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1951-02-12 第10回国会 参議院 予算委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年二月十二日(月曜日)    午後一時五十六分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○昭和二十六年度一般会計予算(内開  送付) ○昭和二十六年度特別会計予算(内開  送付) ○昭和二十六年度政府関係機関予算  (内閣送付)   —————————————
  2. 藤野繁雄

    理事藤野繁雄君) 只今より予算委員会を開会いたします。  初めに建設省政務次官から御説明をお願いいたします。
  3. 渡邊良夫

    政府委員渡邊良夫君) 昭和二十年度建設省所管行政部費その他事務費系統予定経費要求額は、三十三億八千二百余万円でありまして、本年度の予算額二十六億三千七百余万円と比較しますると、七億四千四百余万円の増加となつております。その内訳といたしましては、先ず新規のものといたしましては、従来、公共事業費の中に含まれておりました官庁営繕事業に必要な経費行政部費に移しまして、十四億五千余万円が計上されておりますと共に、河川水理調査に必要な経費水防法施行に必要な経費等公共事業費より行政部費に移して計上いたしております。  又、削減となつたものといたしましては、北海道における公共事業に必要な事務費がその主なものでありまして、これにつきましては、昭和二十六年度よりすべて北海道開発庁に計上いたしております。  次に、公共事業費につきましては、経済安定本部所管におきまして四百九十四億七千余万円が計上せられ、又北海道分につきましては、北海道開発庁所管において、三十九億二千余万円計上せられ、合計五百三十三億九千余万円と相成つております。これらの経費はいずれも使用に当り建設省所管部局に移替をいたすことになつているものでありまして、経済安定本部所管として計上になりましたものは、北海道を除く地域一般公共事業費三百八億八百余万円と、北海道を今む全地域災害復旧公共事業費百八十六億七千余万円の合計額であります。各費目の概要を説明いたしますると、先ず一般公共事業費内訳を各事業別に申しますと、北海道を除く地域につきましては、河川事業費百三十九億三千四百余万円、砂防事業費三十二億八千九百余万円、道路事業費五十一億八千九百余万円、都市計画事業費三十一億三千九百余万円、住宅施設費四十一億九千三日余万円、建設機械整備費十億六千二百余万円であり、北海道につきましては、河川事業費十九億六千五百万円、砂防事業費二千五百万円、道路事業費十五億六千四百余万円、都市計画事業費二千四百余万円、住宅施設費二億余万円、建設機械整備費一億四千万円であります。  次に、災害復旧公共事業費につきまして、申上げまするが、二十六年度におきましては百八十六億六千三百余万円を予定しておりまして、これを各事業別に申しますと、河川災害復旧事業費百八十二億四千八百余万円、都市災害復旧事業費二億三千五百万円、特別鉱害復旧事業費一億七千九百余万円であります。  なお参考までに申上げますと、昭和二十五年度においては、土木災害復旧費全額国庫負担でありましたため、過年度災害分としては二百六十六億六百余万円、昭和二十五年度発生災害分としては、当初の百億円と補正予算の二十六億七千百余万円のうち六十六億二千余万円でございます。  以上簡單に御説明いたしました。詳細につきましては政府委員より説明をいたします。よろしく御審議のほどお願いいたす次第でございます。
  4. 藤野繁雄

    理事藤野繁雄君) 今日お見えなつているのは建設政務次官渡邊さん、建設省河川局長の目黒さん、建設大臣官房会計課長植田さん、建設省道路局長の菊地さんがお見えなつております。
  5. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 最初にお伺いしたいと思うのですが、只今伺いました各種事業費は、これはいつ頃の見積りで挙げられたのですか。予算編成のときに大体説明書によりましても、最初九月二十二日に大綱をきめて、それから十月三日に又閣議内定して、十二月二十円に至つて最終的に決定した、こういうふうに出ているのですが、大体この計数はいつ頃まとまつた計数でありますか。
  6. 植田俊雄

    政府委員植田俊雄君) この公共事業費の組立の時期でございますが、夏頃から準備いたしまして、最後にまとまりましたのは昨年の十二月でございます。
  7. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 説明書では、この予算説明書の方ですが、一応十月三日に大綱をきめて、その後朝鮮動乱の後の情勢の変化考慮して十二月二十日に正式にきめたことになつているのですが、一応この計数整理をしてから、今度は動乱が起つたわけですが、その後の影響というものは具体的にどういうふうに織込んだか。
  8. 渡邊良夫

    政府委員渡邊良夫君) 大体におきまして一割五分見当の物価値上りを予想いたしまして、作成いたしました。
  9. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それはいつ頃ですか。いつ頃を基準にして、いつ頃までにそのくらいの値上りを見込れたか。
  10. 渡邊良夫

    政府委員渡邊良夫君) 十二月に作成いたしましたので、朝鮮動乱のその後の影響等考慮いたし、又経済安定本部、或いは通産省等とも協議いたしまして、そうしてそうした物価等物価指数というものに対する大体の見通しを立ててやつたような次第でございます。
  11. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それは一割五分を物価値上りと見込んだというお話ですが、いつを基準にして一割五分……。私がお聞きしたいのは、一応十月三日頃に作成を終つて、そうしてその後朝鮮動乱影響を織込まなければならないというので織込れた、こう言れるのですが、そうしますと、十月頃を基準にしてその後一割五分ぐらいを見込れたか、こういうことです。
  12. 渡邊良夫

    政府委員渡邊良夫君) さようでございます。
  13. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 十月を基準にして一割五分を見込れた……。
  14. 渡邊良夫

    政府委員渡邊良夫君) いや、十月から十二月までですね。
  15. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そうすると、十月から十二月までの物価騰貴を一割五分と見込んで織込んだ、こういうことですか。
  16. 渡邊良夫

    政府委員渡邊良夫君) 朝鮮動乱から十二月までの、いわゆる物価傾向を見まして、そうして一割五分、こういうふうに査定をしたわけです。
  17. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そうしますと、十二月以後の物価騰貴についてはこれは又別途考慮する、そういうことになるわけですか。
  18. 渡邊良夫

    政府委員渡邊良夫君) いや、そういうわけではありません。十二月以後に対しまして一割五分、こういうものを予定しているわけです。
  19. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そうしますと十二月以後、昭和二十六年度において大体最初査定したよりも一割五分くらい物価が上るのではないかというので、十二月以後に二十六年度の物価騰貴を一割五分と込んで織り込んだというのですか。
  20. 渡邊良夫

    政府委員渡邊良夫君) さようでございます。
  21. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 先ほど伺いますと、十月を基準にして十二月までの物価騰貴を一割五分と見込んだようにお話があつたのですが……。
  22. 渡邊良夫

    政府委員渡邊良夫君) それは違います。朝鮮動乱から十二月までです。こういうわけです。
  23. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 ここはよくはつきりしませんが、結局私のお聞きしたいことは、予算としては出て来ているわけですが、実施面が問題なのを伺つておるのですが、そこをはつきり伺いたいのです。実際実情に副うように、又物量事業量から見て支障のないように織り込まれたのですか。そうして最初十月三日に大綱をきめて、そこで大綱ができたわけです。大体八月頃からずつとやつていて、計数整理ができた。その当時の物価とその後のときが……又今後も問題でしようが、非常に違うのですから、最初作業をしたときの物価に対して朝鮮動乱後の物価をどの程度に見込んだか、それがさつき一割五分だと言われましたが、その基礎です、基準基礎ですね、それを伺つているわけです。
  24. 植田俊雄

    政府委員植田俊雄君) 御承知通り朝鮮動乱によりまして物価が若干漸騰の傾向なつておりまして、公共事業費につきましては、御承知通り初めに大枠が制定せられました。大枠と申しましても、それにはどの程度仕事をやりたいということが前提になつておるのでありますが、最後大枠がきまりましたのは十二月でございます。その当時に、予算大枠がきまりました際におきまして、朝鮮動乱の際からそのときまでに至るところの物価騰貴は十分考慮いたしておる、こういう意味であります。ただ今後物価が上るということになれば、所定工事ができるかどうかというかような問題になるわけでございますが、これは物によりまして違うわけでございます。或いは建築のようなものでございますと、物価騰貴というものが目に見えて響いて参ります。こういつたものにつきましては單価が上りました割合に或る程度順応いたしまして、建坪を減らすとか、規格を変えるとか、かようなことをしなければならんと思つております。土木工事につきましても、資材を多く使うものにつきましては、そういうようなものが出て参るかと思います。又そういつた物価変動が余りひどく響かないものにつきましては、できるだけ工夫をいたしまして、予算範囲内で所定工事を仕上げるように努力して参るようになるかと思うのであります。ただ御承知通り公共事業につきましては、現在のところ一々工事個所はつきりと決定いたしておるわけでございませんので、今後この予算建設省安本のほうから移し替を受けまして、即ち安本の認承によりまして、この予算建設省に移し替えされます際には、そのときの物価上昇等を十分考慮いたしまして、できるだけ年間に実施可能な予算を付けて参るようになつて来ると考えております。
  25. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 大体分りましたが、そうしますと、先ほど次官が言われたのと違つておるのでして、作業をやつてからですね、朝鮮動乱以後の物価騰貴を見込むというのですから、それは昨年の十二月までですな、六月からその予算最後に決定するときまでの物価を織込んだので、次官が言われるように二十六年度の前途の物価騰貴も織込んだというわけじやないわけですね。
  26. 植田俊雄

    政府委員植田俊雄君) 予算予算書の作られますのは、十二月頃に公比事業費がきまつたわけでございますから、そのときまでの物価騰貴予算編成に当りましては考慮いたすことができなかつたわけでございます。
  27. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 今の物価の問題でございますが、この予算書によりますと、第一次の大綱をきめたのが九月二十二日、このときに第一次大綱をきめる。それからドツジ氏との折衝その他の結果いろいろ変わりまして、十二月二十日に更に最終的に閣議決定をしたということになつておるのですが、そこで一応の公共事業費の数字は九月二十二日にきまつたと我々は新聞で承知しておるのです。その後更に十二月二十日にきまつた場合の公共事業費変化は、今おつしやつたような意味物価騰貴考慮に入れたために相当違つたのかどうかという問題、これを特にお聞きしますのは、この間大蔵省のほうでお話を聞いたときには、この予算基礎的な諸條件として予算單価は二十五年の秋頃を見込んだのだと、それ以後の……従つてこれは九月であるか十月であるか、そこのところははつきり言われませんでしたが、とにかくこの予算大綱がきまる前後の頃を予算單価として考えておるので、その後の上昇は見込んでいないし、更に二十六年度に入つて今後どれだけ上昇するかということはちつとも織り込んでいない、併し大蔵省の見解によると若干の騰貴はあるかも知れないが、事業分量を少くするとかいうようなことで調整をとつて支障なくこの予算が実施ざれると思うというような御意見つたと思うのです。ところが今のお話によると、十二月二十日に最後決定するまでに少くとも大蔵省のほうで全般的なそういうことをお考えにならなかつたにかかわらず、特に建設省のほうではなおそれも織り込み済みなんだといろお話なんですが、そうすると、この大蔵省一般的な扱いと建設省の場合とは違うのかどうか。そこでもう少し具体的にお尋ねしたいのは、一体この公共事業費において主要な資材と思われるようなもの、鉄或いはセメント等々の單価をば幾らに、いつを幾らにお見込みになり、更に修正されたとすれば、その後の時期幾らとお見積りなつたか、それを一つ具体的な資料で数学的に御提出を願いたい。
  28. 植田俊雄

    政府委員植田俊雄君) 只今建設省から私がお答え申上げましたのと、大蔵省か全般的にお話になりましたのと食い違いの点を申されたのですが、大蔵省からお話になりましたことは、予算全体としましては或いはそういうことであろうと、私その場におりませんでしたのでどういうものかわかりませんですけれども、それであるべきだと思います。例えば私どもが別途に扱つている事務費等につきましては、その点は大蔵省説明通りで十分だと思います。ただ御承知通り公共事業費につきましては、大枠が一応千八十億というふうにきまりまして、その中で公共事業費として本年度残ります九百七十七億円、又その中の大枠がきまつて参る。その大枠をだんだんと河川道路、又河川道路の中で直轄幾ら中小河川幾ら、こういつた作業をして参る過程におきまして、だんだんと時期が遅れまして、それが十二月になつたわけでございます。予算のその編成、今の安定本部との折衝過程におきましては、建設省といたしましては十二月の予算編成当時までの物価を頭に入れまして事業量を按配して参つた、かようなことに相成ると思うのであります。なお、御要求になりました資料につきましては只今持ち合せておりませんので、経済安定本部とも打合せまして、できるだけ近い機会に御提出申上げたいと存じます。
  29. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 そうすると、今の大枠、千幾らですか、がきまるときにお考えなつ予算單価そのものは動いていない、大枠が動いていないのだから……。ただその内部の配分、組替何といいますか、組分けをされるときに最近の單価まで御考慮なつたということであるわけなんですね、全体としては……。
  30. 植田俊雄

    政府委員植田俊雄君) さようでございます。
  31. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 そうすると、それに関連しまして、個々の配分の場合にはそれをお考えなつているけれども、全体の大枠のときには去年の秋頃、或いは九月頃の單価でお考えなつているので、従つて現在までの値上り、或いは今後の値上り考えると、事業分量としては非常に減つて行くのではないかと思うのですが、その事業分量の減りをどのくらいにお見込みなつているか。
  32. 植田俊雄

    政府委員植田俊雄君) 公共事業につきましては、御指摘通り大枠できまつておりまして、現在のところ予算書の上におきましても建設省がこれだけの予算安定本部なり、北海道開発庁から移し替えられるだろうということを期待しているという程度でございます。併しこう言つて形式的に私ども責任を免れようという意味ではございませんで、十分安定本部なり北海道開発庁に組まれている予算につきましては、編成当時から関心を持つて関与いたしておつたわけでございますが、何分にも公共事業費というものは大枠かだんだんと小分けなつておりまして、その予算の本当の個所付けがきまります際におきましては、できるだけその当時の、従いまして将来の問題に属するわけでございますが、三月に小分けがきまるといたしますならば、三月の物価合つた事業量で各事業個所に按配して参るということになろうかと思うのでございます。只今のところ今後の物価騰貴をどの程見越すということにつきましては、建設省といたしましても只今のところはつきりした見通しを付けているわけでもございません。
  33. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 そうしたら、今の問題に関連して更に資料としてお願いいたしたいのですが、先ほど申しました重要資材についてどういう物価騰貴が今後二十六年度一年間に見込まれるか、従つてそのためにどういうふうに事業分量が変つて来るだろうか、或いは事業分量を変えることが絶対に不可能であるとすれば、追加としてどのくらいの予算を所要されるか、その資料一つお出し願いたい。
  34. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 只今佐多さんの質問にちよつと関連して……今後物価騰貴した場合どういう方針で行かれるか、事業分量を減らすという方向で行くか、或いは又予算を殖やす、追加するというお考えで行くのか、どちらの方針でございましようか。
  35. 植田俊雄

