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1951-08-16 第11回国会 衆議院 本会議 第1号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十六年八月十六日(木曜日)
議事日程
第一号 午前十時
開議
第一
議席
の
指定
第二
会期
の件 第三
特別委員会設置
の件
—————————————
一
国務大臣
の
演説
—————————————
●本日の
会議
に付した事件
日程
第一
議席
の
指定
日程
第二
会期
の件
日程
第三
公職選挙法改正
に関する
調査特別委員会
、
海外
同
胞引揚
に関する
特別委員会
及び
行政監察特別委員会設置
の件
吉田内閣総理大臣
の外交問題に関する
演説
午前十一時五十一分
開議
林讓治
1
○
議長
(
林讓治
君)
諸君
、第十一回
国会
は本日をも
つて
召集せられました。 これより
会議
を開きます。
————◇—————
第一
議席
の
指定
林讓治
2
○
議長
(
林讓治
君)
衆議院規則
第十四條によりまして、
諸君
の
議席
は、
議長
において、ただいま御着席の
通り
に
指定
いたします。
————◇—————
第二
会期
の件
林讓治
3
○
議長
(
林讓治
君)
日程
第二、
会期
の件につきお諮りいたします。今回の
臨時会
の
会期
は、
召集日
から八月十八日まで三日間といたしたいと思います。これに
賛成
の
諸君
の
起立
を求めます。 〔
賛成者起立
〕
林讓治
4
○
議長
(
林讓治
君)
起立
多数。よ
つて会期
は三日間とするに決しました。
————◇—————
第三
特別委員会設置
の件
林讓治
5
○
議長
(
林讓治
君)
日程
第三、
特別委員会設置
の件につきお諮りいたします。
公職選挙法改正
に関する
調査
をなすため
委員
二十五名よりなる
特別委員会
を設置いたしたいと思います。これに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
林讓治
6
○
議長
(
林讓治
君) 御
異議
なしと認めます。よ
つて
その
通り
決しました。
—————————————
福永健司
7
○
福永
健司君
特別委員会設置
の
動議
を提出いたします。すなわち、
海外
同
胞引揚げ
に関する
調査
をなすため
委員
三十名よりなる
特別委員会
を設置されんことを望みます。
林讓治
8
○
議長
(
林讓治
君)
福永
君の
動議
に
賛成
の
諸君
の
起立
を求めます。 〔
賛成者起立
〕
林讓治
9
○
議長
(
林讓治
君)
起立
多数。よ
つて動議
のごとく決しました。
—————————————
福永健司
10
○
福永
健司君
特別委員会設置
の
動議
を提出いたします。すなわち、本
会期
においても
行政監察特別委員会
を設け、その
委員会
の構成、権限及び次の
国会召集
の日までに支出し得る
費用等
については
昭和
二十六年二月六
日本院
で議決した
通り
とせられんことを望みます。
林讓治
11
○
議長
(
林讓治
君)
福永
君の
動議
に
賛成
の
諸君
の
起立
を求めます。 〔
賛成者起立
〕
林讓治
12
○
議長
(
林讓治
君)
起立
多数。よ
つて動議
のごとく決しました。 ただいま議決せられました三
特別委員会
の
委員
は、前
会通り
の方を指名いたします。 この際暫時
休憩
いたします。 午前十一時五十四分
休憩
————◇—————
午後四時十七分
開議
林讓治
13
○
議長
(
林讓治
君)
休憩
前に引続き
会議
を開きます。
————◇—————
一
国務大臣
の
演説
林讓治
14
○
議長
(
林讓治
君)
内閣総理大臣
から外交問題に関し発言を求められております。これを許します。
内閣総理大臣吉田茂
君。 〔
国務大臣吉田茂
君登壇〕
吉田茂
15
○
国務大臣
(
吉田茂
君) 本日、ここに
講和
問題につき報告することを欣快といたします。 昨秋九月十四日、
米国政府
が対
日講和推進
を公式に
声明
して以来、ここに約一年であります。
米国政府
の
好意
と、
ダレス特使
の
努力
の結果、遂に九月四日
サンフランシスコ
で対
日平和会議
の
