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1951-10-09 第11回国会 参議院 電力問題に関する特別委員会 閉会後第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十月九日(火曜日)    午後二時七分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○電力問題に関する調査の件  (報告書に関する件)  (電力不足対策に関する件)  (電力割当に関する件)  (電力不足対策に関し政府への申入  れの件)   —————————————
  2. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今より昨日に引続いて電力問題に関する特別委員会を開会いたします。  本日は電力問題に関する調査報告書提出の件について委員諸君にお諮りいたしたいと思います。本委員会閉会中も継続して主として電力需給状況使用制限状況及びその対策等について調査を続けて参つたのでありますが、未だ結論を得るに至つておりませんので、参議院規則第五十五條によりまして、閉会中の調査未了報告書を提出して頂きたいと思います。御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 御異議ないと認めます。それではさよう決定いたします。報告書内容につきましては、実は専門員からその経過等について説明を一応さした上で議員諸君の御賛成を得たいと考えておりましたが、事務的に捗つておりませんので、委員長に一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 御異議ないと認めます。それではさよう決定いたします。  それから委員長の提出する報告書にあらかじめ多数意見者署名を附することになつております。本件について賛成かたがたの御署名お願いいたします。   多数意見者署名     清澤 俊英  栗山 良夫     小川 久義  山川 良一     秋山俊一郎  東   隆     加賀  操  岩木 哲夫     椿  繁夫  佐々木良作     水橋 藤作  須藤 五郎     小野 義夫  石原幹市郎     奥 むめお  島   清     岡田 信次  結城 安次   —————————————
  5. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 委員諸君にお諮りいたします。本日関西地区電力事情について陳情のため大阪府知事商工会議所会頭府会議長等大勢のかたがお見えになつております。大阪府知事赤間文三君から発言を求められております。発言を許したいと思います。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 御異議ないと認めます。それでは大阪府知事赤間文三君に発言を許します。
  7. 赤間文三

    参考人赤間文三君) 発言機会を與えて頂きまして心から感謝申上げます。私たちは今日まで関西電力の問題につきまして、地元でできるだけのことは一つつて、八月以降の電力危機に対しては善処しようということで、消費の面におきましても節約の面におきましても、できるだけ努力をしてこの危機を抜けるべく、なお又関西電力会社ともたびたび密接な連絡をとりまして、どういうふうにしてこの危機を切抜けるかということについてたびたび協議いたしました。或いは又二府四県の関係者の大会もいたしまして、いろいろと地元におきまして総力を挙げて電力問題の危機を突破すべく努力をいたしたのであります。併しながら事態がかくのごとく悪化をいたしましてもはや我々の力ではこれは及ばない。どうしても電力関係につきましては、政府にも十分要望をしなければならん、又電力関係委員会等におきましても、これは心から実情を吐露してお願いをしなければ由々しき大問題であると考えまして、本日大阪市長商工会議所会頭府会議長市会議長、なお又工業会の会長、大阪の大体こういう方面の主な人々とともどもに政府の要路又電力関係委員会陳情上つたような次第であります。東京が政治の中心であり、又文化その他の中心であることと同時に、大阪日本産業経済中心でありまして、日本の復興の産業方面の重要な地位を担つておるのでありまするが、ここにおきまして、今日におきましては大体一般需用は一週間に二日半仕事を休んでおるのであります。それから専用線需用方面におきましては、週に二日の休憩を、電力のために仕事を休んでおるのであります。併しながらこのきまりました一般需用で週に二日半、専用需用方面で週に二日ということでやつておりまするが、電力が非常に足りませんために、緊急停電というものが少くとも日に五、六回、二十分おきぐらいに緊急停電というものが参るのであります。このために各種産業というものは非常にずたずたに切られまして工場生産計画も殆んどできない、或いは鋳物工場のようなものは鋳物が途中で電気が切られますというと役に立たないようなものができる、又中小企業におきましては資金も足らないし、非常に苦労をしてさなきだに金のために難儀をしその日その日を食つている中小企業のようなものにつきましてはとてもこれはやり切れない。こういう点からいたしまして労働者生活の不安も著しく高まりまして遅欠配というものが非常な勢いで増加をしつつあるような状況であります。大阪生産は私の考えから参りますると、月に三百五十億から大体四百億の生産と見ておるのでありまするが、今日のような状態でありますると月に百億ぐらいの、損害は優に百億以上を突破するのじやないか、私はかように考えておるような次第であります。又一方におきましては、病院等におきましても手術の真最中にぶつぶつと電気が数回切られ、ローソク手術をやる、而もむずかしいいろいろな病気の手術ローソクによつて立派な手術ができんで、あくる日までこれを延ばすというような事例も非常に私は多く耳にしているような次第であります。こういう点からいたしまして、この状態が続きまするならば單に大阪が沈滞するばかりでなく、日本産業方面に及ぼす影響というものは実に甚大なものがあるのであります。我々は地元といたしまして、何といたしましても関西電力株式会社が馬力をかけてくれなければいかんということでたびたび交渉いたしましたけれども、石炭の入荷が非常に悪くありまして、僅かに毎日々々その日を食うて行くに足らない、関西方面火力は大体一万トン焚ける設計を持つておるのであります。併しながらフルに焚くことは技術その他の面がありまするが、七千トンぐらいの石炭を焚くならば著しく緩和せられるのでありまするが、石炭貯炭量というものが日に一万トンか一万二千トン多くて二万トンぐらいであります、石炭がそんなに焚けないのでありましてせいぜい三千トンか四千トンしか焚いていない、こういうふうな実状でありまして、このまま放置するならば由々しき問題が起つて来る。労働者の賃金の遅欠配から生活の不安は勿論のこと、中小企業が成立つて行かない、延いては社会不安を増大する虞れが非常に多いのであります。よりまもて我々は今日大阪首脳部かたがた全部陳情参つたのでありまするが、陳情要旨といたしましては関西二府四県の関西電力株式会社に対しまして、少くとも月に二十五万トンぐらいから三十万トンぐらいの石炭の手当を是非緊急に願わなければならん。恐らく御承知のように今日のような渇水は異常でありまするが、恐ろしいのは今日の渇水と併せて一月、二月、三月という例年の恐ろしい時期もあるのでありまして、今日以後におきまして少くとも二十五万トンから月に三十万トンぐらいの石炭を何とかして一つの工夫を願えんだろうかということを陳情参つたのであります。どうしても石炭確保、月に二、三十万トンの石炭確保をどんなことがあつてもやらなければ関西産業が物凄いほど衰えまして、日本生産が窮地に立入ると、かように考えておる次第であります。  次に第二のお願いの事項といたしましては、東京関西と比べまするというと我々は非常な差があると考えておるのであります。関西におきましても先般一万田さんが見えたのでありまするが、こんなに悪いということは、悪いと聞いておつたが、来て初めて驚いた、これはもう何とか緊急に措置をしなければならんじやないかということをもうしみじみと数回に亘つて話しておるのであります。我々といたしましても関西東京よりも非常に電気工合が悪い、而も日本の心臓で、殆んど中小企業の今日々々を暮して行くものにかくのごとき打撃を與えまするならば足腰立たなくなつて壊滅して行くだろうという考えを持つておりまするので、私のお願いの筋は、第二点といたしましては、少しは地区によつて差があつてもいいけれども、あんまりひどい地区ごとによる電気の差ということは何とか公益委員会なり、政府のほうでやつて頂かなければ工合が悪いのじやないか。私曾つて大阪商工局長をやつておりますときに冬季の渇水におきましてはどうしても石炭が間に合わないときには関東方面から融通を受けて仲よく生産に従事いたしておつたのであります。電気設備を変えなくとも私の過去の経験から見れば十万キロぐらいの電力は私は送れると思うのであります。関西がまさに破滅に瀕したときに、日本の、而も産業中心である所に一つもう少し東京方面から御同情願つて、少くとも関西東京は少しは差があつても大体率は、規制の率を同じくして頂くことが、食糧と同じような重要性のある、工場食糧とも言うべき電気については御配慮が願いたい。これが第二の陳情要旨であります。  第三におきましては、速かに印度の炭を入れるとか、いろいろな方法で輸入の方途においても、何とか一つ困難はありましても御努力が願いたい。併せて、石炭が都合よう行かないならば、石炭確保と併せて重油を外国から入れて頂きまして、火力発電所設備を、一部改善をいたしまして、どうしてもこれは石炭も焚けんで困つたときには重油を入れるというような施策を講じてもらいたい。  なお又最後には琵琶湖とか、或いはその他関西にも有望な開発のできる所があるのであります。琵琶湖とか、或いは熊野川とか、或いはこれはほかの所でありまするが丸山とかというような所の開発を一応早期に一つつて頂くことが望ましいのじやないか、今年のこの渇水には間に合わなくとも一日も早くこの電力危機からこれを脱却をするように御盡力を願いたいと考えておるのであります。我々といたしましてはもうこれ以上この電力の問題が今のような悪化状態が続くならば産業が壊滅するのみならず、延いて治安その他に好ましからざる悪影響を及ぼすことは立つてもいてもおられないということで、大阪首脳部かたがたと共同で本日陳情に参つたような次第であります。委員会におかせられましてもどうか我々の意のあるところをお聞取り頂きまして、でき得る限り電力問題につきましての御高配をお願いを申上げる次第であります。甚だ簡単でございまするが、極く概要を申上げまして、若し時間をお繰合せ頂きまして御質問でもありましたならば、どうぞ一つ質問でも賜わりますならば、私わかつておるだけのことを十分一つ申上げまして皆様がたの御同情と御援助を特にお願い申上げまして一応終りたいと思います。
  8. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 昨日からの引続きの調査項目についての質疑を今から開始いたします。御発言がありましたら……。
  9. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 昨日の要点に鑑みて本日資料公益事業委員会から出ておるのを今拝見しておるのですが、その中でこの十月六、七、八の暫定融通措置に対する資料が出ておるのであります。これの説明を一応して頂くと共に昨日松永委員長代理は四、五日のうちに昨日の佐々木委員質問に対処して具体的に融通措置をとるという重ねての言明であります。或いは的確なことを述べて頂くということは困難かも知れませんが、現に十月六、七、八の融通措置がここに現われておるがごとき実情に鑑みまして、大体どういう計画でどの地区からどういう融通を図り操作をするという具体的じやなくても輪郭案と申しましようか、その案のほどをこの際松永委員宮原委員又は松田総長よりこの際お述べを願いたい。右要求いたします。
  10. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 松永委員長代理は三時頃御出席になるそうです。松永委員長代理からの御答弁はそれから先にして頂きたいと思います。それでは公益事業委員会側から提出されております資料について平井技術長から御説明願います。
  11. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) 一括して御説明いたします。お手許に四枚ほど最近の需給状態に関連しました実績数字を差上げてありますので、お許しを得ましたものですから一括して御説明申上げたいと思います。  先ず第一番目に昭和二十六年度会社別自然流量状況及び出水率表というのが横刷りのものでございます。これは左のほうに縦に電力会社別に並べてございまして、右のほうへ四月十九月までにつきましては一カ月の平均数字を以て現わしておりますし、十月に入りましてからは毎日の自然流量状態を現わしておるのでありまして、これはいずれも単位は千キロワツトでございます。そうして数字はABCと、三通りありまして、Aはそこにございますように平水年における自然流量の値でございます。例えば一番右の九日の状態で申上げますならば、自然流量東北において五十三万五千キロワツト、こういうふうな意味でございます。次のBは当月自流と書いてございますが、九月までは当月の実際の実績平均日量でございます。それから十月に入りましてからは毎日の自然流量であります。それから本日の自然流量東北の場合には二十六万キロであります。Cは出水率であります。この八カ年平均、これは九月までは九カ年平均になつておりますが、この平均自然流量に対する実際の自流割合出水率と申しておるのでありますが、そのパーセンテージで差が出ておるのでありまして、右の九日の本日の姿でこれを見まするならば、東北は四九%、東京が七八%、中部六二%、北陸三八%、関西が五〇%、その次が中国が二八%、四国が八七%、九州は昨日から今日にかけまして非常に水が出まして、一二〇%という今日の数字を現わしております。北海道は八六%、全国平均は六五%であります。一番下の欄で御覧頂きますと、四、五、六、七月につきましては六月が僅かに渇水を示しましたほかはおおむね相当豊水であつたのでありまするが、八月は九四%で、九月の平均は七八%になつておりまして十月に入りましてからは極く若干の雨のありましたときにはたまにちよつと戻つておりまするが、ずんずんと減つておりまして、昨日、今日は六五%という非常にひどい数字が出ておるという状態になつております。それから半枚物の縦の印刷物で各社計画制限状況と書いたものがございます。これは十月五日現在の実情を表にしてお目にかけたのでございまして、御承知のようにこの時期におきましては法的措置といたしましては特別大口についてはこの書いておりまするうちの四国を除きましては、法的措置としては三割の制限をいたしておるのでありまするが、それから又休電日は一日ということになつておりまするが、実際はそれよりも非常に状態が苦しいのでありまして、それぞれの地区説明は省略いたしまするが、会社別に大体一般配電線の扱い、大口とについて書いてございます。なお備考欄も御参考に書いてございます。もう一枚、半枚刷の横刷りの表のようなものがございます。各電力会社別最近の電力抑制状況、これはこの前の委員会のときにお手許に差上げましたものは九月までにつきましての七月の平均日量に対する割合というので、その引続きでありまして、十月に入りましてからの六日までの実績を毎日ここに書上げてございます。この表にありまする数字は、一番上は七月の平均日量でございまして、これをAとしてございます。この数字は特殊を除きました常時電力量実績でございます。これは七月のときは非常に豊水でございまして、おおむね自由にかかつておりました状態なんでございますが、これを平時にしてこの十月の六日までの平均を出して見ますると、下から二行目に出ておりまするような数字になつておるのでありまして、これがいろいろと需用部門別業種別等によりましての制限内容は変つておりまするが、全体を通算して見ました場合に、七月の平均日量に対しての十月に入つてからの六日までの平均がどれくらいの内輪になつておるかというのを現わしておるのでございます。数字東北が六一%、東京が九三%、中部が九〇%、北陸が六四%、関西が七五%、中国が六五%、九州が八九%というふうになつております。この比率はそれ自身が直ちに現在の十月における需用に対する制限割台を示しておるものではないのでありまして、七月の平均日量に対する割合という意味でございます。若干違うわけなんでございますが、一応一つの目安になるので、こういう数字をお目にかけたわけであります。実際におきましては、この表を御覧になりまするときには特に東京中部関西というふうな地域におきましては電灯需用相当大きくございまして、そういうふうな季節的に秋になつて殖えるもの電灯その他のいろいろな産業において多いのでございまして、七月の平均日量よりは十月における自然の姿における平均日量相当程度上廻つております。即ち東京はこの七月よりは若干程度上廻つたところから見るべきなのであります。それから、例えば北陸というふうな地域におきましては、東北とか北陸という地域になりますと期間需用というような電気相当つております。これは十月の現在ではすでに落ちる段階になつておるのであります。そういうふうなものの多い地域におきましては、むしろ七月の平均日量よりは十月の平均日量は下目になるという傾向は特に北陸なんかでは出るのでありまして、そういう数字を含めて若干我々はこの数字を見ておるわけでありますが、一応の実情はこれでおわかりになると思うのであります。  最後に別に書いてありまする枡のようなところに書いてありまする、下のほうの表にある縦書きの表でございますが、これは十月の六、七、八の三日間の、この三日間につきましては実は暫定融通措置を講じた日なのでございまするが、そのときの状態を現わしておるのであります。実は地帶間融通につきましては電力会社の間にはそれぞれ一応の契約による融通責任量というものがきまつておるのでありまして、これによつておおむね平水年の標準の場合における融通責任量というものがはつきりしておるわけなんでありますが、実際の運用におきましては出水率、その他の事情がいろいろ変りまするので、電力会社の間ではそれぞれの間で協定によつてその運用をしておるのであります。で、最近のように渇水地蔕帯間にいろいろ差が出て参りまするにつれまして、その契約の限界よりはかなり超えて相互の間の融通を自主的にはいたして来ているのであります。それで十月、この上の融通図と書いてございますのは各枡が会社でございまして、その間に矢印がついておりますのは実線で書いてありますのが会社間の融通契約による平均日量を千キロワツト・アワー単位で現わしておるのであります。例えば東京関西の例で申しますると、関西から東京に向けて二十六万二千キロワツト・アワーが十月の平均日量になつておるのであります。これに対しましてこういうふうな意味で表を御覧頂くとわかるのでありますが、丁度六日の日に入ります前に委員会のほうからも更に事態が十月に入りまして悪化いたしましたので、電力会社に対して更に融通強化に関する勧告をいたした、強く慫慂をいたしたのでございますが、その結果各社の間で融通をいたす直前の一日から三日までの日量を基礎として、そして更にこれだけ分増加融通しようという数字が出たのでございます。その数字点線で書いて、そして括弧の中に入つておりまする数字になつておるのであります。例えば只今関西東京の場合には、融通契約では関西から東京に二十六万二千キロワツト・アワーを送るという日量に対しまして、逆に二十二方キロワツト・アワー東京から関西に送るというふうな形になつておるのであります。例えば東北東京の場合にもそうでありまして東北から東京に百二十二万キロワツト・アワー融通するというのが契約なんでありますが、逆に東京から東北に五十二方キロワツト・アワー融通する、こういうふうな形になつておるのであります。そういう意味融通措置のこうした数字がこの上に点線で書いてあるわけであります。併し実際にはこの大体一日から三日までの出水状況、それから制限状況等の上に立つてこの融通量増加のほうをやるのでありますが、実際の六、七、八の各日については、地域によつては、例えば東北のような状態では雨が降りましたし、その他いろいろ事情変化等もございまするので、結果的に融通をしました数字は、絶対量はそれを差引くのでございますから、変つて来ております。その関係が下のほうのB各地の総需用及び融通日量実績として出ております。例えば東北東京の場合の例で申しますると、一日から三日の間においては二十万乃至四十万ばかり東京から東北に送つておるのであります。マイナスが落ちております。東京から東北に四十万乃至二十万送つてつたのでありますが、六日、七日、八日には三十七万七千、三十二万九千、十三万二千というふうな融通東京から東北に送つております。矢印マイナスになつておることを示しております。以下説明を省略いたしまするが、こういうふうな実績を結果的には出しておりまして、そうした融通をいたしました結果、この六日、七日、八日の三日間における先ほど一般的に御説明申上げました七月の平均日量に対しての割合が、どういうふうに平均化しておるかという結果が下の右の表に出ておるのでありまして、例えば東北の場合には九月二十八日、二十九日、十月一日の三カ間の平均では五八%と下つてつたものが、この融通の結果として七六・六、七七・五、七〇というふうに変つております。この融通によつて電気を出しました側の東京は九五がそれ以降において下つて来ております。中部の場合においては、そういう意味において下つて来ております。関西中国等地域におきましては、そうした融通措置を講じましたにもかかわらず、結果が、改善された数字が出ておらないのでありまして、その辺の点につきましては我々は検討中なんでございますが、大きな原因は主としましてサイクルが非常に下つておる関係上、系統電力の、電気的系統切換が思うように行かなかつたというふうに聞いております。目下なお調べておるところでございます。只今も御説明申上げました三カ日間の融通措置は、大体今日一ぱいで切れることになつておるので、六、七、八と書いてありますが、時間的には本日にずり込んでおるわけであります。本日は昨日から更に委員会から強く慫慂いたしまして、昨日から今日にかけまして、電力会社の間で更にその日量の上に立つて融通量調整の打合せをさしております。その結果は本日の夕方までに決定することになつております。
  12. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 何か御質問がありましたら……。
  13. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 説明は大体わかつたのですが、もう一つ私がお尋ねしている、今後の計画というものの案をお示し願いたいと思うのですが、如何でございますか。
  14. 宮原清