    政府委員植田俊雄君) 今後物価騰貴しました場合に、当初予定しましたその事業を達成いたすことにつきましては、只今指摘のありましたような二つの方法があるわけであります。第一の、予算を殖やすという問題につきましては、私どもから答弁する限りでありませんので、これは然るべき機会財政当局のかたに聞いて頂きたいと存じますが、ただ事務をやります私どもとしましては、できるだけ無理のない範囲内におきまして、現在の予算の中で所定工事を済ますように努力して参りたいと思います。但しこれは先ほども申しました建築工事等の場合におきましては、はつきりそれだけの予算ででき上がらないということもあるわけでございます。こういう際におきましては、或いは建築でございますと、それぞれのその建物に入りたいという希望官庁需要官庁でございますが、こういうものがございますので、そちらのほうによく相談しまして、或いは坪数を減らすなり企画を変える等いたしまして、できるだけ予算範囲内で所定の目的を達するように努力して参りたい。この努力だけは私ども事務当局としていたさなければならんと考えております。前段の問題に関してはちよつと私から………。
  36. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 努力されるとしまして、こういうようなことは起らないでしようか。その工事を途中までやつておりましたところ、予算がなくなつて途中で打切りになる、そのために打角七割、八割できたのが途中で打切りなつてしまつて中途半端になる、こういう懸念ですね、そういう懸念はないでしようか。
  37. 植田俊雄

    政府委員植田俊雄君) 只今の御指摘のような事態は実は二十五年度のことにつきましては、五年度中につきましても同様なことはあり得るわけでございまして、二十五年度の予算で予定いたしました営繕が途中でできなくなるということは、物価が上りました場合は或いはお考えになるかも知れんのでございますが、その点は二十五年度におきましても非常に苦心いたしまして、私今例として持出すものは、官庁営繕の例が一番はつきりしていると思いますが、官庁営繕と申しますが、こういつたものにつきましては、物価が上るに応じまして設計の変更をやりますとか、或いは使用資材を若干節約するとか、或いはその建物を需要します官庁のほうに交渉しまして、坪数を少し減らすことを我慢して頂く、こういうような方法を講じまして、絶えず物価変動と及びそれを施工します業者の情況等も睨み合せまして、年度内完成を図つておりますので、御心配になりますような工事が七、八割に終つたというふうな、その工事が完全に使いものにならなかつたというもの、こういうようなものを造るようなことは二十五年度に関する限りにおきましてはなかつたと、かように考えております。
  38. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そうしますと、二十六年度にはそういう懸念があるかも知れない、こういう御意見かと思うのでありますが、それに関連しまして、二十六年度に見返資金から出たものは打切りになりまして、一般会計から継続事業分が支出されるようになるわけです。そこで予算説明書によりましても残存工事は総額約二百十七億に上つておる。ところがこのうち二十六年度に約五十四億の程度が実施されることになつている、こういうようなことになつておりますが、こういう状態の上に更に又物価騰貴というものが加つて来るわけですが、この間の事情はどうなんですか。その残存工事が二百十七億に上つているが、二十六年度五十四億で足りるのか、或いは又二十七年度、八年度に予定されているのか、それまでの継続だから大丈夫だというのか、或いは予算に制約されて本当は二百十七億二十六年度にやらなければならないのを五十四億しか出せない、こういうことになつているのかどうか、伺いたい。
  39. 植田俊雄

    政府委員植田俊雄君) 前段お話ございました二十六年度の物価騰貴の問題でございますが、これも二十六年度におきましては、我々事務当局としましては、そう大きな物価騰貴がない限りはできるだけ予算範囲内で何とか工夫して賄つて行くようにいたさなければならん。なお見返資金工事につきましては御指摘になりました点で申上げますと、見返資金工事継続計画というものはこれはその工事を中途で打切りますと、折角やつた工事が全然無駄になつてしもう。例えばダムのような工事でございますと、基礎工事だけやつておりますが、形体の上部のほうをやらなければ何ら意味がない、こういうような工事もございます。或いは見返資金が数カ月に互つて支出されるとすれば、それを是非従来一般公共事業費でやつてつたような仕事をできるだけ見返資金工事としてやつて参りたいというので、継続費として出したものもございます。そういう意味でありますと、継続費が二百億以上の大きなものになつておりますが、今そうした工事を中断することができないという見地で計算いたしますと、建設省に関する限りにおきましては必ずしも当初の予定通りでなくても間に合うということになつて参るのでございます。勿論これはちよつと私としましては言い過ぎでございまして、できるだけ見返資金工事を期待しておるわけでございますが、見返資金が出ないということになりますれば、一般公共事業費で賄つて行かなければならない。従つて一般公共事業費で賄おうとすれば、工事を中絶して困るところの、工事を中絶しては何らの効用も果せないところのダムでありますとか、或いは河川の堤防でございましても着工したところはそのまま仕上げなければならない、こういうところに重点を置きますと、公共事業費で何とか見返資金工事ができる、こういうわけでございます。
  40. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 私はその点事務当局として構は何とか何とかと言つておりますけれども物資値上りについて、殊に、この建設工事に関する物資値上りについて余りに深刻に考えておられないように思うのです。ですから私は恐らく今後の物価騰貴考えますと、殊に建設資材、そういうものを考えますと、今楽観されておるような状態でなく、今後相当な問題か起つて来ると思う。それでこのまま放任して置いたら、今までの統制をどんどん撤廃をして自由経済機構に放つて置いたならば、私はこういう工事はできなくなると思う。一例を申上げますと、鉄材なんかは内地値段海外とのオファー、契約がまるで値段が違つておるわけです。例えば富士製鋼にアルゼンチンから註文が来たのを見ましても、これは十二ミリの厚板ですが、FOBで横浜渡しトン当り百四十ドル三十セント、邦貨に直すと五万六百円、ところが内地国内向は三万六千円、それからこれは日本鋼管の契約で〇・六ミリの薄鉄板などでも向うの契約は九万円、国内の値段は五万八千円、これではどんどん私は海外に行つてしもうと思うのです。而もスクラツプは来ない。そういう需給関係から見ても今後の特にそういう建設資材値上りは相当ひどくなる。これをこういう状態の下で物量において建設工事予定通りやるには相当の統制が必要になると思う。そういうものと絡み合せなければ私はできないと思うのですが、その点の御所見はどうなのですか、事務当局として……。
  41. 植田俊雄

    政府委員植田俊雄君) 物価騰貴が今後大幅騰貴を許されるということになりますと、これは工事費をどんどん食いますから、或いは改めて補正予算を出して頂くか、そういうことになろうかと思うのであります。私どもといたしましては、物価騰貴がそう著しくない限りにおきましては、何とか工夫してやつて参りたい、これだけのことでございます。それ以上のことにつきましては財政当局でもございませんし、又大臣にその点につきましてお話してあるわけでもございません。それから私が申上げましたことは、物価が微少な騰貴である限りにおきましては、事務当局は何とか工夫して切拔けて参りたい、この程度の御答弁を先ほど申上げております。御了承をお願いしたいと思います。
  42. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それは政策とも関連しますから大臣にお尋ねすることにいたしまして、もう一つ、やはり本当に熱意を以て立てられたこの計画を実際に行うという場合、いろんな予見が狂つて来ればできないのですから、事務当局としても建設費は十分考慮しなければならないと思うんです。もう一つ予算だけじやなく、物量のほうからいつて統制の問題です。今までのような生産配給機構でやつて行けるお見通しがあるのかどうか。統制の問題については建設省としては建設工事をやつて行く場合において、これまでの機構で支障がない、こういうふうにお考えですか。
  43. 植田俊雄

    政府委員植田俊雄君) 物資の配給の問題につきましては、これは建設省でどう考えているから国の配給機構がどうなるべきであるというふうな問題でもございません。鋼材につきましても、建設省で所要いたします鋼材も相当多量に上るわけでございます。全般から見ますと、昔の統制時代の官需に当る分を建設省がその相当多くのものを配給を受けておつた状態でございますので、配給計画をどうするかというふうな問題につきましては、私どもとしても関心を持たなければならん問題でございますが、どういうふうな統制が必要か、又いつの時期に統制が必要か、こういつた問題につきましては、只今のところ確たる見通しは持つておらん次第でございます。ただ現実の問題としましては、最近に至りますと、時折物資の入手で困難するようなことがあるわけでございます。ただこれも私どものほうとしましては、大体メーカーに発註しておりまして、メーカーのほうが若労しておるというようなことをまあ間接的に聞く程度でございまして、直接に物資が無くなつ工事ができないというふうな事態には余りぶつかつておらないのでこございます。ただいろいろの気配から感じまして、先行き物資が不足しやしないかという心配だけは持つております。
  44. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 もう一つだけ、只今の御答弁ですと、僕のほうの質問に対して、ここでまあ差支えない程度に答えて置けばいいというように受取れるんです。そこで答えか済んでしまえばいいというように受取れるのですが、これは私の誤解かも知れませんが、それじや私はいけないと思うのですがね、やつぱりこの建設の問題につきましては、物資の需給の問題、特にこれはまあ必要なわけです。それがなければできないのですから、そういう場合、事務当局としての、自分はこれを担当しているのだから、その角度から問題を考えたらいいというようなことではいけないのであつて、やはり総合的に各省に呼びかけて、又各省とも案を立てなければならないと思うのです。特に私は今のお話のようですと非常に心細いと思うんです。今後もうすでに物によつては入手の困難なものもあるやに言われておりましたが、特に今後特需と輸出と、それから国内の今の建設その他の需要との競合関係はもつとひどくなると思うのです。こういう点十分お考えにならないと、金額だけで一応こういうふうに出て来ましたけれども実施面で非常な齟齬を来たす、で私は実際にこの土木その他建設のほうには素人でありまして、実施面はよく分りませんけれども、そういう需給関係から非常に心配されると思うのです。その場合にはやはり輸出について、或いは特需について、内需を確保するために、どうかするとどうしても私は統制の問題が起つて来ると思う。そういう意味での心構えとしては、これまでの自由的なやり方でやつちや駄目なんだと、恐らく事務当局としてはそういう要求が強く現れるのかと思つたのですが、この点についてこれはもつと大臣にもお聞きしなければなりませんけれども事務当局としての心構えとして物資の需給の将来、それに対する物資を確保する方法、そういうものに対しての御見解を伺つておきたいのです。
  45. 植田俊雄

    政府委員植田俊雄君) 私ども建設工事をやるものといたしましては。戰時中物資が不足しまして非常に困窮したことは、記憶にはつきりいたしておるわけでございまして、セメントがちよつと入手困難であるといいますと、すぐ昔のようにセメントがなかなか手に入らぬことになつて、先行き工事ができなくなるんじやないかというので、私ども仕事をする者の立場からいいますると、或いは神経過敏になり過ぎるくらいこの問題については気を使つておるのでございます。これが実情でございます。ただ私どもの扱います需要というものは全部の需要のうちの、物によつては多くございますが、大部分につきましては、その大きなパーセンテージを占めるわけでもございませんので、自分のほうからもうそろそろ統制を始めてくれか、或いはどういう統制がいいかということにつきまして、統制を主管するであろう官庁のほうに申入れる時期まで達していなかつたと、こういう意味でございまして、先行き物資不円滑のことになりはしないかということにつきましては、十分注意をいたします。又その点につきましては、工事の現場におきましても、できるだけ物資のルートを確保するとか、或いは買える際には必要な物を買つておいて、そうしてストツクを持つて、年間工事量の不足を来さぬように注意をいたしますとか、こういつた手は打つておるわけであります。統制方針云々と、こういうふうな問題になつて参りますと、私のほうだけではちよつときめかねることでございますので、私としましては、比較的消極的な御答弁を申上げたようにお感じになつたかも存じませんが、その点につきましては十分私どもも需要者の一人として心配しておるものであるということは、変りはございません。
  46. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 もう一言だけ、この建設事業の中で、特に国防的な建設事業というものが現れて一来るような予想はないですか。例えばもつと具体的に言えば、今後の講和態勢と関連して、そういうような形の工事というものが現れて来る可能性は……。
  47. 植田俊雄

    政府委員植田俊雄君) 只今の点につきましては、全然今回の予算について心当りはございません。
  48. 堀木鎌三

    ○堀木鎌三君 今建設省お話を伺いますと、何でも総額がきまつちやつて、それから細目が組み立てられるような御答弁に近いものがあつたのですが、一体我々予算を組むときに、事業内容がきまつて、大体これくらいのことはしたい、併し一般財政上の都合もあつて、その金額が減額になれば、この道路とこの分は止を得ず切ろうというふうなことが大事なやり方だと、こう思うのでありますが、それでやれば、実は公共事業について実際の計画が立ち得ないだろう、例えば道路計画にいたしましても、河川改修工事にいたしましても、砂防工事にいたしましても、皆一つ計画を持つてつて、大体個々の工事を集計したのが幾らになる、そのうちで一般財政と睨み合してこの点は切るんだと、後年度に延ばすとか或いは止めるとかいう問題がきまつて参るのだと思うのであります。それでありませんと、実はこの二十六年度予算説明の中で、鋼材が十九万九千トン要るんだ、或いはセメントが百八十一万四千トン要るんだとか、木材が九千七百四十一万石要るのだとかという御計算が立つわけがないのであります。その点についてですね、何と申しますか、物価騰貴の面からの御答弁としていろいろおつしやるのかと思いますが、もう少し端的に、事務的に安本なり、或いは外の註文するところの省でありますとか、そういう方面との御打合せの結果の内容的なものを御表示を願えないだろうかということが、その点についての御説明があつて然るべきものだと、これが一点であります。現に予算書にそういうふうな資財の説明があるのでありますが、大体この数量………、先ほど佐多君から資材値上りによつて二十六年度予算事業をどれくらい圧縮しなければならんかという、物価騰貴の面からでありましたが、むしろ端的に私はどれだけの所有資材を御必要になつておるのか、その單価幾らに見込んであるのか、数量がどれだけ見込んであるのかという表を頂けますれば、現在の物価なり、今後の物価との関係を我々は判断する上にもいいのでありますから、その表を至急頂かなければならない、こう思うのでありますが、その点は佐多君の資料要求と合わして私も要求しておきますが、第一点につきましてもう少し御説明を願いたいと思います。  それから第二点は、見返資金の方で問題になりますことは、見返資金から継続事業として従来お考えなつておりました分が、残存工事が二百十七億円に上つておるのでありますが、二十六年度で五十四億円程度を実施されることになつております。この工事内訳がどの程度であるのか。二百十七億円のこれはもう継続工事でありますから、従事の予定表がございましようが、その中で二十六年度分にどれだけお使いになるのか、これはもうないとおつしやるわけに行かないので、あるはずだと私は思うのであります。  なおこれに関連いたしましてお聞きしたいことは、災害復旧費が従来全額国庫負担であつたのが、以前に遡りまして地方費負担の分が確か三分の一地方負担になりますか、その点によりまして公共事業費は全体として殖えておるのだというふうな説明があるのでありますが、この地方で負担いたしますものが、実際において国の予算と合わして実際できる見込みであるかどうかという点につきましても、今度の地方財政平衡交付金、或いは地財の関係から見まして、どういうふうにお考えなつておるか。これらの点について一応御答弁願いたい。
  49. 植田俊雄

