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1951-09-06 第11回国会 参議院 水産委員会 閉会後第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年九月六日(木曜日)    午後二時二十五分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○水産物増産対策に関する調査の件  (漁船損害補償制度に関する件)  (水産庁関係昭和二十六年度補正予  算に関する件)   —————————————
  2. 松浦清一

    理事松浦清一君) それではこれより委員会を開会いたします。  過日の委員会で、次回の委員会において漁船災害補償に関する問題について当局の経過内容を承わるということに決定をいたしておりましたので、只今から水産庁伊藤漁船保険課長から漁船損害補償制度要綱についての御説明を承わることにいたします。
  3. 伊藤茂

    説明員伊藤茂君) 只今漁船損害補償法につきまして、去年実はこちらの専門員かたがたと御相談いたしまして、一つの案を作りましたのですが、それは二十トン未満小型漁船を一応強制加入制度で案を立てまして、NRSに大体の要領を説明しましたところが、ひどく反対を受けまして行き悩んでおつたわけでありますが、その際に一面拿捕を対象とする特殊保険のための法律改正がむしろ急務になりましたので、この前の通常国会ではそのほうへ全力を注ぎまして一応目的を達したわけであります。さて全体の漁船に対する損害補償関係の問題につきましては、寄り寄り研究を重ねておりましたが、ここに今日お手許に差上げてあります漁船損害補償制度要綱というものがやつと骨子がまとまりましたので、八月十六日に農林省省議決定して頂きまして、なおこれに附随する予算も一応そのまま省議としては決定いたしまして、現在漸やく大蔵省とこの九月四日に事務的の折衝予算は入つたわけでございます。以上が大体現在までのこの損害補償制度に対する経過の概要であります。
  4. 松浦清一

