐留軍が今後日本に無期限に、無制限にとどめられるどいうような条件にあります今日、米軍のために今のような形で、労務提供をする労働者の数は、相当にふえるものと考えなければならないと思うのでございます。その際にきようきまりますような法律に関しての、ただいままでの質疑応答の中に出ておりますようなことは、非常に数多くの日本労務者の上に大きな影響を持つことになろうかと考えられるわけでございます。そういうようなことが国内法規で、今までは保障されていたというお話でございますけれども、国内法規の適用も具体的にはなかなか十分には行つおりません。行つておらないという事実は、たくさんあげることができるのでございます。それにつきまして、政府見解と実際に取扱つておるところの当事者の見解との間に相違があつて取扱い上の不注意で、日本人の労働者がそういう目にあつておるのか、特別調達庁の責任でそういうふうな目にあつておるのか、あるいはそういう通達が上から来て、やむなくやつておるのかということも一私どもにははつきりしない点があるのでございます。たとえば職業安定所に行きまして、あなた方は基準法違反じやないか一職業安定所自身が周旋業をやつておる、間違つたことをやつておるじやないかと問い詰めて行きますと、これは上からの命令だ、通達が来たのだということになるのでございます。人事委員会としては、この点について権威のあるはつきりした明確なものを、ここで明らかにしておきませんと、今後多くの日本労務者たちが、ただいま置かれておりますような日本の立場では、非常な難儀な立場に立ち至らなければならないのじやないか、こう思うわけでございます。それにつきまして、もし副長官はつきりした御答弁がいただけませんでございましたならば、官房長官でも、あるいはもつと上の方でもけつこうでございますが、このことにつきましての見通しをどのように——ことに役務賠償ということが言われておりまして、日本労働者の賃金が安いということから、役務でもつて賠償を返して行くのだということが言われております今日、どうしてもはつきりした御方針が伺いたいと思います。
  113. 菅野義丸

    菅野政府委員 ただいま御質問の中で、労働者がこういう目にあつておるのは、これは命令あるいは通達が十分行かないのか、こう言うのですが、こういう目というのはどういうことでございましようか。具体的にお教えいただきたいと思います。
  114. 柄澤登志子

    柄澤委員 PDとかLRとかの工場で、労働組合は当然活動が自由であるべきだというような御見解がございましたが、組合活動をしたということで馘首されておる例がございます。それからまた労働者の自由なる意思であるということでございますが、朝鮮事変に協力させるということは、日本人に与えられているところの義務でもなければ、何ら強制されるものでもないというような御見解もあつたと了承するのでありますが、私の聞き違いだつたら御訂正願いたいと思いますが、そういうことを意思表示いたしました労働者は、ふしぎなことに占領政策違反ということで、警察につかまえられております。検挙されて、留置されておるのであります。具体的にとおつしやれば、そのようなことがたくさん数をあげることができるのでございます。
  115. 菅野義丸

    菅野政府委員 よくわかりました。そういう具体的の事例につきまして、私詳しくはまだ存じませんが、簡単にそれだけ伺つて、そうして労働組合運動をやつたからどうというふうには考えられないのでございます。米軍使用者といたしまして、日本の労働法規については非常に尊重しております。直接日本労働者を雇うこともあるのでありますが、これはもう労働法規につきましては、非常に厳格に守つておるように聞いております。従いまして表面上はどういうことになつておるか知りませんが、おそらく何らかほかの理由があつて、たとえば職場における非常な厳格な規律か何かに触れるということではないかと思いますが、私も具体的な事情を知りませんから、これ以上お答えができないのであります。  それから先ほど将来の見通しのことについて、はつきりしたことを言うようにというような御要求でございましたが、占領下におきましては先ほどから御説明申し上げておるような状態でもつて労務の提供をやつておりますが、安全保障条約ができまして、駐留軍がおるようになりましたあとのことは、今後まだ行政協定でもつて、いろいろきめることでありますし、必ずしも御質問のように数多く至るところに無制限に、また永久におるということにはならぬように私は考えております。しかしながら具体的には行政協定でもつてこれからきめることでありまして、必ずしも占領下と同じ方法をとるということは、何らきまつておりません。おそらく独立国になりますれば、占領下におけるような状態ではない方法がとられるのではないかと想像されますが、これは今後の行政協定できまることでありますから、この程度以上には申し上げられない、かように考えます。
  116. 田中伊三次

    田中委員長 午前中はこの程度にいたしまして、午後は二時から続行いたします     午後零時三十分休憩      ————◇—————     午後二時四十四分開議
  117. 藤枝泉介

    藤枝委員長代理 休憩前に引続き、会議を開きます。委員長におさしつかえがありますので、しばらく私が委員長の職務を行います。ただいまより特別職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案を議題として質疑を続行いたします。柄澤登志子君。
  118. 柄澤登志子

    柄澤委員 特別職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案というのは、一般職職員給与改訂に伴つて提出されたということなのでございますが、これに出ております表を見ますると、別表第一に、内閣総理は俸給月額八万円、国務大臣その他は六万四千円というふうなことになつているようでございます。これらの上げられました基準なつておりますものは、どういうものでございましよう。
  119. 岸本晋

