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1951-09-12 第11回国会 参議院 厚生委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年九月十二日(水曜日)    午前十時四十九分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○小委員会設置の件 ○社会保障制度に関する調査の件  (厚生省関係補正予算に関する件)  (児童給食問題に関する件)  (社会保険経済に関する件)  (遺族援護に関する件)  (癩予防事業に関する件) ○議員派遣要求の件 ○小委員の選任の件   —————————————
  2. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) これから委員会を開きます。今日の議題は公報にいろいろ載せてありますが、それに先立つて、只今懇談会議題になりました小委員会設置の件を最初議題にいたしますか、或いは今日の案件が済んだ後にこれを議題にいたしましようか、いずれにいたしましようか、御意見を伺いたいと思います。
  3. 藤森眞治

    藤森眞治君 もう大体懇談会で設置するという意見に皆さん御賛成のことと思うのですが、あなたから御提案願つたら如何ですか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
  4. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) それではそういう御意見がありますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) それでは議事法に基きまして、小委員会を設置することに対しまして御同意がありましたから、設置するということを決定いたしまして、いずれの委員会を設置するかにつきまして御意見を承わりたいと思います。
  6. 藤森眞治

    藤森眞治君 遺族の問題と社会保険結核と癩と、これだけが前から続いておりまして、少くともこの四つを取上げて頂きたいと思います。まだどなたかほかに御意見がありますれば……。
  7. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) 只今そういう御意見がありましたが、ほかに御意見ございますか。
  8. 井上なつゑ

    井上なつゑ君 保健婦看護婦助産婦の法規と待遇の改善の委員会が前にもございましたが、これも続いてやつて頂きたいと思います。
  9. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) 只今助産婦の小委員会という御意見がございますが。
  10. 藤森眞治

    藤森眞治君 私先ほど社会保険と申しましたが、前から保険経済ということをやつておりましたので、保険経済ということに御訂正願いたいと思います。
  11. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) 只今保険経済ということに訂正がありました。井上さんの御意見に対してはどうでしようか。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  12. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) 賛成のかたもありますが、如何ですか……。それでは看護に関する件ですが、これを入れまして、以上五つになりましたが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) それでは以上五つ委員会を小委員会として継続調査をすることに決定いたします。小委員の数並びに委員に対する件はどういたしましようか。
  14. 山下義信

    山下義信君 懇談会で大体まあ御意見も一致しましたように、従来からそれらの問題について熱心に御調査を願つたので、大体において前任の委員委員長から御指名願う、更に御希望委員があつたならば、適宜委員長においてお取計らい願うと、こういうことで委員長指名に御一任いたしたいと思います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
  15. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) では御異議がないようですから、そういたしまして、今前回の記録等調査いたしまして、後刻申上げることで御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) ではそういうふうに決定いたします。   —————————————
  17. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) 続きまして、本日の議題なつております社会保障制度に関する調査案件でございますが、先ず最初に第十二国会に予定されている補正予算の件について、これを議題にいたします。では厚生省政府委員のほうから一応経過を御報告願うことにいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) なければ、御報告願います。
  19. 太宰博邦

    説明員太宰博邦君) 只今議題になりました次の臨時国会におきまする補正予算、これの現在の進行状況を御報告申上げます。  只今段階は、私のほうから要求いたしまして、極めて事務的なものにつきまして相談を進めておる段階でございます。いわゆる米価の問題というような大きなものはなお未決定でございまして、これが決定いたしますると、厚生省予算につきましては、病院療養所とか、或いは各種保護施設などにおきまして、相当大きな狂いが出て来るかと存じますが、あらかじめその点御了解を得ておきます。で、そこに差上げました二十六年度補正予算重要事項要求書と、まあ一応項目としてまとめて御報告申上げるようなものをここに出したのでございますが、先ず第一が国民公園維持管理に必要な経費千三百三十四万円要求してございます。それから備考のほうをちよつと目を通して頂きますと、大体新宿御苑皇居前の外苑、こういうものの維持整備というものが主な内容でございまして、大体皇居前のほうを見ましても、街燈がなお足りない。或いは松などは病虫害にかかつておりまして、これは明年度まで捨て置きがたい。或いは砂利などがもう大分手を入れませんものでありまするから、砂利をなお敷き直さなければいけない。芝生ども苅らねばならん。こういうような問題がございます。新宿御苑のほうにつきましても、芝生手入れとか、或いは温室などが傷んでおりまするので、これも手入れをしなければならんというようなことで、いろいろ御注意なり御批判を頂いておりまするこういう国民公園につきまして、まあそれが国民公園たるにふさわしいものに少し整備しなければならない。そのうち緊急捨ておきがたいものだけを計上いたした次第でございます。なおこれと同時に現在の新宿御苑の入苑料が、大人が二十円、小供が十円になつておりますが、なおそれを若干値上げして、大体三十円ほどに大人がなるかと存じますが、そういうふうなものが並行して話が進められてございます。  それから二番目の世界保健機関加盟に伴う経費八百九十二万三千円、金額としては僅かでございますが、これはWHOに日本が加盟いたしますと、これは先般前の黒川厚生大臣が参りまして、正式に加盟いたしたのでございますが、それに伴いまして、加盟国といたしまして、向うのいろいろな書籍、図書をやはり購入しなければならない義理合いになります。同時にこちらからも日本の国内の、例えば法律というものはどんなものがあるとか、或いはどういう行政の成績を挙げているかというようなことにつきまして、こちらからそのデータ、資料を向うに送るというような義務も伴います。又各種伝染病発生状況などをやはり定期的にその発生のあるなしにかかわらず報告しなければならんというような各種義務的なもの、乃至は附合いとして必要なものというような経費がかかるものでございますから、さようなのを取りまとめまして、ここに要求いたしたわけでございます。  それから三番目、これは少し長うございますが、伝染病予防費結核予防費癩予防費精神衛生事業費補助に必要な経費、この只今申しました四つのものは、いずれも義務補助なつておりまして、地方で以てかかりました経費を査定いたしまして、それに政府が一定の法律できめられた補助率を以てこの清算をしなければならない筋合のものばかりでございます。これを併せまして六億三千五百九十九万円ございます。内訳は右のほうをずつとお読み頂きまして、都道府県の支出に対し法律義務づけられている補助費、(1)が伝染病予防費、これは特に今年度赤痢が非常に猖獗を極めて参りまして当初の予算五億二千九百万円でございまするが、その中で予定しておりました患者の員数に比較いたしまして、どうも発生予想数が相当大幅に殖えておるような見込みでございますので、その点につきまして、一応大蔵省のほうへこれを要求したのでございます。その額が三億四千七百十六万四千円。それからその次の結核予防費、これは一億四千九十二万四千円、これは今年の当初予算の中に当然含まれておるのでございますが、その後の物価騰貴に伴いまして、主として結核予防のほうの健康診断、それから予防接種、そういう面におきまする薬品その他が値上りのための単価増、それに伴います負担分でございます。それから三番目の癩予防費、これが一千七十万円ほどでございます。これは患者の増加と申しますのは、私立癩療養所が大体その実績によりまして、当初予算におきまして、ベツドの定数が二百三十ベツドというので予算を組んでおるのでございますが、最近の状況を見ますと、いろいろ療養所のほうで工夫いたしまして、現実に二百八十ベツドほど維持しておりますのがわかりましたので、それの差引不足分をどうしてもこれは今年度で見てやらねばいけない、それが一つでございます。もう一つは、ちよつとそこに誤植がございまして、特殊治療費とございますが、対症治療費でございます。これは何かと申しますと、この療養所は御承知通り癩患者人々の居住の世界でございまして、そこに生活せられております限りは、単に癩の病気に苦しめられるばかりでなしに、その他我々と同様風邪をひく人もございますし、結核にかかることもあり、又盲腸炎になるというような各種の疾病がやはり伴つて発生するのであります。それに対しまして、従来の予算では極めて僅かなものしか見ておりません。これはどうしてもその他のやりくりでは済まされないというようなことになつて参りました。而も来年度予算を待つことができないほど窮迫しておりますので、その対症治療費というようなものを含めまして、そこに要求いたした次第であります。それから四番目の精神衛生対策事業費一億三千七百十五万九千円、この二十五年度不足分と申しますのは、約三千六百万円ほどございますが、これはすでに過去の年度支出が終りまして、決算の段階に入つておるわけであります。それの不足分清算でございます。それから二十六年度不足分と申しますのは、例の措置入院をいたします関係経費が約一億ほど不足してございます。これはやはり一点単価の問題が当初十円三十銭、ほかの療養所と同様に全国平均十円三十銭で組んでございますが、現実精神関係療養所は場所がきまつておりますので、現実に個々のものを取上げて計算して見ますると、やはりこれが十円三十銭の全国平均ではいけない。十円五十銭になるんだというものが、細かいことになりますが、さような実績現実にとりました結果、当初のあれを改訂せられたような関係もございます。又完全給食という問題が起つておりますので、一日の入院の点数を二十七点でありますものを二十八点と、一点殖やさなければならないというような問題もございます。又この実費本人で負担できます場合は本人に負担させるというその実費徴収率が、従来の実績から見ますと、当初予算の比率では非常に低いというようなことも出ております。さようなものを引つくるめまして、二十六年度では一億円ほど不足するであろうということで、これを出しておるわけでございます。尤もこの四つの中には先ほど申上げましたように、いわゆる清算補助筋合でございまするから、あながち只今直ちにこの予算に計上せられておかねばならないという筋合のものでもないものもございます。従いまして、この点はなお向うとこの際直ちにきめておかなくとも、一応こういう要求があるということを向うに話をしておく必要もあるという意味も含めて要求しておるのでございます。  それから次の4、検疫所の運営に必要な経費一億二千三百万三千円、これは先般司令部のほうから、日本におきまする現在の外国船が入り得ることができます港、当然そういう所に検疫所が附設されておりますが、それが十七ヵ所でございましたか、現在あるわけでございますが、その港を一つ殖やしてもらいたいという要望日本政府にございまして、通産省と厚生省、それから大蔵省というようなところが主となりまして、相談をいたしたのでございます。ここにございまするのは十カ所、向うから大体殖やしてくれという所が十カ所ほど来ておりまするので、それをもし全部開くといたしますれば、これだけかかるだろうというので要求しておるのでございます。大体只今お話の模様では十カ所全部は無理であるというので、取りあえず五カ所ぐらいに一つとどめておこうではないかというような大体話合いに現在は相成つております。  それから五番目の国立療養所災害復旧に必要な経費二千六百八十八万九千円、これは先般、この春の災害、それから前年度災害等によりまして、国立療養所が、又西の方が主として被害をこうむりまして、ただでさえ傷んでおりまする療養所でございまするので、捨て置きがたく、今年のうちにこれを整備する必要があるというので要求しておる筋合いでございます。只今進行状況では、これはほかのいろいろな災害経費が嵩んでおりまするので、なおそういうものと睨み合わせて相談をしようという段階にしかまだ入つておりません。  それから六番目のララ救援物資の処理に必要な経費六千三百二十四万八千円でございます。これはララ物資が今年の六月一杯で内容に変更がございまして、と申しまするのは、それ以後は若し欲しいならば、その欲しい国の政府アメリカからの海上運賃を負担してもらいたいと、こういうことに相成つたのでございます。それで私どものほうでいろいろ相談いたしました結果、今直ちにこれをやめるというようなことが是か非かというようなことをいろいろ考えたのでございまするが、大体只今のところは一応今年度海上運賃日本政府が負担しても、計画だけのもの……、もうすでに向うとしても手筈のきまつたものを、これを入れるということにしようではないかというような段階にまで来てございまして、大体三百五十トン分のものが、今年なおそういうような手続きで入るというような考慮から、その分の海上輸送賃をそれに、まあ大体もう少し下廻ると思いまするが、見ようじやないかというようなところまで事務的には話が行つてございます。  それから七番目の児童保護補助金に必要な経費九億八千七百四十七万八千円、これはもう申上げるまでもなく、前々からいろいろ御鞭撻頂いております例の児童保護費平衡交付金に入つておりますために非常に遺憾な点が多いので、これを是非この補助金に戻してもらいたいという私ども希望の現われでございまして、これは当初予算の際にもいろいろ御支援を頂いたにもかかわりませず、遂に力及ばず実現しなかつたのでございます。  なおこのたび補正予算が組まれるというので、或いはそこで平衡交付金が殖えまするならば、一つその機会に更に一段と努力して見たいという気持で、ここに要求しておるようなことでございます。只今までの進行状況は事務的な問題といたしましては、どうも壁にぶつつけたような段階でございます。  それから八番目の引揚者住宅整備に必要な経費二億九千九百七十七万五千円、これは御承知引揚者が非常にどつと帰つて参りましたために、十分なる手当ができぬままに、旧軍の兵舎であるとかというようなところに押込めまして、そのまま今日に至つておる。で、なかなかこれの整備というようなものが思うように行かないような段階でございますが、最近大蔵省とも話合いが付きまして逐次その方向に歩を進めてございますが、これも現在の段階におきましては、まあ大体補正のほうではなしに、いわゆる流用と申しますか、政府部内だけの話合わせで相当大幅な費用を認めて、ここ一両年の間にこの引揚者の住宅問題を何とかして解決したいという方向に話が進んでおるようなことで、これは相当明るい見通しを持つております。金額も或いは五億前後にまで行くのじやないかと、まあ私の感じでございますが、そういうふうに考えております。  それから最後の更生資金貸付に必要な経費三億二千八百余万円、これは上と並べまして、引揚者中心にいたしまして、その他の未亡人、生活困窮者人々生業資金を貸付けまして、その自力更生を助けるという経費でございます。そこに書いておりまするように、各種地方要望を取りまとめまして、どうしてもこれだけ要るのじやないかと思われるのが九億八千八百万円、それから現在までに手当できました分六億六千万円を引きますと、三億二千八百万円が足りない。こういうような問題が出ておりますので、これを要求いたしたのでありまするが、これは昨年の例から見ましても、やはりこの補正予算で非常に実現が困難な問題でありまして、私どももこれは或いはむずかしいのじやないかというような危惧の念を抱くわけでございます。大体一般予算につきまして、主なものを申上げますると、さようなわけであります。合わせまして二十四億八千六百九万円ほどでございます。  なお特別会計、これは刷つて差上げてございませんが、内容は大体極めて事務的なものでございまして、保険のほうはこのカードの書換えの費用とかいうような非常に事務的なものでございます。それからもう一つ病院特別会計がございますが、これは最初ちよつと申上げましたように、主として米価値上りというようなことを中心にいたしまして病院におきまする患者費というものの不足分要求でございます。それからこの病院特別会計が前年に二億一千万円ほどいわゆる剰余金というものを出して積立金に編入せられておりまするので、病院のこのぽろぽろのやつをそのうちから一部でも出して、一つ整備したいというようなものでございますが、こういうような大きな問題はまだ決定と申しますか、相談の余地が多分に残つておるような始末でございます。  簡単でございましたが、現在の状況を御報告申上げました。
  20. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) 只今太宰会計課長から補正予算に対する御説明がありましたが、御質疑がありました、ら。
  21. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 補正予算並びに二十七年度予算をいわゆる準備されていることと思うのでありまするが、それらに関連して二、三伺つて見たいと思います。この第一の国民公園維持管理について、まあ予算要求されておりまするが、この新宿御苑とか、皇居外苑のこういうものの維持管理の形態につきまして、厚生省が直接やつているのがいいか、或いは東京あたりに任してしまつたほうがいいのじやないか、いろいろ意見が出て研究されておるのでありますが、私は現状を見てこういうものは厚生省で直接やるより、むしろ東京あたりに任して東京都であれば、警視庁その他との連繋も非常にこれはよく緊密に行くものと思うのでありまして、私としてはむしろそういう考えを持つておるのでありまするが、厚生省ではこういうことについて1今日まで何か検討されておるかどうか、どなたからでも結構です。
  22. 太宰博邦