    理事松浦清一君) 内容説明を承わりたいのです。
  5. 松任谷健太郎

    説明員松任谷健太郎君) 只今漁船損害補償制度要綱ができますまでの経過につきまして、お話しいたしましたのでございますが、内容といたしまして考えてございますのは、この問題が昭和十二年以来、漁船保険法が実施されていろいろと官民双方努力にもかかわりませず、その目的とするところが漁業者経営安定といつたような点を狙いまして、生産手段である漁船保険に付けさせるというような意味制度が、民間ではなかなか活用できないというような状態なつておりまして、四十万隻にも及ぶ漁船のうちで現在相当数字が上つて参りましても、僅かに三万隻程度であるというふうな加入状態でございます。これは何か現行保険制度そのものに欠陥があろうということで、漁船保険協会なり、全国の漁船保険組合運営されておるかたがた中心にいろいろと制度改正についての検討が今まで進められて参つたのであります。その制度改正の線は、何と申しましても、現在の漁船保険制度独立採算でいろいろと漁業者自体がすべての経費負担するような恰好になつておつて、それに対して危険をカバーするような場合におきましても、なかなかその経営にマツチしたような危険負担ということが取得ないというようなところが根本でありますので、漁船法が本来狙つております中小漁船といつたような階層を中心にいたしまして、一種の社会保障と申しまするか、社会保険的な制度をここに確立して行かなければならないというようなところが重点になつておるのでございます。その社会保障的な保険制度というものを中心にいたしまして、国庫相当負担をし、漁業者がこれに協力参加して経営の安定に資するようにしますれば、大体この制度がうまく行けば、まあ十五万隻程度加入ということは容易に達せられるのではなかろうかということを目標に置いて考えておるのでございます。制度そのものの細かい内容につきましては、お手許にございまする漁船損害補償制度要綱というところのその要綱の中に示されておりますように、現在の保険制度というものを漁船損害補償制度といつたようなものに改めまして、特殊保険とか、満期保険とかいつたような保険制度国営を以て創設して行くということでございます。それから先ほど申しました社会保障的な意味におきまして、総トン数二十トン未満漁船保険加入というものを向上させますために、保険料を一部国庫負担とするということによつて漁民経費低減と申しますか、負担低減を図つて参る。それから第三番目は保険事業合理化を図るための漁船保険中央会制度というものを設けまして、いろいろ保険料率算定その他につきましての仕事を担当させて、漁船損害補償制度が合理的にできますように考えております。それから保険料支払を円滑にするための基金制度を設けております。損害補償制度運営の円滑を図るという考え方で、漁船保険組合につきましては、地域組合業態組合とに分けて考えております。地域組合というものを協同組合組合員たるべき資格を有する者を以て構成させまして、これを手厚く国家的な援助をしてもらうということを考えておるわけであります。そこで政府保険事業関係になりますると、そういうような下の段階における体制を整えまして、現行損害保険の再保険事業というものをより強化拡充して参るように国庫負担を十分考えるということと、それから現行特殊保険国営に移しまして、拿捕その他の損害填補関係を現在の微妙な国際関係にありまする場合に対処して参るということと、それから満期保険制度というものを国営を以て創設して、従来漁業者保険料がかけ捨てになつて、何らその漁業者に返つて来ないというような建前をやめまして、満期になりますれば積立金漁業者の手に返つて、新らしい漁船が建造できるというような積極的な制度を打立てて参るということを政府保険事業として考えておるのでございます。  そこで問題は如何なる部面国営で面倒を見るべきであるかという問題になつて来るのでございまするが、それは第三の国庫負担の章に書かれてございまするように、少くとも我々は農業共済制度におきまして、国が農業関係において面倒を見て負担しておる程度以上には面倒を見てもらわなければならんという気持を持つておるわけでございまして、同じく原始産業である農業水産業というものは国の援助関係からして片手落ちになつておるような現行制度というものは改善しなければいかんというようなことを考えておるわけであります。従いまして国庫負担としましては、先ず事務費国庫負担、これは現在の特別会計でやつておりまする保険事業経営事務費一般会計負担する。それから地域漁船組合事務費に対しましては半分を負担する。それから協同組合等漁船を一括加入させるというようなことで漁業者経営安定に尽力した場合におきましてはその手数料全額負担する、満期保険加入斡旋についても手数料全額負担するということを考えておるわけであります。  それから第二の保険料の問題につきましては、二十トンという基準を以ちまして、二十トン以上ですと、これは登簿船であり、不動産として取扱われ、登記ができるような関係なつておりますので、そういつた金融その他の場合におきましては、不動産扱で抵当にも入るということになりますので、それができない二十トン未満漁船につきましては、ともかく経営者も中小零細経営者でもございますので、そこで負担を軽減するというような意味合いで保険料の半額を国で以て面倒を見て行くということであります。それから更に国の負担といたしましては、再保険なり、特殊保険でいろいろと事故がございましたときに、すぐに支払われる金を準備しなければいかんわけでありまするが、御承知通り現在は保険料収入というものとの見合いで以て支払がせられるというようなことになりますると、勢い支払にも事欠く場合ができて来るわけであります。常にそれが支払われ得る体制を整えますためにも、国として支払基金を準備するということを考えるということが一つ。更にこれは制度の切替えでございますので、現在の特別会計が持つておりまする欠損金につきましては、これを損失補填意味合からして、国がこれをきれいにしてやるということを考えたということであります。大体の建前はさような意味合で考えておるわけでございまして、内容その他につきましては、いずれも各民間からの強い要望がございまして、是非ともこれを達成して頂きたいということで、水産庁も日夜鞭撻を受けておるような次第でございます。なおこの制度そのものにつきましては、前々から参議院水産委員会のほうからの御指示もあり、御相談もございますし、一緒にいろいろと御要望を取りまとめて参つた関係もございまするので、是非ともこの損害補償制度の確立につきましては、実現を図ることに今後も努力いたしたい、かように考えておる次第でございます。
  6. 松浦清一

