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1951-09-04 第11回国会 参議院 文部・法務連合委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年九月四日(火曜日)    午前十時三十一分開会   —————————————  委員氏名   文部委員    委員長     堀越 儀郎君    理事      加納 金助君    理事      高田なほ子君    理事      若木 勝藏君    理事      木内キヤウ君            川村 松助君            木村 守江君            工藤 鐵男君            平岡 市三君            荒木正三郎君            大野 幸一君            河崎 ナツ君            和田 博雄君            高橋 道男君            山本 勇造君            駒井 藤平君            矢嶋 三義君            岩間 正男君   法務委員    委員長     鈴木 安孝君    理事      伊藤  修君    理事      宮城タマヨ君    理事      鬼丸 義齊君            北村 一男君            左藤 義詮君            長谷山行毅君            山田 佐一君            齋  武雄君            棚橋 小虎君            岡部  常君            中山 福藏君            一松 定吉君            羽仁 五郎君            須藤 五郎君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○教育及び文化に関する一般調査の件  (国立文教地区指定に関する件)  (右件に関し証人証言あり)   —————————————    〔文部委員会理事加納金助委員長席に着く〕
  2. 加納金助

    委員長代理加納金助君) 只今から文部法務連合委員会を開会いたします。先例によりまして不肖私が委員長をいたします。かねて文部委員会におきまして調査いたしておりました国立文教地区指定に関する件につきまして、法務委員会と連合いたしまして、それぞれの関係かたがた証人として御出頭を願つて開会いたすことにいたしたのであります。事件内容はすでに皆さん御承知のことと存じまするので、ここに改めて申述べませんが、早速証人かたがたから証言して頂くことにいたします。  先ず宣誓に入る前に証人に御注意を申上げます。証言する場合、若し虚偽証言を陳述されたときは、議院に於ける証人宣誓及び証言等に関する法律第六条によりまして、三月以上十年以下の懲役に処する罰則があります。又正当の理由もなく宣誓若しくは証言を拒んだときには同法第七条によりまして、一年以下の禁錮又は一万円以下の罰金に処せられることになつておりますから、この点御注意を申上げます。但し「民事訴訟法第二百八十条(第三号の場合を除く。)及び第二百八十一条(第一項第一号及び第三号の場合を除く。)の規定に該当する場合に限り、宣誓又は証言若しくは書類の提出を拒むことができる。」こうなつております。念のために先ず民事訴訟法第二百八十条の該当部分を朗読いたします。  第二百八十条 証言カ証人ハ左ニ掲クル者ノ刑事上ノ訴追又ハ処罰招ク虞アル事項ニ関スルトキハ証人ハ証書拒ムコトヲ得証言カ此等ノ者ノ恥辱ニ帰スヘキ事項ニ関スルトキ亦同シ  一 証人配偶者、四親等内ノ血族若ハ三親等内ノ姻族又ハ証人ト此等親族関係アリタル者  二 証人ノ後見人又ハ証人ノ後見ヲ受クル者  次に民事訴訟法第二百八十一条の該当部分を朗読いたします。  第二百八十一条 左ノ場合ニ於テハ証人ハ証言拒ムコトヲ得  二 医師歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士弁護人公証人、宗教又ハ祷祀ノ職ニル者ハ此等職ニリタル者カ職務知リタル事実ニシテ黙秘スヘキモノニ付訊問受クルトキ前項規定ハ証人カ黙秘ノ義務ヲ免セラレタル場合ニハ之ヲ適用セス  以上であります。総員起立をお願いいたします。佐藤証人からお願いいたします。    〔総員起立証人は次のように宣誓を行なつた〕     宣誓書  良心従つて真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。         証人 佐藤 康胤     宣誓書  良心従つて真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。         証人 池田由太郎     宣誓書  良心従つて真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。         証人 田島 守保     宣誓書  良心従つて真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。         証人 赤松  要     宣誓書  良心従つて真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。         証人 松岡 きく     宣誓書  良心従つて真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。         証人 三田 章作     宣誓書  良心従つて真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。         証人 中村 武彦     宣誓書  良心従つて真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。         証人 加藤 清一
  3. 加納金助

    委員長代理加納金助君) 御着席を願います。  なお証言時間の点でありまするが、大体お一人五分間前後で如何かと存じます。委員諸君からの御質疑は二人のかたの証人の発言が終りましてからお願いしたいのであります。では佐藤康胤君より証言を求めます。
  4. 佐藤康胤

    証人佐藤康胤君) 私国立町長といたしまして、文教地区指定につきましての、この問題に対する経過ちよつと申上げたいと存じます。  この国立町は皆様御存じ通り四月の一日に旧谷保村に町制を施行いたしまして国立町と改正いたしたのでありまするが、この国立町は昭和の初め商科大学発展して参りまして、いわゆる学術都市として発達して参つたことはすでに皆様御存じ通りであります。その後に至りまして、戦争中見るべき発展もなかつたのでありまするが、終戦後いろいろ社会情勢の変化によりまして非常に長足の進歩を遂げまして、最近はいかがわしい商売も非常に殖えて来たというふうな見方もありまして、是非町制を施行したこの際にこの国立浄化問題を取上げたいというふうなお話がぼつぼつ出て参りまして、私が最初この問題を耳にいたしましたのは五月の六日でございます。池田議長さんが自宅に見えまして、国立浄化問題がぼつぼつ始つたが、是非一つ協力してもらいたい、こういうふうなお話がありまして、その後五月の十五日になりまして国立浄化期成同志会松岡会長さん初め七名のかたがた役場見えまして、是非文教地区指定をしたいのだけれども、協力してもらいたいというような御要望もありました。この御要望に答えまして、五月の十九日に午後八時から総務委員会並びに各部の委員長さんにお集り願いまして、役場の二階でこの国立町の浄化問題についていろいろ御相談いたしましたのですが、そのときこの問題は二つの考え方がある、つまり国立浄化するという一つ精神運動と、その半面に法的に根拠を持つたいわゆる文教地区指定を受けて法的にこれを処理する方法と二つ考えられるというふうなわけで、これは二つの問題として取上げるべきであるというふうな結論になりまして、結局五月の二十四日に正式の町会を開きまして協議をするということに相成つたのであります。五月の二十四日の日にはこの文教地区指定の件、浄化運動、この二つの問題を取上げまして、午後一時から会議を開催したのでありますが、この文教地区指定につきましては非常に議論がありまして、二十対四を以ちまして結局文教地区指定ということは確定したのであります。なお浄化問題のことにつきましては、全員一致賛成をいたしまして、浄化運動に対するところ特別委員会、それから文教地区指定促進特別委員会、この二つ委員会がこの日に議決されたわけであります。文教地区指定促進委員会におきましては、種別地域審議するということに相成つたのであります。一日おきまして五月二十六日にこの浄化特別委員会を開きました。で、決議文を作りまして、町警察署公安委員長、それから地方事務所、保健所、立川フインカム関係MP隊長、それから業者などに対しましてこの決議文を提出しまして、協力方を要請したのであります。実際には議長さん、それから総務委員長さん、警務委員長等数名のかたがたが二十八日に陳情をしておるはずであります。  その後六月の四日に文教地区指定促進委員会を、第一回でありまするが開催いたしました。引続きまして十三日に第二回を開催し、十三日には反対者二十数名の御出席を求めまして、指定地区その他につきましていろいろ納得の行くような説明田島委員長のほうからすることになつてつたのでありまするが、このときは反対かたがたが途中で席を退場しまして、所期の効果が挙らなかつたのであります。その後委員会反対等が猛烈にありましたために、暫く開催を見合わせておつたのであります。  六月二十一日に文教地区指定調査に当参議院から堀越委員長さん、宮城先生岩間先生井上先生の御四名のかたが役場にお見えになりまして、賛成反対両者意見をお聞き下さつた次第であります。六月の二十三日に文教地区指定反対請願書と申しますか、陳情書ですか、議長町長宛に提出されたのでありまするが、その署名は約二千何百名あるというふうなわけでありまして、反対のかたもこの四名の議員さんに商店街かたがたが会いまして大部大きく問題化して参つたのであります。引続きまして七月の四日に町会を午後一時から開催いたしまして、この文教地区指定反対請願を如何に処理するかということにつきまして慎重に審議したのでありまするが、この町会は非常に議論が沸騰いたしまして、午後一時から翌朝の午前二時に至るまで十二時間、ぶつ通し議論を繰返すというような状態でありまして、長時間に亘つたことから考えましただけでも、恐らくその議場の状態皆様方にお察し頂けることと存じます。結局におきまして、町議会の全体委員会を持ちまして、この反対請願を研究して見ようということになりまして、このとき採決が十三対十を以ちまして、全体委員会に付託するということに相成つたのであります。続きまして七月の二十一日に再び参議院文部委員かたがたがお見えになりまして、いろいろ御検討下すつたのでありまするが、あいにく私会議がありまして、このときは欠席しておりました。それから引続きまして八月の六日でありまするが、文教地区反対請願審査委員会を午後八時から十二時に亘りましていろいろ審議したのでありますが、このときは審議未了になりました。八月の九日に第二回の委員会を開きまして、結局このときもやはり午前九時からでありますが、午後三時まで約五、六時に亘りまして議論が繰返されまして、結局十三対十二を以て反対請願を却下するということになつたのであります。五月二十四日に二十対四を以ちまして文教地区指定することに相成り、又九日の審議の結果十三対十二と、反対の数が殖えたようでありますが、とにかく文教地区指定がここに再確認をされたということに相成つたのであります。引続きまして反対請願を却下にされ、文教地区は再確認をされたということによりまして、八月の十四日に文教地区指定促進委員会を開催いたしまして、午前九時からこのときは午後三時になりましたのでありますが、長い間解決しておらなかつたところ範囲並びに種別を正式にこのとき決定しました。範囲国立区画整理のできておる部分全部、それから中央線北側部分立東地区を含めますが、その全部に亘りましてこの第二種の指定をして頂くということにこのときに正式に決定になつたわけであります。引続きまして八月の三十一日でありまするが、正式の町会を開きまして、ここで東京都に申請をいたしまするところ議決書を作成いたしまして協議いたしまして、結局十四対十一ではありまするが、文教地区指定を正式に都のほうに申請をするごとに相成りまして、ここに長い間三、四カ月に亘りまして国立町といたしまして非常に大問題をかもしておりましたこの文教地区指定の問題も円満に解決をすることと相成つたのであります。甚だ世間のかたがたを非常にお騒がせし、特にこの参議院諾先生がたにまで御迷惑を煩わしました本問題も、お蔭によりまして解決をしたような次第でありまして、実は本日のこの証言を終りまして、続いて都庁のほうへ廻りましてこの文教地区指定申請書を提出しようというので、私只今申請書を持参しておるような次第であります。いろいろと御配慮頂きましたことを厚くこの席上から御礼申上げたいと思います。  なお私町の理事者といたしまして、是非一つ参議院で御配慮置き願いたいということが一つあります。これは反対かたがたが一番その反対理由としておりましたのは、町の財政のことであると思うのであります。最近地方地方自治法の改正によりまして、自治体に対するところの権限は非常に拡大されて参りました。自治体警察、或いは又自治体の消防、或いは又いろいろの社会共同施設、その他文化の面その他におきまして非常に市町村自治体には大きな役割を課せられております。併しながらその裏付となるところ財源はまだまだ貧弱でありましてあれもしなければならない、これもしなければならないというふうな状態にありまするが、その裏付となるところ財源はまだまだ誠に窮乏を告げております。この文教地区に対しましては非常に大義名分が立ち、立派なことではあるが、ただ財源的な裏付がないというふうな理由からしまして、大分反対論者が強硬な反対をしたということも我我聞いておるのでありまして、是非とも皆様がたのお力によりまして、この平衡交付金その他の面におきまして、特別な御配慮を是非ともお願いしたいということを一言附加えまして、経過報告といたしたいと思います。
  5. 加納金助

