○高田
説明員 この問題につきましては、すでに
委員各位の非常な御尽力をいただいておるのでございまして、なおそれぞれ現場の者から、皆様方のお耳にも、実情が十分に入
つておることと存じまするけれ
ども、お手元に配りました
児童保護費の現況というガリ版刷り、これをごらんいただきますと、何県の何という
施設がどういうふうな状況にな
つておるかということが、一応御了承いただけると思うのでございます。ただこれは五月十九日現在ということにな
つておりまするが、本年の一月現在で報告を求めたものでございまして、その後の状況の詳細につきましては、まとまつた
資料をまだ持合せておりませんことは、はなはだ遺憾でございます。しかしながら、これによ
つてごらんいただきまするような状況が、その後も引続いて存在いたしておることは、間違いのない概論的な事実でございます。この
内容につきましては、非常に数が多うございますので、一々御
説明を申し上げることを省略いたしまするが、そこで大わけに書いてありますように、この未支払いまたは支払い遅延というふうな状況、それから四枚めく
つていただきまして、五枚目から
措置児童を解除したり、新たに児童を
措置したりするのを避ける
傾向があるというふうなことが
一つ、それからその次をめく
つていただきまして、
措置費の徴收が不当にきつく
なつたり、または
措置を富裕児童に限定する
傾向があること、それからその次のページに、年度中途において新設または設備拡充した場合、
措置費が支払われない
傾向がある。五番目といたしまして
措置費支払いが最低基準を下まわる
傾向がある。それから
児童福祉施設に対する
予算の削減その他の影響、大体こういうふうに大わけをいたしまして、具体的な事例をわけてみたわけでございます。ただこれは、ごらんいただきますると御了解いただけまするように、県から報告を求めた
資料でございますので、多くは市町村のことを申しておりまして、県自体のぐあいの悪いことは報告漏れにな
つておるおそれがあるのでございます。従いまして、
施設の種類といたしましては、ほとんどが保育所
関係ということに相な
つております。しかしながら、この県自体の場合におきましても、やはりぐあいの悪い状況が起
つておるということは事実でございまして、二、三具体的な実例をあげてみますると、この
資料にはございませんけれ
ども、某県におきましては、二十五年度において精神薄弱児
施設――これは県立の
施設でございまするが、この増築をいたした、これはもちろん
国庫の補助も伴
つて増築をいたしたわけでございまするが、二十六年度
予算においてはその
措置費の
予算化がなされておらない、経営費の方の
予算化がなされておらない。
従つて、建物はできたけれ
ども、子供を入れるわけに行かない。某県におきましては、教護院――これは不良少年を入れる県立の
施設でありますが、九十五人という收容
定員に対しまして、六十五八しか
予算化がなされておらない。しかしその県において教護院に入れなければならぬと認定いたしました子供は、百八十四名あるというふうな状態。また某県におきまする肢体不自由児の
施設におきましては、收容
定員が五十人であるにもかかわらず、二十五人しか
予算化されておらない、目下入所
措置を要するものが九十九人ある、かような状況でございます。そのほかいろいろ具体的な実例がございまするけれ
ども、数から行きますと、このガリ版刷りの中に示しますように、やはり保育所が非常に大きな数にな
つて、非常にぐあいが悪いことに相な
つておるということは、事実でございます。保育所につきましては、この
資料にございませんけれ
ども、最近聞きました実例におきましては、これは大きな旅府県でございますけれ
ども、三十三
施設が新設の認可申請をいたしておるけれ
ども、具体的な
措置がないために、その認可をしないというふうなことも聞いております。また養護
施設につきましても私
施設の、プライベートの養護
施設――これはもちろん建物の方は自分で建てるわけなんですが、建物は建つたけれ
ども子供を入れることができない、
財政の都合によ
つて認可がはばまれておる、こういう状況であります。
大体ぐあいが悪くな
つておる実情は、以上でございまするが、これに対しまして、最近の
陳情と申しまするか、実情を訴えて来る側の状況でございまするが、交付金
制度ができました二十五年度等におきましては、主としてわれわれの仕事の
関係者が訴えて参りました。
従つて県で申せば、民政部系統の者の声が非常に大きかつたわけでございます。なお当時は、総務部系統の、いわゆる
財政の立場に立つ者、あるいは県政全体をあずか
つておる知事さんでありますとか、市政全体をあずか
つておりまする市町村長さんの立場からは、地方自治強化という観点から、必ずしもこの
制度について悪いということを言
つておられなかつたのでございます。それが最近におきましては、実際の仕事の状況を見て、これでは困るということでだんだんと認識が改まりましたせいでございましようか、
関係者あるいは
関係部局の
陳情だけでなしに、全般の立場に立つ人、たとえば県
会議員の立場にお立になる方、これが個々の県会
議長の
名前でお出しになるところもありまするし、あるいはブロツクの県会
議長が連合して、そういう上申書をお出しになるところもあります。さような方々の
陳情あるいは市長の上申書というふうなもの、あるいは先般の、八月でございましたか、東京で開かれました全国の市長会では、この問題を取上げて総会の決議にな
つてもおります。なおまた先般
政府の方で開きました知事
会議におきましても、これは補助金にすべきであるというふうな強力な意見が出まして、それについて前大臣からいろいろと御答弁をしたというふうないきさつもございまして、この
制度では困ると言う人が、だんだんと
傾向がかわ
つて参つたということも、この問題の性格を現わす
一つの証左ではないか、かように存じております。
皆さん方の方が、むしろよく御
承知と思いますので、大体の状況をとりまとめて簡単に御
説明申し上げました。