    理事松浦清一君) 只今の御説明に対して御質疑がございますか。
  7. 青山正一

    青山正一君 質問の先に、陳情者もお見えになつておるように見受けられますので、その内容もいろいろ絡んでおるわけですが、そういう陳情者意見を、この際陳情を行わしめたらどうかと思いますが、如何ですか。
  8. 松浦清一

    理事松浦清一君) 如何でしよう。漁船保険協会細川会長が、この問題についての陳情に見えておられるわけですが、一応陳情趣旨を承わることにしてよろしうございますか。    〔「結構です」と呼ぶ者あり〕
  9. 松浦清一

    理事松浦清一君) それじや細川君。
  10. 細川良平

    参考人細川良平君) 私は山口県遠洋漁船保険組合長漁船保険協会の副会長をいたしております細川良平でございます。本日は参議院水産常任委員会におかれましては、漁船保険制度改革のためにわざわざこの委員会をお開き頂きまして、この点厚く感謝をいたします。この機会陳情の一端を申述べまして、是非ども希望実現できまするように、皆様がたにおいてお取計らい頂きますれば、非常に仕合せと考える次第であります。  現在多数の漁船保険組合は多く経営に行詰りを来たしておるのであります。漁船保険組合は配当の必要がありません。又すべての税金が免除されておるのであります。そういつた事情にありながら、なぜ経営が不振にあるかということを考えて見ますれば、おのずからそこに改革すべき問題が出ると思うのであります。現在の制度零細な多数漁民が利用するのには、末端におきまするところの組織が十分に整つていない、そのためにこの事務費相当多額に要するのでありまして、不振に喘いでおりますところの漁民に、こういつた負担が更に増高しておるのであります。而もこの保険制度運営の一切は、いわゆる独立採算主義という形で以て、零細漁民負担犠牲においてのみ運用されておるのであります。そういつたことが現在多くの漁船保険組合が不振になつておる根本の実情であります。さようでありまするので、私ども組合経営いたしておりまする者の共通した考えといたしましては、末端におきまするところの零細漁民が容易に利用しやすいように制度を変えて行くことが一つと、現在一切の運営犠牲負担零細漁民にかけておりまするこの保険料率というものを軽減し、増高しておる事務費というものを援助してやる必要があると思うのであります。農業におきましては、御存じのように共済保険に数十億という一般会計からの援助が出ておるのであります。勿論農業漁業とは同日に論ずることはできないのでありますけれども国民の毎日消費いたしまする不可欠の蛋白食糧を供給するという上から見ますれば、質的には農業食糧も、水産食糧も変らない国民にとつて重要なる食糧供給の問題であります。従いまして、そういつた見地に立ちまするなれば、この零細漁民が一旦災害に遭遇いたしました場合には、再び立上つて水産を維持し、そうして国民の必要とする蛋白食糧を供給することについては、国民が共同の力によつて援助してやるべきではないかと私は考えるのであります。そういう意味におきまして、現行制度を、独立採算主義によるものを根本からこれを捨てまして、国家がこれを援助し、補償するという色彩を加えて行かなければならないと思うのであります。その意味におきまして、先刻水産庁より御説明のありました要綱のうちに、私ども要望する点はかなり取入れられておると思うのであります。私どもは現在水産庁で討議されておる要綱について、ここで賛否を表するわけではありませんが、かなり私ども要望の取入れられておることを衷心より感謝いたすものでありまするが、更に当委員会におかれましては、只今私の申述べますような諸問題につきまして、深く御検討頂きまして、真に多数漁民がその生業を維持し、而も生業を通じて国民に協力できるというために必要なる基本的な制度として、漁船保険制度改革を御討議頂きまするなれば、私ども陳情者としては望外の仕合せと存じておるのであります。今まで本問題につきましては、関係行政官庁並びに国会方面にしばしば請願、陳情の形を以ちまして運動いたしておるのでありまするが、今日に至るもまだ未解決のまま進んでおるのであります。私ども漁船保険経営者でなくして、零細多数漁民立場に立つてこの問題を考えまするなれば、一刻もゆるがせにできないのではないかと私は信ずるのであります。さような意味におきまして、是非とも水産問題について、極めて熱心にまじめに常に取上げ、解決を促進されておりまする参議院常任委員会におかれましては、是非ともこの漁船保険改革が早い機会実現いたしまするように、特別の御配慮と御努力をひたすら懇願いたす次第であります。とりわけこの席でお願い申上げたいのは、勿論水産庁におきましても非常に御努力は頂いておりまするけれども、甚だ失礼な申し分でありまするが、私どもの目から見まするときに、何となく心もとないのであります。相当一般国費の支出を要する関係上、大蔵省において十分なる理解と御協力がなければ実現できない要望であります。つきましては甚だ勝手なお願いでありまするが、委員長のお取計らいによりまして、この参議院水産委員のうちから、適当なかたをお選び頂いて、御検討の結果に基いて強力に大蔵省にこれが実現を図るように取運び頂きまするなれば、私は必ずこの制度実現することを期待いたしておるのであります。陳情者としての希望を申上げ、更にその上に委員会に対しまして、只今のような希望を申入れますることは大変恐縮でありまするが、そこまでやつて頂かないことには、私ども希望陳情を述べましても、なかなかこの制度改革実現しにくいのではないかということをひそかに憂えておる次第であります。どうぞ委員長さん初め委員皆様がたにおかれましては、十二分に御検討を頂き、御検討の結果を是非実現できまするように一層のお取計らいをお願いいたしまして、陳情者としての希望を終る次第であります。どうも有難うございました。
  11. 松浦清一