    委員長代理加納金助君) 只今理事者たる佐藤証人より経過並びに最近の状況について詳細説明がありましたが、議決機関の長である池田証人より更にこれにつきまして証言をお願いたいと思います。池田国立町会議長
  6. 池田由太郎

    証人池田由太郎君) 私は池田であります。  先ほど理事者のほうからいろいろな経過報告がありましたが、私は議会としての範囲にとどめて極く簡単に申しげたいと思います。先ず国立町議会議員数は二十六名でございまして、この二十六名の出身出身といいましても、町全体から出ておるわけですが、特に出身地区ということを考慮に入れますと、線路の北側の要するに立東地区立川に近い地区から三名出ておられ、国立の旧国立ですが、学園町から十四名、農村地区から九名、合計二十六名の議員でございまして、この国立町がいろいろ農村地区と、それから学園都市の中心の国立町と、それから立川に近い立東地区、これは極く何といいますか、引揚寮とか、それから従来の工場があつたのを払下げてもらつたようなことで職工の階級がたくさんおります。そうしたおのおの変つた三つ地区を持つておりまして、各地区三つの異なつ地区から出ておられる議員が集まられておるだけに、いろいろな問題が出たときに始終各地区を標準にした議論が出る。こういうことが本問題のみにかかわらず、あらゆる問題にここには出ております。大体議会空気はそういう空気でございます。この本論の文教地区問題につきましては、五月の半ば頃に協議会に対して国立地区の有志のかたがたから浄化運動と共に浄化運動最後結論として文教地区指定協議会で取上げてもらいたい、こういう請願が出まして、そうして五月十九日に総務委員会を開きまして、総務委員会でこれを検討した結果、本問題は国立町内浄化運動が先ず第一点と、もう一つ最後結論としての文教地区指定の問題が一点と、こうした二つに分けまして五月二十四日の協議会に対して議題二つに分けました。国立町内浄化運動に関する件と、国立文教地区指定に関する件と二つ議案を提出したのでございますが、この第一の国立町内浄化運動ということにつきましては全員一致浄化は結構だ、是非やらなくちやならない、こうしたことで全員一致の可決を見たのでございますが、第二の議案であります国立町内文教地区指定にしてもらう、こういうことにつきましてはいろいろ議論がありまして、或いは範囲の問題、或いは文教地区建築条例はその条例内容規定によりまして位置と種別の区別があるので、この種別を如何にするか、こうしたような議論がありまして、結局文教地区指定にしてもらう。その代り文教地区指定をしてもらう範囲種別は特別に各委員を挙げてこの委員会に一任しようじやないか、こういうことになりました結果、その決を採りました結果、二十名がこれに賛成し、四名の議員反対をされたのでございます。そういう状態でございますが、二十対四で文教地区にしてもらうと、これによつて実行委員を挙げて検討すると、こうしたことがございまして、その後実行委員かたがたが、最後まで四回ですが、四回に亘つてこれを審議されたのでございますが、その中間におきまして、六月の八日に当初本会議において文教地区指定反対された四名の議員かたがた声明書を発表された。而もその声明書がパンフレットによつて国立町内に配られると同時に、三多摩新聞に大きく取上げられまして、三多摩新聞にこの声明書の全文が発表された。その声明書内容につきましては、実はこの文教地区指定になると町が寂れるのだと、それから文教地区になれば将来町の収入が三分の一になる。それから更に学校というものがあるのだが、学校はちつとも町の財政にはプラスにならない、逆に学校があるために町が非常な大きな負担をかけられる。而もこういう負担をかけられておる学校に対して、更に今文教地区建築条例を布くということになると、将来この文教地区建築条例によつて制限される一切のものができない。従つて、要するにこの町の発展というものは、具体的に言えばいろいろなものがあつて町が発展するのだと、学校を守るようなものばかりでは町が発展しない。少くともそれに相反するか、それに反するに近いものがどんどんできるような状態において初めて町が発展するのであつて文教地区にしたならば必ず町が寂れるだろうと、こうしたことで以て反対されたのでありますが、特にその声明書が出ましてからは、町内において名ホテル業者並びに一般商人までこれに同調されて、この反対の勢いといいますか、特にそうした商人が先頭になられたのですが、猛然とした反対空気が出て、それでこの反対かたがた町議会に対して、文教地区にするのには我々は反対するのだと、その意味において片つ方ではその国立浄化促進運動同志会というものがあると同時に、我々は国立発展同志会というものをこしらえて、国立町の発展をするためにはどうしても文教地区には反対なのだと、こうして町議会に対して文教地区反対請願書を出されました。それで議会といたしましては、この反対請願は一応受付けまして、七月四日の本会議にかけて、この反対請願をどう扱おうか、こうしたことを議題にしたのであります。それで七月四日の本会議におきましては、この反対請願審議をどうするかということと、それからもう一つはこの四名の議員声明書を出された、四名の議員声明書は実に虚偽と欺瞞に満ちているのだから、四名の議員かたがた声明書に対して責任を持たれるならば、この声明書の矛盾した内容に対して我々に答弁してもらおうじやないか、こうしたことで二十数項目を挙げまして四名の議員に対してこれに対する答弁を求めるという議案一つ出しました。それと同時にもう一つ毎日新聞に、国立選挙管理委員長であり同時に民生委員長である、佐伯貴一さんが、どうもこの反対が起きた関係上か、毎日新聞町議会の当初議決した文教地区指定議決はあれは白紙に戻すべきものだと、非常に反対が多いし、町議会においては余り審議をしないでああいう二十対四で可決したというようなことがあつたから、あれは一応白紙に返すべきものだという談話を大阪毎日新聞に出されました。そうして単に一町民の声でありますれば、議会としてそういうものを取上げる必要はないと思つたのでありますが、佐伯貴一氏は選挙管理委員長であり、民生委員長であり、同時に農村地区においては非常な信望のあるかたである。こうした信望のあるかたが町議会議決白紙に戻すべきものであるということを新聞に出されたことは、町議会としても黙つておるわけには行かない。従つて佐伯貴一氏の談話については、真に佐伯氏がそうしたことを思つておられるかどうかということについても一応議会で検討しようではないかということになりまして、特に当日の議案といたしましては、先ほど申しました反対請願一つと、佐伯貴一氏の新聞談話一つと、四名の議員声明書に対する検討が一つと、この三つ議案を出したのでございます。この三つ議案に対して次々と議論がございまして、佐伯貴一氏の問題に対しましては、佐伯貴一氏が出頭されまして、私の言つたのは言葉が足らないかも知れないが全然白紙に戻すべきものであると言つたのではないという意見結論として申されましたが、ちよつとその間に議会といたしましても多少の疑念を抱くという点がありましたが、一応これは皆さんが了承されました。それから四名の議員声明に対して、こもごも文教地区賛成かたがた声明書内容項目につき一々聞かれるのにもかかわらず、旧名の議員は我々は答弁する必要はない、これは我々の声明書を読んでもらえばわかるんだと、それがわからないのはあなたがたの頭が悪いのだと、とにかく答弁の限りではないということで最後まで答弁を拒否されました。それで止むを得ず、これ以上言つたところでしようがない、片つ方は答弁してくれと言うし、片つ方の四名の議員のほうは、我々は答弁の限りではないと、こう言う以上は仕方がない、こういうことじやしようがないから当日はこれで打切ろうじやないかということで、当日の審議はこれで打切るということになりました。それから反対請願につきましては、反対請願をどう扱うか、これにつきましては、文教地区の保進の実行委員会議会にできておるのであるから、この実行委員会に対してこの反対請願を送つて実行委員会で考慮してもらう、それが一番よいではないかという議論と、そうではない、文教地区賛成奥行委員会というものは賛成議員ばかりで構成された実行委員会であるから、それに廻してもらうということは同時に否決を意味するのであるから、この反対請願については全員委員会でやつてくれというこうした議論一つと、結局特別委員会に任せるか、全員委員会でもう一度この反対請願を取上げて審議するかという、ことに議論が分れまして、採決の結果、特別委員会作つて特別委員会審議しようというのが十票で、全員委員会を構成して全員委員会審議しようというのが十三票で、結局反対請願金員委員会審議しようじやないかと、こうしたことになつたのであります。従つてこの全員委員会は、その後八月の六日に第一回の全員委員会を開きました。この全員委員会でも非常に議論が沸騰しまして、要するに町の発展を害する、いや害しない、財政上はどうだこうだというようなことから、更に附加えて四名の議員反対声明内容についていろいろ議論が分れると、こうしたことがありましたが、結局その当日はもうこれ以上続行しても仕方がないのだから、これで以て反対請願審議を打切ろうじやないかという議論と、もう一度これを続行しようじやないかというこうした議論になりまして採決の結果十三対十一という結論が出ましてもう一日続行するとこうした結論が出たのでございます。従つて、更にこの反対請願審議委員会が八月の九日にもう一度審議いたしまして、その結果当日になりまして、これで二日審議したのだからこれ以上審議しなくてもよいじやないかと、この請願を却下するかこの請願を取上げるかどちらかだということの採決をしました結果、十二対十三という僅か一票の違いでありましたが、反対請願は却下しようということになりまして、こういうことで反対請願はようやくここで却下ということに決定したのでございます。従つて実行委員につきましては、後に委員長からあると思いますが、この反対請願は却下された結果、先にできておりました文教地区指定実行委員会が又委員会を続行いたしまして、この文教地区にすると、どこからどこまで文教地区の第何種にしてもらうと、こうした結論を出しまして、私どものほうに報告があり、更に理事者のほうにも報告がありまして、最後特別委員会できめた文教地区を本会議に諮つて、本会議で了承してもらう、こうしたことで八月の十一日に最後の本会議を開いたのでございますが、最後の本会議におきましてもやはり反対空気が相当ありまして、これは延期したほうがいいじやないか、そこで即時実行に移すということはよくないから延期したほうがいいのじやないか、これは即時実行すべきだ、こうした議論が出ましたが、すでにこれは即時実施できるものと先の本会議において特別委員会に付託して、特別委員会がその範囲をきめるということを一任した以上は、その特別委員会の決議は当然了承すべきものではないか、こうした議論でそこで賛否が分れましたが、採決の結果即時実施というのが十四名それから延期しようじやないかというのが十一名、三票の差違で、無論これは議長が入つておりませんが、三票の差違で結局文教地区を即時実施しようじやないか、こうした結論が出まして、先ほど理事者からお話がありました通り文教地区にどこからどこまでにしてもらう、又第何次にしてもらうということがようやく確定したような状態でございまして、これが議会としての報告でございます。  ただ私は議長といたしまして、特に委員皆様がたに将来の構成の上に御考慮を頂きたいということは、特にこの文教地区並びに風致地区というものを設定する場合に、法規の上においては当該地元の市町村なりの承認を求めることになつております。この地元の承認を得て一定の法律をこしらえるということは、地方の自治を重んじて下さるということは非常に結構なことだと思いますが、特にこの風致地区なり文教地区というものは単なる一市町村の問題ではなくて、大は国家、小は少くとも東京都に通ずる大きな問題でありましてこの大きな国家なり東京都なりを一円とした一つの計画をされる場合に、特に町村の意向を尊重されることは非常に有難いが、現在の町村の状態といたしましては、甚だ法律に重んじられておりましてもその期待に副わないということが過渡期の現状でございますから、どうかその点を一つ十分御考慮下さいますと共に、町村を重んじられるという場合においては、先ほど委員長から証言があつた通り、或る程度の財政裏付ということを一つ考慮に入れて頂きたい。単に法規の上において町村を重んじて町村の議会の承認を得るというような立派な法律ができておりましても、財政裏付がないということが第一点、それから又町村議会がそれに副うような議会なり議会の体制が整つてないということは、非常に私は議会を代表してみずから自分の議会の地位の上つていないことを嘲るようでございますが、これは真実でございまして、特にこの東京都内における町村というものは非常に過渡的の一面においては都会的の現状があると同時に、又過去の農村の状態を現出しておるというようなことで以て、町村を重んじられて、何ら財政裏付もないのに立派な法律を一応重んじてもらうと、町村は立派だからお前の意向を聞かなければこの法律は布けないということを言つてもらうと、立派な法律ができながら実際に実現ができない。特に文教地区、風致地区というものは大きな国家的な見地から大いに検討してもらいたい。そうした意味で是非将来の法規を作られる意味においては町村を重んじられるなら同時に財政裏付についても重んじて頂きたいということを一つ希望いたしまして私の証言を終ります。
  7. 加納金助