    政府委員植田俊雄君) 只今のお質問に対してお答えいたします。先ず予算の内容でございますが、実は公共事業費につきましては、他の予算と大分異つた組み方をいたしておりますので、只今堀木委員のお話のような御疑問を又お持ちになることも無理からぬことと存ずるのであります。他の方の予算でございますと、幾ら工事をやりたいからというので大蔵省では予算を盛りまして、それは大蔵省が財政の立場から査定せられる。そうしてそれで大蔵省建設省との話合いがきまりますと決定いたすわけでございます。それから公共事業費につきましては、これは事業いたします私どもの方からいたしますと、工事をやりたいから公共事業費を組むのであつて公共事業費を組む方の立場からいいますと、昔公共事業費ができましたときの伝統といいますか、二十一年に確かできたと思いますが、その当時の一つの労働の機会を与えるとか、失業対策的な性格を加味した一つ事業費というものになつておりますので、その伝統が只今まで続いております関係で、公共事業費内訳が、大枠が千八十億なら千八十億にきまりますと、それがいろいろな安本と私ども及び大蔵省との三者なり、或いは他の関係官庁との話合によりまして、河川事業幾ら道路事業幾らと、こういうふうに決定して参るわけでございます。従いましてこの編成ができましたときにおきましては、道路で申しますと、どの国道のどの個所を改修するのだというところまで具体的にきまつてできておるわけではございません。この点は他の予算と違いまして、公共事業費にはそういつた組み方があるということを御了承願いたいと思うのでございます。それでは一体予算書には鉄材が幾ら要る、セメントが幾ら要ると出ているのはおかしいじやないか、こういう御疑問が起ろうかと思うのでございますが、これは道路の改修がどれだけ、この予算なら大体どの程度できるというような見当を安定本部で取りまして、それに基いて一応の積算をいたしました結果、そのような数字になつたかと思うのでございまして、具体的にどれだけ要るかということは安定本部から予算の移し替えを建設省で受けます場合に、認証書類として提出いたしまして、もつと正確な数字が出て参るわけでございます。  なお、予算内訳について資料を提出しろというお話でございますが、只今申しましたような経過からこういうふうに予算ができ上つておりますので、今急に個々の場所別を決定いたすことはできませんが、只今建設省内の各局で作業中でございますが、早急のうちにはこの場所別の説明をいたすことができないかと思いますので、この点御了承願いたいと存じます。  次に見返資金の問題でございますが、これは先ほどもちよつと御説明いたしましたように、五十四億というふうな数字がその予算説明書に確か出ておつたことを私も記憶いたしております。これは五十四億では、当初見返資金工事として継続するものでありますれば五十四億では不足だと考えます。二十五年度におきましては百十億でございまして、建設省のこれらの継続分だけでございましても百億を超えるということでございましたので、五十四億という金額では少いのでございますか、今年度は見返資金工事継続という意味ではございませんで、見返資金でやり始めた、着手した工事一般公共事業費の中で賄つて行くということになるわけでございます。公共事業費の中でのいろいろな顧慮等をいたしますと、又その枠の中での操作ということを考えますと、全般で五十四億程度しかできないのじやないかという見通しがその予算説明書に書かれておるものと了解いたしておるのでございます。  災害の問題につきましては、これは実は誠に事務的に申しまして申訳ない次第でございますが、例の災害復旧費の全額国庫負担の特例法は二十五年度限りで効力を失うわけでございまして、それに代るべき法律を作るべく只今各省の間で打合せをしております。大分形もまとまりつつありますので、余り遅くない機会に国会の方にも提案になることと考えておるのでございますが、それが出ました際におきまして、只今指摘のありました問題は、災害復旧費についてこれは重要な問題でございますので、その際に十分な御検討を願つたらどうか、かように考えております。
  50. 堀木鎌三

    ○堀木鎌三君 そうすると重ねてお聞きしますが、何でございますか、この公共事業費幾らにするかということは、実は二十六年度の予算編成いたします場合に非常に争いになつ一つの重要なポイントで、公共事業費が千三百億なくてはどうしたつていけないのだ、いや、それが圧縮されては困るのだというあれだけの問題になつたわけですが、その問題については大掴みの金額であつて事業の内容については触れない、こういうふうな問題があつたのでありましようか。或いは建設省にはそれはもう全然責任はなくて、安本長官だけが責任である、そういうふうなものでありましようか、その点を第一点として、方針に関する主な点は大臣にお聞きいたしますが、事務当局としてどうお考えなつておりますか。  それから建設省の各明細書を見れば建設省自身でおやりになる工事もあるわけです。でこれについては少くとも一つ計画を持つておやりになつておるのである。こういうふうなことも考えられるのですが、一切合切よそできめた註文を受ける工事官庁だ、こういうふうに考えていいのかどうか。この点を二点としてお聞きいたします。
  51. 植田俊雄

    政府委員植田俊雄君) 公共事業費内訳につきましては、決して安本だけが組みまして、建設省が全然関与しないものではございません。予算が現在の公共事業費の建て方が、一応安本が組みまして各省に移すことになつておりますから、形式から申しますと建設省予算なつておりませんけれども、私どもの気持といたしましては、これは只今現在から建設省予算に組まれておるものと同様な気持でこの予算に取組んで参るつもりでございます。又この予算がきまる場合におきましては、決して安本だけできまつたものでもございません。建設省も十分関与いたしてきまつております。ただ冒頭に御疑念としてお出しになりました公共事業費が千五百億或いは千三百億、こういうときには架空の計画であるかどうか、こういう問題でございますが、これは決して架空のものでもございませんで、建設いたしましても、国道でございますと、国道は何ヵ年の間に自動車が完全に通れる国道にいたしたい、或いは河川でございますと、直轄河川は十ヵ年計画で完成いたしたい、こういうふうな一応の計画を持つておるわけであります。こういつた計画に基いて二十五年度の所要額というものを経済安定本部要求いたしたわけでございます。この数字は或いは別の機会経済安定本部から説明になるかも知れませんが、各省を通じますると相当厖大なものになるわけであります。こういつた各省のやりたいという仕事基礎にいたしまして、安定本部がその公共事業費を千五百億にしたい、千三百億にしたいというような案が出るわけでございまして、恐らく安定本部の予めの案につきましても、すべて計画つての話であります。ただ具体的にどこの直轄河川のどの場所をやるかといつたことにつきましては、この当時からきまつていないのでございます。又現在の安本が査定し、建設省が了解いたしましたこの予算におきましても、具体的にどこの河川のとの個所の改修をやるとか、どの国道のどの個所の改修をやるか、こういつた問題につきましては決定いたしていないわけでございます。そこまではこれは建設大臣の権限になるのでありますので、建設省でやつて参るのが本筋でございますので、この予算の移し替えを受けますときには、どういうふうな計画仕事をして参りたいということについては只今建設省で検討中でございます。従いまして第二段に御質問のございました直営工事につきましても、工事費につきましては同じ公共事業費の中に含まれておるわけでありまして、直轄河川幾らやるかということはきまつておりますが、どの河川をとり上げるかということは、直轄河川改修計画の十ヵ年計画の中に、今度こういうふうな予算がきまつたならば、どれに重点を置いて着手するか、こういつた方針建設省が作りまして、それに基いて具体的な個所付けをして参りたいとかように考えておるわけであります。
  52. 堀木鎌三

    ○堀木鎌三君 今おつしやつた建設省のほうで計画をおきめになるのはいつ頃でき上りますか。卒直に申しますれば、我々これをつかみで予算を審議したつて実は意味がないのでありますが、その内容的なものはいつ頃おできになり、予算の審査と併せて間に合つてお出しになつて頂けるだろうかどうか。更に意見として附加えますれば、今できていないようでは実際に年度初めの工事というものは非常に能率の惡いものになるということが考えられるのであります。結極天候のいいときには事務的な配分に時間をとる。そうして日本の天候の惡い時期になつてから工事をなさらなくちやならないということを考えなければならんと思います。そうして更に恐らく物価は遅れれば遅れるほどますます上るということを考えなければならないと思います。そういう点から見まして、ともかくも至急そういうものが決定さるべき段階にあると思うのでありますが、それらについていつ頃お出しになるか、その点を一つ併せてお聞きいたします。
  53. 植田俊雄

    政府委員植田俊雄君) 各工事個所付けにつきましては、今各局で検討いたしておりますが、只今のところいつ頃できるかということについては確たる見通しを付けるまでには至つておりません。ただ年度が始つてもこれがきまらんということでは困るわけでございますので、年度の始まる前或いは年度の早々にこれはきめねばならぬものと考えております。
  54. 堀木鎌三

    ○堀木鎌三君 どうも、今飽くまで予算審議中は出さないつもりでおいでになるのかも知れませんが、実はあなたのほうで年度初め直前にきまればいいのかも知れませんが、実際のところこの予算の重要な大きな項目、一つの項目で一千億以上使う、こういう仕事であります。それから地方財政についても影響のある仕事であります。こういう問題について余り細かくそう何と申しますか、これはもう二十六年度一銭一厘も違わないのだというふうに潔癖にお考えになる必要は私はないと思う。どんなにお考えなつつて変ることだけは確かであります。現在の見通しとして大体この程度だということは是非お出し願いたい。予算の審議に間に合つてお出しを願いたい、こういうふうに考えます。
  55. 植田俊雄

    政府委員植田俊雄君) 只今の御意見誠に御尤もでございますが、できるだけ早くと思つて取急いでおりますけれども只今のところこれがいつになつたらまとまり、そうして国会に御参考に出すことができますることになるかどうかということにのきましては、私としてはまだ確たる見通しを持つておりませんので、お答えいたしかねる次第であります。
  56. 岩間正男

    ○岩間正男君 どうも私も素人なもんですから、実は今の問題わからんでいたのですが、説明を聞いて実は愕然としているわけです。大体この予算が決定されるまで各省からの要求が出されて、そうして一応の政府で閣議決定を見たのはたしか昨年の九月じやないか、こういうふうに思う。そうしてその後向うさんと折衝があつて遅れた、そういうことも聞いておりますれども、すでに半ヵ年近くの日数を費しておる。その間に具体的な内容別、それも細かに何村の何橋をどうするとか、どこの道路を本当に一分一厘違わないことをこれまで要求しているわけじやないわけです。併し大体の大きな目安だけも半年後に付いていないということは、非常にこれはおかしいと思う。国会でそういう問題を審議しないで、そうして内容にタツチしないで、漠然とした大きな項目だけで以てそういうものを決定するということは、これはやはり国会の審議権というものが目隠しにされるのじやないかというふうに思う。先ほどの木村委員の質問に対しまして、これは軍事的な問題として関連はないか、こういう質問に対してはそういう関連はないというような説明もあるのですが、この点を若し曲解して考えるならば、大体漠然と問題をきめておいて枠だけを取つて置く、併しその内容については後で検討する。併し情勢が変更する、日本が今置かれている情勢を考えますときに、そういう情勢との連関におきまして、非常に別な方面にぐんぐんこれを使われるということがないということがどうして言えるか。これは去年あたりの公共事業費の性格を、ここで実は我々は二十五年度のものをも検討してみて、そうしてそれとの連関で大体性格を把握することができると思いますけれども、そういう面が非常に出て来るのじやないか。それが出ないという保証があるか。こういうことを我々は質問せざるを得なくなるのでありますけれども、そこで言うならば、何か予備費的な性格、これは枠をきめられて、その使用についてはいわゆる国会の予算審議ができて、予算が通つてしまうまでは決定されない。なぜこういうことが一体起つているのですか。建設省としてはそういうことを具体的に、そういう細目を決定する方向に今まで努力されておるのであるかどうか。而もそれが具体案ができないとすれば、できない理由は一体何であるか。こういう点についてこれは我々明白な御答弁を頂かないと、この問題の性格が明らかにされないと思うのでありまして、この点一つ説明願いたいと思います。
  57. 植田俊雄

    政府委員植田俊雄君) 前段に御指摘になりました点は……。
  58. 岩間正男

    ○岩間正男君 ちよつと、これは政治の問題だから次官説明をお願いいたしたいとは思います。
  59. 植田俊雄

    政府委員植田俊雄君) それでは事務的なことだけ私は申上げますが、前半の御質問はあとに讓りまして、公共事業費は全然枠がきまつていないかのような御印象を与え、又与えるような答弁をいたしまして誠に相済みませんが、予算書に出ておりますのを御覧願いましてもわかりますように、こういう事業費が部款項の項できまつておりまして、その中に河川局のこともやはり目にございまして、直轄河川幾ら、中小河川幾らというふうに細かく分けております。又私どもとしましては、この内訳を又どういうふうにするかというので、こういつたものにつきましても大体の見当までは付けておるわけでございます。具体的にどの個所をやるかというところまではなかなか決定が困難で遅れておるということを申上げた次第でございます。
  60. 渡邊良夫

