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1951-02-23 第10回国会 参議院 予算委員会 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年二月二十三日(金曜日)    午後二時一分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○本委員会運営に関する件 ○昭和二十六年度一般会計予算内閣  送付)   ○昭和二十六年度特別会計予算内閣 送付) ○昭和二十六年度政府関係機関予算  (内閣送付)   —————————————
  2. 木村禧八郎

    理事木村禧八郎君) これより会議を開きます。  本日の審議日程歳入面、特に租税收入及び專売收入についての審議を行う予定なつております。本日政府側のほうで見えておられるのは主税局長、それから国税長官は後ほど見えることになつております。更に專売公社側からも見えることになつておりますが、まだお見えになつておりませんが、間もなく見えることになつております。そこで先ず最初にこれまでの審議のやりかたに従いまして主税局長から説明をお伺いすることにいたしたいと思います。
  3. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 議事進行について。本委員会はやはり定足数の問題はありますか。
  4. 木村禧八郎

    理事木村禧八郎君) 理事会申合せによりまして、予備審査の間は定足数のことについては余り窮屈に捉われずにやつて行こうということになつておるのであります。
  5. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それでは私はここに動議を提出し、議長から、本予算委員会委員長も本日おいでなつていないようでありますが、委員長と協議なされ、理事会あたりで何らか、以下私が申上げる動議に対しての措置をとられますよう希望して私は意見を述べます。  それは我々は現在予算予備審査をやつておるわけでありますが、これからいよいよ衆議院から回付されて参りますというと本審査に入ります。当面問題になつている我が国の最も大きな問題は講和の問題であります。その問題と、我々が今これから審査しようとするこの予算案というものは、非常に密接不可分関係がある重大な問題であります。私がこれから述べんとするのは、昨日の吉田総理態度であります。これは予算委員の諸君が、あの吉田総理態度があれでよろしいと言うならば何をか言わんやであります。併し私には意見がある。この前ダレス氏と吉田氏が会つた、その結果を国会報告しようというときに、議運では大きな問題になつたわけであります。それで各会派は重大問題であるから、各会派代表を送つてこれに質問をしようと言うたのでありますが、話合いの結果、予算委員会並びに外務委員会総理が出席して委細を説明するという條件の下に、その線に沿つて自由党代表かたも努力するという紳士協定の下に、この前の本会議における報告は、ああいう少数代表者によつて行われたのでありますが、昨日の予算委員会おいでなつたところの吉田総理は、私はあの態度民主政治家としても、民主国会としても、我々の権威において私は了承できんと思うのです。丁度現在、当事者の木村氏が委員長の席に坐つておられますが、その木村氏の質問というものは、何も私にあとで吉田総理から発言なさつたような線に沿つているものでもない。予算委員として立派なデータを持つて、私は正々堂々と、而もその態度は極めて鄭重に、慇懃な態度において質問されているのに対して、この質問というものは選良としての権利であり義務であります。なおその質問内容については、国会議員としての責任を持たなくてはなりません。私は質問者は立派な責任ある態度においてこれに出られたのに対して、非常に感情的に、政府委員として当然答弁すべき問題に対しまして、感情的に、一方的にこれを排除したということは、私は審議権を無視するものであるし、又議員の人格を無視した態度として、これほど私は不愉快であつたことはないわけであります。で、予算委員会として私は速記録を調べて、あの態度でよろしいか、ああいう態度で今後我々は予算審議ができるかどうかという点、そういう角度から検討されて、そうして若し遺憾の点がありましたならば、この問題は私が冒頭に申上げましたように、運営委員会なりにくつ付いた問題でありますので、その意思表示運営委員会に出して頂きたい。これが私の動議であります。その結果によつては、我々は今後の予算案審議なり或いは法律案審議について異常の決意をしなければならない、こういうふうに私は考えて、以上動議を提出いたす次第であります。
  6. 木村禧八郎

    理事木村禧八郎君) 只今矢嶋委員の御発言に関しまして、これは動議でございますので、実は定足数が足りておりません。そこでこの動議措置につきましては、後刻理事会を開きまして、この由を委員長に私からお伝えしまして、理事会においてその取扱いについてきめたいと思うのでございますが、その点それで御了承願えるでしようか。
  7. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それでよろしうございます。
  8. 木村禧八郎

    理事木村禧八郎君) それではそういうふうに取計らいます。
  9. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 今の問題、今委員長が問題の当該のかたなつておるので、その提案理事会で後刻取扱うことにして、その際に提案者が是非御出席願つて、一応提案の御説明なり主張なりして頂くように計らつたほうが更にいいんじやないかと思います。
  10. 木村禧八郎

    理事木村禧八郎君) 只今佐多委員の御意見通りでよろしうございますか。
  11. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 よろしうございます。出席いたします。
  12. 木村禧八郎

    理事木村禧八郎君) それではそういうふうに取計らいます。
  13. 若木勝藏

    若木勝藏君 この審議計画についてちよつと質問いたしたいのでございます。二月二十日には治安のほうをやつてつたようでございます。文教関係は出ておらなかつたのでありますそれから続いて二十一、二十二日、この分はどういうふうな取扱いになるのでしようか。今日は二十三日ですから歳入方面審議に入る、抜けた分を如何ように取扱うか、その点お伺いいたします。
  14. 木村禧八郎

    理事木村禧八郎君) 只今若木委員の御発言に対してお答え申上げますが、これまでの審議計画においてまだ抜けておる審議が、予備審査がされていないのは相当あるのでありまして、物価の問題、それから文教治安終戰処理費地方財政その他部分的には審議いたしましたが、まだ非常に審議不十分のものも多々あるのでありまして、これは一応この計画に基いて審議いたしました後に、引続いて残つておる問題について審議を続ける、本審査に入つても続けるという一応のプランになつておると御了承願いたいのでありますが、併しこれから公聴会もあり、又本審査にも入りますので、その残余の予備審査審議未了の分については、本日大体四時にこの本日の歳入質疑を大体終りまして、その以後に理事会を開きまして、改めて今後の審議方針について相談する。こういうことになつておるのでございます。そういうことになつておりますが、それで御了承願えましようか。
  15. 若木勝藏