    委員長代理加納金助君) 私ども連合委員会は文教都市として発達いたしまして、各地の教育の上にこの醇風美俗をそこねることのないように、かように念願いたしておりました。幸いに只今理事者議長証言によりまして、我々の念願が大変好転しておることを聞きまして深く喜ぶものであります。つきましては委員の皆様にお諮りいたしますが、大体様子がわかりましたけれども、なお証人としておいで願つておるかたに、型のごとくやはり五分か十分の証言をしてもらうことにいたしますか、乃至はこの委員のかたで特においでのかたがたに特別な一つ質疑をいたしますか、そこを一つ御相談願いたいと思います。
  8. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 問題は相当進展しているようでございますが、証人のかたも折角お見えになつておりますので、過去の経過については佐藤証人池田証人から詳しく承わりましたので、それと重複しないで進展した現段階を中心としての証言を一通り証人から五分間程度承わつて、あとで委員のほうから質疑をするようにしたら如何でしようか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
  9. 加納金助

    委員長代理加納金助君) では賛成のようでありますから、次に田島守保君の証言を願います。
  10. 田島守保

    証人田島守保君) 只今町長並びに議長から詳細な且つ正確な報告がありましたので、特別委員会が構成されたその委員会の構成、それから先ほどお話がありましたが、委員会の権限、委員会経過結論等について簡単に御報告証言いたしたいと思います。  九月二十四日の小議会の決議、即ち文教地区指定申請するということになりまして、十八名の特別委員会が構成されたのでありますが、これは議長、副議長委員長が当日選考委員になりまして選考いたしました。その名前を申しますと、藤村三郎、三田正治、佐々木四郎、小沢一雄、松岡きく、山崎善弘、小沢道治、沢井義雄、池田由太郎、江藤哲太郎、三田章作、池田三次、佐伯彦太郎、原田重久、山口直一、それから私の委員十六名、ほかに町長、助役がこれに参加することに相成りました。第一回の会議は六月八日の午後八時から開会いたしまして、当日の議題は主としてこの文教地区建築条例というものが実際に適用されてどういうことになるかどうか。そういつたことも委員の中には完全に納得しておらない者もありますので、府中北多摩事務所から専門家を町長の斡旋によりまして出席させ、それから鈴木という建築技師からいろいろ質疑応答を重ねてスタートしたのであります。この日は大分遅くなりました。第二回は六月十一日、やはり午後八時から開会ということで始めたのであります。当日はいよいよ本問題の議事、即ち第一種にするか、第二種にするか、それからどの範囲にこれを適用すべきかということで、大体町を三つに分けまして、線路の南と北というふうに考えまして、箱根土地会社の区画整理をしたところについてそれから西のほうも全部含めていわゆる本村という江戸街道を境としたところ北側と、それから駅の北の拝島町北という所がございますが、そこは第二種の文教地区にしていいということに意見が一致したのであります。ところがその当日、数百名の署名を持つた反対陳情がやつて来ましたり、いろいろ町には反対があつた。それは先ほど議長から詳細御報告申上げましたように、四議員声明を基とした大体同じ議論を書いた陳情でございまして、これは主として旭通り国立の東南に向つた通りであります、それから富士見通り、西南に向つた通りでありますが、これらの商店街かたがたが非常に四議員声明に怖えまして、反対の気勢を挙げて反対陳情を持つて参りましたようなわけであります。そこでその日は一方それから駅の北に同じく武蔵野村というのがありますが、これらにつきましては次の機会に、その日遅くなりましたので譲るといたしまして、この商店街が更に文教地区になつてもならないでも、現在駅の南側に僅かの商業地域がありますのですが、立川に通ずる道とか、或いは府中に通ずる大通り、これらを商業地域、その大通りの両面だけを商業地域ということにしてこれらの反対者の側を納得させようということを打合せまして第二回の委員会は解散いたしました。越えて六月の十三日に、即ちその翌々日でありますが、この商店街反対者の代表者を委員会に招きまして、彼らと懇談して、彼らを啓蒙する必要があるからということでいろいろと懇談を進めたのであります。議員のほうからもいろいろ用意をしておりました問題は、当日委員長といたしまして私が少し長くおしやべりをいたしましたものでありますから、皆さんがまだ発言できないうちに一応休憩になりまして、これから本当に胸襟を開いてお互いに建設的なお話合いをしようと、この町としましては、町の発展ということは健全な発展を意味することであるから、その意味合いで御相談をしようと申しましたところが、当日の代表者が再開すると同時に立上りまして、皆は議員諸公の努力は多とするところでありますが、私どもはやはり町が文教地区指定されると、町の発展に大きな損を来たす、これは見解の相違であるとしまして、それ以上話合おうとしないで席を蹴つて立つと、こういうふうなことで代表十七名が一齊に退場いたしました。この結果につきまして残つた委員諸公と相談したのでありますが、これはこの退場は予定の行動であつて、どうもいたし方がなかつた、こういうことでございます。その後の事情は先ほど議長からお話がありましたように、いろいろの反対側の気勢がますます盛んになつたのでありますが、先ほどお話のありましたように、一応反対請願が却下されまして八月十四日に最後文教地区指定実行委員会が開かれました。当日はそこにお手許に回覧に差上げてございますような場所に区域を分けまして話をまとめたのであります。このときには反対は殆んどなくて、この案につきまして、駅の南のほうにつきましては満場一致、北のほうにつきましては反対のかたは白紙なり或いは一任という形式で、それら一、二名を除きまして全員賛成いたしまして、決をとらないで結論に持つてつたのであります。この最終の委員会におきましては、先ほどの反対請願が二千三百五十五名の署名がたしかあつたと思いますが、先に申上げました商店街のかたも翻意しまして、我々は四議員声明に惑わされて間違えたので、文教地区にして頂きたいというふうな陳情もございましたし、その他私たちの住んでいるところ文教地区にして下さいという十八歳以上の署名の集つたものが約四千名なんなんとするような状態でありまして、これは皆国立地区、それから立東地区、そういつた今回指定なつた地域内の居住者でありまして、この圧倒的な陳情書を山のように積んで委員会の冒頭に読み上げましたのでありまして、それでこの委員会の中にも一、二名反対のかたがございましたが、これらは地元のかたがたその土地を文教地区にしてくれる場合は止むを得ない、こういうふうに見て或いは発言を差控えたりなんぞいたしました。ただ南のほうで江戸街道から桐朋とか五商とかいう学校がございますが、その間に若干の農地が狭まれて、この農地は是非除外してもらいたいというので、これには深い関係がございませんので、協議の結果少しばかりその農地を文教地区から除外したので、地図の面で見ますと、若干じぐざぐができておるような次第であります。私の証言は、あといろいろございましようからこのくらいにしておきます。
  11. 加納金助

    委員長代理加納金助君) 次に一橋大学赤松教授にお願いします。
  12. 赤松要

    証人(赤松要君) 学校の立場から簡単に申上げます。  国立は大正十二年の震災によりまして神田の一橋商科大学が廃墟に帰したような次第で移転を決定したのであります。その移転の前提の下に国立のあの昔の森林がこれによつて開発されまして、そこに模範的な学園都市を建設するという目的であそこに開かれた次第であります。従つて私どもも天下に誇るべき大学町であるという自信を持つてつたのであります。併し最近御承知の通り立川地区に進駐軍が入りまして、そこに多数の怪しい女が集まり、それが国立市に流れこんで来まして、同時に昨年から本年の春にかけまして、いわゆる売春を仲介しておるホテルが二、三できかかつて来たのであります。その後ますます殖える情勢が見えたので、それは文教上甚だよろしくないということで、私どもも法的な文教地区指定要望しておつた次第であります。五月の初めにその世論が住民の間から起りまして、これに応じまして五月十四日に一橋連合教授会の名におきまして文教地区指定要望の決議をいたしました。続いて五月十八日に、これは学生を中心とするのでありますが、国立にありますところ二つの大学、一橋のほかに音楽大学、それから四つの高等学校があるのでありますが、並びに郵政省の郵政研修所というものがありますが、それらが連合いたしまして国立浄化大学学校連合委員会というものが結成されております。それで私どもは当然にこれが決議になるものと信じておつたのでありますが、五月二十四日に果して大多数を以てこれが決議され、安心しておつた次第であります。然るに六月八日に反対四町議の声明が出まして、学校を誹誇し、或いは無用の長物なりとするところ声明でありましたので、私ども非常に憤激した次第であります。従つて六月十八日に一橋大学協議会におきまして、更に文教地区指定要望の決議をいたしました。一橋大学の名において声明書を発表いたしました。続いて大学内にも文教地区促進委員会を作りまして今日に及んでおる次第であります。幸いに紆余曲折の結果これが達成いたされまして、私どもも非常に満足に感じておる次第でございます。ただ最後に申上げておきたいことは、この夏七月、八月、又今日に及ぶまで、このホテル業者の営業と申しますか、それは非常に露骨になつて来ておるのであります。全く私どもまあ文化人が住んでおります周囲に、これらの国立の四つありますホテルのうち二つがあるのでありますが、深夜に及び、或いは一時、二時に及びましてもなお喧騒を極めておるのであります。女の嬌声並びにそういうものが聞えて、私どもの書斎を妨げておるのであります。なお深夜には、最近は暖かいのでありますからして、女どもがまるで百鬼夜行の態で以て、それに大きな声を出して散歩しておるというような、夜になると俄然国立の形勢は変つて来るような情勢を持つておるのであります。私ども考えますに、全く日本の警察においてどうにもならない情勢でありますし、恰かも治外法権的の存在になつておると考えるのであります。これは決して占領政策の意図するところでは私はないと信ずるものでありますが、末梢的な一つの現象が特に純真な学生層に対して非常な影響を与えておるということを申上げたいのであります。つまり知らず知らずのうちに反米思想が学生の間に起つて来る、この末梢的な事柄からこういうことが起つて来る、これは私は決して占領政策の意図するところではないと思うのであります。従つて今後におきまして講和会議の調印も行われ、我が国の独立も近いのでありますが、併しながらアメリカ兵はなお駐屯するということでございますので、今後こういう事態、つまり住宅地域内に全く売春を仲介するところのホテルが存在するということは許されない、今日においても許されない。それが現実に許されて、恰かも治外法権的な存在になつておるということは、私の非常に不当であると考えるところであります。こういう事態を是非とも、これは国立地区において特にそうでありますけれども、これは兵隊駐屯するところは到るところに問題を起しておるのでありますが、参議院におかれましても、この問題を取上げられまして、徒らに末梢においてこの反米思想を民間に植付けるというそのこと自体を十分に御考慮願いまして適当にこれらの問題を処理して頂きたいので、私どもは軍隊のあるところ売春行為があるということは、十分認めます。併しながらその売春行為というものが住宅地域内において行われる、そういうことが特に文教地区内に行われるということが許されることは、例はないと思うのであります。従つて適当なときにおきまして、つまり住民と接触しないような地域においてこういうことが行われる、そういうふうな措置を十分にお考え願いたいと思うのであります。そうしなければ、徒らにこの末梢的なことからして民間の中に、或いは学生層の中に反米思想をますます強くして行く、こういう事態が起ることを私どもは痛切に憂える次第であります。このことをお願いいたしまして、私の証言を終ります。
  13. 加納金助