    政府委員渡邊良夫君) 最初予算の概算要求というものにつきましては、大体におきまして、継続事業或いは又新規事業等をいろいろな重要度からこれを検討いたしまして、そして大体の概算要求というものを、明年度予算大枠をきめるところの九月頃におきまして、大体建設省におきましてそうした線に沿いましてこれを安本要求するのでございます。それで更に安本当局といたしましては、各省の要求をも睨み合せ、或いは日本の現在置かれておりますところの財政、日本政府といたしましての可能なる範囲におきますところの財政支出の上から検討いたしまして、どの程度これを削減するか、こういうふうに大枠というものが、大体におきまして建設省のほうに今どれだけぐらいのものをよこすか、これが最後的に閣議或いは関係省におきまして決定いたされます。その枠の中におきまして、先ほど申上げましたような継続事業或いは新規事業というものを又掘下げまして、個所別にこれを検討いたすのでございまするが、丁度現在これが検討中でございまして、これは各府県或いは建設省の出先機関等ともよく協議いたしておるような次第で、これはいろいろな府県の要求等もございまするものですから、なかなか簡單には決しかねるというような状況でございます。
  61. 岩間正男

    ○岩間正男君 非常に漠然とした、いわばあいまいな答弁だと思うのでありますが、これは重要度によつていろいろそこに決定されなければならないというのですけれども、具体的に見ないと款項目ぐらいの、道路幾ら、港湾幾ら、都市計画幾ら、それからいろいろなこういうものについて幾らというようなことについてはこれは予算説明書にもありますから、この点はわかります。併し問題はやはり中年もかかつて、今までの予算の計上の仕方と違つて、半年前にそういうものを準備しなければならないということは、実は国会の審議によつてその重要度を判定してきめる、こういうことに国会を参加させることができるというそういうことを満たすために半年前に、従来の予算編成方針を変えまして一昨年度からこれがなされておる。こういうふうに我々は把握するのであります。だから同時にこの予算のそういう款項目とほかに具体的な資料説明もなされて我々がそれを検討するのでなければ、余り意味を持たない、こういうふうに思う。例えば重要度の問題であります。これを日本の今置かれておる国際的な情勢或いはこれを軍事的な立場、こういうものに対する重要度から考える立場もありましよう。併し日本の食糧自給の問題、それから平和産業の問題、つまり一本の道路をとつて見ましても、産業の道路を作るのであるか、軍事道路を作るのであるか、こういう点について国会は当然これは国民の下からの意見を参照して、そうして日本の置かれている現実、こういうものの中からこれを決定するところの権能を持たなければならないのであります。然るに款項目だけを漠然ときめられて、そうして具体的にその問題に立ち入ることはできない。すでに国会は目隠しされている、棚上げされているというような形に追い込まれるとすれば、大きな問題だと思うのであります。実は欲しいところの農村に参りましても、そういうところでは実に泥濘膝を没するような道路がある、それを産業道路として開発すれば非常にこれは大きな能率を挙げることができる。こういうところがあるにもかかわらず、そういうところは放置されている。そうして余り必要とも考えられないところに大幅な、十メートルのコンクリートの道路が今日走つている、到るところに走つている、こういうふうな態勢に追い込まれて来たならば、これは国会が十分に審議する権能を奪われるのであつて、そうしてそういう形において、事後にこれを決定されるというような形に追い込まれているとすれば、これは重大問題だと思うのであります。そういう問題を十分に国会で審議されるのが当然だと思うのでありますが、なぜ建設省はそういうことについて努力なされないのであるか。それから、半年間いわば何をしておられたのであるかという問題になるわけであります。半年間……少くとも予算の内容によりましては折衝過程予算がどうなるかということはありましよう。併しそれはナンバーを打ちまして、これは第一次計画、これは第二次計画予算幾らつたときにはこれは第一次計画、又幾らつたときは第二次計画、つまりAとBはできるがCはできない、こういう案の立て方で国会に提出して差支えない。併しそういうものは何ら提出されないで、我々は目隠しされたような形、棚上げになつておる、これは重要な問題だと思ううのであります。こういう点は如何でありますか。只今の御説明では我々納得することができません。
  62. 渡邊良夫

    政府委員渡邊良夫君) 只今の御質問誠に御尤もでございます。勿論私どもといたしましては、国会の審議権を尊重し、できるだけ時間的に間に合うように努力いたしておるような次第でございます。立法府によりまして国民の声を反映いたしますところの政策の決定、それに従いまして私どもが行政面において努力する、これは私どもの勤めでございます。でございますから、私どもは決して国会無視の傾向というようなものはないつもりでございますから、この点御了承願いたいと思います。
  63. 岩間正男

    ○岩間正男君 それでは今の次官の御答弁をそのまま受取りますと、資料は国会の審議までに頂けるということになると思うのでございますが、そう確認してようございますか。頂きたい。これはそういうことになりますが、審議は無視しない、棚上げにはしない、そうして我々はそれがなくては大きな政策の性格ですね、そういうものについて検討の自由を持たない、こういうのだから、当然今の次官の答弁からとりますれば、予算審議に間に合うように、最も早い近い期日のうちにそういう資料はもらえると、そう確認してようございますか。
  64. 渡邊良夫

    政府委員渡邊良夫君) 何銭何厘まで、或いはどこの村のどこまでというようなわけには行きませんけれども、大体におきまするところの項目につきましては、お手許にできるだけ早く提出いたさせるようにいたしたいと思います。
  65. 岩間正男

    ○岩間正男君 無論我々はその細かな小さい問題、どこまで入つてどうだということではないのであります。ただ大きな政策の面からやはりそういう細部のものまで検討するというのでありますから、これはできるだけ今の資料が間に合い、十分に審議ができる期間に提出を求めます。
  66. 岩崎正三郎

    ○岩崎正三郎君 次官にお伺いします。今問題になつております公共事業費の具体性が誠にないということは、お互い誠に迷惑しておることでありまして、立派な観光道路ができても生産的な道路ができなかつたりしていること、我々国会議員としての体面が非常に軽んじられるということが往々あると思うであります。併しこれは私どもが見るところによると、公共事業費というようなものは、建設省が大蔵当局と予算を組む場合に直接交渉するのでなくて、何か安本を通して大蔵省或いは内閣と交渉しておるというふうに見ておるのでありますが、建設省でも、農林省でも、或いは運輸省でも建設的な仕事に対してその予算を取る場合に、なぜ安本の線を通さなければならんのか。過去においては安本によりてその資材統制されたというが、非常な重味のためにこういうふうになつたと思いますけれども、今日の情勢では必ずしも安本というものを通さなくとも私どもは行けるのではないかと思うのですか、この観点につきまして次官はどういう考えでありますか。
  67. 渡邊良夫

    政府委員渡邊良夫君) 大変大きな問題でございまして、政務次官といたしましてちよつとお答えしにくいのでございますけれども、私が聞いておる範囲におきましては、安本は各省の総合調整をやる。そういう意味におきまして安本に一応提出する、こういうふうに聞いております。
  68. 岩崎正三郎

    ○岩崎正三郎君 安本が調整することは次官が言わなくともわかつておることで、公共事業の建設関係だけはどうしても安本を通らなければならんというこの含みですね。而も吉田総理大臣は五ヵ年計画なんかは頭に置かないというくらいに計画性を持たない、自由統制下においてその点ばかりやかましく言うところに、私どもは何か建設事業というものを、いわゆる政府関係で具体性を抑えて行こうという考えがありはせんかという疑いを持たれるのであります。その点をもう一遍。
  69. 渡邊良夫

    政府委員渡邊良夫君) 公共事業費建設省が最もたくさんこれを要求しておる。でありますから私どもできるならば建設省独自の公共事業費というものは欲しいのでございますけれども、やはり先ほど申しましたように公共事業費は農林省あり、運輸省あり、各省との関連におきまして安本で査定しておるように聞いておるのでございます。
  70. 岩崎正三郎

    ○岩崎正三郎君 どうもこれは了承しないわけで、さつぱり具体的の話は聞けないので残念でございますが、ついでに水防事業に必要なる経費云々と二頁にありますが、水防法はできたけれどもさつぱり経費的な裏付がなかつたのでありまして、どこでも水害を被つて、後においていろいろな水防のために地元の者が協力しても、これは地元民の犠牲にだけなつてしまつたということは、いつも我々問題になつておつたのですが、そういうことを意味しておるのでござまいすか。
  71. 目黒清雄

    政府委員(目黒清雄君) 水防奨励費ですが、このうちには大体水防をやる事業に要する準備の小屋とか、或いは備蓄の器具こういうものを補助して行こう、こういうのが水防のこの予算の内容でございます。昨年よりは多少殖えておりますが本年もやはり水防費の費用が足らない……。
  72. 岩崎正三郎

    ○岩崎正三郎君 そういたしますと、一つのまあ土俵をたくさん積んでしまつて、そのために皆が持寄りで出した、併しそのときは夢中になんだかんだ持つてつてみたところが、後になつてみるとどうも算盤がとれないという場合に、あとからそういうものに消費した費用は政府は補助ぜんということですか。
  73. 目黒清雄

    政府委員(目黒清雄君) 当初予算要求のときにはそういうもの、或いは水防に働いた労力に対する報酬とかいうようなものを要求いたしたのでありますが、この算定が非常にむずかしい、跡形もなくなるという理由と、もう一つは水防それ自身は或る程度地元において自由的な行きかたで護つて貰いたいという狙いである。要するに要求はしましたが大蔵省で削減された経過があるのであります。我々としてはこの問題は相当重要でありますので、将来ともこの問題は大蔵省と交渉して行きたいと考えております。
  74. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 議事進行ですが、折角各局長がお見えなつておりますので、各局別に一つ施政の概要を御説明つたらどうかと思うのですが、その際にちよつと御注意までに言つておきたいのですが、我々が今予備審査をいたしておるのは分科会をやつておるのではなくて、各省各局において二十六年度という方針の下にどういう施政をしようとしておられるかという問題を、もつと予算審議の前提條件になるような骨組の問題をお聞きしておるので、そういう見地から御報告を願つたらどうか。この点は大体そういう方針でやつて来たんですが、外務省或いは大蔵省、通産省くらいまではそういう方針でやつて来たのに、農林省に入つてからは何か予算分科会をやつておるような形になり、本日もそういう恰好になつておるので、そうでなくて本来これを計画した意図に沿うような一つ御報告を願うようにしたい。この点は今後のこともありますので、委員長において今後も更にそういうふうに明日明後日以後の運びかたは、そういうふうにするように関係当局のかたとよく趣旨を徹底して頂きたいと思います。そういう見地から議事進行として各局長に一応の御説明を願つたらどうかと思います。
  75. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 佐多君の御意見に賛成なんですが、その前に一般的な問題について簡單なんですけれども、併し重要な問題ですからちよつとこれを二つばかりお伺いしたいのです。  第一は災害復旧事業全額国庫負担制度が廃止になりまして、それで国がこの災害復旧費を計上すればいきおい地方もその三分の一ですか、地方負担は殖えるわけですね、この点ですね、地方との連繋はどうなつておるのですか。その経費が殖えて地方で負担に堪えない、こういう問題が起つて来ないのですか、それは具体的の調整がとれておるかどうか。
  76. 植田俊雄

    政府委員植田俊雄君) 災害復旧につきましては全額負担を地方負担になりますと、地方の経費はそれだけ増加して参りまして、この問題は起債の枠等の関連もございますので、早急にはきめにくい問題で、実は先ほどお断りしましたように、災害復旧の法律をどうしても早い機会に国会に御審議を願わねばならんわけであります。地方の負担と睨み合わして補助率をどういうふうにきめるかということが一番大きな各省間の争いの問題になつておるわけでございまして、建設省といたしましても、できるだけ地方の負担も考慮いたしまして、地方が仕事ができるという見通しのつくところで各省の話合がまとまりまして、この法律が早く出ることを期待しておるわけであります。地方の経費の問題を考慮いたしながら国のほうの立案を只今進めておるということをお答えしておきます。
  77. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それはおかしいのですが、最初話合ができてから国のほうの予算を出すべきであると思うのですが、今後から相当問題になると思うのです。今の御答弁では最初話合ができてからこれが出されたのではないというふうに了解して、次にお伺いたしたいのですが、二十六年度からは公共事業費が、一般会計から継続事業費が支出されるようになつた、この理由ですね、どういうわけでそうなつたか。その点と、それからよく聞くのですが、対日援助費との関係が聞きたいのですが、対日援助費は御承知のように、これはアメリカの予算では沖繩分をも含めて幾らというふうにきめられているようですが、その間の流用の問題ですね、その関係はどうなるのか。例えば一億五千万ドルときまつた場合、日本に対して一億二千万ドル援助するはずであつたが沖繩関係が出て来て、それが一億一千万ドルになつた、一億ドルになつた、或いは又逆に一億二千万ドルが日本に対して一億三千万ドルになることがあるかも知れませんが、その流用関係は具体的に日本のほうにはどういうふうに現われて来るか。それから又資材関係とも影響があると思いますが、沖繩の工事なんかとの関係ですね、おわかりになつたらその二点。
  78. 渡邊良夫

    政府委員渡邊良夫君) 見返資金がどうして打切になつたかという御質問でございまするが、見返資金使用につきましては、いずれも関係当局等の了解を得た上でなければ何ら今まで出ていなかつたのでございます。而ういたしまして今度打切になりましたのは、関係当局の示唆によるものでありまして、日本政府といたしましてはできるだけ多くの見返資金を各産業或いは公共事業費等に向けたいというのはやまやまでございますけれども、さような事情によるものでございますから、御了承願います。
  79. 石原周夫

    政府委員(石原周夫君) アメリカの対日援助の予算が、日本に割当てられまする分と、沖繩に使われまするその他との間にどういうような流用の関係があるかというお尋ねでございますが、アメリカの予算のことにつきましては、はつきり記憶しておりませんので、詳しくは調べてお答えいたします。相当彈力があるのではなかつたかというふうに承知しておりますが、詳細にははつきり調べましてからお答えいたします。
  80. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 その点についてですね、あとでも結構なんですが、実際問題としてこういうことを知りたいのです。というのは御承知のように昨年ですか沖繩に台風がありまして、あそこの建設が問題になつたのですが、アメリカの対日援助費をきめるアメリカの予算の公聽会の報告を見ますと、あの修理にはアメリカの予算のほうは一文も使わずに、日本の資材その他において復旧ができたと、こういうふうな報告があるのです。そういう意味でそういう工事関係についてどういうふうにそこに流用関係があるのか。それはやはり日本のそういう建設工事と相当関係があるものですから、無論日本側においてそれはどうこう決定できない、又どうこう言うあれがないと思うのですけれどもその関係ですね、相当やはり建設関係に影響があると思われますので、そういう意味で御質問しているのですから、そういう点わかりましたら御報告願いたいと思います。
  81. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 先ほど建設省のほうから御報告になりました各河川、砂防、道路、費目別の数字でございますが、これと大蔵省の主計局からお出しになつておる予算大綱の中に出ておる公共事業費内訳の数字とはどういうふうに関係するのか、若干違うようなんですが、どういうふうな違いなのか、大蔵省のほうに御説明願います。
  82. 東條猛猪

