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1951-10-19 第12回国会 衆議院 運輸委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十月十九日(金曜日)     午後二時二十二分開議  出席委員    委員長代理 理事 大澤嘉平治君    理事 岡田 五郎君 理事 原  彪君       稻田 直道君    大西 禎夫君      岡村利右衞門君    尾崎 末吉君       片岡伊三郎君    黒澤富次郎君       山崎 岩男君    木下  榮君       川島 金次君    江崎 一治君       飯田 義茂君    石野 久男君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 山崎  猛君  委員外出席者         運輸事務官         (鉄道監督局国         有鉄道部長)  石井 昭正君         專  門  員 岩村  勝君         專  門  員 堤  正威君     ――――――――――――― 十月十九日  委員 山口シヅエ君及び柄澤登志子君辞任につ  き、その補欠として川島金次君及び江崎一治君  が議長の指名で委員に選任された。     ――――――――――――― 十月十八日  国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案内閣  提出第一号) 同日  伊集院駅改築及びホーム移設に関する請願(上  林山榮吉紹介)(第三七号)  鹿兒島東京間に夜間急行列車復活請願(上  林山榮吉紹介)(第三八号)  伏木港の整備拡張促進に関する請願土倉宗明  君紹介)(第三九号)  荒海、滝原間鉄道敷設請願菅家喜六君紹  介)(第七七号)  自動車運送事業免許制度廃止反対に関する請願  (小淵光平紹介)(第七八号)  同(坪川信三紹介)(第一〇八号)  同外三件(藤枝泉介紹介)(第一〇九号)  日の影線ガソリンカー運転請願川野芳滿  君紹介)(第七九号)  船舶職員法の一部改正に関する請願高倉定助  君紹介)(第一〇五号)  新松島、一ノ関間鉄道敷設促進請願内海安吉紹介)(第一〇六  号)  明石、姫路間電化促進請願川西清紹介)  (第一〇七号)  仙台鉄道局厚生寮を旧所有者払下げ請願(  三浦寅之助紹介)(第一一〇号)  大宮、白河間電化促進請願尾関義一君外十  五名紹介)(第一一一号) の審査を本委員会に付託された。 同日  朝日町内港海底しゆんせつ促進に関する陳情書  (第一号)  紀勢線全通促進に関する陳情書外三件  (第一六号)  宇野、高松間の貨物輸送力増強に関する陳情書  (第三〇号)  貨車新造促進に関する陳情書外七件  (第三一号)  国鉄阪和線払下げ反対に関する陳情書  (第三三号)  水島港に海運局出張所設置陳情書  (第三八号)  紀勢線貫通に関する陳情書  (第三九号)  鉄道貨物輸送力増強に関する陳情書  (第四四号)  鹿兒島、門司港間準急列車継続運行に関する  陳情書(  第五七号)  鹿兒島測候地方気象台昇格に関する陳情書  (第六〇  号)  東京鹿兒島間夜間急行列車延長運転等陳情  書(第六  二号)  清水港特定重要港湾指定に関する陳情書  (第七六号)  貨車増配並びに青函間航送力増強に関する陳情  書  (第八八号)  伊万里湾燈台並び航路標識等設置陳情書  (第九一号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件。  国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案内閣  提出第一号)  昭和二十六年度国鉄関係補正予算に関する説明  聽取     ―――――――――――――
  2. 大澤嘉平治

    大澤委員長代理 これより会議を開きます。  委員長不在でありますので、私が委員長の職務を行います。  国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案を議題といたします。まず政府より提案理由説明を求めます。山崎運輸大臣
  3. 山崎猛