  14. 松岡きく

    証人松岡きく君) 私、松岡でございます。  私が一番初めこの問題に触れましたのは五月一日でございまして、丁度都会議員の選挙が終りましたそれから間もなく一両日おいてでございましたが、いわゆるホテル業者の御近所の奥様が大変弊害に日夜頭を悩ましておつたかたがたが、これは昨年の秋頃からこういう問題で困る、子供の教育上困るという話を個人的にちよちよこ耳にいたしておつたのでありますが、五月一日に私婦人議員の立場として、母親の立場として聞いて頂きたいということで私どもに見えかたがたがありました。その事情を伺つて見ると、これはとてもゆるがせにしてはおけない。只今までは一軒二軒の業者でありましたが、その業者が大変繁昌するために、今まで普通の住宅であつたものをちよつとした改造を加えてこれをホテルに名を変えておる。そのホテルが大変はやるので、先の地所を買占めに行つた、それから裏の地所も又地主のところへ買人の交渉に行つたという話を具体的にそのかたがたがなさいましたので、これは放つておいては大変なことになる、今まではたかが一軒か二軒だから問題はないと思つておりましたが、そういうふうに皆さん立川地区の影響を受けまして、パンパンの増加に伴つてそういう業者が殖えるというとは、業者が殖えることはますますパンパンが殖えることになりますので、殖えるということは大変なことだと思いまして、これは一つ皆さんに集まつて頂いて、どの程度皆さんがこれについて関心を持つていらつしやるか、ここで一人か二人、あちらで心配しておるという現状では何にも結論が出ませんと思いまして、五月六日の日に、先ほど町長さん、議員さんからお話があつて初めて聞いたというその日でございますが、五月六日の夜、私ども二十八人のかたがたが期せずしてお集まりになりました。それでこれは情報を持寄りまして、これは大変なことだから国立の町を浄化しようじやないかというので、浄化期成同志会を五月九日に発会いたしました。そのときの最初のメンバーは五十人でございました。そのかたがたは容認できないことだが、町のかたがたはこれについて何と思つているか、一応世論を聞いて見ようじやないかということになりまして、国立と申しましても、さつき議長さんから御説明がありましたいわゆる国立地区でございますが、その国立地区を五十幾つかに分けまして、そうして婦人が当つたのですが、婦人が一人ずつ皆さんのお宅を廻りまして、国立の最近の様子と、これをどうしてもきれいにするためには浄化運動が必要だ、更にこれを法的に何とか裏付けようとするには、最後に行つて文教地区指定になるのじやないかという理由の下に署名運動を展開いたしまして、僅々二日か三日のうちに四千二百名の署名を得たのでございます。その署名は高等学校の人が署名しておられました。四千二百名の署名を得まして、学生側がこれに応じて起上つて下さいまして、四日か五日で六千名余りの署名を得ました。そうして大体国立の世論がわかつたと思いまして、同志会の幹部が先ほど町長さんがおつしやつたように、町議会で何とかして頂きたいということを要請しまして、その後の経過は先ほど皆さんから御説明なつ通りであります。その途中でいろいろ反対が起りましたが、その反対で私が大変に遺憾だと思いましたのは、反対のかたが大変数が多かつたという印象を与えておるようでございますが、これは或るホテル業者が駅の前で堂々と大きさは戸板一ぱいくらいでございますが、そのポスターを二十四枚貼りまして、それから四米半四方もあるような大看板を二枚立てまして、これは六月十六日から六月の二十五日までに亘つて毎日々々そのポスターの文句を変えまして、中には促進議員の個人的のあらゆる誹謗をしまして、大変に四十六万円もかかつたというので、あとで業者最後に決算報告を出しておりましたが、厖大なお金を使い、その間には個人的に、例えば私どもの主人が浄化期成同志会委員長をいたしております。私も促進派の熱心な議員の一人でありますから、私どもへも両三度に亘つて脅迫がましいことを言つて参りましたし、又同志会の婦人方のところへも個々に何回も暴力めいたことをしましたけれども、それを警察に訴えますと、紙一重のところでございますけれども、家宅侵入でないから侵入罪でないとか、金銭恐喝でないから恐喝罪ではないとか、大変に巧みなんです。その巧みな恐喝をたびたびやりまして、又署名した御婦人方に対しては、反対派の商店は、こういうものに署名した者は今にとんだ目に遭うのだぞ、例えば私たちのうしろには向うのMPが附いているのだから、これに署名した人はどうなるかわからないというような脅迫がましいこともたびたびございまして、そうしてほんの二人か三人のかたにあやつられて反対署名をいたしましたが、これは数学的に見ますと、国立地区が千十八人、本村において千百十五人、立東地区において五千四人、青柳において三十八人その他で二千二百三十五入の数字が反対署名に出ました。これは先ほども皆さんがおつしやつていらつしやられるように、六月四日附の四議員声明書に基きまして、その中で農村地区が多かつたというのは、税収入が来年から文教地区になると三分の一になる、これはあとの足りない分は当然農村にかかつて来て、農村は負担に喘がなければならないというような趣意書でございました。そういうことで大変農村のかたがおびえるということが大きな理由ではなかつたかと思います。今申上げましたように国立地区では千十八人のかたがこの署名に参加されまして、そのうちさつきも皆さんが申上げていらつしやるように、商店側のかたが二百二十六人というかたが八月になりましてから、これは私どもは大変思い違いをしていました、普通文教地区がきまろうかという初めのときにおきましては大変不安を感じていました、商売が成り立たないのではないかというように不安感じましたが、その後いろいろ説明を聞いて見れば、別に特殊な商売以外には何ら関係がないということがよくわかつたから、むしろこれは商人と主婦のかたが対立しているというようなことでは面白くないから、文教地区に一刻も早くしてくれというような請願書がこの初めの反対者のうちから、商店側だけでも三百二十六八のかたが署名いたしまして、文教地区を促進してくれという嘆願書をお出しになりました。又町長が八月六日の反対請願をどうするかというときに、反対請願を取扱う全員委員会の副議長をしておられる沢義夫さんというかたがおります。その沢義夫さんが、このままの状態文教地区指定されたときには、反対派のかたの心配するように本当に町の財政ということは成り立たないのじやないかというように、沢委員長から町長に特に御質問がありましたが、その八月六日の委員会説明のときに、町長はこのままの状態文教地区指定されても町財政には何にも破綻を生じない、ただ皆さんが故意に悪質な納税を怠るようなことさえなければ一向差支えはないというような御説明がありましたが、そのとき反対議員の四人のかたのお一人は、それなら道路を早速直せ、下水はどうしたとか、学校ももう来年から充実できないものか、まあ学校と言つても小学校、中学校お話でありますが、できてもいいが、できるだろうとか質問しましたが、これは私どもが常識で考えましても、何千万円というお金が要る、文教地区指定というようなことに関係なく、できることじやないと思うのだが、それでもやれるというならすぐやつてみろというような、大変に私どもにとりましては詭弁と思われるようなことがありましたが、これは先ほどのかたの報告にもありましたように、大変にうまく運びました今日でございますから、もう何にも言うことはないと思うのでございますけれども、私どもはただ文教地区というものはただ学校を守る、学生を守るということだけでなく、この国立学園都市の性格を本当に有難いと思つて住んで来た母親……それは母親には限りませんですが、親の気持を尊んで頂いて、ただ学校を守るだけでなく、子供の環境がいいからここに私は来たのだというような熱意でこの運動を御婦人が大変に熱心に一生懸命にやつて頂いて、私は婦人であるがために先ほど申上げましたように大変な恐喝に遭つたこともございますが、八月の六日の金員委員会に集まつた婦人がこういう町の情勢でございましたので、暴力はいけないということでございましたけれども、反対派のかたが大勢押寄せまして、丁度夜でございましたので、役場の周りをすつかり囲みまして、中には屋根に上りましたり、木に登つたり、そしてあらゆる罵詈誹謗を促進委員に浴せました。終りましたときに私はこのままでは家に帰れないから、大変申訳ないが、警察に知らせてくれと言つて電話をかけて頂きたいというような、大変に臆病で申訳ないのでございますが、そんなような気もいたしましたくらい、こういう運動に本当に携わりました人は今後もあらゆる所でこういうことが起るのじやないかと思いまして、これは東京都の文教地区の例でございますが、今後いろいろな所でこういう問題が起りましたとき、私どもと同じような苦労を皆さんがなさるということは私は堪えられないように思うのでございます。それで参議院におかれましては、こういう法をお立てになられるとときには、いろいろお金を使つて華々しくやられるときは正当でなくしても勝つのだという印象を与えるのは大変残念だと思いますから、よろしくお願いいたしたいと思います。  それから赤松先生がすでにおつしやいましたが、私どもは運動の初め頃、あなたがた国立のホテルというものは皆外人が相手だから、それをオミツトするという態度に出るのは大変損だ、これは恐ろしい結果になるのだということを責任のある委員長さんのほうから又私のほうへ厳重な申入れがありまして、占領下にありましてこういうことは許されない、例えばあなたがたが何と言つて嫌だと言つても、立川の空軍の基地に————いるがパンパンを一人ずつ連れて———国立に行進してもあなたがたは何にも文句は言えないだろうというようなことを、或る立派な公職にあるかたが言つていらつしやいましたが、これはこういう運動をする私どもが反米的ではなくて、そういうかたの気持、言動が皆を反米に導く、恐ろしいことだと思います。
  15. 加納金助