平和條
約
署名調印式
がとり行われることにな
つたの
であります。 対
日講和
につき、終始指導的な
地位
に立
つた
米国政府
は、昨秋の
声明
後、対日平和の
基礎原則
を
関係
諸
政府
に通達して
意見
を求めたのであります。それは十一月下旬に公表されて、いわゆる対日平和七
原則
として世に知られておるものであります。これは膺懲的な、監視的な、また敗者に対する
平和條
約の観念に基かざる、また将来に対する
制限
などを含まぬ、
戰争
の
善後処理
に必要な
最小限度
の
規定
にとどめるとともに、全体として
平等友好
の
協力関係
を
確立
する性格の
平和條
約をつくろうとする思想をも
つて
一貫しておるものであります。
米国政府
は、七
原則
に対する
関係諸国
の
意見
をしんしやくして、これを條約案の形につくり上げるよう
外交交渉
を続けて参
つたの
であります。その間、
ダレス特使
は二回
日本
に来訪し、
日本政府
及び
朝野各界代表
に対し
意見
を開陳する
機会
を與えられました。正確に申せば、平和問題について
日本
は
交渉
の相手方ではないのであります。
交渉
は
連合国
の間に行わるべきものであるのであります。
日本
は、この
交渉
の
主人役
ともいうべき
米国政府
の
好意
によ
つて
、
意見
を開陳する
機会
を與えられたのであります。しこうして、この立場の許す限り、自由にわれわれに
意見
ないし
要請
を開陳する
機会
を與え、また
虚心坦懷
にこれを聽取して、努めてわが
希望
を取入れんとする態度をも
つて
終始せられたのであります。その結果、
米国政府
と
日本政府
の間に、
平和條
約の
構想
及び
平和條
約
成立
後における
日本
の
安全保障
の
構想
について相互の理解と
意見
の一致が広範囲にわた
つて
できた次第は、当時
特使
及び
政府
の
声明
または私の
国会報告
で明らかにいたした
通り
であります。
ダレス使節団
の
帰米
後においても、
米国政府
の條約
案作成
が進行するにつれ発生する諸問題についても、
随時日本政府
との間に
意見
の
交換
が行われ、かようにして
作成
せられた條約案は、本年三月下旬に
関係
諸
政府
に通達され、二十七日、
日本政府
も交付を受けたのであります。ここに
至つて
初めて対
日講和
問題が
平和條
約
草案
の形をなすに
至つたの
であります。この條約案は、
ダレス特使
より直接聽取した、
構想
に近いものでありまして、
政府
はただちに
草案
の
研究
に着手し、わが所見を遅滯なく開陳するの自由を與えられました。 四月、
連合国最高司令官
の更迭に関連して、同月十六日、
ダレス特使
はさらに
日本
を訪問せられ
米国政府
の対
日平和促進
の
根本方針
にごうも変化なきことを明らかにせられるとともに、
平和條
約に関し
日本政府
として回答すべき諸問題の
研究
を促されたのであります。当時、
ダレス特使
は、さきに
英国政府
からも條約案が提示せられたこと、場合によ
つて
は
英国
に
渡つて
みずから協議する意のある旨をも漏らされたのであります。
米英会談
は、六月四日ないし十四日、
ロンドン
で行われました。
会談
に参加した
アリソン公使
は、パキスタン、インド、フィリピンを経由して、六月二十四日に東京に来着せられました。同
公使
は、
ロンドン
にてでき上りたる
米英集合同案
の大綱を説明せられ、また
合同案
は
米国案
に
英国案
を加味したものである、少しく長く
なつ
たが、技術的には正確に
なつ
たということを述べ、また
英国政府
は全体として
経済
問題に深い
関心
を持
つて
おる旨を告げ、中国
代表
問題に関しては、
米英両国案
を
調整
するため多大の
苦心
が拂われたということを申しておられました。よ
つて
も
つて
対
日條
約
案成立
に至る
米英両国政府
の
首脳者
の拂われたる
努力
と
苦心
とをわれわれはよく了解することができた次第であります。なお、
英国政府
が漁業問題について深い
関心
を有することが明らかになわましたため、本年二月の
ダレス
氏への私の書簡と同様な
声明
を
日本政府
よりあらためて出すことにして、
平和條
約には特別の
制限
を設けないことに話合いがきまり、
日本政府
は、七月十三日の
閣議
に諮
つた
上、
政府声明
