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1951-10-09 第11回国会 参議院 厚生委員会 閉会後第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十月九日(火曜日)    午後一時二十七分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○小委員長報告社会保障制度に関する調査の件  (調査報告書に関する件)   —————————————
  2. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) 只今から厚生委員会を開きます。各小委員長から休会中の継続審議なつております報告を頂きたいと思います。癩に関する小委員会の件についてお願いします。
  3. 谷口弥三郎

    谷口弥三郎君 癩に関する小委員会経過を御報告申上げます。この十月五日に第一回の小委員会を開催いたしまして、その際癩予防の現況と二十七年度の概算予算案につきまして説明を聞きますと同時に、併せて貞明皇后様の記念救癩事業説明を聴取したのでございます。その概略は、先ず第一番に推定癩患者総数は一万五千人ほどになつております。二十六年の六月現在の収容癩患者数は九千百八十七人でございまして、未収容患者がなお五千七百五十五人ほどおるのでございます。現在の収容病床数は一万一千床ほどございまして、患者総数に比較いたしますとなお四千床ほど不足しておるような現状でございます。従つてこれに対しまして二カ年計画で毎年二千ずつ四千の増床計画をして患者を完全に収容することに努めるということでございました。第二に貞明皇后様の記念救癩事業は御遺金を中核といたしまして、八月二十日に募金委員会が結成されたのでございます。募金目標額は二億二千万円ほどになつております。募金の方法は各都道府県の知事に任しておりますが、街頭募金は原則としてやらんというので、財界と一般国民に折半いたしまして割当てて募金をする。なお事業財団法人癩予防協会がすることになります。その内容は、国の行います事業以外のいわゆる未感染児童の保育とか、未感染子弟職業補導とか、未感染家族養老者に対する援護患者家族に対する法外の援護患者の慰安並びに救癩思想の普及、そのほか必要なる事業に充てることになつておるそうであります。予算関係は省略いたしますが、政府説明に対しまして各委員からそれぞれ質疑応答がございました。その主なもののうちに、癩の国立研究所の設置につきまして、現今科学の進歩しました今日でもなお癩の研究は単に医学のみにとどまつておるような状況でありますが、これでは解決が困難でありますので、広く理学、農芸化学、工学、生化学、薬学など他の部面の協力の下に総合研究に待つのでないと飛躍することができないと同時に、研究対象とするところの患者の多数集まつておる場所においてやることが必要でありますので、大学、又は研究所が近くにあるという場所、例えば東京熊本、青森のいずれかを考えているとの説明でございました。それに対しまして地理的に見ますと、日本では癩の最も濃厚地方はやはり暑い所で、いわゆる南九州が適当でないか。殊に熊本恵楓園全国一の病床を持つておりまするし、尚全国いずれの療養所にもないところの刑務所が今回設置せられておりますし、その上八百坪に及びますところの立派な研究室を持つておりますので、早速国立研究所として利用することができるのでありますから、これを利用しては如何との小委員長から質問をいたしましたところが、その点は十分考慮しているとの説明がありました。次に癩患者強制収容については、政府説明では現行法強制収容が可能であるという観点からいたしまして、法の改正の必要はなかろうというように言つております。なお又収容につきまして秘密保持のために生活保護法の一部改正がいわれておるが、それに対して適切な措置を考えておるかという質問に対しましては、別にそれは考えておらん、併し今後なお十分研究したいということでございました。  そのほか詳細は省略しますが、種々質疑の後に閉会いたしましたが、今後なお研究調査審議を要しますので、結論には至りませなんだが、以上一応経過を御報告する次第であります。   —————————————
  4. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) 次に遺族援護に関する小委員会経過の御報告を願いたいと思います。
  5. 山下義信