    理事松浦清一君) どうも御苦労でございましたが、ちよつと記録関係がございますので、細川君に伺つておきたいのですが、只今陳情された趣旨、よく了解をいたしましたが、あなたの立場漁船協会立場からですか、漁船保険組合立場からでしようか。記録関係の都合だけからお伺いいたしますが。
  12. 細川良平

    参考人細川良平君) 両方兼ねるわけでございます。漁船保険協会会長をいたしております。今日この御会合があるというのでお伺いしたわけで、両方の立場でございます。
  13. 松浦清一

    理事松浦清一君) よくわかりました。この機会に御報告を申上げておきますが、只今細川君から縷々述べられた御陳情趣旨とほぼ同様でありますけれども、茨城県の漁船保険組合理事宮原庄助君から「沿岸小型漁船強制加入とすること」、それから「保険料の一部を国家財政において補給し以て加入者保険料低減を期すること」、今までのが一、二であります。三、「附加再保険料を廃止し政府漁船保険事務費全額国庫負担とすること」、四、「異常災害に対する保険金全額国庫負担とすること」、五、「漁船保険組合経費に対する国家補助金を大幅に増額すること」、六、「国営満期保険制度を創設すること」、七、「特殊保険国営とすること」、八、「漁船保険金支払基金を創設すること」、九、「漁業協同組合に対し漁船保険に協力せしむるため適当なる施策を講ずること」、十、「漁船保険中央会の設立を法的に定めこれが事業費として国庫補助金を交付すること」、この十の項目から成りまする陳情書が参つておりまするほかに、大体同様の内容を持つておりまする陳情書が青森県の漁船保険組合、宮崎県の漁船保険組合、佐賀県の漁船保険組合兵庫県の城崎郡にあります但馬漁船保険組合但馬漁業協同組合連合会兵庫板船底曳網漁業協会、これだけから陳情書が参つておりますことを申上げておきます。  何か今までの内容について御質問がございますか。
  14. 青山正一

    青山正一君 この漁船損害補償制度の問題は、すでにいつでしたか、例の韓国なり、中共のあの拿捕された際において外務と水産委員会の席上において、当委員から列席しておりましたところの秋山さんあたりから強力にこれを申入れまして、その際におきまして大蔵省主税局あたりも、これは何とかしなければならんという話合にもなつておりますし、参議院におきましても、殆んど決議同様の形で押し進んでおるわけなんですが、一つそういつた意味合参議院水産委員会もできるだけ水産庁援助を特にして頂きたい、こういうふうに念願するわけでありますが、水産庁にいろいろお伺いしたいと思いますが、この漁船保険特別会計繰入れに要する経費の問題について、大蔵省との折衝相当進んでおるのですか、どうなんですか、その点について承わりたいと思います。
  15. 松任谷健太郎