    岸本政府委員 特別職職員給与改訂も、今回の国家公務員に対しまする給与改訂の一環として行われたわけでございます。その際基準となりましたものは、大体一般職の方の最高のクラスと申しましようか、大体十五級二号の事務次官のところの倍率をもつて特別職についても給与引上げを行つたのであります。もちろん若干、たとえば祕書官でございまするとか、そのほかちよつとランクの入れかえのございましたところは、一般並の倍率は上つておらないのでありますが、考え方といたしましては、大体事務次官並の倍率ということになつております。
  120. 柄澤登志子

    柄澤委員 前の金額はどのくらいでございましたでしようか。
  121. 岸本晋

    岸本政府委員 内閣総理大臣のランクは、従前は六万円でございます。今度六万四千円になりましたのは四万八千円、六万円になりましたのは四万五千円、五万七千円のところは四万三千円、五万三千円のところは四万円、四万七千円に新しくなりましたところは従前三万六千円、それから最後の三万九千円の欄は従前三万円でございます。
  122. 柄澤登志子

    柄澤委員 別表第一、第二、第三を続いてお願いしたいと思います。
  123. 岸本晋

    岸本政府委員 申し遅れました。大使の欄は従前は四万八千円一本でございます。公使は従前四万円一本でございます。今回はランクを上げましたために若干号俸をわけております。祕書官は一号俸一万三千五百円のところは一万二千円、二号俸一万四千円、三号俸一万六千円、四号俸一万八千円、五号俸二万円、六号俸二万二千円、七号俸二万四千円、八号俸二万六千円でございます。
  124. 柄澤登志子

    柄澤委員 第十三条に関連して、失業者給与についてでございますが、これはたしか最近改訂されたばかりだと思うのでございますが、どのくらいに改訂されたのでございましようか。たしか十月十五日付で改訂になつたと思います。
  125. 岸本晋

    岸本政府委員 第十三条は、失業対策事業のための失業者として、国が雇用した職員規定でございますが、これに対します給与PWによつております。このPWは労働省から告示いたしておりますが、その告示額は最近改訂になりまして、中央告示——労働省で告示している分を中央告示と呼んでおりますが、その分におきまして、平均一四・七%大体引上、げになつております。
  126. 柄澤登志子

    柄澤委員 私のお伺い申し上げましたのは、PW基準なつているのでございますが、大体PWの九掛けということに、失業者の方も何か今度は段階ができまして、二コ四一本であつたものが、いろいろにわかれたというふうに聞いております。それは金額においてどのくらいになつておるか、たとえば東京におきまして、どのくらいになつておるかというようなことをお伺い申し上げたい。
  127. 宮島久義

    ○宮島説明員 十三条関係のことについて、少し補足して御説明申し上げますと、そこではそういう条文がありますけれども、実際にこの適用を受けている者は一人もないのでございます。と申しますることは、政府職員としてこの適用を受ける者は一人もなくて、実際には地方の公務員としてこれを準用しているものがあるかと思いますが、政府職員としては一人もありません。  それからただいま御質問になりましたPWの引上率でございますが、PWは中央で告示するものと、地方で告示するものとに大きくわけまして二種類になります。中央で告示するものの産業の種類は三つございまして、その第一が土木建築業関係、それから陸上運送業関係、それから港湾運送業関係、この三つでございます。土木建築業関係につきましては、この八月に労働省の統計調査部で、実際の賃金を調査したのでございますが、この実際の賃金の調査結果に基きまして、現在告示されているものとの比較において、引上率を決定してあります。この引上率は全国で実績と告示の相違に基きまして、三段階にわけまして平均して一五%引上げ、それから少い方で一〇%、多い方で二〇%、こういう三段階になつてございます。それから陸上運送業では、これは引上率が少し幅がございまして、五段階になりまして、〇から二〇%までの五%刻みの五段階になつております。それから港湾運送業関係では二段階でございまして、二〇%と二五%、こういう引上率になつております。それから地方告示の分はただいま決定中でございまして、最終的にはまだ告示が済んでおりませんが、その率は大体中央の引上率と似たようなものでございます。
  128. 柄澤登志子

    柄澤委員 私も政府職員としては適用を受けている者はないと思つていたのでございますが、地方公務員として準用されているということになりますと、地方の各都市の職業安定所等で紹介いたしておりますもの等は、ただいまおつしやつたものに当るのでございますか、もつと具体的に申し上げますと、失業対策事業で働いております労働者職員としてではなく、別個な賃金のお取扱いなつているわけでございますか。
  129. 宮島久義

    ○宮島説明員 十三条関係職員といたしましては、これはいわゆる知識階級の失業者と、それからそうでない一般の日雇い関係失業者と、この二種類になります。知識階級の失業者につきましては、大体国家公務員のあのグレードと同じようなふうに給与表ができまして、それの適用を受けております。それから屋外労働者一般失業者と言われている人たちのためには、PW、今申しました屋外労働者——土建関係の人夫の賃金が、大体基準なつてきめられているものと思います。なお詳しくはただいま手元に資料がございませんが、大体そういうことだろうと思います。
  130. 柄澤登志子

    柄澤委員 中央告示になつております三種類の第一の土木建築の平均して一五%上げられたということが、日雇い労働者適用されているということになるわけでございますか。
  131. 宮島久義

