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安田説明員 ただいまの
お話は、
社会保険の
医療報酬の単価の問題だと私存じますが、御承知のように、単価問題は、約三箇月にわたりまして、
社会保険医療協議会の方で
審議に
審議を重ねて参
つたのであります。昨日総会がございまして、一応
大臣に対する答申ができ上つた次第であります。これは、
結論を申しますと、
保険者側、あるいは
医療担当者側、あるいは
中立側というような
委員の
方々の
意見がまちまちでありまして、まとまらないままに、おのおののまちまちな
意見を
厚生大臣に答申するというようなかつこうで、現在けりがついたわけであります。
内容を少し詳しく申し上げますと、大体この二十日過ぎに大詰めに参りまして、いろいろ
医師会、
歯科医師会、あるいは
健康保険の
連合会、
国民保険の
中央会、あるいは
厚生省の
幹事案というような案が出ましたけれ
ども、いずれも
相当開きがございます。そこでこの
方面に
数字の問題で明るい
今井委員をお願いいたしまして、
今井委員に案をつく
つていただく、
今井委員の案は、各団体なり、あるいは
幹事で
出しておりますところの案を、
今井先生が直して来まして、そうして大体どこの案はどこが間違いだ、どこの案はどこが多過ぎるというようなことで手直しをいたしましたものを、四つばかり
出して来たのでございます。しかしそれでもなかなか話がまとまりませんので、
最後に
今井案なるものをひ
とつつく
つていただく、こういうことで出ましたのが十一円七十七銭という案でございます。現行は十円、十一円でございまして、これの平均は、比重をかけますと大体十円三十三銭でございます。その十円三十三銭が今度は十一円七十七銭が適当であるというような案が出たわけであります。これにつきまして、一昨日あたりから、相当夜おそくまでいろいろ議論いたしたのでありますけれ
ども、なかなかまとまりがつきません。昨日は
最後に、それでは十一円七十七銭を
地域別にわけてみたらどういうふうな
結論が出るだろうかということを
中立の
委員の
方々だけに御相談を
願つて、
一つの案を
出してもらつたらどうだ、こういうことに
なつたわけでございます。そこできのうの
会議の最中に休憩をいたしまして、
中立の
方々が御
協議をなさつた結果、十一円七十七銭をわけて、十円五十銭、十一円五十銭、十二円五十銭の三段階にわける。つまり三つの
地域差をつける。その
地域差をつくりましても、いろいろな重さをかけて参りますから、大体十一円七十七銭に
なつて来る、こういうような案をお
出しに
なつたわけでございます。これにつきまして、いろいろ
意見を闘わせ、お互いに
懇談をいたしたのでありますけれ
ども、結局、
医師会といたしまして
最後に出されました案は、十四円十八銭という案と、それから十七円十八銭という案で、これは一歩も引けない、こういう話であります。
歯科医師会は、従来十八円とか、二十二円とか、あるいはそれより少し安い案をお
出しに
なつてお
つたようでございますけれ
ども、結局、
今井案の構想で
数字を圧縮してみると、十三円八十四銭まではとる、それ以上は引けない、こういうことでございます。他の
保険者側の、
健康保険あるいは
国民保険の側は、結局十円、十一円、十二円、つまり現在より一円上げる、それならば何とかなる。しかし一円上げる
にしても、
国家が給付について補助することを
條件とする、こういうような案でございます。そこでいずれも讓らないということでございましたので、これ以上便々と
会議を続けて行きましてもどうにもなりませんので、このままのものをひ
とつ答申しようというのが
一つの結末でございます。
それからどういうふうになるかということでございますが、せつかく
社会保険医療協議会に諮問をいたしましたけれ
ども、そういう
結論が出たということになりますならば、これは
厚生大臣が
責任を持
つてきめなければならぬことに
なつて参ります。
厚生大臣が
責任を持
つてきめまして、
告示をいたしますれば、それがきま
つて来る、こういうような情勢でございます。ただいま
全国の各
医師の
方々が、
保険医たるを辞退するというような運動が広が
つておるようでございますので、これらの
関係をどうにらみ合せて
厚生大臣がきめるかという点につきましては、いろいろまだこれから
紆余曲節があるかと思います。われわれはできるだけそういつた
方々と円満に事を運びたいという
努力を、今なお尽しておるような
状態でございますが、しかしそれにいたしましても、また前のようにいろいろ
懇談に
懇談を重ねて、荏苒日を送るというわけにも参りませんから、できるだけ早い機会に何らかの
数字を
出しまして、それを
告示してお願いして行く、こういうことになるかと思うのであります。
なお
医師会の辞退の問題でございますけれ
ども、
全国にまだ全部というわけでもございませんし、一、二の府県でそういうことが出ておりますが、しかしこれは
健康保険法の
規定によりますと、一箇月前に、
猶予期間を置いて辞表を出すことに
なつております。かりに十二月一日付で出すとしますと、十二月中はまだ
保険医たるの義務があるわけでありますから、この一箇月間にどういう形が出ますか、その
告示の反響なりあるいはそれを収める
努力というようなものがたされて行かなければならぬのではないか、私
どもはこういうような見通しを持
つておる次第でございます。