    若木勝藏君 了承いたしました。
  16. 木村禧八郎

    理事木村禧八郎君) それではそういうふうに御了承願います。
  17. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) 租税收入につきまして御説明申上げたいと思います。ただ租税收入の二十六年度予算見積りにつきましては、先般すでに相当詳細に御説明申上げた次第でございまするし、なおその内容は更に一層詳しい書類といたしましてお手許に提出いたしておりますので、この内容につきまして詳しく申上げる必要はないかと考えますから、簡單にいたしたいと考える次第であります。租税收入印紙收入につきましては皆さん御承知と思いますが、昭和二十六年度租税及び印紙收入予算説明といたしまして二月五日に提出いたしております。その内容はすでに説明しました通りでありまして、細目の点につきましては、むしろ御質問に応じましてお答えいたしましたほうが、今の段階といたしましては妥当と考えられますので、詳細の説明は省略さして頂きます。なおそのほかに最近の租税收入実績でございますが、そのことを少し申上げて置きたいと思います。  二十五年度の一月までの收入実績でございますが、これはたしか資料といたしまして御提出いたしたかと思いますが、その要領を若干申上げて御参考にいたしたいと思います。所得税のほうは源泉所得税申告所得税両方ございますが、源泉所得税のほうは收入状況が比較的良好のように見受けられます。昭和二十五年度予算額千百八十三億一千六百万円に対しまして、一番新らしいのは二月上旬までのものでございまして、それを申上げます。千百八十三億、二月十日現在ですでに千三十六億七千七百万円ほど入つております。即ち八割七分六厘の收入でございます。昨年は相当惡く、尤も九割一分八厘入つておりますが、昨年は或る程度自然増收が出ましたのでこのようなことになると思うのであります。本年におきましては八割七分六厘でございまして、今の状況におきますと、或いは予算を若干超過するような成績を挙げるのではないかというふうに見受けられるのであります。  それから申告所得税のほうは、これに反しまして実は成績が非常にと言つていいくらい惡いのでございまして、予算額千百七十一億八百万円に対しまして二月の十日現在で五百四十億八千百万円、即ち四割六分二厘という收入であります。まだ総体の半分入つていないという状況でございます。ただ昨年は五割五分八厘で、昨年よりも惡いという状況であります。ただ申告所得税につきましては、御承知通り本年暫定措置法申告期限を一月延長いたしました。昨年は一月末でございましたのを、本年は二月末までにいたしております。従いましてその関係がございますので、少し惡いところはございますが、それにいたしましてもなお年度末までに六百二十余徳の徴收不足がある、徴收すべき税額が残るということに相成つているわけでございまして申告所得税歳入成績は一番惡いものの一つでございます。所得税全体としましては予算額二千三百五十四億二千四百万に対しまして千五百七十七億五千八百万、六割七分の收入でございます。次に法人税でございます。法人税は当初予算に対しましてその後の状況で相当な自然増高見込みまして補正予算には五百七十二億七千八百万円の歳入見込んだのでございますが、最近の成績は非常に良好でございまして、二月十日現在ですでに六百十九億八千二百方円とい数字を挙げております。即ちすでに予算を約四十億円程度超過する成績を挙げているようでございます。これは主としまして朝鮮動乱以後の生産企業の活況によるものと考えている次第でございます。それから相続税のほうは大体問題ないと思いますが、三十一億一千四百万に対しまして十九億七千百万円、六割三分の收入を挙げています。これは年度末までに或いは若干の不足を生ずるかも知れませんが、大体予定通りではあるまいかと見ています。それから再評価税におきましては、補正予算で少し減額いたしまして六十二億二千五百万円の收入見込にいたしているのでございますが、二月十日現在で四十七億九千三百万、即ち七割七分の收入を挙げております。これはどちらかと申しますと、余り成績のいいほうではないと思いますが、まだ若干期間もありますので、大体それに近いところまで行くのではあるまいかと、若干へこむかも知れない、こういう情勢でございます。酒税につきましては補正予算で千四十六億六千八百万円見込んでおるのでございますが、それに対しまして二月の十日現在で八百十九億六千万、即ち七割八分三厘の收入であります。これはまだ値下げ後における売れ行の増加收入が十分入つておりません。十二月の分の收入が入つて参りますと相当な成績になるのではないかと、むしろ最近の状況からしますと、若干上廻つた收入を挙げることができはしないかということを考えております。それから砂糖消費税のほうは大した問題ではございませんので説明を省略いたします。揮発油税も大体予算見込收入が挙るのではないかと見ております。物品税につきましても大体同様でございまして、若干へこむのではないかというような成績でございます。大体予算額百六十二億六千七百万円に対しまして、百二十一億六千九百万円、即ち七割五分程度成績でございます。その他全部合わせまして租税收入全体から申しますると、四千四百五十億六千五百万円に対しまして三千三百六十六億一千四百万円の歳入でございます。七割五分の收入でございます。前年度は八割の收入であつたのでございますが、それは先ほども申上げましたように、主として申告所得税納期を一月延長したことによる影響考えているのでございます。全体といたしましては、まあ今のところ大体予算額全部の收入が期待できるのではないかという概況でございます。以上で最近の租税状況を申上げた次第でございます。  申告所得税中心といたしまする納税確保等につきましては、目下国税庁中心に現地を督励いたしまして、鋭意努力をいたしておるのでございまして、その方面説明は、必要でございますれば更に別途の機会国税庁から説明するようにいたしたいと存じます。  それからなおもう一つ非常に関心の深いのは滞納状況だろうと思いますが、滞納状況につきましては、これも資料としまして先般お配りいたしておりますので、それを御覧願いますればよくわかるかと思いまするが、資料のわかりにくい点もございましようから、若干この際申上げて御参考にいたしたいと思います。昭和二十四年度末の繰越滞納額処理状況調というのと、それから昭和二十五年度において新期に発生した滞納額処理状況調、この二表をお手許簡單な二枚の表でございまするが、衆議院予算委員会からの要求としまして、こちらにも同時に提出いたしているのでございますが、その資料を御覧願いますれば詳細わかりまするけれどもちよつと申上げて見たいと思います。即ち昭和二十四年度末にございましたところの滞納税額総額は千三百五十八億三千六百万円あつたのでございます。それがその後どういうふうに処理されたかということでございますが、現金で入りましたのが三百四十六億五千二百万、それから訂正で減りましたのが二百八十二億四千六百万、それから課税訂正する原困はないが、どうにも納まらなくて、不能欠損行方不明等になりまして不能欠損いたしましたのが十五億一千三百万円、合わせまして処理いたしました税額総額が六百四十四億一千百万円になつております。従いまして十二月末現在で二十四年度以前の滞納税額がなお六百十四億二千五百万円ほど残つておることになつております。そのうちで最も注目すべきものは申告所得税でございまして、申告所得税昭和二十四年度末で繰越しましたのが八百八十三億四千三百万ほどあつたのでございますが、その後現金收入が二百三億九千九百万、その他処理済のものを加えまして四百六十三億七千四百万円を処理いたしまして、十二月末現在においてなお四百十九億六千九百万円程度二十四年度以前の申告所得税滞納が残つておる。従いまして六百十四億二千五百万円の滞納税額のうち、申告所得税が大体三分の二程度を占める、こういう状況なつておる次第であります。  それから昭和二十五年度において発生しましたところの滞納につきましては、これは別途に別の紙に出しておりまするが、滞納としまして一応納期までに納まらなかつたものは滞納になるのものでございまするが、発生しましたのが八百七十三億九千七百万円、それに対しまして現金收入が四百四十億六千百万円、誤謬訂正が五十一億二千八百万円、不能欠損が僅か二百万、合わせまして四百九十一億九百万円を処理いたしまして、十二月末現在におきましてなお三百八十二億六百万円程度なお二十五年度分の滞納が残つておる、こういう状況でございます。而もなおこの中におきましても、申告所得税滞納は相当多いのでございまして、約百六十八億二千二百万というものが、この二十五年度の中における税の滞納総額の中で申告所得税ということに相成つておるのでございます。両者を通じましては申告所得税納税状況が一番よくないということを申上げることができるかと思うのでございます。なおその他細目でございますと、いろいろ申上げることもあろうかと思いますから、むしろお尋ね等によつていたしましたほうがよいかと存じますので、一応その程度にいたしまして、質疑でお答えすることにいたしたいと思います。
  18. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 大体二月上旬までの実績お知らせ願つたのですが、大雑把の見当でいいのですが、その趨勢で行きますと、年度末までに推計実績としてどれくらいの歳入を確保されるお見込みか。総額でお願いしたいと思うのでございます。特に所得税法人税酒税年度推計実績はどれくらいお見込なつておるか。
  19. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) 卒直に申上げまして、今のところまだ具体的に計数を算定いたしまして申上げるというのはどうかと思うのでございますが、大体傾向を申上げますと、さつき申しましたように源泉所得税が或る程度増加を来すのではないか。それから法人税も相当な増加を来す、酒税が若干殖える、但し申告所得税が今の状況で行きますとやはり相当減收を来すのではないか、来す惧れが多分にある。その他は物品税、再評価税が或いは少し減るか、減らないかというところじやないかと思います。総体で言いますと、若干の増收を生ずることを私ども期待いたしておりますが、もう少し経ちませんと、何しろ申告所得税がまだ六百億程度差がございますので、はつきり責任のある数字を申上げることができないのは残念に思いますが、傾向としましては若干の増收を生ずるのではないかと思いますが、まだ確実なることを申上げることはできない段階でありますことを御了承願いたいと思います。
  20. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 二十六年度のこの收入見込を作りましたのは、恐らく去年の秋頃の趨勢だと思いますが、その後の趨勢から見ると、今の御報告だと、少しそのときの見込みより税收は若干上つておるのじやないか。そういう見地からすると、二十六年度見積りも非常に固過ぎて、もう少しは余裕を見て歳入を見られはせんかという感じがするのですが、その点はどうですか。
  21. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) 二十六年度歳入見積りにつきましては、お手許に配つてありまするように各フアクターにつきまして、一番新らしい数字をとりまして、それぞれ見積りを立てたのであります。殊に法人につきましては、成績が非常によろしうございますので、最後まで実は法人收入は最も新らしいものによるといろ趣旨作つたのでございまして、従いまして例えば減税の際に、昨年の暮算定いたしました際は、七百十億円程度減税しかできないだろうということでございましたが、その後法人増加等見込みまして、その財源で更に減税を図つたことがありますけれども、できる限り最近の数字をとることにいたしております。今後更に物価或いは生産が一層上るかどうかということは、これはなかなか私はやはり歳入見込んだ財政計画を立てる上におきまして一般的に予測するとか予定するということは、これはむずかしい問題ではないか、相当変動可能性があるということは、これはもう卒直に言つてわかると思うのでございますが、殊に物価等国内経済の事情だけでございませんので、最近は相当国際経済影響を受けて変動いたしておりますので、そういうものが相当変動の余地があると申しますか、可能性があるということは確に言えると思いますけれども、併し今それを的確に見積りまして計画に織込んでどうするということにつきましては、なかなかむずかしいのではないか、今の段階におきましては、最も新らしい数字によつておりますので、私ども更に一層の増收が出るか出ないか、もう少し経ちませんと、卒直に申上げまして意見は申上げにくい段階だと思つております。
  22. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 その点もう少し、具体的にお尋ねしますが、お配り願つた資料によつて所得推計をやつておられるのですが、この場合に二十六年度生産増加、或いは物価の増というようなものの数字をお示しになつているのですが、これはその当時の見込としても非常に固過ぎて、相当それよりあの時期でも上回ることを……、両方とも、生産物価ももつと伸びることを、物価は伸びると言つたらおかしいか知れないが、上ることを予想されたのではないかと思われるのですが、と言いますのは、生産について農業或いは鉱工業等々の各部門において報告を受けた報告によりますと、或いは又安本で作つておりますところの三ヵ年計画数字、或いはもつと現実的に二十六年度年次計画数字等々を見ても、生産もこれよりもつと伸びるようなことになつているのではないか、そういう意味ではあの数字とも若干食い違つていやしないかという感じがするのみならず、特に物価の問題に関しましては、このときに推計されたよりも、その後非常に情勢が変つて来ており、もつと上ることを考え推計をしたほうがより現実的なように思われるので、そういう意味からさつきのような質問をしておるわけでありますが、その点はどういうふうにお考えでありますか。
  23. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) 申告所得税見積りの際に使いました指数は、成るべく安本等意見をよく徴しまして、作成いたしました。当時といたしましては適正を期することにいたしたのでございます。で大体農業とか、その後復興計画等が更に進みまして、最近では生産等農業に対してはもつと期待している面もあるようでございますが、ただ私どもその変るたびごとに余りこれを変えるのもどうかと思いまするし、それから或る程度期待も入つておるようでございます。復興計画のほうには、課税の実際等から照しまして、やはり私どもとしましては、当初の安本見込生産量、それに乗つかるのがいいのではないかと思います。当初と申しましても昨年の秋頃でございますが、そのときの数字によることにいたしております。それから生産増加は約一割でございますが、鉱工業生産全体としては或いは私はもつと上に行くかと思いますが、個人の営業者関係のある生産と申しますと、必らずしも全体の生産指数と又違つた考えかたをとらざるを得ない節があるようでございます。細かにその当時に調べましたところによりまして計算しますと、それに載つておりますように九・四%の増があるのではないか、こういうことになつておるのであります。  それから農業物価につきましては、必らずし物価安本の見かたよりも、私どものほうが少し高くなつておりますが、これは主として課税される所得内容が、副食等の分がどつちかと申しますとウエイトが、課税としてはこの数より少くなつております。課税の実際から見ましても、それぞれウエイトをとりまして物価指数を作りますと、主として米価の引上げによりまする主食の関係所得増加のほうが顯著に反映いたしまして、九・三%程度増加をいたしております。合わせ—まして農業は一〇・四%、営業は、物価が五・三%上るとしまして一一五・二という指数を採用するということにいたしたのであります。これは勿論二十五年度の平均に対しまする水準でございますので、この程度見込みますのが、今としては妥当ではないか、大体水準としましては昨年の秋、十月乃至十一月の水準をとつております。将来上るとすれば、これは又少し見かたが出て来ると思うのでありますが、大体見積りの方法としましてはそういう見かたが正しいのではないかというふうに考えております。
  24. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 そうすると物価の見かたについて若干意見はありますが、それはいずれ別の機会にすることにして、今大蔵省のお見込なつている所得と、それから経済安定本部のほうで分配国民所得として出しておる数字と、これがどの程度付合いするものか、どの程度開いておるか、その点を特に二十六年度数字に即して少し具体的に御説明願いたいと思うのであります。
  25. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) 安本国民所得で見ました増加指数と、課税所得で見ております増加指数は、大体において大差ございません。殆んど同じか、或いはものによつてちよつと下廻つたり上廻つたりしているのがございます。ただ作成の時期が少し違つたというようなのが一つと、それから課税所得国民所得とが必ずしも同様な判断できめがたいのが一つでございまして、併し端数というのは若干食い違いがあるかと思いますが、若し御必要でございますならば、又他の機会に明らかにいたしまして御説明申上げたいと思います。
  26. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 別の機会でいいのですが、各項目別にどの程度付合つているのか、どの程度離れているのか、離れているとすればどういう意味で離れているか、その詳しい数字一つお願いしたいと思うのであります。
  27. 木村禧八郎

