○
政府委員(平田敬一郎君)
歳入予算の概要につきまして、御
説明申上げます。その
基礎をなしますところの本
年度の
税制改革の
内容につきまして、最初に申上げまして、その次に
歳入予算の算定の
基礎につきまして、御
説明申上げたいと思います。
改正の要綱につきましては、
只今お手許にございまする
予算の
説明書の十八頁に載
つておるのでございますが、これによりまして御
説明申上げたいと存じます。
税制の
改正案につきましては、目下
法律案の大部分は閣議の決定を経まして、
関係方面に提出いたしておるのでありまして、承認の手続中でございます。近々承認を得まして、国会に提出する運びに相成るかと思
つておりますが、まだ提出し得るまでには至
つておりません。ことを御了承願います。今
年度におきまする
税制改正の
内容は、大体三つの点に盡きるかと思います。第一点は、先ほどからも
説明ありましたように、
減税を行うという点でございます。その必要性その他につきましては、御
説明申上げる必要はないかと思いますが、できるだけの
減税を行うということであります。それから第二の点は、
税制につきまして補正的な
改正と申しますか、二十五
年度におきまして国税、地方税を通じまして、全般的な
改正を行いました直後でございますので、この際更に根本的な
改正を行うのは如何であろうかと
考えましては、むしろ二十六
年度といたしましては、昨年の
改正に引続きまして、補い正すような意味の
改正を行いたいというのが第二点でございます。それは主といたしまして、簡素化或いは一層の公平化等を期しまして、
改正しようという点でございます。それから第三の点は、最近特に緊要性を帯びて参りました自立
経済の確立に伴う
資本蓄積に関しまして、
税制上できる限りの措置を講じたい、こういう
改正でございます。
大体以上の三つのグループに入るかと思いますが、以下
内容につきまして若干御
説明を申上げたいと思います。詳細な点は
法律案提出後、更に御
説明申上げたいと思いまするが、大体を申上げますと、すでに御
承知の
通り、間接税につきましては、前国会におきまして、大部分
減税法案が成立いたしまして、これはいずれも恒久的な
改正とな
つております。即ち酒税の引下げ、ガソリン税、
物品税の引下げ、砂糖消費税の引下げ等が主なものでございますが、これらは勿論前国会にありましたが、本
年度の
減税計画と併せ
考えまして、実行いたしたのでございます。従いまして間接税につきましては、後に述べまする微細な点を除きますれば、大部分前国会で終了したということが言えるのであります。今度の国会に提案されますのは、大部分直接税の
関係でございます。而もその中で最も大きいのは
所得税の
改正でございます。
所得税につきましては、御
承知の
通り、一月から三月までの
給與に対しましては、暫定法によりまして軽減を行な
つております。今回はこれらの軽減を吸收いたしまして、本格的な
改正を行おうという点でございます。先ず
所得税の
内容を若干申上げますと、
基礎控除につきましては、二万五千円を三万円に引上げる、
扶養控除につきましては、一万二千円を一万五千円に引上げる、不具者
控除も一万二千円を一万五千円に引上げる、それから
税率にきましては、先般要綱でお示ししましたように、中間の階級を少し削除いたしまして、順次
税率を上のほうにずらすことによりまして、
相当の軽減を図ろうというのでございます。即ち現在ありまする八万円の所得区分と、十一万円の所得区分を削除いたしまして、新たに三十万円を超える金額と、百万円岸超える金額の二階級を設けまして、それぞれ
税率を上にずらすという
改正でございます。それによりまして、今後の中間階層の
税率は、
相当軽減されるということに相成るかと思
つております。以上申上げました四つの点は、すでに
給與所得につきましては、暫定措置法に盛りしこんでおるのでございまして、その
内容と、今回行いますものとは同じでございます。ただ
給與所得につきましては、端数を若干切捨しております
関係上、新
法律によりますと、
不足の分が若干軽減になるという点はございますが、大部分は同額と御了承願
つてよいかと思います。今回
所得税につきまして、新たに附加えようと
考えております点は、以下これに述べまする点でございまして、一つは新たに各種の
控除制度を設けようという点でございます。その第一は、未亡人につきまして、所得から一万五千円の特別
控除を行おり、但し未亡八の中には扶養親属のある未亡人に限る予定でございます。と同時に、他方未帰還者の婦人等、夫の生死が不明なものにつきましては、これはやはり未亡人と同様な
