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1951-09-07 第11回国会 参議院 運輸委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年九月七日(金曜日)    午前十時四十九分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○一般運輸事情に関する調査の件  (運輸省及び日本国有鉄道関係補正  予算に関する件)   —————————————
  2. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) それでは委員会を開会いたします。  本日は公報で申上げました通り一般運輸事情に関する調査のうち、運輸省及び日本国有鉄道関係補正予算に関する件を議題に供します。この件につきましては、前回の当委員会におきまして、政府から数字内示があつたわけでありまするけれども、その後仄聞いたしまするところでは、政府部内におきまして大体の数字が確定して、政府部内に内示があつたというようなことでありますので、果してその数字はどういう予算内容であるかということを、政府側国鉄側でこの委員会におきまして本日御説明願いたい。又大蔵省との間の交渉経過等についてもお話願いたい。且つ又その内示されました予算既定計画が遂行できるかどうかという点も是非とも併せて御説明願いたいと思います。その説明をお聞きいたしました上に質疑応答なり、更に当委員会としての善処をいたしたいと、かく考えまして本日の御参集を願つたわけでございます。先ず運輸省側から足羽監督局長の御説明を願います。
  3. 足羽則之

    説明員足羽則之君) 前回に私たち運輸省並び国鉄から補正予算大蔵省に提出いたしました内容について御説明申上げたのでございますが、その後大蔵省のほうからこれに対する査定内示がございまして、詳しいその数字につきましては直接国鉄から経理局長が見えておりますので、後刻説明をして頂くことになつておりますが、大体要点は次のようでございます。  即ち今年度物価のいろいろな資材の値上り、或いは業務量増加、或いは給与ベースの改訂、こういつた要因を含んで補正予算としての相当のこの修正をまあ希望したわけでございますが、結局それを財源の面から見ますと、約三割五分の運賃値上をするということが一つの大きな骨格でございまして、それによつて損益勘定の収支を賄つて行こう、こういう内容であつたのでございますが、大蔵省査定の大体の数字はこれを約三割、大体約三割という数字でございまして、旅客が二割、貨物が三割の値上げという考え方のようでございます。そうして主要な項目について申上げますと、給与ベースにつきましては、調停案は現在の給与ベースを一万八百二十四円にするという調停であつたので、その線に沿うて補正予算を提出したのでありますが、これは現行の給与べースに比べると約二千四百円のベース・アツプになるのでございますが、これを千五百円のべース・アツプにして、そうして半カ月分の年末手当を計上をする、こういう考えでございます。  それから業務量増加伴つて約一万六千人の増員要求しておつたのでありますが、この増員要求は正面からは認められませんで、約三千人分の超過勤務手当で認め、そうして七千人分を臨時人夫で認める、こういう査定でございまして、定員の増加は認めないで超過勤務手当及び臨時人夫で認める、こういう数字でございます。  それからこの行政整理の問題が政府として強く取上げられておるのでありまして、これに対する閣議決定としても、各公共企業体行政機関整理に準ずるという趣旨のことが謳われておるのでございますが、恐らくこの趣旨を受けてと思います。約三万二千人の行政整理、こういう大体案が示されておるわけでございます。  それから損益勘定につきましては、極く大ざつぱに申上げますと、主要な点はそういう点でございますが、工事勘定につきましては約四十五億、こちらから提出いたしました数字に対しまして約四十五億の追加を認める。その後多少修正がありまして、現在では約五十億の追加を認める、こういう数字でありまして、一番問題になつておりますこの車輛新造の点につきましては、追加六千輛、今年度全部で九千輛の車輛が、貨車新造できるということを要求いたしておるわけでございますが、それに対して五千七百輛の査定をいたして参つておるわけでございます。  以上が極くあらましでございまして、なお工事勘定につきましては、新線の点、或いは東海道の電化などにつきましてはこれを認めておらん、こういう内容でございます。以上につきまして我々といたしましては更に再修正要求をいたしまして、いろいろ現在折衝いたしておるのでございますが、大蔵大臣も今渡米をされておりまして、丁度話が打切りのような恰好になつておりますので、いろいろ事務的には話合いをいたしておるわけでございますが、話が現在停頓をいたしておる、こういうまあ状況でございます。  以上極めて概略でございますが、先ず最初に御説明を申上げる緒として概略の点を説明申上げました。
  4. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 御質問一つ、どうぞ順次御発言願いたいと思います。
  5. 小酒井義男

    小酒井義男君 この今御説明のあつたうちで、要求としては一万何千人やらの増員要求されたわけですね。
  6. 足羽則之

    説明員足羽則之君) 一万六千人でございます。
  7. 小酒井義男

    小酒井義男君 一万六千人の欠員の補充が必要であるのにかかわらず三万一千人の整理ということになると、どういうふうで国鉄現場運営をされて行くことになりますか、こういう点について一つ説明を願いたい。
  8. 足羽則之

    説明員足羽則之君) 非常に業務量が殖えて参りまして、どうしても現場配置転換などのみによつてはなかなかその業務量が補えないという点から、いろいろ計算した数字が一万六千人の増員要求なつたわけでありますが、どうしても相当なる増員を必要とするという考え方が基礎なのでございます。従つてお話のようにこの行政整理の問題でございますが、行政整理を現在現場に対して行うということは我々といたしましては、そういう考えからいつても当然これは両立しない、こう考えておるわけでありまして、その点についても従つて強く反対をしてそれに対する再修正を求める、こういうような態度で今交渉いたしておる、こういうわけでございます。
  9. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 特にこの際御発言がなければ国鉄予算国鉄側説明を求めましてから、再び質問に移りたいと思います。国鉄側三木経理局長
  10. 三木正