    理事木村禧八郎君) 別の機会資料として出して頂いたらという佐多委員のお話がありますが、別の機会資料として出して頂くことにいたします。
  28. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 さつきの御説明昭和二十四年度までの税金がまだ滞納が四百十九億ぐらいあるというお話でありますが、この四百十九億のものはどんな方法で、或いはいつ頃までに收入ができるのであるか、見当が立つておられたらばお伺いしたいと思うのであります。
  29. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) 今のお話は申告所得税の二十四年度までの滞納税額だと思うのでございますが、これが一番今滞納中心なつておりまして、これを如何に適正に処理するかということが、実は一番困難な問題になつていることは御承知通りでございます。滞納の原因等につきましても、当局としましてもいろいろ研究をいたしておるのでございますが、二十四年度末特に少し多かつたのは、やはりいろいろな理由があつたのではないかと考えております。一つはやはりその当時の経済情勢からいたしまして、物価は下りますし、金詰りが激化するという情勢でございまして、納税資金に現実に実際問題として困つた納税者が相当いたんじやないかというのが一つの原因でございます。もう一つは、二十四年度財政計画というのは非常に厳しい計画でありまして、租税といたしましても戰後最も重かつた年であり、国民所得に対する税の負担の比率等から行きましても、二十四年度は二七%という戰後一番高い負担になつておりまして、税の負担がやはりこのインフレをとめるための総合予算の均衡という点に関連いたしまして、相当重い負担にならざるを得なかつた、それがやはり納税者といたしましてもなかなか納税が容易でなかつた一つの理由であると考えます。それからいま一つは、何と申しましても金詰りである関係上、納税者はやはり資金に困りますので、ついやつぱり税金をあとにしまして、自分に必要な所得の運転資金、設備資金等に先に廻すというような傾向が、やはり中をよく調べて見ますと、相当あつたようでございます。この傾向はなお最近あるようでございまして、そういう事情が相当あるようでございます。  それからいま一つは、税務署のやはり査定が急ぎ過ぎました等のために適正を欠いておりまして、どうも不公平だといつたようなことが、やはり現に納税を惡くしているというようなことも率直に申上げまして、相当あつたのではないかと考えておるのでございまして、こういう点につきまして、解決が図られなければ、今後うまく行かないのじやないかということを根本的には考えております、併しその点につきましては、いずれも朝鮮動乱以後大分変つて参りましたし、他面税も二十五年、二十六年と、総体といたしますればやはり相当軽くなつておりますし、やはりなお軽く仕方が不十分だというかたがあるのでありますが、軽くなつたことは事実で、よくなりつつあります。  それから又調査の方針等につきましても、本年度は特に愼重を期しまして、全部農業等につきましては、標準率の作成をできるだけ適正なものにする、成るべく事前に団体市町村等の意見も聞きまして、実情に即するような方法をとる。それでできるだけ正しい申告で納ますように措置をとつております。それから営業等につきましても、できるだけ戸別調査をいたしまして、收支調査を実行して、それに基いてできるだけ申告をしてもらうし、それから役所において更正決定をやる場合においても、よく的確に調査いたしました上で更正決定をして、できるだけ更正決定を少くする、できるだけ申告で納ますようにするというような措置を講ずることが私は根本の対策と考えますが、具体的に残つた滞納をどうするかというお話を今おつしやられましたが、これはなかなかむずかしい問題があるようであります。でございますが、さつき申しました、やはり一時、納税資金を他にこれを流用していたというような、こういうような者に対しましては、率直に申しまして、商売の状況等がいい場合、やはり法律で認められました強制措置等をやりまして、促進を図る必要があるかと考えております。ただ併しどうにもその後状況もよくならん、生活も苦しいと、こういう人の場合、一々機械的に差押え、公売等によりましても必ずしも妥当な結果が得ませんので、事実上分納等の方法も相当最近認めております。それから更に最近の一つのやりかたといたしまして、税金の件数ごとに追駈けないで、納税者ごとの一つ滞納処理計画をよく相談しまして、出して頂きまして、それに従いまして納税をして頂く、約束の期限までにできないような場合におきましては、原則としましてそれぞれ必要な強硬措置をとつて行くというようなことによりまして、滞納の処理の促進を図つて行こう、勿論課税ども間違い、その他発見いたしました場合には、はつきりしたことは直して行くという方法等を採用いたしまして、極力いわゆる滞納整理を促進して参りたいということで、目下現場におきまして非常な努力をされておる次第であります。それでもなお併しどうにもならんものが、或る程度つて来るということが考えられますので、国税徴收方法を改正いたしまして、一つは分納の制度を合法化と申しますか、法律上はつきりした分納の制度を認める、分納を認めますと、その限度に関しましては、利子税はどうも徴收せざるを得んと思いますが、加算税、延滞加算税等は免除し得るような制度を一つ設けたい。  それからもう一つは、それでもなおどうにも片が付かないようなものにつきましては、一時徴收を停止する、徴收猶余、この制度も或る程度全般の税務署がその責任においてやれるような制度を設けたい。生活が苦しくて一時に納めることができない、それから或いは事業の継続が著しく困難と認めるという場合におきましては、今一遍に強硬措置をやることは、却て長きに亘つて租税收入を得るゆえんでないという場合におきましては、若干棚上げと申しますか、徴收猶予と申しますか、そういう制度を設けまして、漸進的にこの改善を、片付けて行くことにいたしたい。一遍に数億の片を付けるということはなかなかむつかしいようでございまするので、そういう方法によりまして極力納税者の実情に即しつつ整理の促進を図るように努めて行きたい、このように一般的には考えております次第であります。
  30. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 税金を決定する際において、できるだけ公平に決定するというような意味から、国税庁には国税庁の協議会、国税局にはその協議会というものを設けられて円満な解決をして行つておられると考えるのでありますが、こういうふうなものが設けられた結果、納税にどんなふうな好成績を及ぼしておるか、その実情を承わりたいと思うのであります。
  31. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) 今までの実際についてもさようでございますが、やはり申告されました税額というものが一番実は納税成績がいいようでございます。併しその中でもやはり納税資金に窮せられた結果でございましよう、滞納なつておるのもあるようでございますが申告された分の税額は大体八〇%以上の成績が挙つておるわけであります。これに反しまして昨年の経験によりますと、実績によりますと、急いで更正、決定をいたしました結果の成績は非常に不良でございまして、三〇数%くらいの限度内の收入しか上つていないのであります。こういう点がございますので、私ども今日はやはり申告納税の本旨に副いまして、申告で納ますような方向に持つて行くのが今後の対策に一番効果があるのじやないか、このように考えておりまして、特にそういう点を最近教育をいたしまして、成績の向上を図るようにいたしておるのでございます。農業所得等の場合におきましても、標準率等をよく関係のまじめな団体等と相談いたしまして、納得をしまして作つて申告して頂きますと、やはり成績が相当いいようでございます。今後はできる限りそういう方向で適正化を図りたい。それから更正決定に当りましても、例えば青色申告等につきましては最も鄭重に扱いまして、成るべく決定をするまでによく納税者と話合う、どうにもならん場合に、どうも意見の分れる場合において更正決定をする場合があるかと思いますが、そういうのは極力少くしよう。一般の納税者の場合におきましても、今申しましたようにできる限り実査する、小さい納税者の分については、急いで功をあせるようなことをしないということによりまして、極力申告の向上を図る、こういうことにいたしたい。その結果は、断片的なものでまとまつた資料でございませんが、そういう方向に行きますれば、状況は必ずよくなるのじやないかということを確信しておるのでございます。
  32. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 これは税金の関係でございませんが、公団の納付金についてお尋ねしたいと思うのでありますが、公団の二十六年度の納付金のうちの肥料配給公団の納付金が八億数千万円あるのでありますが、この八億数千万円というものは、公団の利益となつて現われたのであると思いますが、将来において肥料配給公団が決算を終了した場合においては、肥料公団は赤字になるのであるか赤字にならないのであるか、このところがおわかりになつたらお尋ねしたいと思います。
  33. 木村禧八郎