    山下義信君 遺族援護に関する小委員会経過につきまして御報告申上げます。小委員会は本月六日に開会いたしまして、政府担当事務当局田辺援護局長松本厚生省更生課長、並びに関係官から意見を聴取し、種々委員との間に質疑応答を交したのでございますが、委員会におきましてこの問題に関しまする討議の中心となりまする問題といたしましては、第一点は本対策は如何なる理念を持つて行わんとするかという問題でございます。即ち遺族援護ということは戦争犠牲者に対して国家がその損害に対して補償するという考え方で行くか、或いは戦争犠牲者遺族生活保障するという考え方で行くか、或いは又極端に申しますと遺族生活の困難な人々に対して国の保護を与えるというのであるかという、遺族援護に対しまする理念は如何なる理念に立つかという問題でございます。国家が生命、身体損害に対して補償するという考え方になりますると保護内容が自然変つて参るのであります。生活保障をして行こうという考え方になりますると、おのずからその他の生活保障の諸般の制度とバランスの関係がございます。又生活困難の遺族保護するという理念に立つということになりますれば、これは恐らく一般遺族方々が到底受入れることのできない考え方であろう、こういうことでございまして、本対策に対しまする理念というものをどういうふうに持つて行くかということはこれは対策の全般を通じての構想影響があるのでありますから、十分検討を必要とする次第でございます。  なお第二点といたしましては、本対策対象範囲はどうするかということでございまして結局問題の中心は軍人、軍属に限るか、一般人をこの対象に包含するかという問題になると思います。又戦争犠牲者、即ち戦傷病死というものを場所、或いは時期、或いは如何なる状態のもとに犠牲なつたかとふうような点等をどういう範囲で規定するかということによりまして、対象範囲が増減をして参るわけでございます。  第三点といたしましてはその援護内容をどういう程度にするかという点でございまして、いろいろこれに関しましても考え方が種々あるのではないかと考えられるのでございます。  第四点といたしましては、本対策実施して参りまする上におきまして、その目的を達成いたしまするために必然的に生じて参りまする技術的な実施上の問題でございますが、例えば生活困窮者世帯取扱をどうするか、現行の諸法規との関連性をどう持つて行くかという点でございます。現に療養中の者はどういうふうな扱い方にして行くか、或いは又すでに治癒して一定の傷害を持つているところの身体傷害者戦傷病者に対してはその取扱をどうして行くかというような現行法規との調整の問題でございます。  第五点といたしましては、本対策管理機構というものは、中央地方を通じてどういうふうにして行くか、なお本対策運営等につきましても種々問題があろうかと考えるのでございます。これらの遺族援護対策につきましては、すでに衆参両院とも前国会以来厚生委員会或いは小委員会等におきまして、論議検討を加えられて参つておるのでございますが、なお政府におきましては、本問題につきまして相当の熱意を持つて今日まで研究調査を重ねて参つておるのでありますが、併しながら今日なお我々に対しましても政府の原案ともいうべきものを説明いたしまする段階には至つておりません。政府はこの問題の取扱は極めて国際関係に微妙な影響を与えるので、慎重なる取扱をなさなければならんと主張いたして参つておりまして、私どもも全く同感でございまして、本問題の取扱につきましては、政府の意に副いまして我々といたしましても、対外的に不測の影響を与えないように慎重な取扱をして参つたのでございます。例えば賠償関係等にも微妙な影響を与えることを慎重に考慮いたして参つたのでございます。併しながら最近におきましては、すでに講和条約の調印以来政府におきましても或いは公式、非公式にかなり具体的な意見を発表する向があるやに見受けられるのでございます。最近の新聞紙上におきましては厚生当局の談といたしまして、かなり具体的な政府構想新聞紙上に発表いたしております模様でございます。果してそれらの考えが政府案としてまとまつたものか、或いは政府が公式に報道機関に発表いたしまたものか、これを未だ確めるいとまはございませんけれども、そういうようなふうにだんだんなつておりますことは事実でございます。又一面内閣に設置せられてありまする社会保障制度審議会におきましては、遺族援護に関しまする特別委員会を持たれまして御研究模様でございまするので、本問題につきましては漸次各方面ども具体的な意見が発表せられる時期が迫つて参つておりまする模様でございます。すでに政府におきましては本年度補正予算に一億円を計上いたしまして、援護に関する調査実施する計画模様でございます。従いまして小委員会といたしましては、殊に委員会の中にはこの方面につきまして従来非常に密接な関係をお持ちになつておられる委員の方もお出になりまして、いろいろ本問題の進捗につきましては非常に御尽力のことであろうと存じておりまするので、そういう委員方々の御意見等も十分重視いたしまして、参議院の厚生委員会といたしましては、遺族援護に対しまするこの問題に関する具体的な所見のとりまとめをいたさなければならん段階ではないかと考えるのでございます。たまたまそういう段階になりましたときに国会終了期と相成りましたので、いずれ次期国会に継続いたしまして、本問題の調査に当るべきではないかと考えております。従いまして本小委員会といたしましては未だ結論には到達いたさなかつたのでございます。  以上御報告申上げる次第でございます。   —————————————
  6. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) 次は結核予防に関する小委員会委員長の御報告をお願いいたします。
  7. 藤森眞治