    説明員宮原清君) 数字的には又平井君から御説明も伺えるだろうと思いまするが、昨日こちらで皆さんのお話などは、一層委員会のほうにもはつきりした気持について話合いをする機会を得ました。そうして今日も、すでに昨日、より多くの融通をするようにということを各電力会社に、委員長は丁度そこへいらつしやつたものですから、応援して私どもお願いして来ました。それが相当向うへも通じまして、昨日から寄り寄り協議をしておるのであります。只今平井君からも申上げました通り、そのときそのときに対応したということになりますれば、毎度申すようですが、雨のことも相当の材料になるのであります。併しながら大体において昨日中国から御要求がありましたように、中国地区は七十万キロを要請するということでありますが、さような大量は到底今の場合望めない、九州実情もそれほどの余地を持つておりませんので、従つて九州から応援するという中国の場合は、そういうことになるように全体のことを操作をして、ここに計画として申上げることはちよつとむずかしいと思いますが、併し成るべく差等のないようにしたいということの趣旨は技術的に可能の程度、又その所在における産業の重要度等についての変化もございましようが、趣意として今まで地帯間の融通というものは単なる契約で、そのままで行くべきだという一つ考え方は、すでによほど前から一擲して、皆が寄り寄り相談しているということの、その態勢を持続するようにということを強く要請いたし、同時にもつとできるだけの強化をして欲しい。関西東京が非常に違うというような事柄はいろいろの事情もありましようけれども、要するに東京により多くのものがあるのだということになる、そういう事柄は九分割当時以来、例えば司令部の方針等に関しまして、これを了承を受けることに相当の困難があるが、併しそういうことを超越したことをしたいということを強く電力会社にもこちらから慫慂いたしましたし、司令部のほうへも、昨日ちよつと申上げましたように、その点についての了解を、制限強化というなにを得たのであります。併し極端な事柄になりますれば、いつどういうふうに、いわゆるそれには不同意だということがないとは限りませんが、只今の非常事態という説明によつて、大体において今後の変つた料率等が出ましても、分量の操作については異議なく了承をしてもらうという覚悟で強く要請をするつもりでおります。従つて只今適切な御返事のできませんことは遺憾でありますが、数字的に申せば、大部分において非常に殖えて来た場合には、勿論それの量を増すというような工合に、自然流量の変化に応ずることによつて、絶えず相談しなくてもオートマテイツクのスライドをし得るようなことに工夫して話合いを続けて頂きたいということは、今朝東京電灯が代表しておる意味で、幹事として来られたかたに、私みずから強く要望いたしておきました。心組みとしてのことを大体さように御答弁申上げて、それ以上の数字のことにつきましては、若し平井君からお話ができましたら、さして頂きたいと思います。
  15. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 昨日の夕刊でしたか、今朝の朝刊でしたか、全国制限率をA地区とB地区に分けるという記事が出ておつたようでありますが、四〇%、五〇%というのですが、あれはああしたことは今日の委員会資料が出ていないのですが、間違つていることか、権威のないものか、あれはどういう方法でああいうことをされたのかということも聞きたいのが一点と、もう一つは昨日平井技術長がお話になりました暫定的に十月末、七、八の総需用のパーセンテージに最後の十月四日の結論から見て、例えば東京中部のそのパーセンテージと、そのほかの東北北陸関西中国などのパーセンテージのは二〇%内外の依然として調整を、融通暫定措置をしたといつているが非常に開きがある。技術の可能な範囲内でやると言われておりますが、暫定措置において二〇%の、これらの地区となお相違があるということは、これ以上技術上できないからこうした結果になつておるのか、或いはこれに対してまだ努力が足らんのか、まだ調整上の話合いができないからこういう結果が現われておるのか、乃至は将来これらを、せめてこうした激しい開きのないように縮減、縮小する考えにあらねばならんと思うのが昨日の松永委員長代理佐々木委員との結論であろうと思うのでありますが、この辺のところを一応承わつておきたいと思うのであります。
  16. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) 昨日松永委員長代理から御答弁申上げました通りであります。今後に対しましての融通の点はできるだけ事情の許す限り、その制限の程度の差のないような方向に漸進をいたす意図でございます。で、只今手許にございまする数字から見ますと、数字自身からは相当開きがある形になつておるのでございまして、我々としてはこれではまだ決して満足でないのでありまして、昨日今日の電力会社の何でも強くその点は申しておるのであります。ただこの数字は先ほども御説明申上げましたように、季節によつても、夏の実績に比べる場合と若干の相違がございますので、そういう点は含んで御覧を頂きたいと思うのであります。それからもう一つの御質問の、今朝の新聞に出ております点は、あれは事実であるかどうかという御質問なんでありますが、今日の新聞に出ましたものは、実はこの十日で一週間ごとにやつておりますところの法的措置の期限が切れますので、これに対しましてその後の措置についての大体の構想が、事前に新聞に漏れたのでございますが、今日委員会で大体その線に沿うての決定がなされまして、これは関係方面とのもう一つの打合せをいたしまして、実施することになると思うのであります。
  17. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 昨日からあれほどやかましく言つておるし、今日も委員会が続行されて、ああした問題が本日の重要な課題であるということは、これはあなたがた御当局もわかつておれば我我もそれを中心に、本日の委員会の論点であると考えておるのであります。そういつたようなものが漏れたというようなことで、そうして新聞に漏れた姿のままで、委員会に何らの資料の提供もせずにおいて、こうした過去におけるようなものばかりの刷物を出して、聞かんとすることは、今後におけるところの調整をどうするかということも併せて中心議題にならなければならんのに、漏れたからというままで、委員会を馬鹿にしたような態度をとるというのは何事でありますか。
  18. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) 実は印刷物を本委員会の始まります前に間に合せるようにと思つてつておりましたのでございますが、手違いでまだこちらへ、向うは持つて出たという連絡はあつたのでございますが、こちらのほうへ届けておりませんので、それを以て実は御説明申上げるつもりでおつたのであります。その点の行き違いを御詫び申し上げます。
  19. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 今朝の朝刊ですから、恐らく昨日の夕方漏れたのかどうかわからんが、それなら昨日の委員会、六時半七時までかかつたようなものに、なぜあれの詳しい案が立案されるとするならば、昨日佐々木委員松永委員長代理に追究した最後に、何とか四、五日うちにやろうと言つた、すでに四、五日前からああしたことが研究され、又当然責任の立場から研究されて立案されるべき筋合いだと思う、それをその委員会の論議の中心を外そうとし、ぼやかそうとしてああいつたことを昨日すでにやるべきものであるにもかかわらず出さなかつた責任というものは、こういう措置をとるから、必要以上に公益事業委員会に対して世間及び当委員会においても論議が尖鋭化するわけであります。こうしたことは大体公益事業委員会たるの民主的な本来の性格趣旨から見て、著しく私は間違つた行為であろうと思います。この責任は誰がとるのか、一応承わつておきます。
  20. 宮原清

    説明員宮原清君) それにつきましての実情を私から御説明して御了解を頂きたいと思います。多分今日司令部の了解を得まして明日発表になる事柄は、当然四日で期限が参りますことに対しての案として早くから作つてつたわけでございます。そうして又そういう情勢に対してのことを織込んだ、将来こういうふうに決定して制限しなければだんだん先へ行つての問題に面倒なことが起るということで、只今もおつしやるように責任上も当然考えて作つてつたのでありますが、当局方面には多少私どもの作りました案に対する理解を欠いておりまして、それの打開にやつさもつさ数日を経たわけであります。従つてこの四日以後の処置については、その是正せらるべきものを処置することができなくて、そうして従来のままを取りあえず延ばさざるを得ないというような実情であります。従つて昨日それを御表示するということについての事柄は、今お話の通り決してできないことではなかつたのでありましようけれども、今日それを確定するまではまだ私どもとしてもどういうことになるのかわからないということで報告をしなかつたのでありまして、而も均一論は本表の意味におきましては、司令部において相当な論議があるのでありまして、九分割した各電力会社が独自の立場において所在のことを処置する原則は、おおむね今も堅持されております。ただかような非常事態なつたことに対する特別な融通をしなければならないじやないかということについてやや決定しまして、その間を一応了承してもらつてそうしてこの間からのものを続けたのであります。更に昨日も均一論が、ございましたが、この均一ということは、私は電気は素人でありますからわかりませんが、技術的に相当むづかしいと同時に、地区その方面における事情等については、今の原則的な建前もなきにしもあらずでありますから、それをそういうふうに一挙にするということについては、かなり困難があるだろうかということを恐れております。実は松永委員長代理がそういう心がまえについて話をしたのに対しては、私は多少そういうことについての危惧があつたものだから、或いは誤解のないようにはつきり申上げた、つまりやらないのじやない、できない間にそれをするというお約束をすることがどうかと思つたので、そういう発言を求めたのでありますが、松永委員長代理考えとして、心がまえとしては是非そうすべきだということを自分は考えたから皆さんにそういうふうにお返事したのだ、実際問題としてできるだけのことをするという以上は、均等に或る程度のところまで行けるまでのことをやる、これは周囲にいろいろ事情があればどの程度にとどめざるを得ないか知れませんが、先ず以てそういうことについての原則的な気持をはつきり申上げたということである、その間の食い違いが今御質問のごとくしわ寄せされたことと思いますが、幸いに御了解を得れば仕合わせでございます。
  21. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 昨日の委員会が二時過ぎ、三時前だつたと思いますが、松永委員長代理が、今そうした問題は松田事務総長が関係方面に折衝中であるから、きまつたら大体報告することができるから、やがてここに来るであろう、ところが松田事務総長が来られても、それは説明せず、最後佐々木委員の追究においてそういう方針であるということを言われた。そういつたように大体内定し、大体の順序が運んでおつて折衝中であるといえども、委員会においては事前にこういう案で関係方面と折衝しておるということは今日講和調印が結ばれたその後の対関係方面との諸般の情勢から見て、そんなにまで極秘にする問題でなく、ひとしくガラス張りでこういう委員会において協議すべき問題を独善的に交渉した結果において、なお新聞紙上に発表した後に今日もやかましく言われてから書類を取寄せるというふうな委員会を愚弄する態度というものはけしからんと思う。それから第二はそういつた心がまえであるとか何とか言つておるが、心がまえを私たちはこんなに真剣に聞いておるのじやない、要するにそれを実行する肚であるかどうかということを尋ねておるのです。(「その通り」と呼ぶ者あり)それを実行しないということであるならば、その責任を心がまえで済ませるということで、あとは万が一の場合には頬被りして行こうというような態度であるということは、これ又委員会を愚弄しておる。若しできなかつたら、委員会はどういう責任をとるか、この辺を明確にしてもらいたい。
  22. 宮原清

    説明員宮原清君) 言葉の綾に属するので、或いは弁解になるかも知れませんが、心がまえとかという事柄が漠然としておるようでありまして、而もそれを確定不動のように御返事をした場合の責任も又私どもの負うところでありますから、その段階的の意味における程度のことを申上げたということでありまして、更に実行する心組みだということを申上げても、実行しないまではやはりそういう説明になると思います。その辺については、つまり責任上非常に用心をしているというふうに御解釈を頂かなければ、私どもの本旨とは違うのであります。
  23. 佐々木良作

    佐々木良作君 それは相当重大なことになつたと思うのですが、委員長代理にはつきりとお伺いしておきたいのですが、宮原さんは今昨日言われたことは、恐らくそうすることが正しい、そうするつもりなのだろうということで言われたのですが、松永さん、それくらいのことですか。
  24. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) 少し遅刻しまして、問答の全貌を伺つておりませんが、只今佐々木さんの御質問はもう一度……。
  25. 佐々木良作

    佐々木良作君 繰返しましよう。要するに昨日松永委員長代理が私の質問に対してお答えになりましたのは、数日中に、三日という言葉でしたか四日という言葉でしたか忘れましたが、要するに数日中に技術上可能な範囲内におけるところの融通措置をとつて、そうして技術上可能な範囲内で全国の制限率を同じにしよう、こういうふうにするつもりだ、こうおつしやつたのですが、今宮原さんがお答えになつたところによると、それはそういうふうにしたいと思つておるのだけれども、それはどうなるかわからん、関係方面との折衝があるからといつたことを言つたのですが、どつちが本当なんですか。
  26. 宮原清

    説明員宮原清君) 私は松永さんがさようにお思いになつていらつしやるということで推測を申上げたのでありまして、私がそういうことを自分で考えておりまましたから、それで私はそういうことについての程度についてお話が一律一体少しも変りがないということでなくても、それに近似したものにできるかという御質問つたと思いましたから、それははつきりできるということを今申上げる時期ではないと思つたので、この間私がそういう話をせずに発言することを求めたのであります。併し松永さんがそれに対して御返事があつたものですから、後に私がその話を聞きましたときに、自分としてはできるだけのことをするつもりで言うたことであるからという返事を得たので、それを今議論している、こういうわけです。
  27. 佐々木良作

    佐々木良作君 今度は宮原さんにちよつとお聞きしますが、宮原さんは昨日の話をずつと御承知つたのでしよう。松永さんは委員長代理として発言されているはずですから、委員の中に意見があるならば、そのときにすぐ言わなければいかんわけです。委員長代理として発言している限りにおいては、それは委員会を代表して発言されている、そのときに不満があつたら……、それを知らん顏をしておいて、今頃になつてどうのこうのと言うのは、委員会内部の問題であつて、それを委員会に持出すことは我々には不満がある。
  28. 宮原清

    説明員宮原清君) それはちよつ、御無理ではありませんか。委員長代理として御返事をなさることに対して私が事柄を明示しなかつたことも手落ちだつたかも知れませんが、発言する機会を得たいと言つてお話したことは皆さん御承知の通りであります。併し松永さんが私に任せろということだつたから私は黙つておりました。併し事柄は実際にそういうことで委員会が意見が違うとか何とかということは、委員会の協議にかけての上のことでありまして、この点について私がお答えするのは一向差支えないと思います。
  29. 佐々木良作

