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1951-09-17 第11回国会 参議院 電力問題に関する特別委員会 閉会後第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年九月十七日(月曜日)    午後一時五十二分開会   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○電力問題に関する調査の件  (電気需給調整規則改正に関する  件)  (電気事業会計規則改正に関する  件)  (電力使用緊急制限に関する件)  (電力割当に関する件)   ―――――――――――――
  2. 結城安次

    理事結城安次君) それでは只今から委員会を開会いたします。  電力問題に関する特別委員会でありますが、本日は西田委員長不在のため私が代理いたします。本日の調査題目は、公報でお知らせいたして置きました通り電気使用制限に関する件、及び電力割当に関する件であります。首題の調査に入ります前に、電気需給調整規則改訂のその後の動きにつきまして、公益事業委員会から御説明をお願いいたします。
  3. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) 九月の十五日に施行いたしました電気需給調整規則は旧規則に若干改正を行なつたのみで、おおむねそのまま存続させたものなのでございます。その主な改正点を申上げたいと思います。  第一は第三條を新たに設けまして、この規則による割当料金割当であるということを明記いたした次第であります。  第二の点の一つは、第六條の一般電気使用者に対する割当調整につきましては、電気事業者の参照すべき事項としまして、「走行粁数の比率、」「電気信用合理化優秀工場として所轄支局長が認定した程度」、及び「他の熱源に代替し得ると認められる設備等」という言葉を追加いたしました。第二のもう一つの点は、なお一般電気使用者割当調整電気事業者申出期限をば「当該月開始の日の二十日前」、これは旧規則では「当該月開始前」となつておりましたのであります。「当該月開始の日の二十日前」、これに対して電気事業者は又「当該月開始の日の五日前」、このほうは旧規則では「当該月開始後十五日以内」となつておつた規定であります。そういう時期までに処理をするということ、それから支局信に対する不服の申立につきましても「当該月開始前」と改めたのであります。旧規則では「当該月開始後二十日以内」ということになつておつたと思いますが、この点は要するに、第六條によりまするいろいろな調整についての申出期限をば、当該月の始まる前に実質的に処理し得るという意味において、申出後に処理の実現を繰上げたということでございます。  第三の点といたしましては、第十一條電気事業者供給力予想報告、このうちで年度初めに年間報告を提出することをやめまして、毎四半期初めに翌年度四半期分報告を提出するということに改めた点であります。  第四の点は第十三條の「支局長割当等公表義務」についてでありますが、それについては「割当の基礎となつた事項」という言葉を追加いたしました。これには第十一條、第十一條というのは電気事業供給力予想報告の点であります。及び第二十五條、これは電気事業者供給実績報告義務でありますが、この二つのものを含むものであるということを明記した次第であります。  第五の点は第十六條の受電認可につきましては支局長に申請してから三カ月以内に処置しなければ認可したものとみなすという趣旨を明記した次第であります。委員会のほうへの申請がありまして三カ月以内に処理をする。その間に処理をしなかつた場合には認可したものとみなすという扱い方をするという原則を立てたのであります。なおもう一つの点は附則経過規定を設けまして、新旧規則の初換えによる混乱を生じないように考慮した点であります。大体以上でございます。
  4. 結城安次

    理事結城安次君) 何か只今の御説明に御質問ございますか。ございませんければ次に進んでよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 結城安次

    理事結城安次君) それでは電気事業会計規則改正についても前回の当委員会で御説明を行なつたのでありまするが、その後の動きについて松田事務総長から御説明をお願いします。
  6. 松田太郎

    説明員松田太郎君) 電気事業会計規則需給調整規則と同様に今月の十五日から効力を発生いたしたのでありますが、そのうちで最も大きな点は例の渇水準備引当金の制度に関連した規定改正でございまして、これにつきましては第十五條を改めまして、電気事業者豊水により特にその収益が増加し、又は特にその費用が減少したときは渇水準備引当を行わなければならない、こういう工合に改めたのであります。多分この前こちらに参上いたしまして、一応委員会としてこういう工合に修正したいということを申上げましたときは、これを委員会の指示した場合に渇水準備引当を行わなければならないという工合にいたしておつたかと思いますが、この点につきましては聽聞会における参考人意向とか、その他をいろいろ検討いたしまして、この点についてははつきり強制規定を明記いたしたのであります。なおこの明記いたしました点について根本の問題、言い換えれば渇水準備引当金を特に強制して積立てました場合には、これに対して税の免除をしてもらえるという根本方針につきましては、大蔵省のほうから正式にそれを認める旨の通知も私のほうに参つております。あとはこれに対しまする具体的の細目亘つて規定でございますが、これは別途この委員会として別に定めることにいたしておりまして、只今大蔵当局のほうとも具体的に交渉を続けております。いずれにしましても今月中にはその細目もきまわまして、この規定につきましては来月から、言い換えれば下期から実施をいたしますということに、規則のほうでははつきりいたしております。それは特にこの附則におきまして、この第十五條規定については、十月から実施するということを謳つておるのであります。その他はこの前ここで御説明を申上げましたのと少しも違つておりませんので、この前の御説明を以てお許しを願いたいと思います。
  7. 栗山良夫

    栗山良夫君 大体了承いたしましたが、一点だけ伺つておきたい。この前この委員会渇水準備金実施の時期が問題になりまして、下期に入つたのでは余り効果がなかろうという意見があつたと思います。ところが、あの規則渇水準備金を積み立てる場合の基準が三つあつたと思いまして、第三番目には河川水量計画水量を保持しました場合に、一方火力用炭消費計画よりも下廻つた場合には、その下廻つた分についてやはり積み立てるような形式になつておつたと思いますが、そういうことは早速この下期の渇水期にも若し事態が発生すれば実行されるのかどうか、その点伺つておきたいと思います。
  8. 松田太郎

    説明員松田太郎君) 只今申上げましたように、この規則は十月以降実施いたしますので、十月以降は御承知のように何分にも本格的な渇水期に入りますときを含めておりますので、そういう場合は想像としては余り起り得ないかと思つておりますが、若しも起りました場合には当然この規定実施されますので、お説の通りになると思います。
  9. 結城安次

    理事結城安次君) 別にございませんければ、今日の本論に入りまして、電力使用制限調査に入ります。前回委員会において夏季渇水期電力需給調整状況及び石炭状況につきまして調査をいたしたのでありまするが、その後の状況は更に惡くなりまして、本月六日から一週間に亘り使用制限を発動し、更に十三日から又これを一週間延長したような次第であります。更に本日は、前回委員会以後における状況及び今後の見通しにつきまして、全国的に公益事業委員会側から御説明を伺い、その後最も状況の惡いと言われております関西地区状況について詳細に調査をいたしたいと考えております。
  10. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) お手許に縦刷りの、表紙に図表の書いてある資料を差上げてあると思います。それに基いて御説明をいたしたいと思います。前回の当委員会での御質問のございました当時の状態は、この図表の丁度八月の欄のところにありますような状態であつたのでありまして、この左のほうの側には一番上のほうに鋸の歯のようになつております直線がありますが、これが自然流量可能出力の線でありますが、八月に入りまして非常に落ちて参りまして、八月の平均需用より月の上旬中旬下旬を通じて相当下廻つてつたような成績を持つてつたのであります。この当時の段階といたしましては、当時御説明申上げましたようにおおむね電気事業者需用家との間における話合いによる、いわゆる自主的な需給調整方法によりまして、おおむね切り抜け得たのであります。然るにその当時九月に入りましての予想としましては、中央気象台予想としては、九月は例年より相当水が多いであろうという予想であつたのでありますが、我々としましては八月の現実の事態を見まして、そう豊水であるというふうにも考え得ないものですから、一応九月の見通しについては警戒はしながら入つたのでありますが、その結果は、このカーヴにありまするように、その当時の予想よりは遙かに下廻つた出水状態を今日まで続けておるのであります。この曲線の丁度九月の始め頃の数字を御覧頂きますと、八月の九カ年平均自然流量は三百四十数万キロワツトでありまして、九月の自然流量は三百八十万キロワツトに近いところまで……、毎月の線のところに横に線の書いてありますのが当月の平均流量の線でありまして、九月の九カ年平均は約三百八十万キロワツトに近い。これに対しまして実際の自然流量の先ほどの鋸の歯の水量は、このカーヴにありますように、僅かに九日頃に一日だけその平均に大分近付いたところに水が出たのがありまして、それ以外はずつとそれよりも下廻つた状態を続けておるのであります。こういうふうでありましたので、それぞれの電力会社需用家との間における自主的な需給調整話合いの方途によるのみを以てしては、もはや切抜け得ないような見通しになつたのであります。そこで止むを得ず本州を限りまして、第十四條による法的制限措置を六日の日から一週間だけとらざるを得なかつたのであります。最初からこの期間も一週間とするか、もう少し長くさせるか、いろいろ考えたのでありますが、九月という月はおおむね例年としては台風が何回か本土に来まして、それらが相当の水を落してくれることが期待できるものでありますので、水が十分に出ます見通しさえつけば、いつでも早く打ち切りたいという気持もありましたし、それらもあつて、先ず一週間ということで打ち出しをしたのであります。ところが丁度打ち出して五日目の十日の日でございましたか、この鋸の歯がずつと上つております。三百七十万キロワツトのところまで伸びたのであります。ところが御承知のようにあの雨は僅かに本州を通じまして、零乃至二十ミリ、特定のところで三十ミリ余りくらいの記録をとどめただけであつた。それは午前六時現在まで三百七十万まで伸びたのでありますが、六時間後の正午の記録を特に臨時にとつて見ましたら、すでにそれは三百四十万台にまで下つてしまつている。翌日の朝の記録を見ましたら、丁度前日に比べて約八十万キロワツト殖えておりました水が七十万キロワツトだけは元へ戻つてしまつたというふうに、誠に情ないほど早く減つてしまつたのであります。そういう事情で、そのあとの一週間の天候の予想等から見ましても、どうも緩和の余地のないものでありますので、更に十三日から十九日に至る一週間を追加して、そうして続けて見たわけなんであります。本日が十七日でありまして、あと二日を残すのみでありますが、このあと見通しにつきましても我々目下中央気象台その他と連絡をとり、いろいろな見通しを立てて、どういうふうにするかを今検討中なのでございます。いずれにしましても、台風の影響で何とか水が出れば早くこれを緩和乃至は打切りたいということを念願しながら、見守つているというのが実情でございます。  お許しを得ましたので、石炭事情につきましても併せて御報告申上げたいと思います。この第一面のカーヴ全国石炭消費、一番下の欄に消費高貯炭高計画数量実績とが書いてございますが、春以来需用の伸びが非常に大きくなりましたのでかなり四月、五月乃至は七月等については若干豊水の実態にあつたにかかわりませず、石炭消費量期間を通じて上廻つておるというふうな傾向を辿つておるのでありまして、先ず下のその横の欄の消費高という数字計画と対比して御覧頂きますと、四月の三十一万トンに対し三十七万八千トンというふうな数字なつております。この説明は省略いたしますが、大体八月までにすでに年初計画数量より四十万トンほど上廻つてつたような消費実績を示しておるのであります。九月につきましては、まだこれは十三日までの資料しか入つていませんが、この割合で見ますと、やはり相当苦しい状態にあるのであります。こういうふうでありましたので貯炭年初計画では九月の末を期して百万トンを意図しておりましたにかかわりませず、その貯炭計画は太い線で左の下から斜めに右のほうに出ておるのが貯炭計画数字でありますが、同時にその所から一緒にスタートして横這いしております太い点線が実際の貯炭数字でありますが、思うように伸びておらないのであります。殊に八月の渇水のために折角一時全国で三十万トン以上の成果を挙げて、若干この計画に近付く傾向になつた思つたばかりのところに、渇水のためにぐんぐんと減りましてそうして三十万トン以上から三十万トン前後を横這いするというふうな所まで下がつて来ておるのでありまして、法的措置による制限段階を始めましたときは、すでに二十万トンの線を相当下廻るという所まで来ておつたわけであります。便宜上その次の頁以降の資料を簡單に御説明をいたしますと、第二頁目には八月中におけるピーク時のサイクル状況が載つております。割合に水の状態のよかつた北海道、四国等につきましては、サイクルは非常にいいのでありますが、その他の地域におきましてはおおむね電力需給の逼迫に応じてサイクルが下廻つておるのでありまして、非常に苦慮しておる状態がおわかりになると思います。その次の頁は、これは第一頁に申上げました資料関西地区における数字でございます。この説明は省略いたします。  それからその次の所には告示によりまする電力制限の指示をどういうふうにしたかということをそのままここに詳細に写しを掲げておいたのであります。それからそのあとにありまする資料は、電気事業者に対しまして自家用火力を何とか話のつくものについては、極力援助をしてもらうようにという非常な努力をさせました結果がここに載つておるのでありまして、遺憾ながら表がちよつと時期が古いのでありまして、第一表の(1)と書いてありますのが、八月十八日現在でありまして一番下の全国で九万五千七百キロワツトは、自家用火力をこの当時にすでに御協力を得ておつたのでありますが、更に当時計画中のものが二方一千二百、合せて十一万六千九百程度のものが、いわゆる年初計画以外に発電協力を願つておるものになつておるのでありまするが、その後その当時の予想以上に発電をいたしましたものが、その次の頁に載つておるのでありまして、これだけは更に追加されて発電の御協力を得ておる状態であります。それから最後の二枚は、法的措置をとります前の状態における電力会社需用家との間における話合いによるいわゆる自主的制限と申しますか、自主的な需用調整がどういうふうな内容において行われておりましたかを、各電力会社別にここに一括して表にいたしましたものでございます。その一枚は八月十八日現在であり、もう一枚は九月上旬の状態でございます。  もう一度、石炭の今後の当面の見通しと申しますか、手配状態につきまして、もう少し補足して御説明申上げますると、これはこの前の委員会お話した点と多少重なる点があると思いますが、七月の期に入ります前に、七―九のいわゆる第二四半期石炭対策といたしまして、電気事業者石炭事業者のほうに対しまして、二百十万トン程度の炭を買付けたいということを要望したのでありますが、非常な努力をいたしましたにかかわりませず、その結果は百六十万程度しか契約ができなかつたのでありまして、実際の入荷状態は先ほどの表にありますように、おおむね月々五十万トン足らずのような状態で推移しておるのであります。これがために第二四半期におきましては、第二四半期のしまいであるところの九月における見通しといたしましては、その当時九月末において百万トンの貯炭を目途としましたものが、そうした話合い食違いのために、貯炭目標が事実上非常に下廻らざるを得ないような状態なつておるのでありまして、恐らくこの状態でこのまま推移いたしますならば、九月末の貯炭は二十万トンを辛うじて続ける程度じやないかと思うのであります。電気事業というものは、どうしても秋口から冬場にかけて非常に季節的に石炭消費が多いのでありますから、その時期において購入、いわゆる受入れが到底消費を賄えないくらいに消費が上廻るものでありますので、豊水期消費量より以上に上廻つて貯炭をしておいて辛うじてその冬場を凌くのが例年の常道になつておるのでありまするが、九月末の貯炭見通しがそういうふうに非常に窮迫しておる現状といたしましては、第三四半期における石炭買付計画について、今度こそそうした行違いのないように十分なる措置をとることをしなければ、本当の電力対策については非常なる事態が起ることが懸念されるのであります。従いまして委員会といたしましてもその辺につきましては、今回こそはもう、どうしても見通しはつきり立てないと冬場が困難だからというので、電気事業者には強くその点を申しますと同時に、通産省経済安定本部等にもいろいろと御連絡を頂きまして、その結果通産省のほうでもこの事態を非常に強く御了解頂いて、非常に積極的に今御協力を頂いて、目下第三四半期石炭の買付問題について具体的にいろいろと御援助を願つておる次第であります。私どもの大体のもくろみといたしましては、第三四半期中に毎月八十万トン以上の炭を……、ですから三カ月間において二百五十万トンの炭をいつでも買付けたい。そうしてそのうちの相当の部分をば十二月末の貯炭に持つて行つて、せめて五、六十万トンの貯炭分に廻し得るならば、十二月末で約八十万トンの貯炭ができるのじやないか。そうするならば、一―三と申しますと、いろいろと資金や何かで食違いが起りがちなのでありますが、その時期においても、ともかく需給の安定が期し得るのじやないか、又思わざる渇水冬場に起りました場合に対しても、若干の調整の時期的の余裕はあるのじやないか。こういうふうに考えておりまして、そういう線で、委員会側意向をまとめまして、そうして今、特に主管官庁であるところの資源庁ほうとはいろいろとお話合いを進めておるのであります。御質問の当面の電力制限の問題及び石炭手配状況に関しましての実情只今申上げました通りでございます。
  11. 栗山良夫