    藤森眞治君 結核予防に関する小委員会経過を御報告申上げます。  十月八日に小委員会を開きまして、公衆衛生局長結核予防課長から第十国会において改正されました結核予防法実施状況を聴取いたしまして続いて明年度概算予算内容説明を聴取いたしました。続いてBCGの問題を始めその他一般問題について質疑応答行つたのでありまするが、なおこの結核問題につきましては、将来に残された点がたくさんありまするので、調査未了のままで一先ず御報告申上げる次第でございます。   —————————————
  8. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) 次は保険経済に関する小委員会の御報告中山さんにお願いいたします。
  9. 中山壽彦

    中山壽彦君 保険経済に関する小委員会経過を御報告申上げます。  保険経済に関する小委員会は昨八日に開催をいたしました。診療担当者側代表として日本医師会篠原静夫萩原松治の両君、被保険者側代表として産別保健部長吉田秀夫君、総評福祉対策部長矢田勝士君、以上四名の出頭を求めまして、保険経済の実状特に一点単価の問題、国庫補助の問題、税金の問題等々につきまして詳細の説明を聴取し、後に熱心に各委員質疑応答を交わされたのであります。小委員会といたしましては、まだ結論に達しませんが以上簡単に御報告を申上げます。   —————————————
  10. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) 次は看護に関する小委員会の御報告を願いたいのですが、小委員長藤原さんが間もなくお見えになるそうですから……。速記をやめて下さい。    〔速記中止
  11. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) 速記を初めて下さい。看護に関する小委員会の御報告を願います。
  12. 藤原道子

    藤原道子君 本小委員会は九月十二日六名の小委員を設けて、私が小委員長に選ばれまして当日第一回の小委員会を開催いたしました。  保健婦助産婦看護婦法改正後における法の実施状況につき医務局久下次長金子看護課長より説明を聴取いたしたのであります。本小委員会審議中明らかになつた諸点並びに今後研究を要する論点は左の通りでございます。  一、保健婦助産婦国家試験について。この点につきましては臨時国会において法律改正される場合をも予想勘案いたしまして、政府においては十二月の八日、九日施行のこととなつておるので、今後なお検討を加えた上法律改正の必要があると考えられます。  第二点は所属の既得権者保健婦助産婦看護婦認定講習の廃止並びにそれに従つて起る国家登録の切替については今後なお研究検討を加えた上法律改正の必要があると考えられますので、以上につきまして本委員会においてはなお調査研究を行う必要があるので、次期国会において引続き小委員会を設置し、調査を継続することとなつたわけでございます。以上簡単でございますが御報告いたします。   —————————————
  13. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) 只今もお聞きの通り五つ委員会社会保障制度に関する調査の重要な委員会でありまして、第十一回国会以来継続して閉会中も調査して参つたのでありますが、未だ調査が完了しておりませんのは御存じの通りでありますので、未了報告書を提出することにして、文案の作成その他の手続は委員長に御一任願いた、と存じますが御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) 御異議ないものと認めて決定いたします。  この調査報告書には多数意見者署名を附することになつておりまするので、順次御署名を願いたいと存じます。   多数意見者署名     山下 義信  藤森 眞治     谷口弥三郎  藤原 道子     井上なつゑ  長島 銀藏     中山 壽彦  有馬 英二     石原幹市郎  松原 一彦
  15. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) 御署名漏れはございませんか……。ないものと認めます。  次の本調査は本期国会開会中においても強力にやつて行きたいと思いますので、明日これに対する打合会を、或いは委員会を開いてお打合せを願いたい、こう思うことは、先ほど藤原さんお見えになりませんでしたが、先ほどそういうことに話合がつきましたので確認をしておきます。本日はこれで散会いたします。    午後一時五十九分散会  出席者は左の通り。    委員長     梅津 錦一君    理事            井上なつゑ君            有馬 英二君    委員            石原幹市郎君            中山 壽彦君            長島 銀藏君            藤原 道子君            山下 義信君            藤森 眞治君            谷口弥三郎君            松原 一彦君   事務局側    常任委員会専門    員       草間 弘司君    常任委員会専門    員       多田 仁己君