    説明員太宰博邦君) 実は主管国立公園部長でございます。私から御返事するのはどうかと思つておりますが一議私ども蚕からいろいろ伺つておりまするところから推定いたしまして厚生省といたしましては、二十二年の閣議決定がございまして、これは一つ国が直接管理するということになりました。で、それはいろいろその際には只今お話のようなことも考慮に入れて慎重に検討した上の閣議決定だと私承わつております。それで現在やはりそういう面につきましては変更する気持はない、国がやるのが適当じやないか、外国の例に見ましても、何か私は存じませんが、アメリカのワシントンの公園或いはパリの何とか、ヴェルサイユ宮殿公園はやはり国が直接、特殊なものは国がやつている例が多いそうであります。さような点からいたして、国が直接管理するのが適当じやないか。ただ遺憾ながら予算が足らん、その他の関係上、管理するならするで、もう少しはつきりせいという御批判を受けるような点がございますのは誠に遺憾でございます。その点は大臣も強い気持を持たれまして、大蔵省あたりとも折衝いたしまして、只今補正予算につきましても、相当大蔵省考慮してくれるのじやないかと思われるふしもございます。さような点で以て国が管理するなら管理するで、それを管理する名にふさわしいだけの手入をして維持して行こうという、こういう方面には今後十分力を尽す、現在さような段階じやないかと思います。
  23. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 これは又改めて主管部長でもお見えになつたときになお伺いたい。それから国立公園のような問題と関連して、只今厚生省はどういうことを考えているかということについてだけ私はちよつと伺つておいて別の機会において根本的な問題を御答弁願いたいと思うのでありまするが、それは国立公園ができてから、一向何らの施設もなく、業をにやして国立公園議員連盟と申しますか、懇談会でも作つてやろうじやないかというような機運も出ておるのでありまするが、誠に国立公園に対する厚生省考え方というものは、ああいうものを作りはしたけれども、何らの育成がない。これはもう膨民の輿論になつておると思います。尤も只今日本経済情勢で、一遍に大きなことを希望することは、これは無理とは思いまするが、補正予算なり、或いは二十七年度予算等で、国立公園等に対して相当な計画を以てかかつておるのかどうかということを一応伺つておきたいと思うのであります。私の考え方気持としては、この際大掛りないろいろの施設は、これは何と申しても外客誘致の最もできる富士、箱根であるとか、東京或いは京阪神を中心としたところにやられることは、これは我慢すると適当であると思うのでありまするが、この僻陳と言いまするか、遠い地方国立公園に対しても何か山小屋の一つでも作るとか、或いは自動車道路までは行かないにしても、ハイキング・コース、歩道のようなものでも整備する費用を出してやるとか、或いは補助する形でもいいと思うのでありまするが、そういうことについて、只今二十七年度予算もいろいろ検討され薫るとき虜呈するが、厚生当局として何か考えておるかどうか、一応承わつておいて又別の機会においてこの問題について詳しく伺いたい。
  24. 太宰博邦

    説明員太宰博邦君) 二十七年度につきましては、現在大蔵省と事務的な話をしております。又こちらにも御報告しようと思いまして、今数字の取りまとめをしております。いずれ機会を見まして申上げるときもあるかと存じますが、数字もちよつと今持つておりませんが、国立公園などにつきましても、やはり御指摘のようにいろいろな施設がないのであります。そういうものについては、なお一層努力したい。相当大幅に予算を提出したのでございますが、なおこの辺は国立公園部長からポリシイの問題といたしまして、御説明したほうがいいかと思います。
  25. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 午後でも呼んで下さい。それからもう一点、ララ物資とか、児童保護の問題がここに出ておりますから、若干これに関連を持つので承わつておきたいのでありますが、只今学校給食の問題が非常に文部委員会その他で大いに論ぜられておるわけであります。これは教育制度上の問題ばかりでなく、児童の保健問題或いは児童の精神問題、いろいろの面に非常に関連するところ大きいのでありますが、厚生当局としては、学校給食の問題にどういう考えを持つておるかということを一応承わつておきたいのであります。
  26. 吉見靜江

    説明員吉見靜江君) 保育所給食は……。
  27. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 保育所給食でなく、学校給食という問題に対して厚生省はどういう考えを持つておるか、又どういう動きをしておるか、傍観しておるのか、何ら関心を持つていないのか、そういうことをちよつと聞きたいのです。だから主管課長がおられなければどなたでも……。
  28. 太宰博邦

    説明員太宰博邦君) 給食の問題については保育課長のほうで……。
  29. 吉見靜江

    説明員吉見靜江君) 学校給食という中には、保育所給食が入つておりますのでありますが、これは輸入物資を扱います関係上、今日まで一つの名前で文部省がこれを運んでいて下さいましたのでございます。私どもも勿論非常にそれには関心を持ちますと言いますか、それ以上に、これはどうしても必要なことでございまして、ミルク贈与というような問題が起ります前から、これは給食という問題は戦争以前から行われておりましたことでございすが、食糧事情なんかで一時杜絶えておりましたのであります。それが戦後非常に食糧事情も悪くなりましたし、又この際にミルクを、外国物資を頂くというようなことがきつかけになりまして、非常に事情の悪い中にかかわらず、再開をされまして、而も戦争前は各保育所が任意の形でこれをいたしておりまして、国といたしましては、財政的に援助するというような建前になつておりませんでしたのでございますが、戦争後取上げましたときには、国として措置費の中に給食費を含むというような、厚生省としてもはつきりした線が出て参りましたのでございます。是非これは何とか続けて頂きたいという気持は持つております。
  30. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 只今の御答弁は、厚生省全体の動き、或いは希望と解釈していいと思うのでありまするが、厚生省の幹部として、まあこの問題についてどういう動きをされておるかというようなことについては、会計課長あたりからでも若し何か承われれは聞いておきたいと思います。
  31. 太宰博邦

    説明員太宰博邦君) 現在主として予算の問題になると思うのでございますが、これは大蔵省のほうに補正予算として要求してございます。六千八百万円要求してございます。ところが御案内の通り大口は文部省でございまして、文部省の扱いが十数億だつたと思います。それで大蔵省といたしましては、文部省のものとこちらと歩調を一にして考えている模様でございます。私どものほうとしましては、それは勿論必要でございますが、なお若しそれが不幸にしてうまく行かない場合に受ける、何と言いますか、そういう該当児童の不幸と申しますか、そういうことから考えますと、文部省のほうのやつは、それがうまく行かなければ結局その給食を止める。併しそれはできないということになると、各個人からとるという手がある。私どものほうは保護児童でございまして、非常に不幸な家庭の子供が多いのでございます。なかなかそういう文部省が各個人からとるから、厚生省も又とつたらよかろうというわけには参らん筋が相当ございますので、その不幸の事態に陥つた場合の被害と申しますか、それは私どものほうは更にきつい。その意味におきまして手前勝手なことか知れませんが、その最悪の場合にはこちらだけでもというような気持までも大蔵省のほうに伝えているような状態でございます。
  32. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 大体厚生省の担当されている面についての気持なり考え方はわかつたのでありまするが、私の聞かんとするところは文部省がどうとか、厚生省の保育所がどうとかいうことばかりじやなく、もう一歩進んで、学校給食の問題は何年か続けられたわけであるが、実は児童保健の問題その他に恐らく貢献があつたのではないかと思うのでありますが、そういうことから関連して、厚生省としてこういうこの問題全体についてこれは飽くまで文部省の予算がどうだ、厚生省予算がどうだということより、大きい立場から、これはやはり続けてもらいたいのだ、やるのだという気持で、大きく厚生省として児童保健、国民保健の問題から動いておられるかという問題が私は聞きたかつたのであります。これは大体大臣なり次官から聞くのが本当かも知れませんが、公衆衛生局長がおられますから、国民保健を指導しておられる立場の局長のお考え一つ伺いたい。
  33. 山口正義

    説明員(山口正義君) 只今のお尋ねの点につきましては、最初に私から申上げるべきだつたかと存じますが学校給食国民栄養に非常に寄与しているという点は、もういろいろの数字がそれを示しているのがあります。私どものほうで国民栄養調査をここ数年間実施いたしております。特に小学校の児童というふうに別に分けておりませんけれども国民栄養調査の結果から見まして、年々いろいろな蛋白、脂肪、含水炭素或いは全体のカロリーの攝取量等から考えまして、だんだんよくはなつて来ております。それに伴いまして身体の状況も漸次好転しつつはございますが、まだいわゆる標準のところまで参つておりませんので、なお今後国民栄養の問題は改善して行かなければならん点がたくさんあると思うのであります。その際にこの国民栄養に対しまして非常に寄与しております学校給食というものが、何らかの形で蹉跌を来たすというようなことがありとしますれば、国民栄養を所管しております私どもといたしましては非常に残念なことで、何としてもこれを続けて頂きたいというふうに考えております。学校給食につきまして、私どものほうにも国民栄養の立場から是非力強く押すようにというようなお申出もしばしばございます。これは大臣に申上げ、大臣も閣議でそういう点を発言して頂きたいということを私からお願い申上げておる次第でございます。
  34. 山下義信