    栗山良夫君 今のこれからあと計画ですね。もう一度ちよつと済みませんけれども、要点だけおつしやつて下さい。
  12. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) 十一十二月の三カ月間に、これは委員会側の原案でございます。二百五十万トン、大体八十乃至八十五万トンの内訳になつております。でこの中で五、六十万トン程度貯炭に廻しまして、十二月末の貯炭を八十万トンまでに少くとも上げたい、こういう目標でございます。
  13. 結城安次

    理事結城安次君) ちよつと私から松田事務総長にお伺いしたいのですが、二百五十万トンを委員会では査定して買おうと、これを買えなかつたときの責任はどちらでしようか。委員会側ですか、或いは配電会社側ですか。
  14. 松田太郎

    説明員松田太郎君) 只今承知のように、石炭購入につきましては何ら統制措置もございません。いわゆる自由市場における取引になつておりますために、勿論この石炭確保責任はそれぞれの電力会社にありますことは当然でございますが、先ほど来平井技術長から申しましたように、従来の実績を見ましても、それは勿論石炭使用量がいわゆる我々の年初に立てました計画以上に使つております点もございますが、結局においてこの冬場渇水対策というものを考えました場合に、このような調子では到底本格的な湯水期に対して十分に供給をすることができませんので、従つてそういう意味委員会といたしましても、関西電力を初め各電力会社に対しましては強くこの石炭確保方について、或いに従来の行き方等が相当中小炭鉱のほうに重点を置いて、大手筋の大炭鉱のほうに対する重点の置き方が低い、又中小炭鉱のほうにお願いする場合でも、ところによりましてはブローカー筋等を中に入れておりますために、いざという場直なかなか強い要請をしても十分な効果が挙らんというような、従来の買い方等についてのまずい点も確かにあつたのであります。従つてそういうような点についても、極力電力会社としましてもそういう点を反省して、新らしくこの石炭確保について強力な手を打つように強く要請はいたしております。又同時に安定本部資源庁等にも、委員会といたしまして、一回と言わず数回寄り合いまして、そうしてこの点についての打開策についていろいろその専門家である資源庁あたりのお考えも十分承わり、又資源庁に対しましても、我々としていざという場合にはやはりこういうような措置も講じて頂けないだろうかというような点もよりよりお話合いをいたしておるのであります。要するに、この渇水期に対して責任がどこにありますかという点については。今申しましたようでありまするが、その責任の問題を離れまして、これが確保について国を挙げて強力な態勢をとらなければならんと、かように考えまして、只今その点につきまして鋭意努力をしておると、こういう実精でございます。
  15. 結城安次

    理事結城安次君) もう一つ需用家側のほうのその要求に対して申上げておきますが、公益事業委員会石炭の手当についてはそれぞれ計画を立ててある、然るにかかわらず五、六、七、八とすべての月が計画に達しておらんのみならず甚だしい月は四分の一、五分の一という月が継続しておるのだが、これに対してどうも公益事業委員会はただ命令するだけでどうだろうかというようなことがございまするので、特にこの点は今後のために、二百五十万トン今後買うのならばそれは確保することのできるような措置をとられることを希望しておきます。
  16. 栗山良夫

    栗山良夫君 その点に関してですが、事務総長にもう少し打割つて質問いたします。実は今公益事業委員会側計画として十月から十二月まで二百五十万トンを確保したいと、こういうお話があつたのでありますが、実は九月上旬の通産委員会でたまたまこの問題が出ましたときに、首藤政務次官石炭の不足を非常に憂えて、公益事業委員会側からも相談があつたので、緊急に行政措置を講ずるところまでも考えて見たい、万一行かない場合には法的措置も考えなければならんような事態も起きるかも知れんというようなことを発言せられたのですが、只今あなたの述べられた二百五十万トンというのは、通産省側只今協力をしようとしておられる。そういうような力をバツクにしてでも確保をするという見通しの下に計画された数量であるのかどうか、その点を明らかにして頂きたい。
  17. 松田太郎

    説明員松田太郎君) 勿論前提といたしましては、先ほど申しましたような点を十分考慮に入れまして、電力会社がそれぞれの自力確保してもらうように願わなくちやならんのでありますが、併しながら今後におけるその自力状態如何というものを見た場合には、必要止むを得んという場合には、今お話のような法的な措置まで講じて頂いて、そうして二百五十万トンというような数字を年内に確保しなければならんと、又確保したいと、かように考えておるのであります。
  18. 栗山良夫

    栗山良夫君 そうしますと、もう今日は九月十七日なんです。十月からということになれば、時間的余裕はもう極めて僅かでありまして、若し事業者自力調達を今後続けておいて、どうしても行かないときにはそういう国の或る程度動きによつて確保したいと、そういう今のお説では、私は時間的に又非常に手遅れをしてしまつて、結局二百五十万トンの計画というものは計画倒れになるのではないかと思います。従つて、今松田事務総長の言われることをそのまま先ず信頼するとすれば……ということは、通産省でこの前述べられた何らかの行政措置でも講じたいということは、ここ当分業者の自力調達の模様を見てからあとでやるのだと、こういうようなお話であるとすれば、自力調達の可能性ということをもう少しはつきり述べて頂かなければいけないわけだと私は思います。そうしないと、時間的に間に合わないと思うのですが、その点は如何でございますか。
  19. 松田太郎

    説明員松田太郎君) 私の考えといたしましては、大体九月の入手状況がどういう工合なつて参るかという点を、実は非常に関心を持つて見守つておるのであります。或いは詳細な点につきましては、技術長から更に申上げてもいいと思いますが、只今のところでは相当十月分に入れてもらうような分につきましても九月に繰上げる。それから又本来九月中に入るものにつきましても、九月の十五日までに繰上げて納炭してもらうというようなことを、各炭鉱のほうと緊密に連絡をとり、お願いをして、各電力会社としてもできるだけの努力をいたしておるのでありますが、今日におきましてのその成果は何分にも思つたほどの成績を挙げておりません。従いまして来月にでも入りますればいよいよそういう点について具体的に通産省は勿論、安定本部も御一緒のことでありますが、その事情を各方面からの御検討を願つた上で考慮をして頂かなければならん、私はかように考えます。
  20. 始関伊平

    説明員(始関伊平君) 電力用炭の確保の問題につきまして、通産省といたしましても非常な関心を持つております。ということは、只今栗山さんが引用されましたこの前の首藤政務次官お話通りでございますが、八月の末に関西電力の緊急事態の問題がございまして、これにつきましては石炭協会の御協力を得まして、繰上げ送炭その他の方法で一応急場を切抜けるという措置を講じまして、只今その効果がだんだん現れて来たと存じております。只今松田事務総長お話になりましたように、第三四半期公益事業委員会としましての石炭の所要量の計算が二百五十万トンであるということは、私ども伺つております。ただ非常に困りますことは二百五十万トンを三月ということにいたしますと、月八十五万トンばかりになるわけでございますが、これは御承知のように目下石炭の生産の中で、粉炭は月百七十万トンばかりしかございません。そうしますと、半分のものが電力のほうに廻るということでございますと、国鉄或いは産業方面、セメント、その他いろいろございますが、それが非常に困ることになるわけでございます。従いましてこの計数につきまして只今委員会のほうと打合せ中でございますが、その打合せの結果に基きまして、まとまつた数量につきまして石炭協会、その他中小炭鉱の団体もございますが、その方面に先ず了解をしてもらいまして、なお必要とあれば電力会社の折衝と並行いたしまして、個々の契約につきましても或る程度斡旋申上げるような立場で御協力を申上げたい。かように存じまして只今いろいろ準備しておる次第でございます。
  21. 栗山良夫

    栗山良夫君 今年の五月、先ほど頂きました資料で五月からの貯炭計画実績カーヴを見ますと、大体月々の計画実績は大して開きはないわけで、五月の下旬が少しマイナスになつて来ましたけれども、六月のときに十五万トン程度不足したのでありますが、結局のところは、水のほうは別といたしまして、石炭計画だけで行けば、毎月計画された炭の確保というものがスムースに行われなかつた。五月、六月頃、五月はよろしうございますけれども、六月、七月頃うまく行われなかつたことが、こういうふうになつて来たんじやないかと私は思うのでありますが、この六月、七月頃の石炭確保に対する業者の努力というものはどんな工合であつたのですか。
  22. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) 丁度五月一日を以て新会社が発足したのであります。新会社の発足前から、二十六年度石炭見通しというものは一応電気事業者全体として持つておりましたし、その意味においてその当時の発送電会社においていろいろ計画を立てそうして第一四半期に関してはその当時の発送電会社と石炭事業者との話合いの結果のものが、話合いをしてもらつてそれを引継いだという形になつておるのであります。四月、五月中旬頃までどうにか行つたのでありますが、丁度御指摘の六月になつてずつと減のたのは、六月は実は計画が予定通り行かず、消費量は三十万トン程度まで、約五割程度上廻つて消費したのであります。その当時の第一四半期石炭の交渉におきましても、当初の要求だけのものがまとまらなかつた点もあるのでありますが、分割後における消費がぐんと殖えたというので、六月に入つて石炭問題に対する不安が拡大して来たのであります。委員会といたしましてもいち早くこの点について注意いたしまして、各電力会社のその方面の専門家を何回も集めて注意をいたしまして、電力会社としましても少くともこの第二四半期、丁度七月から始まつて三カ月間の第二四中期の石炭対策については最善の努力をしよう、これはどこまでも自由市場の買付である、そういう前提の下に立つて非常に努力をすべく決意を固めまして、各電力会社社長以下各部が随分この六月、七月にかけましての間においては東奔西走したのでありますが、その結果はやはり先ほど申上げましたように、その七月に二百十万トンを受入れて行こうというのに対して、百六十万トンしかどうしても契約ができなかつたというのがその結果であつたのであります。従いまして第三四半期においての石炭対策で同じような失敗を繰返しますならばこれはどうにもならなくなると思いますので、今度は是非あらゆる力を、あらゆる方法を講じてもこの数量確保しなければならないと、こう考えておる次第なのであります。
  23. 栗山良夫

    栗山良夫君 今の技術長の話ですと、七―九の買付において若干齟齬があつたということを率直にお認めになられましたが、過日もこの石炭事情の一番困つておる関西については、電力会社においても石炭の納入担当者を一応更迭をしたというようなことが新聞紙上にも報ぜられておりますが、ああいう程度のことで一番石炭に困つておる関西の将来の入炭計画というものは軌道に戻るのでございますか。特に関西地区において石炭の入手が思うように行かなかつた理由を先ほど事務総長が一端を披瀝せられたのでありますが、成るべく詳しくお述べを願いたい。そうして我々が詳しくそういう報告を受けたことによつてすべてが改善されたというので、実は安心したいわけでありますが、詳しく述べて頂きたい。
  24. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) 七―九の頃にも二百十万トンに対して百六十万トンしか契約ができなかつた。若し十―十二月においても恐らく電気事業者石炭事業者との生産関係の話合いだけで自由市場での話をした場合に、先ほど申しましたような二百五十万トン、いわゆる七―九の分に対しては実は百万トン近くも上廻るのでありますが、そういう大きな数量話合いでできるかということについての見通しつていは、私は非常に困難性が多い問題じやないかと考えております。併しながらこれらの点につきましては、そういう石炭政策の問題につきましては資源庁の監督官庁としての御意向等もありますので、我々としましてもその地区の苦しい実情の上に立つてのいろいろの御相談を申上げておる次第でありますからして、恐らくその辺の点については何らかのよき成果を得るように御援助を頂けるものと期待し、又その辺についていろいろ期待しているというのが実情であります。大阪の問題が今出たのでありますが、大阪の工合でも大体地区の契約が月十五万トン弱平均なつておるのでありますが、十四万トン幾らでございましたか……。それで七月につきましてはおおむねその契約数量の炭は入つているのであります。丁度七月末の関西電力貯炭は九万トン以上に伸びたのでありますが関西電力としましてはこれを少くとも十五万トン―二十万トン程度までは貯炭を持つていないと、冬場を凌ぐことができないので引続いて石炭の入手について努力しておつたのでありますが、丁度この辺についてのことの詳しいことは、或いは電力会社のほうのお話を聞いて頂いたほうがよくおわかりかと思うのでありますが、八月の中旬にはお盆というのがあります。毎年このお盆のときになりますと、特に機帆船等に依存する点が多い関西の石炭の受入はどうも杜絶え勝ち、減り勝ちになるのであります。その当時の記録を見ておりました私どもも、その点は心配いたしまして大分減るだろうという話をしたのであります。それは十八、九日、二十日頃だつたと思いますが、そのときの話ではお盆には当然減るがお盆が過ぎれば元に還るだろうと言つておりましたが、その時マージ台風が九州方面にとぐろを巻いておつたのでありますが、解けないまま何日も続いていた。そのために瀬戸内海、北九州の沿岸は三角波が立つてとまらない。そういうような事態が更に倍加したから、石炭の入り工合が思わしくないが、若しかしたら恐らく入つて来るのではないか。そういうような予想をつけておつたのであります。その期待感を持つてつたのでありますが、結果は二十日以降になりましても、その遅れた分がどんどん入つて来るというような結果にならずに、八月全体の数量十四万トンより遙かに下廻るという数字に立至つてしまつたという結果になつてしまつたのであります。これは大阪の問題が予想に反して言い換えれば消費がどんどん四、五千トンずつあるのに受入が少く、一時は八月十三日から二十日頃まで約十日近くも杜絶え勝ちであつたというので、そこの間に急激に大穴が明いたという結果を招来した事情にあるのであります。第三頁のカーヴでその辺の数字は端的におわかりになると思うのであります。その辺の点につきましは八月の末から九月に入りましてのあの大阪の石炭問題をどう凌ぐかという問題について、安本、通産省といろいろ御協議を頂きまして、事態の打開を講じましたその間において、いろいろこうすればよかろう、ああいう点はこうすべきであつたというような、各方面から判断しますと、いろいろ問題にすべき点、改善の途というものは見付けてあるのでありまして、関西電力会社も恐らくそうした点は十分前轍を踏まないように、今後注意して行くであろうと思うのであります。
  25. 結城安次

