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1951-03-09 第10回国会 参議院 郵政委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年三月九日(金曜日)    午後一時四十六分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○郵便法の一部を改正する法律案(内  閣送付) ○郵便貯金法の一部を改正する法律案  (内閣送付) ○郵便振替貯金法の一部を改正する法  律案内閣送付) ○郵便貯金法に基いて保管する証券の  整理に関する法律の一部を改正する  法律案内閣送付)   —————————————
  2. 大野幸一

    委員長大野幸一君) 只今から委員会を開きます。  本日は郵便振替貯金法の三都を改正する法律案郵便貯金法の一部を改正する法律案郵便貯金法に基いて保管する証券整理に関する法律の一部を改正する法律案郵便法の一部を改正する法律案について御審議を願います。いずれも予備審査でございますが、一応これより提案理由説明をお願いいたします。
  3. 田村文吉

    国務大臣田村文吉君) 只今議題となりました郵便法の一部を改正する法律案郵便貯金法の一部を改正する法律案郵便振替貯金法の一部を改正する法律案郵便貯金法に基いて保管する証券整理に関する法律の一部を改正する法律案、以上四つの法律案について提案理由を御説明申上げます。  先ず郵便法の一部を改正する法律案について申上げます。現行郵便法は、新憲法制定に伴いまして、その内容を新憲法の精神に即応せしめる必要に基きまして、昭和二十二年急速に制定せられたものであります。その際郵便取扱制度内容改正は短時日で成案できるものにとどめ、その他は新郵便法制定後できるだけ速かに改正することとせられていたのであります。從いまして、郵政省におきましては、その後郵便取扱制度をできるだけ国民の希望するところに合致するようなものにして、郵便サービスの改善を図ろうと種々考究して参つたのであります代今般その案がまとまりましたの。ここに郵便法の一部を改正する法律案提案することといたした次第であります。以下改正の要点について若丁御説明申上げます。先ず、新に制度を設けようとするもりについて申上げます。第一は、小包葉書制度であります。小包郵便物には、現行法規の下では信書合装又は添付が認められていないので、小包を送つたことを知らせる手紙と小包とが同時に届けられないのを常とし、利用上著しく不便な場合がありますので、小包に添附して荷札をかねて同時に送達される小包葉書制度を設定し、そり料金を三円とすることとしました。第二は、料金受取人拂制度であります。これは商社等郵便局の承認を得て一定の條件に従い封筒又は私製葉書を調製し、これをあらかじめ多数の者に配付し、配付を受けた者は注文等を下る場合、切手を貼ることなく、そのままこれを商社等宛に差し出し、その料金は同郵便物を配達の際、一般郵便料金料金徴収のための手数料一円を附加して、受取人たる商社等から徴収する制度でありまして商業活動利便郵便利用負担軽減を図らんとするものであります。第三は、小包について、戦前実施していました速達の制度を復活することにしたことであります。  次に現行取扱制度内容改正しようとするものについて、申し上げます。第一は、小包郵便物容積及び電量最高制限を改めることとしたことであります。現行容積及び重量の最高制限は若干低く過ぎ、利用上不便であると認められますので、小包郵便物容積の長さ、幅及び厚さを各別に一定したものとせず、その合計したものに改めて、若干これを引上げ、又その電量最高制限現行の四キロから戰前の六キロに引上げることとしました。  第二は、小包郵便物料金体系改正することとしたことであります。小包郵便物料金体系をできるだけ合理的なものといたしますために、小包取扱経費がその送達距離の大小により多大の差違があること、小包と同種の鉄道小荷物の運賃が距離制をとつていること等の事情を考慮しまして現行全国均一制地帶制に改め、その地帶の区切り方は引受事務簡捷化のためできるだその段階を少くし、三地帯制としたのであります。そうして地帯別料金額は近距離は低料にし遠距離録第四号幾分高額とし、全体としては平均的に現行料金による収入と大差ないように定めることとしました。  第三は、書留保險扱の両制度を統合して書留制度に一本化することこしたことであります。