    理事木村禧八郎君) 担当の政府委員が見えませんから後ほどにいたします。
  34. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 次は価格差益金の納付金でありますが、価格差益金の納付金は、その種類別に計算すればどういうふうなものからこれだけの価格差益金が出たのであるか、今資料によつて見まするというと、二十五年度予算には五十五億円上つてつて、二十六年度には十五億円となつているのでありますが、この関係も併せてお尋ねしたいと思うのであります。
  35. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) 価格差益金については、御承知通り公定価格と收入との差益金を納付する制度でありまして、一時は大分多額な收入があつたものでございますが、それから漸次減少いたしておるわけであります。残つておりますのは生糸その他の関係があるのではないかと思いますが、その内容は私のほうの主計局の説明員より説明させたいと思います。
  36. 谷川宏

    説明員(谷川宏君) 価格差益金の納付金につきまして、二十五年度予算只今お話ありましたように五十五億円でございますが、来年度におきましては十五億円を見込んであります。その見込みました数字的な根拠を簡單に御説明申しますと、二十五年度の当初におきまして価格差益金の滞納が九十六億ございました。その内訳を申しますと、一番大きななのが日本蚕糸協会の大体三十五億円、それからそのほかの小さいものが合わせまして四十一億、そのうち二十五年度中にすでに、一月末の実績でございますが、入りましたのが全体で五十億ございます。その内訳は蚕糸協会のものが十九億円、その他が三十一億、従いましてその年度当初の滞納九十六億のうち、五十億がすでに入つておりまして、あと四十六億が残つておりますのですが、そのうち蚕糸協会の分といたしまして、本年度中に更に大体五億円見当入る予定なつております。そういたしますと、大体価格差益金といたしましては本年度予算五十五億一千四百万円が大体予算通り入ることになろうかと思つております。来年度におきましては、只今申しました本年度に入る五十五億円を除いたものがまだ四十一億ばかりでございますのですが、そのうち蚕糸協会のものは大体予定通り入りますのですが、その他のものにつきましては、その後調査いたしました結果、相当その当時におきましては差益金は出ると計算しておりましたものが、詳細調査した結果、幾らか少なくなつておりますものがありますほか、現実問題としましてなかなか取りにくくなつたものが相当ありますので、来年度におきましては、そのうち十五億を予算に計上しております。新しい差益がその後ありませんので、過去の滞つたものを一部予算に計上いたしておるわけであります。
  37. 木村禧八郎

    理事木村禧八郎君) お諮りいたします。專売事業につまして專売公社側から説明員が見えておりますので、專売收入について説明を聞きたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  38. 木村禧八郎

    理事木村禧八郎君) なお專売公社からお見えになつておるのは、販売局長の石田吉男君、経理局長の内藤敏男君、塩脳局の友藤哲夫君であります。專売公社側のほうから説明をお願いいたします。
  39. 内藤敏男

    説明員(内藤敏男君) 專売公社の事業收入について極く簡單に御説明申上げます。  公社の二十六年度における事業收入は全体で千六百八十四億余円となつております。これをたばこ、塩、しよう脳の事業別に分けますと、たばこの事業收入は千五百十四億余円でございます。これは大体製造たばこの売上高がここに中心なつて載つておるわけであります。来年度におきましては製造たばこにつきましては、上級品であります光、ピースをおのおの十円下げまして、ピース四十円、光三十円ということで、この予算を見積つております。  それから塩のほうは百六十億余円ほどでありまして、内地塩が六十七万六千トン、輸入塩が百十一万一千トンを売払うということでこの予算を計上しております。それからしよう脳のほうは六億二千七百万余円でございまして、これはしよう脳が大部分でございますが、そのしよう脳を作るのに必要な原木の売払代が一部入つております。  その他に雑收入といたしまして二億六千七百万余円ほどのものが計上してざいます。以上を合計いたしまして、公社の收入をいたしましては千六百八十四億余円となるのでございますが、これら公社の事業に必要な歳出を除きまして、一般会計に專売納付金として納付いたすのでありますが、その金額は歳出を引きまして約千百三十億余円ということになつております。この千百三十億余円の大部分は、殆んど全部がたばこ関係から来るものでございまして、塩につきましては大体收支とんとんということになつております。それからしよう脳から極く少い益金が出ることになつておりますが、千百三十億余円の殆んど全部はたばこ関係の益金ということになつております。なお細かい点につきましては、関係の者も来ておりますので、御質問に応じましてお答えを申上げたいと思います。
  40. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 塩の問題ですが、工業塩、食用塩も同じですが、これは輸入が非常に多いのです。百万トン見当輸入しなければならんが、これの輸入計画というのはどんなふうになつておりますかその点一つ説明願います。
  41. 内藤敏男