    委員長代理加納金助君) 次に三田証人証言を求めます。
  16. 三田章作

    証人(三田章作君) 私は三田というものです。議員としまして、議員の立場から、前証人におきまして大体お話がありまして、私が申上げることは極く僅かにしておきます。  我々は本村地区の代表としまして議員として出ている関係上、この文教地区の問題は反対、促進両方の中間におるものであります。只今までお話のように、大体その推進におかれましても反対におかれましても、非常に激烈な運動を捧げて参つたということは、只今までのお話でよくおわかりになると思いますし、こうして非常な激論を交した結果、最後この問題がいずれにきまりましても、問題は町の将来の議会にも影響することだし、又反対を潰し、賛成を潰しても、非常に問題が将来に残るから、この問題を中間から、我々の立場から考えて何とか上手に町を治めて行かなけりやいけないという立場から、我々はその問題のみ考えておつたのです。ところ反対の四議員と申しますか、先ほど来もお話のように、反対のうちには相当の町民が反対をしておりまするし、この反対を押切つてはいけないと、先ほど委員長さんから文教地区の区域という問題についてお話がありましたが、特別委員会におかれましては、区域と種別をきめるということ、我々といたしましても文教地区に最初賛成したのでありますがでこの問題が最初からこの区域によつてこの文教地区指定するという議題になつておれば、こういう煩雑な問題は長く続かなかつたと思うのであります。ところがその文教地区に決定しておいて、種別範囲を決定してなかつたためにこういう問題が複雑したと思うのであります。そういうわけで我々といたしましては文教地区には賛成したが、まだ決定しない範囲の問題で非常に苦しんだのであります。最初我々の希望するところは、学校を保護するための文教地区であるのだから、東京都下にもほかにも文教地区指定した場所があるのでありますから、成るべくその指定した区域を視察いたしまして、そういつた例に倣つて学校が保護できる範囲でいいのじやないか、こういうような考え方であります。でありますから我々の考えは成るべく小区域にいたしまして或る一部には、町全体として工場地区を残して将来町の経済を安定させるというのが一つと、反対の町民に対しても多少の融通性を残して反対を緩和させよう、反対の町民を緩和させよう、こういう面から我々といたしましては、区域は成るべくいわゆる国立区画整理の中だけにとめておきまして、立東或いは武蔵野市というような、現在あの地方をよく御視察になればわかりますが、大体山林の部分が多いのです。そういう所を今九ら指定するのは早いのじやないか。試みに区画整理の所だけを第一回に指定しておきまして様子を見たほうがいいのじやないかというような考えから現在になつた。先ほど来反対賛成議員の数をお話下さいましたが、約四分、六分のような関係でありまして、先ほど来お話にありました国立区画整理をした所全部と、それから立東、武蔵野を含めた全地域を指定するというような結論になりましたが、我々といたしましては、その反対者があつたということを考慮に入れてその地域をきめて下さるならば、町全体が今後うまく調整がとつて行けるのじやないか、こう考えましたので、いろいろこういつた意見を申上げておつたのです。できることなら、決定してしまつたあとにおいてこういうことを申上げるということは失礼でありますけれども、成るべくならば或る一部を残しまして、農地のほか一部を残しまして指定して頂いたほうがいい、こういう考えであります。本当に簡単でありますが一言申上げます。
  17. 加納金助

    委員長代理加納金助君) 次に中村証人証言を願います。
  18. 中村武彦

    証人(中村武彦君) 長時間に亘りまして、御職務とはいいながら千遍一律の文教地区問題に関する経過報告を熱心に御聴取下さる議員各位に深く感謝の意を表するものであります。私は国立町に存在する大学を除く、PTAの存在しない学校を除く十二の学校のPTA代表者といたしまして証言をいたします。  戦争を棄てた日本が文化国家として再出発をしようとする前に、その基調ともなる文教地区指定しようというような問題に対して、そんなものができたならば我々は商売をやれん、我々は生活ができなくなる、町の財政学校を抱えておつたのでは楽でない、そうした状況は戦争以前の日本であつたならばこんな問題は容易に解決する問題であつたのであります。終戦後国民の思想は混乱し、経済事情も安定せず、かるが故に国民の考え方が非常に変つたと同時に、占領下にあるが故に占領軍のなすがままにせなければならんというような潜在意識があるがために、日本古来の美風を破壊し、具体的に申上げますれば、婦人は絶対に笑顔を見せない。徳川時代には鉄漿で歯を黒く染めておつたという、男女七歳にして席を同じうせずというような、いわゆる封建的教育が浸潤されておる国民の前に、敗戦後急角度にその風習が改変されまして、男と女が手をつないで歩く、或いは如何がわしい女が普通の民家へ出入りして春を売る。そういうようなことが日本の美俗を破壊して行く、これは誠に歎かわしいことで、先ほど赤松先生のおつしやられたように、占領政策から申上げましても、こういうことを意味するものじやないのじやないか、青春を持つソルジャーも人間でありまして、祖国を離れて遠く何カ月も異国に来ておる以上、春を求めたくなる気持も当然のことであります。この際に何とか為政者は手を打つて、そうした日本の風俗に刺戟を与えないように申入れをするとか、法規を作るとか、或いはそれは又占領治下であるが故に、法規を作つても適用されないかどうかわかりませんが、そういう手を何故打たないかということを私はしみじみ考えるものであります。文教地区指定されるというと、町民の税金が過重になり、町は発展しないというような考えを持つておる人々に私はこういうことを申上げました。日本が、上野から青森まで鉄道を敷くときに、こういうものを、陸蒸気などを敷かれたのでは我々の町はさびれる、そんなものは絶対に反対だというタウン・メンバーの、最も有力な地位にある人のいる地域はそのために除外されて、僻陬の寒村を縫つて鉄道は敷かれた。明治維新後日本の交通状況はどうなつたか。そうした僻陬な寒村が鉄道のためにどんどん発展して行く。都下においての実例でありまするが、新宿から甲府のほうまで鉄道を敷こうとする際に、最も努力のあつた府中とか砂川というような所は反対をした、そのために寒村の立川を通つて立川が厖大な市街になつた。そういうようなことから考えても、百年後に、文京地域と指定されたならばこれがどういうふうになるかということをよく考えないと、文教地区になれば、文教地区なつたような商売ができる。現在のような情勢で如何がわしいホテルを作るとか何とかするようなことは、偏破な経済事情下においては許されるかも知れないけれども、平和を獲得した際にはそんなことは許されないのだというようなお話をしました。いずれにしても我々は、国立町の者ではありませんが、その子弟を、国立の性格から申しまして子弟を教育するのにいい環境を持つておるが故に通学させておつたのでありまするが、俄かにそうした時代の経済に便乗して如何がわしいホテルのようなものができるようなことになりますれば、非常に子供に悪影響を及ぼすことは申すまでもありません。ここにおいて五月二十日、桐朋校が決議案を作りまして、これを町理事者に提出し、請願をし、更に各学校がそれに共鳴いたしまして先月の二十九日PTA連合会を結成いたしまして、同一目的のためにどうしてもこれは文教地区指定してもらうことを促進する、同時に浄化もしてもらいたいというような建前の下にPTA連合会が結成されました。こちらの証人喚問に不肖中村が代表者として選ばれて参上した次第であります。要は問答無用であります。文教地区に絶対にすぐ指定して頂きますことを本証人は希望するものでありまするが、どうぞ指定されましても、今後地方自治体財政がますます窮迫して行くこの際に、何らかそこにカバーをしてやる親心を政府は持つて頂きたい、こう思うのであります。  長時間に亘りましていろいろと千遍一律に証言を申上げました。誠に有難うございました。
  19. 加納金助

    委員長代理加納金助君) 加藤教育次長には連日証人としておいで願いまして誠に御苦労であります。あなたのほうから特別にお聞きすることは、証言としてありますればとにかく、さもなかつたら今町長より提出されるところのこの指定地区の運びにつきまして一段の御協力を願いたいと、かように申上げます。特に証人として証言のしたい点がございますればどうぞお願いをいたします。
  20. 加藤清一

    証人(加藤清一君) ちよつと発言さして頂きます。先般来いろいろお聞き及びのような経過を辿りまして、国立文教地区設定になりますことの意見のまとまりましたことは、私どもとして非常に喜びに堪えません。この機会に町の当時者のかたがた、並びに婦人会とPTAなどで運動をなさつたかたに対して深く敬意を表するものでありますが、皆様がたも本問題についていろいろ御配慮を願いましたことにつきまして、この機会に厚くお礼を申上げます。  ところで御承知でございましようが、東京都が文教地区設定についての条例を作りましたのがこの四月の下旬でございまして、そのときに同時に文教地区を十一ヵ所を指定したのでございます。そのときに同時にこの国立文教地区の中に指定しようといつたような気持が我々にたくさんあつたのでありますが、御案内のように地元の申出でによらなければなりませんので、暫らく見送らざるを得ないようなことになつてつたのでございます。幸い意向がまとまりましたものですから、至急に手続を進めまして、できるだけ最近の機会に指定になりますように私どもといたしましても特段の努力をいたしたいと考えておりますが、建設省の関係におきましても、各位からも一つ又促進方について特段の御配慮をお願いしたいと思います。この機会に特にお願いを申上げておきたいのは、先ほど町長さんや議長さんからもお願いがあつたのでございますが、こうした文教地区指定されまする市町村に対する平衡交付金の配分について特段の御配慮をお願いいたしたいということでございます。丁度幸いこの基準財政需要額の算定の基準は今年から法律で定められることになることと私ども承知いたしておるのでございますが、皆様がたにおかれましては、その際に何とかこうした町に対する平衡交付金の増額方についての特段の御配慮をお願いできますれば甚だ有難いことだと存じます。又或いは配分いたします主務庁の地方財政委員会のほうへは私どもといたしましても、こうした配分について特段の御配慮をしてくれるように頼みたいと思つておるのでございますが、どうぞ強力に皆様がたからも一つ地財委のほうへそういう点の特段の御注意を頂けば非常に幸いだと思います。この点だけお願いたしたいと思います。
  21. 加納金助

    委員長代理加納金助君) 以上を以ちまして証人証言は終了いたしました。これより委員の御質疑がありますればまあ一つ簡単にお願いしたいと思います。
  22. 高田なほ子

