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1951-12-07 第12回国会 衆議院 議院運営委員会 第24号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十二月七日(金曜日)     午後二時十三分開議  出席委員    委員長 小澤佐重喜君    理事 寺本  齋君 理事 福永 健司君       石田 博英君    今村 忠助君       岡延右エ門君    岡西 明貞君       川本 末治君    菅家 喜六君       倉石 忠雄君    島田 末信君       田渕 光一君    小林 運美君       椎熊 三郎君    土井 直作君       松井 政吉君    林  百郎君  委員外出席者         副  議  長 岩本 信行君         議     員 中川 俊思君         内閣官房長官  岡崎 勝男君         事 務 総 長 大池  真君     ————————————— 本日の会議に付した事件  第十三回国会準備に関する件  常任委員割当調整の件  事務局人事承認の件  議員白井佐吉君死去につき本院予備経費より弔  慰金の支出並びに弔詞贈呈の件  岡崎内閣官房長官より第十三回国会提出予定議  案に関し説明聽取の件  開会式の日取に関する件     —————————————
  2. 小澤佐重喜

    小澤委員長 たいへんお待たせしました。これから会議を開きます。  きようは前回申し合せてございました通り、第十三国会に対する一般的対策でありますが、官房長官が見えておりますので、さしあたり年内審議を終了しなければならぬ法案について、まず官房長官より承りたいと思います。
  3. 岡崎勝男

    岡崎説明員 お手元に「本年末迄に可及的速に成立を要する法律案件名」というものを差上げてございますが、まず初めの三つをごらん願います。  最初の財閥同族支配力排除法廃止する法律案は、すでに財閥同族支配力廃除を全部実施してしまいまして、持株整理委員会等も用事が済んで解散しております。従つてこれを廃止する必要があります。そうして来年の一月一日から定員を全部落してしまう、こういうために提出する法律案であります。  次の新聞出版用紙割当に関する法律廃止する法律案も同じことであります。  第三番目の宮内庁法の一部を改正する法律案は、皇太后陛下が薨去されまして、皇太后職というものは必要がなくなりましたので、一月一日からこれを廃止するために提出したのでありまして、やはり定員を落す関係上、ぜひ十二月末までに成立をさせたいと考えております。  それからちよつと間を拔かしまして、しまいから二番目に、財政法及び会計法の一部を改正する法律案というのがありますが、これは今度の定員法で、会計に従事する職員定員を落してございます。その落しておる理由は、この法律案によつて事務を簡素にできるということを目的としておりまして、すでにこの法案臨時国会に提出したのでありますが、審議を完了することにならないで、ただいま継続審議中であります。定員の方はやはり来年一月一日から落したいと考えておりますので、この法律案もぜひ本年中に成立させたいと希望しております。  それから今度は、その財政法の前に、ポツダム宣言受諾に伴い発する命令に関する件の廃止に関する法律案というのがありますが、これは平和條約が効力を発生して独立国となりますときに、ポツダム宣言に基く種々の命令というものが効力を失うか失わないかは、これは法律論が二つありますけれども、安全をとつて効力が失われるとなしても困らないように、今いろいろ法律案を整備いたしております。ポツダム政令のうちで残すものは法律にするし、廃止するものは廃止するという法律にする。ただその審議が、いろいろむずかしい点がありますので、長くかかるかもしれない。その審議未了のうちに條約の効力が発生する場合があり得ると考えますので、そのときにはちよつと空虚な時間ができて困りますから、一つの網をかぶせておこう。つまりこの法律で、條約効力発生後何十日間は依然としてポツダム宣言に基く命令は有効である、こういう法律をつくつておいて、そうしてもし審議が長引いた場合でも、その期間内に廃止するものは廃止する、残すものは残す、修正するものは修正する、こういうことをやりたいと思いまして、これは全般的な網をかぶせた法律案であります。これは正確に言えば、講和條約の効力発生の前日までに成立すればいい法案であります。ただ講和條約案がいつ効力が発生するかわかりませんから、なるべく早くこの法律案を通過さして安心しておきたい、こういう意味でありますから、正確に言えば年内に通らなければならぬという法律じやありません。但しあまりぎりぎりであぶなつかしいのも困るから、できるだけ早く安全率をとつて成立させたい、こう考えております。  それからそのほかに、東宮待従長等を設けるための、特別職職員給與に関する法律の一部を改正する法律案というのと、一番しまいの郵便貯金法の一部を改正する法律案と二つありますが、初めの東宮侍従長等の問題は、まだいろいろ研究を要する点がありますし、ことに年末までに成立しなければならぬという性質のものでもないと思いますから、しばらく除いておいていただきたいと思います。  郵便貯金法の一部を改正する法律案は、郵便貯金利率を引上げる目的でありますので、できるだけ早く提出いたしたいと思つておりますが、今司令部いろいろ話をしております。これは銀行が吸収する預金郵便局の吸収する預金との関係で、片方が利率を上げれば、そちらへ預金がよけい行つてしまうということがありますし、いろいろ考慮を要する点がありますので、まだきまつておりません。司令部との話合いも済んでおりません。はたして今国会に提出できるかできぬか、今のところわかりませんので、これもちよつと保留しておきたいと思います。この方はできればなるべく早く国会に提出したいと思つておりますが、年内の順序をおきめになつた結果、年内に間に合わないとすれば、休会明けということにならざるを得ないと考えております。要するに、どうしても成立させたいと思つておりますのは四つであります。それからなるべく早く成立させたいと思うのは、ポツダム宣言受諾に伴い発する命令に関する件の廃止に関する法律案であります。あとの二つは、今のところは政府側としてもまだ提出するという見込みはつきりしておらないものであります。
  4. 松井政吉

    松井(政)委員 ちよつと事務総長でけつこうですが、これらの法律案付託委員会を御説明していただきたいと思います。
  5. 大池真

    大池事務総長 財閥同族支配力排除法廃止する法律案は安本、新聞出府用紙の方は内閣宮内庁法の一部を改正する法律案内閣財政法の方は大蔵委員会ポ政令は法務だと思います。
  6. 岩本信行

    岩本議長 ポ勅というのは、今まで出ているポ勅を全部廃止してしまうという法案ですか。
  7. 岡崎勝男

    岡崎説明員 ポ勅法律と同じ効力を持つものだという基礎になるものがあるわけです。それを廃止するのですが、廃止するのは條約が効力を発生したときに廃止する。しかし効力発生後何十日になるかは別として、別の法律ポ勅廃止するとか、修正するとか、あるいは継続して法律として残すとかいうことがきまらない間は、依然として効力を有するものとして取扱う。こういう趣旨のものであります。
  8. 岩本信行

