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1951-02-07 第10回国会 参議院 予算委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年二月七日(水曜日)    午後一時四十五分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○昭和二十六年度一般会計予算内閣  送付) ○昭和二十六年度特別会計予算内閣  送付) ○昭和二十六年度政府関係機関予算  (内閣送付)   —————————————
  2. 波多野鼎

    ○委員長(波多野鼎君) それでは只今から予算委員会を開きます。予定に従いまして、本日は経済安定本部から本年度における経済安定本部施策につきまして先ず説明を承わりまして、それから質疑に入りたいと思つております。
  3. 小峯柳多

    政府委員小峯柳多君) 安定本部施策につきましては先に大臣から施政の演説として申上げていると思います。プリントは多分お手許まで届いているんじやないかと思いますが……、内容を詳細に申上げることよりはプリントで御承知願うことにしまして、私から概括的に昨年度安定本部はどういう経済の舵のとりかたをして行こうとしているかというあらましを申上げまして、補足は事務当局から続けて聞いて頂きたいと思います。  一口に申上げますと自立経済計画の第一年度といたしまして計画基本線に副つた施策を強力に進めたいということになるわけであります。自立経済計画は二十六年度、七年度、八年度の三カ年に亘りまして日本経済自立を図る。講和会議の切迫が伝えられている折柄でもありますので、それが内容的な裏付としてはどうしても経済自立が必要であるというふうな考え方もあり、もつと卑近な問題では援助その他の問題の打切り等も伝えられている折柄でもありますので、ここ三カ年を目途といたしまして、日本経済自立を図ろう。但し自立経済に対しまする私ども考え方は、国際收支のバランスをとるということを先ず考えますが、その内容においてできるだけ生活水準引上げを行う。又経済諸般自給度引上げまして、国民経済安定度を深くして行きたいということを内容にいたしまして自立経済水準考えておるのであります。この自立経済計画は昨年の夏以来民間の経験の深い專門家のかたや学者の皆さんにお願いいたしまして、且つ各省の事務当局にも参加して頂きまして、日本経済を今申上げましたような二十八年度目途として自立の段階に持つて行くためには各般の面でどういうふうな具体的な経済量を予定すべきであるか、又その経済量達成するためにはどういうふうな問題に重点を置いて施策を進めなければならんかということを取上げておるのであります。御承知のように経済環境が国際的にも国内的にも非常に激動しております今日、そうした計画を立てることが無理ではないか、或いは意味がないではないかというふうなお考えもあるかと思いますが、実はそういう環境であればありますだけ個々の施策が当面の問題だけ追つかけてしまいますと、全体としての関連において支離滅裂になるし、合理性或いは能率性を失う危險がありますので、そういう環境であればあるほどむしろ基本的な計画を立てて行くのが必要じやないかという考え方から出発しておるのであります。なお私ども内閣は、自由経済というものを一応政策の中心にして案を考えておるのでありますが、この際その自由経済に対しましても私ども考えておりますところを一言附言いたしたいのであります。自由経済といいますと何もかも甚だ古典的な自由経済だというふうに御批評下さる向きもありますが、率直に申上げまして今日そういうふうなクラシカルな自由経済近代政治の中ではあり得るはずはないと思います。我々は自由経済というものを追究はいたしますが、その自由経済背後には、経済自由活動を保障せんとすればするほど背後における経済計画というものが必要になつて来るのだという考え方であります。従つて自由放任経済政策でなしに、企業の自由活動、或いは消費者選択の自由というものを保障する経済背後には、その保障のために環境がむずかしければむずかしいほど、むしろ計画経済というものを高度に考えて行かなければならんぞということで自由経済経済計画との関連考えておるのであります。そういうふうな思想に立ちまして自立経済計画を策定したわけでありますが、多少手前味噌のようでありますが、自慢さして頂きたい点は、こういうふうに各経済の部面において総合的に一応の数字で組上げましたというこの案は、今までも例の見ないところだろうと思いまして、近代行政における画期的な進歩じやないかというふうに、これはお許しを頂いて自慢申上げたいのであります。まあそういう意味経済数字を一応組上げましたが、先ほども触れましたように、こういうふうに激動期で一体その数字に対する信憑性はどうかという問題になつて参ると思います。そういうふうな激動期でありますから数字に関しましては各種の変化も現われて来ると思いますが、併しこの計画の特徴はその数字を静態的につかみ出しまして、そういう総合的な経済量達成するためにどういうところに問題の所在点があるかという、むしろその数字を組上げることによりまして問題をつかみ出そうと努力した点なんであります。即ちこれこれの問題に対して強力に手を打つようにして行かなければ、この経済量達成もむずかしいいう意味で問題の所在点が非常にはつきりして参つたという点にあろうと思います。従いまして、私どもはこの策定いたしました経済計画基本にいたしましてそれぞれの面で問題の追究をいたしました。従いまして当然この自立経済計画のために前提條件があるわけでありますが、その前提條件が変つて来れば来るほどそのつかみ出した問題を強力に実施しなければならん政治力が必要になつて来るわけでありまして、そういう意味激動期ではありますが、この案によりまして問題の所在点をつかみ出したということを申上げたいのであります。なお、その基本的な構想といたしましてはこれもお手許にパンフレットが届いておるのじやないかと思いますが、三カ年の数字を、二十八年度目にはこうするのだ、二十六年度、二十七年度はこうするのだというように謳つてあります。なお、本計画政府の二十六年度予算との関連は、当初年度の、自立経済計画に盛られました当初年度の必要な予算はこの二十六年度と平仄を合わしておるつもりであります。又この計画と裏、表のようになりますが、国土開発総合審議会計画も一応十カ年を目途とはいたしておりますが、最初の一期を三カ年にとりまして、一応経済効果の挙りそうなものをできるだけ早く第一期の三カ年でこれを実現したいというふうなこともかみ合わせておる次第であります。以上輪郭だけ申上げましたが、細かいことにつきましては事務当局から御説明いたさせたいと思います。
  4. 佐々木義武