    理事結城安次君) 今関西の問題が出ましたから、関西から見えておりますから、この説明を承わつてから聞きたいと思いますが……、    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  26. 結城安次

    理事結城安次君) では関西地区におきます夏季渇水期における電力需給状況について関西電力側から御説明を願います。殊に関西地方におきましては、今回の使用制限法的措置の前から、協議上の制限又は緊急制限が相当に行われておるという事情をたくさん承わつておるのでありますが、これらのことも詳しく御説明願います。なお火力用炭の問題についても参考人が来ておりますから。これは続いてお二人にお願いしたいと思います。関西電力企業部長加藤博見さん。
  27. 加藤博見

    参考人(加藤博見君) 私只今御紹介にあづかりました加藤でございますが、本日は私のほうの担当の重役が来て親しく御説明するはずでございましたが、現地の電力事情並びに第三四半期石炭買付け等の問題がございまして、電力需給状況並びに制限の事情につきましては私から御説明を申し上げます。石炭の問題につきましては守田理事のほうから詳しく御説明いたすことにいたします。御了承願いたいと思います。何分この電力需給状況並びに制限の事情はすべて数字を基礎にしての問題でございますので、甚だ簡單な資料でごますざいが、一応お手許に最近の電力需給状況という資料をお配りいたして置きましたので、これについて御説明さして頂きたいと思います。先ず第一表におきまして大体の供給力状況がどういうふうに電力会社発足以来変つておるかということを御説明申上げまして、第二表において負荷の抑制の状況を申上げ、併せて第二表、第三表、第四表で負荷の抑制状況が大体説明してございますので、第五表におきまして然らば第三四半期以降の需給予想はどうなつておるかということ、この三つの点について簡單に御説明さして頂きたいと思います。  先ず水力でございますが、水力につきましてはこの第一表の一番左に平均の自流が出ておりますが、五月におきましては月の平均が九八%になりまして予想よりも二%だけ下廻つております。六月におきましても月平均の出水率は九五%になつておりまして、五%下廻つておるわけであります。これが七年に入りまして中頃に相当な降雨がございました関係上、七月だけは一五%の増水を見ております。それが八、九月に入りまして次第に出水量が落ちまして、八月の上旬の平均が一〇六%、中旬が九五%、下旬の平均は八九%、九月に入りましてますます水の調子が惡くなりまして、九月の上旬に平均は七一%、十一日以降次第に七〇、六二、六一とだんだん惡くなつて来ます。一昨日、昨日の雨でこれがやや回復しまして、今日は六十五万八千キロとなりまして八三%まで上つておりますが、これは先ほど技術長からも御説明のありましたように、最近の水は非常に減りが早いのでございまして、現に九月十日でございましたか、九十万三千キロという水が出たのでありますが、これが翌日にはすぐに六十一万七千キロというふうに落ちまして、一日に三十万落ちてしまつたという例もございまして、非常に心配をしているわけでございます。大体水力の状況はそういうような経過を辿つておりまして、その水力の発電量は、二番目にあります水力の発電量におきましても、同時にその出水率に応じました発電量が出ているわけでございます。  それから問題の火力発電でございますが、これにつきましては、そういうように全体に水力が非常に減つておりますので、火力発電の量につきましては……、これはちよつとあちこちと飛びまして失礼でございますが、四頁目のR・B計画実績の比較表というのがございますが、これによつてちよつと大体の傾向を御説明いたしたいと思います。第一表その三と書いてございます。R・B計画実績の比較表でございます。これは需用の増加並びに今申しましたように出水率が平年に比べまして各月、七月以外は相当つておるという関係で、五月におきましては火力発電量におきまして、その三つ目に書いてございますが、発電量におきまして、R・Bの計画に対して五割四分増、それから石炭消費量におきまして六割五分増の消費をいたしております。それから六月におきましては、やや水の関係もよかつたので、火力発電で一〇三%、石炭で一一〇%となつております。それから七月におきましては、これは相当な水力が出ました関係もありますが、火力発電需用もそれだけ延びました関係で、火力発電は一一%、石炭消費で四〇%増、それから八月におきましては、これは非常に渇水であつたものですから、火力発電におきまして五六%、石炭消費量におきまして七三%の消費増をいたしておるのであります。九月上旬におきましては、これは一六%に一八%、新会社になりましてから九月上旬までの累計が、火力発電におきまして二九%の増、石炭消費量において四三%の増ということに相成つておるのでございます。これはこういうふうに火力発電石炭消費の率が変つておりますのは、御承知通り当初の計画はカロリーが六千カロリーくらいの相当高級炭を予想しておつたにもかかわりませず、実際入つて来ますのは非常に惡い炭が多い関係で、こういうふうに変つておるわけでございます。そういうふうに出水率が相当低下しております関係で、いろいろ石炭につきましては努力もいたしまして、計画量よりも余計炭を焚いて参つたのでございますが、何分その出水率の低下並びに需用の増というものが、相当予想よりも多かつたために、非常に需用家の皆様方に御迷惑を相かけるようなことになつたことにつきましては誠に申訳ない次第でございます。それの状況をカーブにいたしましたものが、大体第一表のその二というところに出ておるのでございまして、これが五月以降、この最大におきまして次第に供給量が落ちておる状況。それから一番下のカーブは、日量におきましてだんだん供給が落ちておる。需用端量でありますから、需用端の供給力をカーブに示しておるわけでございます。  それから一のその三は、先ほどちよつと御説明いたしましたので、第二表の負荷の抑制の状況について御説明さして預きたいと思います。第二表でございます。五枚目でございます。この一日の電力量、需用端の数字によつて、大体どれだけの量を制限しておるか、又晝間の最大電力におきまして、どのくらいの電力を抑制しておるかということがこの表に出ております。そうして右側に、その時期に応じた制限の状況を簡單に書いてございます。五月におきましては大体制限はやつておりません。ただ将来の負荷の需給状況が非常に惡くなるということを予想しましたので、やはり冬におきまして需用家にお願いしましたように、休日に成るべく休んで頂かないように、ウイーク・デーに休んで、休日に休んで頂かないようにお願いをいたしまして、五月下旬からそれを需用家にお願いして実施して頂いておるわけであります。それから六月に入りまして、やはり先ほどちよつと技術長からお話のありましたように石炭見通しも惡く、又水も先ほどちよつとお話し申上げましたように、出水率も低下いたしましたので、週一回の節電お願い日というものを設定いたしまして、一般線につきましては週一回、水の状況の惡い日だけはこれを遮断さして頂くという措置も講じたわけでございます。それから一般の大口の工場に対しましては、最大電力を抑制して頂くようにお願いをいたしまして、又自家用火力発電を持つておられる工場に対しては、自家用を焚いて頂くようにお願いいたしております。そういうようなことで、大体量として制限いたしましたのは、その四行目に書いておりますように大体四・三%の制限をいたしたということになります。それから最大電力につきましてはいろいろお願いをして六・一%、標準日につきまして六・一%の制限をした。それからこれが七月に入りましてからは、大体六月と同じように相当水も出たのでありますが、やはり将来の石炭ということを考えますと、制限を緩めるというようなこともできませんので、大体六月と同じようなことをやりまして、そうして制限を続行したのでありますが、それが月平均三・四%、アワーで三・四%、ピーク時においては七・八%の制限をやつたようなことになつております。それから八月に入りましては、中旬以降におきまして非常に状態が惡くなつたのでございますが、十九日以降におきましては、大口に対しては大体最大電力を八月十日実績の二〇%の抑制を依頼しております。又午前午後のピーク時には、特に最低必要電力まで抑制を依頼しております。それからこの二十三日以後特に状況が惡くなりましたので、週二回節電お願い日を設定いたしまして、これを遮断さして頂く、朝の七時から夕方の七時まで遮断さして頂くように措置をいたしたような次第でございます。それから二十五日以降点灯時のピークがなかなか押え切れませんので、点灯時には大口工場を最低必要電力まで抑制をお願いするというような措置を講じておるのでございます。そういうようなことをやりました結果、八月上旬の抑制量は電力量で四・六%、最大で七・七、中旬におきましてはそれが八・二、アワーで八・二、ピークで一二・九というような抑制の結果になつております。それが下旬になりますと、先ほど申上げましたような抑制をやりました結果、あけて頂きました第二表の続きというところに書いてございますが、下旬の抑制はキロワツト・アワーで一二・三%、キロワツトで約二割の制限をしております。そういうような状況が九月上旬まで大体続いたのでありますが、どうしても次第に自然流量も減りますし、それから石炭も非常に心細くなりますので、正式に公益事業委員会のほうにお願いいたしまして、十四條を発動して、正式の規則による制限をお願いしたような次第でありますが、幸い六日になりまして本州中央部に関しまして調整規則十四條の発動を見ましたので、それ以後はその調整規則による制限を基礎にいたしまして、それにプラス当社が今までやつておりました制限を上に加えるというような形にいたしまして、五百キロ以上に対しては日量において三割の制限をする。それから一般幹線に対しましては週三回の節電のお願い日というものをお願いいたしました。そうして辛うじてその危機を切抜けて参つたのでございます。それでこれが九月の上旬におきましては、この効果が、この調整規則十四條の発動の効果が現われまして、キロワツトアワーにおきましては約二〇%、晝間最大におきましては二八・六%の制限、全体の標準日に対する制限の率となつております。それから上旬以後十一日以降の数字につきましては、大体その制限の率もますます増加いたしておるような次第でございます。  その次の第三表は、電気使用制限規則が発令した後における大口需用家の抑制実績がどういうふうになつておるかということを示したものでございます。一番左にキロワツトアワーの説明の表が出ておりますが、大体告示による限度量を一〇〇といたしますと、九月六日において九三・三以下八四・七、七八・九、七二とやりまして、大体一週間の平均におきまして八一・七%、告示による限度量に比べまして八一・七%の実績を挙げておりまして、全体におきましては大口における抑制は規則通りに守られておるということになります。個々の工場につきましては超過しておる向きもあるのでございます。それから最大におきまする成績が右側に出ておりまして、これは相当な成績を挙げております。  それから参考に私鉄に対しましても当社といたしましてはいろいろ協力を、規則ではこれは一〇〇%となつておりますが、いろいろ自粛をお願いして、約五%の成績を挙げてもらつております。  以上が大体規則前にやりました制限並びにその実績と、それからこの規則が出ましてからやつております制限の方法並びにその成績でございます。こういうようなまあ規則以上の制限をやらなければいけないということは、我々としまして甚だ心苦しいのでございますが、これをやりませんと、やはり緊急の制限、非常に計画制限以外の緊急制限をやる、或いは点灯時に再々やらなければいけないというような結果になりますので、或る程度の強力な、規則以上の制限をやらして頂いて、成るべく緊急に切断するという、配電線を切断するということを避けるように措置をいたしておるような次第でございますので、この点御了承願いたいと思います。  最後の表でございますが、これによりまして当社は今後冬に対しまして、どういうような需給予想を持つておるのかということでございますが、あと石炭に対してはいろいろ守田理事のほうから説明はいたしますが、石炭がR・Bの需給計画通り獲得できるといたし、又水力が平水通り水が出るということを仮定いたしますれば、大体この一番下の欄に出ておる制限量、これが絶対値で出ておりますがこれは下期のところで大体十二%の、パーセンテージで行きまして、無制限需用に対しまして一一・九%、約一二%の制限をすればよいという結果になるのでございます。それでまあ我々としましても成るべく制限のないようにいろいろこの下期に対しまして対策を考えており、それを目標として努力をいたしておるのでありまして、先ず石炭の問題につきましてはあとで詳しく説明をいたしますが、これに対して努力するということ以外に、三千キロ以上の割当の点につきましては、やはり上期において相当豊水期待ということでまあ割当が殖えたということが、需用の増加を一つ来したということになつておると思いますので、この点もやはりこういうような石炭の苦しいときでございますので、そういう豊水期待というようなことでなく、下期においては大体、R・Bの計画くらいの供給力予想して割当をお願いするというようなことであります。並びに当社としましては、そういうふうな冬の苦しい事態でございますので、この際における新増設は成るべく抑制をするというような方針で行きたいというふうに考えております、又当社の一番問題になります他社との融通でございますが、これが日量三百万キロワツトアワーくらいのものがございますが、これにつきましても、当社としましては下期の契約につきまして関係会社と御相談をして、相成るべくはこれを相当量減らすように方針をとつて行きたいというふうに考えております。又制限につきましては、やはり或る程度段階別の制限というものを考えまして、そうして規則的にこれをやらして頂く。成るべくならばある規則を発令しておいて頂いて、そうしてそれによつてその規則に基いた制限を段階別にやらして頂くというようなことにさして頂きますれば、非常な困難もなくして行けるのじやないかというようなことをR・Bのほうにも申上げておるような次第でございます。その他供給力におきましては、重油の計画並びに新しく開発されます水力発電所の繰上竣工というようなことを考えまして、できるだけこの下期の需給に対してはここに一応平水並びに石炭の量においては一二%くらいの制限を考えられますが、何とかしてできるだけの措置を講じて、需用家に御迷惑をかけないように努力して見たいというふうに考えておりますので、一つ関係の官庁並びに関係の委員のかたにおかれましては、今後とも御指導、御鞭撻をお願いいたしたいと思つております。
  28. 結城安次