現在賠償を伴う記録扱制度には書留保險扱とがあり、郵便物送達中亡失した場合に、六百円以上の損害賠償を得ようとするものは保險扱として差し出さなければならないこととなつておりますが、利用の実際は書留とし、出せば送達途中亡失した場合、そり損額賠償してもらえるものと考えているのが一般実情であります。従つてこの損害賠償をめぐつて紛議を生じている状態にもありますので、この両制度を統合しまして書留制度に一本化し、その料金は、差出の際申告した損害償額に応じてこれを納付させ、送達中に亡失又は破損した場合には、申告した要償額の限度においてその実損額賠償することとしますと共に、その賠償最高額現行保險扱の場合の十倍に引き上げ、現金は五万円、物品は五十万円とすることにして、公衆の利便損害の救済を実状に即するように改めたいという点であります。  第四は、第三種郵便物認可についての改正であります。即ち第三種郵便物認可條件をできるだけ具体的に定め、又認可審査期間及び認可の効力の発生時期を明足しますと共に、認可審査期間を法定します関係から、今後の認可申請をできるだけ認可條件を具備しているものたらしめて審査事務円滑化を図るため、現在認可料として認可の際納めることになつている金額認可申請の際納付させることとし、許可をしない場合にはその半額を還付すること等を定めまして、第三種郵便物認可事務処理明確化迅速化を期することといたしました。第五は、料金後納担保減免等改正であります。料金後納郵便制度現行担保額は、三カ月分相当額なつているため相当高額に上るものがありまして、本制度利用を困難にしているきらいがありますので、担保額を三カ月分相当額に引下げ、又国債等有価証券担保として認めることとしましたほか、官公署特別の法律で取立された公団、公社日本銀行等はその性質上絶対に料金徴収不能の事態を生じないものでありますので、これらのものに対しては、担保提供の免除を明定することとして本制度利用の増大と、利用者負担軽減を図ることといたしました。  第六は、郵便私書箱短期使用の制を設けることとしたことであります。郵便私書箱使用は、現在一年以上利用するものの使用を立前としておりますため、例えば外国の旅行者等は不便を感じておりますので、三カ月聞及び六カ月問の短期且つ定期利用の途を開くこととしました。  その他現行制度改正するものとしましては、代金引換金額最高制限現行の五万円から五十万円に引上げたこと、電信による名宛変更、取戻し料金を適正にしたこと等があります。  最後郵便事業の円滑な運営を確保するための改正について申上げます。第一は、信書送達の独占、N関する規定を明確にしたことであります。これに関する現行規定は、何人も信書送達を営業としてはならない、となつていますが、信書送達を業としている者が委託者の属人の形式をこつている場合この規定に抵触するかどうかについて疑義を生じ、私設郵便局の取締上も一困りますので、この点を明確にいた上、たのであります。又他人信書送達を業とするものは委託者から慰懸されて開始する場合口も少くないと認められますので、このような信書送達を禁止せられている者には信書送達を委託してはならないこととしました。  第二は、罰則中罰金金額改正でありまして、罰金現行金額は、現下の経済事情の下では低きに過ぎますので、他の一般刑罰法令の例に倣つて、これをすべて現行の十倍に引上げようとするものであります。  第三は、郵便の不正に利用する罪を新たに規定したことであります。郵便公共福祉増進目的とする文化的、中和的な事業であり、又国民日常生活に欠くことのできないものでありますため、犯罪目的利用することを許すことは事業の性格に反するばかりでなく、国民郵便に対する安心感を失い、国民の文化的、平和的な生活の障害を與えることとなる慮れがありますので、犯罪の手段として最も多く郵便利用する虞れのある詐欺、脅迫等目的で真実に反する住所、居所、所在地、氏名、名称又は通信文を記載した郵便物を差出し、又は他人にこれを差出させた者は五万円以下の罰金又は科料に処することにしました。  次は郵便貯金法の一部を改正する法律案であります。  この法律案は、郵便貯金預金者利便増進し、その利用を客筋にして貯蓄の吸収に資し、一面において現在利用度の少い、又は利用の全くない制度を廃止して、事業簡素化を図り、併せて社会情勢及び経済事情変化に伴う規定整備を行おうとするものでありますが、その内客は次の通りであります。  