    佐々木良作君 そうするとあれですか、松永さんのほうにお尋ねいたしますが、昨日松永さんがお答えになりましたことは、委員会を代表して委員会としてそういうふうになるということでなくて、松永さん個人でそういうふうにしたいというくらいのお話だつたのですか、どうなんですか。松永さんがつまり昨日お答えになりましたことは、私は当然委員長代理としてあのときに質問申上げておりますし、而も委員会を代表してお答えになつておると思つたのですが、松永さん個人として適当にお答えになつたのでしようか。
  30. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) お許しを得まして坐りながら……。いろいろお話が混み入りそうでありますが、松永委員委員長代理という資格で話した場合は、それは委員会を代表するものであるか、或いは松永が委員の一員として話したものであるかという法律論は、私は不得手でありますから、どういうことになるのかわかりませんが、私どもにしましても、宮原君にしましても、いろいろ電気の問題につきましては、電気事業者の立場、消費者の立場及び事務局が多少、或いは関係筋と交渉しましたことに基いていろいろと考えておりますことをこちらで伺つた時分に質問に対してお答えします場合は、常に良心によつてつた限りの知識によつて御返事を申上げておるのでありますから、委員会を代表したとも言えるし、又委員の一員として誠意を以てお答えしているものとも言えるのでありますから、その法律的見解の点は暫らくお許しを願つて、できましたら昨日佐々木君にお答えしたことにつきまして、多少食い違いか何かあるようでありますから、私から弁明いたしてよろしかつたら弁明いたします。
  31. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 佐々木君にお諮りいたしますが、今の公益事業委員会の意見はどうかという問題は、政府委員としては松本委員長松永委員長代理、松田事務総長、平井技術長、中川経理長、これが政府委員であります。宮原委員説明員の資格でお見えになつておりますから、松永委員長代理が言われたことが正式な意見であるというふうに委員長は解釈しております。
  32. 佐々木良作

    佐々木良作君 私もそのように了解しております。従いまして今説明員のほうからのお話は、私は聞かなかつたことにいたしたいと思います。但し附加えて私申上げておきたいと思いますが、今の宮原さんのお話によりますと、昨日の話と違つて形式論ではなくて実質的に非常に心細いようなお話なんですけれども、昨日言われた通りに委員会としては、松永さんが言われたようにやられるつもりであることに変りはないかどうか。昨日私に御答弁なすつたことと……。(「それは駄目を押す必要はない、はつきりしている。」と呼ぶ者あり)それじやよろしうございます。それでは私はそういう工合に了解したものとしておきます。
  33. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 答弁要りませんか、佐々木君。
  34. 佐々木良作

    佐々木良作君 私どもは昨日の通りに了解いたしておりますから、特別の事情の変更があるならば、当然委員会のほうからお話があるべきはずと思いますから、それまでは昨日の通りになつておると思つております。
  35. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) 只今のお話に昨日若し私が附加えておつたとすれば、もう少し二、三附加えることが或いは足りなかつたかと思いますが、こちらに参つたときも、余り老人は長い講釈をせんほうがいいという話だつた、簡単明瞭に分配は公平に均等にするか、そういう精神かと言われたのに対しまして、無論そうであるし、併し技術的そのほかの事情がこれを許さん場合には、その限度において最大の努力をいたします。それから命令を出す日にち、そのほかについては今三日間の試験をしまして、更に相当な試験をして見て、その状態によつてやりますということを申上げたつもりであります。なおそれじやお前何か昨日の講釈を言いたいことがあつたかとおつしやれば、御希望によつて又長くでも何でもやります。
  36. 佐々木良作

    佐々木良作君 今のお話で昨日承わつておりましたのは、技術上可能な範囲ということから、その他というのが附加わつておりますけれども、私は聞いておりませんから……。
  37. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) それは甚だ恐縮ですが附加えておきます。
  38. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 えらい話がおかしくなつて来たので、私は昨日の松永さんの決意を聞いて、さすがは電気の鬼、松永さんだと思つて安心したのですが、今日の話では何かぐらついて来た。特に三日間の成績を見た上でとおつしやつております。三日間の成績を見ると、何ら融通になつていない、結局何ら成績が上つていない、精神だけでは開西及び東北中国の企業家は、松永さんが如何に立派な精神を持つてつても、それが実現しなければ、これは生きられないのであります。松永さんの精神を聞いておるのじやなくして、実際どういう形が現われるかということを期待して待つておるので、精神論はやめてもらつて、実際に実行してもらいたいと思うのであります。それから今技術的にというようなお話を聞いたのですが、技術的ということの内容をもう少し詳しく具体的に説明して頂きたいと思います。
  39. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 技術内容を須藤君の理解できるような方法で御説明願いたい。
  40. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) これは昨日の佐々木委員の御発言にも大体において均等にというお気持で御発言があつたように私、覚えておつたのでありますが、さてそのときの技術上という意味は、私ども非常に広い意味に解釈いたしております。技術上と申しますると、例えば純然たる送電技術設備の連繋を持つておりますので、そういう送電技術上の問題は当然考えなければならない。設備の都合でどうしても或いはサイクルの関係とか、或いは連絡線のネツクとか、いろいろな点での抑制がありますことは、当然止むを得ない一つの事実であります。もう一つは、実際には昨日の中川さんというかたからの御発言にもいろいろございましたように、例えば需用構成の内容も当然我々は見なければならない。それから一面においてそれが渇水による原因であるか、或いは石炭対策の面から来た、対策が思うようにうまく行かなかつたという石炭のほうから来たかというような点も一応考えざるを得ないのであります。又その何もかも抜いて完全に平等ということにいたしまするについては、一面企業意欲というような点を阻害しないように考慮をせざるを得ない、そうした点もやはり一つの要素として考えて行く、そういう技術上及びその他のという意味でそういうことを考えておるということを御承知願いたいと思います。
  41. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 私たちは公益事業である以上、融通などは松永さんが精神論を説くまでもなく、これは道義的に解決して行かなければならんことと思つておるのですが、今日の様子を見てみると、公益事業でありながら普通の商業会社と同じで、融通も単なる商取引に終つておるように思うのです。ですから如何に公益事業委員会が一生懸命になつても、恐らく我々の満足するような融通ができないだろうと思うのですが、会社があなたたちの命令通り、要望通り実行しなかつた場合、その会社に対してあなたたちはどういう処置ができるのか、又しようと思うのか、その点を伺つておきたいと思います。
  42. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) 融通命令が発動されますのは、種々の形があろうと思つております。例えば某会社、某会社のみの融通命令にする場合、或いは時間を切つて融通命令もあろうと思います。大体は水力が普通にできた、普通の状態におきましては現在融通契約によつてつておるのであります。只今のごとき特別の事情の起つた場合はやはりこの命令も或る区間と区間との間の融通命令となり、或いは又融通を受けておつたところにさかさまに融通を命ずるという変態もあります。これについては五十サイクルのところで、六十サイクルのところで技術上動かすことのできん場合は、止むを得ず振替勘定によつて融通命令をしまする場合は、その中間に加わつたもののその技術融通の範囲に入つて来なければなりませんが、この融通命令を受けないで、單に……。
  43. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 そういう説明を伺つておるのじやないのです、私は。責任を伺つておるのです。
  44. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 須藤君の質問は、公益事業委員会から各電力会社融通をするように命令を出して、或いは斡旋をして、融通公益事業委員会の言うように各電力会社がやらなかつた場合は、公益事業委員会電力会社に対してどういう大体考えを持つているか、制裁規定を適用するという意思があるか。こういう須藤君の質問でありますから、そのつもりでお答え願います。
  45. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) 承知しました。それでそういう当面の融通をせねばならん義務をいたさないところのものが受ける制裁と、それから中間の人の制裁とおのずから程度、方法も違いますので、制裁はありまするけれども、それをどういうふうにするかということについては御返事はちよつとしにくいのであります。
  46. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 御返事がしにくいということを、まあなぜしにくいのか伺いたいのですが、だつてあなたたちが三日間の融通をちやんと命令した。ところが三日間に入つていないということが昨日八日の表に現われておる。決して融通になつていない。こんなことでは、関西つて中部つて中国つて北陸つて、決して満足してはいない。こんなことがいつまでも、あなたたちが融通々々と言つているが、こういうことがもう一カ月も続いたら、この地方の中小企業というものは殆んど皆倒れてしまい、大企業だつてどんどん倒れて行く。労働者は賃金不拂いで食うものがなくなつて来るということになつて来る。その責任を誰がとるのか。あなたがたが誠心誠意、誠心誠意と言つても、ねぼけたことを言つておる間に、皆国民は餓死しなければならない状態だ。その責任を誰がとるかということを聞いているのです。そんなねぼけた説明を聞いているのじやない。はつきりしてもらいたい。(「その通り」と呼ぶ者あり)
  47. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 結局須藤君の言われることは、この六、七、八の三日間で公益事業委員会が各その会社融通を慫慂された程度の融通では、電力融通をしたとは思われないと、こういうことですが、だからそれを公益事業委員会はどう思つておるか。この程度のことを若し融通考えておれば大変なことになるぞと、その責任は誰がとるのかと、こういうのがまあ須藤君の今の御意見です。これを公益事業委員会としては融通の極限と考えておるのか、或いはまだまだ融通の方法はこれ以外にあるのだというふうに考えておるのか、そういう意見があれば、その意見の御開陳を願つて、須藤君に御答弁したらいいと思います。
  48. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) 今西田委員長さんのお話並びに須藤さんのお話、(「前置はよろしい早く」と呼ぶ者あり)一緒に一本にした点にお答えいたします。今の三日間行いましたのは、いずれ法的の命令を出す、いずれ法的の命令を出す場合の処置制裁は、必ずこれに違反した人が責任を持たなければならんことになるものと御了解を願いたい。
  49. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 どういう責任を持つのか、その点を明らかにしてもらいたい。(「法律ではないのだ」と呼ぶ者あり)
  50. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 須藤君の言われるのは、融通命令を出した場合に違反した場合はどういう罰則を適用するかということですか。
  51. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 そうです。その結果が現われなければ役に立たないが、結果が現われればどこが責任をとり、そうしてその責任はどういう責任をとるのかということだ。
  52. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 融通命令が出た場合は融通命令に違反した場合の罰則につきましては、公共事業会の中に罰則規定があります。その規定を恐らく適用されるだろうと思います。この六、七、八の三日間の融通命令は融通命令に基く融通ではなくて、公益事業委員会の慫慂と斡旋によつて電力会社の間に今までの融通契約外に特別な融通契約を持つてつたということですから、これには罰則の適用はないそうです。
  53. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 それではその融通命令をいつ出されるのか、そうしてその融通命令を、どの程度の制限を出されるのか、そこを伺いたい。
  54. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) お答えいたします。只今ちよつといつからということは申上げかねます。それから如何なる程度を出すということは今日申上げかねます。
  55. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 いろいろ問題になりましたが、昨日、今日のいろいろな討論ではつきりしましたことは石炭事情は私どもの予定したようにうまく行かないということが大体はつきりしたと思うのです。この問題は今日これからあとの委員会でもう少し私は質したいと思いますので、一応今まで関係者から説明をせられた点にあるということで話を進めたいと思います。それから調整の問題は昨日松永委員長代理が答えられたように均等化して行く、こういうことを言われましたが、これも一つの前提として考えます。そういう工合に行いました場合に来年の三月までの見通しが一応つけられなければならんと思うのであります。その場合に全国的の各消費者のかたがたが要求しておりますことは非常にむずかしいわかりにくいことではないのでありまして、例えば中小工場で言うならば、十分三日半なり三日なり二日半なり停電しておるものが二日になるというのか、或いは一日半に更に改善されるのか、或いは悪くなるのかということにあると思うのであります。従つて石炭事情が今日予想された通りであり、而もその範囲内において全国的な電力の消費規制も行う、そういう前提の下に立つて中小企業等の休電にこういうものは大体幾日ぐらいの最大限改善ができるのか、その見通しを一つお願いしたいと思います。これは長期の安定した送電ということを前提にしてどれくらいの休電に抑えることができるのか、これを伺いたいと思うのであります。(「議事進行」と呼ぶ者あり)
  56. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 これは栗山委員の質問要旨も極めて重要なことだと思いますが、私はもつと重要なことについて委員長においても御認識の上お運び願いたいと思うことは、昨日の松永委員長代理の再度、三度、五度に亘る佐々木委員質問に対する回答は重要なものであつたことは委員長並びに全委員知つておるはずであります。この問題は昨日のあのことがあつてから本日、昨日の議事録は各方面から多数要望が殺到して来ておる。昨日の議事録、委員長代理の言明については委員長代理としてやられたのであるから、公益事業委員会それ自身の代表であるということにおいて昨日の発言につきましては非常に期待も持つし、従つてそれが非常に重要な重みを持つことは論を待たない。ところが先ほど来の御意見によりますると、技術上その他というような字句を入れたかと思うというと、又数日中とか何とか、日は切れんということを又言い出した。結局昨日のあの貴重な時間において遅くまで論戦をいたした最も当委員会中心議題である点を本日全部ぼやかれんとしておるのであります。技術上その他という言葉が本日附加えられると仮にいたしましても、問題点は全国の制限率の調整、いわゆる平均化ということであつて、これに伴う「技術上」は、平井技術長の言うような広義の解釈というようなたわけたものである道理はない。目標は全国均一の制限率ということが建前で、それを忠実に実行する範囲内における極く小部分の技術上の問題であるのであつて、そこを又本日は技術上というものを広義に解釈し、それに又輪をかけて更に「その他」ということで昨日の重要なる質疑応答の内容を本日ごまかさんとすることは非常に重大な本委員会の侮辱であるし、軽視であると思います。なんの委員会を開催し、貴重な時間を費して論戦する必要があるか。委員長はすべからく昨日の委員長代理の発言と本日の発言内容に著しく食い違いを生じ、極めてこの問題がぼやけて来つつあるということに対し、この点を明確にするまで論議を先ず御整理を願いたい。
  57. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 委員長からお答えいたします。委員長は昨日の佐々木君と松永委員長代理との質疑応答を軽視はしておりません。併し岩木君の言われるほど本日の松永委員長代理のお答えは、笑いながらのお答えではあつたけれども、不まじめな内容ではないと考えております。佐々木君の言われる均一のみを目標とする電力規制をやるとするならば、これは重大な問題である。ただ電力会社公益事業委員会が少くとも各地区々々の産業状態、現実に生産されつつある状態その他について深い調査と確実なデータが出ていない限り、なかなかそれを行うことは委員長自体困難であると存じます。一例を引きますならば、仮に九州関西中国の例をとりますならば、中国火力のボイラーが壊れてしまつたというような場合は、これは恐らく中国ではサイクルが足らないために使えない。そのために関西でもサイクルが五十サイクルのものが、仮に四十五、六のところに来ておると、いう場合、これを均分にしたら関西も動かなくなる。こういうものも技術的な内容一つであろうと考えます。従つてこの問題は緻密な調査計画がないと軽卒に立案できるものではないと私は考えております。
  58. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 それであるならば、先ほど平井技術長が本日の新聞に出ているA地区、B地区制限率をやつたというのはどこを根拠としてされたか。又そういうことならいやしくも電気に対する専門家中の権威である松永委員長代理が数日中とか、四、五日中ということをなぜ言つたか。そういう委員会を愚弄するような態度はけしからんと思う。私は先ずそういつた問題から明確にしてもらいたいと思います。
  59. 西田隆男

    委員長西田隆男君) それは明確にするのは委員長の責任ではなくして委員と政府委員との間の質疑応答で自然に明確になる問題で、最後にどうしても明確にならんから委員長が明確にせよという御意向であれば、委員長明確にすることにやぶさかでありません。
  60. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 そこで問題がなかなか重要であるから一応この問題が解消するまで議事の進行整理にお手配を願いたいということ申上げておるのであります。若しどうしても委員会において処理ができなければ委員長に一任する場合もあり得るかも知れませんが、併しそういう順序で問題を明確にして次の議題に入りたいと思います。
  61. 西田隆男

    委員長西田隆男君) それは岩木君の御意見として承わりますが、質問者である佐々木君は昨日の御答弁と本日の御答弁を差異なきものとして了解しておつたために、委員長は何ら処置をとらなかつた
  62. 佐々木良作

    佐々木良作君 私の問題が出たから申上げますが、第一今の松永委員長代理でなくて、この委員会委員長も今の内容と、私の昨日申上げた内容とは著しく食い違つていること。この給電の関係の全国一律化という問題は今あなたが言われたように、何も定規を引いたような一律化を私は言つたわけじやない。それがために技術上可能だということを言つておる。技術上可能だいう意味は、利用面を含めた技術上可能だという意味ではない。給電技術上可能なのである。ですからいやしくも今の委員長のように解されると、これは相当内容が違つて来る。第一にそういうことであるならば、今岩木君の言われましたように、公益事業委員会需用構成を見て、そうして配給をするというような職務権限を一人で持つておるわけはない。そんな馬鹿な話はない。それを百歩讓つて許されるといたしましても、それは昨日の新聞に発表……今朝ですか、岩木君の言われたような問題は全然初めからおかしくなつて来る。私はそういう意味で今委員長が了解されておるような意味で私は昨日の問題を今日了解しておるのじやないのでありますから、もう一遍了解のし直しをして頂くようにして頂きたいと思います。
  63. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 佐々木君にお答えいたします。私は佐々木君の質問内容に触れたわけではありません。岩木君の言われたことに対して委員長考え方を答弁したので、佐々木君の昨日の質疑応答に関しては本日了解をされておる。だから発議者の佐々木君が言われなかつたから私は何ら処置をとらなかつた。そういうことを私は申上げたのであります。
  64. 佐々木良作