    説明員三木正君) 今足羽監督局長から御説明がありましたものに附加える点は全然ないと思うのでございますが、私ども補正予算をお願いします際に決して水増しとか山をかけるということは全然いたしておりませんので、私ども考えます範囲においては、これだけどうしても殖やして頂かなければならない、こう思つて補正したのでございますが、ただ物価値上りの点を四月末乃至五月の初めの時期で押えておるのであります。その後の物価状況を見ますると、グレイ・マーケツトと申しますか、工場直接の、メーカー直接の販売品以外は相当値下りを見せております。併しメーカー自身建値というものはその後も殆んど変化がないのでございます。或る方面におきましてはグレイ・マーケツトがこういうふうに下つて行つておるから、四月末、五月初めが一番高い時期である。それによつて補正予算なり、臨時予算、或いはそれに基いて運賃の値上を考慮することは妥当でない。もう少し下目に見るべきだというような説があるのでございますが、この点につきましては私ども本当の自分の意見が正しいと主張する自信がございませんので、大方の御批判を受けて適当な物価水準を……政府のそれぞれ企画もございましようし、それにより物価水準によつて定められるということで予算が生まれ、それに基いて運賃が審議されるということは当然だと思いますが、その他の点につきましては考え及びます限り経費を少くして運賃を安くすることを考えて作つたつもりでございますが、その物価におきましてもその後先ほど申しましたように、建値につきましては殆んど変化がございません。ただ一部銅については約一割の値上りがございました。それから錫のごときは、これはまあ輸入品でございまして国内生産は余りございませんが、これは相当値下りを見せかけております。百四十五万円以上しましたのが現在においては九十万円を下廻るというような状況でございます。併しその他のものについては大体似たような、四月末当時と殆んど変りのない状態でございます。更に石炭につきましては、この追加予算に計上しました炭価は、現在契約しておりまする上半期の石炭について、石炭単価に対しまして約四千三百円でございますが、それに対して八百円の値上りを見ておりますけれども現実の問題といたしましては、市場の価格が相当上廻つておりますために、果してこの八百円の値上りで所要の石炭が獲得できるかどうか、非常に疑問のような状態なのでございます。その他につきましては只今監督局長からお話がありました点に尽きておるように思いますので……。
  11. 高木正夫

    高木正夫君 ちよつと先ほど聞き漏らしたのですが、この二千四百円ベース・アツプを千五百円ベース・アツプですか、そのほかに何かおつしやいましたね。
  12. 足羽則之

    説明員足羽則之君) 大蔵省内示では千五百円ベース・アツプをして、そのほかに年末手当半月分計上する、十月から千五百円べース・アツプするというのとそれから年末手当半月分と、こういう査定数字のようであります。
  13. 高木正夫

    高木正夫君 それから貨車新造ですね。これは何輛と申しましたか。
  14. 足羽則之

    説明員足羽則之君) 五千七百輛。
  15. 高木正夫

    高木正夫君 全部で九千輛の要求に対して……。
  16. 足羽則之

    説明員足羽則之君) 要求は全部で新造九千輛、ですから追加予算としては約六千輛になります。
  17. 高木正夫

    高木正夫君 追加予算では幾らです。
  18. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 六千、追加予算では六千。
  19. 三木正

    説明員三木正君) 貨車につきましてはいろんな車種を作ることになつておりましたが、ワムに換算しますと現予算では五千九百輛造ることになつてつたわけであります。単価値上りがございまして、それだけ造れない。今度の追加予算では合計含めて九千輛の貨車新造したい、こういうふうな貨車新造予算つたものを五千七百輛だけ認められた。ですから五千七百輛というものは今年度新造の全部であります。
  20. 岡田信次

    岡田信次君 途中から……ちよつと申上げたいのですが、結局経費のほうで四百なり四百十五なにがしの不足、それから赤字経費のほうで二百六十三億ですかの赤字と、それに対して只今大蔵省折衝の模様を、もう一ぺんちよつとお伺いしたいのですが。
  21. 足羽則之

    説明員足羽則之君) 工事勘定では現在のところ補正予算を約五十億大蔵省は認めているわけであります。それから損益勘定では先ほど申しましたごとく、国鉄の当初の案では約五百十三億余の不足になるという……平年度でございます。こういう考え方で約三割五分の運賃値上をしなければ賄えない、こういう要求骨子になつてつたと思いますが、大蔵省査定案といたしましては、物価の三割という案で平年度で約三百六十六億が不足、こういう考え方数字的には骨子になつているようであります。具体的内容につきましては、主な点につきましては先ほど申上げたような次第でございます。
  22. 岡田信次

    岡田信次君 そうすると少しお話が違いますが、私は二十六年度に入つて貨物輸送実績から見て今年度新造をする必要がないという考えを持つておりますが、大体三分の一の実績を見ましても優に一億六千万トン以上を運べるという実績を示している。然るにもかかわらず補正予算におきましては一億五千五百万トンで、貨車補給は別として、新車の特別の車種関係は別として、全般的に見て新車補給をつける必要はないだろうと考えておりますが、如何ですか。
  23. 足羽則之