    政府委員佐々木義武君) それでは只今の政務次官からのお話に引続きまして、報告書の内容を御説明いたしたいと思います。  お手許に自立経済審議会報告書という簡單なパンフレツトがございます。それを御覧願いたいと思います。目次をお開き願いますと、一番初めが自立経済計画策定必要性、二番目が自立経済計画基本構想、三番目が自立経済計画の規模と構成、四番目が自立経済達成上の問題点と対策、最後に結論ということになつております。三番目の自立経済計画の規標と構成が本論でございまして、大体結論的に計数のみをここに盛つてありますが、その背後には各部会から出ました答申並びにそれを調整しました最後的なかずかずの調整資料がございますが、その計数的な面は印刷の都合等によりまして今日はお手許に配付できなかつたと思いますが、この背後には厖大なそういう積上げ作業があるということをお含み願いたいと思います。それからこの計画は次官のほうからもお話がありましたように、こういう経済態勢でございますので、計数的な計画は勿論そのまま総合的な調整はとりましたのでございますが、まだ下揃い、或いは不十分な点等でございまして計数的には必ずしも満足した数字ではございません。併しながら計数そのものよりも、そういう計数をいろいろ算定する際に生じました問題点なり、或いは対策等をここに提示いたしまして、今後の日本経済自立経済を達成する上において必要な諸点を指し示すほうがむしろ妥当な措置ではなかろうかと考えまして、第四のほうに問題の重点を移してこの作業を終つているような次第であります。  一香取初の自立経済計画策定必要性に関しましては、只今次官のほうからお話がありました通りでありまして、大体問題点は三点でございますが、第一点は講和も近付きまして政治の独立というものが近く予想される際にいての表裏一体となりまする経済の自立性を早く確立して、この政治の独立の裏打ちをしたいという必要性から、政府としてはこの自立経済審議会を設けまして、そこでこの問題の解決策を検討したのだということであります。  第二点は、こういう混乱した非常に世界情勢のめまぐるしい変化の間でこういう基準計画を策定するということは非常に冒險のようにも考えるのでありますけれども、一応この審議会といたしましてはむしろこういう際にこそこういう基準計画を作つて置きまして、爾後情勢の変化に応じまして弾力的に調整を加えて行つたらどうかという建前を堅持する意味から、こういう基準計画を敢えて作つたのであります。  第三点は、本計画は実施可能の計画であつて、決して実施不可能な架空な計画のつもりで作つたのではないのだ、そこで問題点なり或いは対策等十分施行に移すならば、自立経済の達成は可能だということをはつきりと必要性の中で謳つております。  以上が大体必要性の主たる内容でございまして、次に二頁に自立経済計画基本構想がございまして、一番初めは目標でございますが、この目標は大体三カ年を目標にしておりますが、ものによりましては、例えば農業とか、或いは電気だとか、もつと長期の見通しを必要とする問題に関しましては一応もつと長期の計画を立てまして、その中で前期を三年というふうに組んでおります。それから次の自立経済の意義でございますが、自立経済の意義に関しましては、従来ともいろいろ議論のありました問題でございますが、この審議会といたしましては大体三点を意義の主たる内容としております。その第一番目の点は勿論国際收支の均衡という点を最も大きい内容としておりますが、それのみを以てしてこの自立経済の内容としますと、ややもしますと、去年の例えば八月或いは九月頃は瞬間的にはそういう定義でありますと自立経済が達成されたということになりまして、非常に滑稽な結論になりますので、そうでなくて、飽くまでも国際收支は均衡するけれども、その均衡した状況を長い間持続して行く、継続して行くという、継続性に問題の重点を更に移しまして、従いまして均衡した状況を継続するためには、一つには生活水準をできるだけ高めまして、国の経済の内容を豊富にし、同時にそれと裏腹になりまする生産力の拡張を行いまして、輸出或いは特需等に応じても国の経済自体に混乱を起さんような強いと申しますか、大きい内容を持つた経済態勢をその中に考えて行きたいという点が第二点であります。第三点に関しましては、今の国際情勢を考えまして、日本の経済の、海外依存の非常に高い日本の経済を少くとも安定さしたい、安定度を高めたいという意味から、国内の自給度をできるだけ向上さすという、この三つの内容を基本線にいたしまして、この三本の線に従いまして作業をそれぞれ展開いたしまして結論を出した次第でございます。それから第三番目は前提條件でございますが、この前提條件といたしましては(イ)(ロ)に主として国際情勢の判断の條項がございまして、これは去年の九月政府の想定でございまするので、或いはいろいろその後変化等もございましようが、一応作業をやる上におきまして各作業に厖大な人数がここに参加したわけでございますので、それぞれ違つた立場で作業いたしますと、全体の統一がつきませんので、一応こういう国際情勢の算定の前提を作りまして、その一本の頭で作業を進めて行くというふうな体制をとつたわけでございます。従いましてこの想定しました国際情勢を、その後変りました国際情勢に応じまして、今後、先ほど申しましたようにいろいろ情勢に応じて、この計画そのものに弾力的な調整を加えて行くというふうなつもりでこの自立計画を立てております。第一点は第三次大戰は起らないという点と、それから米ソの両勢力間の緊張は今後も世界的な軍拡傾向というものは発展して行くのだという二つのラインで進めておりますが、二十六年度に関しましては昨年の暮に生じました対中共貿易等の変化を一応織込みまして、先ほど次官のほうからお話申上げましたように、来年度の予算その他と調整をとりまして、この計画ができております。次に三番目の国内インフレの政策は回避して、同時に為替レートは変えないという前提をとつておりますが、この「国内」のという意味は赤字公債等を発行してまでこの政策を遂行するという意味ではないという意味で「国内」という字を使用しております。それからもう一点は国際物価は為替のレートを変更する等によつて調整しないで、国内で埋まるというふうな建前でこの計画が立てられております。それから次は生活水準の問題でございまして、これは二十五年度は大体八〇ぐらいだというふうに想定しておりますが、それを逐年上げて参りまして、最終年度には八九%まで上げたい、基準年次は九—十一年でございます、という建前にして作業ができております。それから人口の問題に関しましては、最近になりましてここに掲げてあります人口に若干の誤差が生じて参ります。これは終戰直後からございますが、或いは正式発表でもありますれば、その計数で更に再調整が必要かとも思われるのでありますが、取りあえず去年の秋に想定いたしました人口指数をそのまま採用いたしまして、この作業を終つた次第であります。そういう前提に立ちまして以下の計画に入つたのでございまするが、計画全体の要約といたしましては五頁の総括表を御覧願いますと大体ございますので、この総括表で一応御説明申上げたいと思います。この総括表には実は二十五年度、二十四年度の計数が載つておりませんので、現状からの繋りがどういうふうになるのかちよつと理解しにくい点がございまして、最後のところで二十四年から二十八年までの品物を出しておりますが、三十九頁以下でございます。併し便宜ここにあります計数の中で主な点だけを、一応の御理解のために申上げますと、国民所得は二十五年度が三兆二千六百五十億、次の産業活動指数は二十四年度が九六で、二十五年度は一一六でございます。次の鉱工業生産指数は二十四年が八〇で、二十五年度は一〇〇・九でございます。それから以下の数字は若干飛ばしまして、農林水産の数は二十四年度が九四・六九、それから二十五年が九六・八七でございます。国内造船量ですが、これは着工分が二十四年度分には約二十四万総トンと予定しております。それから輸出に関しましては、純粋の輸出は八億九千二百万でございまして、特需のサービス分を除きました物資のみの特需を見ますと一億三千五百万程度になるのではないかと思いますが、合せましてこの輸出は十億二千七百万ドルというふうに想定しております。輸入に関しましては大体十一億ドル程度にしております。それから設備資金に関しましては千四百九十八億、運転資金は三千二百七十九億、人口は八千四百十七万。それから完全失業者が四十五万六千というふうになつております。そこでこれを御覧願いますとおわかりのように、大体二十五年で以て或る程度生産関係は戰前の水準に近付きまして、或いはそれに大体到着いたしまして、二十六年以降は次第に戰前の水準をオーバーして行くという傾向が見られます。但し従来までの回復の率から見ますと、非常に生産の伸びが、カーブが弛みまして、二十六、二十七、二十八等におきましてはそれほどこの生産は上昇しないというふうなことになつております。その原因等につきましては後ほど御説明申上げます。それからもう一点はこの輸入の点でございまして、輸入の点に関しましては、今年度が十一億ドルで、来年度が十五億ドルと非常に大きい差が二十五年から二十六年に亘つて出て参りまして、ちよつと奇異の感に打たれますが、この点に関しましては、この十一億ドルと申しますのは年間の平均の数字でございまして、十億ドルのほうは九月末の価格を基準にして大体立てておりますので、今年度の上半期と申しますか、二十五年度の上半期に入つて来た輸入物資は、大半はそれ以前に安いときに契約いたしました物資がそのまま昔の値段で入つて来ておりますので、年間平均いたしますとこういうふうに非常に誤差ができるようなかつこうになつております点が第一点と、それから去年の八、九、十月ぐらいが相当物量的にも輸入量が減退いたしましたので、そのカバーが本年度中にはなかなかつきかねるような状態でございますので、そういう両面からいたしまして、こういうふうな誤差といいますか、開きができているのですが、後ほど御説明申上げますように、輸入の見通しと申しますか、主食獲得をどうするかという問題がこの案のキー・ポイントになつております。併しこの審議会の答申といたしまして、少くとも十億ぐらいは来年度是非確保する必要があるという建前で希望的な要素を相当織込みましていたしておる点を御承知願いたいと思います。それからもう一点は、完全失業者の数でございますが、見られますように余り減つておりません。生産が一方どんどん伸びているのに完全失業者が減らないというのは非常におかしな結果になつておりますが、これに関しましても後ほど御説明申上げたいと思います。で、この計画を進めます一つのコースと申しますか事務的な手順を申上げますと、この表をあとで御理解頂く上に非常に御便宜じやないかと思いまして、作業の手順を申上げますと、一番初めに貿易の面を先行させまして、先ず輸入の量と輸出の量を算定したわけでございます。そういたしまして、輸入のほうはベース・ポイントの面と輸入原材料の面と二つに分けまして、輸出原材料のほうは輸出の伸びを見ました上で、大体まあその原材料が出ますので、それを取り、ベース・ポイントのほうは、人口の増加或いは先ほど申しました生活水準の上昇率を兼ね合せまして、その上で出て来た数字を見まして輸入の数量が出て来るわけでございます。それを基礎にいたしまして、それに見合う国内の鉱工生産或いは農林生産或いは建設部門等の計算をして参りますと、それぞれ各部門は到底その貿易に追つかないような制約條件が出て来るわけでございます。そこでそういう制約條件を克服しながら、いろいろ調整をとりながら、その調整をとつた上の数字を交通量で彈きまして、国内交通量並びに貿易の物資量を彈きまして、造船その他を彈くわけでございます。そこで大体貿易並びに生産、交通の調整をとつた上で、それを基礎にいたしまして国民所得を彈きまして、その国民所得からこういう計画達成に必要な財政資金或いは産業資金等を一方供給量として出し、同時に先ほど申しました各部会、生産部会所要資金量とを出しまして、その調整をとつて、生産と財政金融との調整を一方ではとり、同時に一方では各生産の伸びと雇用の問題との調整をとりまして、生産と人口との調整をとつて、大体総括いたしまして、先ず全体の計画としてこのくらいあれば経済循環がそう不合理でなしに運行できるであろうという一応の見通しをとつたのがこの表でございます。一つ一つの内容は逐次御説明いたしますので、総括上の説明はこれで終りたいと思います。  次は貿易でございますが、貿易に関しましては全体的な見地といたしましては、輸出の面は極力市場性を吟味いたしまして、各物資別或いは国別或いは資金別等に班を分けまして、業界の本当のエキスパートからそれぞれ御参加を願いまして、先ずこのくらいの見通しであるならばシユアーな見通しであるという点を押えまして、輸出に関しましては割合に堅く押えてございます。それから輸入に関しましては見通される可能のもの、例えばスクラツプとかパルプ等の割合にこれが入手が困難と見通されるものはそれを勘定しておりまするが、全体の見通しといたしましては、先ほども申しましたようなこの生産規標を少くとも確保するためにはこれくらいの輸入量が必要だと、要求量を満足させるためには必要だというその期待量をそのまま載せておりまして、従いましてこの期待量は非常に無理な期待量でございますが、先ほど申しましたようにそれほど無理な理窟ではないというような考え方から、どうしてもこれくらいのものは確保すべきだという要請を持つた数量をそのまま採用いたしております。  