第一の改正は、定額郵便貯金利率引上げることでありますが、これはその利率が現在最低年二分九厘(預入期間一年以下のもの)、最高年三分五厘(預入期間五年を超えるもの)と定められておりまして、銀行の定期預金利率預入期間三カ月のもの年三分八厘、六カ月のもの年四分六厘、一年のもの年五分)に比べて著しく低いので、その利率最低年三分、最高年四分に引上げ長期預金者利便を図り、現下緊急の課題でありまする長期安定資金吸収に資せんとするものであります。もつともこの利率引上支拂利子の増加を来たし、事業の経営に多少の影響を與えますので、その均衡を保つために、一方通常郵便貯金利子計算方法を改め、各月の十六日以後の預入金にはその月の利子を付け、ないこととし、月末に預入して翌月の初に引き出されるがごとき短期預入金には利子を付けないことに改めると共に、通常郵便貯金及び積立郵便貯金の十円未満の端数預入金にも利子を付けたいことに改めたいと存ずるのであります。  第二の改正は、預金者請求によつて取扱郵便局を特定する制度を新設し、一面、郵便貯金本人票の発行を実施することでありますが、これは、現在郵便貯金利用が多少の制限はありますが、原則としてどこの郵便局でもできるという利点が、通帳盗難等の場合においては却つて貯金の詐取を招く結果となつている実情に鑑みまして、郵便貯金制度を常に住所又は勤務先の最寄郵便局利用している者の利便のために、その請求により一の通常郵便貯金についてその預入、拂戻し等の取扱をする郵便局をあらかじめ預金者が特定し得ることとし、その場合にはその他の郵便局ではその貯金について一切の取扱をしないこととする制度を設けてこれらの預金者貯金を安全にする一面、船員、旅行者等全国各地郵便局郵便貯金利用を必要とする預金者に対しましては、その請求により郵便貯金本人票を実費で交付し、その本人票の呈示によつて全国どこの郵便局でも何らの制限なく郵便貯金利用できるようにいたしましてこれらの預金者利便及び貯金の安全を図ろうとするものであります。  第三の改正は、据置郵便貯金特別据置郵便貯金及び預金者請求による証券保管制度を廃止することで、ありますが、これらの制度は、現在利用度が少いか又は全く利用がなくなつているものでありまして、将来もその利用を期待することができないので、この際すべて廃止して事業簡素化を図りたいと存ずるのであります。尤も、現在なお存する少数の利用者に対しましては、法律施行後もその権利を保全するよう附則において考慮しております。  その他の改正といたしましては、郵便貯金元利金支拂を国が保証する旨の積極約規定を設けましてその安全性を明確にすること、郵便貯金貯金総額制限規定の適用を受けない法人又は団体として新たに日本専売公社日本国有鉄道、大日本育英会日本放送協会、その他民法第三十四條の法人など、国に準ずべき団体及び公益団体を加えること、通常郵便貯金の一部拂戻しの場合の金額端数制限円位以上に引上げること、団体取扱郵便貯金取扱対象団体を拡張するごと等がありますが、これらの改正は、預金者利便を図り、又は経済事情変化に伴う規定整備を行おうとするものであります。  次に郵便振替貯金法の一部を改正する法律案提案理由説明申上げます。この法律案は、郵便貯金法の一部改正と同じく郵便振替貯金加入者利便増進し、その利用を容易にする  一面、利用度の少い制度を廃止して事業簡素化を図ると共に、併せて、社会情勢及び経済事情変化に伴う規定整備を行う郵便振替貯金事業の発展に寄與しようとするものでありましてその内容は次の通りであります。  その一は、郵便貯金の場合一同様の趣旨で郵便振替貯金元利金支拂について国が保証する旨の積極的規定を設けようとするものであります。  その二は、現在加入者代理行為をする代理署名人権限は、振替及び拂出の請求のみに限られておるのでありますが、住所変更の届出その他加入の実体に触れない範囲においてその権限抗げることによりまして、利用上の利便を図ろうとするものであります。  その三は、現在郵便振替貯金貯金現在高が十万円を超えるときは、その超過する額に対しては利子を付けないことになつておるのでありますが、この規定は大正四年に設けられた制限であり、今日の経済事情の下においてはふさわなないものと認められますので、この制限を撤廃致しまして加入者の利益を保護しようとするものであります。  その四は、公金に関する郵便振替貯金としまして、地方公共団体加入者とし、その加入者が徴収する地方税等公金納付については一般拂込料金よりも低廉な料金で特別の取扱をする制度が現に盛んに利用されておるのでありますが、この制度公益事業即ち電気及びガス事業料金納付についても利用することができる途を開き、郵便振替貯金制度利用増進を図ろうとするものであります。  