    理事結城安次君) 次に石炭についてお伺いしますが、関西地区火力用炭入手状況は八月から特に惡くなつたという旨の御説明前回委員会であつたのであります。その後公益事業委員会から資源庁援助を求められておるそうでありますが、この問題について先ず関西電力側の実情の御報告をお願いいたします。この際委員諸君にお諮りいたしますが、関西電力理事、元石炭部長守田冨士秋君から参考人として発言を許すことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  29. 結城安次

    理事結城安次君) それでは関西電力の守田君から火力用炭の受入並びに消費及び貯炭状況について御説明をお願いします。
  30. 守田冨士秋

    参考人(守田冨士秋君) ちよつとお尋ねいたしますが、只今のお言葉の中に前回委員会において調査された分、その以後というような範囲に限られたようですが、その点は私実は前回委員会においてどの程度調査ができておるか存じ上げませんので……。
  31. 結城安次

    理事結城安次君) 守田参考人に申上げますが、あなたが関西電力石炭部長としてやつておられたとき並びに現在までの間ですね。いわば六、七月頃でいいのですが、その頃の入荷、消費及び貯炭などについて……。
  32. 守田冨士秋

    参考人(守田冨士秋君) では或いは前回委員会において調査されたことに一部重複の点があるかも知れません。或いは又先ほど平井技術長より御説明がありました部分に重複する点があるかも知れませんけれども、去る十日まで関西電力石炭部長として直接石炭業務を担当いたしておりましたという関係上、二十六年度の四月以降について話の順序上一応お話を申上げさせて頂くことをお許し願います。  すでに御承知のようにこの四月、五月、六月分の契約は、自発において締結されました毎月約十四万トンに相成つております。関西電力がスタートして、五月一日より專ら石炭業務は、日本発送電において契約締結されたものを現実に入荷させるということにこれ努めたのであります。従つてこの四月分の十四万トンの契約に対しましては、これは日発において入炭督促をさせた結果を現わしているのでありますが、十四万九千トンに対して五六%の入炭をいたしております。そこで五月一日、新関西電力が出発いたしまして、是非ともこれを完納させたい。その契約通り納炭させたいと懸命に努力いたしました。従つて各四十数社に上る業者を、会長、社長、関係部長は勿論、部員一体となつて業者に当り、是非ともこれの完納をお願いして参りました。併しそのときにお聞きしたいろいろのことがありましたが、入炭関係において主なることは、日発において十四万トン何がしやつているけれども、これは実際契約はいたしていない。ただこういう程度を関西電力関係について日発から引継いだのだというようなことで、これは現実に関西電力において契約、いわゆる見積を新らたに提出して契約を締結したものが相当あります。それによつて一応証拠立てられますが、そういうこともありまして、これを完納させるということは容易ならざることをば発見したのであります。手前が石炭部長を拜命したのは五月十六日ありました。従つて現地に廻つたのが二週間ほどかかりまして、そうするうちに五月が過ぎました。従つてその五月は契約に対しまして入炭実績は五五%を示しております。併し関西電力として関係方面に納炭方をお願いいたしたそれの効果は六月において現われるというような程度でありまして、六月には勿論新会社として日発を引継いだので、或いは之の條件以外に石炭欲しさにいろいろの手を打たなければならんということを上司とも諮りまして、ここにいろいろの手を打ちました結果、この六月には七六%に相成つております。そこで新会社といたしましては、先ほど平井技術長説明せられました通りに、七月から初めて契約を締結したのであります。この契約の締結方につきましては、先ず関西電力の特別の地区といたしまして、どうしてもカロリーのいいものを買わなければならん。従つていい石炭、良質のもの、こういうことに相成りますと、どうしても大手関係に相成ります。従つて発送電関係のときに約二〇%の大手筋契約をしたのでありますが、これをどういたしましても五〇%程度は大手にお願いしなければいけん。特に日発時代のいろいろの事情もあるだろうけれども、格別の一つ大きな数量も使うことではあるし、殊に関西電力の特殊性をお認め願つて、是非ともということを大手筋さんにはお願いいたしたのであります。そうして約五〇%を六月中に七月の契約については是非ともお願いしたいということで懸命に、これもやはり文字通り会長、社長以下一体となつて関係方面にお願いいたした。併し従来の実績もあり、炭況もだんだんと逼迫し来る折柄、急にそういう増加はできないという結果に相成りました。実際七月から九月、毎月約十五万トン程度の契約ができたのでありますが、うちやはり大手筋でできたのは従来と同じ、約二二、三%程度しかできんで終りました。その際大手筋のほうで異口同音に話されたことは、九月終り十月初めになると相当の増産もできる予定である。それで一遍に七月から増量するということはむずかしい、従つて十月には御希望にも副い得るように相成るだろう。今回は止むを得ないというようなことで、結局二二、三%程度で終つた経過であります。  従つて関西電力といたしましては、従来の日発より引継いだ中小商社に、好まざることであるけれども、これに頼らざるを得ないというのが実情であります。従つてこれは七―九の契約は大体二十一万から二十二万程度を関係業者にお願いして見たのでありますけれども、実際にできたのはどうしても従来の実績がものを言うのでありまして、特に炭況の関係がありまして、どうしても増加できず、結局契約数のできたのは十四万六、七千トンに終つたのであります。併し今度の新会社としては、従来これは商習慣上、石炭の契約はすでに皆様も御承知通りよくて大体六、七〇%ぐらい契約数に対して納炭がある。それで手前どもも従来の商習慣もあるけれども、是非とも関西電力としては契約を履行するという建前にして、たとえ契約数量は少くても、是非ともこれを完納してもらうという契約数量の納炭、いわゆる履行については特にお願いして、関係業者も特にこれを了承せられて、懸命に七月においては納炭に努めて頂きました。非常に努力して頂きました結果、先ほども平井技術長の話にもありました通り、殆んど完納という状態であります。この契約の完納ということは日発十有余年の石炭の契約がありますけれども、こういうよき成績は初めてであります。大体七月はこういう好成績に終りまして、貯炭も約九万数千トン残したかと思うのでございます。  そこで八月は契約の十四万七、八千トンは勿論のこと、更にこの夏場に貯炭をいたしたいということでスポツト的、いわゆる臨時的の購入もありました。特にはつきり覚えておるのは、中山製鋼さんのごときは相当高い炭価でありましたけれども御融通願つて八月度にすでに特別の中塊炭をお願いしたこともあります。そういうことで是非ともこの八月においては、例年のように盆月の八月には納炭が少い。特に暑さのために労働力も低下する、特に盆というものがあるからということを大体肚に入れて、特別にこの八月度は初めから納炭の督促にこれ努めたわけであります。ところが如何にせん、これはあとからわかつたことでありますけれども、石炭状態の逼迫しておるという関係上、他の電力会社或いは他の業者にも、七月度は関西電力を完納いたした関係上、他にも相当御迷惑をかけておる。例えば特に中小に対して、これはあとでわかつたのでありますが、よそのほうに廻したという事実が現われたのでありますが、最初十日間ぐらいは比較的、これは元来上半月は関西では船を使う関係上、船積みの関係で納炭が少うございます。下半月はずつと納炭が多いのでございますが、八月十日頃まで比較的少なかつたのですが、八月の初めより懸命に現地にも派遣し、現地とは九州方面でございますが、九州方面に特に山元を検収して、そうして八月の納炭を記録いたしておりましたが、残念にもこの八月の上月は従来通りやはり納炭が思わしくありませんで、更に平素三日間くらいの盆が三日間重つて六日間、而も景気が非常に炭鉱間においてはいいので、なかなか労務者が帰つて来ないということで、それに加えて十七日から二十三日の頂上に若松では出炭が中止しました。これは全くマージ台風のお蔭であります。ここで約十二、三日の穴ができたわけです。この関係で下半月は相当多く入る予定のが、二十三日頃まで殆んど入炭がゼロという状況です。この間特に我々関係者としては焦慮の念が強く、大阪、京阪神地区における鉄銅、紡績、そういつた各メーカーの貯炭にも目を著け、又業者に特にお願いして、こちらに関西地区向けの分は船を降ろす前に分けてくれとかいつた、あらゆる急場を救うべく懸命に努力いたしたのでありますが、何しろ二十三日頃までに船が止まつておることで、現地にも貯炭在庫を持つておる業者からもお願いできず、又業者として、大阪地区に着く船もなかつたので、これも十二分の効果を示し得ませんでした。二十四、五日頃から、実際始めたのは二十六、七日頃だつたと思いますが、予定量に五、六千トン或いは六、七千トン、船がずつと団子配船というくらいまでに着くことになつて、納炭がありました。その間御承知のような危機に貯炭状況は相成つたのであります。そこで各関係業者には納炭につき特別の、会社全体一体となつてそれぞれ督促、納炭方をお願いしただけでなく、できればこの際九月分の契約量に対してもこの際繰上げ送炭してほしい。八月分の契約量をお納め願うのは勿論のこと、九月分もお納め願いたい。大体その当月分の契約量は翌月の三日乃至四日までくらいには当月分のがずれるということに相成つております。従つてこれは想像でございますが、炭況が非常に窮迫しておる関係上、できればこういう状態であるから九月分の納炭については……或いは商社関係は安易な考えを持つて、このまま行けば九月の分に廻して、或いは好景気を予想するというような者が大分あつたやに後になつて聞きましたけれども、おおむねこの業者としては協力して頂きまして、月末の二十六、七日頃から月初めの四、五日頃までには殆んど五、六千トン、或いは六、七千トンという数字を納入して頂いております。これは業者の非常な協力の現われ、御協力を頂いた結果だと思うと同時に、半価関係官庁方面におかれても、特に石炭危機に瀕しておることを憂いまして、業者にも種々涙ぐましき納入契約履行、或いは繰上げ、そういう関西電力石炭危機を救うべくあらゆる中央においても或いは九州、或いは大阪の現地においてもして頂いたことと相待つて、八月終り九月初めに至つて相当量の毎日の入換がありました。  そこでそういうような関係筋の御協力を得たにかかわらず、八月分としての納炭は約八万七、八千トン、約九万トンに終つたかと記憶いたしております。そこで大手筋初め中小、いわゆる業者関係に、特に九月五日より十五日までに九月分をお納め願つた分に対しては、一トンにつき三百五十円の加算金を加えるという特別措置として、これは單価の引上げとか、釣上げとかということに影響するかも知れませんけれども、特に関西電力についてはああいつた危機であり、特に繰上げということになると船繰り、その他種々の経費が要るので、少くともこの程度ということで、或いは炭況からいたしまして大した数字ではなかつたかも知れませんけれども、そういうことにいたして、そうしてお願いした。併し一方大手筋のほうにおいては、すでに相当五日に手を打つ前に、九月分の契約については全部十五日に納炭するということで、そういう緊急措置が打たれてからでなくて、その以前にお話を承わり、そうして御納入願つたわけであります。その結果は五日より十五日までに約六万数千トン納めて頂くことに大手筋を初め中小炭鉱にお願いいたすことができました。それはおおむね予定通りこの十五日には入りました。そういうことで特に八月度の石炭逼迫は只今申上げましたような実情であります。今日までの経過は只今申上げましたようなあらましでありますが、今後の石炭対策につきましてはこの十六日以降、これはすでに九月から十二月、第四四半期の分につきましては、従平の御納入御契約願つておる業者四十六、七社は勿論のこと、その他の業者にも特に御協力を願うことといたしまして、現在いずれにしても大手筋のみに頼るとか、或いは中小に頼るのは危いという、そういうことを拔きにして、一トンでも多く確保したいという考えから、四十六社程度の従来の契約の業者の数に対して七十四、五社、関係方面、業者にお願いしております。まだ折角その見積りをお願いしているところで、まだその結果ははつきりしておりません。で、この大手さんは十五日までに九月分を全部御納入して頂きました。十月分の御契約願う分を一部繰上げして頂くとか、或いは特別のスポツト的になりますところをこの際何がしかの御納入をお願いして頂くとかいつたようなことで、今十六日の九月分の繰上げ送炭に対するあとの不足分に対しては、特に大手さんに対しては格別の御配慮を願いたいと思つております。まだ中小のほうに対しましては相当八月、九月分の繰上送炭の残数があるので、それを是非お願いする。併してこれは九月十五日までにとりました特別緊急措置をそのまま、炭価の、言い換えれば加算金ということはそのまま九月末日まで適用するということにいたして、何とかこの九月の空白になつているのを補おうということに努めております。それから十月から十二月までには、先ほど技術長からお話がありました二百五十万トンといううちに、勿論関西電力相当大きい数字をお願いしておりますが、これもこの二百五十万トン分のうちの相当部分を占めていると思いますが、各契約を要請して行きます、業者にお願いしているのは十、十一、十二月、毎月三十万トン、即ち九十万トンをこの第三四半期にお願いし、少くともそのうちの七十六万五千トンは契約をお願いいたしたい、こういうことになつたのであります。で、只今申上げました七十数社の多くの業者全部一致して協力して、そうしてこういう石炭状況逼迫の折から、幾らかずつでも多くの業者に充て、一トンでも多くを確保いたしたいという行き方で、多くの業者にそれぞれ御協力つておるという実情で、できるだけ多くの数量の契約をお願いいたしたいということで、会社挙げてお願いいたしている実情であります。それからこういう内地産の絶対量において需要に対して不足している折から、台湾炭の輸入について懸命に関係方面にもいろいろ努力いたして見ましたけれども、これといつて実際納入できるいい炭があるというような確報は得ておりません。従つて手前どもの観測では、台湾炭に依存するということは極めて可能性がない、こういう結論に達しております。それでもう一つこの石炭不足を補充するために、関西電力といたしまして、関係方面にもお願いいたしまして重油を使用する。大体一、二、三月約一万トン程度の重油を使う。これは御承知のように一万トンの重油は大体二倍、石炭六万トンに相当するのでありますが、特にこういう石炭逼迫の折から日も早くこの設備を終つて、早く重油を焚きたいということで、一、二、三月に使うことになつておりますけれども、これを早めて十二月より五千トンぐらい重油を使い得るような状態に進めたいと関係者懸命にこれを急いでおります。  以上関西電力としての石炭入手状況及び今後の三四半期に対する石炭実情報告して私の説明を終ります。
  33. 結城安次