    高田なほ子君 反対賛成のいろいろな意見の対立が今日までございましたが、あらゆる方面の非常な御協力によりまして、私どもの希望する結論が得られましたことについて心から祝福するものでございます。そこでこの問題が一応の結論を見ましたけれども、あとにいささか問題がある点があるように考えられますので、この点について特に町長さんに御質問を申上げたいと思います。公選町長としての御抱負は、これはもう私からお伺いするまでもありませんが、町政の執行者として、又町民のよい指導者としての立場にあられる町長さんが、恐らく今までの証人かたがたからの御証言によつて得たところで私の最も心配するところは、文教地区指定されました後においても、このホテル或いは地区の社会秩序を乱すような虞れがあるような点が少し残つておるようでありますが、これは高田馬場の例もここで詳しくは申上げませんけれども、折角文教地区指定されても、この文教地区建築条例の第四条の但書にございます、知事が文教上必要と認め、又は文教上の目的を害する虞れがないと認めた場合、即ちこれはホテルの営業ということも可能であるということがまあ出ておるわけでありますが、現在のホテルの状況がどうなつておるか、これが私の第一心配するところでございます。御承知のようにポツダム政令によりまして如何なる場所においても売春行為はこれは厳禁されているにもかかわらす、法をくぐつて幾多の如何がわしい問題が起つておるということはお互いにこれは心を寒からしめる問題でありますが、これに対する具体的な今後の対策如何、これが第一点であります。第二点は、こういうふうに社会秩序が乱れて参りますと、普通の家の間借という看板でどんどんと高価な値段で部屋を借り入れて、この密売春と申しますか、そういうような形で風紀が乱れて行く。更にこれは調査の結果によりますと、特に学生諸君が間代の関係上下宿を追われて、そうして折角勉強をするために住まつた家を実質的に取上げられて行く、こういうようなことは誠に学生のかたがたにとつてお気の毒なことでございますが、この学生の下宿問題に対する対策はどういうふうにお考えになつておられるか、これが第二点。第三点は、証人の御発言によつて承われば、いろいろな脅迫、いろいろな暴力、こういうようなものがこの問題を中心にして公に横行しているという事実であります。たとえ文教地区設定という結論を得ましたにしても、この町の暴力というものの存在は許すべからざる存在であると同時に、今後特にこの運動の推進力となられたお母さんがたの不安というものは、これはやはり残されるものではないかと思うのであります。これは御承知のように警察法並びに警察官等職務執行法、こういう法令に照しても、こういうものは当然取締れる範囲内にあると思われますので、これに対しての町長さんの今後の具体的な対策をお聞かせ願いたいと思います。第四点、指導面でありますが、占領下でありましようともアメリカ軍は日本の社会秩序を撹乱しようと、こういうような意図は何らないのであつて、そのためにこそMPは日本の社会秩序の維持のための協力を惜しまないはずである。けれども反米というようなことが逆宣伝に使われて、間違つた指導が当町の指導層の中から出ているということについては、私は非常に奇怪な感じを持つものでありますが、これに対する町長さんとしての指導的な役割を如何にして今後果して行かれるのか、この点を伺いたいと思うのであります。  更に松岡証人にお伺いしたいことは、不法の脅迫暴力、これは今後もなお且つ一体続くようなことが予想されるかどうか、これを伺いたいと思うのであります。  続いて赤松証人にお伺いしたいのでありますが、学生の下宿の状態並びに今後学生の下宿をどういうような方法によつて確保して行つたらばよろしいか、この面についての御意見を質問を兼ねてお伺いします。  続いて、立つたついででありますから加藤次長にお伺いいたしますが、当初から文教地区設定に対して非常な御熱意を見せられていますことについて深甚な敬意を払うものでございます。そこでちよつと質問の要点が離れるかも知れませんが、文教地区に対する御熱意にからみまして、隣接せる国分寺においても御同様の要請があるやに聞いておるのでありますが、隣接せる国分寺の地区などに対してもどういうお考えが持たれているかということを附加えて御質問申上げます。以上であります。
  23. 佐藤康胤

    証人佐藤康胤君) 只今の御質問に対しまして、私の関係する面につきまして御回答申上げます。ホテル業者その他社会秩序を乱す虞れが今後もあるというふうな第一の御質問でございますが、これに対しましては、私のほうには自治体警察がありまして、この署長も或る程度私どものほうの意向によつて運営されております公安委員会に諮り、又公安委員会を通じまして警察のほうにこの点につきましては十分連絡をとりまして、対策につきましては十分遺憾のないよう期して行きたいと思います。現に一週間に一度程度は毎日ホテル業者を巡廻しておりまして、余りこの業務の面におきまして濫りに淫らな何と申しますか、ふしだらな面のないようにということは、巡廻して相当注意を与えておるようでありますから、その点一つ御安心おき願いたいと考えます。それから学生の宿舎問題でありますが、これは先生の御質問がちよつと逸れていると思います。この宿舎の問題は、実は学校当局のほうにおきまして十分その御指導を願いたいと思うのでありまして、町理事者としましては、協力はいたしますが、その面につきまして指導的な立場に立つて宿舎まで心配するということはちよつと不可能であると思います。それから第三の暴力行為、婦人の促進委員に対するところの暴力行為云々というふうな御質問でありまするが、これは私が今現在までに感じておる範囲では、この御懸念はないと思います。或いは先ほど松岡議員証言にもありました通り、この指定議決に至るまでの過渡期におきまして、両派対立しておりまして、非常な激論を交わしておるその時分におきましては多少その懸念もありましたので、私のほうから警察に対して十分事故の起らないようにということは連絡してありましたので、さしたるそれらの面におきましての問題はなかつたのでありまして、解決いたしました現在におきまして、こういうようなことは私のほうとしては考えられないと思います。それからなおいま一つ町の指導者のうちに反対の運動に携わつておるとか、或いは又それを却つてつたような懸念があるというお話でありまするが、これは実は名前を申しますと何ですが、選挙管理委員長をしております佐伯貫一さんというかたでありますが、これは非常に人格の高潔なかたでありまして、成るべくその町の平和のために一日も早くこの問題が平穏のうちに解決するようにというふうな見解をとりまして、決してこの文教地区反対をしてどうこうと言つたのでは私はないのじやないかと思つております。或いは又促進派のかたがたに言わせますと、慎重な議論を立てるかたは一応それとちよつと反対のようにも考えられて、或いはそういう関係からしましてあの人は我々の言つてくれることに積極的に賛成をしてくれないというふうな面からしまして、御熱心な余り、我々とちよつと肌が合わない、どうもあいつは反対じやないかというふうにも考えられるのじやないかと私は思つておるのでありますが、選挙管理委員長としましては、決して文教地区指定反対の立場をとつておるわけでは絶対にないと、私はこう思つております。私に対する御質問は大体以上の通だと思います。
  24. 加納金助

  25. 松岡きく

    証人松岡きく君) 先ほど高田先生から今後恐喝は続くと思うかという御質問があつたと存じておりますので、そのことについて申上げたいと思います。只今町長さんもおつしやいましたように、八月十四日に最後の決定を見ますその途中におきましてはいろいろなことがございまして、私も先ほどちよつと申上げましたように、私の宅では四回いわゆる何んといいましようか、呶鳴込みといいましようか、そんなようなことがありまして、最後に七月の十日のときに、ラジオが社会の窓で国立の問題を三十分間取上げてくれたことがありました。そのときの十時過ぎに二人ばかりやつて来ました。そうして、今日の放送は誠に気に食わんから、今日の放送をした者は誰かと言いました。名前を言えと言われました。強面で談判に参りました。そういうことは私は言う限りではない、私もそのとき立ち入りませんで存じませんが、たとえ知つておりましてもそういうことは言うべきではないからと思つて、どういう必要があつて言わなければならないかと言うと、大変不都合だからこれから呶鳴りに行くのだという意味を申しました。私は大変悪い癖があるので、よくその癖があることを承知してもらいたいということを再三再四申しました。そうしてしまいには松岡詐欺師とか何んとか大変大きな声でわめき散らして帰らなかつたものでございますから、そのときたまたま来合せていらつしやつたかたが早速警察のほうへ電話をかけてくれました。警察のほうでも早速巡査を二人よこしてくれました。そのときには電話を聞いて早速退散いたしましたが、翌日警察のほうから私に聞取書を作るから来てくれということで参りまして、そのときも警察のかたにもはつきり申上げました。そのときは私は家の中で応待しておりましたから、これは家宅侵入にはならないと思いますけれども、精神的にはそういうことがたびたびあるということは、私はともかくとして、家の子供たちがこわがりまして、その後、たびたび恐れまして、人が来るたびに怯えたりいたしましたので、こういうことは今後絶対に許さないから、今後こういうことがあつたら適当な手続を通じて告訴するということははつきり警察にも申上げておきました。警察も、こういうことは再三になつて連続になると一つの犯罪を構成するからこの次はそのほうがいいでしようということを言つてくれました。それは七月の十日でございましたが、その後私どもには何とも言つて参りませんので、これは最後の決定がどちらにきまるにしても、血を流がさなくては済まないのじやないかということを反対派のかたがたびたび申しましたが、最後の八月九日に一票の差でございましたけれども、反対請願が却下ときまつたときには、昼間のせいでしたか、大変平穏でしたので、私は今晩人が来るのだろうと覚悟しておつたら何のことはございませんでしたから、只今申上げましたような恐喝を私のほかに受けたかたは、皆いわゆる国立のかたと、それからいわゆる立川のほうから来た業者に操られた、大変言葉は過ぎるかもしれませんが、お金で雇われた何かのかたのように見受けられましたが、そういうかたは最近は見受けられないように思いますので、今後は大丈夫じやないかと思つております。
  26. 赤松要

    証人(赤松要君) 学生の下宿の点について御質問でありますが、これがどれほど、つまり女が入り込んだことによつて学生が下宿を出されたかということについては、私も今的確な資料を持ち合せてないのでありますが、学生からそれを聴取したところによりますと、相当多数に上つているのであります。更に私の経験から申しますれば、私の隣りが四月からホテルになつたのでありますが、そこは前には学生に下宿をさせておつたのでありますが、一人二人学生が、私の見知りの学生でありますが、下宿をいたしましたが、すぐ退散してしまつたのであります。それはその頃から女が下宿するようになつて来たのでありまして、従つて女が下宿しておつたのが、この四月からホテルに変つたのであります。そういう例が多数ほかにもあるだろうと推察いたしております。それで今後の学生の下宿につきましては、なかなか今日部屋代が高いのでありますので、相当の裕福な学生でないとできないのでありまして、今国立に下宿している者は余りたくさんおらないと思うのであります。従つて学校のほうでは寄宿舎の増設を考えているのでありまして、できるだけ多く学校の寄宿舎に収容する方針をとつておりますが、財政的になかなか困難なようでありまして、急速にはそれが実現できないだろうと思うのでありますけれども、学校としてはできるだけ寄宿舎を多く増設しようという考えであります。現在三百数十人が学校の中の寄宿舎に住んでいる次第であります。
  27. 加藤清一

    証人(加藤清一君) 国分寺を文教地区指定したいという希望があつたかどうかという御質問のように拝聴したのでありますが、このことにつきましては、そういう意見もございますが、まだそうしようというところにまで行つておりません。但しそういう御意見もございますから、なお一段と研究を進めて見たいと思います。
  28. 高田なほ子

    高田なほ子君 ちよつと町長さんの第二点の質問にズレがあつたのですが、私は別に町で学生の下宿を心配しろというような気持ではなくて、これから普通の家がだんだんとその売春を内容とする方向に切替えられて行くような危険性がある。このことはご承知でありましようが、ポツダム政令ではつきりと規定されて、売春を内容とする契約をした場合についての罰則規定もあるわけであります。普通の家が切替えられて行つた場合の風教上の弊害というものは非常に大きいので、こういう問題に対してどういうお考えを持つておられるかという質問であります。それをお聞かせ願いたいと思います。
  29. 佐藤康胤