    山下義信君 それに関連して伺いたいのです。学校給食の問題、石原委員の御質問のお気持に私も同感なんですが、昨年都内で学校給食に集団中毒事件があつたときに、当委員会が取上げまして、詳細にその当時調査をして、文部省の当局者も呼んで、その他の人も呼んで、この問題を取上げてこの委員会調査したことがある、詳しいことは調査の資料が当委員会にありますから省略いたしますが、文部省がやる、文部がやるといつてもあの学校給食の実際は、いわゆる文部省が法規を以てやるにあらずして、極めて曖昧であつて、或いはPTAがやるのか、或いは学校長がこれは非公式的にやつておるのか、いろいろ曖昧であるということがありまして、頻りに改善を促しておりますのですが、今日どういう状態になつておるかわかりませんが、我々がその当時強く要望いたしたことは、今恐らく石原委員が強く御質疑なさるのはそれじやないかと思いますが、これは教育の必要上云々と言つておるが、これは今文部省がやるべき仕事でなくして、厚生省がやるべき仕事じやないかということです。若し石原委員の御質疑がそういう気持でなければ、私は今厚生省がどういうふうに考えておるか。教育上必要ということは、食事の際に子供の躾をするとか、一緒に食べることによつて友愛の気分を起すとか、いろいろ教育上効果的のことがあるでしよう。そういう教育上の効果を狙うならば、月一回か、一週に一回ぐらい会食すればいいので、毎日このような必要、そういう方法をとるということについては、これは教育上の必要というよりは、むしろ多分に児童の福祉の面或いは保健の面というほうのウエートが私はうんと多いと思う。それですから或いは割烹室の施設の面から言えば、衛生上非常に大きな問題でもありますし、栄養の面から言つても、つまり結局は保健の問題ということになりましよう。且つ又生活困窮その他の児童に対しては、大きなこれは福祉の問題であつて、むしろこれにこそ全体を提げて、学校給食自体を厚生省の事業としてやるならば筋が立つのです。今日になつ学校給食は三分の一ぐらいしか全国でもやつていないしこれはどうかすると地方のパン屋の一個の利潤の……。というようなことの弊に陥つてもいけませんので、これは本当に全国的にやるというならば、厚生省がよほどこれは考えてやるべきであつて、すでに昨年の調査のときでも衛生面や或いは栄養面その他において厚生省とどれだけマツチしておるかという点も極めて不明瞭で遺憾の点を感じたのでありますが、根本的にただ文部省がやつておればいいのだ、極めて希望に堪えませんというような、厚生省は傍観的の立場でいいのかどうかという、根本的のアイデアはどうかという点を私は伺いたいのです。
  35. 山口正義

    説明員(山口正義君) 只今山下議員から御指摘のございました第一の問題の、昨年学校給食の際に集団中毒がしばしば起りまして、その際に当委員会からも御注意を受けたわけでございますが、それ以前からも私ども食品衛生の立場から保健所の食品衛生監視員を学校に出しまして指導しておつたのでございますが、先般の事件で御注意を頂きましてから、特に学校と連絡を密にして、食品衛生監視員……それまではともすれば食品衛生監視員が入るのを嫌がるような所もなきにしもあらずであつたのでありますが、教育当局のほうと十分話合いまして、協力して、ああいう事故が二度と起らないように注意するという線で食品監視を続けております。又学校給食の材料をいろいろ納めます製造工場に対しましても、私どものほうで食品衛生の立場から十分監督をいたしております。それから国民栄養全体の立場から、学校給食というものを厚生省の立場でやるべきではないかというふうな御意見でございますが、国民の栄養改善指導ということにつきましては、私どものほうで栄養士法に基きまして、栄養士というものを養成いたしまして、栄養士を通じてそれぞれの施設或いは施設の集団に対して栄養の改善指導をいたしているのでございます。実際の物資の世話をいたしますという点につきましては、只今厚生省でやつておりますのは、先ほど児童局のほうからお話のありました児童関係施設だけでございますが、学校給食厚生省の所管にして国民栄養の立場から大きく取上げて行くべきかどうかという点につきましては、私どものほうでなお今後よく研究させて頂きたいと、そういうふうに考えております。
  36. 山下義信

    山下義信君 ですから私は石原委員の御提起になりましたこの問題に共鳴しまして、厚生省は公衆衛生局長並びに児童局長は……川島課長が見えておりますから、至急この問題に対して根本的に一つ考え下さつて、厚生大臣にお伝えを願つて、厚生省の態度を一つ御研究の上おきめ願いたいと要望いたしておきます。
  37. 中山壽彦

    ○中山壽彦君 この3の(4)のところに精神衛生対策事業費というものが出ておりますが、この中には精神衛生研究所の費用が大分不足しておるということも聞いておりますが、この補正予算は今年度には出ておりませんか。
  38. 太宰博邦

    説明員太宰博邦君) 精神衛生研究所の分はこれには出てございません。
  39. 中山壽彦

    ○中山壽彦君 この不足分はそうすると二十七年度予算に計上されるのですか。
  40. 太宰博邦

    説明員太宰博邦君) さようでございます。例えて申しますと、あそこの建物についても今年度予算では足りない。これは今までの補正という観念ではやはりそいつは解決いたしません。明年度において補う、こういうようになります。
  41. 藤原道子

    ○藤原道子君 只今の山下委員のあの御質問にちよつと関連するわけでございますが、只今局長の御答弁の中に中毒事件等に関連して食品衛生監視員ですか、今の制度で相当努力して来ておるというお話でございます。私もこの衛生監視員ですか、あの活動によつて各所の中毒問題或いはアイス・キヤンデー等にしても相当今年度は効果を挙げて来ておると思つておるのでございます。ところがこの間聞くところによると、私どものほうへ陳情で来ておるのでございますが、今度政令諮問委員会が、その答申の中にはこの監視員を廃止するというようなことが言われておるというので、六大都市の衛生関係の人たちの会合の結果で陳情が来ておるのでございますが、そうした動きがあるのでございましようか、若しありといたしますならば、これは国民の福祉を守る面に貢献しておるこの制度は業者には憎まれがちだと思うのです。そういう点から業者の圧力によつてこういうものが廃止されるような動きがありとするならば由々しき問題だと、こう考えまするので、この際ちよつとその点をお尋ねして置きたいと思います。
  42. 山口正義

    説明員(山口正義君) 政令諮問委員会の答申の中に、食品衛生法について考えろというふうな御意見が出ております。具体的には只今御指摘のように食品衛生監視員云々ということも含まれているのでございます。私どもといたしましては食品衛生監視員の実際の仕事のやり方につきましては、反省しなければならん点もいろいろあるかと存じますが、併し食品衛生監視員制度というものが、食品衛生の立場から安全な食物を一般の国民が食べ得るようになるということについては私は相当貢献しておると、そういうふうに考えているのでございます。ただ一般のかたがたに喜ばれている声がなかなか表に出て来ないという憾みがあると思うのでございます。ただその一部の食品衛生監視員の行動等につきまして、いろいろ非難がありますので、それが大きく取上げられて制度全体が非難されているのではないかと、そういうふうに考えております。私どもといたしましては、制度でなお改善すべき点があれば改善いたしますが、制度よりもむしろ人の運用ではないかと、そういうふうに考えますので、そういう線に沿つて今後私どもの立場を主張して、国民のために食品衛生というものを押進めて行きたいと考えております。
  43. 藤原道子

    ○藤原道子君 その点は相当強く押して頂かなければ、これは大きな問題だと思いますので、是非強力にこれは維持するように、それで運営の面で改善すべき点は、私も心付いておる点もございますけれども、その二、三の点で全体が廃止されるというような動きは絶対に避けなければならない問題だと思つておりますので、一つ是非お願いいたしたいと思います。それからいま一つお伺いいたしたいのは、未復員者給与法の期限が十二月で切れるわけでございまして、この点につきましては、係のかたからお話を伺いまして、やや安心していたのでございますが、実は昨晩の東京日日新聞の夕刊に「平和来れども残された戦争傷痍者」、こういう題で由々しき問題がここに取上げられておりますので、この真偽をお伺いいたしたいと思います。講和条約が締結されたというようなことで、世の中は挙げて何やら浮き浮きしているような面も見えるのでございますけれども、私ども厚生委員会といたしましては、長い間戦争犠牲者の問題ではお互いに胸を痛めて来ているわけでございます。ところがそれが何ら具体化されていないことに大きな私どもは責任を感じておるわけでございますが、そのときに当りまして、厚生省大蔵省との意見が対立をして、そして今度の新国会には厚生省案と大蔵省案とが、この国会の審議の過程において決定されるということになつたというような記事なんでございます。若しそうであるとするならば、その真相を私は伺わして頂きたい。殊にここで私どうも読捨てにならないと思われまするのは、大蔵省の、まあ未復員者給与法でございますけれども、とにかくここで現在適用されておりますものは六千六百三十名ばかりで、この十二月に打切られますものが八〇・三%ぐらい、これらが打切られましたならば、殆んど餓死するか、乞食になるよりほか方法がないというような悲惨な全国からの陳情は毎日のように私どもの手許へ来ておるわけでございます。ところがこれに対して大蔵省といたしましては、こういう言葉が新聞に載つておる、嘘か本当かわかりませんが、一般人のほうが軍人より戦争犠牲をより多く受けているのだから、戦争傷痍者のみに特典的給与を与えて置くのは不当だし、保護が必要なら国家財政の点からも一般人と同様に保護すべきであるというようなことが言われております。若しこういうことでこれが打切られるといたしますならば、新らしい日本の出発に当りまして、大きな問題だと存じますので、この点一つ腹を割つての御答弁をお伺いさして頂きたい。
  44. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) そうすると、第二の議題なつておる遺族援護関係から、只今の藤原さんから未復員者給與法の問題が取上げられましたが、これに対して田辺復員局長からお伺いしたい。
  45. 山下義信

    山下義信君 そうすると、補正予算に関しては質疑は打切りましたのですか。
  46. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) 今予算の問題をやつておりますから、これだけ一つ片付けておきたいと思います。
  47. 田辺繁雄