    佐々木良作君 私は今委員長を何も追究するつもりもありませんが、併しながらそれはちよつと話がおかしい。私の質問内容はこうであつたに対して、今の松永委員長代理の答弁はこうであつたというならいいんです。その内容と私の言つたことと内容が違つておればそれは訂正を求めるなり、或いはその了解措置を次に附加えるのは当り前の話なのであります。私は実を言えど、先ほどの話を委員長は言われなかつたならばいいと思う。恐らく松永委員長代理の御答えもそうでなかつたはずである。ちよつと委員長のほうで感違いがあつたくらいの感じをしておるわけです。むしろ岩木さんの言われたのは、今ここに問題が来ておるのだからもう少しこの内容を明らかにしておこう。その上で栗山君の議事進行の話だと思うのです。そうであるならば、そのほうが私は正しい、そのほうがいいと思いますから、今町岩木さんの議事進行の発言通りにでき得れば今のような議事整理をお願いしたいと思います。
  65. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 岩木君の議事進行の御発言では、佐々木君の昨日の質疑された内容とは違つた発言になつております。岩木君は全国一律に均分するということだけしか言われておりませんので、岩木君の言葉の中に、技術的に云々という言葉があればそれは不都合だという意味があつたと思います。委員長の申上げたことが若し委員会の運営上必要あれば委員長として取消すことにやぶさかでは、ございません。新たに議事進行についてのまとまつた御意見をどなたからか一つお述べ願つてその賛否をとりたいと思いなす。
  66. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 昨日私は松永委員長代理からこの全国の融通の問題について三日間の実績を見て、これは六、七、八ですか、この三日間の実績を見てその上でこの三、四日の間に公共事業会の五十五條に基く融通命令を出すというふうにお答えになつたと私は了解しております。議事録にもそうでないということであれば、議事録を調べてもう一遍後刻申上げたいと思いまするが、然るに先ほど須藤委員から、事業会に基く融通命令をいつお出しになるかとお聞きになりましたところ、これに答えられて松永委員長代理は、その日にちは申上げるわけに参りません、いつであるということも申上げられない、こういうことであります。昨日は三、四日或いは四、五日いずれにしても数日のうちにこの三日間の実績を見た上で事業会に基く融通命令を出すということを言明されたのであります。それが今日はそのことがぼやかされております。こういうことで何回この重要な逼迫した問題の討議を重ねましても、行きつ戻りつするようなことであれば、当委員会としても私は無駄でありますから、一応御休憩を願いまして、そうして昨日の速記録を調べた上で、改めて公益事業委員会の意見を聞くなり、そうしてこの委員会の継続方法について御審議を願いたいと思います。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  67. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 今速記録を調べて見ます。(「休憩だ」「暫時休憩されては如何ですか」と呼ぶ者あり)休憩する必要はないでしよう、速記が来ておりますから。読んで見ます。
  68. 松永安左ェ門

    ○松永安左ェ門君 言葉に別にこだわるわけじやありませんが、二進の一進というようなかちつとした均等というものは技術的にも実際的にも非常に困難でございます。それでできるだけ各社の寄り合いで三日間、足らざるところに多少余つたところ、力のあるところから今実行しております。それで今のままの状態で命令を出さなくてもいいか、或いは出さなければならんかということを今検討しております。併しそれにしましても均等ということは技術的にも、地方の情勢で或いは命令だけでは行きにくいかも知れない。若し命令が行かずに多少の誤差があつた場合に、それは法律上の問題となるという虞れもありまするので、その辺、その均等というような意味を法律化するということが非常に困難であります。検討しております。  こういう答弁に対して、佐々木君が再度質問しております。  私も電気を知つておりますから、そんなにきちんと定規で計つたようなことを言つているのではないのであります。これまで従来の恰好では大体均等な制限率があつたはずであります、島を除きましては。従つて技術的の可能な均等率というものは当然あるはずであります。それが技術的に可能なことを前提に私は言つているのであります。三日間というのはいつからいつまでですか、従つていつからその均等が実施されるかはつきりと言つて頂きたい。  これに対して、松永委員からこういう答弁があつております。  三日間はそれでおしまいだと思います。実行して、それで明日でも話合いして或いはそれを直ちに命令に移しますか、或いはもう一、二日やつて見ましてその模様で融通命令、法律何とかというのでやりまするか、適切に考えております。  こういう答弁があつております。佐々木君から再度  命令で出されましようが、話合いで出されましようが、それはどつちでも構わんと思います。こういう御意見の開陳があつております。  椿君の言われたことほど厳密ではなかつたようでございますね。
  69. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 その先がありやしませんか。
  70. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 もうちよつとあとがありやしませんか。
  71. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 先を読んで見ます。  問題は要するに、そうすると二、三日のうちに本州は大体技術的に可能な一律な制限率になるというふうに考えてよろしうございますか。 これに対する松永委員長代理の答弁  さようでございます。 佐々木君の質問  そうしますと次に質問しますが、先ほどの要請にありましたところの中国からの七十万キロワツト・アワー、大体これが中国に廻らないというと均等な制限率にならんと思いますが、これはそういうふうになりますか。 松永さんの答弁  中国只今状態では大阪に非常に石炭が……。 これに対して佐々木君が又発言を求められております。  ちよつと発言中ですが、原田というか、操作のほうは私知つておりますからよろしうございます。結論として今の恰好が出るか出ないかをお答え願いたい。 松永さんの御答弁  結論は関西から廻す力は両三日中に見通しつきません。やはり九州から中国を助けるつもりでおります。 佐々木君から  関西から行こうが、九州から行こうが構いませんが、そうすると要するに二、三日中に大体東北から恐らく繋がりますから九州を含めてもいいと思いますが、特にそのうちで工合が悪いところの東北北陸関西中国、これと関東、中部並の制限率になると、こういうふうに公益事業委員長代理として発言されたというふうに伺つてよろしうございますか。大体そういうふうに伺つてよろしうございますか。 再度念を押されております。これに対して松永さんは  お答えをしますが、あなたの伺う通りにやつてもいいと思つております。 こういう答弁があつております。佐々木君から  やつてもいいのじやなしに、そういうふうになるというふうに公益事業委員長代理として認められたということでよろしうございますか。という質問に対して、  そうです。 佐々木君から  それからもう一つ……。今の問題は確認いたしました。二番目に大体冬の電気の云々 ということになつてつております。これで大体終つているようです。(「はつきりしている」と呼ぶ者あり)だからこの問題を佐々木君は今日の委員会では又確認されたわけですから、そうでございましよう。椿君のやつは椿君のおつしやるほど確実なお答えになつていないのです。(「どこかあるよ」と呼ぶ者あり)
  72. 佐々木良作

    佐々木良作君 そうすると、要するに結論として出ておりますところは、確認されておりますところは、ともかく一両日中ぐらいになると思いますが、その辺で以て東北から今の九州までを含めて大体その制限が一律になるのだ、するのだという結論になつておると思います。それでありさえすれば文句はないわけです。
  73. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 松永さん、今佐々木君から質問があつておりますが、今問題のところを読んで見ましたが、一両日中、二三日中というふうに解釈されておりますが、二、三日中に均分化するための処置を何らかおとりになるということにお変りないわけですね。
  74. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) お答えします。二、三日うちではなくても、今日電気事業者の連合の幹事に話をして、それですぐ手を打つて、今日も六時頃までに、佐々木さんの言われる均分化を二、三日間の実績でどのくらいに出せるか、旧来では相当不十分と認めているのですから、もう一つつて見てもらわねば困る、議会でもこれを法律化して命令にしてくれというお話もあつたくらいで、非常に緊張しているのみならず、関西中国東北からは陳情委員もたくさん見えておる、隣りの部屋では陳情もあつておる、一日も融通ということをゆるがせにすることができない状態である、それで速かにそれについて案を立てて今日中に返事をしてもらいたいということで、六時までに、多分今日返事があるはずであります。その返事を聞きまして適当な処分をするつもりであります。
  75. 佐々木良作

    佐々木良作君 そうしますと、私は今日先ほどから岩木君、椿君、その他から論議とされております問題は、昨日の私の発言と、それから確認を前提といたしまして先ほど技術長のほうから説明いたされたところの過去の云々というこの融通措置を我々今批判の対象におきましてこういうやり方で以て昨日の確認通りのことをやれるんだろうか、やれないんだろうかということが心配で今ここに問題が出ていると思うのです。従つて私はやるということを昨日の確認通りこれを前提としてそうして今公益事業委員会考えられ、そうして会社のほうで考えられているようなやり方で以て目的が達成されるのか達成されないのかという点にすべての批判があると思います。そこに論議をおいて行けば元に戻らずに先ほどの須藤君の発言や椿君、岩木君の発言も軌道に乗つて行くと思います。そういうふうにできるならばそういうふうに発言を整理して頂きまして内容を確かにして頂いたら結構だと思います。委員長に申上げます。委員長、要するにこういうことです、先ほど須藤君から話が出ていたのは今日改めて聞いたところの六、七、八日間の暫定融通措置ということが今我々が論議し得る唯一の資料になつておるわけです。岩木さんからは、こういうんじやなしに明日なり明後日なりからやろうとするような材料がもうできておらなければいかんのだからそれを出せ、それに基いてやつたらもつとはつきりするだろうと、併しながら今のところできておらん、そのうちにできて出て来るのを待つているわけで、出て来ればそれによる、出て来なければそれを前提といたしまして、今の資料に基いてこんなことでは何といつて融通したことになつておらんじやないか、それが問題の焦点になつておると思います。その辺を明確にして頂ければはつきりして来ると思います。
  76. 西田隆男

    委員長西田隆男君) もう一つ資料が来ておらんそうであとから来るそうです。そうしますと、委員長ちよつと議事を整理します。今佐々木君の発言された発言内容に基いて議事を進めて行くことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  77. 西田隆男

    委員長西田隆男君) それではこの問題は須藤君から質問があつて、私が松永委員長代理に御答弁をお願いしたんですが、六、七、八の三日間に亘つて出ておりまする資料に基くような電力融通状態では電力融通をしておるとは思えない、であるからこれが最上の方法であるとは公益事業委員会も思つていないだろうが、今後の電力融通はどういうふうな方法でどの程度やる御予定であるのかというのが須藤君の御質問要旨です。これに対して松永委員長代理からは的確な御答弁がなかつたようですから、平井技術長からもう一遍御答弁を願います。抽象的な議論でなくて、具体的な数字を現わして言つてもらわなければ困るのですからそのつもりで御答弁を願います……佐々木君も須藤君も今委員長数字を示して答弁をせよというのに対して、資料が来なければ数字は揃わない、数字が揃つてから答弁をするということに御了承を願います。
  78. 佐々木良作

    佐々木良作君 それで結構ですからそれまでそれじや今のこの資料についてちよつと二、三お聞きしたいのですがよろしうございますか。
  79. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 佐々木君。
  80. 佐々木良作

    佐々木良作君 そうすると今の本格的な明日、明後日から実施されるところの計画に基きますところの質問は留保いたしまして、その前提となつております六、七、八日の暫定措置云々という問題についてちよつと念のためにお伺いしておきたいのですが、これによりますと例えば例を関西にとりまして、従来の融通契約と違つたこの暫定融通でやられたやつと、前のやつと比較いたしますと矢印のやつは算術合計しますと、前の表で行くと百三十八万四千キロワツト・アワーくらいが関西から外向けに出ることになつておる、それを六、七、八日の暫定措置によりますと、中部東京から合せてざつと三十万キロワツト・アワーくらい来ることになつておる、そいつを引くほうと寄せるほうと両方総合しますと、大体この六、七、八の動きの中で百六十七万キロワツト・アワーくらい関西はよくならなければならない理窟になつておる、或いは恐らく答弁の際は実はこれは前のやつは融通契約であつて実際は関西から中国向け、或いは中部向けにこの数字は出していないのだという話があると思いますが、いずれにしましてもこの数日間のうちで三十万キロワツト・アワーくらいが関西にプラスされておらなければならんことになつております。そのプラスした結果がこの総需用の表になつておるところの関西分で見まして六八%という制限率ということになるのでしようか。
  81. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) これはお手許に先ほど差上げ御説明申上げました出水率の表の六、七、八日がその直前の協議のありました当時の十月一日前後に亘る状態から見ました変化で御覧になるとおわかりになると思います。特にこの関西についてはその後における渇水の度合が非常にひどくなりまして、従いましてちよつとした融通を行いましてもなお渇水による低下の程度が非常にひどかつたというふうに御了承願います。
  82. 佐々木良作

    佐々木良作君 そうしますと、それからその次に中国のほうの今の表のやつで見ますと前の契約で行きますと中国から要請されております通りの七十万キロワツト・アワーくらいが中国に行くことになつてつたところが今度は点々矢印のほうで、暫定措置で行くとこれはむしろ減りまして十八万キロワツト・アワーしか行かないことになつておる。そうするとむしろ中国の危急打開のために暫定措置がとられたのじやなくて、逆向けの恰好に試験措置がされておりますような恰好になりますが、そういうことでしようか。
  83. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) 九州から中国への契約数字が七万と書いてありましたが、これは実はゼロでございます。これはミス・プリントであります。契約がゼロでありましたのを九州から中国へ送つたのであります。融通契約による日量はゼロでございます。
  84. 佐々木良作

    佐々木良作君 仮にゼロといたしましても、七万とゼロとはえらい違いかと思いますけれども、ゼロとして見ましても中国はちつとも救われんことになるのじやないか、この試験措置によりますと………。重ねて技術的にお伺いしますが、大体数字が来る来ないで待つているくらいですから、公益事業委員会としては相当の結論を持つておられると思うのです。そこで以てやつて見た話が、今の十月の八日の表に出ておるので、関西が六八%、北陸が五五%、東京は九二%、中部が八二%というくらいな感じなんですが、技術上可能だということを大体見当がついておるはずなんですが、大体平均率がどのくらいになるつもりで今踏んでおられますか。
  85. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) これはどれくらいになるということを一概に数字で申上げかねるのでございまして、そのときの状態々々によりましてどうしてもいろいろなネツクが違うのでございます。従いまして完全に同じように行き得るという場合はむしろ少いのでございまして、どうしても若干の差というものは或る程度覚悟せざるを得ない場合が多いのでございます。
  86. 佐々木良作

    佐々木良作君 そうすると技術的な質問ちよつとあとの数字が来るまで差控えます。松永さんのほうで、今の平井技術長のお話によりますというと、出水その他の関係相当遅れて来るというお話ですが、十月八日に出て来ているくらいな表が、見当としてどのくらい全国的に幅を狭められるとお考えになつておられますか。
  87. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) 私の概念として申上げておきます。私のこの融通措置各社お願いしたのは六日か五日だつたと思います。或いは四日頃であつたと思いますが、そのときには十月の一、二、三の各社の持つておる電力の、例えば火力を焚く余裕がどうであるか、九州は幾らあるか、東京はどうであるかということを先ず頭に考えて見て、これならば東京から東北融通もできる、九州から中国融通ができるという概念を第一に作つたのであります。それから第二には、東京東北を比べてそのときを見ますと、七月に比べて只今数字は持つておりませんけれども、そのときの数字状態では、東京の十月の一、二、三の状態と七月の平均しておつた出力の状態、即ち需用家に渡した状態は九七、八であつたと記憶しております。つまり七月に比べて東京制限はしておりながら、三割制限でありますが、三割制限したために七月の数と余り変りのない程度を保つておるということを考えましたが、その当時の東北状態はどうであるかと申しますと、同じく三割制限の命令は受けておつても、事実電力がないために五八くらいに東北が落ちておつたのであります。その五八というのは東京と同一の制限率を守つて五八になつたのではなくして、四割も四割三分も大口なりそのほかに制限を加えてなお且つ五八ということは、これは大変な話であるものでありますから、できるだけ東京の九〇幾つかというのを減らして、それで東北の五八というのに加えてもらいたい、そうすると東北が五八でやつたのは四割五分も制限したというところを四割戻し三割五分戻すことができる。そうすると東北産業が非常に混雑しておるのを救済することができるという考えで、東京東北の間のお話を願い、それから関西は別といたしまして、中国がその時分によほど状態が悪いのでございました。そのとき九州を見ますと、九州もやはり八七であつて中国は六七であつたかと思いますけれども、これは九州は余裕が、ボイラーに余裕があるのであつて中国は余裕がないのでありますから、どうしても、無理してでも九州石炭を焚いて自分のところの割当はそのまま維持して、そうして中国制限をもう少し緩和するように骨を折つてもらいたいということを言つたのであります。大体そういう考えでこの六、七、八の暫定を試みたわけであります。一応御返事申上げます。
  88. 佐々木良作