    山崎国務大臣 ただいまより国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案提案理由を御説明申し上げます。  日本国有鉄道は、昨二十五年度におきましては收支相償い、健全な経営をなし得たのでありますが、本年度に入りましてから、輸送量増大にもかかわらず、朝鮮動乱以降の資材値上り、及び生計費増加による職員給與ース改訂等、やむを得ない経費増加を必要とするに至つたのであります。これらの経費に充てるためには独立採算の建前から、運賃値上げによる増收をはかるほかないのでありますが、現在の物価情勢にかんがみまして、できるだけ経営合理化輸送量増加による増收等を期待いたして、人件費はほとんどこれによつてまかなうことといたし、運賃値上げ物価騰貴のための必要最小限度にとどめるために努力いたした次第であります。  先般日本国有鉄道から、この趣旨に基きまして、旅客運賃及び貨物運賃ともに三割五分引上げ申請提出されたのでありますが、運輸大臣といたしましては、さつそく運輸審議会に諮問いたしまして、審議会は四日間にわたつて公聽会を開き、広く一般の意見を聽取して、愼重審議の結果、旅客運賃二割五分、貨物運賃三割の引上げを可とする旨の答申があつたのであります。これは別途御審議を願う補正予算案とも相合致し、かつ妥当な線であると考えますので、政府におきましては、国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案として、本国会提出いたしました次第であります。  国有鉄道申請に対してこのように査定いたしましたのは、物件費値上り検討を加えますとともに、一方経営合理化節約を一層強化せしめまして、他方輸送量増加をより多く見込んだことによるものであります。  今回の運賃改正のおもなる点を申し上げますと、まず旅客運賃並び料金は、総体として二割五分の引上げでありますが、その際特に考慮いたしましたことは、遠距離旅客負担を緩和するため遠距離逓減をさらに強化したこと、及び定期旅客負担力を考慮して割引率をすえ置いたことであります。なお今回二等定期を新設することといたし、また特別二等車の料金は、従来その法的根拠が明確でありませんでしたので、これを明確にするための所要改正を加えたのであります。  次に貨物運賃につきましては、一律に三割値上げでありますが、最低運賃については値上率をやや緩和しております。貨物の価格に占める運賃の割合は、昭和十一年には四・六一%でありましたものが、現在は二・六八%に低下いたしておるのでありまして、今回三割の値上げをいたしましても、なお三・五二%でありまして、一般的には負担余力はあるものと考えられまするし、一般物価に及ぼす影響も僅少な程度にとどめ得るものと存ずる次第であります。なお貨物運賃につきましては、自動車海運等運賃との調整をはかり、正常なる輸送分野を確立する見地からも検討を加えた次第であります。  今日国民に幾分でも負担増加を願うことは、まことに心苦しい限りでありまするが、国鉄財政を健全化し、国民鉄道である機能を発揮せしめるためには、必要やむを得ない措置であるということを信じて、本提案をいたしたような次第であります。何とぞ御了承を願いたいのであります。  最後に、申し上げるまでもなく、本法案は、補正予算案と表裏をなすものでありまして、補正予算におきましては、運賃改正実施を十一月一日と予定しておりますので、重要案件の御審議にきわめて御多忙のことと存じますが、何とぞ御審議の上、予定期日実施相かないますように、格別の御配慮をお願いいたしたいと考える次第であります。
  4. 大澤嘉平治

    大澤委員長代理 本案に対する質疑は、次会に譲ります。     —————————————
  5. 大澤嘉平治

    大澤委員長代理 次に、国鉄補正予算につき説明を求めます。石井説明員
  6. 石井昭正