を出すに
至つた
次第であります。 七月十三日、
米英合同案
が公表されました。その前に
政府
は條約案を受領し、これに対する
政府
の見解を先方に通じておきました。
サンフランシスコ会議
の
正式招請状
は、七月二十日接到いたしました。
招請状
には條約
草案
が添付されておりました。
同案
は、七月十三日発表の
草案
に十八箇所ばかり形式的な
修正
を加えられたものであります。
招請状
によると、この條約案に対する
各国政府
の
意見
をしんしやくして、八月十三日ごろに
最終案
を
日本政府
に送付するとのことでありました。しかし、
関係諸国
から提出された
意見
の
調整
に時日を要したために多少遅れるかと考えましたが、昨夕、
政府
は
最終案
なるものを受領いたしました。
最終案
は今朝七時公表されたものであります。 この
最終案
は、七月二十日の
草案
に対して、約八十箇所に及ぶ
修正
または
追加
を加えております。しかし、これらの
修正
または
追加
の大部分は形式的なもので、條約の本質に触れるものではないのであります。 おもなるものを指摘いたしますと、第一條に、
連合国
は
日本
の完全な
主権
を認める旨の一項が挿入されました。元来これは
米国案
にあ
つた
條項
で、当然のことであるが、疑問の
余地
をなからしむるために挿入されたものと思います。 第六條に、
日本
の
軍隊
の
帰還
に関する
ポツダム宣言
の第九項の
規定
は、まだ完全に実行されていない場合には、これを実行しなければならないとの
趣意
の一項が挿入されました。未
帰還者
に関する
日本国民
の熱誠なる
希望
と
政府
の
要請
にこたえて、この
修正
が行われたものであることは、われわれの最も欣幸とするところであります。(
拍手
)
賠償等
に関する第十四條に若干の
修正
が行われたのであります。これは実質的の
変更
を意味するものではないと信じます。 次に第十
五條
の
修正
であります。七月二十日の條約
草案
第十
五條
では、
日本
が制定した
法律
を引用することにな
つて
おりました。元来
補償法案
は條約の
附属書
として
規定
する
建前
でありましたが、中途から、條約案をできる限り簡潔にするために條約かちはずし、
日本
で
法律
を定める便法をとることにな
つたの
であります。しかし、條約案が確定しない、
従つて
第十
五條
も確定しない前に
日本
で
法律
を制定するわけにも行かないので、
法案
の
内容
を協議し、七月十三日、
閣議
にてこれを決定しました。本件は
連合国人
の財産に関する
事項
で、
関係連合国
の
意向
もしんしやくする必要があり、かかる次第で、條約
最終案
には七月十三日の
閣議決定
を引用することにな
つたの
であります。 最後に、
戰死者
り
墳墓
に関する
宣言
に、わが方の
要請
にこたえて、
連合国側
も
日本
人の
墳墓
を尊重する
建前
で
日本
と協議すべきことを信ずるとの
趣意
の一項が加わ
つたの
であります。この
修正
は、 問題の人道的な性質にかんがみて、まことに当を得たものと思います。(
拍手
) この條約案は、
和解
の
精神
を基調とし、非常に簡単でありますが、
ダレス特使
の言う
通り
、将来の
日本
を他の
独立国
と
違つた地位
に置いたり、
日本
の
主権
を拘束したりする
永続的制限
を加えていない、ほんとうの意味の
和解
の條約であります。(
拍手
)
戰争
の勝者がかかる
原則
を適用したごときことは、史上ないところであります。
日本
の
戰争責任
や無
條件降伏
の事実に触れることなく、監視的な
規定
も設けない。
日本
の
批准
は、條約の
効力発生
の
條件
とな
つて
おる。
日本
は平等の
地位
において取扱われる。
日本
の将来の行動を拘束しない。
日本
に
信頼
を置いてのことであります。もちろん
和解
と
信頼
が條約全般の根底をなす
精神
であるとはいえ、
平和條
約は
日本
が
敗戰国
である事実を解消するわけには行かないのであります。
領土條項
や
経済條項
など、ある場合に、重荷であり苦痛であると感ずるものがあるのを免れませんが、
草案
に盛られた
内容
は、一般的に過去の
平和條
約に比べて比類なく更正で、かつ寛大であると断言してはばからないものであります。(
拍手