    証人佐藤康胤君) この問題は高田先生の御心配になつておる通り、多少私もその懸念があるのではないかと思うのであります。と申しますのは、御承知の通り土地が非常に立川に近接しておりまして、いわゆる非常に生活上困つておる家庭等につきましては、多少自分では不自由な狭い生活をしても、部屋にゆとりをつけて、そうして一月何千円なり何万円あがるようなかたに部屋を貸そうというふうな多少動きがあるのでありますが、ただこの経過の中にも一応申上げました通り文教地区指定と相並びまして、浄化運動というような動きもあるのでありまして、この運動を継続して行く限りにおきまして、住民も恐らく自粛する気運が十分今後できて来るのではないかと思つております。町としましては、これらのことにつきましてでき得るなら積極的に指導して行きたいとは思つておるのでありますが、何分にも財源その他の関係がありまして、これを取締るということは恐らくちよつとできかねるのではないかと思つております。ただ税金の面におきまして、そういうふなものを置いておるような家庭につきましては、特別にこれを考慮に入れまして、町民税或いは固定資産税の賦課の際に考慮して行きたい、こういうふうに考えております。それによつて間接に或る程度の自粛を助けるのではないかと、こう思つております。
  30. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 私は今日の事態に到達できたことにつきまして、各位に敬意を表するものであります。各証人から承わつたところによりますと、今後種々雑多の、いろいろの困難の問題が起つて来るかと思いますが、これは一に町長である佐藤証人、それから町会議長であられる池田証人の、私は御苦労ではございますが、手腕に期待を申上げるものでありまして、ただ私ここで是非お聞きしたい点は、赤松証人でございますが、私先般視察させて頂いた場合に、大学当局又学生と申しますか、そういうかたと国立町の町民との間に感情の対立というようなものを非常に印象付けられたわけでございます。ややもすると国で立てた国立大学というものは、その学校の所在する地域社会から遊離と申しますか、比較的関係を持つことなく学校が運営されて行くというような時代が過去にあつたかと思うのであります。私はやはり小中学は勿論、大学に至るまでも各教育機関というものは、その地域のかたに温い心で包容してもらわなければなりませんし、又関係者も包容して頂けるように努力しなければならんのではないかと、こういうふうに私は考えておるわけでありまして先般から非常に対立感情があつた、それから本日の証人のかたの証言によつても、なお後に若干残るものがあるのではないかと、そんな点に佐藤証人池田証人が今後御苦労なさるのではないかと推察しておるわけでございます。大学におられますところの赤松証人としてこういう国立町との溝、こういうものをなくするために、学校当局として、更に又学生の指導に当つて如何なるお考えを持つていらつしやるか、御構想なり御決意を私は是非この際承わつて置きたいと思うのです。
  31. 赤松要

    証人(赤松要君) 只今の御質問でありますが、従来私ども町の財政とかその他の問題について関心を持つていなかつたことは事実でございますし、学校当局並びに事務当局が、国立の大学という意味におきまして町民諸君に或いは若干感情的な態度をとつてつたということもあるのではないか、これも私は否定されないかと思うのであります。そういうことで一橋大学全体としまして比較的国立町に縁が薄く無関心であつたというようなことも私は否定されないと思うのであります。まあ併し或いは大学にあります兼松講堂を町民の演芸大会或いは講演会、或いは映画会を開くために化学教室を貸して上げる、そういうようなことは今まであつたわけであります。それらのことは私も実は関係しておるものでありまして相当その点では町民の諸君に便宜を与えて来ておると思うのであります。その他の事務当局との折衝については一々私は知らないんでありまして、官僚的な態度が或いは町民諸君に若干の不快の念を与えておる点もあつたんではないか、こういうように考えます。それで学長ともよく話合つておるのでありますが、今後国立町の発展についてもやはり大学は無関心であつてはいけないだろう。町の理事者その他と十分協力して一つ国立町のためにも尽そうじやないか、こういうふうに学長とも話しておるのでありまして、今後この機会に、或いは雨降つて地固まるというような結果になるだろうと私は考えておりますし、学校の方針もそういうふうに変えてできるだけこの町の発展に協力して行きたい、こういうふうに考えておる次第であります。
  32. 岩間正男

    岩間正男君 この問題が一歩を進めらまして今日のような結論を持たれたことは、我々今までこの問題によそながら関係して参りました者として非常に喜びに堪えないところであります。併し先ほどから話がありましたように、文教地区というものが指定されてその指定だけで問題は終らない。恐らく文教地区指定ということはこの問題を解決する一歩の手掛りだと、こういうふうに考えられる点が多々あるんであります。そういう点でこれは先ず町長さんにお伺いしたいんでありますが、第一に、今度の問題をめぐりましていろいろな与論が対立し、又そこに反対派のいろいろな激烈な運動なんかも行われて、先ほど松岡さんから話がありましたように、なかなか治安の面で相当これは苦労される点があると思うのでありますが、現在どういう状態になつておりますか。反対派、賛成派というようなものがこれはどういうようなパーセンテージになつておりますか。又これらに対して今後恐らくいろいろな問題は起らないだろう、こういう点を聞いてそうかとも思うのでありますけれども、併し相当今後の町政の中に、或いは根を残して行く面も考えられるのであります。そうしてそこからいろいろな問題になつて、やはり摩擦なんかも予想されるのでありまして、こういう点から反対派の人たちに対しまして今後どういうふうな対策をお持ちになつて行かれるか、こういう点を先ず私はお伺いしておきたいと思います。
  33. 佐藤康胤

    証人佐藤康胤君) 反対の立場をとつております議員は、皆さんすでにお聞きの通り最初は四名であつたのであります。その四名の人たちは、結局市の発展を阻害するということが一つ、それから財政問題の面において非常に懸念があるというのが一つ、大体の反対理由はこの二つであつたと思うのでありますが、非常にこの人たちの反対意見は根強かつたのでありまして、最初は実はこの輿論というものはおかしなものでありまして、話の持つて行きようではどつちにでも通じるというようなのが事実でありまして、促進させたほうから聞いた話、それから又反対のほうからああだこうだと言われるので、そつちにも判を捺した、そういうようなものが町民の中には実は一部あるようでありまして、実は反対派から出ました署名のかたがたが絶対どこまでも反対であつて、そうして二千何百名がどこまでも町政に対して今後非協力的であるとは考えられないのでございます。反対かたがたも立派にとにかく町会議員として選出されておるかたがたでありますし、そうむやみやたらと何でもかんでも暴力沙汰に訴えてまでも、今後あらゆる面に非協力的であるとは私は考えられないのでありまして、この面については反対されたのだけれども、どこまでも人格者としまして、そういうふうな行動は国立町の議員に関する限りないものであると私は信じておるものでありますから、若し又そういつた面におきまして、そういうふうな気配があるとするならば、議長さんともよく相談をして、或いは又その他の議員ともよく打合せをいたしまして、極力そういうようなことのないように努力して行きたいと思います。
  34. 岩間正男

    岩間正男君 輿論のパーセンテージは現在どういうふうになつておりますか。一頃反対派の署名も相当集まつてつたのでありますが、そういう状態、先ほど松岡さんのお話によりますると、商店街の人たちも二百何人か、又逆に真相がわかつて今度は賛成のほうに変つた、こういうふうに聞いておるのでありますが、現状ではどういうようになつておりますか。
  35. 佐藤康胤

    証人佐藤康胤君) 現在でははつきりした数字が幾ら幾らということは申上げかねると思います。はつきりとはわかりかねます。併し反対署名をいたした者は二千三百何名おるのですが、この人たちはどこまでも反対であるということは考えられないのでありまして、そう大した数ではないと思います。
  36. 岩間正男

    岩間正男君 私たちの参りまして伺いました印象では、やはり問題の本質が反対派の人たちによくこれはつかまれていなかつたのではないか、つまり財政問題とかいろいろそういう問題を根拠にされておりますけれども、地方財政が非常に貧困に陥つておる現状というものは、やはり国家財政と関連してこれを大きく見なければ解決がつかない、地方財政のそこだけの問題として、いわば小さな袋の中に入つてこの問題を考えるところから非常に一つは大きな対立が出て来ると、こういうように考え得るのでありますが、こういう点が先ほど我々の要望としまして是非とも今後平衡交付金文教地区に対する割当増額、そういう点は町長さんからも、なお東京都の加藤次長からも要望があつた、無論これは我々としても努力しなければならない問題であり、今までもこれについてはやつて来た問題であります。併し根本的にはもつと現在の平衡交付金なり、地方起債というものは、地方財政を本当に豊かにするためには、もつと徹底的な対策というものが国家財政との関連でなされなければならない。ここがやはり一番根本ではないか。この点についてやはり反対派の人たちにも十分に納得させる、了解させるという運動がこれがやはり必要ではないかというふうに考えておるのでありますが、この点につきましては意見に亘りますから、これは今後適当な措置を御考慮願つたらいいのではないかと思うのであります。  次にお伺いしたいのでありますが、赤松町長にお伺いします。先ほど非常に恐らくなかなか言いにくいと思われるようなことを赤松証人は非常に学園を愛し、それから日本の将来というようなものにも関連して切々とした訴えをなされたことは漏れなく我々はお伺いしたのでありますが、そこで先ず当面した問題としてこの根本対策につきましてはここで喋々しようとは思いません。併し当面した問題について文教地区指定されて、そうしてその結果恐らくこれは風教の面で非常に効、果が見えてよくなるだろう。    〔委員長代理加納金助君退席、文部委員会理事高田なほ子委員長席に着く〕  こういうふうに一般の人たちは期待しておる。ところが実際問題としまして依然としてこれは米軍がそのままいる。そしてそこに女が蝟集するという形で以て、先ほど申されましたようないろいろな形が起つて来る。これにつきましては当然これは日本の警察がもつと真剣になつてこの問題を取上げて、そうしてやはりはつきりしたけじめを以てやらなければならない。もう一つは、又進駐軍のMPにおきましてこれに対して徹底的にやはり私はこの処置をすべきだ、こういうふうに思うのであります。これは赤松教授のお話になりました御意図というものは十分に我々は噛け分けて聞く必要がある問題でありまして、又反米に落したくない、日本人を反米に落す条件を、実はこの運動が反米運動だなどということを非常に宣伝することによつて、逆に反米に導いておるそれから又非常にそういうような事態が、いろいろ目に余る事態が起るために、日本人は期せずして望まなくてもそこに落されている、こういうことを引いてこれは御発言になつたので、これは誠に御尤もな御意見たと思うのでありますが、これに対しまして、当面した問題としまして日本の警察並びにこれは向うの軍隊警察が如何ようにこれに対して処置するか、これは今後の問題にもなつて来ると思うのでありますが、これに対しまして一体どういうような点を強く要望されますか、この点をお伺いしたいのであります。なおこれは町長さんにもこれに対する御決意のほどを伺つておきたいと思うのであります。
  37. 赤松要