    政府委員(東條猛猪君) お手許に御覧を頂いておりまする書類は、昭和二十六年度予算説明内訳の書類かと存じますが、これは佐多さん十分御承知でいらつしやいますように、單に建設省だけでございませんで農林省関係でございまするとか、或いは運輸省関係でございまするとか、或いは厚生省関係でございまするとか、場合によりまして営繕関係等でございますると、各省にまたがりまするものを従来公社事業費という広い意味におきましてすべてこれらのものを総称いたしまして公共事業費と、こう申しておりましたので、かたがた前年昭和二十五年度予算額との対照上からいたしましてもそのほうが便利であろうか、かように考えましてこの表をお手許に差出しておる次第でございます。このうちから建設省関係だけを抽出して彼此対照して頂きますと、おそらく誤りがないのではなかろうかというふうに考えております。
  83. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 その点が例えば河川、砂防それから道路、そういうものがこつちにも出ておるのですが、こつちにも出ておる。それらの点だけとつてみてもちよつと違うのですが、ほかの省に関係するのを別にしても、これはどういうふうに見ればいいのですか。
  84. 東條猛猪

    政府委員(東條猛猪君) 七ページのほうはいわゆる一般公共事業で、次の表を御覧頂きますと、災害とこういうふうに分けてございますが、或いはその辺のことではございませんでございましよう。
  85. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 ここのところで、例えば河川昭和二十六年度に百五十八億となつておる数字と今建設省でお示しになつた数字とはどう釣合うか。
  86. 東條猛猪

    政府委員(東條猛猪君) 申し落しましたが、昭和二十六年度から北海道開発関係の公共事業につきましては北海道開発庁予算に計上してございます。従いまして河川で申しますると、建設省所管の百三十九億に北海道関係の十九億、これを合計して御覧頂きますと、さしたる違いはなかろうかと、かように存じます。
  87. 目黒清雄

    政府委員(目黒清雄君) 河川につきまして一応簡單に御説明申上げます。本年度は先ほどお話出ました通りに、北海道開発のほうは別に組んでおりますので、多少数字の食い違いがあると思いまするが、先ず河川内訳から申しますると、国が直接監督し施行しておりまする直轄河川改修費というのがあります。それからその次はこの直轄河川改修費の中には勿論直轄河川の維持、管理をする費用も含まれております。その費用が昨年六十一億六百万円が九十一億二千二百万円になつております。この三十一億の増加は主として見返資金によります四つのダム継続をやりますことが大きい金になつております。その残りは直轄河川改修費として積極的に進めて行きたいという意味においてこの治山治水に重点を置きました結果、多少の増額を来たしておるわけであります。  次に総合開発事業と申しまするのは、琵琶湖を利用いたしまして、御承知通り琵琶湖は洪水時の水は湖水に一応とめまするので、これを渇水時に放流することによつて下流の被害を少くすると同時にピーク発電の利用ができる。殊に大阪の電力事情からいつても非常にいいという仕事でありまして、これが一億一千七百万円本年計上されております。  次に河川事業の調査でありまするが、八千万円と昨年度より増加いたしておりまするのは、これ以外に行政部費におきまして水利調査費というのを新らしく認めてもらつたのでございまするが、これは河川の基本的な調査啓料の調査をやらなければならんためにいろいろの観測地点を更に増加いたしまして、正確なる資料の集計をやるために水利調査費千九百万円を新らしく設けてもらつたのであります。更に河川事業費の調査はそれらの基礎資料によりまして、河川を上流から下流まで水系ことに総合的な計画を立てて見たいというのがこの調査費の主要な目的でございます。勿論これにはその他の事業の調査も入つておりまするが、そういうのが主たる目的であります。  それから河川改修費補助でありまするが、一部を直轄としてやつておりまする大きな川以外に、府県が事業をやわましてこれに補助をいたす河川があります。補助としては二分の一でありまするが、この二分の一の補助を以て府県に仕事をせしめて行くというのが河川改修費補助であります。昨年の三十億三千百万円に対しまして三十一億三千六百万、こういうふうに一億ばかり増加しております。  次に海岸堤防修築費補助でありまするが、これは昨来の台風によりまして阪神間及び中国から九州にかけまする海岸堤防の破壊を見たのでありまして、これらに対して積極的にこれらの補修或いは改築を行わなければ、広大なる農地の保護ができないという意味で七億一千百万円を計上したのであります。この中には勿論阪神間の高潮防禦も含まれておるのであります。 次に河川総合開発事業費補助でありまするが、これは府県が行なつておりまする河川統制事業、それから総合開発の事業であります。洪水を調節し或いはそれによつて灌漑用水の普及並びに発電を起すというような目的の堰堤工作物を作つておるのでありまするが、これらに対して事業の補助をしたというのが六億二千二百万円であります。昨年度よりは相当画期的に増加をいたしているのでありますが、これは我々といたしましても、すでに河川改修により堤防の方式というものをこの際考え直して、上流の地方において洪水の調節をするのでなければ、だんだん下流の水量の増加により堤防に電荷がかかつてくるというような観点の下にこの事業を伸ばして行こうとするのであります。  次は河川事業調査費の補助でありますが、これは勿論府県がいろいろの根本調査をやりますための補助。  次は砂防事業費、昨年の十八億に対しまして三十二億八千九百万円という相当思い切つた増額をいたしましたのは、御承知通りに殊に上流地帶の災害が大分多くなつて参りましたが、この原因は上流から流れ出る土砂流による被害が多いのであります。山林の濫伐により荒廃しました山地の土砂を何とかしてとめて行かなければ、この土砂が下流に流れ出まして河床が年々上がつて参ります。そういう関係でどうしてもこの事業を伸ばす必要に迫られたのであります。その内訳は直轄砂防事業費或いは砂防事業費の補助、これは府県がやつておりますものの補助であります。こういうふうな内訳なつておりまするが、合計三十二億八千九百万円ということになつております。  次に北海道でありますが、北海道開発公共事業費のうちに河川事業費があります。十一億五千万円が十九億六千五百万円と思い切つた増加になつておりますのは、そのうちに直轄河川総合開発と、石狩川の流域におきまする総合開発、いわゆる堰堤を作るところの事業をやるというのが二億九千万円入つております。それが多少昨年よりも増加して参りました。それは北海道の特殊事情、未開発地区であるという観点からこういうふうな増加を来たしたのであります。  次は最後の災害復旧費でありますが、災害復旧費は百八十二億四千万円となつておりまして昨年度よりは減つております。これは先ほどお話が出ました通りに、災害復旧費の補助が全額から三分の二という形になるという観点の下にこういうふうな予算が組まれておるのであります。大体事業量は前年の通り考えられるのであります。以上御説明を終ります。
  88. 一松定吉

    ○一松定吉君 只今の御説明、実は資料がほしいのです。今局長のお話なつたようなことを資料によつて……。
  89. 目黒清雄

    政府委員(目黒清雄君) 参考資料があるでしよう。
  90. 一松定吉

    ○一松定吉君 そこで私の資料の提出を求めたいのは、これは成るほど本年の予算でありますが、私この以前五ヵ年間の比較表を見たいのです。それをひとつ本審査までで結構ですから御作製の上御提出を願いたい。五ヵ年間の、今局長の御説明にもありましたが、その比較表ですね。それと同時に建設省の関係ある河川に関する各河川別の今までの支出したやつと、それの河川と砂防と建設とは分けてもらいたい。何故私は、こういうことを言うかというと、これは私の関係ある省ですから、私関係あつたときに考えたことと、現在のやりかたと、世人がこれに対する要望がどの程度に叶えられておるかということを、私実は自分が検討して私の意見を申上げて見たい。そこを一つ善意に解釈して丁度昭和二十一年、二年、三年、四年、五年、これだけのものと、本年の六年度とを比較したいですから、それを資料要求しておきます。河川事業費、砂防の事業費、道路事業費、都市計画事業費、住宅施設の事業費、建設機械整備の事業費、それと災害復旧公共事業費、これだけ誠に恐縮ですが本審査に入るまでにお願いします。五ヵ年間の……。
  91. 植田俊雄

    政府委員植田俊雄君) 只今お話ありました点、私どもできるだけ早くそれを作るようにいたします。今年分でこのくらいの厚さになりますので、中小河川、非常に小さな補助事業費までになりますと、大変なものになりますから直轄とか、御必要な程度のことにして頂きますなら……。
  92. 一松定吉

    ○一松定吉君 直轄で結構です。
  93. 伊東五郎

    政府委員(伊東五郎君) 住宅施設費の関係を御説明申上げます……。
  94. 一松定吉

    ○一松定吉君 この参考資料があれば、それを開いてあなたの御説明を聞きたいのですが。
  95. 伊東五郎

    政府委員(伊東五郎君) 千二十九ページのところでございます。終戰後大体住宅が五年半の間に二百六十万戸ほどできております。大体毎年四、五十万戸づつできておるわけであります。政府としましては特に自分で家を建てたりする力のない勤労者に対する住宅供給を主として考えているわけでありますが、終戰以来昭和二十年度から本年度まで二分の一の国庫補助を出して、地方公共団体に主として貸家の供給をしてもらつているわけでございます。この分が累計いたしまして二十五年度までで二十八万一千戸供給するという計画なつております。それから御承知のように二十五年度から住宅金融公庫を作りまして貸家以外に自分の家を建てる人に対して長期低利の資金を供給するということで、今年度百五十億の予算で貸付の業務を実施しているわけでございます。で、二十六年度につきましても大体二本建で進むことになつておりまして、そのうちのいわゆる庶民住宅、公営の賃貸住宅につきましては、公共事業費の中に予算が盛られているわけでございます。その予算一般公共事業費北海道の分と二つになつておりますが、合せまして四十三億九千四百万円ほどになつております。これの大体の方針としましては説明書にもあります通り内地に建設する分の三割程度は不燃工事のアパートにいたす方針でおります。それから大体二割程度は特に若干規模の小さいものになりますが、特に家賃の安いものを作りまして引揚者を含む生活困窮者を主としてこれを対象としまして供給して行く、こういう方針でおります。その合計が大体二万八千五百四十戸程度になるわけでございますが、最近の單価から見ますとこれは若干その数か減るかと思つております。三万七千戸程度になると考えております。以上非常に簡單でございますが。
  96. 藤野繁雄

    理事藤野繁雄君) それじや次へ。
  97. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 地方公共団体が事業主体となつてやつておられる住宅ですが、これはこの説明によりますと、不燃住宅を三割というようなことが出ているのですが、もう少しこれを不燃住宅といいますか新らしいアパート式なり大規模なものにもつと重点を置いて、労務者その他に集団的な住宅を与えるというような方向に切換えるというような御意向はないのかどうかという点が一つ。  それからもう一つは住宅公庫の金が、私たちの聞いているのでは、金はあるけれども頭金その他の問題で相当上級の人でなければあれに食いつけないんで、借手が実際にはなかなか家は建たないので、資金のほうは余つているんだというような噂も聞くんですが、その事情がどうなつているのか、若しそうだとすればもう少し産業住宅ですか、労務者住宅ですか、そういうものに重点を移して、而も住宅建設の企業体その他に責任を持たして、労務者の集団住宅を提供するというような政策に切換える必要があるのではないか、その辺を当局ではどういうふうにお考えなつておるかという点をお聞きしたいと思います。
  98. 伊東五郎

    政府委員(伊東五郎君)  お答えいたします。この不燃アパートをもつと殖やす考えはないかというお尋ねでございますが、三割程度で大体八千戸を作るという計画なのであります。二十五年度は五千戸ほどやりましたですが、これは資材の関係等もございますし、それから一戸当りの建築費が相当高くなりまして、これは余り殖やしますと又数が減つて参ります。それから大都市等ではお話のようなアパートが非常にふさわしいのでありますが、大都市だけでございませんので地方の小さな町まで作るようになりますので、やはりこの程度の建増が必要ではないかと考えておりまして、只今のところではこの方針で行きたいと思つております。  それから金融公庫の問題でございますが、頭金が高くて負担しきれないど、これがために借りることができないという人がございますが、その階層と申しますかそういう部類のかたは、成るべく賃貸住宅のほうに申込んで頂く、大体こういう考えでございますが、それに対しましてもだんだん建築費が上つて参りましてかなりアパートは高いのでございます。これは金融公庫法がきめられております問題でございますので、只今のところなんともできないのでありますが、この法律の改正をお願いしたいということで研究を進めております。  それから申込の状況をちよつと申上げますが、金が非常に余つておるのではないかというお話でございますが、支払については成るほど余つておりますが、申込の状態は、大体今年は百五十億の予算でありますが、現在までの建築費の値上り等も考えますと、六万戸分ぐらいしか供給できないのでありますが、只今の申込は倍の十二万件ほどございます。金額にいたしまして二百六十億ほどになつております。これが全部具体的になつておるわけではございませんが、現に大体その設計等ができまして、その審査要求も来ておりますが、そういうものだけでも百五十億に達しております。ですから金が残るということの心配はないわけでございますけれども、ただこれを借りられる人が、頭金をもう少し下げる、月々の負担を下げるということになりますと、この公庫の貸付の対象になる階層の人はもつと幅が広くなる、こういうことでありまして、これは住宅政策をあずかつておる建設省としましては非常に望ましいことなんで、その線で成るべく行きたいと思つております。法律の改正をお願いしたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。産業住宅につきましては、会社に直接貸付ができないように只今の金融公庫法がなつておるわけでございますが、併し現在会社が主として支出をしまして、別の団体を作つてそれに貸付ける、そうして作つたものについては、会社の労務者を入れるというようなことも特別認可をしておりまして現にやつております。これはまだそういうことを御存じないかたもあるのかも知れませんが、こういう途があるということを地方庁へも話しまして、できるだけ産業労務者にも利用できるような方向を考えておる次第でございます。
  99. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 この不燃住宅化の問題は、我々が外を歩きますと、相当いろいろなビルができていて、そういうところにそういう資材が相当行つておると思うんですが、あれらの点を考えれば資材の入手というような点は、そう懸念するほどのことはないのじやないか。先ほど一般的な総合的なお話のときに、なんかそういうような意見つたと思うんですが、これは資材の入手はそういう意味では熱意如何の問題じやないかという気がするんです。  それから不燃住宅をやるとその家賃が非常に高くなる、建設費が高くなるというようなお話でありますが、これも償却を幾ら見るか、何年に見積るかというようなことで家賃の問題は非常に変つて来るのじやないか。今一体それをどれぐらいにお見込になつておるのか、その年限をもつと延長しさえすれば、そう高い家賃でなくても貸し得るのじやないか。国家としてはそういうことをもつと大胆に期限の延長を考えてもいいのではないかと思うんですが、それらの事情を御説明願いたいと思います。
  100. 伊東五郎