    石井説明員 日本国有鉄道の二十六年度予算は、去る通常国会において御承認いただいたのでございまするが、その予算を編成いたしましたのは昨年の八月当時でございまして、従いまして六月勃発いたしました朝鮮動乱影響見通しがほとんどつきかねておりましたために、これを考慮外として、一応当時の動乱前の経済上の姿で組んであるのでございます。従いましてこれを実施いたして参りまするにあたりまして、予想外経費増大いたして参つた。その理由は、物件費、特に国鉄の使用いたしておりまする主要資材は、鉄鋼あるいは木材あるいは石炭というような生産資材で、値上りの最も著しいものでございましたので、動乱前の基準で算定されておりましたために、いかにこれが節減方法を講じ、合理化を考えましても、とうていまかなつて行けないわけでございます。また同時に一般物価値上りとともに、生計費増嵩を来して参りましたために、給與改訂に関する要望も特に強くなりました。国鉄労働組合におきましては、この点を調停委員会に提訴いたしまして、その結果調停委員会におきましては、給與ベースを約二千四百円引上げて、一万八百二十四円ベースという調停案を出したような次第でございます。またただいまのは経費面でございまするが、收入面におきましては、輸送量が相当に増加いたしまして、輸送の逼迫を見るというような状態でございました。輸送量もこれまた予想外増加いたしておりまするが、この増收額も考えられていなかつたわけでございます。そこで今後今年度予算を実行して行くにあたりましては、この主要資材値上りをいかに解決するか、また従事員ベース改訂をいかにするかということに相なるのでありまするので、できるだけ各種の方策によりまして財源を捻出いたしましても、どうしても経費不足は免れませんので、別途十一月一日から運賃値上げをお願いいたしますとともに、それに応じて、所要必要最小限度経費増加をお認め願いたい、かように考えるわけでございます。  今年度経費増加いたしましたのは物価騰貴に基きまして約二百八十九億円ほど見込まれるわけでございますそれから給與改訂月額、これを八月からベース・アツプをするものといたしまして九十六億円、それから増送に伴う諸経費、つまり輸送量増大に伴う諸経費が約八十億円、それから今度政府一般方針に準じまして、国鉄におきましても若干の人員整理をいたすのでありますが、これに要しまする退職手当等経費増加いたしました分が九億円で、総計四百七十四億円の経費増加となるのでございます。一方経費節約及び人員削減に努めまして、約七十五億円の経費削減を見込みまして、結局経費増の差額が三百九十九億円増加の必要やむなきに至るのではないかと思うのでございます。收入の方は、旅客におきまして六十四億円、貨物におきまして百十七億円、雑收入におきまして二十二億円の増收を見込めるかと思うのでございます。そこで二十五年度利益金から受入れる二十三億円を加えまして、二百二十六億円と相なります。これだけ收入の方の増加が見込まれますので、差引不足額は百七十二億円と相なる次第であります。これによりまして十一月から運賃値上げを御承認いただきますれば、旅客において八十億円、貨物において九十二億円、合計百七十二億円の増收が見込まれ、ここに收支の均衡を得るという予定に相なる次第でございます。  以上は経営費の問題でございますが、一方工事勘定の問題は、これは当初御承認をいただきました予算額は三百十二億円でございますが、これでは物価騰貴に伴う資材値上りにも対応できませんし、かつ輸送量増加に伴う車両、施設の整備等にもかないませんので、相当多額の追加経費を要求いたしたのでありますが、何分にも一般財政資金の窮迫のために、十分なる財源を認めていただくわけに参りかねたのであります。しかしながらこれによりまして、さきに予定されました津軽、赤穂、窪川の新線の三線は、今年度中に営業開始すべく、追加見通しを得たのでございます。それから高崎線電化につきましても、年度内に繰上げて完成いたすために、必要な諸経費十三億を追加することができたのでございます。東海道線電化につきましては、当初予算で御承認願いました五億円を確保することを得たわけでございます。また車両につきましては、貨車新造は、当初の予算におきましては十五トン車四千六百両程度の見込みでございましたが、これは両数をなお一千両ほどふやしまして五千七百両といたしました。そのための増加両数に対する経費と、資材値上りによりますところの單価の増加を含めまして、三十一億円を追加計上いたしました。そのほか工事勘定所属職員給與改訂経費その他を含めまして、合計六十五億円の増加経費を計上いたしたのであります。これによりまして、今年度工事経費の総額は三百七十七億円と相なるわけでございます。これに要しまする資金といたしましては、運用部資金から追加借入金が五十億円と相なります。