それから中国市場の問題に関しましては、二十六年度に関しましては、先ほど申しましたように今展観しました数字をそのまま、展観したまま出しておりますが、二十七年度、二十八年に関しましては香港は載つておりますけれども、香港以外の中国市場は一応期待しないという建前でこれを作成しております。それから国際收支の推移の状況でございますが、六頁の中間にございまして、御覧の通わの数字になつておりますが、註の二に援助を米会計年度に換算いたしました数字が載つております。それによりますと二十六年に相当いたします五一、五二米会計年度では約一億から一億五千万ドルの援助を期待し、二十七年に相当します五二、五三米会計年度には一億ドルを期待いたしまして、二十八年には大体援助なしにやつて行けるという結論になつております。それから註の三番目にあります投資勘定の問題でございますが、民間外資の導入問題或いは日本側が南方等に将来投資するであろう量等に関しましては、予測がなかなか困難でございますので、ここでは一応省いてございます。それから貿易の單価に関しましては昨年の九月を大体單価の採用年次にいたしまして計算をしております。それから次は通貨別の国際收支見通しでございますが、初めこの作業にかかります際には、現在もそうでございますが、恐らくポンドが非常に不足するだろうという考えでおつたのでございますが、先ほど申しましたような輸入量を確保するという建前にして参りますと、どうしてもやはりドルが足らないというような結論になつております。それから輸出の品目でございますが、輸出の品目に関しましては纎維が最終年度がやはり大部分でございまして、五〇・六%の纎維でございます。それから鉄鋼、機械類等を合せまして二四%ぐらいでございまして、依然纎維並びに鉄綱機械類関係の輸出が殆んど大部分を占めるようなことになつております。それから地区別の伸びに関しましては、オープン・アカウントが伸びまして、それから輸出資金には余り伸びがないということになつております。輸入に関しましては、物資的に申上げますと、纎維原料が三六%でございまして、食糧が従来割合に大きいウエイトを占めておつたのでございますが、この計画では先ほど申しましたように、国内の自給度を高めるという一番主眼点に、食糧の米麦の増産を徹底的に今考えておりますので、半面輸入は逐年主食は減らすという計算になつておる関係上、食糧の輸入全体に占める地位は逐年減少するというふうなことになつております。  それから次の鉱工業生産でございますが、鉱工業生産に関しましてはABCとありまして、制約條件が三つ掲げてありますが、電力の供給面からの問題と、それから特に輸入原材料の入手の状況、或いは長期資金の調達の問題、この三つの問題が非常に鉱工業の生産の伸びを制約する大きいフアクターになつて参りまして、日本の産業はキアパシテイはまだまだございますが、特に電力等の問題から制約が非常に強うございまして、先ほど申しましたように伸びそのものには弾力性を用いないというような見通しでございます。大ざつぱに申上げますと、鉱工部会で出しました基本的なと申しますか、結論に対しまして、主として電力の面或いは輸入原材料等の面から一割程度生産を規制いたしまして、この調整的な結論を出した次第でございます。その結果出ました数字が先ほど述べましたように、最終年度約三割増というふうな建前をとつております。その鉱工業部会の中で分科会を作りまして、相当深く研究したものは電力、鉄鋼、纎維、化学肥料でございまして、この四つの問題に関しましては何遍も分科会を開きまして検討して行きまして、その他の諸物資に関しましては、こういう根幹産業に附帯し、それぞれバランスをとつて生産の伸びを見ております。初めに電力の点を少し申上げますと、電力は三カ年で、水力を合わせまして七十七万キロワツトの電源を開発するという建前になつております。半面ロスの軽減を図りまして、これは送配電の損失でありますが、ロスの軽減を考えまして、現在三〇%程度のロスでございますが、これを二五%程度までロスを落すということでございまして、一方生産を伸ばし、半面そのロスのほうを軽減いたします。結果、二十五年度に比較いたしまして平水で約四一キロワツト・アワーぐらいの電力の供給力を増すという建前になつております。この九十七万キロワツトの電源開発でございますが、そのくらい電気が不足であつたならば、なぜもつと電気の開発というものに重点を置かないのかという御疑問も或いは湧くかと思いますが、九十七万キロワツトと申しますと、これを金で、所要資金で換算いたしますと、大体四百億から五百億くらい毎年必要だという計算になつて参ります。そうしますと、来年度の電力に対する見返資金を仮に百五十億というふうに今決定しておりますが、それくらい見ましても相当厖大な所要資金になつておりまして、先ず日本の現状からいたしますれば、このくらいが最も望み得る最大の量じやなかろうかというふうに考えまして、A案、B案と二つの案があつたのでございますが、B案である九十七万キロワツトの案を採用いたしました次第であります。こういうふうに電力を極力増しましても、先ほど申しました三割の生産を増強する場合に、毎年豊水で十億キロワツト・アワーずつ需要に対して電力が足らないという結論になつておりまするが、その十億キロワツト・アワーの毎年の不足分は、何とかいろんな対策を講じましてカバーして行くという考えで、その調整はそのままとらずに十億キロワツト・アワーを豊水の場合不足だという建前でこの計画ができております。  それから次は鉄鋼でございますが、鉄鋼に関しましては、主としてスクラツプ並びに鉄鉱石の入手の状況を考慮いたしまして、特にスクラツプの問題を考えますと、殆んどスクラツプは輸入の面では期待できませんので、国内スクラツプの回收状況等を勘案いたしまして本案では成るべく来年度から二十八年度まで計画をそう伸ばさんけれども、急にスクラツプの面から蹉跌を来すことのないように、ならして使つております。併しこの原料入手の如何によりましては、二十六年度四百万トン、二十八年度四百二十万トンというふうな原案が当然可能なわけでございますが、本案といたしましては今言つたような点から、二十六年度三百六十万トン、二十八年度三百九十万トンというふうに押えております。  次は纎維でございますが、纎維に関しましては、綿紡のほうは原綿の入手状況と紡機の製作能力が一つの制約條件でございまして、この両方から見まして最終年度百億ポンド出したい、それから人絹、スフ等の化学纎維に関しましては、主として本案では電力の面で調整したのでございますが、そのほかパルプの入手状況或いは現在の塩等の輸入の見通しから、ソーダ関係の需給関係等を考慮いたしまして調整をした次第であります。  それから合成纎維に関しましては、これは実は資源が殆んど日本にございますので、技術的にも解決した問題でございまするから、極力自給度を高めるという意味で、この産業を伸ばしたかつたのでございますが、電気の関係から日産五十トンを三十五トン程度まで落しております。  それから化学肥料に関しましては、最終年度硫安が二百万トンになつておりまして、これも電気の関係で、去年の秋ですか閣議を通りました最終年度二百二十万トンというあれを、若干スケール・ダウンしておりますが、その削減しました二十万トンに関しましては、輸出面で調整いたしまして、国内の食糧増産には差支えないようにしてございます。  それからそれ以外の石炭、銅、アルミ等の物資に関しましては、十一頁に表がございますので、それを御覧願いたいと思います。  それから次は農林、水産業の生産でございますが、従来までの農林、水産業に対する考え方といたしましては、資本の効率の問題を考え、或いは輸入食糧との競争等の問題を考えまして、どちらかといいますと、コストの切下げの問題、農業の合理化の問題が非常に政策の重点じやなかつたかと考えられますが、本案ではその考えに更に国際情勢を勘案いたしまして、もう一度数量的な増産という面に重点を指向いたしまして、米麦におきまして、最終年度千二百万増産したいという計算にしております。最終年度と申しますのは、農業は投下資本が次年度に大体行き越すという考え方で、千二百万石は二十九年度の増産になります。従いまして二十八年度には九百九十三万石程度米麦にして増産したいというふうに考え、ております。それに対しますいろんな諸施策等は、その次の頁がそれであります。その結果出ました結論が十四頁の初めにございますように、相当程度一般消費者の消費量を増しても、逐年食糧の輸入量を減らし得るという計算になつて参りまして、二十六年度に三百二十万トンの来年度の輸入計画が、最終年次には二百五十万トンまで減少し得るという建前にしてございます。  それから次の畜産、林業、水産業等に関しましては、大体合理的に伸ばし得る線をそのまま伸ばしまして、国内資原の活用という面で、その伸張を図りまして、部会で出しました原案を多く調整せずにそのまま採用しております。  それから次の交通部面に関しましては、先ほど申しましたような生産量並びに貿易量を確保するために必要なサービス水準というものを弾きまして、それに必要な対策を並べております。大体交通部会で一番問題の中心になりましたのは、申すまでもなく商船隊の拡充の問題でございまして、去年の十二月一日現在でございますが、日本の保有しておる商船の量は百七十万総トン程度でございまして、戰前の約六百万総トンに比較しますと、非常な減退でございます。而もそのうち航洋船を見ますと、四十三万総トンしかございません。大体戰前が四百万総トンぐらいでございますので、十分の一ぐらいに減じております。そこでこれを二十八年度の全貿易物資量の約五〇%邦船で積み取るというふうに計算して参りますと、二百万総トン程度保有する必要がございますので、今年度から約三十五万総トンを毎年新建造いたしまして、同時に沈船の引揚或いは旧型の改造等をいたしまして、この計画では最終年度百三十三万、やや必要な数量に近い船舶を保有するように仕組んでおります。がその後情勢の緊迫化に伴いまして、この三十五万総トンをできれば四十万総トンまで新建造を上げたいという点と、もう一点は三年後にこの必要量を満たすのではなくて、現在からすでにこれくらいの船舶を必要とするのではなかろうかという考え方から、傭船或いは買船等に関しまして、本案につきまして別途措置をとつているような状況でございます。  商船隊の拡充の問題に続きまして一番交通問題でもう一つ問題になりました点は、外国貿易港整備強化の問題でございまして、外国貿易港は、皆さんも御承知のように、大部分優秀な港湾は接收されております。従いまして今後邦船で以て、日本の船で貿易をするというのが基本的なラインになつて参りますと、どうしてもこの貿易港の整備強化という問題が艀或いは倉庫等の問題と一緒に大きい問題として出て参りますので、これに対する対策等もこの中に織込んでございます。  それから国鉄に関しましては鉄道電化の問題と貨車の整備の問題が資金面から競合いたしまして、貨車の新造の問題が大きい問題になつておりましたのでありますが、本案では大体両案を、鉄道電化もやるし、或いは車輌の建造も可能なように両方勘案いたしまして作つております。  それから電話サービスの問題に関しましては、これは非常に問題がございまして、なかなかこの案で作りましたような程度ではおさまらないような需要量でございましたのですが、資金等の関係から一応本案といたしましては、戰前水準に復帰するという建前で、旺盛な需要を抑えてこういうような結論を出した次第でございます。  次に建設部門でございますが、これが公共事業に相当する部門でございまして、本案では、先ほど申しましたように、食糧の自給度を極力高めるという意味合からいたしまして、建設事業の中で農業生産力の拡張という点に重点を置きまして、特に土地改良或いは土地造成等すぐ農業生産の増加に役立つような点に主眼を置きまして、それに必要な範囲でそれに関連させて治山治水その他災害復旧等を考えてございます。建設部門にあります諸項目、言い換えますと農林水産施設、それから治山治水施設或いは交通施設、道路、港湾、或いは都市関係の施設、これは戰災都市の復興問題とか或いは上下水道とかでございますが、或いは住宅建設或いは公共事業の建設という建築関係並びに災害の防上或いは復旧の問題等ございますが、この詳細はお読み願うことにいたしまして、説明を省略いたしたいと存じます。その結果二十頁にございますが、公共事業費は非常にかさばりまして、二十六年度は来年度の予算通り千九十二億程度載つておるのでございますが、二十七年度が千五百八十億、二十八年度には千七百五十五億というふうに、非常に大きくなつております。これに対する考え方等は後ほど又資金の問題のときにお話申上げたいと思います。  次は雇用の問題でございますが、先ほど申しましたように、生産が伸びるにもかかわらず完全失業者の減少率は非常に微々たるものでございますので、その理由を御説明申上げたいのでございますが、一つは人口が非常に増加いたしまして、従つて労働人口が殖えるという点が一点でございます。それからもう一点は、極力産業の近代化をこの三年間で図りたいという建前になつておりますので、労働の生産性を非常に上げております。