    説明員(田辺繁雄君) お答えをいたしますが、只今藤原委員から、昨日の或る夕刊の記事を御引用になりまして御質問がありますが、その夕刊の記事は、私まだ承知しておりませんが、今お話なつたところによりますと、大分事実と違うようでございます。現在未復員者給與法の規定で、いわゆる災害給與と言つておりますが、療養を受けておりますものの数が六千六百三十名でございます。これは復員後三年間は国費を以て療養するということになつておりますが、これは二十四年の一月から施行になつております。ところが二十四年の一月までに復員した者につきましては、この法律施行後三年間となつております。それが今年の十二月三十一日で満三年で期限が到来する、その数が六千六百三十名の中で約九〇%近くになつております。この患者につきましては、いろいろな点から考えまして、我々といたしましては療養の期間を延長することが適当だという結論に達しております。そういう観点から、私のほうで期間を延長した場合に必要な本年度予算につきましては、経費につきましては、大蔵省当局に相談をいたしております。これは新たな補正予算要求するを必要としませんので、私どもの引揚援護庁で十分やつて行けると思つております。大蔵省当局におきましても、一般公務員並の取扱いをしたいという点については異議がないのでございます。一般公務員の取扱いと申しますると、公務のために疾病又は負傷したものについては国が費用を持つて療養をしてやる。但し三年経つても治らない場合には、国は打切補償をするということができるということに相成つております。これは国家公務員災害補償法にそういうふうになつております。打切補償というものは平均日給の千二百日分というふうになつております。そういう建前にいたしますれば、国家公務員と同じような取扱いになるというわけであります。仮にまあそういう計算によつて一応の打切補償というのを出しましても、傷痍者等につきましては、すぐその金が療養費以外のものに使われてしまうじやないか、そうなりますれば、又生活保護法等の御厄介にならなければならない。国としては却つて二重の負担になるという点もあるし、現在療養しておるものの数は毎年二五%ずつ減つて行くのであるから、あと四、五年も経てば大体患者がなくなるという点から見まして、経費の点から見ましても、そう大した国費の負担にもならないじやないかということで打切補償ということはできるだけ避けたいと、こういう考えであります。まあ形式論から申しますと、現在未復員者の給與は千円でございますので、千二百日分ということになりますと、大体五万円以下ということになります。そういう計算の仕方は非常に形式的でありまして、もつと実質的な計算をやるべきじやないか、そうなると相当厖大を金になります。そういうふうなやり方をやるよりは、むしろ療養を継続して行くべきである、安心して継続してやるようにしたらいいじやないか。殊に我々といたしましては、一般公務員の場合の国の災害補償という考え方は、国の昔の責任という考え方に立つておるわけであります。併しまあ戦時の際に軍人を動員して病気になつたという場合、或いは怪我をしたという場合に、これは国家の単なる国の昔の責任ということは言えないのじやないか。むしろ怪我をするとか、病気をするということは当然最初から予測されておりますことでありますから、一般公務員以上の責任になるのじやないかと、こういう考えから、このことは強く大蔵省側にも要求して行きたいと、こう考えております。まだ最終的の結論には到達しておりませんが、これは法律の改正を要することでもございますし、最後的には国会のほうの立法に待たなければならんと思いますが、従来未復員者給與法はいずれも国会立法で行つておるのでありますから、その点もそういうふうになるのではないかと期待はいたしております。予算の面の裏付につきましては、補正予算が要りませんので、この点は既存の引揚援護庁の経費で賄つて行けると思います。その点は殆んど心配はないのじやないかと思います。
  48. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) 社会保障制度に関する補正予算の問題ですが、このくらいで予算の問題は……。
  49. 山下義信

    山下義信君 ちよつと予算のことで……。これはまだはつきりきまらないのでしようが、ララの物資の処理に六千三百万円、運賃を持つて三百五十トンほど希望したという会計課長のお話でしたが、三百五十トンという品物は大体どういうものを希望する考えですか。
  50. 太宰博邦

    説明員太宰博邦君) 大体衣類、それからミルクというようなものであつたと記憶しております。
  51. 山下義信

    山下義信君 ララの物資はどこで所管しておりますか、児童局か、社会局か存じませんが、ララの物資については衣類は私はいかんと思う。衣類は非常にぼろぼろのものばかり、従来はですよ、そういうものでないならいいですけれども、従来ララの送つて来ました衣類は、大半は使用に堪えない非常に脆弱なものが多いのですが、これは一つ折角予算が認められたから、六千三百万円という相当厖大な運賃を負担して入れるのですから、御留意を願いたいと私は思うのです。それから小さいことですが、今の皇居前広場を維持するに必要な経費というところで御説明があつたのです。皇居前の広場を維持するために二百九十七万円、三百万円ですね。この予算が認められたから三百万円皇居前の整備にお使いになるのじやないかと思う。私はこれは会計課長にお願いして置きますが、こういう費目を公園部に渡してしまえばともかくとして、皇居前広場についていろいろと厚生省のほうでまとめて、一つの何か会ができたようですが、従来いろいろ会ができていますね、そういう会は皇居前広場を清掃するとか、維持保存するとかいうことで、あのときに丸ビル附近の銀行、会社から相当寄附金などを補充していろいろやつているらしいのです。そういうような団体に又ぞろ金額は僅かでも、この三百万円の仕事を委託したり、この金をやつたりすることのないように、これは金は小さいですけれども一つ私は御留意願いたいと思うのです。それからもう一つは、今の新宿御苑の入園料を値上げするということです。これはこの次の要求予算は、これはどうなるかわからないが、値上げのほうはその通りするでしようが、ああいう値上げは困るのですね。国民公園として由緒ある公園だけでなく、国家が国民公園とするという藤原君の御意見が出ましたが、政府が直接管理する公園を値上げをしてもらつちやあ困るのです。新宿御苑国民のために喜ばれておるということは御承知の通りなんです。ああいうふうに国民に広く開放して安く見せるということは政府管理で初めてできることなのです。その政府が僅か二十円のところを十円値上げして、僅かかな収入を図るというようなことを大蔵省が註文したのか、厚生省が自発的に交換条件としてなさるか存じませんけれども、ああいうことは非常に注意して頂かんと私は甚だ不愉快に存じますので、この点一つ御再考願いたいということだけ申上げて置きます。
  52. 太宰博邦

    説明員太宰博邦君) 前のララ、それから新宿御苑とか、皇居前であるとか、私のほうで経費の責任をとりますので、十分山下議員の御意見を尊重いたします。あとの二点につきましては、これはポリシーの問題でもありますので、所管の局長にお伝えします。それから公園部長は午後出席を求められておりますので、午後参りましたら、前に私から御意見を伝えまして、午後御返事できるようにいたします。
  53. 井上なつゑ

    井上なつゑ君 ちよつと予算でお伺いしたいのでございますが、病院特別会計が二億八千万円、まだきまつておらないという先ほどの御説明だつたと承わつたのでありますが、御承知のように、この間国立病院の鯖江病院にああいう事件が起つておりますが、あれは薬局の不整備からだと思います。前の国会で医薬分業の法律が成立しましたときに、私は強く薬局の整備を願いたいと申したのでございますが、薬局の整備が、薬剤師のかたの、開業していらつしやいます薬局の整備は着々できているようでございますけれども、こういつた建物の中に入つた大きな病院の中の薬局の整備を並行してやつておられるかも存じませんが、あの病院は実に薬局がふしだらで、こういう事件が起つたのも私どもは当然だとさえも思われるのですが、そうした面の特に必要な整備にお金をお使いになるおつもりはないのでしようか。若しおつもりがないとすれば、これは御一考が願いたいと思うのでございますが。
  54. 太宰博邦

    説明員太宰博邦君) これは局長が出席されておりますから、局長から……。
  55. 阿部敏雄

    説明員(阿部敏雄君) 御答弁申上げます。国立病院の薬局不備の点につきましては、勿論私どもの責任でございまして、予算をどれほど頂けるか、まだ今会計課長からの御答弁の通り決定いたしませんが、是非ともそういう人命に関する問題から整備を進めたいと思つております。
  56. 藤森眞治

    藤森眞治君 この癩予防費のところでお伺いしたいのですが、患者その他の対症治療費対症治療費というのはどういうふうなことなんでございましようか。実はその癩病予防について今結核が非常に多いということで、この結核の治療ということに何とかしてくれという要望が非常に強いのでございますが、この対症治療費という中にはそれが入つておりますのか、如何でございましようか。
  57. 阿部敏雄

    説明員(阿部敏雄君) 入つております。
  58. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) ちよつとお諮りしたいのですが、中山さんが社会保険経済について、時間が午後何かお差支えがあるということで……。
  59. 山下義信

    山下義信君 医務局長が着席されましたので、ついでに一口簡単にお聞きしたいことがあります。世間で国立病院或いは療養所等を地方に委譲しようというようなことを言うておる者がおりますが、医務局長のほうでは何かそういうことについて調査でもしておることがありますのですか。
  60. 阿部敏雄

    説明員(阿部敏雄君) 国立病院の委譲の問題につきましては、これは随分前から基本論としては或る程度の国立病院を委譲するというような線が出ておるようであります。最近いろいろな点からそういう意見が出ておりまして、私のほうでも、その委譲が果してできるものか、できんものか、できればどういうふうの線によつて委譲すれば医療の内容を低下させず、又施設も今後整備しなくて仕事ができるというふうな点について、まあいろいろと検討をしておるのでございますが、まだその具体的の結論には達しておりません。
  61. 藤森眞治

    藤森眞治君 いろいろそれに関連しまして、この国立病院の医療の問題について、各国立病院の従業員組合と言いますか、そういうところもかなりいろいろな意見を出しおりますが、そういうことは私のほうへ適当にまあ宮崎君から何ぼかの補助金を出しても地方に委譲しなきやならんというように非常に強く発言されたかのように聞いておりますが、事実は如何なんでしようか。
  62. 阿部敏雄

    説明員(阿部敏雄君) 只今お尋ねの宮崎次官が発言になつたというそのときに、私ちよつとほかに用件がございまして、立会つておりません。その点はつきりいたしません。実は今朝もここに参るまで職員組合の代表のかたと、そういう問題につきまして一時間ばかりお話合いをしたのでございますが、そのときにもその問題が出ましたけれども、立会つたかたからもそこまではつきりした言葉は言われないとか、何とかいろいろ話が出ておつたのです。それで結局職員組合の代表のかたの意見としましては、国立病院地方に移管した場合には医療内容が低下する、そうして地方じや赤字を出さないためにいろいろな制限治療をやる、それから施設等は補給ができないから、だんだんと悪くなり、中には潰れるというやつもできるだろう、そういうような反対意見が主でございました。根本論につきましては、まあ大した意見の相違もなかつたようでございます。そこで私ども申上げましたのは、我々事務当局としてやり得ることは、とにかく今お話のような御心配の点が起れば、折角ここまで充実して来た医療を低下させることになるので、それは絶対に防ぎたい。その点については、具体的方法について今後検討を加えて努力いたしたい。かように申上げてお諮りして来たつもりでございます。
  63. 藤森眞治

    藤森眞治君 それでは国立病院地方委譲ということは、一つ計画として今ずんずん進めになつておられるのですか、まだいろいろな事情を考えて、これから計画しようという段階なのでございますか。
  64. 阿部敏雄

    説明員(阿部敏雄君) 国立病院の委譲の問題は、その方針としましてまだ決定いたしておりません。ただそういうふうに動くのではないかという気持はいたしますが、まだ最終決定はいたしません、方針がきまりましてからと言つてはちよつと遅いか知れませんが、それと並行しまして、具体的の計画もいろいろと検討は加えておるのでございますが、まだ個々の問題について計画を立てるというところまでは進んでおりません。   —————————————
  65. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) それでは第三の議題なつておる社会保険経済の問題は、中山さんの御都合でこれを議題にしたいと思いますが、如何でしようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  66. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) 社会保険経済についての問題を議題にいたします。
  67. 中山壽彦

    ○中山壽彦君 私はこの社会保険の経済につきまして、今日は主として保険局長の御意見を承わりたい。  先ず第一には、現在の管下におきまして、健康保険国民保険、共に今年度の経済の見通しはどうかということをお尋ねいたしたいのでございます。又御承知の通り結核予防法の改正によりまして、二十六年度の下半期、即も来月からマイシン、パス等の薬品、手術等の五割を公費で負担をすることになつております。この関係が被保険者の診療の上にどういう影響を及ぼすか、又同時にこの結核の病床が非常に増加をいたしますと、従来治療の人が入院をして参りますので、この関係が又保険経済にどういう影響をもたらしますか、先ずこの点における御所見を承わつて置きたいと思います。
  68. 安田巖

    説明員(安田巖君) 保険経済といのは、主として健康保険のとかとじますので、そのことでお答えいたしたいと思います。政府管掌の健康保険の経済は、現在のところこのまま参りまして、大体三月末の赤字が七分くらいに行くかと思つております。国民健康保険のほうは、これはなかなか予想が付きにくいのでございまするが、今のままで行きまして、過去の実績等を照し合せて考えますというと、十億か二十億くらいの赤字になりはしないか。但しこの十億、二十億という数字は絞つて見まして、例えば三月か四月の年度末には、そういう数字が出ましても、歳入と支出をそのまま翌年度へ繰越しますから、どのくらいが本当の赤字になりますかと言えば、恐らくはそれは半分以下でございますけれども、恐らくそういうようなことでございます。それから十月から実施されますところの結核予防法の特殊治療の関係でございますが、これは大体全部で国費が七億幾らであつたと思つております。で、ただ御承知のように手続が相当面倒でございますのと、それからそういうふうにパスや、まあストマイなんかの量が多少上つて来る、使用量が上つて来るというようなことを考えますというと、保険経済には特にここで計算してプラスになるというふうなほどのことはまだないのではないか、こう思つております。但しこれも実施いたして見ませんと、どの程度になるかわかりませんけれども、大体そういうようなことでございます。それからベツドが殖えることが将来保険経済に影響があるかということでありまして、これは誠に御説の通りでありまして、ベツドが殖えますれば、自然結核患者入院が殖える、これが保険給付の結核治療費の増崇になるのでございますが、必ず上つて来ると思います。今年度の下半期ぐらいではまだそれほどの顕著な影響はないと思いますけれども、来年度になりますというと、そういう点では相当結核の治療費というものが全医療費の虫で占める割合というものが上つて来るだろう、こういう予想を持つております。
  69. 中山壽彦

