○稻田
説明員 お答え申し上げます。戦後におきまして、本年でございますが、第八回の国際
冷凍会議及び
国際冷凍協会の総会がロンドンで開催せられまして、これには
日本から代表が参加いたしたわけであります。総会はおもに全般の政策問題でありますが、
冷凍会議におきましては專門
技術的に各部門にわかれまして、いろいろ研究されたわけであります。
項目としてあが
つておりますものは大体、低温物理と熱力学の学術上の問題、
冷凍工業上の機械工業に関する問題、いたみやすい生な食品に関する
冷凍の応用、それから
冷凍機械、製氷工場、化学工業への応用、海上陸上の輸送、一般
経済、統計、法規、こういうような問題につきまして部門別にいろいろ検討せられたわけでございます。
この
国際冷凍協会に加入いたしますことによりまして、
わが国の学術ないし産業がいかなる利益を受けるかという点についてでございますが、
国際冷凍協会の
目的といたしておりますことは、
冷凍の
科学及び
技術についての研究及び
調査の進歩をはかることであるのでありまして、この点からいたしまして、
わが国は最近
冷凍関係の学術が長足の進歩はいたしておりますけれども、なお
各国と比較いたしまして、相当その間径庭のある問題もあるような次第でございますので、ここに加入いたしまして各種の情報を得ますることは、
わが国産業技術の進歩の上から見まして、非常に有益だと考えられておるようなわけでございます。ことにこの
冷凍の問題は、主として成立ちが食品の冷蔵という点を中心としてでありまするけれども、御
承知のように低温
技術の問題は、単に食品ばかりではありませんで、製鉄、石油あるいはその他繊維工業、ゴムあるいは航空機工業、あるいはペニシリン等に広く応用せられる問題でありますので、単に食品部門ばかりでなく、
わが国の学術の諸
方面に非常な利益を与えられておることと考えております。