    岩本議長 たとえば、こういうのはどうなりますか。今一番問題になるところの戰死者とか遺家族に対する待遇をしてはいかぬというのが、二十一年の二月一日付で勅令が出ておる。そこで来年度遺家族待遇予算をとつていいかどうかということが問題になるのですが、この法律が通過すると、ああいう勅令というものは消滅することになるのですか。
  9. 岡崎勝男

    岡崎説明員 この法律は、その元になるものをただ廃止するだけであつて個々のものはみな各省関係になるわけです。各省で、これは廃止する、これはこのまま残す、これは修正して残す、こういうふうに個々のものについて法律案を出すわけですが、全然廃止するものとか、あるいはごく簡單な修正は一本の法律案で出し、非常に大きな修正を要するものは別の法律案で出すわけです。いずれにしても、これはその基本だけのものであります。
  10. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員 数は大体どのくらいありますか。
  11. 岡崎勝男

    岡崎説明員 ごくこまかいものまで合せますと、二百二、三十になりますか、正確には覚えておりませんが、二百以上であります。
  12. 林百郎

    ○林(百)委員 その二百幾つかのポ勅を、どれは生かす、どれはなくす、どれは修正するということを、全部この法律の中に入れるのですか。
  13. 岡崎勝男

    岡崎説明員 そうじやなくて、この法律は、ポ勅法律と同じ効果を持つという親になるものがあるわけです。それを廃止して、同時に別の法律で改正したり廃止したりしなければ、ポ政令というのはある一定期間だけは有効で、その期間がなくなれば無効になる、こういう法律案です。そうしてあとは、各省ごと自分の省に関係のあるものを廃止するか、修正するか、そのまま残すかということを、法律案にして提出して行くわけです。
  14. 林百郎

    ○林(百)委員 それが法律として出るまでは、ポ政令効力法律と同等に認めるというわけですね。
  15. 岡崎勝男

    岡崎説明員 それがこの法律案であります。
  16. 林百郎

    ○林(百)委員 それからこれに関連して、もしあと議題になるならそのときでいいのですが、予算がいつごろ出るか、それから施政方針演説なんか、いつごろやる予定ですか。
  17. 岡崎勝男

    岡崎説明員 まだはつきりしたことは決定しておりませんが、例年の例によりまして休会明け国会になろうと思つております。
  18. 林百郎

    ○林(百)委員 年内にやる見込みはないのですね。
  19. 岡崎勝男

    岡崎説明員 年内にやる見込みはありません。
  20. 小澤佐重喜

    小澤委員長 あと岡崎さんに対して何か質問はありませんか。——それでは御苦労さまでございました。 —————————————————————
  21. 田渕光一

    田渕委員 きようはちよつと時間があるようですから、申し上げて結着をつけていただきたいと思うことがあります。実は十一月三十日の第十二臨時国会最終日議場内におけることであります。私が常々尊敬しておりまする椎熊先生なり、あるいは土井先生、あるいはまたわが党の倉石先生アメリカを親しく見て来られておりますし、また本日お帰りになりました中川議員にも、イギリス、フランスの国会状況について伺つたのでありますが、あちらの方では、婦人議場に入るときは帽子をかぶつておらないそうであります。ところが三十日の晩に、社会党の山口シヅエ君と堤ツルヨ君のお二人が、帽子をかぶつたまま入つておられた。私は少くとも日本国会議場の神聖を汚したものというような感じまで受けたのであります。そこで自発的に何とかおとりを願えないかということを交渉いたしましたところが、そんなことは自由だというようなお二方の話であるし、加えてアメリカを見て来られた土井さんも来られて個人のことによけいな干渉をするなというようなお話つたのであります。そこで議場の出入口を監視し、あるいはこれを守つておられるのは衛視の方でありますから、議長うしろにおられまする当日の当番の衛視長に、なぜ注意をなさらなかつたかということを伺いましたら、注意をいたしましたと、こういうお話であります。それから警務部長にもそのことを申しますと、注意をいたしましたけれども、帽子でないと言つて入られました、こういうわけであります。当日はたいへん時間も切迫しておりまして、いろいろ参議院と衆議院との関係もあつて議場がごてごてしたことははなはだ遺憾でありましたけれども、将来ああいう態度でお二方ともお入りになるのであるか、もしまたこれをなさるとすれば、現行国会法あるいは議場の秩序というようなものとどういう関係になるかということを事務当局でもお調べになる必要があると思う。先進国の例、あるいはまた最近欧米を視察された方から向うの議会のあり方などを伺いましても、そういうことはないようですが、日本では敗戰後民主主義というものをはき違えた青年男女がいて、わがままをすることが民主主義だというふうに考えている者があり、そうした一般国民、ことに婦人層に及ぼす影響も大きいと思いますので、当日おられた林議長は今おられませんが、欧米の方を視察された岩本議長も御出席でありますので、こういう点について納得の行くように御説明を願い、私たちがこうして自発的にとつてもらいたいと申し上げたことが行き過ぎであつたか、あるいはまたお二方が何ら委員会等にもはからずにあのまま議場に入られたことが妥当であつたかどうかということを、こういう時間のある日におきめを願いたいと思うのです。
  22. 大池真

    大池事務総長 それならば一番しまいにお願いをしようと思つておりましたが、今田淵さんからのお話がございましたので申し上げます。衆議院規則の二百十三條には、帽子、外とう、えり巻かさつえというようなものの類を着用してはいかぬという規定があるわけであります。従いまして、当日二人の議員帽子ようのものを着用せられましてお入りになられる状況がありましたので、衛視の方から一応注意をいたしたそうでありますが、帽子ではないというようなことでお入りになつてしまわれて、始まる間もなく発見をされて、御承知通り実情に相なつたのであります。従いまして、本人帽子でないと言つても、議長において帽子だとすれば、当然二百十三條違反になりますが、当日は御承知通り実情でございまして、最終日でもあるし、ああいうものは常識的には当然帽子だとわれわれ思いますけれども、本人帽子じやないと、こうおつしやつておるような関係で、実は急激な処置がとり得なかつたのでありますが、帽子であるとすれば当然二百十三條違反になるわけで、その点今度の議会からは、ああいうものが帽子であるか帽子でないかというような議論が出ないように、はつきりおきめを願いたいと思つてつたわけであります。なお私も副議長さんと御一緒にアメリカを見て参りましたが、地方議会並びに国の議会にも婦人議員はおられましたが、少くとも議場では別に帽子はかぶつておられません。それだけは御報告を申し上げます。
  23. 田渕光一