    説明員足羽則之君) 車輛の働らきを見て、大体どのくらい車を造る必要があるかどうかということは、それが根本の考え方見解の分れ目だと思うのでございますが、一億五千五百万トンの輸送量考えて、補正予算で全体新造が九千輛という要求をいたしました根拠につきましては、前回説明申上げたわけでありますが、車輛効率についての見解はいろいろ分れております。そうしてこういう査定も生れたわけでありますが、最近の車輛運用効率に対する大蔵省査定態度もいろいろ勘案をいたしまして、我々としては現在復活要求をいたしているわけでありますが、これについては九千輛の案でなく、向うの考え方も汲んで五千七百輛に対してもう六百の六千三百輛を新造したいということでいろいろ折衝をいたしております。こういうわけでございますが、併し岡田委員がおつしやいますように、車輛新造の必要はなしという考え方は我々としては持つておらんわけであります。
  24. 岡田信次

    岡田信次君 ところがですね、鉄道当局或いは貨物協会その他の資料を拝見いたしますと、とにかく四月、五月、六月、七月、八月の輸送の実際は一億六千万トン以上の輸送をしている。この事実を然らば如何にお考えになるか、この間にとにかく貨車の殖えている数は極めて微々たるものである、それにもかかわらずそれよりもつと以下の輸送計画をされているわけで、五千輛なり六千何百輛の貨車を欲しいと言われるのはどうも納得が行かないのですが。
  25. 天坊裕彦

    説明員天坊裕彦君) 岡田委員の御質問ですが、四月以降八月頃まで非常な貨物輸送努力をいたしまして、相当実績を挙げているのでありますが、その数量から見て今年は予算できめているような一億五千万トン以上も運べるような実績になりそうだ、だからこれ以上貨物を運ぶための車を無理して造らなくてもいいじやないかというようなお話でありますが、私ども一億五千万トンと四月以降相当な馬力をかけておるのでありますが、この状態で、秋口から特に問題になりますいろいろな相当繁忙期輸送というものに対しまして、今の状態ではもうピークが新らしく出ない、これ以上殖やすことができないという姿で精一ぱいの姿でずつとやつているような恰好なんでありまして、今までのように山がいろいろでこぼこがあつて、うんと秋口には運んで、併し夏場にはそれに対して落ちるというような性格ではなくて、毎日四十万トンなら四十万トンずつと運んでおるというような性格になつておりますので、秋の輸送というような特に混みますときに、どう対応できるかということが危惧されるわけです。而も一億五千万トンというような数字予算を算出するための一つデータ数字でありまして、現実にはやはり毎日駅頭滞貨と申しますか、在貨が百七十万トンを切らないというような情勢でありまして、更にこれが秋になりますれば、又これが殖えて参るということが考えられるわけであります。而も鉄道輸送といたしましては、今までのように年間ならして一億五千万トン運べばそれでよろしいのだというようなことでなくて、このピークに対して円滑な輸送ができるということが念願であります。できますならば、貨車はまだ殖やしたいという希望を持つておるわけであります。勿論貨車を殖やすというだけでは困る問題であり、機関車の問題もありますし、線路の問題もありますし、全体の調和がとれた恰好で今後の輸送要請に対して応えられるような恰好にして行きたいと考えておるわけであります。ただ先ほどお話が出ましたように、大蔵省査定のような、四十五億とか五十億とかというような線になりますと、もう現実には補正予算では貨車を造る余地がない。造りたくても造る余地がないという姿になることを惧れておるわけであります。
  26. 岡田信次

    岡田信次君 だから私はむしろ一億五千万トンとか、一億五千五百万トンというので固執されないで、ただ一億七千万トンなり、八千万トンの能力が必要なんだ。年間ならしてこれが一億五千万トンであるというような御説明のほうがいいじやないかと思う。どうも一億五千万トンとか一億五千五百万トンとおつしやると、何だか三分の一年の実績がそれを示しておるのですから、どうも世の中の人は納得せんと思うのですがね。
  27. 三木正

    説明員三木正君) お話は非常に御尤もと存じますが、今申しましたように、この四月から非常に上昇しておりますことは、従事員一同努力しておることも事実でありますが、同時にこれは荷主に御迷惑をかけておるということでございまして、それだけだからこれまでと同じような御迷惑をかけて、荷物を駅に持つて行つてから何日目からでなければ運べない、有蓋車が欲しい場合に無蓋車で運ばなければならんような場合もあるというようなことを是認いたしますれば、岡田さんのおつしやる通り滞貨は今おつしやいましたようにございますから、相当御迷惑をかければもう少し運ばれるじやないかということになりますが、併し、だから貨車を造らんでもいいということにはならないじやないかと思うのでございます。勿論輸送量をもつと大幅に見て、そういうことをするという考え方は別になるかと思いますが、一応のデータとして一億五千五百万トンを運びますために、もつと貨車が要るという理由はなぜかと申しますと、今申上げたように非常に悪いサービスで輸送をしておる、正常な輸送でない、だからこれだけ要る。更に若し輸送量をもう少し上廻らせるならば、それに比例して貨車新造をしなければならんじやないか。こういうことになるじやないかと私は思います。
  28. 岡田信次