    ○宮島説明員 正確に申しますると、平均して約一八%でございますが、今おつしやつた点は失業者の賃金の引上率は大体これを基礎にしてやるのであつて、それと多少違うんじやないかと思うのです。
  132. 柄澤登志子

    柄澤委員 約一八%上げられたというのは何年に比べてでございましようか。たしか二十四年の春、二百四十円、いわゆる二コ四というものがきめられたと思うのでございますが、それに適用する人たちが、ただいまおつしやいました中央告示による三種類のものを、基準にしてどのくらい引上げられておるか。
  133. 宮島久義

    ○宮島説明員 失業対策事業による失業者の賃金は、私どもがやつているPWの告示改訂とは、時間的にいつでも一致しているということではなく、各地区によつて多少違つているようでございます。ただ今回改訂しました告示は、この一月に改訂したのを十月一日から適用するように、今回改訂したわけでございます。
  134. 柄澤登志子

    柄澤委員 私のお聞きしたいのは、一月改訂なすつたのを実施なすつたということを聞きたいのではなくして、いつを基準にして一八%をお上げになつたかということが知りたいのです。
  135. 宮島久義

    ○宮島説明員 一月に改訂しました現在の告示を八月の実績で見ますると、大体その程度つておるために、今回平均して約一八%の引上げを行つたわけでございます。
  136. 柄澤登志子

    柄澤委員 具体的に問題を出しますと、私の了承しておりますのは東京だけでこれは最高だというふうに聞いておりますが、東京で二百四十円だつたものが、特AとかABCDというような段階にわかれて、特Aの方がPWの大体九掛け、Aの方が三百円、Bの方は二百七十円、Cの方は二百五十円、Dが二百二十円ということにきまつたというふうに承つているのです。平均いたしますと大体二百七十二円くらいになるというふうなことも聞いているのでございますが、この賃金はやはりPWを基礎にして、それに九掛けということが特Aのいわゆる根拠になつているというふうに承つているのでございます。これらがいつのものを基準にして今おつしやつたような一八%くらい上つたということになるのか、どういう御方針でこういう改訂はなされているのか、これは労働省の方の関係かもしれませんが、ここでやはり関連してよく承つておきたいと思うのでお尋ねするのでございます。
  137. 宮島久義

    ○宮島説明員 失業対策事業のいわゆる失業者の賃金は、失業対策法によりましてPWより高くない基準をきめる、こういう条文があります。それに基きまして実際問題としましてはPWの八割ないし九割というところで、各地区できめられているようでございます。それから東京地区につきまして、具体的にどういう措置をとられているかということは、ただいま私は詳しく存じておりません。
  138. 柄澤登志子

    柄澤委員 できますれば大分官吏の整理もございまして、失業の問題はまた深刻なことになつて来ると思いますので、これらにつきましての詳しい資料をひとつ御調査の上、御提出願いたいと思います。
  139. 藤枝泉介

    藤枝委員長代理 委員長から申し上げますが、明朝までにできますか。
  140. 宮島久義

    ○宮島説明員 それではあとで詳しくということはどういうことか、具体的に伺つてから御返事いたします。
  141. 藤枝泉介

    藤枝委員長代理 できるだけ早く資料の御提出を願います。
  142. 柄澤登志子

    柄澤委員 PWにつきましても、失業者の今の給与の問題につきましても、そうなのでございますけれども、大体官吏の給与昭和二十四年二コ四というようなことが失業者におきましてきまりまして以来、六三ベース、八千円ベース、今度の一万円ベースというふうに吉田内閣におきましてすら、やはり三度改訂が行われていると思うのでございます。それに比べまして、ただいま申しましたようなPWあるいは失業者関係の単価の引上げということが非常に少いのではないか、十月の十五日にお上げになりましたのが二コ四の場合では初めてではないか、こういうふうに了承しているのでございますが、その点につきまして私の記憶違いかどうか、ひとつ御説明願いたいと思います。
  143. 宮島久義

    ○宮島説明員 PWを決定する原則でございますが、これはプリヴェリング・ウエイジという名前で表わしましたその地方の同種の労働者に、一般に支払われている賃金を法律上のプリヴェリング・ウエイジにしよう。こういうのが原則でございます。それでこの一月に改訂する前の告示は、たしか二十三年の暮れだつたかと思いますが、その後ずつと労働省の方で、土木建築業、陸上運送業、港湾運送業、これらの労働者一般の賃金の調査を続けて参つていたわけでございますが、これは一般の工場労働者の賃金と少し傾向が違いまして、上るときには相当先に上るという多少違つた傾向を持つております。二十三年の暮れまでには相当上つたのでございますが、その後上昇傾向というものが非常に鈍りまして、あまり上つたという統計結果が出て来なかつたのでございます。従いまして先般のこの十月に改訂しましたときも、土木建築業関係のその当時実施されていた告示、すなわち二十三年の暮れにやりました告示と調査結果とは、たしか七%ぐらいしか違わない、こういう結果が出ていたのでございます。こういう関係で国家公務員の給与べ一スの改訂とそのときはいつでも調子が合つていたということではなかつたのでございます。
  144. 柄澤登志子