    説明員(内藤敏男君) 塩の輸入は先ほどの政府関係機関の予算書の四十七頁に載つておりますが、輸入塩は百二十七万トン計上してございます。この項では塩の單価は大体十二ドルで計算してございます。そういたしまして、それに国内に入りましてからの荷揚げその他のチヤージがかかりまして、ここにも書いてございますように四千七百二十円という單価で組んでございます。
  42. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 塩の問題で、輸入先が相当変更になつたのじやないですか。それと運賃が非常に騰貴しておりますので、そういう関係など併せてもう少し詳しく御説明を願いたいと思います。トン十二ドルで計算しておつたのが原価幾らになつておるか、その場合運賃がトン当りどれくらいついておつたのが、今はどうなつておるのか、そういう点について……。
  43. 友藤哲夫

    説明員(友藤哲夫君) それでは現在まで買付けておりました地区について申しますと、紅海、地中海方面は従来とも買付けております。大体従来とも六割以上を紅海、地中海方面に買付けておりまして、それから最近におきまして対中共関係が割合むずかしく、つまり出にくくなつておりますので、その入りにくくなつた面を主として太平洋岸のアメリカ、メキシコ、こういつた地区から現在買付けております。輸入塩の価格は最近ここ二カ月くらいに相当暴騰いたしまして、現在近海塩、準近海塩、遠海塩全部を合わせまして大体十八ドル見当ということになつております。
  44. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 非常に説明が簡略過ぎて困る。もう少し説明してもらわんと……運賃はどうなつておるのですか。今言つたように紅海方面から買つておつた、それから又中国からも買つてつたのが、中国から負えなくなつた。太平洋のアメリカから買うということから、運賃関係からの問題が出て来る。従つて塩の卸売価格の問題も出て来ると思う。そういう点をもう少し詳しく説明願います。
  45. 友藤哲夫

    説明員(友藤哲夫君) 最近の運賃の状況でございますが、紅海、地中海方面から参ります塩は、大体紅海方面におきまして現在の運賃の状況は十八ドル見当であります。
  46. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 運賃が入つているのですか。
  47. 友藤哲夫

    説明員(友藤哲夫君) 運賃だけでございます。
  48. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 運賃が十八ドルで原価が幾らですか。
  49. 友藤哲夫

    説明員(友藤哲夫君) 塩の原価は大体三ドル見当でございます。それから地中海方面のものは大体それより約一ドル程度運賃で上る。塩の原価は、紅海、地中海方面いずれも大体三ドル前後で、それからアメリカ方面から来ておりますのは、大体太平洋岸の運賃で十五ドル見当、塩のFOBはかなり高くなりまりして、大体四ドルから五ドルくらい、ただ近海塩が相当安く入つておりまして、現在買付けておりますものは台灣、それからシヤム、インドネシア、こういつた所ともいろいろ引合をしておりますが、そういつた地区から参りますのは、近海塩などにおきますると、日本のシフで十ドルを少し上廻るもので買つております。そういたしまして、全体として現在公社で買付けております塩の平均価格を、一応現在のものは十八ドルという見当で見ております。価格の問題は、これに関連いたしまして、この場合昨年末に一般用塩の値下げをしておりますが、これについては現在のところではなお十分の見込もございますので、現在のところではなおこれを改訂する必要はないと思つておるわけで、一般の食用塩以外の工業塩につきましては、このところ関係方面といろいろ折衝の上、これを最近の輸入価格に応じて引上をするべく折衝中でございます。
  50. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 そうしますと先ほどの十二ドルであつたりが十八ドルというのは、国内の卸売価格なんですね、あなたの言われたのは……。
  51. 友藤哲夫

    説明員(友藤哲夫君) それは輸入価格でございます。
  52. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 そこで今工業塩の価格の問題なんですが、十二ドルであつたりが十八ドルという比率で上つておるので、との比率で以て卸売値段も改訂するということになると思うのですが、それはそれとして、輸入の手当といいますか、所要数量というものの輸入の見通しはどうなんですか。船舶の問題などあつて相当困難じやないかというような気がするが、どうなんです。
  53. 友藤哲夫

    説明員(友藤哲夫君) 現在までに買付けております数量、それから買付けた数量が実際どの程度に入つて来ておるかという状況から見ておりますと、現在のような国際情勢なり船腹の事情では……、従来のような船腹が非常に余つておる状態でありますと別でありますが、契約だけいたしましても、それでは実は現物を確保したということを完全に言い切れないのでありまして、今では確実に船に積んだものでなければ、一応こちらで買つたということで処理しておらない、そういう面から見まして、船がきまつておりますものが、来年度の第一四半期、四月から六月以降すでに相当量きまりつつありますので、来年度の輸入全体について見込んでおります輸入量につきましては、今の状態では不安はないものというふうに考えております。
  54. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 すると今の問題で、近海塩で今まで中国から、台湾以外の中国地域からお取りになつたものがあるのかどうか。その中国のものは運賃は原価で幾らくらいになるかということについて一つ
  55. 友藤哲夫

    説明員(友藤哲夫君) 中国から今まで入りました数量は、これは昨年度非常に運賃の安い当時に入つて来ましたものでありますから、価格は現在の相場では殆んど比べものにならないのでありますが、昨年中に入つて来ました価格は九ドル見当、それから数量は十万トン足らずの数量が昨年度中に入つて参りました。
  56. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 これは十万トンは物としてないのか、それとも貿易政策上いろいろの対中国の貿易関係があるのでそういう意味で取れないのか。それから現在は中国の塩は値段としてどのくらいになりておるのか。
  57. 友藤哲夫

    説明員(友藤哲夫君) 現在中共から塩が入つて来ないという原因は、一つには従来中共との直接バーター・システム、又は香港を経由するオープン・アカウントのシステムでございましたが、まあいずれにいたしましても、向うから品物が入つて来て、こちらから物が出なければならないのですが、そういうものの見返りの面の引合が非常にむずかしいというのが一つの原因ではないかというふうに考えられます。  それから価格の点でございますが、価格は現在いろいろな構想で中共との取引を促進するような、中共との取引を進めるような話は今いろいろな商社を通じて出ておりますが、価格については現在のところどういう価格になるかという判定がつかないのであります。
  58. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 そうすると、中国から塩が入らないというのは政策の面で、政策さえ変えれば、或いはもつと積極的にすれば入る可能性があるというふうに了解して置いていいのでしようか。
  59. 友藤哲夫

    説明員(友藤哲夫君) 中共との取引のうまく行かない原因でありますが、今私が申上げましたのは、こちらから出る品物が現在或る一定の品目に制限されております。その制限されておるということが一つの原因であろうということであります。それだけが中共との取引を阻害しておる原因ではないのであります。例えば現在のような取引でありますと、その取引を直接に媒介する商社自体も、なかなか出ない、そのためにいろいろなルートによる引合い等が出ておりますが、今申上げましたのは、大きな意味での一つの原因ではないかというふうに考えております。
  60. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 いや、私が特に聞きたいのは、政策の問題でそういうように不可能なんで、百二十万トン、百十万トンとか言つておられる輸入塩の半分なり三分の一なり仮に取るという計画を日本政府が立てて、そうして今の対中共貿易の貿易政策を根本的に立てて、向うと相当積極的にやるのだという決意をすれば取り得る可能性があるのかどうか、ということは、中国のどこいらかにそういう供給力としてはあるのかどうか。向うの市場にあるのかということを聞いていないんです。
  61. 友藤哲夫

    説明員(友藤哲夫君) 中共に塩があるかどうかというお話のように了解いたしまして、中共に塩が相当量あるということは申上げてよいと思います。
  62. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 それからこれはもう一つ数字の問題ですが、さつきお話の四十七頁には百二十七万トン輸入塩と書いてあるのですが、予算説明書、その三十八頁には百十一万トンというふうに出ているんですが、どつちの数字がどうなんですか。
  63. 内藤敏男