    岡田信次君 私はこの前の委員会でも足羽君、三木君から説明があつたのですが、車輛運用効率が挙ると荷主に迷惑をかける。その点納得できないのですが、それはそれとして、どうも先ほども申上げるように、一億五千五百万トンまで鉄道輸送をよくするためには貨車が要るということはどうも腑に落ちない、やはり一億八千万トンなら一億八千万トンのこのピークを作るために要るんだ、平年度一年にならして、一億五千五百万トン、六千万トンだろうというふうな御説明にしたほうがいいじやないかと思う。重ねて申上げるのですが、むしろやはり四カ月間の実績を検討されて、従事員も非常に努力されておることもわかりますから、それならば従事員の待遇をよくするとか、或いは余計に要るというほうに廻して、とにかくその間の実績を検討されて、正常化することができるものはするということのほうがいいじやないかと思うのですがね。貨車を造るというほうはやはりピークにしなければならん、そのピークは一億八千万トンなら一億八千万トンにピークをそのまま持つて行けばなるのだということのほうが話が通り易いと思うのですが、如何ですか。何しろ三カ月四カ月の実績が一億八千万トンの実績を示しておるのですからね。
  29. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  30. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 速記を始めて下さい。次の御質問をどうぞ。
  31. 高田寛

    高田寛君 今貨車の問題がいろいろ論議されたのですが、国鉄のほうで要求された予算に対して、大蔵省のほうで相当補正予算の案として減額されておる。その減額されたために国鉄の意図していたところがどういうようなことができなくなるかということを一つ大まかな点だけ今御説明願いたい。どれだけの支障を来たすかということを伺いたい。
  32. 三木正

    説明員三木正君) どれだけの支障を来たすかと言われますと、大変むずかしいが、これからやり方にもよると思いますが、例えて申しますと、現在手がけて仕事を始めておりますることを、まあ初め予算通りましてからあと物価値上りが非常にございましたので、予算で認められたものを全部手がけておりません。相当程度に選択しまして、一部のものについてだけ手がけて参つております。その一部のものについて手がけて参つたものを経済的なスピードで仕事をやつて行く、そう急ぎもしなければ、わざと漫々的でやるということをしないで、最も安くし上がる方法でやつて行くとしますと、七十億余りはどうしても今の分で要るだろうと思います。そのほかにもう緊急、眉に火がついておるものも今手がけてない、或いはどうしてもやらなければならないというようなものの本当の最小限度落つこちそうな線等を、川崎の架線工事のような非常に危いもの、そういうような極く焦眉の急のものを考えましても、合せますとどうしても百億以上はないと困るのじやないか、こういうふうに考えております。
  33. 高田寛

    高田寛君 今の御説明でいろいろもう輸送上危険なような所を直すのが遅れるという御説明があつたのですが、それもまあ一つだと思います。それから又新らしく計画している工事で今後改善して行くような点で、それがもう実現ができなくなるという点について、もう少し目だつたような点があれば具体的に例示的にでも結構でありますから、もう少し御説明を願いたい。
  34. 三木正

    説明員三木正君) 今申上げた通り新らしいものはもう全然ない、今手をつけていないものは勿論できない、今手をつけているものをやるだけでも七十億乃至八十億要る、こういうことでございますから、手をつけていないものは全然手が出せないということであります。
  35. 高木正夫

    高木正夫君 この前のプリントを頂戴して大体わかつてつたのですが、それから今日の御様子を承わつてみますと、大分消極的というか悲観的の態度になつておるように思うのですが、この前の案では大体損益勘定事業勘定で三百八十四億円ほどが足らんのだというようなことになつてつたと思うのです。ところが運賃のほうが三割五分上げるということでそれをやつてつてのことでありますが、そのほうも大分こう下げられる様子だし、而も政府補助金一般会計ですか、そのほうからは五十億しか出ないので相当の開きがあると思うのですが、これは一応大蔵省査定だから交渉はその後に移ると思うのですが、それらの大蔵省査定に対して運輸省なり国有鉄道のほうで更に案を練つておられるのだろうと思いますが、その輪郭なりは承わることができないのでしようか。若し今日はお知せ願うことができなければ、この次の機会においてでも一応の御説明を願いたいと思います。
  36. 高田寛

    高田寛君 私の質問も、今高木君の質問も同じような疑問を持つと思いますが、要するに今大蔵省から内示せられたところの案では、どういう点がとても今後国有鉄道の運営上困るのだという点をもう少しお聞かせ願いたいという御質問なんです。
  37. 三木正

    説明員三木正君) 先ほど最初にも申上げたと思うのでございますけれども物価の点につきましてはこれはその見通しとか、そういうようなものもございましようし、必ずこれでなければならないという遮二無二これを買うのだということには参らないので、これはいろいろ見方がありましようが、物価が下がるであろうというそういう見通し政府なり国会なりで御判断をなさつて、四月の見込み方は高いので安くしろということであれば、そういうお考えであれば、私どもは何も申上げることはありませんが、その他の点につきましては、大蔵省に対しては原案通りつてもらいたいということを申上げておるのです。ただそのうちで給与ース・アツプを四月からというふうに計上してありますけれども、四月からというのはこれはもつと今年運賃値上げ相当遅れて施行される場合に、四月からということは飽くまで主張できないことではないかと思うのでありますが、その他の点につきましては、只今のところ、私ども説明が足りないと思いますから、もつと説明して了解してもらうとこういうふうに考えております。  それから工事勘定につきましては、いろいろやることもたくさんありますが、一応運輸省で最小限百二十億くらいの予算がないことにはどうしてもいけないだろうというお話もございますが、まだはつきり固まつたわけではございませんけれども、その辺まではなければいけないじやないかというお話は、進んで私どもももう少し頂きたいということを申上げておりますけれども、一応それくらいで我慢できないかという運輸省の御見解もあります。そういう状態であります。査定があつて、それですぐさようでございますかといつて下がれない状況にあります。
  38. 高木正夫