大体七—十一年を基準にいたしまして考えて参りますと、鉱工業の、マイニングのほうは二十五年度は七八・九四というような数字になつてお力ますが、二十八年度は九九、七三まで上げたい。それからインダストリーのほうは二十五年度七三・ ○八でございますが、最終年度は一一一・八というところまで上げたいという計算になつておりまして、マイニングに関しましてはほぼ戰前水準、インダストリーに関しましては戰前の水準を遥かに抜きたいというような思い切つた近代化の措置を考えておりますので、生産が伸びる半面、完全失業の率はそれほど減らないという計算になつております。が併し逆に考えますと、低所得就業者或いは不規則就業者等の不完全就業者の面に関しましては、逐次内容が生産の上昇と共に充実して参りまして、そういう潜在失業の面の改善は相当期待できるのではなかろうか。従いまして全体としましてはまず雇用の面ではそれほど心配なしにこの程度の生産水準を上げますと救済できるのではなかろうかというふうに考えます。  それから最後に資本蓄積の面でございますが、生活水準及び国民所得の量に関しましては、先ほど申上げました通りでございまして、最後に国民経済予算の表がございますので、これを簡單に御説明申上げますと、所得の面では国民所得と、それに減価償却或いは間接税、海外收支差を合せまして、国民総生産の市場価格と申しますか、総收入部門を出しまして、それを個人償却部門、財政蓄積部門、民間資本形成部門、この三本のルートにそれぞれ配分したのでございますが、個人消費の支出に関しましては、二十四年度を大体基準年度にいたしまして、その後における人口の増加並びに生活水準の上昇率をかけまして今後の消費支出の消費性向を見たわけでございます。それから財政の支出に関しましては、間接税或いは直接税、專売益金等を合せまして財政の規模をまず考える、同時に国民所得の増加に伴います自然増に関しましては、三分の一を減税に充て、三分の二を公共事業に充てるという考え方でございまして、その結果財政の規模が、ここに書かれたような消費支出部門、財政から行く資本形成部門、それから補助金部門というふうに三本に分れておりますが、このようなトータルが出て来た次第でございます。そういたしますと、総收入の面から個人消費支出或いは財政支出部門を引きますと、残りが全部民間資本形成の中に本当は入るはずでございますが、民間資本形成のほうは別途これ又詳細にやりました結果、どうしても現在或いは過去の傾向等を見ますと、二十六年度以降はここに掲げられましたような計数くらいが恐らく限度じやなかろうかというふうな数字が出て参りましたので、それをそのまま採用いたしまして、そういたしますとどうしても不釣合のものが出て参ります。配分未済所得というものが不釣合に相当する部分でございまして、これは計算の誤差の結果こういう数字が出たのか、或いは一部は消費支出なり或いは民間資本形成等にそれぞれ配分されて行くものなのか、内容ははつきりしませんが、いずれにいたしましてもこういう未済所得部門が仮にあるといたしますと、何とかしてこういう問題を資金ルートに載せて建設のために使いたいというふうに考えられます。以上が大体国民経済予算の概要でございますが、それに引続きまして次に自立経済達成上の諸問題、問題点と対策でございますが、問題点は大きく言いますと今まで申上げましたように規模の自立経済の内容を持つた経済構成をとるといたしますと大きく三つの問題が出て参ります。  一つは輸入確保の問題、一つは自給度の向上の問題、一つは資本蓄積の問題でございます。  そこでその三部門を中心にいたしましてそれぞれの諸対策を重点的に大きい問題だけを提示いたしましてございますのですが、第一点は輸入の確保の問題でございまして、本案の達成のためには輸入を計画通り確保するということが絶対條件だというふうになつております。でその輸入に関しまする諸対策といたしまして二十四頁以下にそれぞれ項を分つて書いてございますのでお読み願いたいと思います。項目だけ申上げますと、一点と二点は資金の問題でございまして外貨資金の運用の問題、それから輸入金融の問題でございます。それからその次は機構或いは組織等の問題でございまして、貿易協定の改善の問題、或いは備蓄輸入の推進の問題、或いは在外買付機構の充実り問題等でございます。その次には輸入力の背景をなす外貨の獲得、或いは輸入原材料を確保するための対外投資の問題、最後に船舶の問題というふうに分けまして、そのそれぞれの対策を提示しております。  その次にはこの輸入を確保する上に必要なる船舶の拡充の問題でございますが、船舶の拡充の問題につきましては、先ほど申述べましたのでその内容は省略させて頂きたいと思います。  それから次は自給度の向上の問題でございまして、自給度の向上の面に関しましては、先ほどから申上げましたように主として本案では米麦の増産を主体にしてございます。それに伴いましてできた食糧の貯蔵の問題、それから同時に鉱工部門では地下資源の開発の問題と、それから合成纎維工業の振興の問題を問題として取上げまして答申しております。それからもう一つは電力の問題でございまして、この電力の問題は先ほど申上げましたようにあれほど思い切つて電力の増強をやりましてもなお且つ電力というものは逐年豊水で十億キロワツト・アワーくらい不足するというような建前になつておりまして、更に一段と電力の確保のために諸対策を講じなければならんということをまあここで語つておるわけなんでございますが、いろいろこの作業をやります上で先ほどから申上げましたように、一番苦労した点はこの電力の問題でございまして、仮に輸出を今より以上に伸ばすといたしましても、電力がありますればまだまだアルミにいたしましても、化学肥料にいたしましてもどんどん伸ばし得るのでございます。それから仮に自給度を向上したいという面を考えて見ましても、まあ食糧の面では塩、衣料の面では化学纎維、或いは合成纎維、それからその他地下資源の点では非鉄関係、或いは鉄関係の電気製錬関係といつたような国内の自給度を高めますためにどうしても電力数というものが一番根本になつておりまして、今後とも情勢の変化、如何なる場合がございましても電力の徹底的な開発という問題が日本産業を伸ばす上において最も必要ではなかろうかというふうに考えられます。電力の達成、先ほど申上げました資金等の達成の問題に関しましては、後ほどちよつと簡單に触れたいと思います。  それから次に物資の需給関係でございますが、物資の需給の関係は先ほど申しましたような輸入量が仮にこういう手段を講じまして確保できる。又相手国でもそれぞれ応援してくれましてこういう工合に輸入が確保できるということになりますと、大体需給関係は物資的に見ますとそれほどアンバランスな点はないように考えられます。勿論鉄関係の特定品種、或いは非鉄金属の一部等は若干逼迫された状況は考えられますが、全般的に見ますとまずまず需給バランスというものはとれるのではなかろうかと思います。但し戰略物資と言いましようか、世界的な、国際的な稀少物資、特に国際的な割当等を近くやられるであろう諸物資に関しましては国際的な問題も関連もございまして、何とかして輸入を増すというばかりでなしに、国内的にも消費規制の問題、或いは輸出の調整等の問題が当然緊急な問題として必要ではなかろうかというふうに答申してございます。  それから各物資に関しましては、鉄鋼、肥料、纎維、木材、石炭等にそれぞれ問題点として指摘してございますが、これは省略いたしまして、ただ木材の点でございますが、木材の点に関しましては鉱工部会並びに建設部会から出ました住宅或いは建設用諸木材、その他パルプ等の所要量と農林部会から出しました適正伐採量との間には非常に大きい差がございまして、この差を貿易部会で輸入等で調整しようといたしましてもとても不可能なくらい大きい数字でございますので、この三者の調整は非常に問題が複雑でございまして、時間の関係もあつて遂に最後的に調整をとるまでに至らなかつたのでございますから、止むを得ずそのまま二千万石という未調整の数字を出してこの答申をしております。  それから最後に資本蓄積の問題でございますが、資本蓄積の問題に関しましては、この計画を達成します一つの一番大きい柱と申しますか、要するに計画を達成するための手段といたしましては貿易の問題と資本蓄積と申しますか、資本の動員をどういうふうにしてこの計画達成に活用するかという問題が手掛りの一番最大のものでございますので、この資本蓄積の面に相当重点を置きまして作業を進めたのでございます。その結果一応建前といたしましては、従来の民間資本蓄積を助長するという基本ラインはそのまま強く踏襲いたしまして、従いましてその中に含まれます個人の貯蓄増加の問題、或いは企業の自己蓄積の増大の問題、或いは証券市場の育成の問題等、これにつきましてそれぞれ対策を考えまして、その詳細な点は三十六頁に別表へ一応出しておりますので、後でお読み願いたいと思います。そういうふうにいたしまして極力民間資本蓄積を先ず図るという根本原則をそのままとることにいたしたのでございますが、どうしても民間の資本蓄積のみではこういう計画を達成する上におきまして強さの点、或いは早さの点で追いつきませんので、同時にこの財政資金の効率的な運用の問題と同時に、もう一点はどうしてもこの長期金融機関というものを何かの形で作つてもらいたい。これは開発銀行のような形式でもいいし、或いは復金の回復のような形でもいいし、或いは興銀なり、勧銀なりの特殊銀行に対する、勧銀の問題でもいいですが、この部会では何が一番いい長期金融機関かというそこまでの結論は勿論出しておりません。それは今後の問題だと思いますが、いずれにいたしましても今申しましたような何かの形で長期金融機関というものを確立して、こういう必要な産業には必要な長期資金をつけるようにしてもらいたいというのが最終的な結論になつております。それから産業の設備資金に関しましてはいろいろ問題がございましたのですが、どうしても国の経済全般から見まして放つて置くとなかなか資金がつきにくい。併しながら経済の全般の伸びを達成するためにはグルンドになる産業を選びまして、そのグルンドになる産業に関しましては別途何かの適切な措置を講じてもらいたい。電力の問題、海運対策の問題、農林対策の問題、三つに分けまして対策を練つて来たのであります。電力の問題に関しましては極力自己資金を増さすということが一番いいのじやなかろうかという結論に達しまして、早く再編成を終えまして、この電力料金の合理的な改訂を行いまして、自己資金を、建設資金を持たせたいという点が一点と、それからもう一点はダムの大規模の電源開発、例えば只見川とか或いは熊野とか琵琶湖とかいつたような大規模の電源開発というものは、とても日本の資金のみを以てしては非常に無理がある。今の資本蓄積力から見まして非常に無理がある。こういうことはどうしてもやらなければならんということはわかつておるが、日本の資本としては無理なんで、できたら民間外資等を仰ぎまして、これによつて建設を一刻も早く図つて頂きたい。若しその二つの問題が、特に現在の電力料金の改訂等の問題がなかなか困難な場合には、さつき申しました長期資金金融機関から何かの長期資金を提供するとか、或いは見返資金等からの枠を増すとか、或いはできますれば減税等の措置を考えてもらえんかということにこの答申ではなつております。海運の問題に関しましては自己資金蓄積の問題がなかなかそれほど期待できませんので、專ら見返資金の枠の拡大と同時にさつき申しましたような長期金融機関、或いは何かの財政資金というものを直接、間接的に提供せられることが必要でなかろうかということでございます。それから農業に関しましては、農産物の価格を引上げましてこういうドラスティックの増産を図るという方法をとらないで、価格の面はその増産の手段として用いないで、專ら公共事業費等の国家資金の金融によつて増産又は増加を図  るというような建前になつております。  それから次の公共事業、公企業、外資導入等に関しましては一応省略いたしたいと思います。  それから次の輸出促進、或いは労働対策等に関しましてもお読み下さればおわかりになりますので、一応省略いたしますが、ただ労働対策に関しましては、先ほど申しましたような資本蓄積の貧弱な日本といたしまして、なかなか資本の面から、特に国家財政の面から失業等の改善を図るということが非常に困難な要素が多うございます。で專ら生産を上げまして、それによつて分配乃至は労働條件の改善というものを図つて行くというほうに本案では主力を注いでおるのでございます。  それから最後の結論といたしましては先ほど申しましたように、このくらいの経済の規模というのは、少くとも日本の国民経済の合理的な循環というものを維持し、同時にこの民主的な基礎というものを確保するためには、最大の限度ではなくてこれは最小限度なんだ、そこでこれくらいの限度というものはどうしても確保しなければいけないという点と、併しその最小限度の規模が輸入の価格の問題、或いは自給度の向上の問題、或いは資本蓄積の問題といろいろ諸困難な問題がございまして、その強力な対策の実現によつて初めてこういう規模の獲得ということが可能なんだという点、更に問題が変化して参りますればそれに応じた彈力ある調整というものは望ましいということで結論になつております。以下附表等ございまするが、大体大略を御説明申上げました。    〔委員長退席、理事石坂豊一君委員長席に着く〕
  5. 石坂豊一