    田渕委員 今事務総長から、衆議院規則の二百十三條を引用されてお話がありましたが、そうであれば、入るときに注意をした衛視の言うことを聞かないならば、懲罰委員会に付せられたわけです。当日はそれで終るというから、われわれは動議を出すこともできずに、準備をしただけで終つておるのであります。私は、婦人議員としてこれは行ぎ過ぎであると思うから申し上げるのでありますけれども、なぜ議長注意をなさらなかつたか。もし議長が、最終日だから穏やかにするというのなら、なぜ事務総長警務部長に命じ、警務部長衛視長に命じてそれをとらせなかつたか。私は議場の品位を保つ意味において、当日の事務総長並びに議長態度というものにあきたらぬのであります。この点について私ははつきりさせたい。当日どうだつたから、こうだつたからということで、この規定が犯されてよいものではありません。いかなる場合においても、規定規定として峻嚴に守らなければならぬと思うのであります。少くとも婦人議員も冷静でかぶつてつて、決して興奮したとか、感情に走つたとかいうようなことではありません。これは帽子じやないというけれども、看護婦が頭に載せているきれでも帽子言つております。コツクがかぶるものも帽子言つております。常識から見てりつぱな帽子であるものを見逃したという点に、議場の神聖というものを傷つけたと思うのであります。この点について、まずはつきり事務総長のお考えを伺いたい。
  24. 椎熊三郎

    椎熊委員 関連してですが、規則には「議場に入る者は」とあるのだが、衛視さんたちはどうなんですか。帽子をかぶつておる。
  25. 田渕光一

    田渕委員 これは正装です。
  26. 大池真

    大池事務総長 これは正裝で、許可を得ておるということになつておるわけです。今田淵さんから非常におしかりを受けて申訳ないのですが、あらかじめ議長に対して、帽子であろうとなかろうと、帽子類似のものをかぶつて入るときに許可を受けに来られれば、はだして許可をするかしないか、それは議長のお考えでおやりになつたことと思いますが、実は事前にああいうものをかぶつて来るという許可を受けていないのであります。従いまして、許可なくして二百十三條にいう帽子類似といいますか、帽子そのものをかぶつて来られたということについては、はつきり帽子だということになつておれば、当然衛視としてお断りしたでしようが、先ほど申し上げました通り、ごく小さな、つばのないようなものでありまして、帽子でないと御本人が言うものですから、はたして帽子であるかどうかということを衛視そのもの認定して、これは帽子だから入れないということを言いかねて、そういうようなことになつたと思います。従いましてああいうような、つばもないような、頭に載つかつておるようなものが帽子であるかないかという問題は残ると思いますけれども、常識的に言えば田淵さんのおつしやる通りだと思います。あのときにも、会議が開かれていなかつたり、あるいは進行中でも時間がありますれば、休憩してその認定を受けてやることは当然だと思いましたが、ああいう際で、ございましたので、事情やむを得ずああいうことになつて、その間に規則を嚴守しなかつたというような方がございますれば、十分おわびを申し上げるよりほかございません。  それからなお、衛視は直接議長指揮命令のもとにやつておりますが、事務総長といたしましては警察権を持つておりませんので、議長補佐の任として自分意見だけを申し上げるよりなかつたのであります。けれども御承知通り着席をしておつて、どんどん議事進行中にいろいろ十分お話もできませんので、あの場合、もしなし得るならば休憩をしてやるよりなかつたのでありますが、休憩中に帽子であるか、帽子でないかの議論をしておれば会期が終つてしまいますし、まだ委員任命等議題もありましたので、議事上いかがかということで、実はこの際休憩いたしましようかということを議長に御相談いたしましたところが、休憩しないでやつてしまおうということで、議長命令によつて休憩をせずに進んだようなわけでありますから、どうぞあしからず。
  27. 田渕光一

    田渕委員 今の御説明でよくわかりました。聰明な事務総長帽子であるか帽子でないかの判断がつかなかつたという。ところが入口に立つている衛視さんが帽子であると見ていけないと注意した。衛視帽子だと言われるものを事務総長帽子と見られぬ。一体事務総長の奥さんでもお嬢さんでも、洋装なさるとき、どういうものを帽子と見なさるか。そういう定義をはつきりしておかなければならぬ。
  28. 大池真

    大池事務総長 私の子供は帽子をかぶりませんから、その点は御答弁申し上げかねますけれども、私自身として、常識的には帽子だと思うのであります。衛視もおそらくそう認定をして注意をされたと思うのですが、本人帽子でないと言われたので、はたしてこれを衛視限りで帽子と認めてよいかどうかということが問題で、そのまま入つてつたものではないかと考えます。
  29. 田渕光一

    田渕委員 私はいつも事務総長の円満なる常識的なお取扱いに対して敬服しておりますから、総長に対してはこれ以上は申し上げません。そこで岩本議長さん、あるいは中川さんというような、欧米を親しく御視察なさつて来て日本国会を向上さそうと考えられておる方々が、これをどういうぐあいにお取扱いなさるかということを伺いたい。
  30. 椎熊三郎

    椎熊委員 議長意見なんか聞いても、大体事務総長と同じだろうと思うので、今後は帽子とみなされるものはかぶらないということにすればいいのではないですか。欧米がどうだつたなんて言つても、欧米でも一人くらいかぶつているのが出て来れば困るから、欧米はどうでもいい。日本国会では、こういう規則がある以上、かぶつちやいけないということにすればいい。衛視さんがかぶつている帽子でも、規則には「病気その他の理由によつて議長許可を得たときは、この限りでない。」とあるが、「その他の理由」というのは、病気その他これに類似した身体障害というようなことであつて衛視さんの場合は権威をつけるというようなことなんで、この條文の「その他の理由」でもなく、衛視は特にそういう制服制帽で入るべしという法的根拠がないのです。これは不完全だと思うので、やはりそういうことも研究しておく必要があると思うのです。しかし議員たるものは三百十三條によるべし。われわれが見て帽子と思われるものは、本人がいかに民主主義を振りまわそうとも、断固としてこれをとらせる、そうしたらいいんじやないですか。
  31. 小林運美