    柄澤委員 先ほどおつしやいました内閣総理大臣の六万円の給与の前には、たしか二十四年の十二月の暮れには四万円だつたと記憶しているのでございますが、そういたしますと、今度は八万円、約四万円の値上げが、総理大臣の場合には行われているのでございます。しかし今述べましたところの日雇いと申しますか、それらの人たちの生活というものが、わずか一八%しか上らない。しかもこれは一度も改訂がなくて、今年の十月に至りましてから、初めて多少の改訂をなすつたわけでございますけれども、四万円のものが八万円になるという改訂が行われようとしておるときに、最もむだな部分のない、生活費の大部分が、ほとんど主食費であるというような労働者の場合に、主食の値上りも何度も行われておりますし、生活必需物資の値上りというものは、ものすごい高騰をきわめておりますのに、どうも何を基準にして調査をなすつたかということが、了解できないのでございますが、一般公務員の給与を上げるということで、特別職もお上げになり、それに関連してPWあるいは失業対策費のことも、ここにやはりつらねておいでになる以上は、ただいま具体的にやられておりますPWの賃金や、失業対策で働いている労務者の賃金に対しまして、妥当とお考えなつているかどうか、これをもつと引上げなければならないというふうに、私も考えているのでございますが、そういう御用意があるかどうかということにつきまして、できればきようは労働大臣にお願いしたいのでございますが、副官房長官にひとつ御答弁願いたいと思います。
  145. 菅野義丸

    菅野政府委員 私からお答え申し上げます。ただいまの御質問は、国家公務員の方が、一般職特別職ともに二回にわたつて値上げされておるのに、失業対策でもつて雇い入れる人夫等の賃金が一向に上らないで、ようやく最近になつて上つたというのは、不都合じやないかというような御質問だつたと思いますが、御承知の通りPWというのは、一般に行われておりまするところの労務者の賃金を業種別に調査いたしまして、そうしてこれを事実ありのままを告示するということでございまして、これは必ずしもこの国家公務員の給与の改訂と関連を持つものではないのでございまして、国家公務員の方の給与の改訂が行われたと相関連して、PWを動かすということは、少くとも客観的情勢がかわらない限りはないと、こういうふうに考えております。それから問題になつておりますところの、失業対策でもつて雇い入れる人夫等の賃金は、これは地方の公共団体が地方の議会の議決によつた予算によつてきめるのでございまして、直接の国家公務員でも何でもないのでございます。それはPWを越えない限度でもつてきめるということになつておりますので、地方議会でもつて予算をきめますときに、それを八掛けとか九掛けでもつてきめるのであります。これは政府といたしましてどうしろ、こうしろというような指示もできませんし、また命令することもできないわけであります。一切地方自治にまかされておるのでございます。従つてPWを超えるということはできませんが、それと同額まではできるわけであります。そういうふうなわけでございまして、将来どうするかという問題につきましては、PWの改訂を要する客観的情勢の出て参りましたときには、何回でもこれはかえなければならぬと思いますが、直接失業対策でもつて地方公共団体が扱つている人夫等の賃金に対しては指示することはできない、かように考えております。
  146. 柄澤登志子

    柄澤委員 それではお伺いしたいのでございますけれども、今度の一般職給与の改訂の基準なつておりましたのも、たしか民間の給与基準になり、それよりもはるかに下まわつたものが一般公務員の給与として、私どもとしては不満足な形できまつたと思うのでございます。そういたしますと、PW基準になるものは、一般に行われている賃金をそのまま告示するのだというような御答弁であつたと思うのでございますが、公務員の方が三回も改訂になつて、しかも高級官僚の場合は非常に大幅に、今度の三度目の改訂ですら、三五%もお上げになつているという場合に、どうもただいまの御答弁ではつじつまが合わない。なぜPWの方が今のような状態にあつて、しかもそれが民間を基準にしていたか、基準のとり方がどこにあつたか、これは地方公務員の場合もそうでございますが、参考人の方のお話を聞きますと、旅費やその他を入れれば、地方公務員は高くないという大阪市長あたりの御答弁すらあつたわけであります。年齢給とかいろいろ考えると、決してそうじやないという御意見すらあつたのでございまして、材料のとり方いかんでは、いかような材料もとることはできると思うのでございます。たとえば政府のお出しになりました経済安定本部の資料によりましても、利潤率というものと労務費の比率というものとはずつと労務費の比率の方が下つておる。ここ二、三年で一〇〇から七一ぐらいに下つておるというふうに、中小企業の場合には非常に悪くなつているということは、経済安定本部の資料にもあるわけでございます。ですからそういうもうからない、非常にむしろ基本給の下つたもので手当を差引いたものだけを基準におとりになりますれば、幾らでもそういうものは出て参ります。しかし一般官公吏は民間を基準にしたといつて、それよりも下まわつているのにかかわらず、やはり今度給与改訂をなさつて三五%も上げておる。なぜPWの場合だけはできないか。PWができない限り、失業対策事業というものはPW基準にするというので、いつでも地方公共団体では押えられるわけでございます。この問題はやはり政府が責任がないということでは、私ども了承できないわけてございます。ですからできますれば具体的な資料をひとつ出していただきたいと思うのでございます。その点今のことにつきましては、どうも長官の御答弁は誠意がないと思うのでございます。
  147. 菅野義丸