    高木正夫君 私はその心配をしておるのですが、この前の案と大分食違いがありますので、大蔵省折衝して皆さんの御努力によつて原案通り最初の案のようにやられるのか、若干減つても今度の査定のようなことは大分ひど過ぎると思うのです。だからそこをうまくどういうふうに善処して行かれるか、それに対して御自信があるかどうかということを懸念するのですが。
  39. 岡田信次

    岡田信次君 私も高木さんと同じようなのですが、国有鉄道補正予算が厳しくて、それではその運営をやつて行けないということを聞いておるので、休会中にもかかわらず運輸委員会を開いて、運輸委員会として補正予算を多少とも大蔵省折衝することに役立つことがあれば働きたいということで開いたのでありますが、その点を一つ運輸省並びに鉄道当局もお含みの上で……。
  40. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) それでは関連して…、私からも発言させて頂いてから御答弁を頂きたいと思います。  今、岡田委員の言われる通り、本日の委員会の目的はそこにあるのでありますから、国有鉄道側は隔意なくその今後の運営の見通しについて御意見を発表して頂きまして、そうして我々の当委員会の活動範囲においてできるだけの善処をして頂きたいということで本日開いたわけでありますから、どうぞそのおつもりで御答弁を一つ願いたいと思います。
  41. 天坊裕彦

    説明員天坊裕彦君) 非常に御理解のあるお話でありまして、ただ私ども説明が余り上手でもなかつたのでおわかりできないことは甚だ残念でございますが、先ほど申しました通り、一番初め三木君からも申しました通り、私ども年度もそうでありますが、非常に公共企業体になりましてから今までのお役所式の予算分捕主義を捨てまして、できるだけ私ども良心的に予算を組んで、大蔵省としてもそれを又素直に認めるというような恰好折衝をいたしております。今期も若干の見込の違いはありますが、私どもとしては原案というか、一番最初の案を是非通したい、非常に山をかけた言い方ではないのだ、こういうようなことで出しておりますので、大蔵省とも原案の折衝という先ほど経理局長から申しましたような態度を捨て切れないわけであります。その点甚だこの点だけは困るというアクセントをつけて言えなかつた点でありますので、御了承願いたいと思います。結局二百四十億近くの工事勘定要求いたしまして、五十億というようなことになりますと、全く先ほども話がございましたように危険な所も何とか直す、辛うじてそれを維持するというような程度だけでありまして、折角この年度初めから手がけております仕事を始めました工事というようなものも、途中で暫らくして中止をさせて手待ちで遊ばせなければならない、こういうような大きな損害も出て来るわけであります。更にもう少し車輛なり或いはそれと並行した施設の増強、輸送力の増加に対応する施策、施設ということもやりたいというものを併せての話でありまして、それが今の話の五十億になりますと、殆んどやれない、辛うじて安全の点だけが確保できるかどうかというような点になるわけであります。  更に私どもとしてはこれは国会方面を通じまして、昨年あたりから非常に御意見もございました例えば新線の問題、或いは電化の問題、こういう問題につきましても、少しずつでも何とかこれをやつて参りたいという気持は多分に持つているのでありますが、そうした点、これは政治的に御考慮願わなければならん点も多いのでありますが、そうした部分が先ほどお話のように新らしい問題はできないということになりますと、全部これが入らないという恰好にもなるわけであります。最小限度、私どもとしては二百四十億が大きいということになりましても百五十億近くのものは是非何とか確保するようにいたしたいというふうに考えております。  更に損益勘定の部分につきましても、物価の点が問題になつておりますが、現実先ほども話が出ました下期の石炭というようなものは、相当石炭業者の強腰でありまして、予算に組んでおります上期に対して八百円増というようなことではとても収まりそうもないという情勢であります。そういう点を考えますれば、とにかく石炭がなくて汽車が走れないのだというような現象を起しては甚だ申訳ないのでありまして、何とか汽車も動き、従つてそれによつて石炭の増産もできるというような方向へ持つて行きたいものだ、こういうふうに考えておるわけであります。その最小限度の物価値上り現実の問題としては私どもこの点はそういうふうにできるような姿にしなければならんということを望んでおります。  それから給與問題でありますが、これも折角この調停委員会調停を願いました線が出ておるのでありまして、この線がまるまる四月からという線でなくても、何とかこの調停が有効に生きたのだというような線を是非出して頂きたい。これは公共企業体になりました国鉄国鉄労働組合という実力行為を認められない労働組合に対する平和的な解決、平和的な処理を大きく狙つた新らしい制度でありまして、この調停委員会調停というものに権威を持たし、何とかこれによつて労働組合も満足した姿で十分今後の能率増進ということに協力してもらえるような恰好に是非いたしてもらいたい、この前労働委員会で私申上げたのでありますが、いろいろ毎日の仕事をやつておりながら生活上の不安というようなものを持つておるということは、一般の公務員の場合には能率の低下という恰好で現われるのでありましようが、鉄道仕事におきましては、それが直接に旅客なり、公衆なり、或いは本人自身なりの安全というような問題にまで直接影響があるのでありまして、何とか二千四百円の調停の線が生きるように、その点は是非とも確保したいというふうに考えております。具体的に申しますると、それの財源としては結局運賃値上げ貨物三割以上、旅客三割以上という線をどうしても守つて、少くとも三割以上という線を守るような恰好にして頂きたい、こういうのが具体的な答えであります。
  42. 岡田信次