    佐々木良作君 これでやめますが、さつぱり……、今くらいの話でそして六、七、八の暫定措置が前提となつているような融通措置であつて技術上可能なところの全国均一化の融通がやれると私ども考えられません、心配で心配で。先ほどから指摘しておりますように、今一番ひどい所は、融通措置の問題で、一番関連の深い関西中国を例にとつて見まして、ここ六、七、八の暫定措置の中に出て来るのはプラスマイナスすると大体三十万キロワツト・アワーくらいがプラスされるくらいです。三十万キロワツト・アワーというのは、別な表で見ましたところが、これと先ほどもらいましたところの電力抑制状況という表の中の、殊に関西の五日でも六日でもいいんですから、それに三十万キロワツト・アワーを寄せて御覧になればよい、そうするとそれは決して七月の平均ぐらいにならないということが明らかに出て来るはずです。それから持つて来まして、今の中国の問題にいたしましても、中国から七十万の要請があるのに対して、従来の契約が六十三万八千ある、七万が零であつたとしても六十三万八千だつた、それが今度の暫定措置の試験によりますのを見ましても、十一万と七万、たつた十八万、それだけで以てこれが技術上可能な全国融通措置が、これくらいの暫定措置を前提とした試験でやれるわけがない。これは私は真剣に全国融通の問題と取り組んでもらいたい。そうしないと昨日はつきり確約されたことが、非常に私は嘘を確約された結果であると思いますから、私はくれぐれも善処を要望いたします。次に具体的な数字が来ましてから関連して御質問申上げたいと思いますが、一応これで私の質問は終ります。
  89. 小川久義

    ○小川久義君 この表で見ますと、北陸がいつも六日七日八日と最下位にあるにもかかわらず、八日の日に送電量をぐつと減らしてある。他の條件のいいところと比べるならば、五五・五、九二・四とか、どういうわけで……、意識的に僕は減らしたように思うのですが、技術の点からこういう数字が出て来ないのです。その内容を、どうしてこうなつたのか、お聞かせ願いたいと思います。
  90. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) 北陸の欄のここ数日の水の減り方の非常に激しい点を御覧頂きたいと思います。それからもう一つは先ほど一応御説明申上げたと思うのでありますが、六〇サイクルの電気のサイクルが非常に低いのであります。特に水力の系統火力系統と切離して運転している状態で、非常にサイクルが下つているのであります。実際には東のほうから相当応援さす意図になつてつたのです。それがサイクルが非常に下つてどうしても並列に入らないために操作上うまく行かなかつたという点もあつた、その点は今後の問題のために目下調査中であると先ほど申上げたわけであります。
  91. 小川久義

    ○小川久義君 それはその調整ということでなく、情勢が悪ければそれを直すのが当然である。三日の表を見ても三日とも最下位なんです。三日目には特に発電量を半分以下に減らしてある。これは意識的に減らしたのであつて、今言うようなことは僕は答弁にならないと思う。七日の日と八日の日の送電量を見ればはつきりわかる。なかでも七日の日は全国の最低位にあるにもかかわらず、八日の日の送電量を半分以下に減らしたのはどういうわけか、サイクルが下つたとか水が足りないという問題じやない。出水量が下がれば下るほど送電を殖やすべきだ。然るにもかかわらず七日と八日と減つておる。七日と八日の差がこんなにひどくなつておる。この違いはどこにある。
  92. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) 昨日のデータで、データが漸く入つて、今朝印刷したばかりでございまして、目下検討中の問題でございます。
  93. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 昨日も遅刻いたしまして、発言機会を持たなかつたのでありますが、先ほど来の説明によりまして、最も電源地帯である東北であるとか、北陸が一番事情の悪い情勢であることは誠に遺憾でありまして、松永委員長代理ちよつと聞いておいて頂きたい。東北としましては、猪苗代であるとか、阿賀川水系を持つておるものの、電源地帶が先ほどの松永委員長代理のお話では、四割制限をやつておりながら、而もなお五八の率である。こういう状態でありまして、東京電力その他は非常な高率でやつており、これでは我々は東北の者に対してどう説明していいか、電力委員として出ておりまして、全く立場がないのであります。それで一体東北北陸、こういう地帯には火力設備も余りありませんし、今後が誠に思いやられるのであります。私は再編成後間もなくて、こういう状況を現わしておるということにつきまして、再編成当時のあなたがたのお考えが、なお今日も正しかつたかどうかということを私は先ず第一に承わりたいと思うのであります。それで、東北はひとり産業ばかりでなしに、民生生活の上にも非常な影響でありまして、私は福島に住んでおりますが、これは貯水池には水道の水があつても、電力がないために、配水池に揚げられないというので、水の飲めない日が殆んど続いております。これはお調べになればわかると思う。こういうひどい所は余りないと思う。それが猪苗代の湖水を上に持つて、これの下にある福島盆地がそういう状況でありまして、而も水道の水圧が低いために火事があつた場合に殆んど消防能力が発揮できないという状況でありまして、これはひとり産業の面からだけでなく、民生の上からも重大問題になつております。産業の面は中国関西からも言われましたので、私から申しません。民生生活の上でも非常な問題になつております。又、昨日小川君から言われましたが、早場米その他の農業用の調整、今脱穀調整の真盛りになるのでありますが、これらについても非常な影響をなすのでありまして、私は先ず電力再編成に対して最も大きな、最も有力なる電源地帶を……東京電力については、東京がああいう状態にありながら、東北がこういう悲惨な、水も飲めないというような状況に置いてあるということにつきまして、電力、公益事業委員の各位は今日もなおあの再編成のやり方がよかつたかどうか、如何に考えておられるか、私は一言承わつておきたいと思うのであります。
  94. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) いろいろ御尤もである。ただ今日の渇水状態は別の問題でありまするが、今石原さんのお話になつたことについて再編成当時から、旧来の電力の分配がややもすると東北地方におろそかになつておることに鑑みまして、最も取上げたものは、早く火力をやるか、早くピークの出るものをやるか、そうしなければ一朝渇水なつたときには大変の出来事が起るということを    〔委員長退席、理事栗山良夫君委員長席に着く〕 考えまして沼沢沼を揚水して、そうして万一不時の渇水なつた場合には、これを貯わえて、沼沢沼で石炭の貯水池と同じ働きをするという考えを以ちまして当時日発から手を着け始めておりましたものを、東北電力会社に特に奨励しまして、本年冬には必ずこれができ上つて数万キロの火力発電代用のことを、冬の渇水期には間に合わせるつもりで取りあえず計画しております。そのほかこれに属することは今回の経験によりまして、深く考慮せんならんことを思うております。なおお気付の点があれば地方の御関係でどうぞ御教示を願いたいと思います。
  95. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 そうすると松永委員長代理只今のお考えでは沼沢沼の発電所の完成によりまして、大体今年のような渇水、今年は異常渇水、異常湯水と言われますが、やはりこういう年も出るのでありまして、こういう年も考え、大体沼沢沼の完成によりまして東北電力事情は大体救い得るというまあ根本的考え方としましては持つていられるのでありまするか、その点もう一回。
  96. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) お答えいたします。それにつきまして、東北電力の新首脳者がきまりました四月中に技術者並びに社長になるおかたがたに集まつて頂きまして、二十七年、それから二十八年、二十九年、三十年に及ぶこの五カ年計画を立てまして、着々それによつてつております。只今申上げたものはこの冬の渇水期には幸いに沼沢沼で間に合うだろうと思うております。他の方法はこの五カ年計画で大体東北事情には間に合うはずになつております。着々東北電力でその手を打つておられます。
  97. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 私は沼沢沼の完成によつてどの程度の威力を発揮するか、詳しいことがよくわかりませんが、とにかく再編成して間もなく、発足間もなく、こういう非常な、これはどなたが考えられましても、東京は九〇%以上の率でおりながら、電源地帯の東北或いは北陸が六十そこそこである。而もこれから冬を控えて火力設備も殆んどない。融通措置については先ほど来承わつておりますと、どうもこれは何ら安心できるお話でないといたしましたならば、これは東北人として黙つておれないと思うのでありまして、私は再編成の別表その他についても更に一般と御検討を願いますと共に、この冬の対策について、水も呑めない、或いは火事が起きても消防ができないというような事態は更によく実情を御検討願いまして、産業面ばかりじやございません。私は東北のブロツク根性を起すわけじやございませんが、水も呑めない、消防もできないというような地方があるということを公益事業委員会よく認識されまして、適切なる応急対策と根本対策を立ててもらいたい、こういうことを要望しておきます。
  98. 山川良一

    ○山川良一君 私はこの融通についての公益委員の心がまえについてちよつとお伺いしたい。それは昨日私はもう少し公益委員並びに電力会社が盡力されれば、問題になつておる関西石炭入手は可能である、こういうことを申上げた。ところが松永委員長代理最後までそれは見込がないようなお話で、政府に強権発動みたようなことを要請されましたが、これは関西電力には必要な、そのほかの電力会社石炭もあるにはありますが、主として関西電力石炭入手だけのことについて政府に何とか措置を要請するということで自分たちが努力しようということを言われたのだろうと思います。まあ努力しようということになつておりましようが、私がそうでないと申上げるのは、昨日一月以降の石炭は月々八十万トン以上欲しいということを言われましたが、私どもはすでに一月以降の石炭をどうするかということを検討中でございます。その検討の中に電力会社石炭を幾ら人れなければならないかということを織込まなければ検討ができないのであります。一月以降の石炭が足らなくなつて、又急場に追い込まれるということになると思います。だから今申上げましたように、努力されると言うけれども、一月以降どうしたというところの、我々に話がないところを見ると、努力されておるというお考え方が私どもの眼で見ると、本当はまだほかの消費者、鉄道初めほかの消費者に比べてそこまで行つていないと私は申上げるのです。ですからそれだけの努力を拂わずにおいて電力についての石炭入手についてまあ強い言葉で言えば強権を発動してもらいたいということを要請しておきながら、全産業、全国民に影響のある電力融通についてはまだまだその法的の措置を講じようということを決心しておられないようであります。自分たちのやることは成るべくぼやかしておこう、自分たちのやらないことは、主として関西電力石炭人手については政府に是非やれという、而も政府からは安本からも通産省からも、いろいろ検討しおるけれどもそこまで行くのはまだいろいろ事情があつて簡単に行かないという説明があつたのに、なお且つ政府に要請するということを言つておられますが、それは自分たちのやることは成るべく逃げて、そうして政府にいろいろなことを依存するというお考え方であるのかどうか。その点は法的措置を講ずるについてどういうお考えでおられるのか、その点を承わりたい。
  99. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) むしろ私が山川さんに石炭のことをお尋ねしたかつたのです。昨日私どもはどうしても各社努力して、この上とも努力するであろうけれども、どうしても強権を発動しなければ、石炭業者がみずから自発的に協力して下さるか下さらんか甚だ心許ない、どうしてもこれは政府に少し刀を抜いてもらうよりほかなかろうということを申上げたのに対して、山川君であつたかと思いますが、どういう事業のお立場からかは存じませんが、そういうことをやつて見たところで案外効果はないであろう、まあとにかく業者が石炭業者と十分膝を折つてつたほうが効果があるのだというようなお話があつた。私もそれに対しては全くその通りで、なかなか強権一本でやれるものではない、お互いにやらなければならんが、併し業者もそれならば、そのように強権を待たずとも今少し御協力がありそうなものだと心ひそかに石炭業者に向つて不平を私は持つておる。今日の事情から申しましても大阪電力の足りないのは何で足りないかというと石炭が足りないからである。中国は別といたしまして中部東京にいたしましても、石炭さえあれば焚く余裕を持つておる。やはり石炭業者に協力して頂き、又事業者がそれを十分取入れるよりほかないのであります。ところが事実は、なかなか石炭業者は何とかかんとか言つて、お前がたは前に中小炭鉱ばかり頼つて大口のほうは一向日発以来話にならんからそれ見ろというような態度をおとりになることは、私はそのことを振返つて石炭業者もやはり電力の不足にお困りになるであろう。で、結局或る意味から言うと資本主義の弊害なんです。どうしてもこういうときはやはり強権の発動は必要ではないかと思うのであります。ただその点を申上げたのであります。
  100. 山川良一

    ○山川良一君 私は申上げたくなかつたのでありますが、電力関係石炭の入手の努力と他の方面努力との例を挙げて申上げましよう。国鉄でありますが、これは国鉄は世間で言うお役所仕事と言われております。そのお役所仕事と言われる国鉄でも、総裁以下が今年の初めから、国鉄においてはこういうふうに石炭については希望を持つておるから、その線に沿うて協力してくれと言うて、そうして我々はその線で協議しながら来ております。私は繰返してたびたび申上げましたが、石炭というものは余つておるわけではありません。要請のあつた所に政府産業計画に合せましてそして供給を決定する。自分勝手にやつておるのではありません。そこで供給計画に乗らないものはちよつと困るのであります。それで国鉄のようなものは、総裁がお話にならなくても、我々は日本の輸送状態がどうであるかぐらいはお話にならなくてもわかつております。わかつておるにもかかわらずなお総裁以下しよつちゆう参ります。これは国鉄だけの例を挙げましたが、その他も同じであります。そういうふうに話合いをして、一応の政府産業計画に合せて我々は供給いたしております。ですから電力会社において、大体供給計画が済んでおつて、そうして相手方と契約ができずにおれば、それは結局横取りするような立場になるから、ですから今申しましたように、一月以降八十万トン欲しいなら、それを計画に織り込んで一つつてもらいたいという時期に来ておるのに、それもしておりません。そして石炭業者についてかれこれ言うが、それは認識不足でありまして、私がここで発言しておるのは、石炭業者を代表して言つておるので、中小とか大手筋とか、そういう区別はしておりません。その点は一つ考えおき願いたいと思います。そういう意味において我々は協力しておりますのに、なお且つ強権発動しなければ電力の今の供給はできないとお考えになつておるのですか、お尋ねします。
  101. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 今山川君の言われたことは重要な点を含んでおると思います。それも附加えて御返事願いたいのであります。我々は電力用炭の確保については真剣に議論して来たのであります。今伺いますと、これから先の電力用炭の入手見込がまだ石炭業者に十分通じていないようなお話がありましたが、そういうことでは石炭の入手は誠に山川君の言われる通りに覚束ないと思いますから、その点は公益事業委員なり、或いはこれに指導されておる電力業者なりがよく徹底していないのではないか、その点を明らかにされたいと思います。
  102. 松田太郎

    説明員(松田太郎君) ちよつと今資料の催促のために席を外しておりましたので、今の御質問の点の御返答に当るかどうかわかりませんが、只今つておりますのは、十月—十二月の第三・四半期の石炭の問題について大童であります。一月—三月の問題につきましては、これは全般的に資源庁とも打合せをいたしておりますが、一月—二月の炭の問題は今契約するとか、確保するということはいたしておりません。
  103. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) 石炭のことにつきましては山川さんの御意見御尤もと思います。なおよく調べさせます。なお融通についてはお前は強権発動をせずぼかしておつて石炭について強権発動を願つて、自分のほうは成るべくせないで行こう、その辺にお前の考えに矛盾があるのじやないかということだと思います。その点については先刻から申上げておりますように、できるだけ十分な処理をとり、それでも強権発動をせなければならん場合がありましたら、必ずそれは実行する考えであります。
  104. 山川良一

    ○山川良一君 今事務総長は十月—十二月のことに大童だと言われましたが、それに大童だから、一月以降のことは知らん顔でもいいということはない。一月以降のことを今から相談して大童になつて、一月—三月の話をなさらなければ駄目だということを申上げておるのであります。
  105. 小野義夫