    理事結城安次君) 只今までで公益事業委員会、特に関西電力から関西の電力危機についての御説明がありましたが、これについて御質問ありませんか。
  34. 栗山良夫

    栗山良夫君 ただ全国的な傾向一つ公益事業委員会に伺つておきたいと思います。只今関西から非常に詳細な御説明を頂きまして、事情はよく私もわかつたのでありますが、特にR・Bの電力需給計画のうちで、水力火力いろいろございますが、結果においては大体上廻つた発電をしているわけであります。従つて非常な苦労をされているのでありまして、而もその半面に非常に大きな制限が来ている点は見逃すことのできないポイントであろうと思います。私の伺いたいのは、例えば表の負荷抑制の状況などを拜見いたしますと、八月の上旬にアワーで二〇%というような非常に嚴しい状態なつておりますが、こういう制限率は関東それから或いは中部、その他ほかの地反との大体バランスがとれているのであるか。この問題は再編成をやるときにもしばしば問題になつた点でありまして、電力の融通を主体にいたしまして、大体全国同じような状態に置くというのが一つ説明の拠点でもあつたと思いますが、結局関西だけが非常に石炭事情が惡くて、関西の産業界その他をほかの地区と比較して嚴しい電力事情に置くということは、再編成のときにも予定されなかつたことでありまして、若しそういう状態なつているとすれば、これはやはり国の政策として考えなければならん点があると思います。従つて全国的な状況がどういう工合なつているか、これを一つ伺いたい。
  35. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) 今の御質問に対してお返事申上げるにつきましては、本年度年初計画とその後の実情の推移を或る程度説明申上げた上で、その上に立つて御了解を頂きたいと思います。いつでございましたか、こちらの席上でも御説明申上げましたのでありますが、昭和二十六年度電力需給計画年初の始まる前に決定されております。この計画を立てました当時には、すでに今年度需用は前年度に対して全国平均で七%以上の増加があるものと……、これは供給力の面からそれ以上は供給し得ないという意味で七%を抑えたのでありますが、そういう計画なつているのであります。従いまして供給設備を許す限り供総力を一ぱいに出すという方法をとりましたのでありまして、全国発電所の利用率にいたしましても、又貯水池の利用方法にいたしましても、又火力発電設備の、こういう季節的に変動のある水力の補給用、或いは補給用というふうな意味合いの限界の中で石炭を食えるだけのものは食わして行くという建前で年間の供給力を彈いたのであります。その結果が年初予想ではおおむね対前年度の七%程度の増加供給ができるものと認定したのであります。この供給力確保いたしますのには、石炭の量において年間六百三十万トンという数字がどうしても電気事情として確保されなければならない。又それのみではピークとか、或いはキロワット・アワーの点において、日曜、休祭日と荷の軽い日をそのまま放置しておいたのでは十分賄い得ない、従いましてどうしても需用をば日曜とか祭日の荷の軽い時期に或る程度移行させるというふうな工夫も併せて行なわなければこの供給確保できないであろう。そういうふうないろいろな努力もし、多くの條件を附けて運用すればこの程度計画ができるものとして年間計画を立てたのであります。ところがその後の、春以来の推移は、この年間計画より更に需用が上廻つて来ておるのであります。幸いにして全国的には四、五、六、七と豊水の月もございましたので、その年初計画よりはいろいろの事情で若干割当等も殖やしたにもかかわりませず、どうにか大きな破綻なく凌いでは来たのでありますが、その間に只今申上げました負荷の日曜祭日等への移行とか、或いはピーク時における需用の自主的抑制とかいうような方途も講ぜられましたのみならず、この水力発電所、火力発電所等におきましても、当然年間には次々と修理の計画のために停止を余儀なくされ、又停止を予定しておつたものもその停止の時期を延ばし、或いは若干凌ぎ得るものは止めないで運転をさせたいというような方法、乃至は夏から秋にかけての台風期に何とか貯水池はもう一度水が期待できるであろうというような期待感等の上に立つて、貯水池をも年初の予定以上に春の間に使う、そうした随分無理をして今日までどうにかこの八月の前半ぐらいまでは凌いで来たのであります。勿論その間には地域的には若干苦しくて制限等もあつたのでありまするが、そういう形で春以来八月まで凌いだのでありますのに、丁度八月の月に入りましてからは九月の今日に至るまで、本州全土を通じまして降雨量が全体的に百ミリに達しないというふうな未曾有の長い期間渇水にぶつかつてしまつたのであります。そういう事情の累積がこの八月から九月にかけて各需用家にいろいろな御迷惑をかけざるを得なくなつた原因なのであります。この予想を以ていたしますると、下半期に対しましても、あの年初計画よりは、若干需用が更に上廻ることは予想せざるを得ないのでありまして、そうしたことにつきまして、如何にこれを調整するかということは別途に我々も真剣に研究中なんでございます。本日はまだその結論を申上げる段階に至らないのでありまするが、どうしてもそうした部分を国のために最もよい形において切抜けなくちやならないと考えておるのであります。  さて新会社のできましてからのちの各社間の融通契約の運用の問題であります。これも本委員会の席上でも何回かいろいろ御質問も受け、その後の推移等は御報告申上げておるのでありまするが、概括的には年初には十分に行かなかつたが、順次円滑に行くような方向に進んでおるということは申上げておるのであります。併しここで委員会側といたしましては、できるだけ地蔕間の融通というものは円滑に行くように融通計画が高度に運用されることを要望しておるのでありまするが、一方電気事業者といたしましても、手放しにただもう平等々々というふうにもなかなか行きかねるような現地的な事情があるのであります。例えば甲の地域において渇水をし、乙の地域は非常に豊水であつた場合に、乙の地域が自分のところの需用家をどんどん抑えて、そうしてこれを甲の地域に送るについては、その地の供給を受持つておる乙側としてもなかなか手放しにはやり得ないような実情もあるのであります。これをできるだけ私どもとしましては均等化するような方向に注意しながら今日まで来ておるのでありまして、例えば大阪の問題の場合におきましても、大阪のみが非常に制限があるというふうにもお見受けになるかと思うのでありますが、本日お手許に委員会のほうから差上げました八月の中旬及び九月の上旬における全国各地の制限状況という、いわゆる法的措置をとる前におけるその自主的な負荷調整がどういうふうな地域分布をしておるかというものを表でお目にかけておりますのでおわかりだろうと思うのでありますが、それぞれの地域においてやはり需用家との自主的な話合いでありまするからして、必ずしも同じ形はとつておりませんが、その需用家への懇請の形には変化はありまするけれども、その全体を通じましては相当各地区の間に若干の出入りはありましても、片方で手放しで、片方で非常に苦しいというようなわけではないような実情が御覧になれると思うのでありますが、ただこの際北海道、四国及び九州という点につきましては、これは技術上の制約がございますので、これは問題を切離して考えなくちやならんのでありますが、他の連繋のある地域におきましては、事実上の制約はやはり若干はありますけれども、それを凌ぎながらかなりの思い切つた融通等が行われておるのであります。具体的に大阪の例をとつて見ましても、これは本日お手許には詳しい資料は出ておらないかと思いまするが、委員会のほうでとりました資料によりまして見ましても、例えば関西から中国へは相当送り方になつておる、売り方になつておる融通契約がぐんぐん減つておりまして、八月の後半から九月にかけましては殆んど送つておらない、或いは切つてしまつておるというような状態なつております。対北陸関係においてもその融通計画による日量よりは相当下廻つた取引になつております。これはむしろ七月頃はうんと大きく八月になつてむしろ送りが少くなつているような状態であります。それから関東、中部との量を見ましても、日量、いわゆる平均日量という標準量よりはこれらの地域との間に遙かに下廻つておりまして、むしろ送り方の分が逆にもらつておるというような数字もたびたび出ておるというふうな状態であります。最近においては関東には殆んど送つておりません。むしろ若干もろうような記録がたくさん出ております。中部の場合でもそうなんであります。それがためにやはり関東、中部に、これらのほかの地域におきましても、日によりましては関西よりもかなり豊れがあつても、そうした融通の面がありまするので、自主的需用調整というような面も併せてその地区としては講ぜざるを得ないよう状態にあるのであります。でこの八月の末の石炭事情が窮迫しましたときのごときにおいては、例えばその当時関西から北陸、関西と北陸の間は非常に有機的な連繋が多いのでありますが、なかなか融通量はそう手放しに変更しかねるのでありますが、それでもあの当時の平均日量が、数字が若し誤つたあとで訂正をいたしますが、二百三、四十万キロワツト・アワーであつたと思うのでありますが、七十万キロワツト・アワー、四分の一ぐらいに下つております。それを又更に下げるような話すらその当時できたのであります。こういうふうで会社は一つでないのでありまして、全然どこもかもならすというようにも行きかねる現実の面もありまするけれども、各社は隣接地区との間に相互扶助という精神の上に立つて、地元の許す限度においては相互の融通の話合いを進めており、又委員会としましてもその線でできるだけ指導いたしておるということを申上げて置きます。
  36. 栗山良夫

    栗山良夫君 私の伺つたのは、今平井技術長がおつしやつたものの数字的な資料があれば一応お話願いたいということなんです。それでもう一辺申上げますと、東北から中国までの各ブロツクの負荷の例えば増加率、本年度に入つてからの増加率がわかれば結構なんですが、それと抑制率、抑制率の成るべく最近のもので、同じ月の比較になるようなデータを若しわかつておりましたらばちよつと発表願いたいのですが。
  37. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) それは今のにぴたつと合うような数字は手許に持つておりませんから、これ又別途に作りまして提出さして頂きたいと思います。大体観念的には差上げました二枚の表でおわかりになると思います。
  38. 栗山良夫

    栗山良夫君 この頂いた表は、制限の絶対値は書いてありますけれども、これでは率がわからないのです。ですから各地区が果してどのような状態なつておるのか。先ほどあなたのおつしやつたような各地区の事情があるので、完全に地ならしができないというお話があつたが、この地ならしのできない程度がどのくらいであるかわからないのです。
  39. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) ではこれにパーセンテージを付けて……。
  40. 栗山良夫

    栗山良夫君 ですからそれを頂かないと、関西が仮にほかの地区と全く同じ需用の伸び方で以てこの程度苦労をしておる、ほかの地区は非常に楽をしておるということになれば、これは又問題であるし、同じような率であるというのなら、又ものの考え方も違つて来る。そういう全国的な判断をするためには、今の数字を知りたいと思います。今その数字は間に合いますか。
  41. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) あとにさして頂きます。
  42. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 今問題になつておりますこの電力需給の逼迫の問題は、関西に特別な問題が出て、石炭の入手難の問題が中心になつておるらしいですが、それはそういう局部的な小さい問題では私はないと思う。従つてもう少し具体的な内容を聞く意味におきましても、できればこの席に竹田需給課長を呼んで頂きたい。これが一つの希望です。  それから二番目に、この問題に端を発しておるように聞いておりますところの関西の電力会社責任を追及するというか、或いは石炭入手の不手際の責任を追及するというか、そういうようなことで新聞等の伝えるところによりますというと、公益事業委員会から何らかの要請なり、何かなされたと聞いておりますが、どういう恰好で公益事業委員会は関西電力に対して意思表示をされたか、先ずそれからお伺いしたいと思います。
  43. 松田太郎

    説明員松田太郎君) 第一の竹田需給課長が今日参るように御指名を受けておつたのでありますが、丁度今日からだ具合をそこねまして休んでおりますものですから、今日同道することができませんでしたことを遺憾に思います。  それから第二の点につきましては、委員会といたしましては、特に委員長から関西電力の会長宛にこの石炭事情がこういうような逼迫をして参つて電力供給に非常な影響を與えておるので、今後の石炭供給確保方について抜本的に検討して、善処してもらいたいという趣旨の電報なり、それから又書面を以て連絡をいたした、こういう形になつております。
  44. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 関西の電力会社石炭責任者に対して云々というような、社内に対する何らかの指示なり要請なりされましたか。
  45. 松田太郎

    説明員松田太郎君) この関西電力会社とせられて、内部的にどういうことをやられたかということは、これはどこまでも関西電力会社責任者のお考えでありまして、そういつた内部問題について、委員会から直接具体的に、こういう方法をとつてもらわんと困るというようなことを、委員会から通達をいたすというようなことはございません。
  46. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 これはどこかの報道の間違いかどうか知りませんけれども、通達のようなものが行つて、その中に関西電力会社に対して、人間を代えるなり、つまり人事の刷新を行うなり、そういうことをやつて云々ということが書いてあつたと報道陣の中に伝える人がありますが、本当ですか。
  47. 松田太郎

    説明員松田太郎君) 新聞等によりますと、ややそういう工合に受け取れるような記事があつたように私も思います。併し事実といたしまして、私のほうから直接そこまで申したことはございませんのであります。実は先々週のたしか土曜日と思いますが、積極的に、自発的に関西電力の社長が上京せられまして新聞等に発表になつておりますような、こういうふうな人事異動も行い、それから又石炭緊急対策本部と申しますか、そういう本部を作つて、太田垣社長みずからその本部長になつて、会社側として上下一体となつて、この問題に自分が直接の責任監督者として、今後処理して行きたいのだということを、自発的にこちらのほうにお申出でがあつた、こういう実情でございます。
  48. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 松田さんどこか勘違いしておられるんやないかと思いますが、私の知つておる組合員の調べたところによりますと、正式に文書を以ちまして関西電力会社の社長宛に公益事業委員長よりの通達か何かそういうものですね、第何号という式のもので、文書で以ていろいろ書いてある中に、人事の刷新と社内体制を急速に整え云々という内容が入つてつたと聞いておりまするし、それは間違いないと思うのですが。
  49. 松田太郎

    説明員松田太郎君) その点私ちよつと不注意でございまして、そういうように通牒の中に書いてあります点がございますそうであります。
  50. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 今皆さんもお聞きになられましたように、今度の再編成というのが、おのおの企業を作つて自主的にやらせると、そうして企業意識を盛り上げてやらせるということが中心であつたはずなのに、社内の人事まで干渉されるということが、いいか惡いかということは、よくお考え願いたいと思います。  それからその次に具体的に御質問申上げますが、関西を中心とするところの今年の夏の電力不足といいますか、電力飢饉の原因を、單に石炭の入手が不手際だつたということに帰せられるとお考えになりますか。先つきの続きですから松田事務総長責任者ですからお答えを願います。
  51. 松田太郎