    岡田信次君 国鉄当局の案を拝見しますと、運賃値上問題ですが、平年度で五百十三億、そうするとこれが一日平均にしますと大体一億四千万円余になるのです。ですから十日遅れると十四億だけの減収になる、それで国会の開会の関係上恐らく十一月一日の改正は或いは無理じやないかと考えるのですが、一日も速かに実施するようにしたほうが乗るほうの人には迷惑ですが、国鉄当局としては一番早くしたいという運賃値上の実施を一日も早く実施するために、やはり世の中の輿論を納得させる必要がある。それに対して如何なる手段方法をとつておられるかということをちよつとお伺いしたいと思うのです。
  43. 足羽則之

    説明員足羽則之君) 只今国鉄に対する御質問でございましたが、その前に運輸省といたしましては、国鉄から運賃値上の案を具して申請がございまして、運輸大臣から運輸審議会にこれを現在諮問をいたしております。で運輸審議会といたしましては、この十二日から十五日までと思いますが、公聴会を開いて広く関係者並びに企業者或いは学識経験者のかたがたの御意見、輿論を聞く、こういうふうに手順も進めておりまして、それによつてその後の運輸審議会からは本案に対する答申が出て参ります、こういうふうに考えております。
  44. 岡田信次

    岡田信次君 そうすると大体何というか、普通の事務的手続を進めておられるに過ぎないということでありますか。
  45. 天坊裕彦

    説明員天坊裕彦君) 特にこの貨物関係運賃の値上ということにつきましては、それぞれの業界というようなものが集まり、或いは私ども貨物運賃協会というような各方面の業界のかたがたがお集まりの機会がございます。或いは又そのほか財界等の寄り合いの機会、それぞれを通じまして、私ども値上の止むを得ざる理由と御理解、鉄道仕事に対する実情の御認識を深めて頂くような意味での方策は機会あるごとにとつております。そのほか新聞社のかたがたに御説明申上げたり、関係の方面にできるだけの手は今までも打つておりますし、又今後もやりたいと思つております。
  46. 岡田信次

    岡田信次君 国会の審議を要しない電力料金の値上問題でも御承知のように輿論があつたという事実に鑑みまして、国鉄運賃の値上に対しては格段の御努力をお願いしたいと思います。
  47. 天坊裕彦

    説明員天坊裕彦君) 全く鉄道運賃の問題だけが国会の御承認がなくてはできないというような性格になつております。今までの電力問題、郵便の問題、その他の問題から、いろいろな町の値上げ問題が全部恐らく私ども運賃値上げの問題に集中して御議論が出ることかと存ずるのでございます。今後もできるだけ各方面の御了解を得るように全力を尽して行くつもりでおります。
  48. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) この際私から二つの点を足羽局長に御質問いたしたいと思います。第一はこの補正予算に絡みます新線建設に要する経費が全部認められないというお話でありましたが、新線建設については以前の国会両院におきまして決議が行われ、運輸当局又十分の善処努力をされる旨の御答弁があつたわけでありますので、この点につきまして補正予算が認められないということは、日本の新線建設、交通問題に大きな支障を来たさないかどうか、それにつきましての足羽局長としての、政府当局としてのお考えを伺いたいと思います。
  49. 足羽則之

    説明員足羽則之君) 新線建設の予算といたしましては補正予算で二十億の要求をいたしておるわけでございますが、大蔵省からの内示はその点についてこれを削除しておるということは只今説明申上げた通りでありまして、なお新線建設の問題は非常に大きな問題でございますので、新規事業は一切認めないんだという方針での大蔵省査定方針から申しますれば、或いはそういう結論になるかも知れませんが、併し我々といたしましては前々国会、前国会以降の国会のいろいろ御意向などもよくわかつており、又新線建設そのものの重要性というものも十分考えておる次第でございますので、何とかこの問題についてもう少しこれが打開の途はないかということで、大臣或いは政務次官にもいろいろお骨折り願つて折衝して頂いておるわけであります。
  50. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 第二の質問は気象関係についてでありますが、当委員会におきましては前委員長以来非常に関心を持つて審議して参つたのでありますが、本年度予算が非常に少い、補正予算の際にこの点を何とか修正して置かなければならないというふうな考えにつきましては、前回委員会で各委員から申述べられ、又運輸省側もこれを認められた次第でありましたが、この問題につきましてこの補正予算査定までの間にどういう折衝をされましたか、又今後の見通しについて御説明願いたいと思います。
  51. 荒木茂久二

    説明員(荒木茂久二君) 気象台の整備ということに関しまして非常に御尽力、御鞭撻を頂いておることは誠に感謝に堪えないわけであります。そこで本年度補正予算と来年度予算とは一応十八ヵ月予算と称せられ、一貫的に考えられるという趣旨お話でございますし、又補正予算の性質上先に九千七百万円をそのまま要求するというわけにも参りませんので、運輸省といたしましては、なお且つその九千七百万円という金は現状に直しますと更に大きい金になりますので、そういつた点を勘案いたしまして、補正予算においてはその分は殆んど取入れるということでなしに予算要求をいたしたのでございます。そうして本予算について全力を集中するという建前で予算要求をいたしておりますので、或いは本委員会の折角の御鞭撻にもかかわらず、運輸省は何をしておるかというような御非難を蒙るかと存じますけれども、私のほういたしましては、十八カ月予算という建前を以ちまして、本予算のほうに要求することにいたしておるわけでございます。本予算要求額といたしましては、九千七百万円に該当する金額はそのままでは足りませんので、更に相当膨脹した数字に相成つておるわけであります。なお補正予算の面につきましては、まだ大蔵省内示があつた程度ございまして、正式に御存じのようにきまつておりませんが、その分につきましては極めて少額だけが認められておる、こういう実情でございます。
  52. 小泉秀吉