    小林(運)委員 ちよつとこれに関連したような、あるいは関連でないかもしれませんけれども、今のは議員の本会議場の場合ですが、委員会なんかで、秘書なんかがハンド・バツグを持つて入ると、これはいかぬというようなことを言われたことがあるのです。ああいうものはどう見るのですか、事務総長に伺いたいと思います。
  32. 大池真

    大池事務総長 それはハンド・バツグといつても、えり巻だとか、かさつえの類とある、その類の力でしようが、とにかくハンド・ハツグも小さければよいけれども大きいのはいかぬということですから、そういうものを御遠慮願うということでして、ハンド・バツグがその類の中に入るか入らぬかということも御議論がありましようが、そういうことを一応衛視の方で注意して、それによつて皆さん御善処願えるものと思います。
  33. 小林運美

    小林(運)委員 女の人は、それにさいふとか、ハンカチとか、ポケツトがわりに入れて持つて歩く。あるいはまた代議士に連絡するための書類を入れたハンド・バツグを持つて入るというようなことがある。そういうことについて何か規則がありますか。
  34. 椎熊三郎

    椎熊委員 トランクでも持ち込んだというのなら怒つてもよいが、ハンド・バツグぐらいならいいのではないですか。
  35. 大池真

    大池事務総長 ハンド・バツグも、どの程度のものを持つて来て注意を受けておるか、個々の場合について、あるいは行き過ぎがあつたかもしれません。小さなハンド・バツグくらいなら、そういうことを言う必要もないかもしれませんが。
  36. 林百郎

    ○林(百)委員 それは議場に入る場合でしよう。議場外ならハンド・バツグを持つてつてもいいのではないですか。
  37. 大池真

    大池事務総長 いけないということはないので、おそらく注意を受けたというのは、どの場合にだれが受けたのか存じませんが、そんなものはなくてもいいと思つて、ただ好意的にと申しますか、注意的に申し上げただけだと思います。
  38. 林百郎

    ○林(百)委員 それはどこに基いてそういう注意をする権限がありますか。
  39. 大池真

    大池事務総長 注意はどんなときでも……。
  40. 林百郎

    ○林(百)委員 何かなければ、ただ主観的にやられては困るでしよう。どこに基いてハンド・バツグを持つちやいかぬという注意をする権限衛視にあるのですか。異様な服装だとか、他人に危害を加えるということなら別ですけれども、規定はないでしよう。
  41. 大池真

    大池事務総長 規定はございません。
  42. 林百郎

    ○林(百)委員 そんなら問題はないじやありませんか。
  43. 小林運美

    小林(運)委員 そうすると、議場の中はハンド・バツグはいいのですか。
  44. 椎熊三郎

    椎熊委員 現に持つてつているよ。
  45. 林百郎

    ○林(百)委員 それから田淵君から今お話が出ましたが、しかし自由党の諸君の注意の仕方も、ぼくは注意すべきだと思うのです。直接婦人議員のそばへ行つて実力行使に出んごとき態度でやつておるということも注意すべきだと思うのです。
  46. 田渕光一

    田渕委員 おとりなつたらどうですと言つたので、それは怒るのはあたりまえです。
  47. 林百郎

    ○林(百)委員 怒つても、議場警察権というのは議長が握つておるのですから、議長を通じてやるならよいけれども……。
  48. 田渕光一

    田渕委員 議長に言つたけれども、議長がやらないから……。
  49. 林百郎

    ○林(百)委員 今にもぶんなぐられそうなんです。ことに石田博英君のごときは大上段に手を振りかざしてやつておる。あれは注意した方がいいと思うのです。
  50. 椎熊三郎

    椎熊委員 その問題はその程度にしましよう。
  51. 小澤佐重喜

    小澤委員長 それではこの問題は、先ほどお話合い通り一応帽子とみなして、以後はかぶらないようにお願いすることにいたします。
  52. 田渕光一

    田渕委員 そうすると山口シヅエ君と堤ツルヨ君には、事務総長あるいは議長からでも何とか御注意を願えましようか。
  53. 小澤佐重喜

    小澤委員長 それは松井君からでも言つてもらつたらいいと思います。     —————————————
  54. 小澤佐重喜

    小澤委員長 それでは十三回国会のことにつきまして、一つ一つ具体的に伺つておきたいと思います。  まず議席及び控室の件でありますが、これは従来通りで御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  55. 小澤佐重喜

    小澤委員長 それでは議席及び控室の件は従来通りと決定いたします。
  56. 小澤佐重喜

    小澤委員長 それから議場内交渉係のことですが、これは変更ありますか。
  57. 林百郎

    ○林(百)委員 私の方は追つて通知いたします。
  58. 小澤佐重喜

    小澤委員長 それでは変更のあるところは至急御通知を願います。     —————————————
  59. 小澤佐重喜

    小澤委員長 次に議事進行係の件ですが、これも従前通りでよろしゆうございますね。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  60. 小澤佐重喜

    小澤委員長 それでは従前通りといたします。     —————————————
  61. 小澤佐重喜

    小澤委員長 次に議院運営小委員の員数及び選任の件、庶務小委員会設置の件、院内の警察及び秩序に関する小委員会設置の件ですが、これらも従来通り設置することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  62. 小澤佐重喜

    小澤委員長 それではこれらも従来通り設置することに決定いたします。
  63. 大池真

    大池事務総長 そこで議院運営小委員と院内警察の小委員の比率による割当を申し上げますと、委員はそれぞれ十名でございまして、自由党が六名、民主党が、元は二名だつたのですが、今度は一名減りまして一名、社会党が一名、共産党が一名、これで九名でございましてあとの一名を欠員にしておくか、それともどこかへ持つて行くかということをおきめを願いたいと思います。
  64. 椎熊三郎

    椎熊委員 小会派全体に一人やつたらどうです。
  65. 大池真

    大池事務総長 それならば、そうおきめ願いたいと思います。そうすると議院運営小委員と院内警察の方の小委員は六、一、一、一となりまして、もし小会派の方へ行くならば、小会派の方で、社会党の二十三控室なり、あるいはその他から一人ということになります。
  66. 椎熊三郎