    ○理事(石坂豊一君) これより質疑に入りたいと思います。
  6. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 質問に入ります前に今日安本のほうから御説明願うのはどういう予定になつておるのでありますか、今の計画だけですか、あと総合資金需給の見込来年度の、要求資料が来ておるのですか、これらも一つ全部御説明を願つてその上で質問することにしたらどうですか。
  7. 太田亮一

    説明員(太田亮一君) 御手許に配付してございます。二十六年度の総合資金需給見込表及び二枚目の産業資金供給見込表について御説明申上げます。  第一表のほうの総合資金需給見込表でありますが、これは大体の構想は先ず財政資金の対民間收支の分、予算の執行して参ります上に各会計相互間の支拂及び日銀に対する受拂いの関係を除きまして直接民間の資金の出て参ります部面だけを押えました尻がAの対民間收支尻でございます。それからB、一般金融機関資金收支とございますのは、この金融機関の中には下に註がございますように復金、それから住宅公庫、それから国民金融公庫これだけは除いておりますが、これは第二表のほうにございます産業資金のところに一般金融機関の收支とあります。この数字は歩調を合せるためにこういう操作をいたしております。そこでBのほうは金融機関の資金の收支、どれだけ自力で以て金が集まりまして、又足りないところを日本銀行からの追加信用で補つて、それが産業資金で貸出しなり或いはこれを株式の保有の形で放出されるかという形を見たものであります。それからCにございます、その他資金尻とありますのは、今の金融機関に含まれません復金でありますとか、その他閉鎖機関とか、或いは日銀自身の為替勘定でありますとか、そういつた上の財政資金の対民間收支にも又Bにあります金融機関のほうに対して信用をいたしました分にも含まれない、その他の雑勘定で通貨の増減に影響いたします部面、こういつたものをとらえて来て参つた数字でございます。そこで結局尻といたしまして、Dの通貨増発というところに数字が出て参るようになつております。財政資金の対民間の收支の尻、ここで三角の二十二億とありますのは揚超になつております。一般的に申しますと二十六年度予算は対民間の收支の点から見ましても均衡予算でありまして、收支とんとんになつておりまして、なおこの中身で例えば予算説明書にもございますように、見返資金では二百二十六億の揚超と申しますか、それだけ更に資金が溜るかつこうになつておりますが、それに丁度殆んど見合いになりまして、二百三十六億預金部資金のほうで、これは余裕金が減少する、支拂超過になるというかつこうになつておりまして、これも大体見合うかつこうになつております。又、外国為替特別会計におきます対民間の支拂いも本年は非常に巨額に達しておりまして、財政の支拂超過を来たしておる原因になつておりますが、二十六年度におきましては貿易量の増大もございますけれども、大体二十五年度中にユーザンスの関係輸入の決済資金が民間から吸上げるのが遅れておりました分が、二十六年度では通常に回転いたして参りますので、この部面でも予算書で見ますと二百三十億程度の支拂超過ぐらいで済むという、対民間の支拂超過で済むという計算なつております。全体に申しましてこのように財政のほうでは殆んど收支が均衡いたしておりますので、明年度通貨のほうに響きますものといたしましては、結局金融機関の資金收支になつて参るわけであります。そこで先ず收入の面で、預金の増加が三千五百億ということに見込んでございます。これは本年度におきます只今までの見込で参りますと、約二十五年度が二千八百六十億円程度考えられておりますが、これが国民所得、大体二十五年度が三兆三千億余りであります。これに対します比率を見ますと、八・六三%ぐらいになつておるかと思いますが、二十六年度におきましては国民所得の増加の割合以上に預金の純増が考えられておるわけであります。これは明年度におきまして貯蓄増強の点を考えまして、例えば所得税の軽減でありますとか、それから預金に対します源泉選択課税の制度の採用でありますとか、そろいつた部面におきまして積極的に自立経済達成のための貯蓄増強対策を進めて参ります。その効果が現われて来ることを考えまして、本年の国民所得に対する割合をそういうふうに伸ばしまして九・二%まで考えて見ております。これによりまして明年度国民所得が三兆八千億と一応概定されますので、これに対する比率を見て参りまして、三千五百億という予測が立つておるわけであります。なお、ここでお断り申上げて置きますが、ここにあります一般預金純増はこれは金融機関の預金の名目的な数字とは合いませんで、通常銀行が預金として挙げております中には期末のいろいろな差繰りの関係から小切手とか現金とかを以ちまして、見合いに殖えております。名目的な預金が入つておりますが、ここではそれを落した数字なつております。従いまして三千五百億円に対応するものとして、表面的に出て参ります預金は四千億を超えるであろうというふうに見ております。又、郵便貯金で入りましたものは全部上の財政資金の対民間收支のほうに入つておりますので、いわゆる貯蓄推進本部あたりで計画いたしますような国民貯蓄計画、こういつたような貯蓄目標数字とはその分だけ食い違つておるわけであります。それから又地方公共団体の預金、又は金融機関相互の間の預け合いの勘定によります預金、こういつたものも全部落しまして純粋に国民の貯蓄によつて殖えた分だけをここに掲げております。  それから第二番目の国債償還は、本年度は今までに八十五億が市中金融機関に対して償還をされております。明年度におきましても金融機関の資金の收支が必ずしも楽でございません。一方で相当多額の資金の需要がありますので、ここでも本年に引続いて百億程度の国債償還を行いたいというふうに計画いたしたわけであります。  それから三番目に金融債四百六十億と載つております。これは明年度におきまして金融債の総発行額はこれより大きく六百億円に達するのじやないかというふうに只今推計いたしておりますが、そのうち金融機関相互で持合いになるものがございまして、これは金融機関全体といたしましては資金の増加になりませんので、これも差引きまして、金融機関以外の外部から金融債によつて金の入つて参ります分だけをここに計上してございます。預金部が予算にもありますように四百億引受ける、或いは市中のものを買入れるということになつております。これは本年度は二百億の予算なつております。それから個人の消化とありますが、個人と申しますのは法人も入つておりますけれども、本年では大体五十五億円程度に達するのじやないかと推計されております。ほぼそれを伸ばした数字なつております。  それから四番目の政府出資とありますのは、ここでは輸出銀行に対します見返資金からの五十億、一般会計からの五十億の出資分であります。これは本年度は五十億になつております。なお二十五年度では見返資金から優先株式引受の五十億がございますが、明年度はきまつておりませんので一応これは百億だけここには上げております。従いましてこの輸出銀行から貸出になります分は、やはりこの下のほうの支出の貸出の中に、ここに見合いになつて百億というものは入つておるというふうに御了解を頂けば結構であります。  雑勘定、これは金融機関の資金の増加の分で、上に出て参つておりません。例えば一般預金のところで預金から落しました地方公共団体等の公金預金の増加分でありますとか、或いは金融機関自体が増資によりまして取り得いたします資金でありますとか、或いは利益金の留保になります分ですとか、そういつた雑多な勘定が入つております。本年も大体五百七、八十億に達するのであろうど考えられております。大体それに近い数字を押えてございます。  それから六番目の日銀信用百五十四億、金融機関の資金繰りのほうから見て参りますと、下のほうに貸出総額が四千九百十四億になつておりまして、上の預金増から雑勘定まで合計して参りまして四千七百六十億になつております。丁度このところで百五十四億だけ資金が不足いたしまして、これだけ日銀から追加信用が行われる、或いは日銀によります国債の買入れでありますとか、或いは日銀からの貸出金によりますとか、そういつた形で日銀から金融機関に資金がこれだけ出る。そうして金融機関としては一応收支のバランスをするというかつこうになつております。これだけの金が入つて参りましたのを二の支出のほうで貸出のほうに四千四百四億、それから株式及び社債の引受分といたしまして五百千億、こういうふうに配分を考えまして、この五百十億とありますのは、株式につきましては金融機関は御承知のようにそれほど多く持ちませんし、又独禁法なんかの関係もありまして持てない点もございまして、従来の実績から申しましてもパーセンテージが十何パーセント、発行総額の十何パーセントというところになつております。この五百十億のうち大体株式が六十億程度持たれ、又社債のほうは四百五十億円が金融機関によつて引受けられるというふうに考えております。社債のほうは、これは殆んど総額の九〇%以上というものを従来も金融機関が消化いたしております。二十六年度もこれと同様の割合で金融機関が持つということを考えておるわけであります。それからその他の資金尻は先ほど申上げましたような、いろいろな勘定におきまて十八億円程度日本銀行から金が放出される計算なつて参つております。合計いたしまして百五十億が結局通貨増発になつて参る。そこで本年度の末、今年の三月末に四千五十億円程度に通貨量がなるのではなかろうかというふうに想定いたしておりますので、これに百玉十億加えまして二十六年度末では通貨量は四千二百億という一応の見込を立てております。この四千二百億という数字は二十四年度におきましては、国民総生産、これは国民所得を元にいたしましてこれに若干調整を加えました市価で現わしました総生産額でございますが、その国民総生産、それが大体三兆一千億余りでありまして、二十四年度末、二十五年三月でございますが、このときにおきまする通貨量が三千百十三億になつております。これを割合で伸ばして参りますと三兆八千億の国民所得を元にいたしまして二十六年度の国民総生産が四兆二千億程度になりますので、これの大体割合が一割、二十四年度においても一割ということになりますと四千二百億程度、国民総生産に対して通貨量の割合はどちらも同じパーセンテージになつております。ただここには物価の上昇といつたものは計算に入つておりませんので、只今の国民総生産、或いは国民所得、そういつたものの計算におきましては、全部二十六年度における物価の変動というものを見込むことができませんので、二十六年度末の想定で伸ばして計算した数字でありますので、なお事態の推移に応じましてこの見込も多少変つて来ることがあると思つておりますが、只今見通しでございます。これと第二枚目の産業資金の供給見込との直接関連いたします部面は第一表にございます一般金融機関の支出の面におきます貸出の四千四百四億、この数字が第二表におきまして合計の欄の下から三行目、一般金融機関貸出の所に四千四百四億という数字が上つております。これと直接に結び付くだけでありまして、あとはそれぞれつかまえております面、或いは範囲が異なつておりますので直接には結び付いておりませんが、同じベースの上に立つておるものであります。  次に第二表のほうの産業資金の供給見込について御説明申上げますと、先ず二十六年度の非常な重点と申しますか、特色として考えなければならない点は産業資金の調達源泉といたしまして、企業の自己蓄積というものに自立経済計画におきましても非常な重点を置いておつたのであります。この施策を強力に推し進めて参ります。その結果といたしまして企業の自己蓄積資金というものが非常に大きくなつて来る、大きくなることが期待されておる点であります。資本の自己蓄積資金としては社内留保、利益金から出て参ります社内留保、それから減価償却によりまして利益が出ない、その前に経費として落される分と両方が考えられるわけでありますが、資本の蓄積というものは日本経済自立態勢を確立いたしますために最大且つ重要な課題でありますために特にその重点民間資本の蓄積に置かれておりますだけに企業の自己蓄積に対しまして二十六年度におきましてもすでに税制の面におきまして積立金課税の廃止でありますとか、或いは特別償却を認めますとか、資産再評価をもう一度認めるとか、こういつたような資本蓄積の促進策をいろいろ講じておりますので、更にこれに最近の企業の活動状況が非常に活溌になつておりまして、相当利益を挙げておるところがあるようであります。そういつた点から考えまして二十六年度におきましては、二十五年度に対しで総額として約七〇%増加いたしました千八百十四億という企業の自己蓄積資金を見込むことになつております。今年度におきましては大体千八十五億くらいになるのではなかろうかと考えておりますが、そのうち特に減価償却の伸び方が非常に大きく見られるのであります。社内留保のほうは本年度六百三十億に対しまして二十六年度はここで八百三十億という数字なつておりますが、減価償却のほうは本年は四百五十億程度にしか考えられておりません。これも二十四年度に比べますと再評価の関係もありまして相当伸びておるのでありますが、なお再評価が年度途中で行われたといつたような関係もありまして十分に償却のほうには振向けられて参つておりませんが、二十六年度に入りますと再評価を終えたあとの資産価格に対しまして減価償却が行われておりますし、二十六年度におきまして、例えば電力事業に関する再評価でありますとか、更に今考えられております再々評価でありますとか、そういつた施策によりまして更に減価償却の増額も考えられますので、四百五十億が倍以上の九百八十四億といつた減価償却を期待しておるわけであります。次にここで特に設備資金の調達源泉といたしまして、社内留保につきましては別途の利益が出て参りました分、会社の留保分につきましてその三分の一を設備資金に向けられるもの、又減価償却につきましては逆に三分の二が設備資金に向うものと一応推定いたしましてここに計算をいたしておるわけであります。これによつて参りますと総額に対する三九%というものが減価償却によりますところの設備資金の供給ということになつております。減価償却でなくて自己蓄積によります分が三九%、二千四百六十四億に対しまして九百六十六億ということになつております。それから外部からの資金によります産業資金の調達でありますが、これはここにありますように一から五まで株式社積、それから政府資金のうち、見返資金それから農林漁業特別会計から出て参りますもの、それから更に一般金融機関からの貸出、この五つに逆に今度はマイナスの要素といたしまして復金からの回收金を考えておりますが、それぞれについて見て参りますと、先ず株式につきましては、これはレギユラー・ウエイの実施も期待されますし、これによりまして株式の取引が活溌になつて参ります。又一般の所得税の軽減によりまして、それから国民所得の増大ということによりまして、国民の貯蓄力が殖えて参ります。それから企業の收益力も殖えておりまして、配当が殖えて来ておる。こういつた関係から証券投資への国民貯蓄の誘引というものが相当効果を奏するというふうに考えまして、本年では株式の増資の見込は三百億ちよつと出たところでありますが、明年度は大幅に殖えまして、五百億程度増資が行われるというふうに見ています。これは従来の実績に従いまして大体半々、設備資金運転資金に廻つておりますので、ここに二百五十億ずつ設備と運転に分けて見ております。社債につきましては本年の見込はこれは企業の手取りの額のほうを見て参らなければなりませんが、これが約四百二十億となつております。そこで本年度は社債を消化いたしますために、例えば日銀のオペレーシヨンも一部行われております。そのために相当に二十四年度に比べまして社債のほうが殖えたわけであります。二十六年度におきましても、日銀のオペレーシヨンを或る程度やるということを前提にいたしまして、更にこれに再評価、それから増資なども行われました結果、優良会社の社債発行余力が出て参るというような点から、本年の若干上廻わります社債の発行というものは依然期待をされるというふうに考えまして、四百五十億の社債発行を考えまして、これが従来の実績によりまして、このうち設備資金のほうに三百六億、運転資金に百四十四億というふうに配分をいたします。それから見返資金はこれは二十六年度予算にあります私企業に対する分でありまして、これは三百五十億そのまま全部設備資金ということに見られます。それから農林漁業特別会計からの融通六十億円につきましても、一応全部設備資金というふうに見て設備のほうに加えております。それから一般金融機関の貸出につきましては、これは総額は只今申上げましたように、第一表の貸出の金融と合つておるわけでありますが、設備と運転にこれを分けて参りますのは、金融機関の中で設備資金を主に供給いたしておりますところは、御承知のように金融債を発行しております興銀と勧銀、それから北拓でありまして、更に金融債を出しておりますけれども割合設備資金のほうに向う量は少い農中と商中がございますそれからこれと別個に一般金融機関、いわゆる市中銀行の貸出というものが若干考えられるわけであります。これも債券発行いたしております元の特殊銀行、これにつきまして先ず債券の発行見込額とそれから預金の増加額、これを二十六年度について予測いたしまして、これを二十五年度におきますやはりこれも実績の額から割出しまして半々、設備資金に半分、運転資金に半分というふうに見て計算をいたします。それから農中、商中等につきましては、今までの足どりによりまして、大体月に一億足らずくらいしか設備資金に出ておりませんので、明年度もその割合で見ております。それからその他の普通銀行、信託その他の金融機関につきましては、最近のやはり足どりによりまして、月に十八億程度設備資金の貸出がありますので、これを二十六年度に延ばして見ます。で総計いたしますと五百七十八億という数字になつたのであります。このうち今の債券発行銀行の分だけ拾つて見ますと、二十六年度におきましては、この五百七十八億のうち三百五十二億程度考えられるわけであります。それで貸出総額の中から只今設備資金として考えられまする分を差引きまして、残りは全部運転資金の供給に向い得る計算になります。これで三千八百二十六億円というものは運転資金のほうに出て参ります。それから復金の回收金は二十六年度の見込でありますが、これは設備資金が四十六億、運転資金十五億というふうに一応分けて見ました。  以上を集計いたしますと、設備資金が二千四百六十四億、運転資金が五千五十三億、合計七千五百十七億という産業資金が供給が可能であるという見込になつて来ておるわけであります。この運転資金の中に輸出銀行からの百億円というものが入つておりますことは先ほど説明申上げました通りであります。  なおこの供給見込に対しまして需要のほうはどうかという問題になりますが、特に設備資金のほうについて見ますと、先ほど説明がありました自立経済審議会におきます二十六年度産業設備資金の需要額というものは約二千二百億ということになつております。ただこれは主なる企業についての重点的な需要を総合されたものであります。このほかに細かい中小企業の分が必ずしもこれには載つてつておりません。又これだけの設備資金を供給いたしますためには、相当社内留保その他の自己蓄積分に期待をされるところが多い計算になりますので、決して設備資金供給量が余るといつたような計算にはならないと考えております。  以上で一通り御説明だけ終りました。
  8. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 私資料をちよつと要求したいのです。で最初の自立計画のほうで一つ資料をお願いしたいのは、主要産業のキャパシティというものはどのくらいになつているか、資料がありましたらお願いしたいのです。それを御提出願えますか。
  9. 平井富三郎