    説明員(内藤敏男君) 今の百二十七万トンは買うほうでございます。百十一万トンというのは売渡すほうでございます。その差額はストツクになつているというわけでございます。
  64. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 これは今のような塩の値上りを考えて、繰入れというものはないというふうにお考えなつておりますが、今のお話を聞くと相当塩の値段は更に上つているし、今後も相当上るんではないか。特に運賃なんかは上るのじやないかと思いますが、そういうことになれば現在の価格を動かさない限り、赤字が実績として二十六年度中に出ないか。その点はどういうふうにお考えですか。
  65. 内藤敏男

    説明員(内藤敏男君) 只今のお話の通りになるかと思いますが、ただこちらの公社の会計に予備費もございますし、予備費で賄うことができます。先ほど友藤説明員がお話いたしましたように、売値のほうもこの予算では一応工業塩四千円というところで見積つておりますが、それをもう少し高くするということをやつておりますが、それと両方見合いまして大体賄なえるのじやないか。只今のところではそういうふうに考えております。
  66. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 そうすると予算の、順序を変えて更に三千円を四千円に引上げるという予定でこの予算をお作りになつたが、価格に関する限りは更に若干引上げる、そうして若し足りなければほかの益金から適当に、或いは予備金の留保したものから適当に操作するというふうにお考えなのか。
  67. 内藤敏男

    説明員(内藤敏男君) その通りでございます。
  68. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 今の塩の問題ですが、大体計算して見ればどのくらいになるのであるか。いろいろ新聞や何やらの報ずるところによれば七千円くらいになるというようなことでありますが、どのくらいの原価になるのか、御示しを願いたいと思います。
  69. 友藤哲夫

    説明員(友藤哲夫君) コストは現在申上げますと、輸入塩の価格の十八ドルに大体まあなりつつあるということで一応の推定はつくのでありますが、それをどういつた価格にして引上げるかということにつきましては、現在関係方面とまだ折衝中の段階でございますから、今ちよつとここではお話できない点があるかと思います。
  70. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 この前の予算委員会では食用塩と工業塩とを比較すれば、食用塩が余りに高いから引下げなくちやいけないというようなことを私申上げて、政府のほうでも幾らか引下げられたようでありますが、今回の塩の値上げがあるからといつて、輸入の塩の値段が高くなつたからといつて、食用塩を値上げされるようなことがあるのであるか、ないのであるか、この点お伺いしたいと思うのであります。
  71. 内藤敏男

    説明員(内藤敏男君) 只今状況では食用塩につきましては値上げせずに済むのではないかというふうに考えております。
  72. 東條猛猪

    政府委員(東條猛猪君) 先ほど藤野委員から肥料配給公団の剩余金といたしまして、一般会計の歳入予定いたしておりまする八億三千五百十八万四千円は、今後の肥料配給公団の清算の状況からいつて確かなものであろうかとその後更にこの八億三千五百十八万四千円に異動を生ずることがないかというような、こういうような御趣旨の質問であつたと拝聴いたしたのでありまするが、御承知のように昭和二十六年度におきましては、肥料配給公団は新たなる買入れというものは予定いたしておりませんで、今までの在庫をすべてこれから処分して参るというような事業計画を立てておる次第でございます。大体のところは、まあ八月の末前後くらいまでには在庫につきましても大体の見当をつけまして、只今予定では九月の終りまでには政府のあとの在庫の処分を完了いたしまして、損益のめどをはつきりつけたいと、こういうふうに考えております次第であります。従いまして只今のところではそういう新規の買入れを予定しておりません関係上、比較的この予定は相当確実ではなかろうかと考えておるのでありまして、只今のところでは八億三千五百万円という公団からの一般会計への繰入金には、そうさしたる大きな狂いはないというふうに考えております。
  73. 藤野繁雄

    ○藤野繁雄君 次はアルコール專売益金についてお尋ねしたいと思うのであります。説明書によつて見れば、前年度に比べて減少となつているのは酒類及び燃料、点火用としての需要が代行品の増加に伴つて減少を見込まれているからである、こういうふうなことであるのでありますが、どういうふうな代行品ができたためにアルコール面の使用が減じたのであるか、その代行品の種類と数量をお示し願いたいと思うのであります。
  74. 東條猛猪

    政府委員(東條猛猪君) 大変恐縮でございまするが、代行品のどういう具体的な種類があり、又その数量をどの程度見込んでおりまするか、只今のところ用意いたしておりませんものですから、資料によりまして御覧を頂きまして、又改めてそのときに御質疑頂きたいと思います。
  75. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 塩の問題ですが、先ほど食用塩は上げなくてもいいというようなお話なんだけれども、これはどういうことになりますかな。内地塩の販売数量の中で、内地塩は六十七万六千トン、然るに食用塩としての需要高は二十六年度九十一万トン、随分輸入した塩を食用塩として売らなければならんことになるのですがね。それでも而もその輸入塩というのは大体五割高くなつておるのです。それで据置のままでやつて、專売のほうでの赤字は大きくならんのですか。やれるのですか。
  76. 内藤敏男

    説明員(内藤敏男君) 先ほど塩が上りましたと、これは御説明申上げた通りでございますが、先ほど十八ドルと申しておりますのは、現在契約する場合に大体それくらいになるということでございまして、只今公社の持つております輸入塩或いは現在入つて参ります輸入塩は、相当安いときに契約したものもございますので、そのほうをまあ食用塩に優先的に振り向けるというような考え方をとりましたので、食用塩につきましては値上げをせずに済むというふうに考えております。
  77. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 そうすると十八ドルというのは、今後契約をしたら十八ドルになるということでありますが、すでに契約が済んでおつて輸送中のもの、これは運送費が一番大きいのですから、この値段では、現在すでに原価は相当安く組んでおつたところで、運賃を元の運賃で運んでくれるのですか、新らしい高い運賃でなければ運ばないのですか、どちらですか。
  78. 友藤哲夫

    説明員(友藤哲夫君) 来年度の四月、五月以降から入つて来るものを現在買つて、引合い、又一部は契約しておるのですが、そうしたものについて今の情勢で十八ドルというふうに申上げたのであります。
  79. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 そうすると先に僕が言つた問題にはちよつと答えにならんのです。つまり食用塩としては九十一万七千トン要るのに、内地塩は六十一万六千トンにしかならないとすれば、高い輸入塩を食用塩として取らなければならん。その場合に食用塩の販売値段を上げないで一体やつて行けるのかどうか、やつて行けないじやないか。
  80. 内藤敏男

    説明員(内藤敏男君) 食用塩につきましては先ほどもお話いたしましたように、手持のまだ安い塩がございますし、輸入塩も入つて来るものは、今引合いになつておるのは高いのですが、今までのは比較的安いものが入つております。なお経費節約等に努力いたしまして、極力これを引上げないというふうに持つて行きたいというふうに考えております。
  81. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 なかなかそういう努力していることはわかるのですが、ではどのくらいのストツクを持つておるのですか。現状幾らぐらいの食用塩をどのくらい持つておるのですか。
  82. 友藤哲夫

    説明員(友藤哲夫君) 食用塩のストツクでございますが、今年度中に收納になり、現在二十六年度に越します内地塩といたしまして約三十五万トンぐらいあります。それから今年度中に入りました食用塩、この輸入塩で、それを粉砕いたしまして約十万トン以上手持として来年度に越す見込であります。
  83. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 そうすると四十五万トンですね、そうすると半年先に上げなければならんのですが、どうですか。九十一万トンが要るのに四十五万トンしかストツクを持つていないのですから……。
  84. 東條猛猪