    椎熊委員 私の方は何で減つたのですか。
  67. 大池真

    大池事務総長 民主党が減つたのと、社会党が二つにわかれましたために、比率が違つて来たわけです。
  68. 小澤佐重喜

    小澤委員長 それではただいまの小委員の問題は、今事務総長お話通り割当を御承認願つて、各党で次回までにお出しを願うことにいたします。
  69. 大池真

    大池事務総長 なお庶務小委員の方の割当を一応申し上げますと、この方は七名でございまして、自由党が二、民主党が一、社会党が一、共産党が一、それに運営委員長入りまして、あと一名は、小会派として一番大きな農協から出ておつたのですが、今度社会党の二十三控室ができましたから、あるいはそこからでも、とにかく小会派の一名を出していただくことになります。
  70. 土井直作

    土井委員 最後の一はどこに行くのですか。
  71. 大池真

    大池事務総長 小会派として一名でする
  72. 今村忠助

    ○今村(忠)委員 これも従前通りでいいのではないですか。
  73. 小澤佐重喜

    小澤委員長 それでは庶務小委員会は従前通りとして、各派で変更がありましたら、またお届出を願いまする     —————————————
  74. 小澤佐重喜

    小澤委員長 次に特別委員会設置の件であります。
  75. 林百郎

    ○林(百)委員 これは何と何ですか。
  76. 大池真

    大池事務総長 公職選挙法と、海外同胞引揚と、行政監察、この三つでございます。
  77. 小澤佐重喜

    小澤委員長 これはこの次までに各党で御検討を願うことにいたします。それから委員割当は従前通りでよろしゆうございますか。
  78. 大池真

    大池事務総長 委員割当でございますが、今度は通常会でございますので、召集日正午現在で一応割当てることになつておりますが、もしただいまの現実の状況割当てればこういうものになるという表がありますから、お配りいたします。それによりますと、ちよつと修正を願わなければならぬ点がございます。内部のやりくりはいずれまたお願いするといたしまして、現在通りといたしますと、ただいま差上げました表の一番下の増減のところを見ていただきます。社会党が二つになりましたために、社会党の二十三整室の方で二人多くとり過ぎておるわけであります。その二人をどこか減して、社会党の方に返していただきます。それから第三倶楽部が結成されましたために、民主党の方で一人多過ぎますから、第三倶楽部の方へ出していただきます。あとはどこにもプラス、マイナスはございません。
  79. 林百郎

    ○林(百)委員 私の方はプラス二とありますね。これは何ですか。
  80. 大池真

    大池事務総長 今までの割当数は二十五ですが、今度は二十七で、プラス二になるわけです。しかし現に二十七とつておりますから、そこで増減はないわけです。
  81. 林百郎

    ○林(百)委員 そうすると、予算のところは私の方は三人割当がありますね。予算は三とれるが、そのかわりどつか出すということになりますね。
  82. 大池真

    大池事務総長 そういうことです。
  83. 小澤佐重喜

    小澤委員長 それではこの問題は、ただいま事務総長からお話したように各党派で適当に入れかえを願います。     —————————————
  84. 小澤佐重喜

    小澤委員長 次に開会式の件ですが、これは十二月中の審議方針をどうするかということとからんで来ると思うのです。これをどうするかということを御協議願います。
  85. 大池真

    大池事務総長 開会式を暮れのうちにやるか、一月の総理の施政方針演説等のできる時期まで待つかということについて、いつもの例によつて一月に行うということになりますと、結局一月の幾日までに総理の施政方針演説等が間に合つて、幾日まで年末年始の休会をするか、その休会は決議による休会とするか、自然休会の形で行くか、こういうことがございますが、ただいまの官房長官お話によりましても、一月の幾日ということがまだ決定せられていないようですから、実際国会が十日から開かれまして、先の見通しがつきましたところで、また御決定を願つたらどうかと思います。
  86. 小澤佐重喜

    小澤委員長 大体自由党の方ではきまつているのです。一月二十二日に開会式をしてもらいたいということです。去年は二十日だつたですね。
  87. 大池真

    大池事務総長 ちようど来年の一月二十日が日曜日になりますから、二十一日か、その辺……。
  88. 小澤佐重喜

    小澤委員長 二十一日は私どもの方の党大会があるので、ひとつ二十二日にお願いいたしたいのです。
  89. 林百郎

    ○林(百)委員 そうすると自由党に聞きますが、開会式を二十二日にやるといたしますと、予算案の提出も、施政方針演説も、二十二日ごろと見てよいわけですね。
  90. 小澤佐重喜

    小澤委員長 もちろんそうです。
  91. 椎熊三郎

    椎熊委員 去年は自然休会でしたか。
  92. 大池真

    大池事務総長 そうです。
  93. 小澤佐重喜

    小澤委員長 それでは一応そういう方針にしておきます。     —————————————
  94. 小澤佐重喜

    小澤委員長 そうすると十日の問題ですが、白井君がなくなりましたので、十日の日に院議による追悼の問題があるのですが、この点について事務総長から従来の例等を御説明願います。
  95. 大池真

    大池事務総長 これは閉会中におなくなりになりますと、議長の手元で前例に基いた弔詞その他を差上げまして、次の国会の初めに追悼演説をいたすことになつております。今度は、伺いますれば十日の二時から三時に告別式を行われるそうでありますので、十日の召集日の午前中にお集まりを願えば、その日に追悼演説もでき、院議をもつて弔詞が差上げられることになりますので、そういたしたらどうかと考えております。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  96. 岩本信行

    岩本議長 そういたしますと、二時から三時というのは一般告別式でして、弔詞を呈する時間は一時から二時の間になりますから、午前中やつていただけばよいと思います。
  97. 小澤佐重喜

    小澤委員長 十時の召集でございますから、すぐできると思います。演説をやる人はどういたしますか。
  98. 大池真

    大池事務総長 それは土井さんが同一選挙区の反対党の長老でございますから……。
  99. 林百郎

    ○林(百)委員 十時に召集になるとしても、何時ごろに本会議をやることになるのですか。
  100. 大池真

    大池事務総長 かりに十時が十一時になりましても、議席を指定するだけでありますから、すぐできます。
  101. 小澤佐重喜

    小澤委員長 それでは第一日目は、ただいま申し上げました通り白井君に対する弔詞贈呈の件だけをきめまして、第二日目に入るわけでありますが、第二日目からは、ただいま官房長官から御説明なつ法案審議を願うことになります。  なお議案が、今御説明通り三つか四つあるのですが、大体五日か六日あればできるのではないかと考えておるのです。できるだけ御協力を願つて早く済まして自然休会に入りたいと思います。幾日ということは今すぐ言えませんけれども、大体五日間くらいで御協力願つて、休会に入つたらどうかと自由党の方で考えておるようですから、御了承を願います。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  102. 大池真