その五といたしましては、現在債券に関する郵便振替貯金としまして、国債、社債の募集、売出にかかる拂込金等の受入、又その買上代金元利金等支拂を取り扱う規定がありますが、取扱対象であるこれらの債券買上や償還による整理が進捗て、本年度を以て  一応終了する状況にあります一面、この事務はその性質上非常に複雑なのでありまして、その料金收入では事務費を賄えない現状で、而もその料金引上は困難な事情にありますのに鑑みましてこの制度を廃止し、事務簡素化を図ろうとするものであります。最後に、郵便貯金法に増いて保管する証券整理に関する法律案提案理由説明申上げます。この法律案は、証券整理貯金取扱を積極的に実施してその整理の促進を図りますると共に、従来特別に定められておりました証券整理貯金に関する権利消滅規定を改めまして、預金者権利を保護し士とするものでありますが、その内容は次の通りであります。証券整理貯金と申しますのは、郵便貯金に附帯して保管された証券を、郵便貯金事業簡素化を図るため郵政省預金者に代つて売却し、その代金郵便貯金に組細み入れたのでありまして従来の貯金につきましては、預金者請求によつて初空通帳に対する記入又は拂戻の取扱をして来たものであります。ところが、証券整理貯金整理状況を見ますると、整理を始めた昭和二十四年九月から昨年十二月ま伊で一年四カ月の間に金額にいたしましまして、約五十七%を整理したに過ぎないのでありまして、このまま放置しておきますと、整理に相等長時間を要し、本法律目的を達するすることが困難であるばかりでなく、預金者権利が消滅する虞れがありますので、預金者請求の有無にかかわらず、地方貯金局証券整理預金の附随する郵便貯金通帳を受入れたときは、積極的にその金額通帳記入すると共に、その貯金の拂戻しについても、その金額通帳記入されていると否とにかかわらず、又、その全部払戻しであるか一部拂しであるかを問わず、制限なく、即ち従来は通帳金額記入されていない証券整理貯金の拂戻しは、その全部拂戻しに限られていましたが、これを無制限取扱うことに改めることにいたしたいのであります。  次にこの法律現行規定では、保管証券整理を完全にするため預金者から証券整理預金の拂戻し又は通帳に対する記入請求が十年間ないときは、この預金に関する預金者権利が消滅する旨の特別の規定が設けられておりますので、前述のとおり現状のまま推移いたしますと、未整理貯金のかなりの部分が、この規定に、よつて消滅する慮れがあります。そこで、預金者権利を保護するため、通帳に対する金額記入及び拂戻しの取扱を積極的に実施する半面、従来昭和三十四年八月末までに通帳に対する金額記入又は全部拂戻しの請求がないときは消滅することになつておりました預金者の権に関する特別の規定を削つて、その貯金が組入れられた郵便貯金権利と一体となつて存続し消滅するように改め、更にこの改正によつて却つて不利益を蒙る預金者のために特例を設けまして、証券整理貯金を受け入れた郵便貯金に関する権利がすでに消滅し、又は右の期日までに消滅した場合においても、なお証券整理貯金に関する権利は右の期日まで存続することとし、その権利の保全に万全を期したいと存ずるのであります。  以上が、唯今議題となりました四法律案内容でありますが、何とぞ十分御審議の上、速かに可決せられんことをお願いする次第であります。
  4. 大野幸一

    委員長大野幸一君) それでは只今の議案は本日の説明だけをして頂きまして、その他條文個別的説明は次回にいたしたいと存じます。速記をとどめて下さい。    午後二時十分速記中止    ——————————    午後二時四十九分速記開始
  5. 大野幸一

    委員長大野幸一君) 速記を始めて下さい。それでは本日はこれにて散会いたします。    午後二時五十五分散会  出席者は左の通り。    委員長     大野 幸一君    理事            中川 幸平君            柏木 庫治君    委員            城  義臣君            三木 治朗君   国務大臣    郵 政 大 臣    電気通信大臣  田村 文吉君   事務局側    常任委員会專門    員       生田 武夫君    常任委員会專門    員       勝矢 和三君