控除を行おうと
考えておるのでございます。それからその次は六十五歳以上の老年者につきまして、一万五千円の特別
控除を行おうという点でございます。この二つの
控除は、いずれも所得金額の種類、額の如何を問わず、すべての該当者に
控除しようという
考えでございます。第三は、勤労学生につきましても、やはり一万五千円の特別
控除を行おうというのでございます。但しこれにつきましては、所得金額が大体十万円以下であり、且つ
資産所得が五万円以下という、この制限を設けまして、これに該当する勤労学生につきまして、一万五千円の
控除を行おうと
考えておるのでございます。勿論大部分の勤労学生につきまして、この
控除が行われるということに相成るかと思います。それらの点はいずれも資力が乏しいものに対する、いわば社会政策的な考慮も入れまして、特別
控除を行おうという点でございます。それから次は
生命保險料につきまして、二千円まで特別
控除を行おうという点でございます。これは主として生命保險の奨励と言いますか、
資本蓄積等を
考えまして、特に考慮しようという
制度でございます。勿論加入者の年齢その他によりまして違いますが、大体普通の場合でございますと、五万円前後の
保險金額まで
控除される、保險料を
控除されることに相成るかと思います。二千円は所得
控除でございますので、それ以上の所得者につきましては、
相当な勿論軽減になるかと思います。下のほうにおきましても同様でございますが、
所得税が下るだけ保險料を割引するのと同様な結果になりまして、
相当保險の促進に役立つものと
考えております。それからその次は
資産所得の合算制と、扶養親属所得の合算制をやめようという点でございます。それで御
承知の
通り二十五
年度の
改正で
所得税の合算は
相当大幅に整備してしま
つたのでございますが、現在なお残
つておりますのは、未青年の子供と奧さんの
資産所得、配偶者の
資産所得、
資産所得と申しますのは、配当利子、それから地代、家賃といつた純粋の
資産所得でございますが、そういう所得につきましては、同居親族の所得を合算する
制度を存置しておりましたが、これをやめようというわけでございます。それからなお扶養親属につきましても、一万五千円以上の扶養親属の所得がある場合は、これは扶養親属として
控除いたしませんで、
資産所得以外の所得は分離課税しておるわけでございますが、一万五千円未満の所得があります場合には、その所得を扶養親属の
控除を行います反面、所得を合算して課税することにいたしております。これもこの際やめようという
考えでございます。これは主として簡素化等の見地を重んじまして、こういう
改正を行おうという
考えでございます。それからその次は預貯金の利子に対しまして、
源泉課税選択の
制度が、我が国におきましては久しく認められていたのでございますが、二十五
年度の
改正で、総合課税の
建前を貫きましてやめてしま
つておるのでございます。併しながら最近の貯蓄の状況等から顧みまして、この
制度は是非存置して欲しいという強い要望もございまするし、この際貯蓄奨励、
資本の
蓄積という点を重視いたしまして、今までありました
制度をこの際再び設けようという
考え方でございまして、
税率は百分の五十
程度の
税率といたしたい。所得階級三十万円を超える場合におきましては、選択したほうが有利だろう、こういうことになるわけでございます。そういう
制度の復活を考慮するというわけでございます。それからその次に書いてあります青色申告者に対しましては、従来も若干の優遇をいたしておるのでございますが、この際特に青色申告者に対しまして、更正決定を行
なつた場合は、異議の申立をして、而もそれが再調査、審査という行政処分の
段階にまだ繋続中である、こういう場合におきましては、差押え、競売等の強制措置による徴税は停止する、やらないということにいたしたい、そういう
改正を
考えておるのでございます。
それからその次は
所得税の納期でございますが、御
承知の
通り、現在は、
所得税は六月、十月、一月、こういうふうにな
つております。農業は七月、十一月、二月で、差
当り本年の確定申告だけは御
承知の
通り臨時措置で一月延しまして三月にいたしておりますが、これは諸般の事情を
考えまして、やはり納期につきまして、確定申告は今後恒久的に二月にしたほうがよろしいという
考えでございます。それに応じまして、予定申告の納期も、簡素化等の見地と併せ
考えまして、農業所得者と同じように七月、十一月、二月の三期にいたそうという