    説明員松田太郎君) この問題につきましては、いろいろな原因があるのでありますが、石炭の入手が不円滑であつたということも一つの私は事実と思います。併しながら先ほども申上げましたように、電力会社とせられましては当時の許す限りのいろいろな努力は続けて来られたのであります。併しながら一方需給関係等の予想その他におきまして、相当予想に反したような事情も出て参りました。それから又石炭のカロリー等につきましてもいろいろな事情があるようでありまして、思うようなカロリーの石炭が入らぬというようなことで、或る程度つて参りましたものをはねたというようなこと等もあつて炭鉱側にも或る程度の感情を害したようなこともあるのじやないかと思います。まあそういうようないろいろな事情が重なり合つたのでありますが、要するにそれに加えて、この最近の状況が、これは全国的な問題でございますが、御承知のような非常な渇水状況でございますので、遂に法的の緊急措置も講じなければならないような状況になつたのでありまして、それらの原因については、いろいろな原因が重なり合つたのでありますが、要はこの禍を伝じて将来福とするというところに、今となつては各社とも又我々官庁側としても、努力しなければならんと思つておりまして、そういう線で今後の努力を一緒になつて継続して参りたい。かように考えておるのであります。
  52. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 まあ松田さんをいじめる意味じやないですから、そういう意味一つお聞きを願いたいのですが、今のお話の中に、関西の会社が何か石炭を返して、何か業者の感情を云々といわれるような問題も言われたように思いますが、実は私はこの関西の需給関係が非常に逼迫しておるので、関西の組合の人たちを通じましていろいろ調べてもらつたり、聞かしたりしたのです。そうしたところが、今の問題は中国から船を返したことはありましたけれども関西からは返したことがないそうです。それからもう一つ若松の何とかで受取らなかつたという話がありますが、これは調べて見ましたら完全に燃えぬ炭であります。燃えぬ石炭を返すのは当り前であります。そういう端々の問題を取上げられて言われることは、非常に私は監督者として弱い者に責任をなすりつけるところのおかしな話だと思います。それよりも根本に入りたいと思いますが、電力需給計画を、先ほどのお話にありましたように、レギユラトリー・ボデイで樹てられたあの需給計画自身が、どれほど大きな間違いをむしろ起しているか、ここに一番問題があるのじやないですか。御承知のように、今年殖える電気、電源開発等によつて殖える電気は、せいぜい十万から二十万足らずでしよう。それに対して新規の需用がどういう恰好に殖えつつあるか。而も新規の需用が殖えます場合には、中部なんかの話を聞いて見ましても、工場を建ててしまつて電力を受けなければ処置なくなるのだということで、業者つまり電気会社に対して、電気をよこせ、電気がなければ建つた工場どうにも処置ないじやないか、そういう坐り込みみたいな形でやられるので、当然会社としては送らざるを得ないというような情勢も聞いております。それに対してそのバランスを見ておられるレギユラトリー・ボデイでは、殖える電気の見当が大体ついておるのに、新規需用がそういう恰好に殖えて来ることを或いは抑制されるか、役所間で何らかの話合いをされるか、そういう努力をされたことはありますか。或いは大体今年新規需用みたいなのがどれくらい殖えるという見当をつけられて、その見当と今の電力の電源開発等によつて殖える率と睨み合せて計画を樹てられたことはありますか。私はこれは特に申上げて置きますが、経済安定委員長として、その生産関係のものをずつと調べつつあるものですから、その立場から申上げたいのです。
  53. 松田太郎

    説明員松田太郎君) お話の点は、誠に御尤もな点でございまして、委員会といたしましても、先ほど技術長から申上げましたように、本年度計画を当初樹てます場合にも、従来の一応増加の実績等も考慮に入れまして、同時に電力の開発計画と申しますか、供給力の最大限度というものも睨み合せまして、増加率等をきめたのでありますが、御承知のように特に昨年の特需の増加というような傾向からいたしまして、非常な需用の増加になつております。それに関連いたしまして、委員会に対する増受電の認可申請というものも相当つておるのであります。これにつきましては、従来御承知のように、各電力会社のほうにあらかじめ需用者のほうから話をせられて、そうして電力会社のほうでいろいろふるいにかけられて、そうして委員会のほうに持つて来られるのでありますが、率直に申しまして、従来各需用者側のほうとしては、いろいろの生産の増強という観点からいたしまして、或る程度の設備を作つてしまつて、そうしてあと電力の認可を受ければそれでいいまでに実は設備もできてしまつて、そうして最後になつ電力供給を是非してもらいたいというような話を持つて来られる場合が相当多いのであります。併しながら、こういうことでは折角増受電に対しまして、認可の制度を置いておきながら、結局そういうようないろいろな事情からやむにやまれず或る程度の認可をしなければならんということになることは、特に最近のような状況、又今後の推移から考えました場合には、非常に大きな問題になつて来ると思うのであります。それで今回も、先ほどちよつと触れました電気需給調整規則におきましても、増受電の認可の申請があつた場合には、いずれにいたしてもいい惡いを早くきめなければならん。それで委員会に申請があつてから三カ月以内に処分をしなかつた場合には許可があつたものとみなすというような形をとつたのでありますが、これも要するにいつまでもずるずるべつたりにならないように、而もこの電力需給関係からいたしまして、早く委員としてもイエス、ノーを言えるような方法を講じなければならんじやないか。これにつきましては結局これはなかなかむずかしい問題と思いますけれども、やはり或る一定の基準というものを作りまして、この基準に従つて公正にこれは認めるべきか認めるべきでないかをきめなければならんと思います。これについては安定本部通産省等ともいろいろお話をしているのでありますが、要するに関係省の間におきましてそういつた一つの基準を至急御相談になつて、従つてそういう基準につきましては、これは委員会がその基準に従つて認可、不認可をするという、いわゆるその意味の物指であるばかりでなく、例えば通産省あたりとせられましても、一つの事業を起す話があつたような場合に、電力の関係と睨み合せまして、事前にこういう事業を今起すことは電力の関係からまずいのじやないかというようなことも、できるだけ需用者側のほうと申しますか、事業者側のほうに好意的にお話ができるように、何分にもこれは今日事業許可とかいうような制度がないのでありますから、いわゆる今日企業をせられることは自由ではありますけれども、最後になつ電力の問題からいろいろな摩擦を起し、延いては電力全体の需給の関係に非常な惡影響を来たすことは遺憾でありますから、そういう意味でそういつて基準を関係当局のほうとも相談をいたしまして樹てまして、それには関係省のほうもあらかじめそれに副つてよく指導してもらうし、又委員会としてもそういう線に沿つて決定をして行く、いわゆる増受電につきましてはできるだけ今後抑えて参りまして、必要止むを得ないほうには重点的に考えなくてはならんというような考え方になるのじやないかと思いますが、そういう線で只今相談をし、検討を続けている、誠に遅ればせでありますけれども、そういう現状でございます。
  54. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 基準をこれから考えられることは、それはいいことなんですけれども、今度の関西の問題、これは関西の問題だけじやありませんけれども、今度の電力不足、電力饑饉の一番大きな原因が需用の激増にあつたことは、御承知通りなんです。一番先に会社を責める前に、その需用想定をされ、而も需用想定に基いて他官庁との関係で生産計画をバランスが持たれるようにされなかつたところに、責任のなすり合いをするなら、そこへ一番責任が来なきやいかんのは当然じやないですか。私は今それを責めようとしませんけれども、はつきりとここでただ石炭の入手という問題だけでないということをはつきりして置きたいと思うのです。今の問題は、御承知のように、今年の夏の電力不足の一番大きな原因は大体三つある。若し違つたら御訂正を願いたいと思いますが、それは一番大きいのは今の需用の激増だと思う。関西を見ただけでも、四月から七月頃まででも一五%くらいの増がある。而もその中には新規需用として殖やす分と、実際に割当増になつておるのと、両方が入つて来ておる。ともかくもそれだけ需要がぐんぐん伸びておるということ、それが一番大きな原因で第二番目には御承知のように水の問題で、渇水の問題、特に関西の場合には七月のまん中頃以降から非常な自流の減退を来して非常な大きな水が減つておる。本来自流じや八十万くらいあるのが五十万切つておるという状態が続いておる。而も御承知のように、三番目の原因として初めて石炭の問題が出て来る。而も石炭の問題が出て来た場合には、電力用炭を関西がよう取らなんだとか、よう取つたとかという問題の上に、今度資源庁長官のほうがよく御存じのように、石炭自身の需給バランスが崩れておる。今年御承知のように、四千四百万トン計画だとか言われる。それに対して生産計画がいくら小さく見積つても、需用が四千六百万トンとか、ともかく初めから石炭自身の需給バランスが崩れておる。この三つが私は一番大きな原因になつておると思う。それにたまたま今のようなお盆が重つたとか、或いは台風が吹いたとかいうような問題があるだけで、石炭入手を手際よくやるかやらんかという問題は、私は非常なはしばしの問題だと思う。それであるのにもかかわらず、今言われましたように、これから電力の新規需用に対しての基準をこれから作ろうとしているんだというような、官僚側といいますか、ボデイ側の怠慢はそのままになつている。そして石炭需給バランスの面もそのままになつている。そうして株式会社で自由闊達に動いていいんだということになつておりながら、これは公然の、誰でも知つておるように実際には松永電力株式会社といわれているほど、実際にこの公益事業委員会で一々指図されているということは、事実もう最近におきましては、新らしい電源の開発をするについても、その請負がいいの、惡いの、今度はあれに変えようというようなことまで指図をされていると聞いている。それくらいに指図をされておる人が、まあ形式上如何に株式会社になつておろうとも、そこだけに責任のしわを寄せて、人間を変えろとか、人事の刷新云々ということは私は以てのほかだと思う。私は会社がかわいいわけでも何でもない、そういうふうなことでは第一に電気は運転できないと思う。そこで私は今の立場から一つはつきりして置きたい。一体人事刷新云々と言われましたが、ボデイ側とされましては関西の問題が例なんでありますが、これを責任者を変更することによつて石炭入手がよくなり、従つて電力需給バランスがよくなるとお考えになりますか。結論だけで結構ですから……。
  55. 松田太郎

    説明員松田太郎君) この点につきましては、そういう点もいろいろな点も合せてお考えを頂かなくちやならんのじやないか、かように考えております。
  56. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 その会社の責任を追及される前に、ボディ側の責任はどうされますか。第一需要の見通しを誤つたこと、そして関西におきましては現実に、最初の説明にもありましたように、四月から六月までのボデイの計画でありますところの消費石炭は二十五、六万トンのはず、それから七月から九月までの計画も二十五、六万トンのはず、それに対して実際に関西電力が焚いている石炭は四月から六月に対して三十二、三万トン、それから九月の推定を入れて七月から九月に対して三十七、八万トン、四十万近く焚くことになつておるそうです、ボデイの計画よりも余計実際に焚いているわけでしよう。その場合に一体、私はこれは需給課長によく聞いてみたいと思うんだが、その需要想定よりも少くしか関西が焚けんような状態ならば、これは一つ会社が責任を負うてもいいでしよう。併し自分のほうの間違つたやつはそれよりもたくさん焚いているのに会社のほうの責任を追及されて、みずから課長さんも変つた話を聞かないし、事務総長さんもどうということを聞かないが、それはどういうことですか。一体ボデイ側の責任はどういうふうにとられるつもりか、或いは何らか考えられておるか。今の出水状況の惡いのにもかかわらず電力割当が実際に増加されておりますし、新規の需要も殖やされておるし、そうして実際に電源の開発がうまく行つていない、それも初めから御承知通りなんです。知つてつてそうい状態を起しておるところのボディ側の責任をどうされるつもりか、それをお伺いしたい。
  57. 松田太郎