    ○中山壽彦君 この従来の健康保険の上におきましても、大分赤字になつておりまして、一時借入金でこれを賄つておられるということを聞いておりますが、その借入金の総額は今日までにどのくらいになつておりますか。
  70. 安田巖

    説明員(安田巖君) 四月の初めに国庫余裕金の一時借入をいたしましたのが二、三回に亘りましたけれども、合せまして三十億でございますが、現在はそのうち若干は返しまして、二十四億が現在残つております。六億だけは返したのであります。その余裕金を運用してやつておるわけであります。
  71. 中山壽彦

    ○中山壽彦君 そういたしますと、今二十四億の赤字があつて、それにプラスこの年度内になお七億幾らの赤字が追加されることに了解していいのでありますか。
  72. 安田巖

    説明員(安田巖君) そうではございませんので、この国庫余裕金というのでありますが、二月に入りますと返しますので、返しまして七億のものが残るのでございます。で、丁度この支払とそれから歳入の時間的なズレがございまして、年度の当初にはやはり入つて来るのが少いのでありますから、そういうのを一部やりくりして三十億、絶対赤字の七億なにがしは、それで二月頃まで残れば、又四月になれば新らしく借入れて何とかできるのではないか、まあこういうことでございます。
  73. 中山壽彦

    ○中山壽彦君 次にお尋ねしたいことは、先日のこの厚生委員会に全国の公立病院の代表者が来られまして、いろいろデータも持つて来られて、現在の段階では被保険者の診療を多くやればやるほど赤字が出るのだから、もう打切るより仕方ないという極端な言葉を以て陳情をいたしたのであります。保険当局のほうにも同じような陳情があつたと思いますが、このデータについての御批判はどうか、又そういう陳情に対して保険当局はどういうお考えを持つておられるか、これもお伺いしたい。なお最近東大の附属病院が全然もう被保険者或いはその家族の診療を中止したことがあります。この中止いたしましたのは保険事務の煩瑣並びに診療費が安いと、こういうことで中止をいたし、まあいろいろ当局の保険課と交渉の結果、又診療を継続することになつたのでありますが、最近又この問題が起りまして、保険課との間にいろいろ交渉が続けられておるということを聞いております。この一つ経過を承わりたい。同時に今日までは官立大学の附属病院の診療請求書というものには査定が行われていないように私は聞いておりまするが、今後もやはりその方針を持続されますものかどうか。こういう点も併せて伺いたいと思います。
  74. 安田巖

    説明員(安田巖君) 公立病院の代表者から保険の診療の単価の値上げの要求があつたが、どういうふうに考えておるかということでございまするが、御承知のように一点単価の問題は、現在中央社会保険医療協議会におきまして議題に取上げて、すでに小委員会を二回やつておりますので、そこでいろいろ御意見を闘わして頂きまして、公正なるところに落着いて行きたいと考えております。なおこの公立病院のほうの御意見に対しましても、大体今申上げたことで御答弁になるかと思うのでありますけれども、ただ先日お出しになつて頂きましたのは、資料が全国的でなくて一地域、特に北海道に限局されておるということが一つございました。従つて燃料費が相当大きな要素を占めておるということがございました。それから看護婦養成所の費用というものは全部診療収入で賄うような計算になつております。或いは又病棟の増設でありますとか、その他の臨時的な営繕費、そういつた費用であるとか、或いはこれらの減価償却、そういうものをすべて計算の中に入れてこれらがまあ公立の建前からいつてどうであるかというような点も実は考えております。それから更に収入支出におきましても、一般診療と保険診療との配分がこの資料では不明でございまして、従来の収支の不足額というものが、ただ健保の一点単価の額というふうに推定されておる点もあるのであります。そういう点も十分考慮に入れまして、貴重な参考といたしまして研究をいたしております。それから東大の問題をお話でございましたのですが、国立大学の附属病院との契約につきましては、病院の規定の料金によることとして、その請求書もやや詳細を欠くといつた傾向がありますことは御指摘の通りでございます。厚生省といたしましては、昨年来大学と、それから文部当局と再三折衝を重ねまして、実質的には大体保険医並みの現行点数単価式による支払方法によるということに原則的に意見の一致を見ております。現在でも弘前大学でありますとか、信州大学でありますとか、鳥取大学、群馬大学という附属病院では現行点数単価式になつております。又東京歯科医科大学におきましても、病院料金規定によつておりますが、その内容は点数単価式と殆んど同様でございます。これらの大学はいずれも保険医と同様の請求書を提供いたしまして、審査を行われておるわけでございます。なおこの東京大学との契約につきましては、お話のように現在まで多少ごたごたしておりましたけれども、私どもの聞いておりますのは、大体実質的には私ども希望を容れた線で御契約を願うようになつたような話を聞いておりますが、近くそういうように形の上でも実現いたすのではないか、かように考えております。
  75. 中山壽彦

    ○中山壽彦君 私どもこの地方の国立大学に行つて見ますというと、病院の院長が、国立大学の附属病院というものは別に使命がある、被保険者の診療をするということが国立大学附属病院の使命ではない。又文部省のほうから積極的にそういう通牒も受けておらん、そういうような話も聞いておることがあるのですが、この国立大学の附属病院で被保険者の診療をすることについて、文部省と厚生省との間には従来十分な御連絡をとつておられるかどうか、こういうことについて一つお尋ねしたい。
  76. 安田巖

    説明員(安田巖君) 官立の大学の附属病院保険診療をいたしまするにつきましては、中山委員が今御指摘のような点が過去にあつたと思うのですが、最近医療課長の五十嵐君もたびたび連絡をとつて下さいまして、今のところでは、原則的には文部当局も十分一つ協力一致してやろうじやないか、そういう原則的な点では一致いたしておる、先日も官立の大学の病院長の会議の委員会に私出かけて参つたのですが、そこの先生方もすべてそういう点では私ども意見が一致しております。ただ従来の料金の支払方法が、只今も申されましたような、大学の病院というものは特殊な使命を持つているから、普通の診療と内容が違つて高くなるのだというような意見もございますし、それから又官立大学の病院のことでありますので、文部省の予算がありまして、そういう面倒な手続をするには人員、予算が足りないのだ、こういうような話もあつたのですが、そういうものはすべて将来だんだん克服して頂くように話合をして帰つて参りました。ただ私ども例えば東京大学なら東京大学というものを考えて参りますと、一件あたりの点数なんかも非常に低くなつておりますが、将来はそういう大学病院に対する支払方法は、或いは特殊な支払方法というものをもう少しよく研究して考えてもいいのじやないかということも実は私考えております。なおよく研究いたしまして、いずれにいたしましても、保険診療を大学病院で取上けるという線で進んで参りたいと思います。
  77. 中山壽彦

    ○中山壽彦君 先刻保険局長からのお話のように、現在単価問題が厚生省社会保険医療審議会で小委員会に付されて審議を進められておるようでありますが、この結論を得ますのにはまだ相当の期間がかかるとは存じますが、万一この単価を値上げをしなければならん、こういうような結論が出ました場合に、その財源はどういうふうにお考えなつておりますか。これはまあ仮定的のことでありますけれども、一応参考として保険局の御意見を承わりたいと思います。
  78. 安田巖

    説明員(安田巖君) 単価問題は私どもできるだけ早く一つ結論を得たいと思つておりますが、仮に現在の十円、十一円を一円引上げるといたしますと、政府官署のほうが大体月の支払が十一億でございますので、一億一千万円、月に違つて来るということになります。年にいたしますと、十四億くらい違うのであります。本年度若し七億円ばかりの赤字になる。それから健康保険でありますとか、共済組合というのが、それぞれ四億とか、二億七千万というような赤字がございますし、信用保険もそれに応ずるような赤字が出て来る。国民保険をすべて入れますというと、一点単価を上げることによりまして大体二十七億、二十六年度に要る、若し二円上げますならば五十四億だけ余計なものがかかつて来る、こういう保険制度としては非常な重大な影響があるわけであります。御指摘のように、今それではそのように赤字のできたそのときに対策をどうするかというのでございます。例えば私どもが直接責任を負つておりますところの政府官署だけを考えますと、先ほど申上げました七億の赤字に又七億だけが赤字になつて参りますから、十四億が二十六年度に出て来る、まあこれはいろいろ方法があると思うのでありますが、具体的にまだどうしようかということまでは考えておりません。併し成るべく一つ保険者の今までの社会保険によつて受取つた利益というものを、成るべく阻害しない方法で何とか一ついい智慧を出して考えて行きたいと考えておりますが、若し来年度、現在要求いたしておりますような国庫負担が予算に組んで頂けますならば、これはもう今の問題は解決する、仮に十四億の赤字が本年度出ましても、これは昨年と同じようなやり方で国庫保有金のやりくりによりまして、医療担当者のかたは若干、一月くらい遅れるかも知れませんが、その程度の御迷惑で済むのではないかと思います。   —————————————
  79. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) ちよつとお諮りしたいのですが、田辺援護局長が時間がありませんので、予定がありますので、その以前に一言御質問があるならば御説明したい、こういうわけなんですが、途中ですけれども、御了解があれば、一応これを中断いたしまして、長島さんのほうから何か援護問題についてあるそうですから如何でしようか。それでは時間が非常にないそうですが、両方急ぎますけれども一つ遺族援護についてこの機会にお願いいたします。
  80. 長島銀藏

    ○長島銀藏君 遺族援護の問題につきましては、この間ラジオのニュースに乗つて来まして講和全権の英国のモリソン氏から、戦歿者並びにその遺族に対しては深甚な敬意を払わなければならないというようなことをまあ私ども聞きまして、非常に講和会議におきましても、ああいつた問題が取上げられておる、かように考えまして心嬉しく思つたわけでありますが、又この九月十日には文部次官並びに援護庁次長の書簡によりまして、戦歿者の葬祭その他について非常に緩和されたのでございます。その後所管官庁でありまする厚生省におきまして、どのような程度に遺族援護問題が進んでおりますか、そのことにつきまして、ちよつとお尋ねを申上げたい、かように思う次第でございます。
  81. 田辺繁雄

    説明員(田辺繁雄君) 戦歿者遺族のその後の改善問題でありますが、厚生省といたしましては、できるだけ早い機会に実現をしたいという考で諸般の準備を進めております。先般も各府県の戦歿者の一割に該当する数を取上げまして、全国的に遺族状況調査いたしました。その詳細な資料は当委員会の事務局に差上げてございますので、それによつて御了承願いたいと思いまするが、なお将来こういつた仕事が実施される場合に、一番大事なことはその戦歿者が果して軍人であつたかどうかという身分の確認でございます。それから死亡した原因が戦傷死、戦病死等の公務によつたかどうかという事実の確認が非常に根本になるわけでございます。現在各県の、これは元の海軍でございますが、各鎮守府のあとに設けてありまする部局におきまして、そういつた資料を持つておりまするが、ばらばらでございまして、一人の戦歿者のそういつた事実を確認するために、あつちこつちの書類を見なければならん、極めて時間がかかるということでございますので、これを一枚の台帳に整理いたしまして、一旦そういう申請が参つた場合においては、円滑に迅速に的確に確認ができるような基礎台帳を整理して置く必要があるということで、所要の経費大蔵省相談いたしまして、頂戴いたしまして、台帳を作り、各県に配付いたしまして、そういつた基礎の資料の整備をいたしております。なおどの程度の金をどういう方法によつてどう配分するか。どうやるかという問題につきましても、厚生省として一案も二案も三案もございます。一応の案を持つておりますが、総体の財源の関係もあり、又いろいろと制度の立て方にもいろいろの考え方もございます。できるだけ各方面の意見を取入れて行きたいと思いますが、大かた議論は出尽したように考えておりまするので、厚生省といたしましても、近く厚生省としての一応の最終的な結論を出したい。こういうことで今折角勉強いたしております。ただこれをいつからやるかという、どの規模においてやるかという根本の方針は、政府が最高の方針として御決定になるべき筋合でございますので、それを待たねばなりませんが、厚生省といたしましては、できるだけ速かな機会に実現できるように推進して参りたい、かように考えております。
  82. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) 遺家族の調査ですね、それから傷痍者の調査は、私からも調査の資料要求が提出してありますが、ここで……。
  83. 田辺繁雄