    政府委員(平井富三郎君) 各産業の現実の能力ということになりますと、終戰後いろいろな事情からいろいろな面で統計が不備でございまして、相当これは時間をかけませんと、正確なものが出ないのじやないかと存じます。その点御了承願います。
  10. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 そうしますと、出せないというのですか。
  11. 平井富三郎

    政府委員(平井富三郎君) 大分時間がかかるのであります。
  12. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 正確なものじやなくていいのですが、先ほどの御説明の中でキヤパシテイというものは相当あるのだという話があつたのです。ですからそれは何かやはり多少の数字があつて、どの産業では設備能力に対して今、どのくらいのパーセンテージであるか、こういうような大体の見当でいいのです。
  13. 平井富三郎

    政府委員(平井富三郎君) 御趣旨のような資料ならば提出いたします。
  14. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 それから総合資金需給見込のほうで資料をお願いしたいのは、政府財政資金民間收支尻ですね、これを一般会計と特別会計、それから資金運用部、それからもう一つ政府機関ですか、この四つに分けて項目別にお願いしたいのです。これは大蔵省にあると思いますが、大蔵省のほうと御連絡をとつてその資料を……それから特にその中で外為会計についてはオープン・アカウントと、それからキャツシユ・アカウントに分けて資料をお願いしたい。
  15. 内田常雄

    政府委員(内田常雄君) 今の総合資金計画のうちで財政資金の対民間に関する内訳でございますが、先ほど金融政策課長から、恐らく総合すると大体二十二億程度の揚超になるだろうというお話があつたと思いますが、その内訳はこういうふうにお考え願いたいと思うのですが、大蔵大臣等がしばしば御説明なつているように、予算の面では来年は中立予算である、従つて一般会計、特別会計、政府機関も一緒にしますと、対民間收支においても大体中立になる。ただそのうちで内訳はそれぞれあるわけであります。見返資金、預金部資金につきましても大体あるわけですが、見返資金、預金部資金につきましては、この大蔵省からお出しになつている二十六年度予算説明の中に、見返資金を一つ独立の形とみなし、預金部資金を一つ独立の形と見ての收支がありまして、内訳が大体できております。それから外国為替のほうですが、これは今年二十五年度についても問題ですが、二十六年度についても問題であり、予算としてはぴたつと合いますが、対民間收支としてはやはり問題があるわけです。なかんずく二十五年度におきましては例のユーザンスを始めたばかりの年でありますので、輸出側の買取資金としては外国為替会計の歳出として対民間に出て行く。然るに輸入側の売出と申しますか、輸入の面ではユーザンスでチエツクされますから、対民間では円の吸上げがないということで、非常に対民間の支拂超過、資金の計画として予算としてはぴたつと合うわけですが、ということで二十五年度は対民間の支拂が主として外為関係のために大体七百億円ぐらいの対民間の支拂が財政資金全体としては起るのですが、二十六年度におきましてはユーザンスの関係は、例えば一つの回転基金式にユーザンスで新らしい輸入は三ヵ月か四ヵ月か民間からの資金回收を待つことになりまして、金が入りませんが、併し今までやつて来たユーザンスの金が入つて来る。輸出のほうは今まで通り買取において対民間融資が出ておりますので、これも若干対民間では支拂超過になるかも知れませんが、大体はとんとんだということで、これを要するに預金部資金、見返資金、それから外国為替、それから政府関係機関は無論のことでありますが、全体として見ますと資金的にも中立予算である。最も事務的にいろいろの仮の算定をいたしましても、今一応のところは二十二億円程度の資金引揚ということで財政の面では資金引揚の罪を作らん。今年二十五年度のように、財政の面で予算的には合つても、資金的には対民間支拂超過をする、こういうことになるのでありますが、従つてその内訳は今年のような複雑なことはありません。みんな合うのだ、こういうふうに一つ考え願いたいと思います。
  16. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 その御説明はいいのです。御説明はいいのですから数字を示してもらいたいのです。
  17. 内田常雄

    政府委員(内田常雄君) 一般会計においてもちやんと合うわけです。專売事業、その他をずつと入れまして、一般会計ではどのくらいの揚超になるか、特別会計は非常にたくさんありますが、そのうちでどの会計がどのように揚超になるか、どの会計が撒超になるか。それから政府機関としてはどう、資金運用部においてはどう、そういう明細がなくては結論が出ないわけですからそれを知りませんと、政府のそういう算定の仕方ですね、これは判断する場合に我々はそれでいいかどうかは判定できないわけです。特に外為についてはオープン・アカウントとキヤツシユ・アカウントの区別を一応して示して頂きませんと、特にインフレの問題、今後、内田さんもよく御存知じのように、時期的ズレがありますから、最後計数とじてはぴたつと仮に合つたとしても、そこにユーザンスの今後期限が延長されるとかいろいろ言われるのですから、そこに非常に問題があるのです。ただこんなような、こんなと言つては失礼ですが、結論だけお聞きしても今後の情勢の判断の足しにならない。ですから、おありになるのでしたらその数字を御提出願いたい。その御説明はそれだから撒超になる、引揚超過になる、或いはインフレになるかならないかということは我々判断いたしますから一つそういう基礎資料を、この基礎なつた二十二億円の揚超になつ基礎資料を御提出願いたいと思います。    〔理事石坂豊一君退席、理事藤野繁雄君委員長席に着く〕
  18. 内田常雄

    政府委員(内田常雄君) 今のお話のうちで一〇の問題についてちよつと申上げたいのですが、外国為替特別会計の対民間資金收支の関係につきましては、これはオープン・アカウントの関係とか、或いはドル、ポンドの関係とかいう関係からは、円のほうの対民間收支の撒超、揚超の関係はありません。これは無関係のことでありまして、例えばドル圏に輸出しようが、或いはオープン・アカウント圏に輸出しようが、輸出者に対しては外国為替会計から円資金を支拂います。又輸入の場合にはドル圏から輸入しようが、文才ープン・アカウント、ポンド圏から輸入しようが、やはり一つの売為替なつて円は納めてもらうという関係になりますために、円資金のほうの收支関係にはオープン・アカウント或いはドル圏との関係はございません。ただそれは外貨勘定のほうですね。これは自立経済計画書の中にも出ておりましたが、二十六年度において輸出輸入は大体こういうかつこうでこのぐらいの入超がある。その入超の内訳は分析して見るとドル圏ではうんと入超し、ポンド圏ではやや入超し、オープン・アカウントでは撒超になる。これは外貨勘定の問題でありまして、ここで先ほどから説明を申上げました円資金のほうの收支には関係ございません。それだけ申上げます。  それから各会計ごとの対民間收支の内訳は、数字を示せということでありますけれども、それは正直に申して我我は極く、試算的に作つたもの、まだ二十六年は始まつておりませんために、試算的に作つたものはありますけれども或る程度年度が経過して実績の傾向等を主として作つてある二十五年度のようなものは実はないのでございます。飽くまでも中立予算という建前を中心として、円資金の対民間收支においても中立であるべきはずだということを中心として作つてございますが、一応はあるわけでございます。極めて軽い意味でそれは資金計画としての集計者である私どもをも拘束しないし、いわんや政府予算内容をも拘束しない。一応学究的な資料としての意味においておとり下さるならば、極めて未熟なものでありますけれども、各会計ごとの内訳らしいものを非公式に見て頂きたいと存じますが、如何なものでございましようか。
  19. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 先ほど説明のあつたように、この資金計画においては、最初の財政資金と対民間收支が大体二十二億の揚超になつておるというところで、あとはずつとバランスがとれるようになつておるのですが、ここが今問題の点なんだと思うのですよ。この内容がはつきりしなければ、我々はこれで成るほど資金計画もこれでよいと、日銀券が百五十億くらいにとまるのかどうかもわからないのですよ。だからその内容が一番必要なんで、これをお示しにならないで、結論だけ二十二億になるからと言つても……。
  20. 内田常雄

    政府委員(内田常雄君) よろしうございます。試算的なものでありますが、御検討願いたいと思います。これは予算とは関係ございませんから……。
  21. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 とにかくこの基礎なつたものを、それはいろいろ批判なんかは我々やりますから、別に決して困らせるようなつもりで言つているのではないので、その根拠を、いろいろな比較をしなければなりませんから、是非お示しを願わないと、この資金計画がわからないのですよ。
  22. 内田常雄

    政府委員(内田常雄君) よろしうございます。これは誠に未熟なもので、非公式なものでございますけれども、別に拘束しないお約束の下に、私どもの研究としに一つ御覧願いたいと思います。
  23. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 それからもう一つ資料として御提出願いたいのですが、産業資金供給見込のほうでございますが、    〔理事藤野繁雄君退席、理事石坂豊一君委員長席に着く〕 ここで企業の自己蓄積資金、これは社内保留、減価償却をお調べになつたのでありますから、この全体の企業について利益金というものがどのくらいになつているか。二十五年度と比べて利益金がどのくらい、それから法人税がどのくらいになるか、配当金がどのくらいになるか、それから賞與金がどのくらいになるか、積立金の増加額がどのくらいになるか、こういうような内訳の数字をお伺いしたいのです。二十五年度と二十六年度につきまして……。
  24. 内田常雄

    政府委員(内田常雄君) これも我々が全体を出すために内部で組上げたもので、必ずしも正確なものではありませんが、一応申上げます。  法人全体の利益は、これはこの計算においては、予算における法人税の收入見込から逆算をいたしております。従つて、二十五年度から申上げますと、二十五年度の法人税收入は現在の予算ではたしか五百七十億程度なつていると思いますが、私どもは一応予算から離れまして資金的に見た場合に、もう少し税收入が恐らく上るだろうという見解の下に、税收入を六百七十億と見まして、これを還元いたしまして、法人の課税所得を千八百億にとりました。これに対して二十六年度は、今度提出いたしております予算では法一人税收入は六百三十六億ということになつておりますが、これも恐らく今日の法人の利益状況から見て、もう少し税收が上るだろうと、これは大蔵省当局を拘束して頂いては困りますが、政府でありますからそういうことは申上げられないかも知れませんが、私どもの学究的な立場でこれを七百億と見まして、これを還元をしますと申しますか、二十五年度との関係を見まして、課税所得を二千億と見ております。従いまして税引きの利益が、二十五年度においては千百三十億、二十六年度においては千三百億、このうち社外に流出するものが、配当金、重役賞與がありまするが、配当金が二十五年度は二百億、二十六年度は百五十億、重役賞與は、二十五年度が百億、二十六年度が百二十億、そういたしまして、それを差引いた社内留保が、二十五年度は八百三十億、二十六年度が九百三十億、この配当金等につきましては、現在取引所に上場してある株式の拂込金額が約千億、上場しないものの拂込金額が千二百五十億というような金額が別に與えられるのでありますが、それに対して上場株のほうが配当率がよい、上場してないものは配当率が惡いというような別の計算をいたしましてこういう数字を出してあります。二十五年度から二十六年度への配当金或いは重役賞與等の増加額は、これは二十五年度における増資拂込分に対しまする配当の増加というようなもの、又それに伴う二十億程度の重役賞與の増加というものを想定いたしておるわけであります。そうして今申上げました社内留保でありますが、これは利益のある法人だけの話で、別に国民所得をサンブル調査をいたしましたものから推定いたしました際に欠損になる法人もありまして、それで欠損法人分を二十五年度二百億、二十六年度百億、それから差引きました法人の純留保所得が、二十五年度は六百三十億、二十六年度は八百三十億、こういうものが出て参ります。これはすでにお配りしてあります法人の剩余所得の合計と合致するのでありますが、これを設備資金運転資金に分けておるのでありますが、大体設備資金をそのうちの三分の一程度、それから残りが運転資金というようなことになつております。なお、これはまあ大した資料ではございませんが、この分は手許にございますから、或いは木村さんに見て頂いても結構であります。一般にお配りするほどまだ金額も詳しいものではございません。
  25. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 もう一ついでに配当率ですね、企業別の配当率なんかがわかりましたら、そういうような調査はございませんか。
  26. 内田常雄