    説明員松任谷健太郎君) 青山委員からの御質問予算折衝の問題でございまするが、現在御承知のように、二十七年度の予算につきまして、大蔵省で各事項別説明を聞いておるわけでございまして、大体農林省関係は、十日までにその説明を聞いて、二十日過ぎに査定し、内示するというような段取で進んでおるのであります。従いましてこの漁船損害補償制度に関連しての予算につきましても、農林省会計課省議決定を経まして大蔵省に提出され、三日に大蔵省のほうに詳しく御説明をしたのであります。説明いたしました感じといたしましては、大蔵省の大体の意向も聞いて見たわけでございまするが、漸進的にやられたらどうかといつたような御意見もあり、それから国庫負担関係については、なお農業共済制度との関連において検討すべきものがあろうといつたような点であります。それから保険料国庫負担といつたような問題につきましては、なお詳細の説明資料を必要とするというような、或いは二十トン未満で切る根拠といつたような点をもう少し突つ込んで聞きたいというような意向を漏らしているわけでございます。従いまして水産庁といたしましては、そういつたような資料を十分整えまして、更に大蔵省のほうに説明いたしたい。かように思つておるわけでありますが、何分国庫負担額として要求いたしましたものが、全部で二億五千三百万円ほどになつておりまして、相当金額新規に附加えられることになりますと、この予算獲得につきましては、制度改正法律国会御審議と並行いたしまして、各方面の御援助を仰がなければなかなかできないのではないかということを考えておる次第でございます。
  16. 松浦清一

    理事松浦清一君) そうすると、結局現在のところは資料にあります二十九の漁船保険特別会計へ繰入の今御説明なつた二億五千三百万円ですね。これは全部もう駄目だということになりますね。大蔵省は今のところでは……。
  17. 松任谷健太郎

    説明員松任谷健太郎君) それは二十七年度予算としまして説明聴取をやつたことでございます。まだ査定が二十日過ぎでないとないわけであります。従いましてこれが全部駄目だとか、一部認めるということは、現在のところではこちらのほうには言つて来ないのであります。なかなか新規事業は二十七年度にはむずかしいといつたような全般的の情勢でありますから、一層の熱意を以ちましてやりませんと困難であろうと考えておる次第でございます。
  18. 松浦清一

    理事松浦清一君) ほかに何か御質問希望をして置くことはございませんですか。
  19. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 一応これで委員会を閉じまして、あと懇談会にして、御意見があつたら懇談して見たらどうですか。
  20. 松浦清一

    理事松浦清一君) それでよろしうございますか……。それでは漁船損害補償制度要綱並びに要綱の作成の大蔵省との折衝経過に関する御報告を承わる点はこれで打切りたいと思います。   —————————————
  21. 松浦清一

    理事松浦清一君) 前の委員会から残されておりますのは、二十六年度の補正予算について資料を求めておつたのですが、資料が参つておりますから、御質問ございましたらお願いいたします。
  22. 松任谷健太郎