    説明員(田辺繁雄君) こちらに差上げてあります。
  84. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) いや、政府のほうで早急にその資料を作つて委員会に提出するように資料要求がしてあるわけですが、一つお忘れなくお運び願いたい。
  85. 長島銀藏

    ○長島銀藏君 お差支えのない程度でお話願いたいと思うのですが、この補正予算について、新聞ではやらんと言うし、それからまあいろいろな話が出ておるのでございますが、お差支えがあれば承わらなくても結構でございますが、お差支えのない程度に若し承わることができれば、田辺さんから伺いたいと思います。お差支えがあれば結構です。
  86. 田辺繁雄

    説明員(田辺繁雄君) 只今の問題につきましては、先般の当委員会において大臣からお話があつたと思うのであります。只今のところでは、補正予算の際には見送るということになつておるように承知いたしております。
  87. 井上なつゑ

    井上なつゑ君 ちよつとそれに関連してお伺いいたしますが、補正予算では見送られるようでございますけれども、傷痍者の援護と言いましようか、傷痍者の恩給と申しましようか、その傷痍者の恩給が、只今のところでは、昔の軍人であつた人の恩給が階級制度になつておるのでございますが、あれを何と申しましようか、傷痍の程度で少し考えて頂けないかということ、脊髄損傷の人なんか、御承知のように箱根の療養所におられます人なんかは、やはりそういうような損傷の程度でなくて昔のままになつております。それをお考え頂いておるかどうかということ。それから軍属であつた人たちには、何もそうした保障ということができていないようでありますが、それも来年度予算の取りきめにどういうふうに考えておられますか、ちよつとお伺いいたしたいと思います。
  88. 田辺繁雄

    説明員(田辺繁雄君) 戦歿者の遺族なり、或いは傷痍者に対するいろいろな手当、年金でございますね、これを実施する場合に、昔の軍人の階級制度によつてやるか、或いは一律平等にやるかということは根本の問題でございます。これを階級制度でやるということになりますれば、恩給ということになるわけであります。恩給法によつてやればいいことでございまして、これは厚生省で特別にやる必要はないわけでございます。これに実質的にはいろいろの議論がございます。併し我々の伺つておるところでは、各方面とも今日の状態では階級をなくして平等にやつたならばいいではないか、こういう意見が有力ではないかと考えております。なお傷痍の程度によつて金額に差等を設けるということは、これは当然なことでございまして、現在実施されておりまする恩給法特例による傷病年金におきましても、その点は十分考慮されて実施されております。軍属の問題でございますが、これは旧恩給法によりまするというと、軍属は国家公務員として扱われておらなかつたわけであります。ただ太平洋戦争の中期以降になりまするというと、軍人以外の軍属が戦闘乃至戦闘に準ずる公務によつて死亡するという事態が非常に多くなつて来ておるわけであります。昔はこれは雇傭人扶助令という勅令がございまして、これによつて一時金が出ておつたわけでございます。今度これをどういうふうに取扱うかという問題でございますが、私のほうの今の考えでは、やはり太平洋戦争中期以降における特殊な事態を考慮に入れまして、その死亡の原因が一般の雇傭人と違つた戦闘乃至戦闘に準ずる公務で死んだ軍属の扱いにつきましては、戦歿者並みに扱つてやるのが適当ではないかと考えておりますが、将来なお研究を続けたいと思います。
  89. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) よろしうございますか。
  90. 長島銀藏

    ○長島銀藏君 できれば資料を……。   —————————————
  91. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) 長島さんから資料の要求がありました。それでは元に返りまして、社会保険経済の問題ですが、これを議題といたします。
  92. 中山壽彦

    ○中山壽彦君 今日まで厚生委員会保険料率改正の法律案が二回提案をされております。いずれの場合におきましても、保険料率の値上げということによつて収支のバランスを付けるということは絶対に反対だという強い委員の御主張もあつたのであります。私ども保険経済の応急の対策として賛成をいたしたのでありますが、併しその度ごとに私はこういう要望政府当局にいたしてあるのであります。今後保険料の値上げのみによつて保険経済のバランスをとるということは控えてもらいたい、社会保険の全般に亘つて根本的な建直しをして経済の安定を図つてもらいたいということを強く要望をいたしましたことは、保険当局におきましても、御記憶のことと存じております。又社会保障制度審議会におきまして、昨年十月勧告をいたしたのでありますが、あの勧告案の中には、各種社会保険の統合ということが勧告をされております。統合ということにもいろいろな難関があると存じまするが、一度これを断行いたしましたならば、事務の簡素化ということは、申すまでもなく、相当多額な無駄な経費を節約し得ると私は信じております。こういう問題が起りました後、今日まで相当の時日が経過いたしておるのでありまするが、保険当局といたしましては、これらの重要な問題について、今日まで何らかの構想をいたされておるかどうか、こういうことをば適当な機会にお知らせを願いたい。なお保険局長は最近欧州にも出張をせられて、短期間ではありますけれども、各国の保険制度或いは社会保障制度等についても御調査なつたことと存じまするが、これらの中で我が日本に取入れていいことでありますならば、そういうものは、只今申述べました根本的の建直しの構想の中に取入れられることが妥当ではないか、こういうふうにも考えまするので、これらの点につきまして、成るべく速かなる機会において当厚生委員会に御報告願いたいということを今日改めて要望いたしまして、私の質問を終りといたします。
  93. 安田巖

    説明員(安田巖君) 中山委員から社会保障制度につきまして御意見がございましたのですが、私は全く同感でございまして、社会保障制度審議会の勧告が出ましてからも、そういう線で努力いたしております。なかなか力が及びませんで今日に至つておりまして、誠に申訳ありません。私自身先般欧州へ行きまして、向うの制度を見て何か日本に取入れる点はないかという御質問でございますが、ここで簡単にお話いたすことにお許し願えるならば、一つはやはり年金の問題がございます。この年金制度は、やはり現在の日本社会保険におきましては、まあ一番のウイーク・ポイントだと思つております。わけても唯一の年金制度というべき厚生年金保険というものが、戦時中及び戦後のインフレの影響を未だに根本的に処理し得ないということは、確かにこれは日本として恥かしいことでありまして、できるだけ早い機会に年金の額は、これは国の財政力に即応すべきでございますから、これはそう多くは望むことはできないかも知れませんが、少くとも戦争によるインフレの影響というものをそのままにしておくということは私はできないことと思います。できるだけ早く軌道に乗せなきやならん、こういう点が第一点でございます。もう一つは、年金で特に感じましたのは、やはり記録の整理、保存の方法でございます。これは私スイスその他で見て参りましたし、或いは世界社会保障会議のいろいろ議題等にございますが、やはり機械化して行くことがこれは必須の要件じやないか。丁度我が国の年金制度におきましては、まだ養老年金というものが全面的に始まつておりません。併し二十八年度からは戦時加算のある人につきましては出て来るのでございまして、私は早くこの機械化による記録の整理、保存ということを考えなければならないということが第二の点でございます。それからもう一つは、イギリスへ参りまして、いわゆるナシヨナル・ヘルス・サービスの制度でございますが、これと我が国の現在の疾病保険の現状と比べますというと、まあ違うところは大体国庫負担だという一点でございます。イギリスは現在国民保健サービスに使つております金が四億六千九百万ポンドでございますが、四億六千九百万ポンドのうちで一割が保険料のほうから入つておりまして、あとの九割が一般の国費からの繰入れでございます。まあそういう点で、これはいいとか悪いとかいうのでなくて非常に羨ましく思つたことは事実でございます。日本でもイギリスと同様に、イギリスでは今日国際情勢がこういうふうに緊張いたして参りまして、再軍備という問題と、そういつた福祉国家計画というものがどこで折合うかということは当面の今大きな問題になつております。イギリスの国家におきましても大蔵大臣がしばしば医療費のこれ以上上ることを如何にして防ぐかということを言つておりますが、先般義歯とそれから眼鏡の一部負担という問題に端を発しまして、労働党の左翼のベヴアンがやめたのは、結局そういつた労働党というよりも、再軍備について費用を角担せざるを得ないというような情勢に対して、従来の労働党の考え方であるところの福祉国家政策、その政策の根本の問題があそこで火花を散らしたと思うのでありますが、そういう問題がたしかございます。私は日本の来年度予算でどういうふうになるかよくわかりませんけれども、併しそういつたように、進んだ国ではそれが問題になるといたしましても、日本では少くとも疾病保険におきまして、医療費に対して幾分の国庫負担をやつて頂いて、その上でそういう議論をされて然るべきじやないか、こういうふうに考えております。大体その三点くらいを強く感じております。
  94. 藤森眞治

    藤森眞治君 私は先月の本委員会で、丁度局長はお留守でございましたが、健康保険の医療単価の点について伺つたのですが、御承知のように、現在の医療費の単価というものは二十三年にきまつたままで今日まで据置きになつております。すべての物価も上り、賃金ベースも上つておる際に、なお医療費だけが二十三年の据置きのままでいいかどうかということについての保険局長の御意見を承わりたい。なおこれをまだ据置くとすれば、それで行けるという予想が立つのかどうか、どういうところに据置いていいという根拠があるか、それを一つお聞きいたしたい。
  95. 安田巖

    説明員(安田巖君) 単価の問題は先ほど申上げましたように、現在社会保険の医療協議会の総会もありましたし、小委員会も二回開いて検討いたしております。実は二十三年十月から上らないということは御説の通りでありますが、二十三年の資料を私どもいろいろ分析いたして見ますというと、今それをただ物価の値上りでスライドさせるということをいたしますと、いろいろな矛盾がまあ出て来るわけであります。たとえて申しますというと、あのときはいろいろ医師のかたがたから出された資料というものを基礎にいたしまして、そうして医師の生活費というものを出して来たわけであります。併しその中の必要経費というものを分析いたしますというと、税の問題なんかによつていろいろ疑問の点が出て来たのであります。勿論所得税等は当時に比較いたしますというと、現在は減つておるのでありますが、その税率は下つておるのでありますが、それらの税を今度見るにいたしましても、そういう理論的な税額で見るか、或いは実際的なもので見るかという点でも一つの疑問がございます。併し当時と比べますと、医師が非常に殖えております。そういう場合に医師全部についての必要な生計費というものを基準にして行くか、或いは当時の資料を基準にして行くかということに問題が出ております。それからもう一つは医師の稼働件数の問題でございますけれども、当時はたしか一人の医師が二十人を見るということで計算をいたしたのであります。その後私どもの計算によりますというと、診療件数その他がぐんぐん上つて来ております。そういう点で或いは一人当りの診療件数というものをどこに見るか。実際的な数字に見るか、医師の殖えない前のものを見るか、そこらの点で若干疑問がございます。とにかく併し物価がどんどん上つて来たということは私ども十分わかつておりますので、早急に一つそういう点十分考慮いたしまして、できるだけ各方面から資料を集めて適正なところに落付けて参りたい、こういうふうに考えております。
  96. 藤森眞治

    藤森眞治君 単価は必ずしも物価とスライドして上らなければならないという理論もございませんが、併しこれはいろいろな条件が伴うて来ますが、併し先般、このお話は直接厚生省から伺つたのじやないので確実かどうか知りませんが、例の田辺の診療所でございます。あそこで技術料と材料というものを分けて発表されておりますが、この数字を見ましても、どうしても二十三年のままではいけないのじやないかという計算が出て来ると思うのでありますが、この数字を見たわけなんでありますが、これが若し厚生省が見た上で正しい数字といたしますならば、ここに計算の基礎をおかれても、当然単価が上らなければならんということが考えられるのであります。それからいつも単価の問題になりますと、医療協議会の結論ということになつて参りますが、ところが御承知の通り、その協議会の中には医療担当者というものは数において非常に少い、むしろ保険者側の人が多いということで、いずれも経済のことを考えた場合には、単価の値上げということは容易によくよくの場合でなければ通過しないということが予想される、そういう折に、医療担当者の言葉が十分通らないで、ただ医療担当者の犠牲においてのみ保険経済を維持して行こうという考え方は、これはよほど慎んで頂かなければならん点じやないかと、こういうふうに考えるのでありますが、その点につきまして、例の数字等から出ました点から、単価をどう扱つて行くかという一つ御所信、厚生省としての御所信を承わりたい。
  97. 安田巖