    政府委員(内田常雄君) ございます。
  27. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 例えば纎維工業においては平均配当率どのくらいか、産業別にですね、鉄鋼においてはどのくらいか……。
  28. 内田常雄

    政府委員(内田常雄君) 御要求に副うものが得られますかどうかわかりませんが、今申上げました、例えば配当金は、上場株式については平均一四%の配当、非上場株式については平均五%という計算をいたしておりますから、その基礎になるものが別にございますから、御要求になるものとぴつたり合うかどうかわかりませんが、御参考にお届けをいたします。
  29. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 二十四、五、六あたり年度としておりましたら……。
  30. 内田常雄

    政府委員(内田常雄君) 承知いたしました。
  31. 岩間正男

    ○岩間正男君 ついでに資料をお願いしたいのですが、安本からダレスさんに出した要請内容があると思うのです。それと附随した提出資料があると思いますから、これを頂きたいと思います。
  32. 小峯柳多

    政府委員小峯柳多君) 只今の資料に関しましては、実はそういうことをときどき言われるのでございますが、実際上ございません。内容については総理から申上げたことがあるかも知れませんが……。
  33. 岩間正男

    ○岩間正男君 出した事実はありませんか
  34. 小峯柳多

    政府委員小峯柳多君) ありません。
  35. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 自立計画、三ヵ年計画と二十六年度の一年の計画を聞いたのですが、自立計画初年度としての二十六年度計画はまあここに大体出ておるわけですが、それと二十六年度の年次計画といいますか、それとは大体合つておるのですか、若干の開きがありますか。
  36. 内田常雄

    政府委員(内田常雄君) この資金計画におきましては、先ほど課長から説明いたしましたものは経済自立計画の二十六年の資金供給見込額より殖えております。その相違はこれはこの自立計画に関する資料の中の経済バランス、国民経済予算といいますか、があるはずでございますが、これは佐多先生も御承知のように一方左側に国民所得及びその他とれに附加するものを加えて、それを右側では配分しておる。その右側の配分のものをそのまま配分したのではない、別にそれぞれ予算なり或いは資金の別の需要から拾いまして右側にそれをはめ込んでおる、そのために結論としてこの配分のほうに配分未済所得というものが載つておるはずでございます、右側に。この自立計画の何頁か、私の持つておるものには載つておりませんが……二十三頁でございますか、この国民経済予算の配分という欄の下のほうから二行目でございましようか、配分未済所得というものがございまして、左側のような所得があつても、右側にこれが財政支出になるのか、個人支出になるのか、はた又産業資金に支出されるのか、計算上損する……。こういうものが載つておりますが、この配分未済所得というものを今後の我々と申しますか、政府政策によつてできるだけ産業資金化したいというので、御承知のように先般来資本蓄積のための税制改正とか、資産の第二次再評価とか、積立金の繰入れその他の法人、個人を通ずる資本蓄積対策をとるわけであります。それに従いましてこの配分未済所得というものが上の欄にある民間資本形成というところにだんだんずれて参るような考え方とつておりますために、産業資金の供給額は先ほど説明しましたものは、この配分未済所得を残したままの産業資金より殖えて来ておる、こういうふうに御理解願いたい。大体は合つております。
  37. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 例えばその次の表の総合資金需要見込によりますと、二十六年度計画で通貨増発は五百億になつておるのにこちらのほうは百五十億ということになつて、可なり数字が違つて来ておるのじやないか、今おつしやつた程度のものではない。そうするとこれは資金のほうは特にいろいろなこれは時期的に言つて或いは秋頃におやりになつたと思うので可なり違つて来ると思いますが、それとこれと、今の二十六年計画とめ対比は更に検討して御質問したいと思つておるのですけれども同じような計画生産計画貿易計画その他にあるのかどうかという問題なんつです。
  38. 佐々木義武

    政府委員佐々木義武君) 貿易計画のほうはこの單価の、先ほど説明いたしましたように九月の末の單価基準にいたしまして、前年度の、現在やつております貿易計画は或いは單価と若干のくるいがあるかと存じますが、そういう違いがございまして、数量的には大した違いはないと思います。それから産業計画に関しましては大体大差なしにやつておるというように承知いたしております。
  39. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 自立計画前提條件のところで物価のほうはどういうふうに御覧になつているんですか。
  40. 佐々木義武

    政府委員佐々木義武君) 物価に関しましては、国民所得を彈きます際に、今年度の三月の想定物価を基準にして二十六年、二十七年、二十八年伸ばしてそのままその価格据置で計算しております。それから貿易單価に関しましては昨年九月末を基準にしておりります
  41. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 本年の三月の想定物価というものはどの程度に見ておられるんですか。
  42. 佐々木義武

    政府委員佐々木義武君) 先ほど申上げればよかつたんですが、ちよつと御つ説明申上げますと、GPIで参りますと二十六年度の想定を二十四年を一〇〇といたしまして九八・八でございます。生産財の実効価格は同じく二十四年を一〇〇にいたしまして一二八・三にしております。
  43. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 この想定は相当狂うんじやないですか。
  44. 佐々木義武

    政府委員佐々木義武君) 或いは狂うかと思いますが、一応の全部の作業をやる建前といたしましてそういう建前で一貫してやつております。
  45. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 それじやわかりました。それからもう一つ生活水準のほうですね。二十六年度八三%というんですか、二十五年度はどのくらいになるお考えですか。
  46. 佐々木義武

    政府委員佐々木義武君) 二十四年度、去年の数字が一番正確な数字があるんですが、御承知と思いますが、例の大内さんなんか、皆さんお集まり願いまして最終的にきめましたのが七六でございます。九月、十月を基準にして都市が七〇、農村七五、平均して七六、答申案では七八というようなことで、まあ七六から七八ということになつております。二十五年度におきましては都市のほうは七五、農村はこれははつきりした点は出て来ませんので、まあ据置くらいに考えますと、大体八〇くらいが本年度水準じやなかろうかという見込でございます。それを二十八年度に大体一割増くらい見まして計算しております。
  47. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 これは大臣にもあとで聞かなければならないんですが、実際にはまあ八〇を割つているんじやないですか。そこで若しそういう場合に二十五年度八〇というものを想定して二十六年度八三を若しか二十五年度下つちやつた場合に非常に狂うんじやないですか。やはり順繰りに狂つて、全体が狂つて来るんじやないんですか。例えば資本蓄積と生活水準のほうの調整を図つて生活水準のほうはこういうふうに飽くまでやつて行く、こういう方針になつているわけですか。
  48. 佐々木義武

    政府委員佐々木義武君) 今までの計算から行きますと都市の計算、これは特に東京の何を基準にしておりますが、GPSの計算におきまして都市が七五くらいが大体あれでございまして下つておりません。十月が若干七〇くらいに落ちたのですが、十一月におきまして七六になつております。ちなみにそれを申上げますと、それを申上げますと、七月以降、ちよつとここにありますが、六月が大体七三で、七月が七六、八月が七〇、九月が七一、それから十月が七〇、十一月が七六、十二月が九二だそうでございます。大体今後平均を取つて見ますと、ですから生活水準は下つているということは少くとも現在ではないと考えております。
  49. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 その点十月からCPSのあれを変えましたが、それをどういうふうにくつけているのですか。
  50. 佐々木義武

    政府委員佐々木義武君) 一応まあ変えたのを継ぎ合してやつておるのです。
  51. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 継ぎ合していいのですか、そういうふうな……。
  52. 佐々木義武

    政府委員佐々木義武君) 誤差は非常に僅かでして、出して大体差支えないのだそうでございます。
  53. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 それではこれは議論じやないですから資料みたいなものを要求したいと思うが、何か調整をとられていると思うのですが、どういう調整とつておるか、その細工なんです。
  54. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 さつきの問題ですが、若し三ヵ年計画初年度計画と、二十六年度おやりになつておる年度計画と余り食い違つていなければそれでいいのですが、例えば貿易額が相当食い違うのじやないかというお話であるとすれば、年度計画をもう少し違つた項目、違つた面だけで結構ですが、少し詳しく資料についてお示しを願いたいのが第一点。  それから第二点は、今のこの二十六年度総合資金需給見込と、この三ヵ年計画初年度計画とは相当食い違つておるので、どういうわけでそういうふうに当初計画したのと極く最近の計画と食い違つて来たのかという点を特に数字についてお示し願いたいと思います。二十六年度の見込は大体あるのですが、二十五年度の実績、推計実績でしようがそれを一つ対比した表をお願いしたいのですが……。
  55. 平井富三郎

    政府委員(平井富三郎君) 自立計画の二十六年度の最近の情勢基礎にいたしまする各種の生産貿易、そういう方面の違いでございますが、先ほど資金需給について御説明がございましたように、数字の食い違いがございますが、生産計画貿易計画の物量的な点につきましては大した変更はないかと考えております。ただ技術……計画のほうでは、先ほど申上げましたように、貿易計画について九月当時に想定いたしました單価でやつております。従つて物資によりましては、当時想定したものよりも或いは運賃その他の関係で騰貴したものもあると思いまするが、全体的な展望といたしましては大した誤差はないのではないかというように考えております。
  56. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 総合資金需給見込の三ヵ年計画ですが、二十四年から二十八年までの数字が一応出ているのですが、その二十六年度の案とここにお示しになつたものと相当違つている、なぜこういうふうに違つて来たかと言う点の御説明を具体的にお願いしたい。
  57. 内田常雄