    説明員松田太郎君) この電力需給計画の問題につきましては、先ほども佐々木委員から直接お話がございましたように、何分にも今日の需要増というものがあらゆる産業の進展という点から起つてつて来ておるのであります。従つて委員会といたしましても、いわゆる年初計画従つて、この需給調整というものをやつて参りたいことは勿論でありますけれども、併しながら一方この産業の進んで参りますあれに対して、極端にそれを抑えてしまうということも、実は考え方としては余りに酷な結果になるのではないか。又同時にこの電力需給調整一つの行き方としまして御承知のように今日の割当制度、これに対してもいろいろ議論はあると思うのでありますが、少くとも今日におきましては、いわゆる御承知のような火力料金制度というような制度によりまして、高い料金を出せば使えるというようなことにもなつておるのであります。従つてまあその辺の根本問題については、いろいろ再検討しなければならない問題はあると思うのでありますけれども、要するに現実の形といたしましては、今申しましたような、需要の激増、そういう点からいたしまして、できるだけ状況の許す範囲においては供給もこれに合わして行かなければならんじやないか、又それが公益業事委員会じやないかという考え方があつたのであります。そういうようなことで、本年度に入りましてからも、四月、五月、六月と或る程度電力割当も殖やして参り、又その電力割当が殖えると、どうしてもそこに需要の全体の増加というものも因果関係を持つて殖えて参つて来るのであります。従つて今後の本格的な渇水期を控えて、もう今となつては背に腹は替えられぬ、言い換えればどうしても当初の計画というものを、今後は実行して参るより以外に方法がないのじやないかという意味で、関係官庁のほうとも、今月の電力割当等につきましては、いろいろ議論があつたのでありますが、そういう点で、今申しましたような今年度当初の計画従つて進むようにいたしておるのであります。今申しましたような意味で何分にもこの電力需給関係というものを、政府全体としてどういう工合に考えるかという根本の問題をやはり取上げて解決して頂かなければ、委員会といたしましてだけでこれを左右することは非常にむずかしい私は問題だと思つておるのであります。そういう意味で経済安定本部通産省に対しましても、そういうような点について十分な御検討を頂くように……。特に最近聞くところによりますと、或いは化学肥料でありますとか、或いはアルミニユウームでありますとかいうような点についての増産の問題が出ておるようであります。そういうものはただ一方的に増産となりましても結局電力の全体の供給力の点からよほど産業政策全体というものについて考えて頂かないというと、各電力会社とせられましても電力供給に応じ切れないという結論に私はなると思うのであります。なお、このたびの需給計画につきましては、今申しましたような実情でございますので、今後もこの点については十分関係当局のほうと連絡をとりまして、如何にして正しい、国として最少限必要な需給計画を樹てるかということにつきましては、十分委員会としてもその線に沿つてお願いもし、又御協力願わなければならんと、かように考えております。
  58. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 しつこいようですけれども、もう少し言わしてもらいたい。それはまあ松田さんの言うことはよくわかるのですが、初めから今言われたように需要が殖えるのでその需要を切るよりも、公共事業としては当然にその需要を賄うように電気のほうを殖やしたい、これは誰でも考える話なのです。その需要を賄うほど電気が出ないからそれで困つておるのですよ。そいつが今の石炭の問題であり、電源開発の問題なのです。本来ならば今の電力需給の全体計画を見るのはレギユラトリー・ボデイよりほかないのです。会社はわからないはずなのです。ですからこれだけ需要があるのですけれども、これだけしか電力が出ないのだということをボデイだけが御承知のはずなのです。それをひよつとしたならば電気が出るかも知れないということを言われてその需要に合せるようなことを言われたならば、安本計画と齟齬を来さざるを得ないのです。ですから初めからわかつておるものに対してそういう希望的な観測で横向きに持つて行かれることは非常に困るのです。そういうふうに考えられるならば、なぜ下の会社のほうの責任を問われるのか、会社のほうの責任を問われる前に、あなたのほうとしてはレギユラトリー・ボデイの役所に向け、石炭庁に向け、安本計画に向け政府のほう向けに電力需給計画はこれだけしかないのだからこれに協力してくれ、ボデイのほうに強い方向に行つて話をして頂かなければどうにも仕事ができないのじやないか。あなたを咎めるのじやないが、実際見て行きますと、上向けといいますか、横向けといいますか、松永さんのお話では下向けのお考えでありますけれども、役所間の連絡なり或いはそちらの要請は、なつておらんのです。或いは会社のほうの向きは、執達吏のように、はつぱのかけ方というものは、非常にもの凄いものですよ。電力国家管理ができた、最初自発ができたときよりも、もつとそのできた長所がボデイのほうの向きにとられておつて、そうしてだんだんやられおる。一体どういうことなのか、そういう意味で私は会社の責任を追及する前に、レギユラトリー・ボデイ自身がはつきり責任をとつてもらいたい。それをはつきりしてもらいたい。  それからその次に、今は石炭の問題が出ましたから、資源庁の長官のほうにお伺いいたしますが、実際問題として今あれでしよう。石炭需給バランスは、生産と需要の上に崩れているんでしよう。若し仮りに関西さんが猛烈な金を放つて、そうしてあれは今の電気をフルに運転させるほどやられたら、関西の石炭需給はどうなりますか。そういう意味でこれは、このことを要請するのは気の毒な話ですが、実際に火力のフル運転は、いい石炭をどんどんぼうぼう燃やして御覧なさい。電気は出てもほかの生産工場はにつちもさつちも行かんということになるから、それを御承知で先ほども栗山君からお話があつたように、そういう強硬な、出荷命令も出さず、ぼやつとしておられるのです。それはレギュラトリー・ボデイも御承知のはずで、それは自分が叱られては困るということで、弱いほうに行かれたら、これは人民はどうにもならんということになつて来るわけです。一つ、今の資源庁の問題も含めて、石炭需給自身が崩れておる。従つてその責任というものは、これは松田さんの言われるように、全部に責任があるかも知れませんが、併しその責任の中心は、この計画を樹てるところの役所が一番先に考えなければならん。それが妙なところに責任が出ないように、返事は結構ですから、よく十分お考えを願いたい。  それから最後に、石炭問題に附加えて置きますが、九州の状態を見ても関西の状態を見ましても、石炭入手といいますか、石炭の一番大きな問題は、去年、一昨年からいわれておる燃えん決の問題です。ボタの問題です。実際の業者の様子を聞いてみましても、これだけ受取る代りに、これだけ燃えん炭を燒える石炭とみなして受取れという話に大抵そうなつておるわけです。まあ石炭のオーソリテイがおいでになるので申訳ないのですが、大体そうだといわれておるのです。そこではつきり申上げたいのは、恐らくこれは関西だけ例にとるのでなくして、来年は関東に出て来ます。関東の電源は崩れて来ますよ。関東の水源は……。又、来年は必ずこの電力需給需用の増し方から見ると、関東さんは関西の話だと思つておられるが、必ず崩れて来ると思う。その時でも同じ問題が出て来ると思う。その際にでもこの石炭の問題が、ボタ供給を行わなければ、この石炭のほうがうまく行かんという問題……、そうすると、この電気会社のほうとしても、ボタを何としても引受けなければいかん責任がつきまとわなければ承知しない状態に今なりつつあると思うのです。で、今の石炭需給自身が崩れておるという問題と、それから今のボタの問題を一つ資源庁でよくお考え願つて、そして今のそいつがすぐにレギュラトリー・ボディのほう向きにも関連させられて、そして燃えん炭が石炭でないことを、一つ電気をつくる上にも、電気をつくるためには燃えん炭は飽くまでも燃えん炭で、石炭でないことをボデイのほうもよく御承知の上で、石炭の取引需給間でよく睨んでもらわないと、全然話がおかしくなつて来ると思います。    〔理事結城安次君退席、理事栗山良夫君委員長席に着く〕  これは質問でないかも知れませんが、これは最後に附加えて置きますが、私は今の状態がこのまま行くとすれば、予言めいて惡いけれども言つて置きますが、必ずボディから睨みをきかされて、関西さんは関西さんできかされておる。関西さんは私はめちやくちやな買い方をせざるを得ない状態に追込まれると思う。そのめちやくちやな買い方をすると、恐らく炭価のつり上げがあり、或いは相当のボタを引受けて平均カロリーは必ず低下いたします。平均カロリーが低下すると、火力のときは発電所は、まあ見においでなさい。燃えん炭が山を積みますよ。燃えない石炭、粗惡炭が火力の発電所に積まれて、その場合にレギユラトリー・ボデイのあなたがたは必ず石炭を持つておるのに火力を焚かないじやないかというそのいじめ方を恐らく関西の需用家連中が言われるのと同じテンポを合わして、あなたがたはもう一遍会社に言われるに違いない。そうすると火力の技術家連中はしまいに癇癪を起し、そしてこれを燃せば必ず火力のかまが壊れることを承知のすけで、くそ食らえということでそれをくべますよ。必ずこの冬には関西の火力はこういう状態になると思う。そして今のボタは、はつぱをかけられた関西ではボタを買う。そしてそれを発電所に積む。石炭があるのに焚かないのじやないかと言われて、はつぱをかけられて仕方なしに火力の釜にくべる。そうすると火力の釜が一遍に傷みます。そして故障が起る。その場合に責任回避が行われる。これは施設部のほうで、施設部の話じやないか、我々のほうは知つたことじやない。施設部がしつかりしないからおかしくなる。そういうことで又責任がぐるぐる廻るということになつて来ると思う。私は今責任の追及をしようとは思わないが、今年の夏の問題は序の口になんですよ。これは普通です。ですから十月になつて水が出て、水が出るほうが私はむしろ特別な状態であります。夏の状態が普通で、それから春先と夏に少し水が出て電気が出たというのが特別の状態であつて渇水期と普通のときの関係が従来と完全にひつくり返つた状態が今年から出る。きつと出る。そして十月頃きつと出るに違いない。そして一服したものの冬に入つて、冬に入つた状態は夏よりももつと激しい状態になると思う。この激しい状態を切り拔けるのにこうなつたら懇願です。どうか責任のなすり合いや、責任の押し合いでやつてもらいたくない。そうすると必ず火力が潰れる。火力が潰れるだけでなくして工場が参つてしまうのです。私はそういう意味責任のなすり合いみたいなこと、たらい廻しのようなことはどうかされないように、これは予言めいて惡いですが、強く要請して置きますから、夏の状態がひどくなつて水の状態がアブノーマルになるということをお考えの上で、本格的な対策を樹てられたい。ボディーとしても対処せられたいと強く要望して置きます。
  59. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 大分考えておりましたことを、鬱憤を佐々木君から晴らして頂きましたから、差当つてこの関西の危機をどうして逃れるかということについて一つ二、三お尋ねしたいのですが、この頂いております資料を御覧頂きますとわかりますように、大口需用家で三割、中小企業のほうでは週に三日休んでおる現状であります。そのために業界の不安は勿論でありますが、労働不安も共に起つてつております。今日は関西電力からもお出で頂いておりますので、何かこの不安を解消するに相応わしい御説明を頂けると思つて先ほどから期待して伺つていたのであります。    〔理事栗山良夫君退席、理事結城安次君委員長席に著く〕  この九月の契約分、大口の大手筋のほうにもいろいろ御協力を願つて、九月分の契約はもう十五日までに大体入れて頂いた。そこで四十六社の契約を今度七十幾社かに殖やして新契約を結ぶように努力して入炭の計画を急いでおるという説明はございましたけれども、十六日以降の入炭については一つも見込みが御説明されない。而もそれが今佐々木君が御指摘のように石炭需給バランスが崩れておるためにどうすることもできない。もう処置がないということであるならこれは関西側としても改めなければなりますまいが、公益事業委員会の御説明を承わりますと、九月一ぱい会社側の努力を見ておつて十月の初めになつたらなんとかその措置を講じたい。こういう説明を聞きますというと、いわゆるちよつと困る程度が暫く続いておると、強い力でなんとかしてもらえるのだという希望が持てるのであります。そこで若しそういう十月の初めになつて法的な措置を講ずるとか或いはその他の方法によつてなんとか関西の入炭計画というものが解決であるという見込みであるならば、これは速かに着手して頂きませんと困るのでありますが、この関西電力から十六日以降の入炭計画についてもう少し安心のできる御説明を頂きますと共に、この九月一ぱいの会社側の努力を見て十月の初めになつてどうにもならんという場合に新措置一つとりたい。こういう御説明を、一体如何なる措置をとろうと思つておられるのか明らかにして頂きたいと存じます。これは松田総長から……。
  60. 松田太郎

    説明員松田太郎君) それでは関西電力の会社のほうから十六日降の石炭の入手状況についてお話を伺つて頂きたいと思います。私に対する御質問を一応お答えいたしますが、要するに例えば一例をとりますと、強力な措置として考えられますものは、いわゆる優先出荷等の措置をして参るかどうかということでございます。併しながら御承知のように一方に対して優先出荷をするとするならば、必ず他の産業のほうには必ずそれだけ痛手をこうむることになると思います。これは全体の石炭供給力がそれだけ殖えて電気事業のほうに廻して頂くことであれば勿論これは理想的なんでございますけれども、その点が余り望めにいということで一方的な措置を講じて参ります場合にはどうしても他方のほうにそれだけの影響が参ります。そうなればやはり国全体としてその問題について納得して頂きますためには、やはり肝心の、先ほど関西電力の例が出ておりますから関西電力を申上げますが、関西電力に限らず、いずれの電力会社にせられましてもやはりできるだけの措置は講じて、そうしてこれ以上のことは誰が見ても無理であるというだけのやはり努力はして頂かなければならんじやないかという意味で、今專らその点について電力会社のほうにおかれても非常に努力をせられておるわけでございますが、そういう情勢を見ないでいきなりこういう情勢になつたからすぐに法的の発動をしてもらいたい、又法的の発動をしようという考えには、やはり関係官庁とせられても全体の産業を見られた場合にむずかしい点があるのじやないかというふうなことを私は考えまして、そうしてここ暫くの様子を見た上で、最後の問題として関係官庁間によくお話を伺わなくちやならんのじやないか、かように考えて私は先ほどそういうことを申上げたのであります。
  61. 守田冨士秋

    参考人(守田冨士秋君) 先ほど十六日以降の分につきましては、大手筋においては九月分おおむね十五日までに納入して頂く、繰上選炭をして頂いて、よつて一応九月の契約は、すでに完了した、ついては、このあとの空白は、十六日以降の月末までの空白はどうなるか。大手筋の関係には、十月以降の契約をすでにお願いしておる。そうしてそれを繰上送炭といつた形において、更に具体的に数字を申上げますと、五万トン、若しその五万トンがお願いできなければ少くとも三万トン、言い換えれば九月分の繰上送炭した分、いわゆる三万トン程度、三万一、二千トンになつておりますが、三万トン少くとも十月以降の契約分から繰上送炭をして頂きたい。従つてこれの契約條件につきましては、ちよつと読み上げますと、   九月十六日以降発電用炭緊急措置  一、支拂対象取引先全部但し「スポツト」扱にて購入し特別單価を適用したものは除く。  二、支拂数量  1七月より九月を通じ第二・四半期契約量を完納したる上超過数量ある場合はその超過数量に対し十月單価を適用する。但し七月より九月契約数量に該当する数量については十六日以降の着車船と雖も、九月十五日までの特別措置による。  2九月十五日迄に第二・四半期契約量を完納したる上超過数量ある場合は九月十五日迄の特別措置の外更に十月單価をも併而適用す。  3八月中に七月―八月分月割契約量を超過納炭したる分に対しても九月十五日迄の特別措置を適用する。  こういう特別の措置を講じて、十六日以降の分に対してはすでに大手さんを初め特に九月分のまだ未納の分、十四万数千トンに対して約七万トンほどですから、大体七万五、六千トンほど、約八万トン残つている。これに対して特に中小さんが残つているわけでありますから、中小さん関係にお願いしているわけであります。これにはすでに十五日前より関係担務者は勿論、社長副社長がたが特別に現地に業者を訪問してお願いしている次第であります。それでこの特別措置によつて十六日以降の空白の分については何とか所期の目的を達成いたしたいと懸命に努力しているというのが実情であります。
  62. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 今伺いますとやはり予期しておりましたように努力を一生懸命しているというだけで一つも安心ができないのであります。松田総長は会社側の努力を一遍見た上で何とか役所同士の間で優先出荷の指示などでも出せないものかということについて、十月初めになつたら考えてみたいということでありますが、先ほどから何回も関西電力は繰り返しておられまするように努力していることは窺われるのであります。そこでこれは資源庁の長官にもお願いをいたしたいのでありますが、何とか関西の当面しております危機を乗り切るために石炭が他の業界で入りましても、電力が来ないと間に合わないようなところもあるのではないかと思われるのです。こういう面に一々通産省とも御通絡頂いて、差当つて関西電力が必要としております分の入炭ができますような措置を速かに私はとつて頂きたいと思うのですが、この委員会が言われますように、もう半月ほど電力会社努力を見た上でないとそういう措置はとれないとやはりお考えになりましようか。資源庁長官に一つ……。
  63. 始関伊平