    説明員(安田巖君) 田辺の病院の経理の、経済の実相が発表されたということでありますが、私まだ不幸にしてそれを存じておりません。恐らく保険局とは関係なくてお調べになつたのだろうと思いますし、或いは又いろいろ調べ方もあるのでございますので、よく研究してからにいたしたいと思います。いろいろ経営の仕方もございまして、田辺ではあれじやないかと思いますが、例えば愛知県ならば愛知県の国民保険の直営診療所等で調べたのを見ると、現在でもやつて行けるという数字が出ておる。それから私ども社会保険の診療所なり、病院を相当持つておりますけれども、これも別に国から何も経営の関係については補助を出しておりませんが、やつて行けるという数字が出ておりますが、そういうことは別にここで申上げたいことではございません。ただ社会保険医療協議会で、医師のかたが少いから、多数論で以て医師の意見が通らないじやないかという御心配、私も藤森委員と同じように保険の医療をやつて行くのに、ただ医師の犠牲でのみやつて行くということには反対でございます。私そういうことに、仮にそういうことになつても長続きいたしませんので、そういうことは望むべきじやないと思つております。そういう点は私考えておりません。そうして又社会保険の医療協議会におきましても、できるだけ委員意見がまとまつたところで一つやつて見たいという気持を持つております。或いは又お医者さんの言つておられることが非常に正しい場合もありますし、或いは計算等におきましても間違いがあることもございましようから、いろいろ議論になることと思いますが、一つ成るべく早く協議会のほうで誰も納得するような結論を出してもらいたいと思つております。
  98. 藤森眞治

    藤森眞治君 医療協議会も、医療担当者のかたの数が少いのでその主張が通らないということは、これは利害相反した人たちによつて大体協議することになりますので、これだけの例から見ましても、十分医療担当者の意見が通つておらないということは事実である、必ずしも医療担当者の言つておることが正しいとも限りませんが、こういう際において厚生省が十分な資料、十分な確信を持つて行けば、この線が出るのじやないか、例えば二十三年から今日まで放つておるのは、いろいろ事情があるにしても、若干上げるべきだというならば、上げるという線をむしろ政府として、そういう指導的な立場と申しましようか、そういう態度で臨んで頂きたい、こういう考えであります。
  99. 井上なつゑ

    井上なつゑ君 ちよつと伺いたいのですが、大変保険局長の御報告面白いと思いますが、カードの機械を、この間厚生省の統計部でございますか、参りましたら、たくさん入れて機械化の始まりをやつておられたが、保険局ではそういう機械を購入するとか何とかの予算がございましようか、大変面白い御報告でございましたので、ちよつと伺つておきます。
  100. 安田巖

    説明員(安田巖君) 予算はございませんが)来年度予算調査費だけを組もうと思いまして要求いたしております。それで研究いたしまして、或る程度の確信を得まして、再来年の予算にはそれを要求したい、こういうふうに考えております。
  101. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 この頃いろいろな会合で私ちよつとこういうことを聞きますので、若干気にかかるので伺いたいのでありますが、健康保険の診療は、例に例えれば汽車の三等車の診療である、これによつても十分目的地に達せられるのだということを医療担当者のほうで説明する人があるのであります。これは極めて率直な表現であるとは思うのでありますが、この一等、二等、三等の三等車というような感じを聞く者に与えるので、一般の保険者とか、被保険者にはいい感じを与えない。それで健康保険の診療も必要にしても十分なことをやらなければならんのであつて、例として極めて私はまずいと思うのでありますが、局長、それから丁度日本医師会長の谷口さんがおられますので、そういう例がいいかどうか、私はそういうことを発言する人を攻撃する意味ではないのです。極めて率直な発言と思うのでありますが、一般に与える感じがどうもよくないような気がしますので、健康保険の診療は決してそんなものではない、十分にして必要な治療をやるので、あとは贅沢診療、不必要なところをやる診療があるかも知らんが、これは完全に必要にして十分な治療であるのだということを言つてもらいたいわけなんであります。
  102. 安田巖

    説明員(安田巖君) 近頃の三等車もだんだんよくなつて参りました。(笑声)先ずそういう具体的な例え話に私がこの公の委員会において触れますのは、あとでいろいろ問題が起るので、そういう点には触れたくないと願つております。私ども保険診療は必要にして十分な治療であると、こういうふうに思つております。
  103. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) 谷口さん如何ですか。
  104. 谷口弥三郎

    ○谷口弥三郎君 御指名ですから申上げますが、保険診療は無論適正な、いわゆる学術的に考えて十分な診療をいたしております。併し或る点では贅沢治療というようにも言われもいたしますけれども、例えば非常に弱つておる或いは疲労しておる患者に葡萄糖を注射するとか、何とかいうようなことは、成るべくせんようにと言うておるものですから、自然三等で目的地に達するというようなことを言うのだろうと思いますが、決して日本医師会ではそういうことは指導しておりませんから……。それからついでに私からも一つ、二つお伺いしたいと思いますが、先刻来いろいろと御説明を頂きましたことで大体よくわかつて参つたのでございますが、只今一点単価の値上問題とかいうのにつきましては、先刻もお話のございましたように、公立病院からこの前陳情もございましたが、最近公立病院は九月の五、六、七ですか、堺市におきまして全国の公立病院長会議をやりました結果におきましても、どうしても今の単価では立つて行かん。もうこれは一日でも長くやればますます赤字を殖すからして、近々値上げをしてもらわん限りはやめたいというようなことを言つておるのであります。又我々の知つておる医師会などにおきましても、今の単価では到底駄目である。先刻局長があの前の二十三年度に拵えたのは、その構成において少しこう怪しいところ、或いは少し間違つたところ、いろいろなところがあるように考えるのでということでございますが、併しすでに三カ年間も間違つたということを知りつつ、これを続けたとなると厚生省は、保険局はかなりこれはもう重大な問題を起すのじやないか知らん、従つてあの点くらいなら相当じやなかろうか、無論患者でも一日当り二十人というのも、これも我々のほうでも断面調査などをいたしまして、やつておる結果もございますので、大体我々が見たところでも、どうしても今のやつでは駄目、もう少しどうしても値上げせん限りはよくないのじやないか、而も或る二、三の県におきましては、これを上げてもらえんなら、十月一日からやめたいということを言つて参つておりますので、小委員会ができておりますけれども一つ非常に急いで、出来得る限り早くその結論を出すようにして頂きたいと思います。そういうお気持なつたら、ほぼいつ頃になる予定なんでございましようか、それをもう一つ……。
  105. 安田巖

    説明員(安田巖君) 私はもう先ほどからたびたび申上げましたように、できるだけ早くこの問題を片付けたい。と申しますのは、この問題が宙ぶらりんでございますと、政府全体といたしましても、例えば共済組合の問題がございますし、健康保険の問題がございますし、国民健康保険の問題がございます。或いは又国立病院の問題がございまして、歳入歳出共に不安定な状態であるということでございまして、できるだけ早く一つやつて行きたい。私のほうも動かすことができるならば、私のほうでやつてもよろしいのでございますけれども、そうも行きませんので、一つ医師会のほうの御意見も伺いたい、或いは中立側の人の御意見も伺いたい、大体こういうふうに思つております。
  106. 谷口弥三郎

    ○谷口弥三郎君 若し幾らか上げんならんという場合には、今度の補正予算に組むことができるお見込がありますか、如何でございますか。
  107. 安田巖

    説明員(安田巖君) 私どものほうとしては補正予算を組まなくても、つまり補正予算を組むというのは、それだけの事実殖えただけの歳入を確保するという問題になつて来わしないかと思うのでございますが、今のところそういう歳入を確保するための国庫負担を、補正予算で望むことが、まあ今の見通しではむずかしいのじやないかという私は気持を持つておるのです。併し先ほどから申上げましたように、若し正しい数字が出まして、それが適正な単価であるということでありますならば、それを国のほうの予算がないからと言つて、医師のほうの負担で犠牲を強いるというわけにも行きませんから、そこらのところは他の方法でも考えなければならん、こういうふうに思つております。併しいずれにいたしましても、私ども念願いたしますのは、現在だんだん医療費は上つて参りますし、国民所得と、それから各自の医療費の割合というものは私は動かんのじやないか、つまり大体私はマキシマムに来ておるのじやないか、従いまして国民所得が殖えまして、そうしてそれに相応する医療費が上るということは望むべきことでありますけれども、現在以上に医療費の割合を上げるということはできん状況じやないか、その際に医療の内容が上つたけれども、金が、医療費がないということになりますと、まあ大部分の人が必要な医療を受けることができないという状態が又出て来る、例えば仮に一部負担ということを考えましても、例えば病院の食事をやめたらどうかという考え方もございましようけれども、併し現在入院結核疾病なんかで入院をいたしております者の経済状態を見ますというと、まあ大体保険課は生活保護、それ以外で自費で払つておるということは殆んどない。その際に若し食事を自費負担ということになりましたならば、恐らく現在の入院患者というものはうんと減るだろう、取りも直さずそれだけ医療を受けるという人が少くなるということに、できるだけそういうことを避けまして、国全体がそういうような状況であるならば、みんなが一つ我慢し合つて、そうして無駄のない医療をやつて多くの人に適正な、そして十分に医療できるような方法を考え、又そういうことが実現するように国民全部で協力しなければならんと、こういうふうに考えております。
  108. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) ちよつとお諮りいたしますが、まだ癩予防事業に関する件が残つております。更に今日の決議事項が残つております。相談事項も一つまだあるのですが、そういうわけで成るべく早く議事を進めたいと思いますが、御努力をお願いしたいと思います。  それでは癩予防事業についての件を議題にしてよろしうございましようか。
  109. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 午前中に終つてしまうのですか。
  110. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) 終つてしまうのです。午後やつたらいなくなると思いますので、成るべくまあそういうわけですから……。それからその癩予防の件に関する前に、先ほどあの石原さんの、これは問題になつておる国立公園の件に関して、管理課長の甲賀さんが見えておりますので、一応……。
  111. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 この公園に関する問題は、私はもつと大きな根本的な立場からいろいろ聞いて見たかつたのでありますが、つまり厚生省国立公園を持て余しておるじやないかという、あのことを聞いて見たかつたのでありますが、部長もお見えにならないようでありますから、課長から二十七年度で大体どんなことを要求されておるかということでよろしうございます。で、先ほど私が質問しました点は、いろいろ大がかりな施設東京とか、京阪神中心の所にはやられて結構ですが、僻陬の遠い所には国立公園、山小屋の一つでも持えてやるとか、ハイキング・コース、舗道の整備、これはやつてもらわんと、国立公園ができて、この間二十周年記念をやつたが、二十年経つても一向何にもない。これでは放つて置けんということで議員連盟まで作つてやろうということになつておりますので、そういうことに関連して伺つておるのです。
  112. 甲賀春一

    説明員(甲賀春一君) 二十七年度の概算要求でございますが、主なる事項は大体総額で……。
  113. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 簡単でよろしうございます。
  114. 甲賀春一