) 條約文はきわめて簡潔であります。
関係諸国
との
交渉
の結果が盛り込まれたので、最初の
米国案
に比べると多少長くな
つて
おりますが、前文と、わずかに二十七箇條の本文からなり、ほかに
議定書
が
一つ
、
宣言
が二つあります。條約は、
日本
と
戰争関係
にある
連合国
がすべて
署名
する
建前
をとり、
署名
をしない
連合国
があればこれとは将来同様の
内容
の二箇国
間平和條
約を結ぶという考え方であります。
議定書
は、
戰争
のある種の
私法関係
に及ぼす影響を
調整
する基準を定めたもので、これを
希望
する
連合国
と
日本国
との間で
署名
することにな
つて
おります。
宣言
の
一つ
は、
戰前日本
が参加していた
諸般
の
国際條
約の
効力
を承認し、
平和條
約の
実施
後
日本
がある種の
国際條
約に加入し、または
国際機関
に加盟する
意思
を明らかにするものであります。他の
一つ
は、
日本
にある
連合国戰死者
の
墳墓
に関するものであります。二つとも
日本政府
の
自発的宣言
であります。條約の
規定
として解決することを避け
日本政府
の
自発
約
措置
という方式で解決しようとするものであります。 この際、従来
国民
的な
関心
の的ともいうべき
南方諸島
の帰属問題について一言いたします。條約
草案
の第二章は、
領土
の処分に関する
規定
でありますここにまずわれわれは、
日本
の
主権
が四つの主要な島及び
連合国
が決定する諸小島に限定されると
規定
した
降伏條件
を
わが国
が無
條件
に受諾したことを銘記しなければなりません。
従つて
、
わが国
にと
つて
、これ
ちの條件
の
変更
を求める
余地
はないのでありますが、
日本
は第二條に掲げられた樺太、千島、
台湾等
の領域に対してはすべての権利、権原及び
請求権
を放棄することにな
つて
おるのに反し、南西
諸島
その他の
南方諸島
の
処理
を
規定
する第三條は、特にこのように
規定
してないのであります。この第三條は、
信託統治制度
のもとに置くための
国際連合
に対する
合衆国
のいかなる提案にも同意する云々とあるだけであります。
融通性
のある第三條の
規定
は、
国際
の平和と安全上の利益のために
米国
が行う
戰略的管理
を
條件
として、本土との交通、
住民
の国籍上の
地位
その他の
事項
について、これら
諸島
の
住民
の
希望
に沿うために実際的な
措置
が案出されることを
希望
する
余地
を残すものであります。すなわち琉球その他の
諸島
に関する問題であります。
平和條
約
調印
直後、
日米
間に締結される
安全保障條
約については、本年、一月の
ダレス特使
との
会談
で、双方の問にその
構想
に関して
意思
の合致ができた次第は、しばしば説明した
通り
であります。繰返して申し上げますると、
日本
は
軍備
がないから、自
衞権
はあ
つて
も、自
衞権
を行使する有効な
手段
がない。
世界
には今日なお無責任な
軍国主義
が跡を断たない。こういう
情勢
のもとで
平和條
約が
成立
して、
占領軍
が撤退した後に、
日本
に
真空状態
ができると
危險
である。かかる
危險
に備えるために、
日本
は外部からの攻撃に対する
防禦手段
として
日本
に
米国軍隊
の駐屯することを
希望
する。この
日本
の
希望
に応じて、
合衆国
は平和と安全のために
日本
と
日本
の近辺とに
軍隊
を置こうという
構想
であります。(
拍手
)この
構想
は、最近ようやく條約案としてまとまりましたけれども、いまだ完成するまでに
至つて
おりません。
安全保障條
約の
実施
については、いろいろ技術的な細目について了解を遂げる必要があるが、この春一応の
意見交換
をして以来
平和條
約
草案
の
作成
の方が繁忙をきわめたために、いまだまとまるに至らないのであります。
終戰後六
箇年の歳月は短
かく
はありませんが、
世界
大戰の
記憶
、
戰争
による憎悪、仇敵、
不信等
の
国際
間の悪
感情
は容易に滅却するものではないのであります。この悪
感情
は、現に深刻複雑なる
国際関係
とな
つて
世界
の平和の
確立
を妨げておるのであります。
米国政府
及び
国民
の対日好
感情
は格別といたしまして、多くの
諸国
、わけて戰時われより侵撃または