    政府委員(伊東五郎君) 資材の点も申上げましたけれども、これは現在のことを申上げたのではなくて、将来まあ鉄あたりは相当窮屈になるのではないかということも考えますが、これだけの理由じやないのでありまして、やはり全体の三割をやりますと、大都市あたりはもつとずつと多くなるわけです。で急激にこれを殖やすことはいろいろな関係がありまして、困難じやないかということで三割程度にきめたわけでございます。建設能力、資材なんかに余裕がありますれば、だんだんこれを殖やす方向に持つて行きたいと思つております。  それから家賃の関係でございますが建設費としましては相当高くなりますし、お話のように相当長期にこれを償還して行けばいいのでありますから、それで家賃としましてはそう高くないのですが、併し今家賃の計算の仕方としましては、二分の一は国庫補助、これは全然補助でございますが、二分の一は地方公共団体が一部負担、一部自弁でやつておるわけでございます。標準としましては鉄筋のアパートのようなものは六十五年程度の計算になつておるわけでございまして、これは相当長いわけでございます。併し実際は地方で負担をします場合に、そう長い長期の金は借りられないのでございまして、大体建設費の平均三割程度預金部から借りるわけでございますが、この期限も相当短いのでございます。利子も相当高い、そういうものを基礎として家賃の五割の補助がありましても、家賃を計算して行きますと、やはり地方の負担になつて来る。それらの点を全部睨み合せまして、一般の勤労者が負担できる程度の家賃に抑えておるわけでございます。本省でこの期限を短く制限すればいいというようなことはないのでございます。
  101. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 住宅金融公庫法の改正をお考えになるのはどういう点ですか、その点と、今度の国会にそれをお出しになるかどうか。それから先ほどのお話もありました家賃の安い貸家二万八千戸の計画單価値上りによつて二万七千戸程度になると、こういうお話ですが、又今後單価が上つたよろな場合にやはりそれに応じて、その計画を減らして行くお考えなのかどうか、その点。
  102. 伊東五郎

    政府委員(伊東五郎君) 金融公庫法の改正につきましてはいろんな点があるのでございますが、借手の負担の軽減についても大事な点として研究をいたしておりますこれは貸付率現在七割五分、建設費の七割五分まで貸しておるわけでありますがこれをもう少し上げる。つまり頭金を減らすというのであります。それから月々の償還の額でございますが、これは利率と償還期間にからんでおるわけでございます。この利率ももう少し下げる余地がないか、償還期限をもう少し延ばす余地がないかどうかという、こういう点を研究したしております。まだ成案ができないのでありますが、近く成案ができました上で、これは政府から提出するようになりますか、或いは議会のほうから御提出するようになりますか、その辺はまだきまつておりません。  それから單価上戸数の関係でございますが、一応二万八千四百口ほどの計画として説明をいたしておりますが、現在の予算編成いたしました当時から現在までの單価値上りを見て参りますと、恐らく一千戸くらい減るのじやないかという思いますが、これも一千戸減らしてこれを実施するようにするか、或いは多少地方に負担して貰うようにして戸数を変えないようにするか、これらの点はまだきまつておりません。将来の点も無論まだきまつておりません。
  103. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 これは住宅金融公庫のほうのそういう問題も單価値上りですね。そうするとその計画六万戸という予定ですが百五十億ではできなくなるわけですが、それに対しては又枠を拡げるということはお考えにならないのですか。
  104. 伊東五郎

    政府委員(伊東五郎君) 今年の百五十億で六万戸は大体できる見通しでおります。来年度は百億これで四万戸くらいになるのではないかと、こういう見当をしておりますが、單価建設省令でもつてきめております。一遍店開きをしましてから後に一割五分ほど上げました。現在のところでは暫くそれで行こうと思つております。将来父上つて来ましたら更にこの單価を改訂するかどうか研究してみたいと思つております。
  105. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 大体その今後の單価値上り分については、計画をそれに応じて縮小して行ことで調整を取つて行く。改めて追加予算みたいなものを出して今までの枠を拡げて行くというような方向ではないわけですか、大きな方針として。
  106. 伊東五郎

    政府委員(伊東五郎君) これは程度問題でもありますけれども、僅かくらいのことならば根本的に需要量が変るというようなことでなければ、單価を改訂して予算範囲内でやつて行きたいと思つております。併し相当現在認められておる予算それ自体が、そう一般の要望に対して十分なものではありませんから、或いは将来もう少し予算の補正をお願いすることになるかも知れませんが、その点は我々としてはちよつと御説明申上げかねますので事務的に御説明申上げたのであります。
  107. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 先ほどの住宅金融公庫の今改正をお考えなつている点、貸付利率、償還期限、貸付率、今後これを具体的にどの程度にするということは今お話願えないですか。七割五分を八割にするのか、八割五分にするのか、新聞にはよく大分伝わつていたと思うのですが、それが具体的にこれからもう国会に出されるというのですか、具体的にそのことを御答弁願えないですか。
  108. 伊東五郎

    政府委員(伊東五郎君) 何新聞でしたか、ちよつと何か誤報もありまして、それのことでしたら我々として責任を持てないのでございまして、現在のところ、まだその細かい数字につきましては関係方面との折衝もございますし、政府としてもまだきまつてないわけでございますので、今日御説明申上げかねるのでございます。
  109. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そうすると、この国会に出ることは間違いないのですかね。この予定は。
  110. 伊東五郎

    政府委員(伊東五郎君) 我々としましては別に政府から出しますか、国会のほうからお出しになりますか、是非この国会で一つ解決して頂きたいと思つております。
  111. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 問題は関係方面との折衝も重要ですが、そのほうはどうなんですか、現在のところ順調に行きそうなんですか。
  112. 伊東五郎

    政府委員(伊東五郎君) まあ大体そう根本的な食い違いはないと思つております。
  113. 山田節男

    ○山田節男君 この住宅金融公庫の貸出についてですが、さつき御答弁によると申込が非常に多、むしろこの使用すべき金融公庫の資金をオーバーしておるというお話でありますが、私ここに資料を持つて来ておりませんが、とにかく結果においては申込者の数の何割か、ごく小さい数字しか実際貸出を受けてないというように私は聞いておるのですが、一体どうしてそういう実際借りられる人が少いのか、貸出申込者を今度審査する場合に、どういう点が一番先に落第する点なのか、それを一つお聞きしたい。
  114. 伊東五郎

    政府委員(伊東五郎君) 十二万件ほど出ておりますが、設計審査というものを出しまして、それで具体的な計画を見た上で貸付けるかどうかということを決定するわけでございます。それが七万二千件ばかりこの一月二十六日現在で出ております。それを審査しました上で、合格しましたのが六万七千件余でございます。それから更にそれによりまして、すでに工事に着手して現在工事中のものが四万一千件くらいであります。むしろこの建築主のほうに関係がありまして、頭金が相当調達にいういろいろ暇取るとか、手頃な土地がなかなか見当らないとか、請負業者が見当らんとか、そういつたような要素が大分響いておるのじやないかと思つております。  それから金融公庫の貸付金手続が非常に煩雑でどうかというような批判も随分あるのでございますが、これは不動産金融で借りてやろうと思いますと、どうしても初めての慣れないかたには非常に煩わしいのでございます。そういう点もでき得るだけ簡便には図りつつありますけれども、そう手続をできるだけ簡單にしてしまうというわけにも参らんと思います。たくさんの人が申込んで、それに実際貸付の資格がそう大部分の人がなくなるということでもないと思います。
  115. 山田節男

    ○山田節男君 今の御説明で大体わかるのですが、その今の七万何ぼのうちで六万何ぼ、極めて小部分のものが貸付を受けられないということになるのですが、そういつた資格がないというものはただ土地とか、資金の調達という意味でなくして、例えば保証人の、何といいますか保証能力というか、そういうもののような点から見て、これは償還する能力がないという判定の下に駄目になるようなものの大体パーセントなり数字なり、一万何がしのうちでどのくらいパーセントを占めておるかということはわかりませんか。
  116. 伊東五郎

    政府委員(伊東五郎君) これは一応審査をすることになつておりますけれども、償還の能力はどうかという点につきましては、そう重きを置いておりません。と申しますのは、この建てる建物を担保にいたしますから、建物を担保にするという関係でそう資格をやかましく言つておるわけでございませんので、そういう資格はございませんけれども、恐らく大した数字じやないと思つております。
  117. 菊池明

    政府委員(菊池明君) 昭和二十六年度道路事業費の内容について御説明申上げます。  御承知のように道路につきましては、昭和二十三年の十一月にマツカーサーの道路補修に関しまする覚書が出ておりますので、爾来その線に沿いまして道路の維持補修並びに改良工事をやつております。来年度はその第四年度目に当るわけでございます。戰前に比べましてやはり道路の維持補修の関係に相当のウエートがかかつております。この五ヵ年計画の当初の年度におきましては、補修関係を非常に重く見まして、道路を維持補修いたしますというようなこと、それから新らしく開設いたします或いは改良工事のほうに使いまする金額と半々ぐらいでございましたが、次年度、三年度、昨年と申しますか、今年度、二十五年度はこれが四割、六割という工合になりまして、次第に補修が完成いたしますに従いまして改良のほうに重点を移して行こうという方針をとつておりますの二十六年度では、只今お手許にあります数字では、補修関係は約三〇%程度にしたいという方針で進んでおります。数字を申上げますと、二十五年度の道路事業費は三十六億一千九百なにがしでございますが、明年度は五十一億八千九百八十万円、約十五億増ということになつておりますが、実は二十五年度、本年度は見返資金によりまして約三十九億円の道路費がこの三十六億以外にあるのであります。一応一般公共事業費道路の項目におきましては十五、六億の増になつておるように見えまするが、実は三十九億という見返資金が今度は全然ございませんので、大変な減ということに相成りまするので、道路事業としては誠に困るわけでございますが、まあこの程度で以て何とかやりたいということで五十一億八千九百八十万円ほど要求申上げたわけであります。その内訳を申上げますと、先ず国が直轄でやつております道路改修費、これは改良と補修と引くるめてございますが、国が直轄でやつておりますもの、それを十九億一千七百四十八万円、それから道路事業の調査費、主としてこれは後年度において計画施工せられるであろうという個所の調査をいたしまして、計画設計をいたしまする費用でございます。それが千九十万、それから次に道路改修費補助、これは府県道等につきまして、地方公共団体が行います道路事業に国が補助をいたします、その金額が三十一億九千万でありまするが、これも改良工事に対しまして二分の一、それから補修工事に対しまして国が三分の一を補助いたす金額であります。それから道路事業調査費補助、これは府県で行いまする工事計画設計等につきまして府県において調査をいたします、それに対しまする補助であります。附帶事務費、これはここに説明があつたかと思いますが、主として直轄工事の現場におきまして使いまする事務雑費であります。  それから次は北海道関係でありまするが、これは本年度から御承知のように別に扱いまするが、北海道の総額は十五億六千四百四十八万円、このうち全額国庫で持ちまする改良補修費十三億七千七百万、それから同じく調査費が四百万、それから極く少量でありまするが、北海道におきましても改修いたす補助でありまするが、それが一億二千九百二十万、同じく附帶事務費が五千四百万。  以上内地におきますもの五十一億八千九百八十万、それから北海道分十五億六千四百四十久万、これが二十六年度の道路事業費の概況であります。以上簡單でありまするが、御説明申上げます。
  118. 山田節男

    ○山田節男君 これは運輸省の関係があるかも知れませんが、我が国の道路は鉄道、電車、汽車ですか、それの踏切が非常に多い。これは全国では何万個所かあるというようなことを私聞いておるのでありますが、道路局として、鉄道と交叉しているため、いわゆる踏切式になつているがため交通の事故或いは自動車から言えばガソリン、燃料の節約、こういう意味からこの踏切はもう次第に減らすべきだ、こういうふうに思うのですが、道路局としては従来或いは又将来、その踏切を陸橋或いは地下道式にして、主要な国道線でもこれを次第に減少して行く、こういうような方針は全然ないのか、或いは何か計画をお持ちか、ちよつとお聞きしたい。
  119. 菊池明

    政府委員(菊池明君) 仰せのごとく平面交叉は、道路交通として非常に支障なつているわけでありまして、改良工事を行いまするたびに、その区間は国道については必ず高低交叉というりようなことの方針で現在施工いたしております。ただその平面交叉を除くための費用というものはそこに入れてございませんが、その都度成るべくそういうのが省ける、どけられるようなところを優先的に選ぶという方針は立つておしりすのでございます。
  120. 山田節男

    ○山田節男君 そうすると、まあ現在そういう方針でやられて、どこかそういう実現されておる個所が、近くの鉄道でどういう点で最近行われたか。それからこれは噂ですけれども、例えば横浜と戸塚の省線との平面交叉、これは何か近く関係方面から非常にやかましく言われてやるというような工合に聞いたのですが、そういつたような予算関係はやはり中に含まれておる予算から支出されるのかどうか、一つお聞きしたいと思います。
  121. 菊池明

    政府委員(菊池明君) この近所で一番目立ちますのは、仰せの戸塚の踏切でありまして、現在これは工事中でございます。来年度の予算にもそれをやります事業費が含まれております。それから大磯の踏切でございますが、これも只今あそこは鉄道を上に上げるように、道路が下をくぐるような案で施工中でございます。
  122. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 先ほどのお話道路費は、二十五年度は一般会計と見返を入れまして約七十一億になる、本年度、二十六年度は五十一億になる、内地分ですね……。約二十億減る、どういうわけでそう減るか。先ほどのお話では減るのでやはり計画支障を生ずるようなお話ですが、なぜこういうように減るようになつたか、その理由をお伺いしたいと思います。
  123. 菊池明

    政府委員(菊池明君) 先ほど三十九億の見返資金と申しましたが、これが先ほどちよつと申し落しましたが、北海道も引くるめて全国で使いまする道路関係の見返資金、それが八十七億六千万円でありますが、三十九億は、詳しく申しますと三十九億一千万円、今度北海道内地合計いたしますと、二十六年度は六十七億五千四百二十八万円、そこで二十億の開きが出るわけですが、これは今年度見返資金で行つておるものに相当するような金額を公共事業費で見て頂ければ、これは誠に結構な話でありまするが、公共事業費の関係としましては、やはり公共事業費としての総額の中で道路関係を考えますので、見返資金を補うだけの金額をそれから割くわけには行かないというので減るわけでございます。
  124. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 先ほどもそういう御答弁があつたのですが、見返のほうが出なくなつたからというので……、それは速記をとめてもいいですが、どういうわけで見返のほうがこれまで出ていて出なくなつたか。
  125. 藤野繁雄