    説明員(甲賀春一君) 国立公園についてのみ申上げますと、前年度と大差ないのでございますが、お話のありました施設整備関係について、来年度予算として要求しておるのは一億七千万円ばかりでございます。これはいろいろ大蔵省とも折衝しておるのでありますが、地元が非常に利益を受けるから施設などはいらんのではないかという話もございますが、私どもはそうでなく、国立公園である以上、最小限の施設整備しなくちやならないということで目下折衝しております。主な内容としては、大体本年の重点を、大衆が利用する施設に三千万円ばかり割当てまして、で、残りの大部分をもう少し国立公園を見る上において必要な施設、例えば道路法に言う道路でなく、観光を主にした道路のようなもの、舗装した立派な道路を一、二カ所でもいいから作つて行きたいと、こういうようなことで進めております。これはだんだん検討いたしますと、十七の国立公園全部にばら撒くと自然薄くなつて、やつた事業もさつぱり効果が現われませんので、どうしても重点的にどこかからずつ二、三カ年くらいの計画でだんだん整備して行く、こういうことで進んで行つたらよかろうということで、今のところそういうわけです。
  115. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 重点的な考えは私は勿論賛成であると思うのでありますが、その山小屋を一つ作るとか、ハイキング・コースの整備をやるというようなことは極めて僅少な金でやれるので、観光道路を作るとかどうとかいうのは重点的でよろしいが、その程度の山小屋にハイキング・コースの整備くらいのものも、やはり地方国立公園にも考えてもらわんと何にもないということでは、これは励みにならんようですし、或いはその所在地の都道府県がやるにしても、国立公園に対して、国が何にもしていないのにという感じを持ちますから、そういうことも併せ考えてもらいたいということを希望しておきます。それからもう一つは、国民公園の問題に関して、新宿御苑或いは皇居外苑の管理を、厚生省が今のような形でやつておつていいのかどうかというようなことで、私はむしろ東京あたりに任してやらしたほうが却つていいのではないかというようなことを言つたのでありますが、これは又別の機会にして……。それから山下委員がおられませんので代弁いたしまするが、新宿御苑の入苑料を値上げするということは、これは一般大衆の入苑を対象としておるのによくないではないかというところがありましたので、それも御答弁頂きたいと思います。
  116. 甲賀春一

    説明員(甲賀春一君) 入苑料については、これは管理費と大体睨合せて前から検討中だつたのでございますが、少し安過ぎはしないか、現在よりも五割程度は値上げしたらよかろうといういろいろな意見もございまして、私どものほうで検討した結果、五割程度上げても、そう入苑者にひどい負担をかけることにはならんだろうということで、大体先週の土曜日から五割上げることを実行したのでありますが……。
  117. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 もう上げたのですか。
  118. 甲賀春一

    説明員(甲賀春一君) はあ、それでこれは歳入との関係もございまして、管理費が大体本年予定いたしましたのが千三百万円の収入を予定したのでございますが、今までの状況では二千万円程度は入り得る見込が付いたのであります。更に五割上げますと、三千万円ばかり来年度は収入の予想ができる。三千万円ありますと、いわゆる適正管理と申しますか、きれいにあの苑地を保つて行くだけのことができるという見通しでやつたのであります。   —————————————
  119. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) 大分時間も過ぎましたが、癩の問題が残つておりますが……。
  120. 谷口弥三郎

    ○谷口弥三郎君 癩の予防問題につきまして、極く簡単に、時間がありませんので、一つ、二つお伺いしたいと思います。  先ず第一番に、癩という名前がどうも一般に非常に嫌われておることは御承知の通りでございますが、最近学術語といたしましてはハンゼン氏病というようなふうに大体なつておるようでありますが、日本でもそういうふうな病名に変えてしまうというようなお考えはありませんでしようか、厚生省として御意見を聞きたいと思います。
  121. 阿部敏雄

    説明員(阿部敏雄君) 只今の御質問でございますが、主管関係は誰もおりませんので、ちよつと私ども申上げかねるのでございますが。
  122. 谷口弥三郎

    ○谷口弥三郎君 それでは次に、これは医務局の御関係だと思いますが、癩に対する国立研究所というのが現在日本ではどこにもできておりませんのでありますから是非一つ早く国立癩の研究所を作らんならんといようなことがほうぼうで言われておるのですが、厚生省としてはこれに対してどういう御見解でございますか。
  123. 阿部敏雄

    説明員(阿部敏雄君) 癩の研究所につきましては、厚生省といたしましても、是非早く実現したいという意見は皆一致いたしまして、来年度予算に実は要求しておるわけであります。それでどういうふうな研究をどうやつたらいいかという点でございますが、やはりいろいろなこれは研究もあると思いますが、癩患者というものがその対象になつておるというので、現在の考えを申上げますと、どこかの療養所の構内、又は療養所の隣接したところに研究所を設けたい、その場所は決定しておりません。それからもう一つ考え方は、癩の研究は療養所のドクターばかりではなくて、いろいろの角度の科学者が寄つて研究する必要があるから、そういう科学者にできるだけたくさん参加して頂けるようなところを選ぶ必要があるのではないかというような、大体その程度の考え方でございまして、これも又今後の検討によつて変るかも知れませんが、さような研究所を是非作りたいというので、もう六千万円余り要求がしてございます。
  124. 谷口弥三郎

    ○谷口弥三郎君 只今の御説明で、癩の研究所を是非作りたい、而もやはり癩の研究だから癩の患者のいる附近か、構内でやりたい、そのために六千万円からの経費予算を立てているというのですが、それではどういうようなふうの研究所、例えばどのくらいの坪数でどういうようなふうにおやりになるお考えでありますか。
  125. 尾村偉人

    説明員(尾村偉人君) 只今要求しておりますのは、費用で約六千六百万円、それから坪数におきまして約五百坪のもの、大体予想されます従業員、研究者を入れまして四十名、これはこういう企画は昭和十六年に癩予防協会の中で、癩の一般的な政策の答申が出ておるのでございますが、その中の癩研究所に関する答申案を大体参考にいたしまして、当時と必要性はそう変つておりませんものですから、当時検討された内容で大体組んでおります。
  126. 谷口弥三郎

    ○谷口弥三郎君 実は先月ですか、菊地恵楓園の一千床増床の落成式をやりまして、そのときに私どもはあそこを視察したのですが、あそこは非常に立派な研究所ができておるようでございます。あれは又同時に国立の研究所としてもいいくらいのものができていると思うのでございます。あれを直ちに利用しますというと、そこの経常費だけで、家を建てたりせんでいいから、私どもちよつとした計算では、先ず千六百四十万円くらいででも行くのではないかというくらいの予算でありまして、而も早速それができるのでありまして、一方これから鉄筋コンクリートの家を建てるとか、何とかするためにでも、かなりの日にちがかかりますので、私どもはできるだけ早く研究所を拵えて行かなければならん。そうして是非癩の撲滅予防に対して日本一つ一日も早くこれを成功して、我々が太平洋戦争に御迷惑をかけた国々にもその余沢を及ぼしたいと思うので、一日も早くどうか完成した現地にあるやつを御利用になるというお考えはできておらんわけでございますか。ちよつとそこまで……。
  127. 阿部敏雄

    説明員(阿部敏雄君) お答え申上げます。一応先ほど申上げました建物を新設いたしまして、そうして療養所を作るというのを第一段の構えにしまして、それが若し不可能であれば、今お話のような施設の使用を始めるという二段構えで今臨んでおるわけであります。
  128. 松原一彦

    ○松原一彦君 貞明皇后仰せの御下賜金か何かあつて、これを二億円に増額して癩の療養所の完成を図るということが新聞にありますが、これはどの程度まで進んでおりますか。
  129. 阿部敏雄

    説明員(阿部敏雄君) それは主管が違いまして、公衆衛生局のかたがおられませんものですから、詳しいことは申上げかねますが、ただ私どもとしてわかりますことは、癩の療養所を充実しておるというのではなく、国立として、或いは極く少数の私立療養所として癩療養所をやつておるのでありますが、それで足りない施設、そういう意味でございますから、充実しておるとは申しますものの国立としてまだ計画してないようなものを作つたり、又患者を慰安する方向に向けたり、こういうような方向で進むというようなことに話は聞いております。それからその進行状況につきましては、これも私募集の委員として、つい十五日ほど前に委員会がありましたときに経過報告を聞いたのでありますが、これから募集を始めるのだ、併しすでに数カ所からまとまつた金を申込んで来ておる、至急その手続をしなければならんという、こういうような報告を聞いております。
  130. 松原一彦

    ○松原一彦君 大変結構なことで、私は感謝いたしますし、なおこれは大口募金で以て、小口はあまり大きな期待は持てないということは非常に結構なことだと思います。最近私も癩の療養所をほうぼう見て参りまして、日本の癩の療養所施設その他は非常に大きな成功だろうと思う。これは大成功であつて、厚生事業のうちでも後代に残る事業であろうと思います。中の管理状態も成るほどどこを見ても非常に立派でございますし、敬愛院等の問題がありますが、これも解決したと思います。どうぞもう一息ですから、この問題を固めて一応の完成報告をして頂きたいということを希望いたします。   —————————————
  131. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) それでは時間の都合で、すぐ御相談に入りたいと思いますが、よろしうございますか……民生委員の大会に対する議員派遣の件です。十月の十三日から三日間、鹿児島で全国民委員大会が中央社会福祉協議会の主催で開かれることになつておりますが、今までにもこの大会には委員を派遣しておるわけですが、今回は如何いたしましようか。特に今回は民生委員法の改正がこの会議の議題の主なるものになるだろう。こういう点から特に今回の民生委員大会は重要である、こう思いますので、派遣することに対して御意見を伺いたいと思います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  132. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) 御異議がないようですから、御希望のかたは言つて頂きたいと思います。予算関係があるので、大体二人くらいがよかろうと思いますが、如何でしようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  133. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) 二人と決定いたしまして、只今休会中なので、再三委員会を開くことはできませんので、先ほど山下さんが申込んで来たそうですが、ほかに御希望のかたがありましたら、お申出を願います。それではあとで結構ですから、専門員のほうにお申出を願います。   —————————————
  134. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) それでは先ほどの議題なつております……。
  135. 谷口弥三郎

    ○谷口弥三郎君 先ほど本委員会五つの小委員会ができて、同時に小委員会委員委員長に指名して頂くということに決定いたしましたが、なお小委員長委員長から御指名頂いたほうが簡便でよくはないかと思いますが……。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  136. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) 小委員長の指名も委員長指名ということに御同意があるようですが、御指名申上げたいと思いますが、委員が本日は少ないので、将来異議があつた場合には、委員会で改めて議題として御討議を願うということを前提として私から御指名申上げたいと思います。  遺族援護に関する小委員会は中山壽彦君、石原幹市郎君、長島銀藏君、山下義信君、藤原道子君、常岡一郎君、大谷瑩潤君、松原一彦君、定員が九名、欠員一名でございます。委員長山下義信君を御指名いたします。  保険経済に関する小委員会は、委員が小杉繁安君、中山壽彦君、石原幹市郎君、藤森眞治君、松原一彦君、定員五名であります。小委員長に中山壽彦君を指名いたします。  結核予防に関する小委員会委員を有馬英二君、大谷瑩潤君、藤原道子君、藤森眞治君、定員は五名、欠員が一名ございます。小委員長藤森眞治君に御指名いたします。  癩予防に関する小委員会委員を中山壽彦君、藤原道子君、藤森眞治君、常岡一郎君、谷口弥三郎君、松原一彦君、以上六名ですが、定員は七名、欠員が一名ございます。小委員長に谷口弥三郎君を御指名申上げます。  次は看護に関する小委員会委員を御指名申上げます。井上なつゑ君、有馬英二君、中山壽彦君、藤原道子君、谷口弥三郎君、石原幹市郎君、以上六名ですが、欠員が一名ございます。定員七名です。小委員長を藤原道子君に御指名申上げます。  以上は以前やりました小委員会の小委員長並びに委員の配置でございまするので、改めて前の委員会委員を差控えた点はございません。以上御承認を頂ければ、本日はこれで終りたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  137. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) 御異議ないと認めます。御苦労様でございました。本日はこれにて散会いたします。    午後一時二十九分散会  出席者は左の通り。    委員長     梅津 錦一君    理事            井上なつゑ君    委員            石原幹市郎君            中山 壽彦君            長島 銀藏君            藤原 道子君            山下 義信君            藤森 眞治君            谷口弥三郎君            松原 一彦君   事務局側    常任委員会専門    員       多田 仁己君   説明員    厚生大臣官房会    計課長     太宰 博邦君    厚生大臣官房国    立公園部管理課    長       甲賀 春一君    厚生省公衆衛生    局長      山口 正義君    厚生省医務局長 阿部 敏雄君    厚生省医務局国    立療養所課長  尾村 偉人君    厚生省児童局保    育課長     吉見 靜江君    厚生省保険局長 安田  巖君    引揚援護庁援護    局長      田辺 繁雄君