    ○小泉秀吉君 今のお話で十八カ月予算とおつしやるのは二十七年度予算を意味するのですか。
  53. 荒木茂久二

    説明員(荒木茂久二君) そうでございます。
  54. 小泉秀吉

    ○小泉秀吉君 そうすると、二十六年度補正予算の面から言うても九千七百万円というようなことを言われておりますが、その数字は極めて少額な、まだ数字はわからないが、それが補正予算に幾らか入つて来るだろうというようなふうに聞いたんですが……。
  55. 荒木茂久二

    説明員(荒木茂久二君) このいわゆる九千七百万円に該当いたします項目は恐らく認められないことになるのじやないかと思います。航空関係とかその他緊要なものが先に出ておりますので、そのほうの関係が或る程度認められるという内示が来ております。
  56. 小泉秀吉

    ○小泉秀吉君 そうすると、九千七百万円というような意味でのつまり費目が一文も二十六年度にはないのだということになるのですか、ほかの費目が殖えるだけで。
  57. 荒木茂久二

    説明員(荒木茂久二君) そういうことでございます。
  58. 小酒井義男

    小酒井義男君 いろいろ御説明を聞いておりますと、まだ折衝中の関係かもわかりませんが、非常に消極的なような、自信のないようなふうにも受取るわけなんです。これは我々が予想する将来或る種の方面に使われる財源というのが非常に大きくなつて来ると、こうした方面への財源に廻るのが非常に圧迫を受けるということが考えられるわけですが、併しそのために国民生活が非常に不安であつたり、産業経済の上に大きな影響を与えるということになると、これはもう大きい問題だと思うので、そういう点は私は運輸省はやはり相当自信を持つて輸送の完璧を期す、少くとも最低の輸送の確保をして行くという予算だけは獲得するように私は努力をして頂く必要があると思います。
  59. 荒木茂久二

    説明員(荒木茂久二君) 誠にその通りでございまして、来年度予算の総額は本年度よりも下廻る、或いは更に講和条約後の予想せざる態勢に応ずるために予備金を相当多額のものを計上するということになりますと、自然各省に配分されます予算の額は減つて来るということが予想されます。併しながら気象台の予算につきましてはいろいろ困難は予想されますけれども、気象台の運営に支障を来すことのないように大臣以下努力して、二十七年度予算においては是非頑張りたいと強く決意しておる次第でございます。
  60. 岡田信次

    岡田信次君 先ほど委員長からお話のあつたこの新線建設の問題ですが、新線建設の問題とか、或いは電化の問題とかいうものは明年度計画を立ててもしようがないと、やつぱり三年なり五年の計画を立てなければならんと思うのですが、二十七年度以降の新線建設とか或いは電化計画等はすでに或る程度おできになつているのかどうか、ただそれがなくて追加補正予算二十億というふうなことでは実効が挙らないと思うので、私はむしろこの際若し二十七年度以降のそういうものができておらないとするならば、二十七年度予算を睨み合せてその次の通常国会には補正予算なり何なり出されたほうが実効が挙がるのではないか、かように考えるのですが、如何ですか。
  61. 足羽則之

    説明員足羽則之君) 誠に御尤もな御意見でございまして、或いは新線の建設、電化につきましては、事務的にいろいろな案を検討いたしておるわけでありますが、それらの問題については、それらの事務的な案も御参考に願つて、建設審議会でいろいろ御審議を願いますると、大体こういうふうになろうかと考えております。なおそれと予算との結び付きにつきましては、この補正予算につきましても問題がかなり大きな問題になつておりますので、先ほど御返答申上げましたごとく、大臣或いは政務次官にもいろいろお話を願つておるわけであります。併し只今丁度十八カ月予算という話も出ましたが、勿論考え方といたしましては、今年度もお骨折を願うと同時に、差当つては来年度ということも考慮に入れながらお考えを願つておると、こういうことでいろいろまあ話をしておるわけであります。まだ具体的なこの計画がどういうふうに固まつておるかという点につきましては、只今申上げました説明で御了承願いたいと思う次第であります。
  62. 岡田信次

    岡田信次君 先ほど足羽君のお話では、新線建設に対して二十億のたしか復活要求を出したというお話つたのですが、若し二十億の復活要求が認められるとすれば、私は恐らく来年度は今年度補正予算二十億に対しては百億以上の新線建設がなくてはやつて行けないだろうとかように考えるので、そういたしますると、来年度以降におきまして百億以上の新線建設費を予算に計上することはむずかしいだろうと思うので、二十億の新線建設の補正予算は本年度におきましては少し過大に過ぎはしないかと、むしろ本当に所要の額を、二十七年度以降のそれとも睨み合せた額を考慮せられたほうが得策ではないか、かように考えるのですが、如何ですか。
  63. 足羽則之

    説明員足羽則之君) 本年度二十億という問題も、なかなか予算が国会で御審議を願い、これが確定いたします日を考えます場合は、いろいろ困難な点もあろうかと思つておりますが、来年度以降において若し今年二十億通つた場合に百億以上要るのではないかというような御質問でございますが、大体この姿を来年度七十億程度新線建設の建設費として考えてはどうかという程度に只今枠としては検討をいたしております。なお全体の考え方といたしましては、大体毎年五十億乃至七十億程度の新線の建設費というものを考えてはどうかということでいろいろな事務的な検討をいたしておりますが、まだはつきり大体どういう姿がよかろうとか、或いは本年度どのくらい使つた場合に後年度どういうふうにそれが膨らんで来るかという点につきましては、まだはつきりした見通しちよつとお話は申上げかねるわけであります。勿論そういう後年度の影響を考えながら事務的な検討をいたして行きたいと思つております。
  64. 岡田信次