    理事藤野繁雄君) 速記をちよつととめて下さい。    〔速記中止〕
  126. 藤野繁雄

    理事藤野繁雄君) 速記を始めて下さい。
  127. 山田節男

    ○山田節男君 さつきの踏切の平面交叉というのですか、これに関してですが、これは平面交叉した場合の地下道或いは陸橋を作るのは、これは建設省道路事業費だけでやるのですか。それとも運輸省、鉄道公社或いは私鉄会社ですね、こういうようなのも負担させ得る何か根拠があるのですか。それの地理状況にも応じて双方が負担をするという建前になれば、線路と道路との平面交叉が非常に早く減るのじやないかと思うのですが、そういう点はどういうように解釈したらいいのですか。
  128. 菊池明

    政府委員(菊池明君) 現在何がしかの平面交叉がございましてそれを高低に直します場合には、運輸省筆が協定をいたしておりまして、そこにかかつておる、つまりあの踏切りの遮断等の管理は、あれは鉄道会社のほらか鉄道のほうがやつておるのでありまして、その経費が省けるという点から工事費の何がしかを鉄道のほうでも持つ、どの程度に持つかはその踏切りの交通量の程度によりまして第一種、第二種というように鉄道の踏切りのグレードがありますので、それによりまして、今使つておる経費の多寡によりまして補修をさせてもらうということであつて……。
  129. 山田節男

    ○山田節男君 そうすると主管は飽くまでも建設省がやるわけですか。
  130. 菊池明

    政府委員(菊池明君) 建設省でやります。或いは府県なら府県でやります。ただ鉄道の工事をやりますのは、鉄道が運営してやります関係上、相当困難なむずかしい工事でございますので、経費をこちらでうんと出して鉄道会社にやらして、仕事そのものは鉄道の関係でやる場合がございます。
  131. 藤野繁雄

    理事藤野繁雄君) よろしいですか。……では都市局長。
  132. 八嶋三郎

    政府委員(八嶋三郎君) 都市局所管に関しまする公共事業費につきまして御説明申上げたいと思います。お手許に配布いたしております予算書の一千三十五頁、これがまあ大体一般の部類であります。それから北海道に関しまするものは三百三十一頁。大体一般のほうが大分大きいようでありますから、一般のほうから御説明いたします。都市局関係の公共事業につきましては、北海道並びに一般の分を加えますると合計といたしまして三十一億六千三百三十七万二千円という数字になつておるのでありまして、前年度に比較いたしまして約九億幾ら殖えておると思います。その概要につきまして先づ一千三十五頁に書かれております所から御説明いたします。  第一番には、国営公園の整備費六百万円という数字でございます。まあ大体前年度と変りはございません。これはまあ御承知通りに、新宿御苑なり、或いは宮城前の広場、それから京都の御所、これはまあ三ヵ所と見られておるのであります。これを整備して参りたいという費用でございます。  それから都市計画調査費、これはまあ二百万程度を見込んでおります。これは都市計画事業を実施いたします重要なるものにつきまして、事業の調査を進めて行きたいという費用であります。  その次は最も大きな費用といたしまして、都市復興事業費補助二十二億六千二百万円という数字が計上されておるのでございます。これの内容は、十つは戰災復興の費用でございます。これはまあ一番大きいものでございまするが、更に御承知通り、戰災都市につきまして再検討いたしたのでございます。これまでに各整理の施行につきまして一億ということを考えておりまして、それもまあ緊急止むを得ざるところにだけ限定をいたしまして再検討いたしましたところが、八千五百万坪ということにいたしまして、その総事業費二百億という数字が出て参つたのでございます。尤もこれは広島、長崎の特別都市は除いておるのでございまするが、広島、長崎を除きました他の都市におきまして八千五百万坪、総事業費二百一億ということになつておるのでございまするが、これを昭和二十五年度から五ヵ年間に完成しようという計算でございまして、その半額を国庫において助成をして参ろうという計画に相成つておるのでございます。そこで来年度の予算は、もうあと昭和二十六年、七年、久年、九年の四ヶ年間で完成をいたしまするという計算の下に、残事業百六十七億程度でございまするが、これの四分の一というものを完成しよう、その半額を助成しようということで二十億八千何百万円という数字が実はこのうちに入つておるのでございます。これは先ず一番大きなものの一つでございます。そのほかは火災復興でございまするが、御承知通り、数年前能代並びに飯田両市におきまして大火がございました。毎年々々火災発生後助成をいたしておるのでございます。その費用の来年度分、それから昨年起りました熱海並びに上松、鷹巣という方面の大火でございますが、その方面に対しまして来年度分の負担をここに計上いたしておるのでございます。これによりまして大体能代を除きました以外は、来年度を以て完成をいたすという予定にいたしておるのでございます。それからその次は、都市復興の項目の中で港湾地帶の整理、これは大阪市内における大正区、並びに港区におきまする区域整理でございます。戰災でやられたのでございまするが、港湾の改修工事と相待ちまして、区域整理事業を完成して参りたい。いわゆる港湾において浚渫いたしました泥を以ちまして地上げをし、そうしてその区域内における区域整理を完成して行きたいという費用でございます。これが来年度といたしまして五千七百八十万円程度計上いたしておるのでございます。それから今一つは、高潮対策の費用でございますが、これはまあ高潮対策に対しましては、堤防を築いて参るという費用でございまするが、この仕事河川局並びに港湾局の方面におきましてもそれぞれ計上されておるのでございまするが、私のほうで担当いたしまするものは、堺或いは阪神の一部というような点でございます。そういう方面で大体五千万円の補助金を計上いたしております。それらのものを合せましてそこに都市復興事業補助費という項目に上つておるのでございます。  その次は、広島及び長崎特別都市建設事業費補助というのでございまするが、これは大体昨年度と同じ金額でございます。約二億七千万円という数字でございまするが、広島、長崎の原爆の特別都市でございます。これにつきましては、実は戰災復興の費用もそのうちに計上されてございます。  その次は、街路事業費補助でございまするが、これは先ほど道路局長からお話がございましたように、司令部より要求されておるものでございます。そのうちに計上されておるもののうち、特に重要なる市街地における幹線路において都市計画事業として決定いたしておりまするものにつきまして国が補助をして参りたい、大体二分の一程度の助成金にいたしておるのでございます。これが四億八千四百五十万円というものは、北海道から一般のものでざいます。  それからその次は都市水利施設その他整備費補助ということになつておるのでございますが、これは都市水利、ちよつと都市水利という言葉が、語弊があるかも知れませんが、街の中を流れておるちよちよこした用水路、これを主として排水という点に重点をおいておるのでございます。ちよつと雨が降りますというとそうしたものが一遍に氾濫をするということのために非常に被害を及ぼす、そうしたものを浚渫改善をして参りたいという事業がそのうちの一部でございます。併し道路法の適用がありますとか或いは下水道法の適用のありまするものは、河川局なり、或いは水道事業のほうにおいて助成をして頂きまして、私の方面におきましては河川法の適用を受けない又は下水道法の適用を受けない、そうした排水路の問題を取扱つて行きたいと思つておるのでございます。そのほかの費目の中には、公共施設の整備事業といたしまして公園並びに運動場の整備をいたして参る。殊に毎年々々国民体育大会というものもございまするので、そうした方面の体育の施設というものも整備して参りたいということも考えておるのでございます。そのほか実は消防庁のほうからいろいろ要求がありましたので、都市計画事業としてやりますという点におきまして、防火用の貯水槽というものの費用も幾らかこの中に入つておるのでございます。これが大体ここに書いておりまする都市水利、その他の整備費の補助という項目でございます。  北海道に関しまするものといたしましては、都市復興事業費補助は、一部戰災地根室その他における幹線街路を完成して参ろう。及び都市水利の費用というものが計上されておるのでございます。
  133. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 ちよつと伺いますが、これは私東京に住んでおるのですが、都市計画のほうに入つておるのかどうか知りませんが、一応道路なんかですね、よく新らしい道路ができるというので設計して杭なんか立つておるので暫く建たないでおるのですね、それで実際そこに新らしく家を建てたらいいのか、建てていけないのか。実はそこは道路が拡がるということが一般に言われておつて、そうして実際拡がるからいけないのかと思うと、いつの間にか家が建つたりしておる。これは先ほど伺つた都市計画で八万八千五百坪ですか、こういう都市復興計画の一部として、そういうことが計画されていて、そうしてそれはまだ実現しないでおるのか。そういうたぐいかどうか。それは東京都の例ですが、そういう点について非常にわからない点がたくさんあるのです。ここはもう道路が拡がつて家が建てられないと言われていながら建つてしまつておる。そういう点はどう考えるか。
  134. 八嶋三郎

    政府委員(八嶋三郎君) 昨年、戰災復興につきましては再検討いたしまして、先ほど申上げました八千五百万坪の拡張を五ヵ年計画で実施して参りたいということになつております。それにつきましては、実は建物の問題でございまするが、建物の問題につきましては、実はバラツク令という別個の政令がございます。この政令によりまして都市計画のいわゆる区画整理地域内におきましては、実は建てさせないということになつておるのでございます。ただ都市計画上どうしても建てることができないのでありまするが、併し時には知事の許可を受けまして、そうしていつ何どきでもそれを除き得るという一札を出しまして、そうして許可をしておる場所も中にはございます。これは将来四年、五年後において家が建つという所まで抑えることは非常にむつかしかろうというので、大体二年間ぐらいで事業を実施して参るという所は大体家を建てさせないというふうにしております。その後において事業を実施するという土地におきましては、知事の許可を受けまして仮にバラツクを建てるというような方便を講じておる所はございます。そういうような條件の所だろうと思います。
  135. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 大体わかりました。そういう場合に撤去するような場合、補償関係とか、そういうものは伴わないわけですか。
  136. 八嶋三郎

    政府委員(八嶋三郎君) 実は一札を取りまして、自分のほうではできるだけ無償でそのときには撤去いたしましよう、こういうことにいたしておるのでございまするが、併し状況によりましては、多少の金を市のほうでも払い、そうして速かに事業をやろうという態勢にはいたしておる次第でございます。
  137. 藤野繁雄

    理事藤野繁雄君) 皆さんにお諮りいたしますが、余り遅くて御迷惑ですけれども説明員として農林省の農地局建設部長の櫻井さんが見えておりますので、それだけ聞いて今日終りたいと思いますが、よろしくお願いいたします。
  138. 櫻井志郎