    政府委員(東條猛猪君) 塩のストツクの問題でありますが、今友藤課長から申上げましたのはストツクの中の極く或る一部の数量を述べましたので、ちよつと訂正をさして頂きたいと思うのでありますが、二十五年度越しの数量は、合計いたしまして約七十七万三千トンというふうに大体相成つております。それから誠におつしやる通りでありまして、今後いろいろ情勢変動も来しますので、又運賃が非常に上つたような場合に、一体食用塩にいたしましても工業塩にいたしましても、現在の情勢において想定をいたしました価格を、どこまでも続けられるかどうかということは、これはそのときどきの情勢に応じまして勿論新たなる頭から考え直すべきものは考え直さなければならないのでありますが、今申上げましたような七十七万三千トンというストツクもございまするし、それから数量的には大したことはないにいたしましても、内地塩の食用塩価格の据置きで今のままで行く、いろいろの加工費を見るにいたしましても、食用塩の現在の価格を以てすれば、先ず只今見込においてはやつて行けるようになるだろう、こういう見通しを立てておる次第であります。併し非常に情勢が変つた場合に、一体その食用塩の価格を上げないということをどこまでもやつて行けるかということになりますと、御趣旨のように、そのときの情勢によりまして再検討いたさなければならないときが到来いたしますれば再検討いたさなければならないのでありますが、今のところはいろいろ御説明がまずかつたのでありますが、明細なる計算をいたしましたる結果、何とかやつて行けるだろうと思う。私どもといたしましては塩の部面から、まあ何と申しますか、收益を挙げるというようなことは、專売の全体の方針といたしまして、考慮いたしておりませんので、多少場合によつて少し強気に過ぎるとか、或いは多少又無理があるとかいうようなことが若干ございましても、何とか大事な食用塩というものは極力引上げるということは避けたいという一心から、いろいろそろばんを彈き計算もいたしておりまするので、その辺のところを一つ御了承願いたいと思います。
  85. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 主計局次長もおられるのだから聞いておつてもらいたいのだが、これは私は何も塩のことにそうこだわるつもりはないのですが、ただ政府がこの予算全体を組む場合に、物価の問題について考え方が甘過ぎるというのです。その一つがここで現われておる。塩の問題についても現われておる。そこでこんなにしつこく聞いたのですが、食用塩の価格を上げない方針を、情勢が変化すれば上げなければならないかも知れない、それはわかつておるのだが、情勢が変化すればじやない、すでに変化しておるのだ。変化しておるのを頬かむりして行こうとするところに無理がある。予算全体の組みかたの上においてもそれがある。大蔵大臣に今度聞こうと思つておるのだが、やはり情勢の激変があれば補正予算を出しますというようなことを言うのです。併し僕らから見れば、激変はすでに起きておる。今後あるかも知れませんということじやない。その辺の見解の違いが現われて来るわけなんで、塩の問題についてもそう簡單考えないで、もつと愼重に考えたほうがいいと思うのです。そこで私が今のようなことを言つたわけですが、これは大蔵当局にも考えてもらいたい。ただ一つの問題に過ぎないのです。
  86. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 塩の問題、いいですか。その問題に関連しまして、更に中国貿易政策とも関連してよくお考え願いたいと思います。これもいずれ後刻大蔵大臣にお尋ねしたいと思つておりますけれども……。  それからこれは專売のたばこの販売計画ですが、予算説明書によりますと、二十五年度七百八十億本、千四百六十二億という数字が挙つているのですが、これは二十五年度の追加補正予算のときに変えられた数字を一応とつて挙げておられるのでしようか。それで同時にその見通しされる推計実績としては三月末、年度末までの推計実績としては、実際どれくらいになるというお見通しでありますか。
  87. 石田吉男

    説明員(石田吉男君) 最近までの売れ行きの実績を申上げたほうが、大体の傾向がおわかりになつてよろしいかと思います。丁度手許に二月の上旬末までの計数がございますので、それを申上げます。お手許には配布してございませんと思います。最近まとまりましたものですから……。  二月の上旬末までの販売の実績が、金額にいたしまして千二百三十五億七千百万円でございます。年間の予算額只今お話の通り千四百六十二億千四百万円でございまして、あと二百二十六億四千三百万円、これだけ売れば予算額通りの金額になる、こういうことになつております。年間全体の予算に対しまして、実績の割合が八四・五%、八割四分でございます。この千四百六十二億円と申します数字は、先般の国会におきまして補正予算の際に、当初年間の予定額が千五百七十二億円でございましたが、最近本数のほうは大体年度当初の計画通り出ておるのでございますが、上級品のほうがどうも売れませんで、下級品へ、値段の安いものへつくという傾向がありました関係上、その補正予算におきまして百十億円だけこの売渡しの金額を落したわけでございます。本数は年間の予定数量の七百八十億本でございますが、これは大体予定通り出ております。現在までのところ売れておりますのが六百四十二億本、まあ今後の見通しでございますが、この本数は大体七百八十億本は一ぱい一ぱい、丁度いいところへ行くのじやないかというふうに見ております。金額の面におきましてもまあ大体行くのではなかろうかというふうに目途をつけております。従いまして先般の補正予算で切り落しました数字で参りますと、まあ多少、そう楽ではございませんけれども、何とか行けるようにいろいろ各地方で努力しておりますので、何とか目的が達成できるのではないかというふうに考えております。
  88. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 今日は少し暇なようだから、私も少ししやべらしてもらうのだが、今の説明で下級品の売行きが多くて、上級品の売行きが少かつたということなんですが、その説明から行くとですよ、二十六年度の例えばゴールデン・バツトの製造高というものは、二十五年度の三百四十億本ですか、それを三百五十億本に殖やしただけなんです。ただ上級品の光は六十億を百二十七億本と、倍以上に殖やした。売れない上級品をなぜこんなに作るのか。それとも来年というのは、二十六年度において皆景気がよくなつて、上級品の売行きが多くなる、かように計算しているのですか。どういうことなんですか。
  89. 石田吉男

    説明員(石田吉男君) 来年はピースと光を十円づつ値下げをする予定にしてございます。それで光が現在十本当り四十円でございますが、現在憩が三十円で売られております。それで来年はこの憩をやめまして、光を三十円にいたしますから、今までの数字で行きますと、大体光と憩、その合わせた程度のものは、売れるのではないか。二十五年度予定数量は光が六十億本でございます。それから憩が四十九億本、両方合わせますと百九億本になります。まあ二十六年度は光が百二十七億本で、ちよつと十億本ばかり両方合わせたよりも多くなつておりますが、恐らく御案内と思いますけれども、憩よりも光のほうがずつと味がよろしうございまして、先般池袋の駅頭で街頭録音をやりましたときにも、一般に光がおいしい、安くさえあれば買つてくれるのだという意見が大多数でございました。各地のいろいろな消費の模様を見ておりますと、大体光が安くなれば今までよりも売れるのではないかというふうに見込んでおりまして、実は補正予算におきまして百十億円の金額を切落しましたのも、昨年の四月に憩の値下をいたしましたので、もつと売れるという見込み違いがありまして、案外売れなかつたのでありますが、そういうふうな関係で、従来憩についていたお客さんがほかのほうへ移つてしまう、そういう関係がございましたが、今のところ光ならば一割程度増加は大丈夫だというふうに考えております。或いは数字だけ御覧になりますと、いささか不安に思われるかも知れませんが、私どものほうとしましては、まあ自信がある数字だというふうに考えておる次第でございます。
  90. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 今の問題にも関連しますが、主税局あたりで考えておられる所得増加その他から考えると、相当二十六年度は大きく見ていいんじやないかと思うのですが、そういう見地から見ると、今おつしやつた千五百一億円で八百二十億本というのは二十六年度の推定としては少し堅過ぎはしないか、もう少し努力すればもつと売れるんじやないかという気がするのですが、ここいらにとめておられるのは、供給能力あたりから原料、或いは製造能力あたりからここいらが限界だとお考えなつているのか、購買力の面からそれほど売れないだろうという意味でこの程度にとどめておられるのか、この点について。
  91. 石田吉男

    説明員(石田吉男君) 国民所得との関係は、毎年売りました金額を比較して検討しておるのでございますが、まあ相当計画の上から言いますと、大雑把な数字になりますので、本年は幾ら、明年は幾らという細かい計算をいたしましても、それが一応の資料にはなりますけれども、実際の消費本数乃至消費金額をきめる数字には使いにくいのであります。只今細かい数字を持つておりませんので詳細には申上げかねますが、大体戰前におきますたばこの消費金額の割合というのは、国民所得の二・六%くらいになつております。ここ数年の間の割合が大体五%ちよつと超えたくらい、まあ戰前の約二倍程度でございまして、そこのところが本年が千四百六十二億円、来年が千五百一億円、金額にいたしまして余り大した変りがございませんので、国民所得に対するパーセンテージ、そういう面から余りそう何と言いますか、国民生活を圧迫する程度と言いますか、そういう点は余り大きな開きがないのではないかというふうに考えております。
  92. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 そうすると、それはやつぱり購買力としてこれ以上は出ないだろうという意味なんですか、それとも製造の供給能力のほうからはまだ余力があるというふうにお考えでありますか。
  93. 石田吉男