    菅野政府委員 PWは六三ベースあるいは八千円ベース、今度の一万円べ一スというふうに、国家公務員の給与が上つておりますが、大体それに似たように三回上つております。しかし問題はPWを上げ下げするということよりか、それを越えない程度でもつて、具体的に失業者の賃金をきめるということが、その通りに行われておらないというのが、きつと御質問の点だと思いますが、この点は先ほど申し上げました通り、国家が直接に使つておりますれば別でございますが、地方公共団体が使つておりまする事業の人夫につきましては、先ほど申し上げた通りでございます。要するにPWというものは二十三年の当時のごときは三箇月ごとに改訂しておつたようでありまして、一時いろいろな関係でもつてとめましたが、二十四年の三月からもすでに三回かえております。ですから決して等閑に付しておるのではございません。やはり客観的情勢の変化によつて、これを改訂することについては、政府もやつておるのであります。ただこれに応じて具体的にそれ以下でもつてきめるところの地方公共団体の事業の労務者に対して、どうきめているかということは、地方自治にまかされておるような状態であります。
  148. 宮島久義

    ○宮島説明員 PWの調査方法について御質問があつたようでございますが、国家公務員の給与のきめ方に関連して、お話が出たようでございますけれども、私どもの方のPWの決定につきましては、統計調査部でその調査要綱を決定して、その要綱に基いて地方の基準局が調査をしまして、その結果の平均的な数字を使つて引上率を決定しております。その調査対象は例を土建の場合にとりまするど、十人以上の土建関係労働者がいる事業場全部を選定いたしまして、そこに働いている労働者について職種ごとに賃金の調査をして参ります。その県においてはこれを集計いたしまして、これが同じ職業に従事しておる者についての平均的な賃金の調査になるわけでございます。PWは八時間分の賃金の告示でありますので、税金とか、時間換算等をやりまして、この引上率を決定するのでございます。ただこの十人以上の事業場が数が少くて、結果に信憑性が持たれないというような場合には、五人まで下げてその範囲を拡大して調査しておりますし、また東京とか、大阪とか、事業場が非常に多いところにつきましては、ある程度の抽出調査をしています。手当とかその他の給与についての報告漏れと言いますか、そういう問題については、私どもできるだけそういうことがないような調査方法を採用してやつておりますので、その点も御了解願いたいと思います。
  149. 柄澤登志子

    柄澤委員 PWの平均の単位はどのくらいになつておりますか。
  150. 宮島久義

    ○宮島説明員 今度実施いたしました結果、全国平均して幾らかというのはまだ算定されておりませんが、八月の調査の土木建築業の総平均で行きますると、税金抜きで二百八十四円という数字が出ております。今回実施いたしましたPWから、改正になる前の現在の税法で税金を引いたものが、大体この程度になると考えていいのじやないかと思います。
  151. 柄澤登志子

    柄澤委員 特別職給与の中に規定してあるのでございますけれども、PWを越えてはならないというような規定があるようでございます。結局一日の単価幾らできめてあるのでございますが、実際には地方の失対なんかは——大阪の場合、大阪市長のおとといの報告、参考資料をいただきましたが、それによりますと、一箇月に十四日しか稼働していないということになるわけでございます。そうしますと、二日の給与が一番高い今の東京、特Aは三百円だそうでありますが、かりに特Aは三百円として、十四日働くとして四千二百円、大阪の場合、Bは二百二十円ですから三千円ちよつとしか収入がないわけです。一箇月三千円というような総収入で、一日の単価がPWを越えてはならないという規定で押えられますために、実際の一箇月の総取入というもので、格段の開きが出て来るわけであります。その点についてこの法律に非常に不備があると思うのです。PWを越えてはならないという規定がありますために、十四日しか働けないというような失対の労働者の賃金が押えられるという不都合さ、この点につきまして、これは地方自治体の自主性の問題では済まない問題だと思うのでございますが、副長官の御意見を伺いたい。
  152. 菅野義丸

    菅野政府委員 ただいまの御質問に対して、詳しいことは経済安定本部の方からお答えしていただきますが、私の聞いておる範囲では、十四日というようなことは、よほどまれなことで、たいてい各地方の者も二十日くらいにはなつておるように聞いております。かりにそういう例があつたとしても、非常にまれな例ではないか、かように思つております。しかしPWというのは御承知の通り日額で出ておりますから、今の対策法ですか、あれがある以上はちよつと月額で計算するわけには行かないわけでありまして、実際におきまして十四日というときには少しひどいのでありますけれども、二十日くらいになると大体生活ができるのじやないか、かように考えております。なお詳しいことは経済安定本部の方からお答えいたします。
  153. 富山次郎

    ○富山説明員 私からお答え申し上げますが、最近の失業対策事業に働きます人々の就労日数は、昨年に比べますと、大分伸びているように聞いております。なお失業対策事業で働く人々は、失業対策事業だけで働くというわけではないので、その間安定所の方のいろいろな活動におきまして一般の民間工場、事業場に相当行くこともあり、そうして日雇いの労賃がとれるように働かせる手配がしてありますから、むろん一月の稼働月収が少いといたしましても、働くことにおいてはなるべく働くようにしている、こんなふうな状態であります。
  154. 藤枝泉介