    説明員松任谷健太郎君) ちよつとその前に説明さして頂きたいと思います。お手許にございまする二十六年度補正予算復活要求額目録というのがございますが、それは資料を作りました当時におきまして大蔵省の第一次査定があり、それの復活要求中だつた関係もございまするので、その復活要求の形の資料として作りましたものでございますが、その後大体大蔵省折衝いたしました結果、予算内容と申しまするか、金額が内定した部面がございまするので、その点だけを御報告申上げたいと思います。  先ず第一に漁業制度改革関係、これは大蔵省の第一次査定通りであります。四十と書いてございます漁業制度改革とこうありますが、これは当初要求額大蔵省査定額、第二次要求額とありますのは、復活要求のことでございます。その後の情勢はこれは復活を認められませんで、三十四万八千円ということにきまつたのであります。有明事務局事務費、旅費の関係、それから四十一の漁業制度改革内水面、これもその後の情勢大蔵省査定通りでございます。これは内容寒冷地手当石炭手当だけのものでございますから、一般並に削られたのでございます。これはゼロになつたわけでございます。それから四十二の水産業協同組合指導監督、これも復活をいたしましたのは人の関係でございましたので、それはやはり認められませんで、大蔵省の第一次の査定通り金額なつておるのであります。それから四十三の漁業協同組合及び同連合会再建整備関係でございますが、これは復活をしましたのが、人の問題の金額でございまして、数字はミス・プリントではないかと思いますので、これはあとで訂正いたします。これもやはり人を要求しましたが、その人の問題を補正予算で取上げないという原則でございますので、大蔵省査定通りで、これはいわゆる増資奨励金利子補給金金額が認められておるわけであります。事務費関係予備費から出すことになつておるのであります。それから四十四の漁船の管理及び改善、これは大蔵省の第一次査定数字流用承認ということで、節約戻しみたいな形で流用が許される。こういうことでございます。それからこれも復活要求額というものはないのであります。それから四十五の漁船乗組員養成事業、これもその後復活要求をいたしましたが、補正はやめて二十七年、二十八年でやるといつたようなことになつておるわけであります。それから四十六の小型底曳網漁業減船整理及び指導調整、これが水産庁資料で備考の欄に括弧して三億八千四百余万、こう書いてございまするが、これが二億五百七十八万円という金額が認められておるわけでございます。これはただ船隻数が多少減少いたしまして、瀬戸内を中心にして整理するという体制と、それから単価の点につきまして多少減額されたといつたようなこと、或いは隻数の点で多少要求よりも下廻つておるということで、金額の枠が決定されたのでございます。それから次の四十七のバツチ網漁業整備でございますが、これは括弧して三百四十と、こう書いてございますが、大体内示を受けておりますのは二千万円ということになつております。これは広島の安芸海区における綱曳網整備の問題でございます。それから四十八の「さんま」漁業整備及び旋網漁業整備、これは大蔵省査定通りで、やはり認められなかつたのでございます。但し「さんま」の漁期決定の基礎調査に使います燃油の問題でございます。それから旅費の問題につきましては、その他の予算の中で打上げて見ようというような約束になつております。それから四十九番の小型底曳網漁業取締強化、これは小型底曳の取締のために取締船を要求しておつたのでございますが、今の内示は建造が一隻で、それから傭船が三隻ということで認められまして、その金額も三千四百五十万四千円という金額が内示を受けているわけであります。それから沖合漁業取締並指導調整関係、これは傭船が二隻認められているわけでありまして、この金額も七百六十八万六千円というものが内示を受けている次第であります。それから新造につきましては、これは大蔵省の第一次査定通りであります。それから、五十二の海産物商品取引所につきましても、これも流用で第一次査定額と同額が認められております。それから五十三の海洋漁業対策委員会につきましては、百六万五千円というのが流用承認の形で認められておるわけであります。それから五十四の国際捕鯨漁業条約加入これも流用承認で第一次査定金額が認められているわけであります。あとは全部駄目だつたのであります。それで流用承認と、それから新規復活いたして認められたものとを全部統計いたしますと、約五億六百万円程度になるわけでございます。十五億七千万円の要求に対しまして五億六百万円が大体まあ内示されたという形になつているのであります。勿論予算の確定につきましては、今度の臨時国会で御審議に相成ると思いますが、現在までの経過を申上げますと、事務的にはそういう段階になつております。
  23. 松浦清一

    理事松浦清一君) 御質問ございますか……。ちよつと私から伺いますが、資料の備考欄のところの括弧の中の数字と、今あなたの御説明された数字ちよつと食い違いのあるところがございますね。
  24. 松任谷健太郎