脅威
を受けた
諸国
の対
日感情
のいまなお釈然たらざるものあることは当然であります。かかる
国際状況
のもとに対
日講和
を進むることの容易ならざることは、明らかなことであります。これは
独墺
その他東欧の
講和条約
がしばしば成らんとしていまなお成らざるところに顧みましても明らかであります。旧敵国たる
日本
に苛酷なる
講和條件
を押しつけんとするのであれば格別、公正にして寛大、
和解
と
信頼
とに
基礎
を置く現
平和條
約案の、ごときに対し
関係国
間の議をまとめんとすることのいかに容易でなか
つた
かということは、はなはだ明瞭であります。この困難をあえて進んでみずから引受け、現條約案にまでまとめ上げ、かつ
日本側
の
意向
、
希望
をも寛容に取入れんとせられたる
ダレス特使
の
苦心
、
米国政府
の
好意
は、
わが国
民の長く
記憶
すべきところであります。(
拍手
)また
米国政府
に同調せる
英仏
その他
連合諸国
に対しても、多年の
国交友情
のいたすところとして、
わが国
民の
記憶
にとどむべきものと存ずるのであります。
翻つて
、
米国政府
の
かく
までの
好意
、
連合国
の同調を得るに至れる理由は、ひつきようわが
日本国民
が、
既往
六箇年間、耐乏、刻苦、
敗戰日本再建
の
国民的誠意
と、営々
努力
の
事跡
が、
米国
初め諸
外国政府
の認めるところなるがゆえと私は信ずるのであります。(
拍手
)か
つて
わが国
を敗亡に導いた
軍国主義
、超
国家主義
を拂拭して、
自由民主主義
の
確立
に邁進し、さらに
財政経済
の
自立調整
に努め来
つた
国民的努力
が事実に着々現われ来れる成果の認められた結果であると私は確信いたします。(
拍手
)しかして、事ここに至れる
国民
の
誠意
、
努力
の容易ならざりしは言うまでもないことでありまするが、
わが国
民を失望の間より蘇生せしめ、前途に
希望
を抱かしめ、
国家再建
に営営
努力
せし
むるの勇気
を鼓吹指導せられたのは
マツカーサー元帥
であります。(
拍手
)また
わが国再建復興
の事実をも
つて
国際団体復帰
を促し、
講和條
約の
結実促進
に切実に
努力
せられたのは、
マツカーサー元帥
及び
リツジウエイ大将
へ前後両総
司令官
であります。私は
国民諸君
を
代表
して、ここに両総
司令官
に対し深厚の謝意を表したいと存ずるものであります。(
拍手
)私は、
平和條
約によ
つて
国際団体復帰
の日の近きを喜ぶにあた
つて
、さらに覚悟を新たにして
平和民主日本
の
再建
とともに
世界
の
平和繁栄
に一段と貢献する
国民
の
誠意
と決意をますます固むべきであると感ずるのであります。
わが国
の
政治的独立
は一応達成せられようとしているのでありますが、今後の
経済的独立
については、なお一層の考慮と
努力
を必要とするのであります。私は、まず
日米経済協力
をさらに具体的に促進するとともに、
世界各国
とあとう限り友好的な
関係
を樹立し、有無相通ずるの方法により
わが国
の
経済
を維持し、あわせて
世界
の
繁栄
に寄與いたしたいと存ずるのであります。
政府
は、これらの問題につき、今後
随時具体的方針
を明らかにいたす所存であります。 しかし
国際
間には、いまなおわれに対し、
わが国
の
既往
の
事跡
をたど
つて
平和に対するわが
日本
の再
脅威
を云々し、またはわが将来の
経済競争
の懸念の去らざるものあるを認めざるを得ないのであります。しかし、すでに
わが国
は
海外領土
及びその資源を失い、明治維新以来蓄積せる国富を
戰争
によ
つて
蕩盡せる
状況
にあ
つて
近時の
軍備情勢
に照しても、
世界
平和の再
脅威
たる
條件
をま
つた
く喪失しておる現在に留意し、また
国民
が深く自由、平和、
繁栄
を希求する現状が理解されるならば、政治的にも、軍事的にも、はたまた
経済
的にも、列国がわれに対して畏怖の念を抱くは、ま
つた
く無用なことがわかるときがあるべきことを私は信ずるのであります。
サンフランシスコ会議
において
調印
せられたる條約は、今後
批准
につき
国会
の承認を求めることとなるは御承知の
通り
であります。その際私は
国会
の圧倒的支持あることを期待して疑わないのであります。(
拍手
) 公平かつ寛大なる
平和條
約をも
つて