    藤枝委員長代理 柄澤君に申し上げますが、なるべくこの法案からあまり離れないような御質疑を願います。
  155. 柄澤登志子

    柄澤委員 ただいまの御答弁はどうも当を得ませんが、あすに留保してこれくらいにしておきます。
  156. 岡田春夫

    岡田(春)委員 今の柄澤君の御質問につけ加えさしていただきたいと思います。この土木建築の実態調査は八月にやられたと言いますが、事業場全部でやつたという場合に、この事業場において調査の対象になつ労働者の雇用関係は、この中にはいわゆる失対の失業者も含まれた賃金を実態調査として、計算に入れているのではないですかどうですか。
  157. 宮島久義

    ○宮島説明員 原則としてPW適用を受けている労働者は、調査対象から除いてございます。従つてたとえば失業対策事業失業者というようなものは入つてないことになつております。
  158. 岡田春夫

    岡田(春)委員 そうするとさつき土木建築の平均日収が出たようでありますが、陸上運送、港湾運送、この関係の税抜きでない一日の名目賃金が、もしわかりましたら伺つておきたい。
  159. 宮島久義

    ○宮島説明員 ごく大ざつぱに計算した結果なのでございますが、大体二百九十一円程度と見ていいのではないかと思います。
  160. 岡田春夫

    岡田(春)委員 二百九十一円、これは税込みですか。
  161. 宮島久義

    ○宮島説明員 そうでございます。
  162. 岡田春夫

    岡田(春)委員 そうすると、たとえば二百九十一円を大まかに見て三百円にしても、さつき官房長官の言われた通り、二十日間という数字も一応われわれは百歩譲つて認めたとしても、三百円が二十日間で六千円、そうするとPWというものは、一般産業の職種においてよりも低くないという具体的な規定があるとするならば、ほかの民間産業の土建業あるいは陸上運輸業関係は六千円で働いているのだ、こういうことになるのですか。
  163. 宮島久義

    ○宮島説明員 これは都会も田舎も全部ひつくるめた平均でございまして、しかもその事業場が比較的大きいところの平均でございます。だからそういう点から考えまして、日本全国の屋外労働者——土建関係労働者一般民間の賃金が、この程度であるということが言い得ると思います。
  164. 岡田春夫

    岡田(春)委員 そうすると屋外の土建業あるいは運輸業こういう関係の賃金は平均すると六千円くらいになる、こういうことになるわけですね。
  165. 宮島久義

    ○宮島説明員 平均して六千円になるということのはつきりした点はわかりませんが、一日八時間稼働した場合に、この程度の賃金をとつている。稼働日数は一般の場合にはもう少し高いじやないかと思います。
  166. 岡田春夫

    岡田(春)委員 これは九月の数字が出ている毎月勤労統計ですが、これと対比することが妥当であるかどうかということについても、問題はあろうと思いますけれども、それにしても非常に違い過ぎると思うのです。毎勤の中で規模の三十人から九十九人、この例で運輸業を拾つてみると、現金給与の総額が一箇月一万六千八百五十五円になつておる。あなたの方でどういう計算をされて出されたか知らないが、運輸関係の陸上運送、それから港湾運送、こういう関係は六千円で、毎勤の方に出ているのは一万六千八百五十五円で、一万円も違うというのは、計算の上で大分うまい精密な根拠でもおありになつてやつたのでしようが、その具体的な根拠でもお知らせ願えればけつこうだと思います。
  167. 宮島久義

    ○宮島説明員 私の説明が足りなくて、誤解があつたのじやないかと思われますが、先ほど私が申しました数字は、土木建築業関係の平均でございます。私どもの方で今回PWの引合いに使いました陸上運送業関係の平均賃金は税込みで五百四十八円、それから港湾運送業関係の平均が四百九十円となつております。それから運輸業関係の九月の現金給与が、一万六千八百五十五円という数字をお述べになつたのですが、この数字とこつちのものが、どういう関係になるかと申しますと、この運輸関係数字は常用労働者でございます。たとえば国鉄とか、私鉄とか、あるいはその他のバス会社とか、そういうところに雇用期間を定めないで、ずつと雇用されているいわゆる一般のパーマネントの労働者の平均でございます。それから私が今申し上げている屋外労働者の賃金は、大体が日雇い労働者の賃金、こういうことになるのであります。
  168. 岡田春夫

    岡田(春)委員 そうすると、日雇い労働者の賃金が実態調査の基礎になつて、そうしてそれを越えない額でPWをやつているということになると、先ほどお話のようにPW関係のものはもちろん調査の対象にはなつておらない。しかし一般的に見て、失業者の一部がPWの線を通じないで雇用されておるが、それよりも越えないということになつておる。そうすると、失業者のグループで、片方は実態調査によつてそれよりも上れないということで牽制されている。それからさつき柄澤さんのお話のように、このPWと二コ四の場合を比べると、これもPWを越えないということになつて来る。お互いに実態調査の数字の上で牽制をし合いながら、容易にベースアップができないようなからくりを、こういう実態調査の中で、事実上において政府がやりつつある、こういう結果になつて来ると思う。この点についていかがですか。
  169. 宮島久義