    説明員松任谷健太郎君) これは備考欄の括弧の数字は……。
  25. 松浦清一

    理事松浦清一君) 別にこれは考えんでいいわけですか。
  26. 松任谷健太郎

    説明員松任谷健太郎君) ええ、これは別に考えんで頂いたほうが結構だと思いますが、これは資料を作りました段階におきまして、最低限度の要求額としてぎりぎりに来た場合に出しました水産庁要求でございます。
  27. 松浦清一

    理事松浦清一君) 五十の沖合漁業取締並びに指導調整の七百何万と言つたのは、ちよつと聞きそこなつたのですが、もう一度おつしやつて下さいませんか。
  28. 松任谷健太郎

    説明員松任谷健太郎君) 沖合漁業取締並びに指導調整は七百六十八万六千円でありまして、傭船が二隻認められたということになつております。
  29. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 建造は……。
  30. 松任谷健太郎

    説明員松任谷健太郎君) 沖合につきましては建造はありません。
  31. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 その上の四十九は三千四百幾らですか。
  32. 松任谷健太郎

    説明員松任谷健太郎君) 三千四百五十万四千円でございます。
  33. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 これは傭船と新船とあるわけですか。
  34. 松任谷健太郎

    説明員松任谷健太郎君) そうでございます。一隻が建造でございまして、あとの三隻が傭船になつているわけであります。建造は五十トン、二百五十馬力……。
  35. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 五十トンですか。
  36. 松任谷健太郎

    説明員松任谷健太郎君) そういう内容なつております。
  37. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 五十トンで、二百馬力ですか。
  38. 松任谷健太郎

    説明員松任谷健太郎君) 二百五十馬力であります。
  39. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 五十七の漁船保険特別会計へ繰入の三千万円というのは、ここに頂きましたさつきの説明の中にあつたあの三千万円ですか。
  40. 松任谷健太郎

    説明員松任谷健太郎君) そうでございます。
  41. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 そうすると、ここに一番下にある特としてあるやつは、これは五千三百六十万円というのは認められないのですか。
  42. 伊藤茂

    説明員伊藤茂君) これは特別会計として、そのまま漁業者支払保険料を受入れて、それを今度使つてよろしいという、これは損得なしであります。ただ枠だけであります。
  43. 岡尊信

    専門員(岡尊信君) 水産研究所は認められたのですか。
  44. 松任谷健太郎

    説明員松任谷健太郎君) 水産研究所は認められませんでした。この内容は調査船の修繕費であります。
  45. 松浦清一

    理事松浦清一君) そうしますと、この資料経過的な資料で、今日までのいろいろのところの……。最終的資料ではないことになりますね。
  46. 松任谷健太郎

    説明員松任谷健太郎君) そうでございます。
  47. 松浦清一

    理事松浦清一君) 今説明をされた数字と、大蔵省査定額の欄との数字は大分違つておりますが、この第一次査定のところからは大分進んで来たわけですね。
  48. 松任谷健太郎

    説明員松任谷健太郎君) そうでございます。
  49. 松浦清一

    理事松浦清一君) なおこれは続行中でございますか、大体……。
  50. 松任谷健太郎

    説明員松任谷健太郎君) 事務的には一応打切りの形になつております。
  51. 松浦清一

    理事松浦清一君) もう御質問ございませんか……。それでは本日の委員会はこれを以て散会いたします。    午後三時十八分散会  出席者は左の通り    理事            松浦 清一君    委員            秋山俊一郎君            青山 正一君            佐藤 尚武君            玉柳  實君   事務局側    常任委員会専門    員       岡  尊信君    常任委員会専門    員       林  達磨君   説明員   水産庁漁政部長 松任谷健太郎君    水産庁漁船保険    課長      伊藤  茂君   参考人    山口県遠洋漁船    保険組合長漁船   保険協会副会長  細川 良平君