    大池事務総長 そこで、今申し上げました白井さんの件でございますが、いつもの例によりまして弔慰金を差上げることになります。この弔慰金は予備金から支出をすることに御承認をお願いいたしたいと思つております。金額は六十八万四千円、ちようど歳費一年分で、今度歳費が上りましたので、少し上るわけです。
  103. 小澤佐重喜

    小澤委員長 これは前例による分でございますから、御異議ありませんね。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  104. 小澤佐重喜

    小澤委員長 それではさように決します。     —————————————
  105. 大池真

    大池事務総長 それから、いま一点御承認を願いたい点がございます。それは事務局の人事のことでございます。市橋翻訳課長が、これは特にお願いを申し上げて外務省から来ていただいておつたのでありますが、いずれ翻訳課の仕事が減つて参りますのと、ちようど外務省の方で人事の異動がございます関係で、この際そちらの方に復帰をいたしたいということで、外務省の方から照会が参つております。もしお許しが出ますれば、十二月十六日付で外務省の事務官として帰任をいたしたい、こういうことでございますので、御承認方をお願いいたしたいと思います。     「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  106. 林百郎

    ○林(百)委員 職員の人事の問題についてですが、これは総長は十分御存じだと思いますけれども、衛視が参観人に対する説明の仕方が悪いということで馘首になつた。本人に十分その意思がないのに、参観人に対する説明が悪いということを、紹介した議員の秘書に言われて馘首されたという問題があつて衛視諸君としても、一体どういう基準でこの中を説明していいのか、その説明の仕方一つで馘首されるというようなことがありとすれば、事務職員の身分上、将来非常に不安だというようなことを聞いておるのでありますが、何かそういうようなことがあつたのですか。
  107. 大池真

    大池事務総長 林さんからの今のお話でありますが、先ほども実はその点で林さんともお話しましたけれども、その問題だと思います。ある衛視が七十名くらいの参観人を御案内をいたしておりましてその間の説明、応答等において、衛視の職分としては確かに則を越えておる説明があつたということを聞いておりますが、実はその問題については、衛視が数多くの参観人を案内していろいろ説明をし、また質疑応答等もございましようから、そういう際には、国会職員としてお互いに守つて行くべき則を越えないように注意をして、警務課の方としては事前に指示をいたしてあるわけであります。その指示の範囲をはるかに越えたと認められるような説明があつたかに聞いておりますので、監督責任者としてはこれに注意をし、あるいはこれに対する処置をとらなければならぬという問題が最近において発生をいたしておつたのであります。その点について監督者として、本人いろいろ話をいたしておつたのでありますが、その話をいたしておつた事柄には、御本人はなかなか承服をせずにおられたのであります。従いましてもし本人がこれを承服しなければ、これに対して監督上の責任として、警務課としてはいかなる処置をとるか、あるいは身分上の問題としてわれわれとしても十分考慮をしなければならぬと考えておつた際でございます。その具体的な事実がどうなつて、監督者の方と本人の方とどれだけ話が進行しておるかということを、私どもとしてはまだ確と承知をいたしておらなかつたのでありますが、たまたま今問題になりました衛視は、私が議事課長をやつておりました際に長く使つておりまして、私よりもむしろ先輩格の中川という属官が紹介をして下れた人であります。従いまして、その中川君がそのことを聞き知りまして本人と十分打合せ、あるいは話合いをしたところ、御承知通りただいま各部課で、もし自分から行政整理による退職を希望して来る者があるならば、この際これを取入れてやる方が本人のために有利であるから申出をするようにということで、それとなしに話を進めておるわけでありますが、たまたまそれを聞きまして、ぜひ行政整理の中へ入れてもらいたいということで、本人と一緒に昨日朝早く辞表を持つて来て、ひとつお願いしたいということの申出があつたのであります。そのあと、その中川という前の属官が、昔の長い間のつき合いでありますので、私のところへ参りまして、この人は今神戸製鋼の人事課長をやつておるのでありますが、かつていろいろお願いして入れた衛視に何か行き過ぎたことがあるそうでございますけれども、ひとつこの際行政整理もあることでありますから、やめさしていただきたいということで、辞表を持つて参りましたので、私は本日その辞表を受理して、やめさせる処分をとつた次第であります。右御報告を申し上げます。
  108. 林百郎

    ○林(百)委員 総長も御存じの通り国会は各党が鋭い政策的な対立をしておるところでありまして、ことに衆議院は各党の間の対立がはげしいところでありますから、そういう中で国会職員が働くということは非常にむずかしいことだと私も思うわけです。そういう場合、たまたまある政党の議員さんの紹介した参観人を案内していたところが、その衛視説明がその政党の議員さんの気に入らなかつたからといつて、それをただちに、前に一度の注意もなくして首を切られるということになりますと、まつた衛視としては自分の職務なり身分の保全ということはなくなると思うのです。総長は辞表を出したと言いますが、これを調査をしてみると、やはり辞表を出させるようないろいろの工作もあつたやにわれわれも聞いております。またこの辞表は本人が書いたのではなくして、母親の字だということもわれわれは聞いております。従つてわれわれの方は、この問題をもう少し調査して、将来事実を明らかにして、議運の皆さんの再考をもお願いしたいと思つております。
  109. 椎熊三郎

    椎熊委員 君の方の党と関係があるのですか。
  110. 林百郎

    ○林(百)委員 私の方とは何も関係はないけれども、職員として問題になつおることで、われわれ聞いおるから言つておるわけです。われわれの方でもつとよく調査しましてもし本人みずからの意思でないということになると、ある特定の政党の議員意見だけで国会職員の身分が左右されるということにもなり、これは非常に不安定だと思うから、われわれとしては調査をした上、いずれ議運で問題にする必要があるなら問題にしたいと思います。
  111. 大池真