改正でございます。これは勿論農業徴税の便宜と簡素化という点を
考えまして、このような
改正をなしたのでございます。その他
所得税につきましては、
源泉納税者が確定申告をしなければならない限度も、現行法によりますと、
給與所得の場合は三十五万五千円からでございましたが、これを五十万円
程度に引上げる、その他間接税等の簡素化の
ための諸
改正を行いたいと
考えております。
以上が
所得税の
改正の大要でございますが、次は
法人税でございます。
法人税につきましては率直に申上げまして、二十五
年度の
改正で実は
相当大胆且つ根本的な
改正が行われたのでございます。即ち超過
所得税を廃止いたしましたのと、配当
所得税に対しましては、従来の
源泉課税を取り止め、そのほかに更に配当所得を個人に総合しまして課税する際に、配当所得の二割五分を税額から
控除する、こういう根本的な
改正を行
つておりますので、この際
法人税について更に再び
一般的な軽減等を行う必要がないと
考えたのでございます。以下申上げますのは、特別な見地からそれぞれ
考えようという
改正でございます。即ち第一の点は積立金に対する
法人税でございますが、これは二%軽減する。この課税を廃止しよう。但し同族会社につきましては、現在七%の積立金課税を行
つておりますが、その二%の分だけをやめまして、五%は残して置こうという
考えでございます。これは主として会社の社内留保の増加を図るという
考え方に基きまして、特別措置として、行なおうというのでございまして、その点は
租税特別措置法の
改正によりたいと
考えております。
次は償却でございますが、償却の問題につきましては、ここに書いてありますのは、普通の償却のほかに特定の機械設備等に対しましては、三年間特別の割増償却を認めようというのでございます。通常の方法で計算しました償却額の五割増に
相当する額を特別に償却させようというのでございます。大体機械等は十五年乃至二十年くらいの耐用年数のものが大部分でございますが、十八年くらいの
資産でありますと、これによりますと、三年目には取得
価格の半分が償却できる。つまり帳簿
価格が三年後には半分くらいになるかと思います。大体その辺のところを標準にいたしまして、このような
特別償却の
制度を法文化いたしたいと
考えております。機械設備の
内容は、通産省で
考えております機械の近代化の必要に基く特別の機械並びに船舶等身予定しております。その細目は政令等で細かく
規定いたしまして、妥当を期する
考えでございます。なお償却につきましては、このほかに
一般の耐用年数を全面的に
改正いたしまして、最近の事態に即応するような新たなものにいたしたいということで目下
研究いたしております。これは政令事項にな
つておりますので、併せて
研究いたしまして、少くとも本年の四月一日以後終了する事業
年度分から適用するようにいたしたいというので、目下具体案を取りまとめ中でございます。それを附加えまして申上げて置きたいと思います。
その次はこれは見返
資金が所有しております優先株、勧業銀行、農中等の優先株を引受けておりますが、この株式の配当につきましては、社債の利子等に準じまして、損金に見ようという
改正でございます。これは主としてその
資金コストをそれだけ低くいたしまして、こういう特別の
資金による金利負担を軽減しようという
考えでございます。
それから次は相続税でございますが、相続税につきましては、生命保險につきまして特別の考慮を拂おうというのでございます。即ち相続人の死亡により
支拂われます生命
保險金のうち、十万円までの金額を特別に
控除しよう。受取人が相続人の場合でございますと、新らしい相続制は相続人ごとに課競いたしまするので、子供が三人おりますると、三人がそれぞれ別々に受取人といたしますと、三十万円までは相続税がかからない、こういうことになるのであります。この措置も
相当保險の奨励に役立つものと
考えております。
それからその次は通行税でございますが、これは航空機の乗客に対しまして、現在課税してございませんが、最近航空機の輸送が始まろうという情勢でございますから、それにつきまして、普通の汽車並に課税しよう。その反面汽船の二等乗客につきましては、先般の国会等でも大分問題になりましたが、二等は汽車の三等に大分近いじやないかという点を
考えまして、課税を廃止しようということにいたしております。それから砂糖消費税は、先般の国会にも御
説明申上げましたように、今まで
輸入砂糖に対しましては免税をいたしておるのでございますが、この臨時免税の
制度をやめまして課税いたそう。