    ○宮島説明員 私ちよつと間違えて言つたのですが、陸上運送業関係の調査対象は、これは常用労働者を調査対象にしているので、日通とかそういうものが入つております。  それからただいま申しましたいわゆる日雇い労働者の賃金は高くならないからくりをしておるじやないか、こういう御説だつたと思うのですが、一般の土木建築業関係労働者についてみますると、大体雇用関係が日雇いという労働関係を持つているのでございます。最近政府の指導、勧奨もありまして、常用労働者に切りかえているものが相当ございますが、それは多く役づき労働者なのでございます。私どもが今までいろいろな調査から見るところによりますと、一般の土木建築業関係の技能労働者、たとえば大工とか左官とか石工とか、そういう労働者は失業関係がきびしくなつたというようなことで、ただちに賃金には影響しないようでございます。ところが雑役とか人夫関係になりますと相当影響する。こういう一般的な傾向があるようでございますが、ただこのPWの決定方式は、政府が政策的にそうしているとかなんとかいうことではないのでございまして、法律に大体そういう趣旨のことが規定されていて、その趣旨に従つて労働大臣が、むしろ事実認定的な役割を果して告示をやつておる。こういうところでございますので、別に政府が特に低賃金政策を実施しているというものではございませんから、その点御了承を願いたいのであります。
  170. 岡田春夫

    岡田(春)委員 しかし結果的にはそういうことになるのではないかということを申し上げておる。そういうことを意図してやられておるかどうかは私はわかりません。  大体委員長から四時ころまでというお話ですから進めて参りますが、陸上運送の場合、さつき五百四十八円と言われた。そうするとこれの場合の雇用日数は大体どれくらいになりますか。
  171. 宮島久義

    ○宮島政府委員 毎月勤労統計にも出ておりますに、常用労働者の平均稼働日数は、大体二十三日から二十五日くらいになろうかと思うのです。それで陸上運送業の関係労働者を使つた場合の月平均の稼働日数というのは、ただいま統計を持つておりませんけれども、大体それに近い稼働日数を持つておるじやないかと思われます。
  172. 岡田春夫

    岡田(春)委員 今ちよつと走り書きで計算してみたのですが、たとえば二十五日と見ても一万三千七百円ばかりで、毎勤の運輸業の場合は一万六千八百五十五円です。先ほど答弁の修正があつたようですが、大体同じ性格のものが調査の対象になつておるように思うのです。それにしても三千円ばかりの差が出て来ておる。そうするとPWのさつきの数とは違うことになつて来やしませんか。
  173. 宮島久義

    ○宮島説明員 九月の毎勤の数字が、どういうところをごらんになつておるのかよくわかりませんが、私がここへ持つているのは、規模をみんな一緒にしたいわゆる三十人以上の事業場の平均でございますが、九月の毎勤によりますと、臨時と定期給与を合せまして一万一千五百五十四円となつております。産業分類でいいますると、運輸通信及びその他の公益事業、これに該当するのだろうと思いますが、それが一万一千五百五十四円という数字なつておりまして、今岡田先生がおつしやつたその数字と、大分かけ離れておるようでございまして、はつきりどういうわけかということはわかりません。
  174. 岡田春夫

    岡田(春)委員 これは別段私がつくつた数字でないので、あなたの方の労働者の方でつくられた数字ですから、私がうそを言つているわけではないのです。この点ははつきりしておきますが、この点もあまり言つてもいけませんから、続いてほかの方に進みたいと思うのですが、八月の実態調査に基いて十月べース・アップの実施をされる、そういうことでしようね。そうすると実態調査の基礎は八月ですね。
  175. 宮島久義

    ○宮島説明員 そうであります。
  176. 岡田春夫

    岡田(春)委員 そうすると実施は十月ですね。
  177. 宮島久義

    ○宮島説明員 そうです。
  178. 岡田春夫

    岡田(春)委員 そうすると、八月から十月までの間に、主食その他のものが相当上つている。それからまた十月以降十一月、今月あたりになると、またどんどん上つて来ている。こういうものの値上りというものは当然出て来るわけなのですが、これについてはどういうように見込まれているのか。問題は実態調査を基礎にしたベース・アップということになると、ほかの賃金というものが絶えず上つて来ている。その調査の時期と、実施の時期との間にずれがある。特に最近のようにいろいろな大衆料金が、政府の手によつてどんどん上げられて行くということになると、実際問題としてPWの精神がそうであつても、一般の民間産業と均衡をとるということは、この法律上から言つて当然困難になつて来やしないか、こういう点がわれわれ考えられるのですが、この点はいかがですか。
  179. 宮島久義

    ○宮島説明員 最終に見られた調査が八月であつたために、この結果を使つたのでございますが、その調査と実施の時期に約一箇月間の狂いがあるのでございます。二十三年ごろのように、カーブが非常にはつきりしておつた時期には、調査の時期と実施の時期に狂いがあつた場合には、それを推計してやつてつたのでございます。ところがこの前の一月のときもそうであつたのでございますけれども、最近のカーブがあまり安定していないために、推計がなかなか困難だという点が一つございますし、それから八月の賃金というのは、実際は八月の下旬ごろに調べた賃金でございます。そういう関係で、時期的なずれもあまりないではないかというようなことを考慮いたしまして、八月の実績で今回は告示しているのでございます。
  180. 岡田春夫