    ○小野義夫君 私は昨日三つの質問を出したのでありますが、甚だ満足なお答えを得られなかつたのであります。本日重ねて質問を申上げようと思つておる最中大問題に逢着しましたものですから差控えておつたのでありますが、今は数字が来るまでの中間の質問と思いますから、ちよつとお許しを願つて、昨日の質問を掘り下げた質問を申上げたいと思います。    〔理事栗山良夫君退席、委員長着席〕  その第一点は法の力によらずして石炭を得る方途如何。もつとこれを細かく要約しますというと、大阪の二十万トン乃至二十五万トンは、如何にして確保できるかという問題に落ちつくのだと思うのです。そこで法律によらんということならば、これは民間の最大の力を発揮しなければならんと思うのであります。ところで宮原さんも御承知の通り、関西実業家の先ず先輩として大家である。又、伊藤忠兵衛君も関西つての力がある。でありますから、この両君で又、松永さんは九州はおろかのこと、関西においても、非常な大きな御勢力を持つておられるのでありますから、このかたがたが総決起して、そうして例えば大阪府知事を座長として、而して杉道助君であるとか、或いはその他経済同友会の連中であるとか、或いは大内兵衛君であるとか、これらの人を今晩でも話をかければ明日集まるという可能性はあると私は思う。かかる御連中が一堂に会して、そうして、この僅かな二十五万トンを大阪の大企業の力で捻出することができるかできないかということは私どもはこれを愛国心の上から訴えたら……、石炭業者においても、消費者においても、私はできんなどということが不可思議なんです。でありまするから、こういう御回答をお申出でになる御意見はありませんかという建設的の意見を申し上げたのでありますが、今そういう考えを持つておらんとのお言葉であり、殊に通産大臣以下通産省に御依頼しておるからそれは非常な努力をしておるというのですが、私どもは通産大臣以下の官僚諸公をさように私は非常に信頼することはできないのであつて、私どもは……その官の力はそれだけえらいのならとつくの昔に実現されておるのではないか。官の力が弱いということは、原因はどうでありますか知りませんが、今日はどうしても官に信頼して安心すべきでなく、あなた御自身の実力、存在しておる実力を、民間実力を発揮してそうして、二十万トン乃至二十五万トンを確保すれば関西はフルに働き、そうして、これは中国或いはその他に好影響を與えるということはもう我々の論議の中に明らかになつて来ておるのであります。でありますから、この点は私は早急に東京に御出張になつてここでやられることも、或いは大阪でやられてもよい。なお進んでは九州も同じような協力を要するならそこでもよし、広島でもよし……あなたがた民間の力でベストを盡しておるというけれども、公益事業委員は勿論のこと石炭関係の官僚諸公の努力に対して甚だしくどうも疑問を持つものでありますから、私はこの第一、質問に対して先ずこういう建設的の意見を申上げて、御採用になるかならんか一つここで御明答を頂きたい。
  106. 宮原清

    説明員宮原清君) 昨日小野委員からもお話がありましたことに対して、松永委員長代理から一応すべての関係方面を動かしておるので、そのため別に委員会を作るつもりはないとお答えしましたが、只今松永委員より私にお答えせよとのことでありますので、その形のこと等についてはともかくでありますが、私の参つた所で、それぞれ善処したいと思つております。ただこれはやはり恒久的な形であることを必要とするならば、考え方もありますが、実は今日大阪府の各位がまあ委員会のほうへ陳情と申しますか、窮迫事情の御表明がありまして、そうして先刻は又、府知事がこちらでお話になつたように、つぶさにいろいろのことを聞きました。ハンストの問題の解決等は、たしか今日お出でになつかたがたが六名ほど、その他に一、二の有力なかたがたを加えて、我々において大いに援助する……関西電力会社石炭については十分なことをするからそういう援助されるかたがたの顔に対しても、又そういう熱心に対して、諸君はハンストをやめたらどうだということで解決したということをハンストの関係者からも承わつたようなことでありますので、大阪における現在のいわゆる経済界の諸首脳が全力を盡してやつておられる、で、又私どもはそれに気勢を添えるためた微力でもそういうことをすることは当然のことと思いますので、ただ事柄がなかなかこの所在においてもせわしいので……そういうことが大阪において行われませんか、近くはガスの消費規制、私はまあ微力でありますけれども、そういうことを皆さんを促してお話をしたいと思つております。これは一つ大阪における私の今の実際においてということの一部分でありますが、御趣意のようにすることが是非必要だということであればこれは是非しなければならんのではないかと思います。松永委員長代理は今のことについて御満足がありましたが、重ねての御質問に対しては私から御返事をするようにということでありますので、只今松永委員長代理も御同様と思いますので、私から御返事を申上げます。更に御承知を願いたいと思います。
  107. 小野義夫

    ○小野義夫君 数字が来たのかも知れませんが、ちよつと私は二度に切られると工合が悪いので……。次に二回目の、第一問はこれで宮原君が大いにその責任を持つてその方面の財界人を動員して、そうしてやられるというので、これに多大の私は期待を持つてもう質問を打切ります。第二問におきまして、かくのごとく六月、七月以降非常に莫大に個人生活にも、又産業面にも非常な被害が起つておるのでありますが、これに対して調査をしておるか、又今までの損害がこれこれで、今後こういうことになればこれだけの損害が起るということを調査することは、やがてそれが電力に対する資金の動員にも寄與するから、そういう損害調査をしたならばどうかと言つたならばそういう損害の調査をすることの基準がむずかしいことと、今我々は現下の問題に大童になつておるので、それに多数の手間暇をかけることができないというような御答弁であつたのでございますけれども、これは甚だしく私は遺憾なものであります。例えばここに台風が来襲したと仮定しますが、直ちに千億とか或いは何千億という被害があつた。(「簡単に、簡単に」と呼ぶ者あり)そういう場合数日のうちに発表されるのであります。然らば各府県知事にお願いして、各府県における産業上の損害が、私はその調査ができんというようなことは絶対にあり得ないと思う。又手間暇がかかる問題ではない。私どもは現地に臨んで調査しても或る程度のものを捕捉することができるのであります。従いまして租税のごとき厳格なものでも申告方法があるのであるから、損害に対して民間の一応責任あるところの会社その他から府県知事を通して損害調査を集めるということは極めて容易にしてやらなければならんことと思う。然るに今日の新聞を見ると、安本の発表として僅かに五%乃至七%の計画生産量の減であるというようなことを発表しておるのであります。然るに東北並びに北陸その他のものが四割、五割、甚だしきに至つては零になんなんとするほどの生産の打撃を受けておるものがただの五%の生産計画の減であるなどというような、私どもの実例と数字とおよそかくのごとくかけ離れた大きな数字を天下に出して、そもそも国民を安心せしむるという意味であるか、瞞着するという意味であるか、真の意味においてかようの、この現状の御調査があつたならば数字発表は出るはずがない。非常に大きなる損害を惹起しつつある。このことを一つ現地の御調査を、若しくは調査を命令する、電報一本でもやるべきことをやつておらんではないか。而うして今日に至るところの損害、将来の損害の予測も立たんというに至つては、私は昨日の御答弁は甚だ満足しかねるものである。今後そういう損害については、敏速に各地の情報を収集するの意思があるかどうか、どなたでもいいから御答弁を願いたい。
  108. 岩武照彦

    説明員(岩武照彦君) 昨日御答弁申上げましたのが、若干私言葉も過ぎましたので訂正いたしたいと思いますが、お話のように、概報でありますれば或る程度我々調べております。ただ損害額という形でなく生産減という形でありますが、なおお話がありますので調査方法等につきまして簡便にして意を得ました方法で大体の概算等も試みたいと思つております。昨日の答弁は訂正いたします。なお本日の新聞に出ておりました生産減の見通し問題でございますが、これを一応御説明いたしたいと思います。あれは、或る年間の見通しを立てました数字に対しまして、四月—七月の間におきましては或る程度生産の見通しを上廻つておるというプラスの面、八月、九月の制限下におきまして生産が或る程度減退しておる。成るほど制限の低い地域はお話の通りでありまして、北海道でありますとか、或いは四国でありますとか、或いは関東地方でありますとかにおきましては、必ずしもそう大きく生産が落ちておりませんので、全国平均としましては、或る特定の地域上りも生産は落ちていないように考えております。で、あの数字は非常に前提の相違がありまして、実は私今日出掛ける前、午前中にももう一遍計算をやり直すようにと言つておきましたが、つまり先の見通しをどう立てるか、簡単に言いますと、この出水の減がどの程度で止まるかという見通しが実はあれは入つておりません。片一方年間の計画、見通し自身が相当な出水を期待しておりますので、その両方の面から五%というふうな非常に楽観的な数字になつて出ております。これは特別に一般を安心させる意味で実は作つたのではありませんが、この前提が狂つておりますので、もう一回やり直して、出炭六百五十万トンを電力に注込みましても、この渇水による供給力の減退は補う方法がありません。従つて制限がどの程度続くかという見通しにかかつております。恐らく五%程度は勿論防ぐことはできないのであります。まあ一割前後、もつと下るかも知れないと思つておりますが、ただ生産指数等には割合に、実際の生産の動きに反映しないように思える節もありますので、基礎産業等の生産の減退が相当常識的に大きいと思われるにかかわらず、生産数字にはそれほど響いて来ないという事情もありますので、その点御了解を得たいと思います。なおそれにからみまして、昨日御答弁いたしましたが、制限のやり方等につきましても、もう少し産業的な方面を或る程度緩和しまして非産業的な方面をもう少し制限するようにということは、公益事業委員会等にもたびたび申上げております。そういう方法でありませんと、結局バランスを失した制限になるということは当然であります。その点も併せて答弁いたしておきます。
  109. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 電力使用制限に関する資料が参りましたので、この説明を聴取したいと思います。
  110. 小野義夫

    ○小野義夫君 簡単でありますからお許しを願いたい。たつた一言です。第三の質問の御返事が、昨日これはどうしても、今平均しましても、まだ表を見ませんけれども、極く、あなたがたがうまくやつても、七割とか、七割五分とかというぐらいなところに落ちつくように考えている。まだ表は見ない。そうすると二割五分や三割を、そろばん的にみんな画一主義にやればいいというような答えが出るでありましようが、我が国の産業の組織はそう簡単に平衡的にできておらんのでありまして或いは立体的に、いろいろの相互関係もあります。故に私は、これは秩序整然たる、ただ何進の一というような算術的な制限は不適当である。秩序整然たる、或るところの與えられたる電力に対して、如何に最大の効果を発生するかの段取が要るということを申上げたのでありますけれども、これに対してそういう段取を今作つているとも、或いは作ろうという御返事もなかつたのでありますが、私は産業計画の上におきまして、これは是非とも我々は民間事業家が以て参考とすべきところの、このそういう制限率を地区的に、およそ方途を、あらかじめ研究して示されることを要望したいのであります。これだけです。
  111. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) よく承わつてできるだけさようにいたしたいと思います。
  112. 西田隆男

    委員長西田隆男君) それでは電力制限に関する資料が来ましたので、この説明を求めます。
  113. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) お手許に二通りの資料を差上げてございます。タイプライターで打ちまして刷直しました分がこの十一日から当分の間暫定的に実施しようとしますところの制限に対する告示の案であります。それからもう一つの分厚なほうの「下期電力需給対策要綱(未定稿)」と書いてございますのがございますが、これが本年の下半期の渇水期対策として、恒久対策としてきめたいという考え方の協議用の試案でございます。この協議用の試案は、なお現状におきましては、委員会の事務局で、協議用の案として作りましたもので、経済安定本部その他それぞれの関係方面との打合せの最中でございまするので、内容等はなお変るものとしてお含みおきを願いたいと思うのであります。この恒久対策を一日も早くきめて、そうして実施に持つて行きたいつもりであるのでありますが、いろいろな点からいたしまして、或いは聴聞会にかけなければならないかもわかりませんし、そういうふうな点等もございまするので、今直ちに、これはまだきまつておりませんので、実施できず、これに若干近寄る意味で十一日からの実施を取りあえず暫定的にすることにしたわけなのであります。十一日以後の実施は、九月の六日以降においてずつと続けておりました三割の規制の一週間ごとの延長を現在の実状の上に立ちまして、もう少し法的裏付を広範囲にして、そうして不均衡も同時にできるだけ緩和するという方途に出たものなのでございます。大体の将来の構想の面につきましてはこの未定稿のほうを御覧頂きますとわかりまするので、これを極く要領をかいつまんで御説明を申上げて、その後に暫定案の内容に入つて行くというような御説明の順序をとらして頂きたいと思います。  この要項案は前々回の委員会の席上においても御説明申上げましたように、下半期の需給の予想は委員会の見通しといたしましては、川の水が平年並で石炭も下半期の計画量の四百二十万トンの入手が確保できるもの、そういう前提で考えましても、どうしても期を通じて七%乃至一割の不足をするものとどうしても考えられるということが一つあるのであります。それから石炭の入手或いは渇水の程度がひどいというふうな程度によりましては、それが更にその時期によりましてはもつとひどい不足の段階に入ることが予想されるのでありまして、そうした間をできるだけ計画的に切り抜けるという意図において段階的な制限方策を立てるという建前をとつております。次の欄は説明を省略させて頂きます。  第一頁のしまいのほうに要領と書いてありますところから申上げたいと思います。先ず(一)といたしまして供給力の増強方策としては先ず、供給力をできるだけ一ぱいに出させるようにあらゆる努力をさせることが必要でありまするので、項目で1から10まで書いてありますような点について強く業者を督促することになつております。と同時に、この最後の行にありますように、融通電力の円滑な運営を実施させるという基本方針を以てこれを貫いて、そうして時期的な渇水の不均衡、その他の事情に対する不足の差等をばできるだけ緩和するという方針でこれを運用したいと思つております。で、供給力増強のほうは説明を省略いたします。(二)として消費規制の方策でございますが、これにつきましても省略いたしまして、記と書きました1のところをちよつと読まして頂きます。「下期需給計画の各月石炭消費予定量を消費してもなお需給の均衡は保持できない実情に鑑み、下期を通じ最小限度の消費規制を実施し、それにより需給秩序の維持を図ることとするが、出水状況等の悪化によつては、消費規制を強化することとする。この場合において、使用制限の段階は融通電力の円滑なる運用により地域的に可及的差等を付さないこととするが、止むを得ない場合は最小限の差等を付することがある。」こういうふうに書いてございます。  2は最大電力制限の方法、2以下は具体的項目でありますが、先ず最大電力制限考えております。最大電力を指定する方法によつて、この指定方法等はここに書いてありますような方法で需用の抑制化を考えております。(2)といたしましては使用禁止需用を設定したいと思つております。具体的の禁止対象として、需用はここにありますように調理用及び湯沸用電熱器……以下説明を略しますが、こうした需用を先ず禁止事項として扱いたいと思つております。(3)の使用禁止時間の設定、これは定額電灯、従量電灯大口電灯、業務用電力電灯というような面については第二段階以上の強い段階においては晝問の点灯禁止という建前をとるつもりでおります。除外規定がそこに書いてございます。それから又家庭用のおよそ六百ワツト以下の電熱器はこれは除くのでありますが、調理用の電熱器とか、小口電力大口電力の五百キロワツト未満のものについても第二段の制限段階においては点灯時の使用を禁止する、これにもちよつと除外規定及び緩和規定が書いてございます。それから(4)としましては休電日制を実施したいと考えております。これは大体指定休電日が週一日から三日程度まで段階をつけて実施するように考えております。なお週二日程度で食い止めたいという気持を持つておるのでありますが、程度によつては勿論高い段階では週三日まで実施するということを考えざるを得ないと思つております。或る程度緩和措置等が考えられております。  それから3といたしまして、今はキロワツト制限のことでありましたが、電力量制限の方針についてもここに(1)、(2)、(3)以下ずつと書いてありますように四つの方法を考えております。この電力量制限産業用だけでなく、大口電灯、業務用電力に対しても実施をするように考えておりまして、その限度の指定に当りましては産業別又は工場別の重要度を勘案して差等を設けるという建前をとつております。この産業別、工場別の差等の扱い方についてはなお経済安定本部と打合中でありますが、しまいのほうの表に附いておるものは一応の中間的な協議用の試案として御覧を願いたいと思います。それから公共事業、それから石炭鉱山の保安用というものについては各段階においてほかの産業に対して圧縮度及び差等をつけるということを考えたいと思つております。  それから基準を何に取るか、これはなお非常に問題になつておりまして、一部には同月のアロケーシヨンを基礎としてやれという意向もありますが、只今のところ委員会のほうの考えはここにあるように七月の実績を基準としてやる。ところが季節的な変化で七月によりがたいと思われる大口電灯とか業務用電力などについては前年同月の実績を取るということを基準にして協議をいたしております。  それから4といたしまして、消費規制の緩和措置としてもこういうふうにして一律の段階といたしましても万一の出水状態の変化その他によつて始終段階を変えるということは非常にまずいのでありまして、どうしても或る平均値で措置せざるを得ませんから、この点或いはそれを超えるような場合を考えざるを得ないのでありまして、それらの点はこれは電気事業者の自主的な努力によつて調節させるつもりでおるのでありますが、出水状況がよくなりまして、制限段階をあまいほうにおろすところまでは行かないけれども、何とか少しは供給力があるという場合には特定需用者に緩和し得るような措置について考えておることを書いてございます。  最後は違反者に対する規則で、これは省略いたします。で、あとに表がございますが、最大電力制限につきましてはこの覧では四つの段階を考慮しております。定額電灯、従量電灯、それから大口電灯、業務用電力、こういうような需用部門別についての最大のそれぞれの段階においてのキロワツト制限の場合についてここに書いてあるわけでございます。  それから電力量制限につきましてはその次の頁にございますように、五つの段階を一応考えております。この五つの段階で十分カバーし得るかどうかにつきましてはなお若干検討中でございまするが、大体この段階はこの表にございまするように、例えば大口電灯、業務用電力につきましては、前年同月の実績を基準として二五%からだんだん上げて最後は五〇%まで行く。小口電力につきましても、それぞれの段階において第五段階においては五〇%大口電力につきましても、一〇%乃至五〇%のそれぞれ段階を考える。又公共事業等に対する扱いは、一番右のほうにありますような軽い制限段階にして置く。こういうような一応の考えを持つております。  おしまいに附いております第三表は、特殊の場合の扱いの対象となる産業が書いてあるわけでございます。この案につきましては、先ほどから申上げましたように、なおまだいろいろと打合せをしておりまして、できるだけ早く最終の決定を見るように努力をしておるわけでありまするが、そこまでの当面の措置といたしましては、このミリア・タイプに書いてありますような方法でこの十一日から実施いたしたいと思つて、今日漸く委員会としての決定を見ましてそうして関係筋の了解を得て、正式にこれを告示したいと思つておるわけなのでありますがこの案は只今説明申上げました恒久方策の方向への一歩の前進でありますが、同時にまだ現在の段階において、いろいろの面におけるところの事情等もございますので、そうした点を考えました上で、漸くこういう形でやろうというところへ到達したものなのでございまして、キロワツト・アワーにおける制限段階はこの説明は省略いたしまするが、大体地域を大きく二つの地域に分けまして、A地域とB地域と二通りに分けております。そうして東京電力中部電力及び九州電力地域と、それからその他の東北北陸関西中国の四つの地域と、こういうふうに分けまして若干の段階の差等を二通りに分けてございます。例えば五百キロワツト以上の大口契約に対しまするキロワツト・アワー制限は七月の一日平均電力量の前者は六割まで許す、後者は五割まで、従いまして制限は四割の五割というふうにいたしております。小口電力及び五百キロワツト未満のものにつきましては一律に二割の制限をするということになつております。今の数字だけでは非常に差があるようでありますが、このほかに休電日の制を設けておりまして、前者に対しては週二回、後者に対しては週三回の休電日制を設けておりまして、大口のほうにつきましては、このミリア・タイプのしまいのところにございまするような方法で、休電日のために減つた分は週のほかの使える日のほうに代えて使うことのできる方法をとつております。今までやつておりましたのと特に違つております点は、三千キロワツトを対象としてそれ以下と以上に分けておりましたのが、五百キロワツト以上についてとそれ以下とに分けて扱いを変えた点でございます。それから制限を若干程度強化して、そうして二通りのものにしたという点にあるわけでございます。そのほかは旧来と大体余り変つておりません。以上であります。
  114. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 御質問がありましたら……。
  115. 佐々木良作