    大池事務総長 本人の意思かどうかということと、今の母親が書いたというお話でありますが、私が長い間使つた中川君から聞くところによると昨日私一時間半以上、一緒に食事をしながら一切聞いたのでありますが、朝七時半に中川君のうちへ本人がたずねて行つて、それから辞表を渡して、どうぞよろしくお願いしますと言つてちようど今いろいろの状況があるようですから——行政整理に入れてくださいということは言わなかつたそうですが、できるだけ有利になるようにしてくださいということを申し入れて、それから中川君が本人を連れて警務部の方に参りまして辞表を課長に渡したということで、昨日のうちに私の手元に来ておつたのでありますが、人の進退のことでありますから、本日まで待つてつたのであります。それを受取つてから二十四時間待ちまして、きようの晝ごろ決裁をした次第であります。右御報告を申し上げます。
  112. 林百郎

    ○林(百)委員 大分事実と違つておりますから、よく調べてみます。説明の仕方が悪かつたというだけで首になるというのでは、職員は身分の安心ができない。     —————————————
  113. 小澤佐重喜

    小澤委員長 この際渡英議員団の中川君から、ごあいさつがございます。
  114. 中川俊思

    中川俊思君 はなはだ僭越でございますが、ちようど私が議運に席を占めております関係上、ほかの諸君は郷里に帰られたりなんかしておる方もありますので、私が代表してちよつとお礼を申し上げるとともに、いずれ詳細は報告書か何かで出したいと思つておりますが、概略を申し上げてみたいと思うのであります。  このたびの私ども渡英議員団につきましては非常な御心配をかけまして、特に旅費の追加まで議運で御配慮いただいたことについては、一同非常に感激いたしたのであります。ロンドンに着きまして、すぐ翌朝在外事務所に参りまして、在外事務所から飛行機会社の方へ連絡をいたしましたところが、十一月二十九日以外に日本へ行く飛行機はない、こういうことでございましたので、私どもからそういう電報を打つてお願いするということになると、うまいことをやつておるのではないかというような疑いを持たれるのも困るからというので、ロンドンの在外事務所長の朝海君にわざわざお願いをしまして、実は朝海君から飛行機会社の方を確認してもらつて、電報を打つていただいたような次第であります。それについては議運でいろいろ御配慮をいただいて、さつそく追加の手続をおとりくださつて、厚く御礼を申し上げます。  英国の選挙は、御承知通りアトリーが選挙を突然決意いたしました理由の第一番は、保守党との差が非常に僅少であるために、政局がきわめて不安定な状況を続けておつたということであります。第二は、石炭、電力の不足対策や、外交問題の解決が非常に重大になつたこと、さらに左派の巨頭ベヴアンが、ゴーイング・アワ・ウエイ——わが道を行くという労働党の行き方を書いたというような問題がございまして、御存じの通り、アトリーは選挙を断行して多数をとつて、そうして政局を維持したい、こういうことから選挙を決意したのであります。  こまかいことは省きまして、選挙の状況でございますが、英国の選挙を見てみますと、一体どこで選挙をやつておるかという感じでございます。ポスター等は、ロンドン市内を歩いてみましても、ほとんど一日に一枚か二枚しか張つてあるのを見かけません。またメガホンであるとか、拡声機などは全然使つておりません。街頭演説なんかは、われわれ一行たつた一回ロンドン郊外で見たくらいでございまして、ほとんどそういう状況は見られない。しかしながら一たび夜の演説会に行つてみますと、さすがに選挙風景と申しますか、選挙気分が横溢しておりまして、どこの演説会へ参りましても千人以上の聽衆であつて、大きなところは二万人ぐらいの聽衆が入つておる。しかもその六割、七割は婦人であつたということでございます。選挙の結果はすでに皆さん方新聞で御承知通りでございます。選挙前、保守党が二百九十七おりましたのが三百二十一にふえ、労働党が三百十三おりましたのが二百九十四、自由党が九おりましたのが六に減つたわけでございます。それまでの一般輿論は、ギヤラツプを初めといたしまして、五十の差がつくだろうというふうに考えられておつたのが、わずか二十七の議席の差に終つたわけであります。そこでチヤーチルは、これではどうしても政局安定を期する上においてあまりに差が少な過ぎるというので、選挙直後ただちに、来年六月にはまた選挙をやらなければならぬということを声明するとともに、わずか六名の自由党の抱込みにかかつたのでありますが、御承知通りこれも失敗をしたわけであります。  現在の選挙法は一九四九年に制定しましたので、一九四九年法と称しておりますが、もちろん御承知のように一人一区制の小選挙区制でございます。有権者の数は、大体一区五万人を限度としておりまして、四万五千から六万ぐらいのところでございます。選挙費用は、制限費用として規定しておりますのは、都市が四百五十ポンドでございます。すなわち一ポンド千八円でございますから、日本金にいたしますと、都市は四十五万円、いなかは地域が広いというので、一人の有権者について一・三ペンスかがプラスされまして、結局七十三万円まで使えるということになつております。これは最も嚴格に規制されておりまして、各候補者はこれを嚴重に守つております。もしこの費用を越えたというような違反がありました場合には、日本のように裁判に対して二年も三年もかかるというようなことでなくして、ただちに当選無効が宣告されることになつております。それは各選挙区にリターニング・オフイサーと申しまして簡單に申しますと日本の選挙管理委員長と申しますか、一旦議会から出た者を再び議会に帰す役目だというので、リターニング・オフイサーと訳しておりますが、このリターニング・オフイサーが当選無効を宣言するのであります。そうして選挙運動につきましては、この制限内におきましては戸別訪問をやろうと、名刺を配ろうと、リーフレツトを配ろうと、演説会をやろうと、まつたく自由でございまして、名候補者はこの限られた費用の中で自由な選挙運動をやつております。投票日の様子を見ましても、投票に来ない者にはただちに自動車をもつて迎えに行くというようなことも、費用のうちであるならばさしつかえないということになつておりまして、各候補者はこれをやつておるようでございます。投票は一九一八年に記号式を採用して、今日までずつとこれに基いてやつて来ておるのでありますが、ただ私どもが奇異に感じましたのは、郵便投票の制度が設けられておりまして、軍人であるとか、商船に乗つておる者とか、在外官吏とか、つまり投票日にどうしてもそこで投票できない者のために、郵便による投票が採用されております。