    証人(赤松要君) 只今の問題につきまして、実はここにおきましては、この町の同志会の婦人連中が立川のフインカムに参りまして陳情いたして、協力をするという先方の話も聞いて来ております。私どもの学長も一度尋ねまして、やはり協力するという返事を承わり、先般はリツジウエイ大将夫人に対して町の婦人たちが陳情書を提出いたしております。その効果かどうか知りませんが、先般何日ですかちよつと記憶がないのでありますが、フインカムのトーマス少佐から学長宛に、その後この事件はどうなつておるのかという問合せが参つております。それに対して学長から、実は文教地区運動をやりつつあるのであるが、その事態は少しも改善されていないというようないろいろな証明を挙げまして返事をいたしたのであります。それから又無論国立警察署に対してもいろいろ婦人連中が一つこの事態を取締つてもらいたいということを申しておるのであります。併しその効果はどういうふうに現われているかと申しますと、白昼に女が米軍と共にホテルに出没するということはなくなりました。これはなくなつたのでありますが、夜九時から十時頃にかけまして、まさに私どもが勉強をやろうとする時間でありますが、頻繁に自動車が参ります。そして十二時頃で静かになるときもありますけれども、さつき申上げたように一時、二時まで騒いでおるときもあるのであります。そして朝早くやはり自動車で退散するのでありまして、私ども夜中に自動車の爆音を聞きまして妨げられておるのでありますが、又朝早く自動車が来ましてそれを迎えに来ておる。まあそういう状況で白昼、昼にそういうものが公然とホテルに出入する事態はなくなつている、これが一つの効果でありましよう。併し夜は前よりも一層殷盛を極めておる、こういう状態であります。その点は少しも効果がないのであります。従つて今度文教地区指定になりますれば、或いはすでに申請をいたされましたから、改めて学校なり同志会のほうからフインカムのトーマス少佐に向けて陳情をしたいと言つておりますし、国立警察に対しても同様取締方を要望したい、こういうように今取りあえず思つておるわけでありまして、その大きな対策についてはさつき申上げたように一つ議会の皆様においてお考え願いたい、こういうふうに思つております。
  38. 佐藤康胤

    証人佐藤康胤君) 只今赤松先生からいろいろ御説明がありましたので私のほうから重ねて申上げるまでもないと思うのでありまするが、結局、要はくどくどしく申上げるようでありまするが、町全体に対して財源を豊かに与えてさえ頂けるならば一切の施策は町の力でできると思うのであります。例えば、このホテル業者がどうしてもまずい、この文教地区としての町にふさわしくないというのでありましたらこれに或る程度の補償金か何かを出しましてこれを撤去させるということも一つの行き方ではないかと思うのであります。併しながら武蔵野市の八丁の問題にもありまするように、それを撤去させるには莫大な経費がかかるというふうな関係がありまして、ちよつとなかなかこの町自体でこういう大きな問題を解決することは不可能である。どうしてもこの際私是非ともお願いしなきやならないのでありまするが、この平衡交付金の問題でありまするが、今は現在この東京都下だけ考えて見ましても、八丈島であるとか、大島であるとか、或いは又南多摩、西多摩の本当の奥のほうの村でありましても、平衡交付金の計算の基準というものは皆同一であります。我々の所みたいに、今後数年ならずして或いは又市にまで発展を考えられるような所とおのずから施策が変つて来なければならないと思うのであります。今現在この国立町といたしまして一番重大な問題になつておりまするのは、道路の問題であり、下水の問題であります。道路は町道が約四十二キロばかりありまして、これを二間幅、三寸厚みぐらいに砂利を敷くにしましても約三千万円からかかるのです。それから下水でありますが、これは都の建設局のほうに今申請しておりますが、約一億数千万を必要とします。こういうような莫大な経費を要するのでありまするが、私、この天下に誇る大学町を建設しようというためには、無理ではありましようが、何が何でもやりのけなければならない立場に立たされておる。さような意味合いからしまして是非とも一つ、全国的な文教地区指定の問題が本日解決されたのでありまして、今後町の理事者といたしましては、いわゆる文教地区らしい町を是非とも一つ一日も早く建設したいというのが私の本当の要望でありまして、さような意味合いからしまして、是非とも一つ皆様がたの全面的な御協力を切にお願いしたいと思うのであります。そういうことによりまして初めて本当に文教地区ができ上るのじやないかと思つておるのであります。
  39. 岩間正男

    岩間正男君 主として財政問題からまあ御返答がありましたが、又要望があつたわけであります。無論この財政問題につきましては、我々も今までひたぶるに、この問題については第十国会なんかでも闘つて来たわけであります。併し又なかなか取れない原因につきましてはここでは申上げません。無論御要望に副うように我々は闘うわけでありますが、この問題は無論そういう方向に行くとしまして、ただ私のお伺いしているのは、やはり日本の自治警なら自治警の警察官諸君の確信の問題、これはやはり真の文教地区を作り上げるためには必要なんじやないかと思うのです。つまり風教破壊ということが現実に起つている、この問題に対して先ほどのお話ですというと、どうしても占領下にあつては占領軍のやることにはもう如何ようなことがあつてもそれを無条件で聞くのだと、こういう考え方、ここに私は日本人の、これは単に国立だけじやないと思いますけれども、陥つている一つの錯誤があるのじやないか、我々はやはり占領政策というものがきめられて、ポツダム宣言の施行される線で、飽くまでもこれは日本が非軍事化され、そうして平和を守り抜くという、こういう線で、そうして非武装化される線で我々は占領されておるのであります。そういう方向からこれは外れて行くような問題に対しましては、やはり日本の警官諸君なんかは、これは諸君の職責内においてやはり毅然として立つということが今日只今必要なんじやないかと思う、こういう意見につきましてこれは町長さんとしましては、やはりもつと督励する必要があるのじやないかということを私は申上げたいのであります。殊にまあ現在進められておりますところの講和という問題が、仮にこれは調印されると、そうしてそれと裏表になつておりますところのこの軍事協定、日米軍事協定というようなものが作られますというと、これはアメリカ軍は依然として駐屯するということになります。或いはその数が十個師団、二十個師団と伝えられるというような形になつております。そういうことになりますならば、こういう状態はもつと或いは広汎に起るのじやないか、こういうことは今から予想されないものじやないのであります。更に又さつき話がありましたが、治外法権、恐らくこれは立川あたりは治外法権という一つ地区指定されるのであります。恐らく日本に二百以上のそういう軍事基地が持たれるということが言われておるのでありますが、そうしますというと、治外法権がすぐに近くにこれは起る。その治外法権がもつと拡張されて来ればこれは隣りの国立まで及ぶということは、想像にかたくない。こういう現状に対しまして、これはやはり何といつても自分の郷里を守り、自分の町の平和、自分の町の文化を守り抜くという、これはよほど固い決意が、やはりこういう一つ文教地区のただ一つの、今度の皆さん自身の立上りによつてとられた処置がもつと拡大強化されて、しつかり日本の民族を守る立場から、私は決意を固くすることが非常に重要じやないか、こういうふうに考えるわけであります。恐らくこの文教地区が、いわば日本の憲法や六三制みたいに、名前だけが文教地区になつて、中身のないことになるかどうかいうことは、これは皆さん自身の決意並びに我々国会議員の任務でもあると思うのでありますから、こういう点で飽くまで我々は皆さまの御要望に副つて闘い抜くことをお誓いできると思うのでありますが、皆さんにおきましても、これは皆さんに直接した問題であり、殊に国立のお母さんがたにとつては、自分のかわいい子供さんたちの全く重要な未来の、将来の問題になる問題でありますから、これについて切望にやはりこの文教地区を実質的にもかちとられることを私は要望申上げまして、私の質問を終りたいと思います。
  40. 宮城タマヨ

    宮城タマヨ君 今日の結果になりましたことを、町長さん初め当局者、PTA、婦人団体のかたがたに大変有難く、議員の一員といたしまして御札を申上げたいと思つております。それにつきまして、私は証言を求めるということでなしに、ちよつと町長さんと、特に松岡議員にお願いしたいのでございますが、実は今法務委員会で非常にむずかしい売春処罰法案というものを作ろうと思つて、もうこれは数年に亘りまして実態調査をいたしておりながら、なかなかむずかしい問題がございますのです。ということは、実際に稼いでおります婦人たちの更生を考えなければこの問題は解決つかないということ、殊に全国を調べて見ますと、その婦人たちの中の実に大部分といいたいほど、お母さんが多いということであります。それでお母さんを守り、子供を守るということを考えますときに、非常にむずかしい問題に逢着いたしまして、私どもも今悩んでおりますが、今日の文教地区の問題については解決がつきました。皆さまがた国立町におきましても、今後浄化運動ということをますます盛んになされることを願いますと同時に、この婦人たちの更正ということについて、殊に子供を持つているお母さんが、私は確かにの八十人、九十人と数えられておる中にあると思つておりますが、そういうものをただ蝿を追うように一地区から隣りの地区に追われただけではやはり問題は解決できませんから、この際一つ町長さんと、殊に命がけでこの運動に、母を守り、子供を守り、教育を守つて下さつた松岡議員に、婦人の立場で一つあの婦人たちの更々問題について一層考えて頂きたい。又御当局、学校その他皆さんがたで考えて頂くことが、これは根本的の解決一つになると思つておりますから、私はお願いを申上げまして最後にいたしたいと思つております。
  41. 高田なほ子

    委員長代理高田なほ子君) 御挨拶申上げます。本連合委員会は、日本の正しい文化的な発展を願いましての国立文教地区設定にからみまして、真剣にこの問題と取組んで参つたのであります。本日は同じ思いをいたす証人各位におかれましては、大変に御多忙の中にもかかわらず、長時間の間真剣にこの問題と取組まれましたことについて心から感謝するものでございます。幸いにして聰明な国立町民の各位のかたがたが、私たちの企図するよき方向を支持されると共に、立派な結論を得られましたことは誠に御同慶の至でございますが、今後に残された問題は、各委員からの質問などによりましてほぼその焦点が明確になつたと思うわけであります。特に町長におかれましては、この困難な問題に対して、今後幾多の苦難はあられましようとも、聰明な町民各位の背後の協力を信頼されまして御奮起なされることを切望いたしますと共に、特に家事、育児の雑用を顧みず武蔵野に子ら、日本に子らの成長のために、母親が陣頭に立たれて闘われましたこの御熱意に対しては、深甚な敬意をここに表するものであります。  本連合委員会は、数々の御要望がございましたが、今後も又その御要望に副つて努力をするということをここに一言御挨拶の代りに申上げまして、心から感謝の意を表し、将来の御健闘を期待いたしまして、本連合委員会を終ります。    午後零時五十八分散会  出席者は左の通り。   文部委員    理事            加納 金助君            高田なほ子君            木内キヤウ君    委員            木村 守江君            平岡 市三君            荒木正三郎君            大野 幸一君            高橋 道男君            矢嶋 三義君            岩間 正男君   法務委員    理事            伊藤  修君            宮城タマヨ君    委員            左藤 義詮君            長谷山行毅君            山田 佐一君            齋  武雄君            岡部  常君            須藤 五郎君   事務局側    常任委員会専門    員       竹内 敏夫君    常任委員会専門    員       長谷川 宏君    常任委員会専門    員       西村 高兄君   証人    国 立 町 長 佐藤 康胤君    国立町議会議長 池田由太郎君    国立町議会議員    文教地区指定実   行委員会委員長  田島 守保君    一橋大学教授  赤松  要君    国立町議会議員 松岡 きく君    国立町議会議員 三田 章作君    国立町P・T・    A連合会代表  中村 武彦君    東京都教育庁教    育次長     加藤 清一君