    佐々木良作君 時間も来ましたので、今日はこれの本質的な質問を留保しておきたいと思いますけれども、今縷々説明されましたが、第一に下期電力需給対策要綱と称せられるもの、我我はこういうものが下期の需給対策の要綱になろうとは思いもかけなかつたのであります。而もこれは未定稿としてある。これが定稿とされてくずくずされるということでは、私どもは実際不安でこたえんのであります。早い話がちよつと見しまても対策になつておるのは何事ぞと言いたい。発電用炭の確保、当り前のことじやないか。発電用炭を確保しなければならんのは当り前のことで、如何に発電用炭を確保するかということに問題がある。山川さんが先ほどから一生懸命言われておつたのもそうだ。作文にして発電用炭の確保、それで対策ができておるという恰好をされては、私どもはここで何としても黙つておるわけには行かん。それで先ほどこの電力委員会委員長からお話がありましたように、一番中心の問題、当座の問題として出て来ておりますところの二枚目の今のミリアで打つてあるものですね、これの裏付けになるところの融通数字融通を具体的にどうやるかという数字が欲しかつたのでありますが、それは間に合わんということでありますから、この次になつてもいい。併しながらこれの一番の問題は今の需給対策要綱の中にも発電用炭の確保が対策であつて、「融通電力の円滑な運営を実施させる」云々と書いてある。円滑なる運営を実施させるための方法は何であり、発電用炭を確保させるための方途が何であるかということを我々は追究しているということをはつきりと御認識を頂きたい。同時にこの要綱の一番終りのほうに「違反者に対する措置」ということが書いてあります。これは需用者の違反に対する措置でありますから、これはこの筋書で行けば当然の話だと思いますが、先ほどから須藤君の言いおつたほうの措置というのは、どこにもこれは書いてない。つまり供給責任を持つ者、供給者自身の責任をどうするのかという問題に融れずに、需用者のほうの懲罰みたいなことばかり書いてある。実際何を考えてこの対策を立てられ、どういう恰好で乗切られようとしているのか。これは何としても私どうにもならん気でおります。従いまして今日はこれで質問を打切りますが、はつきり留保しておきたいことは、この次にはつきり数字を持つて来ること、数字の裏付で今の融通電力の円滑なる運営を今すぐやるための方途を如何にするかということをはつきり持つて来る。同時にそれがうまく行かなかつた場合に、供給者及び公益事業委員会政府を含めての責任をどうするつもりかということをはつきり持つて来る。この三点をはつきりと要望いたしまして質問に代えたいと思います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
  116. 小川久義

    ○小川久義君 ちよつと一言だけお伺いしたいのですが、今頂きました資料の一番末尾の第三表「保安上継続して電気の使用を必要とする」という案の中に、昨日も申上げた通り脱穀調整用の電力が除かれておる。食わずに生きておれということが保安上いいことか悪いことか、今の状態では私どもは米の調整に事を欠く、その主食である米が順調に出荷されざる状態に追込むことが保安上いいことか、悪いことか、これに対してのお考えを伺い、(笑声)又これを必ず入れるというお気持があるかないか、この点を伺つておきたい。
  117. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) 今小川さんのお話になつた早期供出の米の処置については、東北方面からも陳情がありまして、委員会としても東北の事業者に固く厳しくこの点に注意を與えておるわけであります。この上とも十分に盡力したいと思います。
  118. 小川久義

    ○小川久義君 お気持はわかりますが、この三表の中に入つておらんということは、只今浮かんだだけのお気持でなかろうかと僕は疑念を持つ、そういうお気持があるならこの中に入つておるべきはずだ。食わずに生きておれということが保安上いいことか悪いことか、これは誰にもわかりきつたことである。それを除いておる。而も昨日今日から石原委員からも言つた通り早場米の米の調整ができん現状にある、而もこの中から除かれた理由がはつきりしないし、又只今松永委員長代理の話では、陳情があるから考えている、考えているならばなぜここに入つていないか、考えながら入つていないという理由をお伺いしたい。
  119. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) 脱穀調整用の電力は実は七月にはないのでありまして、こういう夏季の季節に起ります特殊の事情なんであります。この問題につきましてはこれには書いてございませんが、別途に通牒を以て善処するつもりで目下おります。実際にはそれから東北の場合でも、或いは特に新潟を含めてでありますが、脱穀の調整電力につきましては現在でもできるだけ扱い方について別途の工夫を現実的にはさしております。御了承願いたいと思います。
  120. 小川久義

    ○小川久義君 この化学肥料の制限が除かれておるような、休電を除かれておるようなふうなんですが、これは原料である硫化鉱の入手が至つて困難である、東北実情を見て来ましても、松尾鉱業所では硫化鉱の採掘ができなくなつているので硫化鉱がないにもかかわらず、ない所へ電気をどうしてやらなければならんという考え方がここにあるか、その点を伺いたい。
  121. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) 具体的な方法としましては、鉱山用の電力の場合に保安用と生産用の電力に分けまして、保安用はこれは確保する建前になつております。生産電力の規制の取扱方をどうするかという点の問題でありまするが、この点につきましては委員会としても別途に緩和策を講ずるつもりでおりますから、暫らくの御猶予を願いたいと思います。
  122. 小川久義

    ○小川久義君 そういうふうに御答弁されるとなお更おかしくなるので、昨日申上げたつもりですが、松尾鉱山では保安電力量千三百五十キロに対して八百キロの割当しかない、送電しておらん、これが実情である。保安電力さえ事欠いている時期に硫化鉱が掘れんのは当然である。その硫化鉱が来なければ硫酸アンモニアはできないことは当然である。その見込みがないのに、もう少し極端に申上げれば、遊んでいる工場へは電気を送るが、その電気を使うための材料はとめておくという現実が現われて来ると思う。これに対してのお考えを承わりたい。
  123. 松田太郎

    説明員(松田太郎君) 今お話のような点が実は東北のみならず各方面にありますと思いますが、そういう意味で従来の制限の規制というものが今日に至りましては実情に副つてない、従つて今お話のような、特に必要な方面にも電力が不十分であるというようなことも十分考えまして、この際今平井君から説明しましたような制限の強化策をいたしまして、成るべくそれによつて浮いた電力をこの規則の上に載つておりますような線に沿つて電力の供給ができるように、こういう意味でこの制限規則を改めましたのもその考えなのであります。
  124. 小川久義

    ○小川久義君 もう一言だけ……そういう事務総長の答弁だとなお更おかしくなる。これは休電日を除くという欄の中に、原料が入手困難である、休業状態に追込まれるような化学肥料の製造工場休電日を設定しない。その原料である硫化鉱を掘るためには極度の制限を加える。こうなればいま一層生産を悪くする虞れがあると思う。過去が悪かつたならば今出さんとするこの緊急措置に対して悪いところを直す努力をするのが当然であつて、過去の悪いというところを認めながら、その悪いことますます強化して、強大して、増大して行くという考え方が私は歴然とわかると思う。その悪いことを直すためにこれを出すのでしよう。悪いのを悪くするために出すというふうにとれる。それでどうなんですか。悪いことをもつと悪くするために出すのか、悪いことをよくするために出すのか、非常に私疑問を感ずるいろいろ問題が多いと思いますが、質問はこれで打切りますが、いずれ明日から開かれる国会におきましても、この電力問題に関する特別委員会は継続されると思う、又せざるを得ないと思う。我々は根本的な考え方をこれは通産委員会へも移管すべきであるという観念を持つてつたところが、事情を聞き、所信を伺つて見ると危くて離されん。従つて国会においても継続してこの委員会を設置することになる思いますが、もつと真剣にお考え願いたい。これは昨日も申上げておいたのですが、今出されて見ると、又それを繰返しておるような嫌いだある。御答弁は次期の委員会にお伺いして結構ですから、もつと真剣にお考えおきを願いたいことを強く要望します。
  125. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 非常に重要な問題で、はつきりしない点が一点ありますので、それを伺つておきたいと思います。と申しますのは、過日公益委員会から提出されました資料を計算して見ますると、今度の電力不足の重要な原因の一つを補つておる。いわゆる需用の予想以上の伸び方が不足電力の二〇%くらいに当つておるように私は思うのであります。従つて新規事業をどういう工合に処理するかということは今重要な問題であろうと思いますが、これについて公益委員会は今後どういう態度で臨まれようとしておるか、これを明らかにせられたいと思います。
  126. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門) 只今お話のことは非常に重大な問題であります。一例を申して見ますると、東京市に現在たくさんのビルデイングなどができております。これは殆んどその需給の見通しなくビルデイング業者が勝手にやつておるような状態であります。甚だしいところは五千キロ乃至七千キロの電力の要るビルデイングがあるのであります。これに対する大体二、三年前からの電力計画というものはちよつと立つておらんのであります。で使うほうはどんどん無計画にやつている。供給する政府の指令というものは何らこれに対応するお考えが両三年立つていないという現状であります。どうしてもこの供給力が足らざる限りは或る程度のできたものに向つてもやはり制限を加えて旧来のお客様と申しますか、旧来のかたがたに対して甚だしく産業上のそつのないようにまあ第一歩考えて、次には何か電力の増強の方法を講じまして、かくのごとく起つて来るものに向つて何とか措置をとることも、例えば東京の区域であれば東京電力として考えさして、その点についても話をしておりますが、未だ東京電力なら東京電力がこれらのビルデイングに対してどうするというものは実力がないために立たんようであります。委員会としてはこれをよく考え、よく指導する考えでおります。
  127. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 私のお聞きしたのは、とにかく再編成になりましてからは新規事業等の取扱い等は一応電力事業者に一任された恰好になつておるのであります。そうして今日のような事態を招いたわけでありますが、電力使用制限をされるときには当然既設の事業でなくて、新規の事業についても或る一つの指導方針というものを立てられて、そうして命じなければならんと思うのであります。ところが遺憾ながら今日まで頂戴したいろいろの資料の中にはそういう公益事業委員の意思の盛られたものはございません。又只今松永委員長代理のお話を聞きましても事態が好転するのを見合いながら何とかして行きたいというお話でありますが、もうぎりぎり結着のところまで参りました現在においてはそういう余裕はないものと断定をしなければならない。従つて明日からでも新規事業の問題については電力事情が好転するまで送電の見込が立たないということでこれは断乎たる処置を私はおとりにならなければいかんと思います。その御決意があるかどうかということを伺つておるわけです。
  128. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) 大体前のお問いに申上げたような趣意に向いまして、新らしい需用に向つて旧来同様な取扱いをせず、新らしいものに向つては新らしい一つの方法を各会社についてとらせるべくすでに話はしておりまするが、相当な方策を立てる考えでおります。
  129. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 そこまで腹案がありまするならば、これは非常に重要な問題であります。東京電力の一部を聞きますと二万五千キロの発電所を年末に間に合せるように急いでいる。ところが東京の一支社の利用申込だけを総計すると、その二万五千キロにぴつたり合うという話であります。何のために発電所の建設をやつているかわからんという状態であります。従つて今あなたの述べられたようなことがありますかどうか、一つ具体的にここで御発表願いたい。この問題が一番重要な問題であると思いますので、具体的に御発表を願いたい。
  130. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) 承知いたしました。よく調べて次のときに……。
  131. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 御足労願えないようですから、それでは……。それから第二点として伺いたいのは、これは経済安定本部産業局のほうへ伺いますが、昨日岩武次長が述べられた言葉が私の聞違いであれば御訂正を願いたいと思いますが、電力危機に対処する総合生産計画を緊急に立てるべきではないかというような質問に対しまして、あなたはそういうことをやつている暇もないし、そんなことをやるよりは石炭確保を進めたほうがよくはないかというようなお話がありましたが、本当の肚は私は電力危機に対処する総合産業生産計画というものが緊急に立てられなければならんと思いますが、そういう意思がありますかどうか、伺いたいと思います。
  132. 岩武照彦

    説明員(岩武照彦君) 私は、昨日申上げましたのは、電力制限による被害産業の問題について小野さんの御質問に御返事したわけであります。今後の産業計画といつても、実は計画らしいものではありません。むしろ見通しを立てておるわけでありますが、それにつきましては本日小野さんの御質問に対してお答えいたしました通り、今後の制限の見通しがどうなるかという点につきまして、或る仮定をおきまして、それに対して生産の動向はどうなるだろうということを調査し始めております。まあ前提としまして、どの程度の渇水を見込むかという点が一番問題でありまして、まだ具体的な前提を立てておりませんが、恐らくは相当きつい前提を立てざるを得ないだろう、そういう場合にそれを補う石炭は現在の電力の上から要望されております六百五十万トンでは足りない、制限は依然として穴になつて来るということを前提とせざるを得ないだろうと思つておりますので、そうしますと相当生産が下るのじやないかと考えております。なお、これにつきましてはいろいろ地域的に、或いは北海道でありますとか、或いは四国等におきましては、そう制限段階を考えなくてもいい、或いは三月までそういう基準制限考えくてもいいといういろいろな状況がありますのと、もう一つ制限のやり方がよく公益委員会のほうから言われましたような七月の実績の何割というふうな過去の消費実績から来ますれば、比較的消費実績も立てやすいわけでありますが、又一部で言われておりますように、或る時期の割当云々ということになりますと、これ又話が大分違つて来ますので、その点の仮定は大分違いますが、いずれにしましても早急に立てたいと思つております。そういたしますことは、逆に言いますと、電力が足りなくて工場相当稼働できない、逆に石炭のほうは相当工場には入るならば、むしろその辺の調和をとつて、よその工場に入る石炭電気のほうに廻したほうが、その制限の緩和になるのでありますので、その点に観点をおきまして調査を進めたいと思つております。
  133. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 それは過日山川委員も石炭のほうの立場を代表せられて、官民石炭業者を集めて国の生産計画と睨み合せながら石炭の再配置をしたい、そういう意思を十分持つているということを述べられました。それから先ほど小川委員から、硫化鉱と硫安の例をとつて述べられたのであります。私は更にこれに附加えるならば、もう丁度観光シーズンに入るのでありますが、団体客をどんどん汽車で運ぶということも、これはこの際愼しむべきことだと思うのであります。又私鉄において団体客を運んでおりますが、こういうことも、電力をこういう観光面に使うということは愼しむべきことである。このために相当たくさんの中小企業が、浮いた電力石炭で廻ることはもう論ずるまでもないことであります。従つてそういうような跛行状態生産が陷らないために、又非生産的なものは強力な措置によつて抑制して行くような根本方針を、経済安定本部で緊急に立案して頂いて、そうして通産省なり公益委員会と連絡をとつて、そうして指導して頂きたい。これは私のお願いでありますが、そういうようなことをやつて頂くにつきまして、今の計画では、いつ頃になりますとあなたがたが或る程度の案を作られて数字的な検討に入ることができるのでありましようか、その点を伺いたいと思います。
  134. 岩武照彦