これは公布予算の百億円と合せて百五十億円と相なるわけでございます。それから残り十五億円は、前年度より持越しの資金十五億円を充当することにいたした次第であります。  お手元に差上げました資料の第一枚目の表は、補正を含めました年度全体の国鉄資金計画でございまして、損益勘定の部におきましては、運輸收入が一千三百六十四億円に対しまして、今回の補正をもちまして増送に伴う收入を百八十一億と計算いたしました。これと当初予算の千三百六十四億と合せました金額に対します運賃値上げ五箇月分の増收を百七十二億と大体計算いたしました。結局総体運輸收入は一千七百十八億八千九百万円と相なるわけでございます。これに雑收入増加その他等を加えまして本年度損益勘定收入は、当初予算におきましては千三百九十一億四千七百万円ということになつておりましたのを、今回の補正において一千七百九十億に改訂承認をお願いいたしたいと存ずる次第でございます。これに伴います経費といたしましては、経営費におきまして三百九十八億円の増加利子におきまして七千五百万円の増加でございまして、合計いたしまして、先ほど御説明申し上げました三百九十九億円の増加と相なりまして、結局当初予算の千三百九十一億円にプラスいたしまして、支出総計も一千七百九十億円と相なつておる次第でございます。  工事勘定の方は、当初予算にお認め願いました財源は、預金部よりの借入れが百億、政府貸付金の二十億、それから損益勘定からいわゆる特別補充取替費及び減価償却金として百九十二億円、総計三百十二億円でございますが、これに今回は預金部資金より五十億並びに前年度より持越資金として十四億九千万円を充てまして、合計六十五億円の増加で、総計三百七十七億八千万円ということに相なる次第でございます。  次に二枚目の表は、経費内訳を分析いたしたものでございまするが、結局千三百九十一億円のうち、損益勘定支出の千三百九十一億四千七百万円の当初予算のうち、経営費に相当するものが一千百四十九億円でございましたが、それに加えまして、補正予算といたしまとて物価騰貴のために増加する分を二百八十九億円、給與改訂に要するものを九十五億九千万円、輸送量増のための諸経費といたしまして七十九億六千万円、それに行政整理の——これは増加なつておりまするが、給與額としては減るのでありまするが、退職資金が一時ふくらみますので、その増加が九億二千万ということにいたしまして、それに対して諸経費節減を七十五億ほど加えまして、三百九十八億ということに相なりまして、経営費合計は千五百四十七億円と相なるわけでございます。これに利子七千五百万円、今回の借入金値上り分を計上いたしまして、減価償却、特別補充取替費、予備費については公布予算通りといたしまして、一千七百九十億円という経費損益勘定支出に相なるわけでございます。  次に第三番目は、工事経費補正でございまするが、これは御承知のように当初の公布予算におきましては三百十二億円で、そこに掲げてございますような内訳で御承認願つたのでございます。資材値上り等によりまして、どうしても工事を繰延べて、そうして緊急な工事に充当いたさなければならないために、補正の額におきまして、当初予算より相当減じた費目もございます。しかしながら先ほど御説明申し上げましたように、新線建設におきましては、一億一千万円増加いたしまして四億三千七百万円といたしまして、当初計画通りの新線の建設を期したわけでございます。電化設備費にいたしましても、十四億二千八百万円の増をいたしまして、これによりまして、高崎線年度内完成及び東海道線の当初予算等予定通り実施を期しておる次第でございます。結局諸設備費のうちで最も大きな車両費でございまするが、車両費につきましても、百三十五億円の予算に対しまして三十一億円を追加いたしまして、百六十六億円といたしまして、両数の増加及び資材値上りに対応いたした次第でございます。従いましてある種の費目につきましては、遺憾ながら当初予算で御承認を願いました事業計画通りの遂行ができないで、多少削減をいたし、繰延べをいたしました費目もございまするが、御了承を願いたいと存ずる次第でございます。  大体今回当国会におきまして、御審議を願いまする国鉄補正予算の概要は、以上の通りでございます。
  7. 大澤嘉平治

    大澤委員長代理 本日はこれにて散会し、来る二十二日午前十時より開会いたします。     午後二時四十八分散会