    岡田(春)委員 これは現実問題として常にPWの精神から言えば、一般のそういう該当産業とバランスのとれる関係になるということになれば、少くとも現実にいえば毎日々々かわつて来るのは当然だろう。しかし毎日々々のそれをやれないとしても、少くとも一月ごとにでも、そういう均衡を失しない形の告示が行われて行かないと、均衡が失せられる可能性が非常にある。特に最近先ほども申し上げたように、大衆料金がどんどん上つて行くということになると、上るばかりであつて下るということはほとんど考えられない。そういうことになつてくると、これはすぐ続いて中央の告示を十一月なりにやらなければならないということになつて来る。これは安本でも、たしか私が記憶しているのでは、来年の三月までに大体物価はまだ全体として四%ぐらい上るだろう、こういうことになつて来ると、少くとも近い中に、この民間の該当産業との均衡を失しない状態にするためには、近いうちにその告示をあらためてやられるお考えがあるか、こういう点も伺つておきたい。
  181. 宮島久義

    ○宮島説明員 御説の通り一般に支払われている賃金の基礎にするのでございますから、絶えず一般の賃金の動きに注目いたしまして、できるだけその期を失しないように改訂して行きたいと考えております。ただ調査につきましては、非常な人手とそれから費用がかかるのでございます。そういう関係で、毎月この調査を実施するということは、予算の上からほとんど困難になつておりますが、労働省といたしましては、できるだけ間隔をあけないで調査を実施して、そしてその結果を見まして、もし現行の告示とその調査の告示とが相当違つているというような事実があれば、それに基いて改訂を実施して行きたい、こう考えております。
  182. 岡田春夫

    岡田(春)委員 今度はPWのでない方を少し伺いたいのですが、先ほど総理大臣そのほかの給与額の発表もあつたわけですが、このカーブは大体何を基準にしておつくりになつたか。
  183. 岸本晋

    岸本政府委員 これは特別にカーブというほどのことは、この表からはあまり出て来ないのでありますが、これは従前の俸給額というもので、大体のランクと申しますか、段階がついております。それを最近はベースの改訂ごとに、一般職の上級の職員と大体権衡をとつて、そのまま上げて来ているという数字であります。
  184. 岡田春夫

    岡田(春)委員 しかし先ほどのお話を聞いておつても、たとえばここのしまいの方にあるように、三万九千円になつた場合には九千円しか上つてない、しかし総理大臣の方は二万円も上る、こういうようなカーブなり上げ方については、何か基礎があつてやられたのではなくして、総理大臣は偉いから二万円ぐらい、それからこちらの菅野長官はあまり偉くないから一万三千円ぐらいという式で、大蔵省は人事院とは違つて、目見当で、総理大臣の偉さの方は少し多くてという式できめられたのですか。
  185. 岸本晋

    岸本政府委員 別段目見当というわけではございませんが、この欄で申し上げますと、一番下から次にあります四万七千円のところは、大体三割三分前後になつておるはずでございます。三割三分という数字は、一般の事務次官のところをそのまま用いておるわけでございまして、大体四万七千円から八万円のところでございます。若干の凹凸はございますが、その端数整理の関係上その通りなつておりませんが、大体その通りでございます。それから一番下の三万九千円の皇太后宮大夫とか東宮大夫、式部官長、このところでございますが、これはおおむね一般職の十四級職と権衡をとつてございます。この職員は従前におきましては、一般職の十四級でございます。特別職になりましても、大体それと権衡をとつているという数字でございます。
  186. 岡田春夫

    岡田(春)委員 そうすると一般職の方は、再三言われていることなのですが、下級職員の場合には二割ですか、それからたとえば一級一号の場合には六百円ふえまして二割、ところが一般職の最高級よりも、まだ上の総理大臣なり、特別職なり、こういう人たちについては、三割三分という形になつているのですが、これについて特別職の一員である菅野さんに、こういうようなベース・アツプでいいのかどうか、これを最後に伺つて私は終ります。
  187. 菅野義丸

    菅野政府委員 一般職俸給表につきましては、先般一般職給与法律案審議のときに、いろいろ御答弁申し上げておつたのでありますけれども、あの俸給表のつくり方は、人事院がつくりました民間給与と均衡をとりましたカーブを、そのまま尊重いたしまして、それからおおむね一割強下げておりますが、その結果がああいう増加率になつたのでございます。今度の特別職の方は、先ほどから申し上げました通り、十五級の次官級の増加率を、そのまま適用したということでございまして、なるほど一般職の最下級の職員の増加率に比べますと多いようでありますが、一般職の上の方のところとは、大体同様の増加率になつております。その上と下との増加率の違いというのは、民間の給与の実態がそういうふうになつておるので、それと均衡をとつて人事院がきめた、こういうことになつております。
  188. 藤枝泉介

    藤枝委員長代理 本日はこの程度にとどめ、次会は明十七日午前十時より開会することといたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後三時五十二分散会