    政府委員(内田常雄君) 先ほど佐多さんから御質問のございました例えば通貨の関係におきましても、自立経済審議会のほうでは二十五年度末通貨は三千六百億程度なつております。然るに先般御説明ありましたものは四千五十億程度なつたが、その辺がすでに通貨の收支違つて参ります。ところが二十六年度末までを取つて頂きますと、自立経済審議会のほうでは四千五百十六億、それが先般御説明ありましたものが四千二百億程度なつておる。大体さように中身の相違はいろいろございます。大体收支における対民間の支拂超過、或いは金融機関を中心とする日銀信用などの違いの関係がございますが、通貨の金利において同じであるということは煎じ詰めて見ますと、例えば十五ヵ月予算という言葉がありますように、資金関係でも主として今年の一月、まあ昨年の十二月ぐらいから今年の一月にかけて十五カ月間の動きで、来年に入つて動きがあると予想されたものが、二十五年度の終りのほうで出てしまつた。こういう関係が主でございます。例えば財政收支の中の見返資金とか、預金部資金というものはそのまま動きませんが、外国為替会計等の関係で、二十五年度の終りから二十六年度にかけて御承知のような事情のために輸出を見合したというような関係から、支拂超過が生じたということのために、我々として見れば、通貨の供給が一定の生産活動を経済機構に応じて二十六年度に入つて出ていいものが、すでに二十五年度のうちに対民間支拂に出てしまつておる。あとはユーザンスが一つの回転基金みたいになつて、そう大きい狂いはなしに廻つておるという、こういうようなことになるだろうと思います。従つて財政のほうで二十五年度内にそれだけ対民間の支拂が出ますから、その一般金融機関を中心とするところの関係では、この日銀からの資金信用創設というものが自立経済で想定したほど大きくならないで廻る。自立経済のほうでは約七百億ぐらいの日銀の信用創設を二十五年度において考えておるが、それが現実においては二十五年は日銀の信用がそれほど出ないで済むというようなまあ形が現われて来ております。その関係がずつと二十六年にしわ寄せになつて参つて結論としては二十六年度末の総合資金の收支が大体数字が合うと、こういうふうにお考え願いたいのであります。
  58. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 まあ発券高はそれで大体いいのですが、通貨の増発が前の計画のときには五百億程度で、前年度三十五年度と同じくらいの増発は止むを得ないかというようなお見込であつたのが、三十五年度の実績はこれよりもつと殖えている。二十六年度はうんと減つて百五十億で済まされるのじやないかというようなお見通し、これは数だけの問題でなくて、方針なり何なりの非常な何か政策変更か何かでなければこういう変化が起らない。これは量の問題でなくて質的な問題の変化基礎にしているのではないかという感じがするのですが、更に或いは政府資金の民間收支の問題につきましても、この表では二十二億という数字ですが、前の表の場合は百三十五億という数字が出ておる。これらもまあさつき木村委員から要求された資料でもう少し検討すれば問題は出て来ると思いますが、百三十五億で済むかどうかということも私は可なり疑問を持つておるのですが、にもかかわらずこつちのお見込では二十二億くらいで済むというような計画なつているし、ここいらにどういう変化があつたのか、この表をお作りになる場合においてどういう変化を予想して見通しをお考えになつたのか、その辺をもう少しはつきり……。
  59. 内田常雄

    政府委員(内田常雄君) それが先ほど申上げました通り具体的に申すと政府收支における対民間関係が日立経済計画におけるものと、先般御説明があつたものに関連する部分と大変違つて来ておるわけですが、その一番違つておりますのは外国為替の收支であります。外国為替の收支にはなりません自立計画の際は中に表がございましようが、大体外国為替の対民間支拂超過を二千三百億程度と見ておりましたが、最近の状況ではそれが二千八百億を超えるというようなことでこの辺すでに五百億程度の対民間支拂の増加が政府資金の收支の中で起つて来ておる。その他政府資金の收支の面で相当の狂いがありまして自立経済の際は二百億程度財政資金は揚超になる。それを埋めるものとしてと申しますか、それに対して日銀を中心とする一般金融機関との資金收支では約七百億程度の信用の創設があつて、結局通貨が五百億程度の増加になる、こう見ておりましたものが、それが今申すように最近の状況では財政收支のほうに相当の対民間の支拂超過が先に起つて来て、本年なら二十六年度を通じて起つていいものが先に繰上つて来たようなかつこうで、予算としてはこれは狂いはないのですが、対民間收支の関係で、先に起つて、その分だけ一般金融機関と日銀との間の資金收支は前の自立経済の予想よりも狭くなつて来ておつた、それを差引きましても通貨全体としては初めの五百億の増加に対して九百億、或いはそれ以上の増加になることが起つてつて来ておる。それを受けまして二十六年度においてはそのしわ寄せが行われる、こういう状態であります。
  60. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 安本次官一つお伺いして置きたいのですが、生活水準の問題ですね。先ほど自立計画は実施計画であつてと、非常に自画自讃されておりましたが、とにかく我々はこういう作業については、苦心されたことについては敬意を表しますが、実施計画だけに、我々は非常にこれを重視するわけです。こういうようにうまく行けば非常にいいと思うのですが、我々が一番重大視しているのは生活水準の問題なのです。そこで今後のいろいろな国際情勢変化その他を考えますと、特需、それから輸出国内需要との調整の問題、これが非常に重要になつて来ると思うのです。特に最近警察予備隊の強化とか、或いは再軍備的な、そういう需要が起つて来る。或いは最近輸出なんかでも、国内の鉄の値段より海外のほうが遥かに高いのでどんどん海外に行つておる。非常に輸出が殖えておる。併し国民生活のほうはそれに非常に食い込まれる、こういうことは当然予想されると思うのです。従つて安本でこういう計画をお立てになつたということは、自立計画というものは生活水準の向上をも可能ならしめるような内容のものが、これが非常に重要なモメントになつておりますから、そういう事態が生じたときに特需、或いは輸出、或いは又そういう非生産的な需要が起つて来たときに、そういうものを抑えて、やはり生活水準はこういう方針で行く、引上げて行く、こういうつもりでおられるかどうか。そういう場合には特需も一応調整する、調整に努力する。輸出のほうもむやみに輸出ばかり努力するのじやなく輸出入のバランスをとつ考えて行く、要するに生活水準は本当の向上を可能ならしめるという方向に努力をされて行くかどうか、この点が非常に重要だと思うのです。特に日本経済はこの作業されたときと非常に質的に国際情勢変化から変つて来ておると思うのです。この点について本当にそういう決意があるのかどうか、この点が実施計画として我々非常に重要視するわけなのですが、この点についての御見解を伺いたい。
  61. 小峯柳多

    政府委員小峯柳多君) 御指摘の点は今国際的、国内的な環境変化によりまして、一番実は私どもの関心の深いものであります。ただそれを生活水準を忘れて辻棲を合せるということでは国内の本当の経済力にもなりませんし、非常に治安の問題も惡くなります。そこで今御指摘のような面で調整しまして、その線を一応は確保したい、そういう決心でおります。
  62. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 もう一つ伺いたいのですが、先ほど生活水準の統計ですが、十二月は、昭和九——十一年に対して九二%、こういうふうに上つているという統計なのですか、そうしますと二十八年度水準を扱いちやつておる。若しそうだとするとこれは引下げるのですか。それはどういうことなのですか。
  63. 小峯柳多

    政府委員小峯柳多君) 月々にとりましたから、季節的な差異は出ておると思いますが、詳細は事務当局から御答弁いたさせます。
  64. 矢野智雄

    説明員(矢野智雄君) 代りまして御説明申上げます。この生活水準数字は、九、十、十一月の年間平均を一〇〇としておりますから、従つて十二月の場合には季節的に非常に増加するわけであります。若し仮に季節変動を除いて見ます場合には、十二月の九二を年間にならして行かなければならない。従つて逆に八月、九月というところをニポイントばかり上昇させて行くという方法で季節変動を除くことができるわけであります。ただここでは月々の推移を見たいために一応年間平均を一〇〇としておるのでありますから、こういつた数字になります。例えば二十四年の数字はこれはやはり例年十二月は上つておりまして、二十四年の数字は約九五になつております。三十五年の十二月は若干これより低いのですが、九二になつております。先ほど二十五年度の見込の生活水準を出します場合には、こういつた要素を全部ひつくるめまして、年度間としてどうなるか、その見通しを一応七五としたのでありますが、これは十月頃までの実績の推定でございますが、現在でもその推定を変える必要がないと思います。
  65. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 それはわかりましたが、大体七五ですか。
  66. 矢野智雄

    説明員(矢野智雄君) 二十五年度の平均で七五、都市の水準であります。
  67. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 そういうわけですね。
  68. 矢野智雄

    説明員(矢野智雄君) 農村は約八五、六と見込みまして、全国の平均値は八〇というのがこの三ヵ年計画の二十五年度の推定生活水準であります。
  69. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 八九という生活水準目標にされたのですが、この目標をどういう意味で推定するか、これにどういう意義を持たすかというような問題は後ほど大臣にお聞きすることとして、ただ問題になりますのは、さつきお話の通りに人口推算が二十八年度八千八百万人は少し大き過ぎるんじやないかというお話、それから生産のほうはもう少し伸び得るのじやないかというようなことから考えますと、生活水準はそれらを基礎にするともう少し高目に見得るのじやないか。そういう点に関連してもう少し生活水準を高くすることが必要なことはもう殆んどお認めなんだろうと思うのですが、今のような考え方で行くと可能でもあると思うのですが、その辺はどういうふうにお考えなつておりますか。
  70. 小峯柳多

    政府委員小峯柳多君) この計画が実際問題として伸びるといつたような場合には当然今御指摘のようなことになるだろうと思います。私ども生活水準は上るほどいいのですから、特にそれに釘付けするというようなことは考えておりません。
  71. 佐々木義武

    政府委員佐々木義武君) 只今おつしやいましたように若し人口の推計が或る程度減りますと当然それは地域別にいたしまして、物の面から考えて行きますと、先ほど申しました地域別に農家経済調査を基準にいたしました生活水準裏付になる物量の面を考えて行きますと、大体八九%ぐらいが一番妥当な線ではなかろうかという計数が出て参りまして、特に今後生活水準を上げますときに一番問題になりますのは、食糧の問題よりもむしろ衣料の問題が中心になつて参りますので、生産の将来の伸び、或いは先ほど申しましたような人口推算から考えますというと、このくらいが一番妥当な線ではないかと思います。
  72. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 そうしますと、三十八年度戰前の八九%の生活水準というのは、内容的に言うと、例えば食糧について、或いは衣料について内容的に言うと、一人当り、或いは都市、農村に分けてどいうふうな生活内容を持たせておられるのであるか、お伺いしたいと思います。
  73. 佐々木義武

    政府委員佐々木義武君) 一応の推定でございまして、余りはつきりしたお答えはできませんのですが、主食並びに非主食或いは衣料等を全部とりまして、その内容生産伸びに従いまして人口で割つて参りますと、一人当りの平均が出て参るわけなんでございますが、それによりますと総合指数が二十五年が八〇で、二十八年が八九になる内容は、主食が今年度が九一で、二十八年度が九七・四になります。それから非主食でありますが、今年度は六九・一が二十八年は七九・三になりまして、その中にはいろいろ魚介とか、肉とか、卵とか、豆類とかいろいろございますが、その内容の内訳は省略さして頂きまして、一番問題になります衣料の点は、今年度が四一・六ぐらいでございます。二十八年度には六九・一ぐらいになりまして、この点でずつとウエイトが上つて参りまして、加重平均で総合いたしますと、さつき言つた今年度八〇といたしますと八九になるというような物量的な計算になるのでありまして、大体さつき申しましたような平均指数の裏腹にこの物の面でも一応基礎付けができるという建前なつております。
  74. 佐多忠隆

    ○佐多忠隆君 その生活内容を今の物資別の指数とそれから絶対価、それを一つ資料で御提出願いたい。
  75. 石坂豊一

    ○理事(石坂豊一君) ちよつとお諮りいたします。自立経済計画等の重大なる問題についてはなお皆様のほうに御質疑が残つておると存じますが、その御質疑は別に日を決しまして御発言を願うことにいたして、本日はこの程度で散会いたしたいと思いますが……。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  76. 石坂豊一

    ○理事(石坂豊一君) それでは本日はこれで散会いたします。    午後四時二十八分散会  出席者は左の通り。    委員長     波多野 鼎君    理事            石坂 豊一君            佐多 忠隆君            伊達源一郎君            藤野 繁雄君            櫻内 義雄君            東   隆君            木村禧八郎君            岩間 正男君    委員           池田宇右衞門君            泉山 三六君            大島 定吉君            小野 義夫君            一松 政二君            平岡 市三君            安井  謙君            山本 米治君            加藤シヅエ君            下條 恭兵君            前田  穰君            菊田 七平君            堀木 鎌三君            矢嶋 三義君   政府委員    大蔵政務次官  西川甚五郎君    大蔵省主計局次    長       石原 周夫君    経済安定政務次    官       小峯 柳多君    経済安定本部総    裁官房長    平井富三郎君    経済安定本部総    裁官房次長   河野 通一君    経済安定本部総    裁官房経済計画    室長      佐々木義武君    経済安定本部財    政金融局長   内田 常雄君   事務局側    常任委員会專門    員       野津高次郎君    常任委員会專門    員       長谷川喜作君   説明員    経済安定本部総    裁官房調査課勤    務       矢野 智雄君    経済安定本部財    政金融局金融政    策課長     太田 亮一君