    岡田信次君 大体平年度と申しますか、来年度七十億見当とすると、私は恐らく本年度も半ばを過ぎますので、十億前後の予算があればよいと、かように考えます。それはそれといたしまして、鉄道敷設法をわざわざ両院において改正して、建設審議会を設けて、今大いに新線建設をやつて日本の開発に役立たせようといたしておるわけでありまするから、是非一つ新線建設につきましても格段の御留意をお願いいたしまして、私の質問を終ります。
  65. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 大体他に御質問がないといたしますれば、本日の委員会の結末をつけて行きたいと思います。  各委員の本日の御意見は、二十六年度予算はこんな補正では駄目ではないかと、どうも弱腰である、消極的であると思うというような御意見のように総合いたされます。気象台の問題、新線建設の問題、又国鉄におかれましては運賃の問題、電化の問題につきまして、運輸省の問題、又国鉄の運営の問題を次回以後の委員会におきまして十分更に御討議願い、又国鉄運賃につきましては、運賃法の改正もやがて出て参る時期にもなつておると思いますので、この点も併せて十分検討を加えて頂きます。今後単に事務的の運営折衝のみならず、当委員会の活動範囲におきまして、政府関係当局とも十分な強力な政治的折衝を加えて行くと、そうして善処して行きたいということを以ちまして、本日の委員会を閉じたいと思いますが、御異議ございませんでしようか。
  66. 村上義一

    ○村上義一君 先刻来いろいろ質疑なり又お答えなりを伺つておりましたが、今補正予算につきましては当局相互間の交渉の段階にあるように伺います。自然まあ赤裸々に政府当局も又国鉄当局も話しにくいという点が多々おありのように忖度されるのであります。併し本日の会は、我々も共に同じくその成行きを心配して見守つてつたのでありまして、自然今日までの経過を間接ながら聞きまして、非常に憂慮して、何らか我々としてあらかじめ政府当局に、特に大蔵当局に対して要請をする必要がないかどうか。今日までもこの会の決議、或いは又本会議の決議等の形式を以て政府当局に要請しておる点もあるのであります。それらの実行についてどの程度に政府が実現を図つてつてくれるかということを知りたい。又勿論予算編成後我々は審議をする機会を得るのでありますが、特段なる問題についてあらかじめ政府に意見を申入れて編成前に織込んでもらうということが便宜であるというような意向も少くないように考えるのであります。そういう意味合において、今日の会合を御招集になつたことと思うのであります。併し前刻も申します通り、今交渉の段階にあつて、赤裸々に話できないという点もあるやにお見受けいたすのでありますが、この次会合がある場合には、もう少し具体的に経費につきまして、又経費の中で人件費につきまして、或いは又物件費につきまして、予定よりこういう点を減らさざるを得ない、これが非常に困つておるということを赤裸々に聞かしてもらいたい。又工事関係についても同様であります。新線建設のお話も出ております。電化計画も出ております。特に貨車増備計画もあります。これらの問題についてどういう点がこれはできない、これは日本国有鉄道としての使命を果して行くことができないじやないかという点を一つ伺うことができれば、又本委員会は本委員会の立場で使命を果して行くことができようかと思うのであります。この点一つ御了承願つて、この次御会合の際はそういうふうにして頂きたいと思うのであります。ただ希望を申述べる次第であります。
  67. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) それでは本日のこの委員会は、先ほど委員長からの提案に只今の村上委員の御発言全部を取入れまして、それを当委員会の本日の申合せとして、本委員会の結末といたしましてこの委員会を閉じたいと存じますが、御異議ございませんか。
  68. 小泉秀吉

    ○小泉秀吉君 私異議はありませんが、今村上さんが国有鉄道予算その他のことに関して主として仰せになつたと思うのですが、それは非常に御同感なんですが、私は特に気象台の関係は一文の金も出ないのだというように見受けられるのですが、本委員会は気象台の関係ではもう二年越しに随分前委員長なり、現委員長なりが主として自由党の政調会あたり、大蔵省あたりまで個人的にも話を付けておる。そうして今度は国家情勢も違うが、そういうものは一文も行かないのだというようなことは、何か知らんが妙な気がするのです。従つて今の村上さんのお話の中に気象台のことも、この次はもう少しこういう理由でこういう費目がこういうふうに折衝をしたが、大蔵省はどうしても行かないのだという、御自身が納得したならその納得したことと納得しないことを明確にお示し願うようなことに政府当局に御要望を願つて、この次ははつきりさせて頂く、こういうように思いますが……。
  69. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 只今の小泉理事の御発言、これを本日の申合せ中に特に取入れまして、それでは善処することにいたしまして御異議ございませんか。    〔「異議なし」「賛成」と呼ぶ者あり〕
  70. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) それではさように決定いたしまして、本日の委員会を終了いたします。    午後零時四分散会  出席者は左の通り。    委員長     植竹 春彦君    理事            岡田 信次君            小泉 秀吉君            高田  寛君    委員            カニエ邦彦君            小酒井義男君            高木 正夫君            村上 義一君            松浦 定義君   事務局側    常任委員会専門    員       古谷 善亮君   説明員    運輸大臣官房長 荒木茂久二君    運輸省鉄道監督    局長      足羽 則之君    日本国有鉄道副    総裁      天坊 裕彦君    日本国有鉄道経    理局長     三木  正君