    説明員(始関伊平君) 石炭需給が非常に逼迫しておりますことは、先ほど来お話通りでございまして、重油の代替使用或いは亜炭の使用を含めまして大体僅かに辻つまが合うという程度でございますので、その需給の緊追の最も端的に現われておりますのが電力用炭、特に関西電力の問題でございます。十月まで黙つて見ておるというふうに私どもは申上げたつもりはないのでございます。先ほど松田事務総長も申しましたように優先出荷というようなことを仮にやりますと、それによつて具体的にこのほうぼうに契約の出来ておりますものにも影響がございますし、他の産業或いは鉄道等に非常に重大な影響を與える。結局これは割当制まで、行かざるを得ないと思うのでありますが、そういうことになりますのは非常なまあ重大な問題でございますので、そういうことになりませんように、この契約が、これから三四半期に進むわけでございますので、只今お話のようにほかの産業ばかり石炭が参りましても、電力がございませんでは、どうにもしようがないわけでございますので、そういつた事情を十分に石炭業者の側とも話合いをいたしまして、実際上の話合いの上で所要の石炭をできるだけ確保するということに行政的にこの半月の間に御協力いたしたいとこう申上げたのであります。なおそれ以上もう一歩進めまして、法的の措置に入るかどうかということの問題でございますが、この点につきましては先ほど申上げましたように非常に根本的な産業政策の転換になりますので、非常に愼重な考慮が要ると思つております。石炭は確かに窮屈ではございますが、関西電力がSOSを出しました九月の四日の統計がここにございますが、例えば東京、例えば名古屋等の電力会社では一月分以上の貯炭を持つております。なお関西でも鉄鋼業者その他大口の需要者もありますけれども、そういう大口のところでも一応どうにかやつておるのであります。関西電力だけは、やり方がいい惡いという話は別にいたしまして、関西電力だけが一応惡いから、そのために石炭の統制に入るのだということでは、なかなかまあそういうふうに持つて行きにくいのではないかというふうに存じております。  それからもう一つ、仮に統制に入る、入らないは問わず、石炭の統制にはおのずから限度がございますので、まあ六百万トンか或いは六百五十万トンかどの数字がいいのかは別といたしまして、その限られておるということを一応前提にいたしまして、それを基礎にいたしまして、電力のほうにおきましても合理的な計画的な使用をして頂きたいということは、これは私どものかねてからの主張でございまして、その点は安本部内或いは公益事業委員会にもしばしば申上げておるのでございます。それ以上の点は只今幸い重油は比較的入手が楽でございますので、重油代替のことも申上げておつたのでございます。関西電力は一万トンという非常に僅かな数字でございますが、その辺にも用意がしてあつたような次第でございます。遅れましたけれども、これは結構なことではないかと思います。
  64. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 関西電力の話を伺いますと、月々十五万トンの契約を十月から三十万にまあ各月契約を殖やして行くようにしたい。これは公益事業委員会でもそれと大体同じようなお話がございましたが、この資源庁なり安本なりそれぞれ御連絡なつてそういう契約のできるような行政指導を政府としてもやつて頂くことになつておりますか、ちよつとお伺いしたいのであります。
  65. 松田太郎

    説明員松田太郎君) この点につきましては実は申上げませんでおりましたけれども、特にこういう状態になりまして、先月下旬頃から我々事務当局としましても、再三資源庁のほうともお打合せをし、又九月初めには委員会としまして先ほどお話のありました通産省首藤政務次官その他関係の首脳部のかたともいろいろな打合せを実はして参つておるのであります。それでできるだけ今日のような事態でございますので、自由経済下においても何とかそれぞれの電力会社が、いわゆる行政措置と申しますか、そういうような方法によつてでも石炭確保ができるようにということで、資源庁も又私どももお伴しまして、いわゆる石炭協会のほうとも再三お願いをしておるのであります。そういう意味で特に大手筋のほうとせられましても、先ほど来お話のありましたように、今月の割当の量につきましては十五日までにほぼ完納して頂けるような形になつておるのでございます。又そういう意味で十月以降のいわゆる第三四半期につきましても、従来から関西の量としますと、お願いしておつた約五倍にあたる量を大手筋のほうの山にも只今お願いをして、何とか早くできるだけの石炭が出せるように契約の締結を急いでおられるのであります。又、中小炭鉱に対しましても同じような措置を講じております。で特に先ほどから御説明がございましたように、或る程度の報奬金と申しますか、そういつたようなものも、この際でありますので、電力会社のほうでもその考えのもとにいろいろ折衡せられております。というような状況でございまして、資源庁におかれてもこの問題について非常な御協力を頂いておりますことは、もう委員会としても非常に感謝をいたしておるのであります。  そういうことでできるだけの、今日許される範囲の御助力は願つておるのでありますが、それでもなお且つ非常に冬場渇水期に対して石炭確保というものが十分にできない。言い換えれば相当貯炭量をこの際確保するという見通しがいかん場合には、先ほど申しましたような措置一つ是非お願いしなくちやならんじやないかということを、お互いに話合つておるということでございまして、同時に先ほど佐々木委員からもお話がございましたように、並行いたしましてこの冬場渇水期に対して同時に如何なる方法で万が一の場合の電力供給についてこれを規正して行くかというような方法も考えなくちやならんと思います。そういう点については我々としまして只今からいろいろそういつた場合の、万が一の場合を考慮いたしました制限措置というようなものについても、実は今から並行して研究しておるような次第なんです。併しできるだけそういう事態の起らないように、この際いわゆる当初の計画だけでも電力供給を完遂できるように、今関係当局のほうとよりより御相談をしておる。こういう状況でございます。
  66. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 もう一回お願いします。この間料金改訂があつた直後のこの危機でありますために、需用家のほうでは何とかこういう事態が将来起らないようにするために、供給規則を変えて供給業者のほうに責任を持たせるような規則改正を行うべきであると、こういう声さえも起つておるのであります。こういう供給規則改正電力会社供給責任を負わせるという供給規則改正というふうなことについて、これはまあ松永さんでもお出でになりますと、お聞きするのが一番ふさわしいかと思いますが、松田総長どういうふうにお考えになつておるか。更に資源庁長官にお願いをいたして置きますが、私どもこういう石炭のごときは、やはり将来は統制して行かなければならんという感じは持つておりますが、それは議論になりますから別として、差当つてのこの行政措置をとつて頂いて、この関西地方の本当に逼迫しておりまする状態を一日も早く解決するように早急に一つ努力を頂くようにお願いをいたして置きます。
  67. 松田太郎

    説明員松田太郎君) 只今お話の、各電力会社とせられて電力供給責任を持たなければならんということは、これはもう申すまでもないことでありまして特に電気事業の再編成に当りましても、この点は強く皆様がたからも言われておつたことなのであります。それに附加えますれば、現在の公益事業委におきましても、その供給責任を明らかにしておる規定は実はあるのであります。併し先ほど佐々木委員からもお話がございましたように、根本の問題の一つとしては確かに電力需給計画全体をどういう工合措置して参るかということがやはり一つ根本問題なのでありまして、従来のごとくただ需要増ということだけで、この電力供給をいたずらにというと語弊があるかも知れませんが、殖やさざるを得んということになりますと、非常に会社側としても問題があります。又公益事業委員会としても、調整機能を果さなければならん役所といたしまして、その点については非常な責任を持つわけであります。従つて特に今後における、又延いては来年度における電力需給計画等につきましては、先ほども申しましたように、関係官庁とよく相談をいたしまして、その点について電力供給見通しというものからやはり需要を規正してもらわなければならんと思つておりますが、そういうことをやつた上におきまして、各電力会社としては、その供給については十分責任を以て確保してもらいたいと、かように考えております。
  68. 栗山良夫

    栗山良夫君 私は大体非常に不満なのは、九月の上旬の委員会のときに、九月以降の電力需給バランスについて見通しを立ててもらいたいという要求をしたのでありますが、その委員会のときも殆んど体的に数字的な説明はされなかつた。今日も又何らそういうものはございません。而も先ほど佐々木君が言われましたように、基本的な問題に通産委員会のときも触れたのでありまして、当時安定本部では電力調整は料金調整から量的の調整へもう一度変えなければならんということを力説されて、私も大いにそういうことをやるべきであると主張したのでありますが、そういう点についても、本日まだそういう事態の起らないことを希望して計画を樹てたいとおつしやいますが、もう起きることははつきりしている。これは私はどんなに逆立ちしたつて緊急事態が走ることは間違いないと思うのでありまして、そういう点についてやはり真劍に計画を緊急に立てなければならんと私は思うのであります。今日議事進行で提案いたしたいのは、そういう意味合いから本日の公益事業委員会なり或いは関係各庁の説明は十分伺つておりませんし、又今まで伺つたところでは甚だ不十分でございまして了解いたしかねるのであります。そこで本日これから続行いたしましても、資料の点もありましようし、結論も持つておられんと思いますから、明日か或いは明後日かこの委員会を開きまして、とにかく責任の持てる今年の冬の危機の具体的な対策についてはつきりと私はお聞きをいたして置きたい、こう思うのであります。従いまして、本日はその他の本委員会の予定の議事を連められまして、閉会をされたいと思うのであります。それから特に私は今年の冬の危機の具体的な対策を要求したのでありますが、その中で一番問題になります点は、通産委員会でもお話になりましたように、石炭に対する確保法的措置ということが言われましたが、行政措置から更に法的措置にまで通産省ですら考えている問題であります。従つて安定本部なり公益事業委員会通産省あたりはもつと真劍になつてそういう点を一つ考えて頂きたい。経済的な組織の変革が来るであろうということが言われますけれども、併し農林省においては肥料の不需要期における特別会計における買上等を力説されましても、あながち最も窮屈な電力だけがこれほど困つてつて、なお思い切つた政策が行われないということは了解に苦しむことだと思うのであります。それから特に電力の量的制限の措置については、荏苒日を送るべき問題でないのでありまして、今日説明を伺いました九月十五日に施行になつた電力需給調整規則を私どもが聞きましたときにも、成るべく早く新事態に処するところの量的制限の調整規則を具体化されたいということを要望してあるのでありまして、或る意味においては二十二年、二十三年度電力危機のときよりももつと私は今後惡くなる、需要は伸び放題であると思う。そうして石炭のほうで統制措置は解除されて、全く情勢は当時よりもひとたび危機に入るならば惡くなる、こういう見通しを立てざるを得ないのでして、そういう意味において、どうか明日か明後日で結構でございますが、責任のある数字的な根拠を基にした説明を伺うことを要求したのであります。
  69. 結城安次

    理事結城安次君) ちよつとお諮りいたします。只今栗山委員から御発言の通り相当重大な問題で、なお公益事業委員会からも聞きたいこともあり、調査したいことも多々あると思いますが、殊に佐々木委員から先ほど御発言の通り石炭のつまりバランスがとれないというお話もありましたが、山川委員からは非常に詳しい説明をしたいというような申出もございますので、本日は折角川崎製鉄会社からも来ておりますのでこのほうに移りまして、このことは只今栗山委員の御動議のように明日若しくは明後日に延ばして、川崎製鉄会社のかたのお話を伺いたいと思いますが、如何でございましよう。
  70. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 今の問題について賛成です。賛成ですが、これは二段階になるのか、このときに一遍に行けるのかどうか知れませんが、栗山君の要求はその対策も含めてということだろうと思いますけれども、ひよつとすると受取られるほうの側では、数字的根拠を以て説明だけすればいいのだろうというふうにとられると非常に困る。つまり見通し計画だけを立てればいいのだというふうにとられては困るので、先ほど椿委員からのお話もありましたように、事情事情ですが、実施し得る対策が今は早急に欲しいので、而もそれはボデイというのが独立しているのかしてないのか知れませんけれども、ボデイとしても政府としてでもいいですから、要するに実施可能な対策を、こういう状態になるからこの点をこういうふうにするという、実施可能な対策を必らずつけて欲しいと思います。今の実施可能な対策が明日、明後日でできないということならば、二段階に分れても止むを得んと思いますけれども、とにかく今の栗山君の要求はそれも含まれてると思いますから、特に実施可能な対策をボデイか或いは政府の強力な裏付を以て付加えるようにお願いしたいと思います。
  71. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 この委員会は続けることには賛成であります。そうして若しなさるならば明後日でなく明日の朝からやつて頂きたいと思います。続けてそれから今日一点だけ伺つて置きたいことを発言さして頂きたいと思いますが
  72. 結城安次

    理事結城安次君) 須藤さんどうですか。まだ……。
  73. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 極く簡單なんですが……。この間我々有志が潮田発電所の火力発電を見に行つたのです。その節聞いたところによりますと、今二万キロ発電のボイラーを据え付けるように準備をして廻つているが、その許可がなかなか来ない。許可がないために折角石炭の山を積んで、発電能力があるにかかわらず、発電ができないということを聞いたのでありますが、なぜその許可が下りないのか、その点を伺つて置きたいと思います。できるものなら、早く許可を與えて発電できるようにしたほうがいいのじやないかと思います。
  74. 結城安次

    理事結城安次君) それはそのことはあとで調べて御返事いたさせます。
  75. 小川久義

    ○小川久義君 委員長一点だけ関連して……。先ほどから石炭を中心に論議されておりますが、私はどうも合点が行かないのは、日本の石炭はどのくらいできるのか。(笑声)そして各方面でどういう分け合いになつておるのか、ここにおいて電気を起す石炭をくれということになり、一方では国鉄のほうで汽車を動かすのに石炭をくれということになり、他の工場では又石炭を使つおるところではくれくれというので、そうすると皆ほうぼうでもらいたいと言つて来たところで、絶対数が足りんことには分け合えんことは当然である。従つてその生産量、それから現在の分配の実情、それから石炭の増産をする対策があるのかないのか。あれば如何なる対策であるかということを資源庁からもお出しを頂きたいと思います。
  76. 結城安次

    理事結城安次君) 小川委員ちよつと申上げますが、そのことはいろいろたくさんの問題があるから、この次にやろうかということです。
  77. 小川久義

    ○小川久義君 それだからその公益委員会からお出しになる資料と一緒に資源庁のほうからもそういう資料一つ出してもらいたいということです。
  78. 結城安次

    理事結城安次君) わかりました。速記とめて下さい。    〔速記中止〕
  79. 結城安次

    理事結城安次君) それでは速記始めて。それでは本日の会議はここでやめまして、明後日午後一時から再開いたします。    午後五時九分散会  出席者は左の通り。    理事            栗山 良夫君            結城 安次君            佐々木良作君            水橋 藤作君    委員            秋山俊一郎君            岡田 信次君            高橋進太郎君            島   清君            椿  繁夫君            奥 むめお君            溝口 三郎君            山川 良一君            小川 久義君            境野 清雄君            須藤 五郎君   事務局側    常任委員会專門    員       林  誠一君   説明員    公益事業委員会    事務総長    松田 太郎君    公益事業委員会    技術長     平井寛一郎君    資源庁長官   始関 伊平君   参考人    関西電力株式会    社企業部長   加藤 博見君    関西電力株式会    社理事     守田冨士秋君