税率は先般の国会で
相当大幅に引下げましたので、引下げました
税率をそのまま適用する
考えでございます。大体小売
価格に二割響くものと
考えております。百斥について千円の市中の砂糖の
税率でございます。その他間接税にきましては、先般の
改正で少し洩れた分につきまして、補正的な
改正を行おう。印紙税、骨牌税等につきまして、軽微の
改正、引下げを行う
考えでございます。以上が
歳入に
影響ある主なる事項でございますが、なお国税徴收法、税務代理士法等につきましても、全面
改正を図るつもりで、目下案を取りまとめ中でございます。但しこれらの
法律案は若干遅れて提案することに相成ろうかと思います。
最後に
資産再評価でございますが、再評価につきましては、昨年全面的に実行いたしたわけでございまするが、その後の情勢によりますと、動乱以後、企業の整備状況が大分よくな
つておるのがあるようでございます。それに初めてのことでございましたので、周知徹底、企業者の
研究等が不十分な点があ
つて、再評価を行わなかつたという向きもあるようでございます。この際再び再評価を行う機会を與えたらどうかというので、今
年度におきましても、新たに再び再評価を行うことを認めよう。
條件は大体前回と同様にする見込でございますが、ここにも書いてあります
通り、
資産再評価積立金の
資本への組入れを早期に認めるという趣旨で、現行法にありまする三年後、三年を経つまでは組入れをしてはならないという
規定を削除いたしまして、四分の三まではいつでも
資本金に組入れることできるようにいたしたい。そういう点を
改正いたす
考えでございます。以上の点が主なる
改正の
内容でございます。
次に、この
歳入の積算の概要を申上げたいと存じます。この点につきましては、後ほど目下細かい計数を整理中でございまして、近く印刷いたしましてお配りするつもりでございますので、本日は要点だけを申上げまして御参考にいたしたいと思います。先ず
所得税でございますが、所従税におきましては、大体課税所得の増をどう見ておるかということを申上げますと、
給與所得、勤労
所得税でございまするが、勤労
所得税におきましては、二十五
年度に比べまして、二十六
年度の所得の増を八・二%と見ております。それによりまして、それぞれ現行
税法を当嵌めまして計算しました税が、なお若干過
年度から当
年度分に増額される、過
年度から繰越した増がございますが、その二つを合計したのが現行法による
收入見込額千三百六十一億五千二百万円でございます。当
年度の分がそのうち千三百三十七億六千三百万円、それから前
年度からの繰越の分を三十八億八千百万円ほど見込んでございます。これらの計数はすべて後ほどプリントにいたしまして、提出する見込でございます。
給與所得以外のものを五十一億円ほど見込んでおります。それから申告
所得税につきましては、所得の増を二十五年に比べまして、二十六年は大体次のように見込んでおるのでございます。農業が一〇・四%の増、営業が一五・二%の増、その他事業が一〇・二%の増、合計いたしまして、一二・一%の所得の増加を見込みまして、それにその
数字によりまして、それぞれ二十六
年度の課税見込額を計算し、それに現行法を当嵌めて計算しましたのが現行法による見込税額でございます。その内訳の詳細も近く資料といたしまして提出いたします。それによ
つて詳細御覧願ひたいと思うのでございますが、当
年度分の賦課見込税額が推定千六百十九億一千五百万円に対しまして、二十六
年度中に入
つて来る率を七・五%と押えまして、千二百十四億三千六百万可と見ております。それに過
年度分の、二十五
年度以前の分の繰越
收入額を合計いたしまして、二百六十五億七千二百万円見まして、合せまして千四百八十億八百万円と現行法による税額を見込んでおるのであります。それに
改正法による税額は、それぞれ
基礎控除、
扶養控除或いは
税率の
改正等をそれぞれ計算いたしまして算定いたしましたのが
改正法による税額でございます。その内訳は、
減税の内訳は後ほど申上げます。
それから
法人税につきましては、二十六
年度中の平均
資本金、拂込
資本金、補償積立金、それを三千九百十六億四千二百万円と見込みまして、それに対する利益率を最近の状況からして五二%と見ております。それで所得を二千三十六億五千四百万円、それに若干の——減価償却の年数等の
改正による減を差引きまして、二十六
年度の課税所得見込金額を一千九百十九億三千七百万円と押えております。そのほかに特殊法人等の課税所得を二十一億七千八百万円、合せまして課税所得金額の合計を一千九百四十一億千五百万円、それにそれぞれ