    説明員(岩武照彦君) 御答弁を二つに分けまして、一つは、あとのほうはむしろ制限のやり方の問題かと考えております。これにつきましては、いろいろ安定本部としましても意見を持ちまして、お話がありましたような非産業用の用途を抑えて、公益委員会の案にも或る程度出ておりますが、私たちとしましてはむしろもう少し非産業を抑えるべきじやないか、これは非産業もいろいろありますが、比較的奢侈的営業的な需用もあります、又家庭等の需用におきましても、晝間だけでなくて或る程度夜間も節電するのが本当じやないかと思つております。どの程度のアワーが浮きますか、或いは最大電力の節約になりますか、十分な検討を進めておりませんが、ただ現在のように緊急遮断と称してあちらこちらで電力会社が遮断をしているということはまずいではないか、むしろ制限は法規の示されている範囲でやつて頂いたほうがいいのじやないか、それが最大限に止るべきじやないかという意味で、むしろ現在やつております遮断を法制化し、制度化して、それ以上は認めないというふうな方向で秩序付けて頂いたほうが、一般国民も安心が行くのじやないかと思つております。それから産業別につきましてはいろいろ需用の構成等もありまして、まあ比較的電力を余計消費します産業が重要産業だ、といろいろ称されておりますが、そういうことで、そういうふうな大口の特別に電力を使います産業を、制限を著しく緩和いたしますと、逆の漏れた産業は非常な制限を食うことになりますので、却つてバランスを失すると思いますので、その辺はもう少し均衡をとりました制限をして行かないといけないと考えます。昨日、石炭生産電力については何とか考えたいと申上げておきましたが、余りそういうふうな範囲を拡げますと、却つて漏れた方面需用が非常に制限がきつくなるというふうになりますので、その辺はバランスのとれるように考えたいと思つております。それから御質問がありました生産の見通しの問題でありますが、お答えしておきますが、実はいろいろ生産計画というふうに新聞等に見えておりますが、今の段階としましては、計画を作つて、それに向つて業界を鞭撻するというような、或いはそれに向つて必要な資材等を配給するということをやつておりません。むしろ現在の状況、或いは動力状況から、この産業生産の見通しを立てるというふうな見通し作業なのでありまして、見通しが現われております数量で産業生産を抑えるとか、或いはそこまで持つて行くとかいうふうな考えはいたしておりませんが、その見通し作業も実は今朝ほど新聞に現われました。実はこれは本当の内部的な試算でありますが、この前提が先ほども申上げましたように電力状況を非常に楽観しておりますので、むしろ現実に三割或いは四割というふうな制限をこうむつております状況を基礎にいたしまして考えたほうがより妥当ではないか、それにいろいろ地域の特質を考えまして、もう少し具体的にやつて行こうと考えております。恐らくあとちよつと二週間くらいかかるのじやないかと思つております。
  135. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 松永委員長代理に先ほどの新規需用のことでもう一言確かめておきたいと思いますが、何か腹案を持つておられるようでありますが、その内容を出して頂くことに約束をしたのでありますが、それは電気事業者に対して拘束力を持つような恰好で公益事業委員会は指導せられるのか、或いはただ単なる道義的な指導に終るものでありますか、この点をお伺いいたしたいと思います。
  136. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) お答えをしますが、只今拘束力を持たしてやるところまで考えておりません。というのは拘束力を持たして見ても、大体のこの東京電力及び東北中部と連繋した一般の電力は、一度供給を開始しますれば、到底それはあと戻しのできないような状態に陷るのでありまするから、若し拘束をしようと思えば何月何日以上何キロワツト需用よりは許すべからずという法律を出すよりほかにないのでありますけれども、只今の段階において雨或いは石炭事情、或いは石油の輸入事情等によつて或る程度必要なるものは許さんならんと思いまするがため、その程度以下の條件附にして命令を出すということは事実混雑をするかと思いまするので、大体の原則を古いお客さんの仕事がお粗末にならんようにということを主としまして、そうして許される範囲のものについては各地ともそこの逓信局に一応相談して供給を開始をするようにしたがよかろうかと、只今私として考えております。
  137. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 逓信局というのはありませんから、公益事業委員会の支局だろうと思いますが、その公益事業委員会の支局に相談をして、新規送電をするかしないか、或いはその申込のうちのどれだけを許すかというようなことを決定されるということであれば、それは公益事業委員会の支局長の了解がなければ新規送電はできないという、そういう態度であると解釈してよろしうございますか。
  138. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) そういう態度と申上げるより、法的にやるということが困難であれば行政的のそういうサゼツシヨンをして成るべくその扱いによつてやらしたほうがよくはないかと思うております。それを法化するかせんかはその扱いによつて考えて見るべきことだと考えております。
  139. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 そうしますとそういうような余りはつきりしないような態度でやりました場合は、電気事業者はいろいろな立場もありますから、やはり新規需用に対しては相当な私は送電をするだろうと思います。そういうときに現在全然これは電力の見通しが立たないときにそういうような送電をやりまして混乱を招いたときは、一体あなたがたはそういうものに対して責任は全然ないものとお考えになるのでしようか。公益事業委員会というものはそこまで私は面倒を見るべきものだと思いますが、その点如何でございますか。
  140. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) お話の通りでありまして、その法的処置に入るまでに、十分その地区の事業者がすでに起りつつあるところの各種の実際の需用に対してどう取扱うかということは十分に親切に私ども話合いします。それからそれを或る取扱いに移す場合は只今申上げたように地方支局と殆んど細かく需用状態、供給状態を相談してやれということを一応言うて見るつもりでおります。
  141. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 くどいようですけれども、もう一遍申上げておきます。各電力会社はやはり電力を殖やすために鉄筋コンクリートのビルデイングのことは例外でありますが、いわゆる工場誘致というものをやりまして、五千キロ或いは一万キロというような大工場を自分の供給地域内に誘致することに奔命これ努めて来ておるはずであります。そうして私ども始終旋行するのでありますが、東北本線なり或いは東海道線、山陽線の沿線にも相当工場が現在立ちつつあるのであります。そういう誘致をした手前上、これができ上つたときに送電をしないというようなことは、これは電力事業者としては恐らく困難じやないかと思います。従つてそういうものこそ公益事業委員会がこれは勇断を以て送らないというんじやない、電力事業が好転するまでは暫らくその送電は見合せる、そういう固い私は決意を以て断行されなければますます私は電力事業を悪化させるばかりだ。こう考えるのでありますが、私はこれは強い私の意思として申上げますけれども、そういう工合措置公益事業委員会はとつて進まれるような工合考えられませんか。
  142. 松永安左エ門

    説明員(松永安左エ門君) 結論としてはあなたと同じような点に達するものと思いまするが、その間の事情は地方の事業者、或いはその産業重要性に鑑みまして、これは通産省或いは安本等の生産計画もありますし、十分公益事業委員会としてはその間骨を折りまして、最後電力全体についてはあなたのような段に達することが現在の状態の見通しではあると思うておりまするが、その間成るべく摩擦が少いように、弊害が少いように事業者を督励してやつて行くつもりであります。
  143. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 この委員会はまあ形式上は本日を以て一応解散になるわけであります。私はこういう重要問題を控えて中断されることを非常に残念に思うのでありますが、大体次の三点を私はこの委員会として確認をいたしまして、次の国会において若し電力委員会ができまするならば、この問題を再びお互いの現在の肚がまえとして持ち続けて参りたい、こう考えるわけであります。  その第一点は、昨日今日いろいろと論議をいたしましたけれども、結論から申上げますと、足りない電気をどうして全国平均にして分けるかということが中心でありまして、これを殖やすほうの問題解決のための努力はいたしましたけれども、何らその曙光は見出せなかつたと思うのであります。水力状況はもう期待できない、これは私どもも永年の間電気事業に関係した者としてはつきり知つております。見通しがつかん、従つて石炭を何とかしなければならん。特に関西におきましては、御承知のように日本火力発電所の総出力は二百五十万キロでありますが、このうち四五%、百十六万キロを関西が持つておるのであります。そうしてその百十六万キロの火力に対しまして例えば九月現在の稼働率などは僅かに関西は百十六万キロの二四%を動かしておるに過ぎない。ほかの地区は若干上廻つておる所もありますが、こういうような誠に残念な状況でありまして、これは一に石炭がないためにこういうことになつておるのであります。昨日いろいろと平井技術長からお話がありましたが、結論は石炭があればこんなことにはなつておらん、石炭がないからこういう工合になつておる。いろいろな釈明的な説明はこれから抜きにして頂いて、率直にずばりと答えて頂きたいと思います。石炭がないからこういうことになつておるわけであります。従つて石炭確保のための対策をこの委員会でもつと真剱に私は徹底的にやらなければいけないと思うのでありますが、時間的な関係が切れてできないわけでありますから、従つて明日から始まりまする臨時国会におきましては、関西の百十六万キロの火力発電所をフルに動かして、そうして関西電力不足を解消するだけでなく、ここから溢れるところの電気を全国へ逆に配つて、そうして全国の制限率を緩和するところまでも私は是非とも努めなければならんと思います。従つてそういう意味合いにおいて、この委員会石炭問題の確保の問題について再び努力をいたして参りたいと考えるわけであります。それから第二点は、今日まで参りますと電力の問題はこれは経済の問題、産業の問題だけでなくて社会問題ともなり、更に政治問題にもなつているわけであります。従つて最近の動きを見ますと、現内閣のとつている態度というものはどうもまだ真劍味が私は足らんように思うわけです。従つてこの委員会としまして、本日御決定を願いまして、政府へ緊急石炭確保に対して格段の措置をとられる、更に電力の相互融通の徹底的実現を図る、更に電力不足に対処するところの総合生産計画を立てまして、そうして日本産業界が混乱に陥らないようにいたしますること、更に電力制限を行いまするために、これは多数の労務者諸君が、経営者も困られるでありましようが、労務者諸君も生活の不安に陷つているわけでありますから、そういうものに対して如何なる対策を立てて善処するか、そういうような問題につきまして、この委員会として決定をして政府へ私は申入れをいたしたいと考えるのであります。この点も御確認を願いたい。それから第三点といたしましては、どうも電力の相互融通の問題、石炭の買入れをしましても、各社それぞれいろんな考え方がありましてどうもここで述べられている実情とは別なものが私はあるような気がするのであります。従いまして東北から一つ九州まで各電力会社首脳部、責任者をここへもう一度出席を求めまして、各社それぞれの立場において率直な私は意見の開陳を求め、そして今日電力危機がこういう状態にある根本原因はどこにあるか、そしてそれを打開するためには政治的に、或いは経済的にどうしたらいいか、その点を業者の立場に立つて私は研究をして見たいと思う。電気事業の運営は公益事業委員会が指導されると或るときには言われ、或るときには電気事業者の自主性に委ねてあると言われまして、どうもどこが本当かわからないのでありまして、電気事業者のかたの意見は私ども寡聞にして今日まで聞いていないわけございます。是非ともさよう府計らいをいたしたい、かように考えるのであります。第一点と第三点は明日からの臨時国会に是非とも持ち込むように各議員において御了承頂きたいということであり、第二点の政府への申入れは、この委員会の決定といたしましてそうして明日にでも即刻いたしたい、こう考えるわけであります。
  144. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 只今の栗山君の御発言の中で今日でお終いになりまするこの委員会でせんならんことは第二点の問題です。栗山君の御意見御尤ものことと思いますが、そういうことをすることに委員諸君は御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  145. 清澤俊英

    清澤俊英君 労務者の問題を政府が考慮ということではいかんと思うのであります。結局こういう事態生活が本当に侵されて来ているならば、政府がやはり補償すべきだと思う。補償を考慮する……。これがために賃金をもらわれないで一家が総倒れになるというような問題が現に出ている。そういう事態を起しておいて考慮ぐらいでは問題にならん……。
  146. 小川久義

    ○小川久義君 そういう申入れをすることに賛成であります。その文案等に対しては委員長に一任したいと思います。今日中にお作り願つて、明日継続のあれとしてお進め願いたい。
  147. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 栗山君の御意見は継続した委員会でやるのでなくて、今日終るこの委員会の決議として政府に手交したい、こういう意味のように委員長は解釈しております。内容に関しては清澤君から御意見がありましたが、清澤君の御意見に対して御意見を開陳なさることがあつた発言を願いたい。
  148. 佐々木良作

    佐々木良作君 その申入れること結構ですが、その申入れられるならば融通措置とかその他のものもやはり並行的につけなければならんと思います。
  149. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 僕は今申入れの内容の要項を申上げたはずであります。
  150. 小野義夫

    ○小野義夫君 これはちよつと趣旨において賛成ですが、政府に申入れをしてもやはり文章的にその文句その他についても相当審議を要するのですが、本日はもう最終ですから、委員長にこのことは政府の申入れなりその他の、今栗山君の、趣旨の徹底するように委員長に御依頼になるということは如何ですか。ここで今賛成と言つて見ても文句字句については賛成できかねるような点もあり得るかもわからないのでありますし、政府補償と言つても……。
  151. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 それでは申入れの事項がどうも私早口でしやべつたので徹底してないようですからもう一遍申上げます。これはどの会派を問わず御異議ないことと私は考えて四点挙げたわけであります。第一点は石炭の緊急所要量の確保の問題であります。これに対して格段の手配を政府はいたされたい。第二点は電力の相互融通の徹底化を緊急に行われたいということ。第三点は電力危機に対処するところの国の総合生産計画を樹立して産業界を指導せられたいということであります。それから第四点は電力不足に対処する労資の間に問題が、これは発生をすることは明瞭でありますから、従つて労働対策に対してはつきりした措置をとつてもらいたい。賃金不拂い問題に対してのはつきりした対策を立ててもらいたい。この四点の問題であります。
  152. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 今栗山君から詳細なお話がありましたが、今のような内容、今のような表現で内閣に対して申入れをすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  153. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 委員長に御一任というお話がありましたが、それでは困りますので、やはり発議者栗山君、その他二、三の人を委員長は指名いたしますからその人で文案を作成して頂きたい。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  154. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 栗山君。緑風会、結城君、それから自由党からは小野君、共産党労農党からは須藤君、第一議員クラブから佐々木君、これだけの人数で一つ早急に文案を作つてもらいたい。ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕
  155. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 速記を始めて。  只今栗山君の動議によつて案文ができましたので、案文を朗読いたします。    電力危機打開に関する要望書   本委員会の九月以来の真摯なる調査の結果現下電力危機は、我が国産業経済は申すに及ばず国民生活に対して決定的圧迫を加えることが明らかとなつた。そしてこの打開には一局部の努力では応急措置すら至難の状況にあることを憂慮するものである。よつて委員会政府公益事業委員会の責任を明確にすると共に緊急に次の措置をとられることを要望する。   一、下期電力用炭を緊急に確保すること。   二、電力の全国的相互融通を徹底すること。   三、電力危機に対処する生産の総合計画を樹立すること。   四、賃金不拂による労働不安に対し格段の措置をとること。   昭和二十六年十月九日    参議院電力問題に関する    特別委員会        委員長  西田 隆男    内閣総理大臣吉田茂殿  こういう案文ができておりますが、この今読上げました案を政府に通達すると言いますか、することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  156. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 御異議なしと認めます。さよう決定いたしました。  ちよつと速記を止めて。    〔速記中止〕
  157. 西田隆男

    委員長西田隆男君) では速記を始めて。只今御承認を得ました当委員会の要望を、当委員会終了後、委員長が総理大臣官邸に行きまして、総理大臣若しくは官房長官に手交いたして要望したいと思いますので、理事諸君も委員長に御同伴をお願いいたします。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  158. 西田隆男

    委員長西田隆男君) 最後まで熱心な御協力を頂きまして感謝感激に堪えません。それではこれを以て委員会は散会いたします。    午後五時五十七分散会  出席者は左の通り。    委員長     西田 隆男君    理事            石原幹市郎君            栗山 良夫君            結城 安次君            佐々木良作君            水橋 藤作君    委員            秋山俊一郎君            石坂 豊一君            岡田 信次君            小野 義夫君            清澤 俊英君            島   清君            椿  繁夫君            奥 むめお君            加賀  操君            山川 良一君            岩木 哲夫君            小川 久義君            東   隆君            須藤 五郎君   事務局側    常任委員会專門    員       林  誠一君    常任委員会專門    員       渡辺 一郎君   説明員    公益事業委員会    委員     松永安左エ門君    公益事業委員会    委員      宮原  清君    公益事業委員会    事務総長    松田 太郎君    公益事業委員会    技術長     平井寛一郎君    公益事業委員会    経理長     中川 哲郎君    経済安定本部産    業局次長    岩武 照彦君   参考人    大阪府知事   赤間 文三君