、わが
日本
を
国際団体
に復帰せしめんとする諸
連合国
の
好意
に応ずるため、またこの
平和條
約が
日本国民
の最大多数によ
つて
受諾せられ、遵奉せられることを内外に宣明するため、強力なる
全権団
を
国会
より派遣せられたいと存ずるのであります。幸いに
議員諸君
の御賛同を
希望
してやみません。(
拍手
)
—————————————
福永健司
16
○
福永
健司君
国務大臣
の
演説
に対する質疑は延期し、明十七日定刻より本
会議
を開きこれを行うこととし、本日はこれにて散会せられんことを望みます。
林讓治
17
○
議長
(
林讓治
君)
福永
君の
動議
に御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
林讓治
18
○
議長
(
林讓治
君) 御
異議
なしと認めます。よ
つて動議
のごとく決しました。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十四分散会
————◇—————
昭和
二十六年八月十六日(木曜日) 開 会 式 午後二時五十七分、
参議院議長
、
衆議院参議院
の副
議長
、
議員
、
内閣総理大臣
その他の
国務大臣最高裁判所長官代理
及び
会計検査院長
は、
式場
である
参議院議場
に入り、所定の位置に着いた。 午後二時五十九分、
天皇陛下
は、
衆議院議長
の前行で
式場
に出御され、玉座に着かれた。
衆議院議長
は、左の
式辞
を述べた。
—————————————
本日
天皇陛下
の御臨席を仰ぎ第十一回
国会
の
開会式
を挙げるにあたり、
衆議院
および
参議院
を
代表
して
式辞
を申し上げます。
終戰以来
、われわれは
国家主権
の回復をめざして、ひたすら
経済
の
自立
と、民生の安定に努めてきましたが、いよいよ九月四日を期して、
米国サンフランシスコ
において、待望の
講和会議
が開催される運びとなリ、去る七月二十日わが
政府
に対し、この
会議
に
代表
を派遣するよう、
招請状
が参りましたことは、
日本民族独立
のためまことに慶賀に堪えないところであります。 われわれは、
講和会議
にそなえて、
諸般
の準備をすすめ、も
つて
、すみやかに
講和
にのぞむ態勢をととのえる必要を痛感するものであります。 わたくしどもは、この際、六カ年の長きにわた
つて
、よく難
苦欠乏
に耐え、旺盛な
精神力
をも
つて
一意祖国
の
再建
に邁進し、
講和
への機運をひらいた
国民諸君
の
努力
に対し、満腔の敬意を表すると共に、
連合国
の
援助
と
好意
に対し、
更め
て感謝の意を表明するものであります。 ここに
国会
は、
日本国憲法
の
精神
を体し、
最善
をつくしてその
使命
を遂行し、も
つて
国民
の委託に応えようとするものであります。
—————————————
次いで、左の
勅語
を賜わ
つた
。
—————————————
本日、第十一回
国会
の
開会式
に臨み、全
国民
を
代表
する
諸君
とともに親しく一堂に会することは、わたくしの深く
喜び
とするところであります。
戰争終結
以来、満六年を迎えた今日、
関係諸国
の
配意
によ
つて
、ようやく
講和
の機が熟し、近く
講和会議
が開かれる
運びとなつたことは諸君
とともに
喜び
に堪えません。 この間、
わが国
民が、永遠の平和を念願する
日本国憲法
のもとに、
連合国
の終始かわらない
好意
と
援助
とを受けて、窮乏に堪え、困苦をしのび、
祖国復興
の大業に
従つて
きたことを多とするものであります。
世界
の
情勢
は、なお変転を続けており、
わが国
が文化的、
民主的国家
の一員として、
世界
の
信頼
をえて行くためには、いつそうの
努力
を必要とすると思います。 このときに当り、
国会
が、国権の
最高機関
としての
使命
を遺憾なく果し、また全
国民
が
憲法
の諸
原則
をよく守り、互に協力して、各自の
最善
を盡すことを切に望みます。
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衆議院議長
は、御前に参進して、
勅語書
を拝受した。午後三時五分、
天皇陛下
は、
参議院議長
の前行で入御された。次いで諸員は
式場
を出た。 午後三時六分式を終る