税法を適用いたしまして、当
年度分と過
年度分を計算いたしまして現行法による税額を算定いたしたのであります。更に
改正法によります積立金の課税の廃止、その他の
改正による減を差引きいたしまして、計算いたしましたのが当
年度における
收入見込額六百三十六億四千五百万円と相成る次第であります。
なお、このほか相続税、富裕税等につきましても、それぞれ最近の資料を基にしまして、二十六
年度の増加割合をそれぞれ適用いたして計算いたしまして、算定いたしたのでございます。酒税も同様でございますが、酒税につきましては、酒の原料米六十万石、麦三十万石、甘藷一億九千万貫といたしまして、製造される酒類についてそれぞれ
改正前と
改正後と倉出し
石数を算定いたしまして計算いたしたのがこの税額であります。大体
石数を申上げますと、
改正後におきましては、総
石数来年四百十万石の見込みでございます。自由販売酒が三百六十万石、配給酒が五十万石でございます。で配給酒の五十万石は現行法による場合も同額でございます。現行法でございません先般
改正になりました前の旧
税法による
石数でございます。それとの差額をそれぞれ計算いたしまして、新旧の差額を計算いたしたのでありますが、ここに
歳入の表にありますものの中で酒税と
物品税、揮発油税、それから砂糖消費税は両者がございますが、この中には先ほど申上げました前国会ですでに通過しておる分も合せて計算いたしておりますことを附加えておきたいと思います。その他もそれぞれ同様な方法で計算いたしたのであります。関税
收入でございますが、関税
收入につきましては、二十五
年度は十五億計上しておりますが、これを五十億計上することにいたしたのであります。これは先般から関税定率法につきまして全面的な
改正を目下立案中でございまして、大体におきまして
関係方面の内諾を得まして、国会に提出し得る運びになる見通しが付きましたので、このような見積りをいたしたのであります。主なる
内容は香油類、それから化学製品、油脂類、機械類等の関税が大部分でございます。その内訳も後ほど資料にして提出する見込みでございます。なお、この際御参考までに、先ほど申上げました
改正による減收見込額だけの内訳を申上げてみたいと思います。これも後ほど資料として提出する見込みでございますが、要点だけ申上げます。先ず
所得税においては
基礎控除の引上げで百八十五億六千九百万円、細かい端数は省略いたしますが、
扶養控除の引上げで二百四十三億七千四百万円、
税率の
改正によりまして百四十七億三千二百万円、合せまして五百七十六億七千五百万円というのが、大体
扶養控除、
基礎控除、
税率の
改正で
減税になる分でございます。その他未亡人
控除の分が五億五百万円、老人の
控除の分が五億円、学生の
控除の分が三億千七百万円、合算
制度の廃止によりまして七億四千四百万円、
生命保險料の
控除によ
つて十六億七千五百万円、これは先ほど申上げました簡易生命保險等もすべて入りますので、すでに二千円以上拂込み、保險に入
つておる人の場合におきましては
基礎控除を二千円引上げたと同じ効果を持つわけであります。頭数が
相当多うございますので、
歳入におきましても
相当響くようでございますが、十六億七千五百万円の減收でございます。合せまして三十七億四千百万円でございます。それと
税率等の
改正の五百七十六億を加えまして、六百十四億千六百万円が
所得税の
減税による減收額でございます。それから
法人税につきましては、積立金をやめることによりまして五億四千万円、それから
特別償却によりまして七億四千五百万円、このうち
特別償却は順次二年目、三年目になるに従いまして累積して増加することになりますが、初
年度は七億四千五百万円という
程度になります。それからさつきの見返
資金の優先株の分が一億三千万円、それに
再々評価を行うことによりまして償却が増加することによ
つて十五億四千三百万円、合せまして二十九億五千八百万円の減になります。それで相続税のほうは一億八千万円その他
印紙收入におきまして一億八千三百万円、その半面
資産再評価を行うことによりまして再評価税の増額でございますが、これは十五億千四百万円でございます。それから砂糖消費税の
改正によりまして六十億の増加、これらのものとそれから先ほど申上げましたすでに国会を通過しておりまする間接税の減、全部合せまして七百四十三億千六百万円に相成るのでございます。これらの資料は整理いたしまして、後ほど提出する見込みでございます。
以上甚だ概略でございましたが、御
説明申上げた次第であります。