投票時間は午前七時から午後九時までで、なるべく投票を自由に多くさせなければならぬというので、晝間はそれぞれ仕事があるので、午後九時まで投票時間を設けておるようでございます。届出はすべて各選挙区におりますリターニング・オフイサーに届出をすることになつております。リターニング・オフイサーは、法律従つて選挙が公正に行われておるかどうかということを、多くの手足を持つておりまして十分監視をいたしております。供託金は百五十ポンドでございます。日本金にいたしまして十五万円でございますが、これはどうしてそんなに多いのかと聞きますと、ふざけた候補者をなくすためだといつてつておりましたが、とにかく比較的大きな供託金を納付させまして、投票総数の八分の一に達しない場合はこれを没收することになつております。同数の場合は、抽籖でリターニソグ・オフイサーがこれをきめる、こういうことになつております。有権者は、英国の人口一五千万のうち三千四百九十万でございますが、選挙のできない者は、受刑者、気違い、それから上院議員は下院の選挙はできないことになつております。また英連邦人で、一定期間居住している者は選挙権がございますが、一定期間居住していない者は選挙権がないことになつております。被選挙権のない者は、牧師と破産者と役人でございますが、但し役人のうち現業者はこの限りでございません。かようにして選挙が行われておるのでございますが、選挙関係者は必要な秘密を守ることを宣誓をさせられまして、これを犯した場合は百ポンドの罰金の体刑、こういうことになつておりまして、罰則はきわめて酷になつておりますが、しかし英国ではほとんど選挙違反というものはございません。一九五〇年度に施行せられた選挙でどのくらい違反があつたかと聞きますと、オンリー・ワンだといつております。それはどういう違反だつたかと聞きますと、郵便による投票の場合に、手続を誤つたのがたつた一つあつたきりだと言つております。私どもが買收なんかないかと言うと、買收とは何かと言う。英国ではマグナカルタの憲章をつくつて、国民は自由な権利をみずから宣言して、皇帝にまで誓わせたわけですが、その英国民が自分の権利を金で売るとか買うとかいうことは、常識上考えてあり得ない。事実またそういうことがあつたとするならば、一般社会から神士としての待遇を受けられないことになつており、同時に政治的生命を失うことになつておるのであつて、絶対にそういうことはない、こう言つておりますが、まことに私どもはうらやましく感じたのであります。  演説会の盛況ぶりにつきましては先ほど申し上げましたが、婦人の政治熱の高いことにはまつたく驚いたのであります。先ほどもちよつと触れましたが、どこのミーテイングに行つてみましても、婦人の聽衆が六割から七割、しかも英国の演読会の日本ちよつと異なつておりますところは、候補者なり応援演説者はわずか二十分か三十分しかしやべりません。あと二時間とか三時間というものは、徹底的に聽衆が質問をする。今お前はこういうことを言つたけれども、これはこういうふうな違いがありはしないか、この問題は一体どういうふうに考えておるのかということにつきまして、候補者のわずか二十分か三十分の演説に対して、聽衆の中からいろいろな質問が飛び出す。そうして徹底するまで、納得の行くまで聞いて、そうして自分の投票をする人をきめる。こういうことをまのあたり見せられたのであります。しかもその間下劣なやじであるとか、あるいはなぐり合いであるとかいうことは、全然見られぬのであります。それから選挙運動中は、ただいまも触れましたように、ほとんどどこで選挙をやつておるかわからぬような状態でございますが、夜の演説会の盛況ぶりと、開票のときの熱狂ぶりには驚きました。開票の速報はロンドン市内で三箇所やつておりました。私どもトラフアルガー・スクエアーのデーリー・メール一社の速報台を見に行つたのでありますが、あのビルデイングの中腹に幻燈で映し出すのであります。二人の旗手が馬に乗つておりまして、片つ方はチヤーチルが乗つておる、片つ方はアトリーが乗つておりまして、労働党が勝ち出しますと、アトリーの乗つておる馬がちよつと頭を出す。逆に保守党が勝ち出しますと、チヤーチルの乗つておる馬がアトリーの馬をちよつと追い越す。こういうことを幻燈で映し出しまして、その都度二十万近く集まりました観衆の歓声が、その広場をゆるがすという状況でございます。  英国は完全に小選挙区制が実施されておりまして、政党の統制力が強化されておりますから、一つの選挙区から同じ政党の候補者が二人立つということは絶対にございません。従つて開票の結果も、人の名は一切出さないのであります。レーバーが何票、ユンサヴアテイヴが何票というだけでございまして、レーバーのだれが何票、あるいはユンサヴアテイヴのだけが何票ということは一切出しません。労働党が勝ちますと、アトリーの得意満面の笑い顔を幻燈で映して、そのあとチヤーチルの葉巻をくわえて苦虫をかみつぶしたような顔が出る。保守党が勝ちますと、チヤーチルの得意満面な顔が出て、そのあとアトリーの苦い顔が出る。そうして労働党が勝つと、労働党フアンは喝采で大騒ぎをする。婦人なんかはダンスを始めるというありさまで、まつたくものすごい状況でございます。しかしその間、私どもは夜の十一時から明け方の四時までこの状況を見ておつたのでありますが、まつたくなぐり合いという状況は認められなかつたのであります。  とにかくこういうような状況でございまして、英国では小選挙区が非常に完全に実施されておる。そこで、これをすぐ日本へ持つて来たらどうかというような説もございますが、私けさもちよつと総務会で、総務会長や幹事長からの質問に答えたのでございますけれども、日本でもし政党の統制力が強化されて、一つの選挙区で自由党なら自由党たつた一人しか出ないという状況になり、また費用の制限が完全に英国のように守られるというようなことになりますならば、もちろん小選挙区は理想だと考えております。しかしながら、現在の日本がはたしてこれを受入れられるかどうかということについては、多大な疑問なきを得ないことは皆さんと御同様に考えておるのであります。とにかく完全に小選挙区制が実施をされておりまして、そうして国民は先ほど申しましたようなマグナカルタの憲章をつくつて、キングにまでこれを誓わせたのであるから、その自分らの権利を放擲するということは絶対にしない。こういうことが完全な遵法精神となつて法律が守られておるのでございます。これと比較して、日本はまことに情ないことだと考えたのでございます。  詳細はいずれまた文書によつてみんなで打合せて御報告申し上げたいと思いますが、概略御報告申し上げまして、お札の言葉にかえます。(拍手)
  115. 小澤佐重喜

    小澤委員長 それでは次会は十日の午前九時といたしまして、本日はこれで散会いたします。     午後三時二十八分散会