    説明員(櫻井志郎君) 農地局長が出まして御説明申上るはずでございますが、丁度止むを得ない緊急要務で不在いたしておりますので、甚だ不徹底を恐れるのでありますが、簡單に御説明申上げます。  お手許に差上げました簡單な一枚刷りの印刷を基本にいたしまして御説明申上げたいと存じます。  先ず第一番の開拓でありますが、二十六年度の予算案といたしまして開拓関係総額六十一億九千九百六十万九千こういう数字が計上されておりまして、内訳は、内地四十九億、北海道が約十二億という形になつておりまして、これを二十五年度に比較いたしますと、約十一億七千四百万の増ということに相成つております。なおその内訳を申上げますと、開拓の中の開墾といたしまして、総額三十七億一千八百万円余、内訳内地二十六億五千六百万余、北海道十億六千二百万余、かような数字が計上されておるのでありまするが、その内訳といたしましては、お手許の印刷には書いてありませんが、それに含まれますものが開墾建設工事費、つまり開墾の期間的な工事費と開墾作業費等でございます。内訳を申上げますならば、開墾建設工事といたしまして約二十五億四千万円の経費が計上されております。これを昨年の経費十六億六千万円に比較いたしますと、約八億七千九百万円の増に相成つておりますけれども、昨年度といたしましては、昨年度という言葉は変でありますが、二十五年度といたしましては、見返資金が相当額計上いたされておりますので、その点を勘案いたしますならば、経費といたしましては、大差ない形に相成つております。建設工事費の内訳といたしましては、内地が十九億三千一百万円余、北海道が六億九百万円余という数字に相成つております。  開墾作業費といたしましては、九億六千二百万円余計上されておるのでありますが、その内訳といたしましては、内地が六億一千五百万円余、北海道が三億四千六百万円余という数字に相成つております。このほかに小団地の補助工事といたしましては、僅か一千万円、酸性土改良、いわゆる非常に酸度の高い土壌の中和でございますが、その経費といたしましては、総額一億三千七百万円の経費を計上いたしております。開墾の極く項分けを申上げますと以上の通りであります。  次に用地配分費といたしまして、約九百三十三万円の経費が計上いたされておりますが、これは入植者に対しまする土地の配分に関する経費でございます。内地七百三十万円、北海道二百三万円という経費内訳に相成つております。  次に干拓でございます。二十六年度といたしましては十七億九千万円計上いたされております。二十五年度といたしましては、十二億九千二百万円計上されておつたわけでありますが、なおこのほかに二十五年度といたしましては、見返資金から四億出ておりましたので、これをプラスいたしますならば、この干拓の経費におきましては、僅かな差で二十六年度が多少殖えておるという数字に相成ります。干拓の内訳を申上げますと、これは国の直轄の干拓、それから国営ではありますが、県に委託いたしております干拓、それから補助干拓、この三つに大別することができますが、国営干拓といたしましては、そのうち約十三億五千六百万円の経費が計上されております。先ほど申上げました見返資金から四億という数字は、同じく二十五年度にこの国営の干拓の一地域に対しまして計上されました経費でございます。代行干拓、つまり県に委託いたしております干拓につきましては約三億七千四百万円の経費が計上されております。二十五年度は約三億五千九百万円でございました。それから補助干拓でありますが、これにつきましては一千二百万円の経費が計上されております。干拓を大雑把に申上げますと以上の通りでございます。  次に入植施設でございます。入植施設につきましては六億八千万円強の経費が計上されておりまして、二十五年度の六億四百万円に比べますと約七千万円強の増に相成つております。この内訳を申上げますと、ここにありますように、内地約五億七百万、北海道一億七千三百万という数字になつておりまして、二十六年度といたしましては、新らしい入植全体六千五百戸という数字を計上さしてもらつております。なおこの内訳を申上げますと、入植者の住宅が内地におきまして約八千八百、小学校の分教場が約五十棟、電気施設が約百キロメートルという数字を内訳として計上いたしております。北海道におきましては住宅が二千四百戸、小学校の分教場か約三十棟という数字に相成つております。電気施設につきましては三十キロメートルを計上さして頂いております。  それから土地改良経費でございます。これは五十七億一千万円の経費を計上しておりますが、二十五年度に比べますと約二十四億四千四百万円増と、かような数字に相成つておりますが、二十五年度におきましては見返資金が約十六億五千万円計上されております。これを含めて考えますと或る程度の増加ということに相成つておる次第でございます。なお土地改良の内訳を申上げますならば、改良事業費といたしまして五十五億六千五百万円計上されておりますうち、総合灌漑排水、つまり国営で行います灌漑排水のうち開拓等をもその中に含んでおる、こういうふうな種類の仕事におきましては、内地といたしまして六億四千三百万円、北海道では三億一千七百万円の経費を計上いたしております。それから総合灌漑排水を拔きました国営の灌漑排水事業といたしましては、内地で二十億四千一百万円強の経費、それから府県営の大規模事業におきましては九億七千四百万円強、それから同じく府県営の小規模事業におきましては五億一千万円強の経費を計上さして頂きました。これらの国営、県営を拔きましたそれ以下の団体営につきましては、過年度から継続いたしております極く一部の止むを得ない仕事につきまして九千一百万円計上さして頂いております。北海道につきましては二億三千万円に相成つておりますが、その内訳を申上げますと、直轄といたしまして一億四千一百万円、それから新らしく北海道が、内地におきまして都道府県営のように、北海道におきまして道が行うという仕事を新らしく取上げまして、この経費が七千六百万円強、団体営の灌漑排水につきましては一千二百万円強という数字に相成つております。  なおこの灌漑排水以外の土地改良事業につきましては、つまり具体的に申上げますならば、或いは区画整理でございますとか、或いは暗渠排水でありますとか、こういう仕事について簡單に申上げますと、総額といたしまして三億九百万円の経費、この内訳といたしまして、内地が八千九万百円強、北海道が二億二千万円強という経費に相成つております。内地のほうは区画整理を生体といたしまして、暗渠排水とか客土とか、こういう仕事は計上されておりません。区画整理を主体といたしまして、そのほかに僅かに水温上昇施設といたしまして計上いたしております。北海道は御承知のように特殊事情もございますので、水温上昇施設は勿論のこと、暗渠排水、客土或いは区画整理、一応土地改良として考えられます仕事をおしなべて計上いたしておる次第でございます。その外に土壤保全施設等の、或いは灌漑恒久対策というような経費も勿論この中に含んでおるわけであります。実施設計費の一千六百万円強でありますが、これは特に大規模な国営事業等の現場におきまして、その工事を最も経済的に且つ耐久力のある仕事といたしますがために、現場の実験室、極くこれは簡單な小規模なものでございますが、現場の実験室、それから各農地事務局に同じく実験室を持つているわけでありますが、その設備の強化という問題をこの中に包含して経費を計上いたしております。  次が機械整備費一億二千八百万円でありますが、このうち内地が九千万円と相成つております。従来持つております機械の整備及び新らしく工事のために必要な機械を購入する経費をこの中に包含いたしております。  次は調査費でございます。調査費といたしまして二億八千二百十万円の経費が計上されておりますが、この内訳といたしまして、開拓計画費が一億八千四百万円強、なお内訳を申上げますならば、内地といたしまして一億三千二百万円、この内訳がいろいろ細かいのがございますが、煩雑に相成りますので今日の説明としては一応省略さして頂きます。北海道は五千一百万円強の経費を計上きして頂いております。それから土地改良計画費でございますが、これが九千七百万円強、内訳といたしまして内地が八千九百万円強、北海道が八百万円強という数字に相成つております。これは翌年度の新らしい開拓地なり或いは新らしい土地改良予定地の調査計画を立てる経費でございます。  次は災害復旧費でありますが、総額といたしまして八十三億七千一百七十万円の経費を計上さして頂いております。前年度の当初予算に比較いたしますならば、十二億強の増額に相成つております。この内訳は、農地に関しまする公共施設と耕地の復旧ということに大別し得るわけでありますが、そのうち公共の施設に対しまする経費といたしましては六十九億四千六百万円強、耕地そのものの復旧といたしましては約十四億二千五百万円強の経費が計上されている次第でございます。  甚だ簡單でございますが、以上大要だけを簡單に御説明させて頂きました。
  139. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 簡單に一つだけお伺いしたいのですが、農地局関係で、公共事業費予算の中で、二十五年度の見返のほうから廻る分を二十五年度に入れた分と、それから二十六年度分との比較は総額でどうなりますか、総体で……。
  140. 櫻井志郎

    説明員(櫻井志郎君) 私質問の趣きを間違つてつたかとも思いますが、間違つておりますならば訂正させて頂きますけれども、二十五年度の経費というのは、このお手許に差上げました通りでございますが、このほかに見返資金といたしまして、総額、農地局関係で二十七億が計上されております。従いましてこれを加えて頂きますとわかると思います。
  141. 山田節男

    ○山田節男君 これは又漠然とした質問かも知れませんが、併し事実があるからちよつと御質問するのですが、大体各県で開拓がまあ立地條件のいい所を選んでやつておられるわけでありますが、私の属している広島県を廻つて見ると、非常に開拓の立地條件が惡い、そのために入植者がやつて行けたいのみならず、木を伐られ、雨が降ると水害を受けるというような工合に、入植者のために、それからもうすでにそこにある部落の人のためという條件が、非常に総合的な計画といいますか、十分研究されていないように私は思うのですが、これはどういうわけでこういうことになるか。こうして調査費その他いろいろかなり巨額な予算が計上されているけれども、実際問題としてそういうふうな個所が非常に多い、これはどういうところに欠陷があるのか、行政的な欠陷ですね、これを一つ率直にお伺いしたい。  もう一つは、これは北海道内地と分けて頂いたのでありますが、大体一戸当り開拓の入植者に対して国庫から補助して、まあどうにかやつて行けるという程度には一体どのくらい、国庫からの補助でありますが、どのくらい要るものであるか。これは北海道内地という区分でよろしゆうございますから、一つお伺いしたい。
  142. 櫻井志郎

    説明員(櫻井志郎君) お答え申上げます。終戰後の緊急開拓、これはつき詰めていいますと、実際随分でたらめもございました。大変惡かつたことだと思います。そういうような状態が漸次是正いたされましたが、なお二十二年度頃まで、或いは別々に申上げますと、つまり現在になつ考えて見ますと、不適当な土地を取上げたもの、従いましてそういう不適当な土地を基本にいたしまして立てました入植計画なり、営農計画といたしましてまずいものもございました。併し昭和二十三年度からはそれぞれの土地につきまして、逐次選定基準はつきりきめまして、この点につきましては欠陷なく行われているはずでございますが、ただ終戰直後手をつけましたものにつきましては、漸次その改善を極力やつているわけでありますが、今日なお改善されないのが残つているかとも存じます。若しできますなら、その地区につきまして具体的に御注意を頂きますならなお幸いと思います。  それから入植者一戸当りの国の投資額でございますが、私只今つております資料の中にあるかないか、立つまでに判定できませんでしたが、この数字につきましては、相当はつきりした数字を持つておりますので、これからあと見付かれば直ちに申上げさせて頂きますし、見付からなければ後日お答えさせて頂きたいと思います。
  143. 山田節男

    ○山田節男君 その今の第一の質問に関連してでありますが、これは二十三年以後は非常によくなつたということを言われておりますが、必ずしもこれは数は多くないかも知れませんが、必ずしもそうでない。現実問題として、そういつた計画な開拓がされたために、そこにすでにある部落が、例えば薪炭、それから水害というようなことで損害を受けておる。こういうようなものは入植のためにそういう人が災害をこうむる。或いは資材の不足を来たすという、こういうものに対しては何かそれに対する賠償といいますか、これに対する補償の方法があるのかどうか、これを一つお伺いしたいと思います。
  144. 櫻井志郎

    説明員(櫻井志郎君) 今おつしやいましたことは、開拓によりまして既設の農家なり或いは薪炭、森林経営者なりに損害を与えた場合という意味でございますか。
  145. 山田節男

    ○山田節男君 それもありますが、要するにこういう無計画な開拓をやられたために、直接には非常に水害ですね、坊主になつてしまつたわけです。木を伐つてしまつて、そうして入植者は逃げてしまつて、大体十五戸も入るというのが今までは二戸しか残つていない。あとは放つたらかして逃げてしまつた。そうして荒れるままになつて松が生えておつたのが、而も二十年生の松を伐つてしまつて、而も真砂土であるために木が生えない。灌木が生えない。それがためにちよつと雨が降れば水が水源地に上つて来るという、そういうような地帶がある。それに対して何とかしてもらわなくちやいかんといつておるのです。何らそれに対する賠償もない。或いは無理をして植林をするには相当金が要る。治山、砂防というものに対して、特にそういうようなことのためにできた犠牲ですから、これはやはり農村に対しての賠償なり補償をして、今後そういうことの起らないように、施設費は相当多額のものを出す。当然私は無計画な開拓のためにそうなつた事実がはつきりしておれば、やはりこれは原状に回復することは完全にはできないでしようけれども、或る程度まで災害の予防工事を国庫負担ぐらいしてやるのが当然じやないか。そういうことができるのか。又そういう例が他にもあるのか、それをお伺いしたいと思います。
  146. 櫻井志郎

    説明員(櫻井志郎君) おつしやる通りでありますが、これは誠に申訳ないことだと思います。ただ具体的な問題といたしまして、これに対して国がどういう措置をなし得るかという問題につきましては、後日局長からお答えさして頂きたいと思います。私甚だ申訳ございませんが、その点は局長から明日でもお答えさして頂きたいと思います。
  147. 山田節男

    ○山田節男君 次の機会にお願いいたします。
  148. 櫻井志郎

    説明員(櫻井志郎君) それから先ほどの一戸当りの経費でありますが、ちよつと私見付かりませんけれども、漠然とした記憶といたしましては、内地がたしか二戸当り二十何万円ちよつとだつたかと存じます。これも後ほどはつきりした数字を申上げさして頂きます。
  149. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 先ほど表の御説明のときに、二十六年度と五年度との比較のときに、当初予算と比較してというふうにお話があつたのですが、これは当初予算との比較ですか。二十五年度の補正も入つての比較じやないのでございますか。
  150. 櫻井志郎

    説明員(櫻井志郎君) 入つておりませんです。
  151. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 補正は入つていないのですね。
  152. 櫻井志郎

    説明員(櫻井志郎君) はい、入つておりません。
  153. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 入つておらない……。そうしますとですね、補正を含めると、増加額はこれより多少減るかも知れない、こういうことですか。
  154. 櫻井志郎

    説明員(櫻井志郎君) 災害で申上げますと、私現在はつきりした数字を記憶しておりませんが、たしか二十五年度に追加補正で、災害では十七億ですか、あつたかと記憶いたしております。従いまして、当初予算が約七十二億、加えますと八十九億になりますか、ですから二十六年度予算は、それより小さいということにも計算としてはそうなります。
  155. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そこを知りたいのです。全体としてですね。その補正も引くるめて、それから二十五年度に見返を入れた分と、それから見返がなくなるわけですから、それを除いた二十六年度分と比較して総体でですね。
  156. 櫻井志郎

    説明員(櫻井志郎君) その表は全部作つて参ります。
  157. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そうですか、それを一つお願いいたします。
  158. 小野義夫

    ○小野義夫君 干拓とそれから開墾とあるようですが、大体今までの成績から見ましてですね、開墾は、畑地について反当どれくらいで開墾ができる、又水田ならばどうで、干拓についてはいろいろまあ高いのと、安いのと、これはまあ條件が非常に違うのですが、大体そういうような過去の実績の反当がわかつておるならば、あとでもいいですが、御報告願いたい。
  159. 櫻井志郎

    説明員(櫻井志郎君) わかつております。その数字は、ただ勿論單位が非常に違つて来ておるものでありますから、換算した表も持つております。極く大ざつぱに申しますと、国の投資額が、干拓では反当約八万円であります。それから陸地の開拓では、これは実は開墾作業費というのがいろいろ、入植から何年までは六割、その次は三割、その次は零というようなふうでありますが、ちよつと今すぐ頭に出ません。それから維持費の経費や建設費の分等いろいろ出て参りますので、これは後ほど国の反当の投資額の表を持つて参ります。
  160. 東隆

    ○東隆君 これは簡單なことですが、屁理屈のようですが、この内訳ですね、この内訳で、内地北海道と、こういうふうにお分けになつておるようですが、こうすると、北海道は植民地でありませんので、内地という言葉、これは何か別な言葉で表現をされるほうがよいと思います。  もう一つは、本省関係の費用を別に出されてはどうか。そうして見ると、いろいろな点で非常にはつきりするのじやないかと、こう自分は考えるのです。  それでそういう関係から見て行つて、この予算をもう少し細目に亘つて私見たいのです。詳しいものを、個人ででもよいのですが、出して頂きたい。
  161. 櫻井志郎

    説明員(櫻井志郎君) 細目のもう少し詳しい表は後日お手許に提出いたします。
  162. 藤野繁雄

    理事藤野繁雄君) 速記を中止して。    〔速記中止〕
  163. 藤野繁雄

    理事藤野繁雄君) 速記を始めて。今日の委員会はこれで終了することにいたします。    午後五時十七分散会  出席者は左の通り。    理事            石坂 豊一君            野田 卯一君            佐多 忠隆君            藤野 繁雄君            櫻内 義雄君            東   隆君            木村禧八郎君            岩間 正男君    委員           池田宇右衞門君            泉山 三六君            大島 定吉君            小野 義夫君            一松 政二君            平岡 市三君            安井  謙君            山縣 勝見君            岩崎正三郎君            山田 節男君            原  虎一君            前田  穰君            一松 定吉君            堀木 鎌三君            矢嶋 三義君   政府委員    大蔵省主計局長 河野 一之君    大蔵省主計局次    長       東條 猛猪君    大蔵省主計局次    長       石原 周夫君    建設政務次官  渡邊 良夫君    建設大臣官房会    計課長     植田 俊雄君    建設省河川局長 目黒 清雄君    建設省道路局長 菊池  明君    建設省都市局長 八嶋 三郎君    建設省住宅局長 伊東 五郎君   事務局側    常任委員会専門    員       野津高次郎君    常任委員会専門    員       長谷川喜作君   説明員    農林省農地局建    設部長     櫻井 志郎君