    説明員(石田吉男君) 供給能力のほうからまだ余裕はございます。それで八百二十億本来年度出ることになつていますが、従来の消費の実績を見ますと、昭和十七年頃が人口一人当り年間の消費本数が約九百七十本くらいになつておるかと思います。その割合で行きますと、来年度の八百二十億本というのはまだ少いのでありまして、八百二十億本を二十六年度の推定人口で割つて見ますと、九百三十本程度、従いまして値段の問題はありますけれども、消費力から行きますと、まだあるのではないか、ただ問題はそういう問題だけではございませんので、御承知のように外国たばこ、特にアメリカのたばこでございますが、これが相当たくさん闇に流れております。そのほかに産地から葉たばこが横流れいたしまして、それが私製たばこ、現在私どものほうで売つておりますゴールデンバツトよりも安い値段で出ております。これらが非常にたくさんございまして、勿論闇のことでございますので、どの程度あるか、ちよつと推定はしかねるのでございますが、一応の推算をして見ますと、ピースが二十五年度の販売予定が八億五千万本でございます。それに対しまして外国たばこが十億本くらいは出ておるのではないか、それからそういう私製たばこで闇に出ておりますのは、これが非常に広汎なのでありますが、まあ大雑把に計算して五十億本程度あるのではなかろうかというふうに考えております。そういう面からの圧迫がございます関係上、過去の消費実績だけで見ましてはそれだけの数量が消費されないということで、一応の推定で計算した数字よりも八百二十億本というのはやや低目に見てございます。そういうことで、供給力のほうからの問題よりもそういう消費のほうから考えまして、多少一応出て参ります数字よりも落してありますので、八百二十億本程度では大丈夫売れるのではなかろうかというふうに考えております。
  94. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 これは主計局にお尋ねすることになるのでしようが、雑收入、或いは特別收入の中の終戰処理收入ですね、二十五年度予算で百四十七億となつておると思いますが、これの推計実績年度末までにどれくらいというお見込ですか。
  95. 東條猛猪

    政府委員(東條猛猪君) 佐多委員承知のように、終戰処理收入内容はいろいろ多岐に亘つておりますが、非常に大きなものは例の終戰処理費のほうから一時経費を立替えて置きまして、その見返りの外貨が貿特なり外為特別会計に入りまして、結局その外貨の見合いといたしまして貿特なり外為から一般会計に歳入として入つて参るという、外貨を伴いまする收入が終戰処理收入のうちの大部分を占めておる次第でございます。そうしてその外貨を伴います收入の内訳は、これ又御承知通り内容でありまして、多分に連合国関係のいろいろの需要によりまして増減をいたす性質のものでありますことは御承知通りでございます。それから昭和二十五年度の終戰処理の收入が二十六年度に比べまして相当金額が大きいのは、昭和二十四年におきまして貿特会計から一般会計の歳入に繰入れべかりし約四十六、七億円のものがずれまして、昭和二十五年度に入つて参つた関係なつておるということは御承知通りでありますが、二十五年度のその只今の入れた見込といたしまして、私ども只今の推定では、これは的確に最後まで動かんかどうか自信がございませんが、ほぼ予算程度の金額までは外貨関係が入つて来るのではなかろうかというふうに考えております。まあ御承知のように外貨收入関係は、日本側できますものではありませんので、多分に連合国関係のことできます性質上、非常に予測が困難でございまするが、只今どう見ておるかというお尋ねに対しましては、先ずこの予算の金額にはさしたる増減はないのではないかというふうに予測いたしておる次第でございます。
  96. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 前年度剩余金の受入れの数字は、一般会計から債務償還に廻すはずの金ですね、あれは今のところ二十六年度予算にはちつともお見込みなつていないのですか。
  97. 東條猛猪

    政府委員(東條猛猪君) ちよつと恐縮でございますが、もう一度……
  98. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 債務償還費に一般会計から入れるのが二十五年度にありますね、あの二百億は警察予備隊にお使いになつたでしようか、そのあとの金、それをどう処理するかということは、この二十六年度予算には出ていないのですか。
  99. 東條猛猪

    政府委員(東條猛猪君) お答えを申上げます。この二十六年度予算歳入に計上をいたしておりますところの前年度剩余金は、御承知のように財政法、会計法の技術的な意味から昭和二十四年度までの剩余金を計上いたしたのでございまして、只今お話のございました債務償還の関係は、直接の繋がりはございません。
  100. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 この前年度剩余金の受入れの説明のところで、二十三年度、二十四年度に生じた剩余金のうちに二十五年度予算計上済額二百六億というのがございますね。これはすでに二十五年度予算では使つてしまつたとすると、補正予算ではどこにこれは歳入として入れてあるのですか。
  101. 東條猛猪

    政府委員(東條猛猪君) お尋ねの二十五年度予算に計上済額の二百六億は、二十三年度の剩余金の使用残額でございまして、その意味におきましてすでに計上済のものでございます。
  102. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 これは主税局長にお聞きしたいのですが、この予算説明書の費目のところですが、四十五頁に、「税制改正案による給与所得及び事業所得の負担額の比較」という表が出ておるんですが、この表で給与所得についても事業所得についてもそうなんですが、軽減割合のところで、現行手取りに比較しての軽減割合というのが、下級所得者のほうにはいつも非常に低くて、上級になるに従つて非常に殖えているのですが、ところが現行税額についての軽減割合からすると、必ずしもそうでないのですが、これはどういうふうに読めばいいのですか。
  103. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) これは結局下のほうのところでは、現行法による税額自体が、控除と累進税率の関係の額が非常に低いものになつております。上のほうの人に比べまして、つまり納める税額所得額に対しまして非常に少ないものになつておりますので、少い税額自体の減る額というものは、これは割合といたしましては大体下のほうが多いのでございまして、従いまして税の軽減の程度から見ますと、むしろ上のほうが下より重くなる。ただ一方手取額がどういうように増減するかということになりますと、上のほうは、この手取額が税が高い関係上少なくなつておりますので、税額は比率から見ましてもそれほど減らなくても、総額から行きますと、税引手取額に比しては低いという関係だろうと思います。
  104. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 そうすると、この税を、高級所得者の減税率のほうが比率的に見ても非常に優遇されておるんだというふうに読んでもいいのですか。
  105. 平田敬一郎

    政府委員平田敬一郎君) そういうふうに見るのは、ちよつとどうかと思うのでございますが、やはり割合はむしろ下のほうが多くて、上のほうが概して少ない。併し今度は御承知通り税率につきまして、中どころの税率を大分下げましたので、上のほうも割合からいたしましても、下と比べまして相当な軽減になつておる、つまり軽減になりまする絶対額が、すでに現在高い税額の、税引手取額に対して割合に多いということになるわけでございまして、私どもとしましては、やはり現にある税額を、どの程度減らしたのかというのが、増減を見る際における基本的な問題ではないかと、かように考えます。但し改正の結果、御承知通り手取額が殖える割合に、上のほうの所得額が非常に高い税負担をなすつておるために少なくなつておりますので、先ずこのような結果になるというわけでございまして、所得税の軽減割合から行きますと、私どもとしましては、上の数字のほうが正しい数字ではないかというふうに、まあ併しその手取額の増減ということも併わせて勿論見て頂いていいのではないかと、そういう意味で書いたものでございます。
  106. 木村禧八郎

    理事木村禧八郎君) ほかに御質問なければ、本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十九分散会  出席者は左の通り。    委員長     波多野 鼎君    理事            石坂 豊一君            平岡 市三君            佐多 忠隆君            伊達源一郎君            藤野 繁雄君            櫻内 義雄君            木村禧八郎君    委員           池田宇右衞門君            泉山 三六君            大島 定吉君            小野 義夫君            長谷山行毅君            安井  謙君            内村 清次君            永井純一郎君            若木 勝藏君            高良 とみ君            前田  穰君            菊田 七平君            一松 定吉君            堀木 鎌三君            矢嶋 三義君   政府委員    大蔵政務次官  西川甚五郎君    大蔵省主計局次    長       東條 猛猪君    大蔵省主税局長 平田敬一郎君    国税庁長官   高橋  衞君   事務局側    常任委員会專門    員       野津高次郎君    常任委員会專門    員       長谷川喜作君   説明員    大蔵省主計局主    計官      谷川  宏君    日本專売公社販    売局長     石田 吉男君    日本專売公社塩    脳局需給課長  友藤 哲夫君    日本專売公社経    理局長     内藤 敏男君