○河井彌八君 只今上程せられました
法律案四件、これらの内閣委員会における審査の結果並びに結果を御
報告申上げます。
恩給法の一部を
改正する
法律案、この
法律案は衆議院の発案にかかるものでありまして、内閣委員会におきましては、委員会を開くこと二回、昨日全会一致を以て可決すべきものと議決いたしたのであります。
国家公務員の俸給、給與の額が、先に給與法令の
改正に伴いまして
増額せられたのであります。これに伴いまして恩給年額を改定すると共に、恩給の多額所得による普通恩給の一部停止の基準となる
金額の水準をば、普通恩給
金額の増加と経済事情の推移に鑑みまして、これを引上げる必要があります。もう一つ
恩給法と
恩給法臨時特例の
規定の統合整備を行い、又、公務員制度等の
改正に伴いまして
恩給法に所要の
改正を加えるというのがこの案を提出いたしました理由であります。
本案の
改正の要点を簡単に説明申上げますれば、その第一点は、現行給與法令が適用される前の俸給を基礎として計算されている恩給年額の
増額改定に関するものであります。
昭和二十六年一月一日から国家公務員の給與が引上げられました結果、今年の一月一日以後に退職した恩給
金額は、それより前、即ち一月一日前に退職した公務員の恩給
金額よりも高く
なつておるのであります。この不均衡を調整いたしますために、現行給與法令適用前、即ち昨年の十二月三十一日以前に退職した公務員の恩給につきまして、その恩給
金額計算の基礎と
なつている俸給年額に対応する現行給與法令に基く俸給をば推定いたしまして、その推定された俸給に相当する
金額を基礎といたしました場合の恩給年額にこれを改定いたしまして、本年一月一日分から
増額改定された恩給を支給して、恩給支給の水準を統一調整いたそうとするのであります。第二点はいわゆる多額所得者の普通恩給の一部停止に関する
規定の
改正であります。現行の
恩給法臨時特例によりますと、普通恩給年額三万円以上で、恩給外の所得年額二十万円を超える者につきまして、普通恩給年額と恩給外の所得年額の合算額に応じまして、普通恩給の一部を停止することに
なつておるのでありまするが、この
法律案によりまして、現行給與法金適用前の俸給を基礎として計算されている普通恩給の年額が
増額改定されることになりますることと、最近の経済等の
諸般の情勢の推移に鑑みまして、この基準
金額の水準を引上げ、普通恩給年額五万円以上で、恩給外の所得年額二十五万円を越える者につきまして、現行法のような割合で普通恩給の一部停止を行うことと
なつておるのであります。その第三点は、
恩給法臨時特例を廃止いたしまして
恩給法の
規定を整備するための
改正であります。恩給制度に関しましては、
恩給法とは別に、
昭和二十三年に
恩給法臨時特例が制定せられまして、暫定的の措置が講ぜられてあるのでありますが、公務員に関する給與制度等の確立を見るに至りました今日におきましては、増加恩給年額その他恩給
金額の計算等に関する
恩給法の
規定は、現行法のままでは存在の意義を失うに至
つたので、これらの
規定をぱこれに代る
恩給法臨時特例の
規定と置き換える趣意を以て、
恩給法の
規定を整備いたしまして、
恩給法臨時特例はこれを廃止することといたしたのであります。
大体以上がこの
法律案の
改正の主な点であります。このほかに、なお、諸制度の改革に伴いまして、例えば教育職員、待遇職員又は公務員に準ずべき者等に関する不要と
なつた
規定の削除、整理、或いは国家公務員制度の改革に伴うところの
恩給法上の公務員たる文官の意義に関する所要の註釈的の
改正、或いは又皇宮警察職員の職名の変更及び看守部長設置
規定の
改正に伴う警察監獄職員の定義に関する字句の
修正等のような簡單な
改正が加えられておるのであります。そうして、この
改正法律案は本年の四月一日から施行せられることに
なつておるのであります。
委員会におきましては熱心な質疑応答が重ねられたのでありまして、その結果明らかに
なつた主な点を申上げます。その一つは、公務員の給與水準が本年一月から上りましたのに応じて恩給年額も増加することになるのでありまするが、これに要する
昭和二十六年度の予算増加額は十五億八百九十二万七千円ということに
なつております。従いまして、恩給総額は七十一億七千三百九十六万八千円となるのであります。当局の読明によりますれば、この改定恩給は
改正法律の
規定によ
つて本年一月分から支給せられるのでありまして、本年七月の支給期には全部この
増額せられた恩給が受給者に支拂われることとなるという見込であるのであります。その二は、
改正法律案による改定恩給の増加率は、俸給の低い公務員には少くて、俸給の高い公務員には高く
なつておるのであります。例えば、最低の者は二割一分の増加率であるのに最高の者は五割七分と
なつておるが、その理由如何という質問に対しまして、これは現行給與法規がかくのごとく上下の差が著しく
なつておるがためであ
つて、恩給額は仮定俸給の額を標準とするものであるから、かくのごとき結果となるのである。これは、
恩給法の建前上これが最も公平であるという答弁であったのであります。その三ほ、将来、公務員の給與が
増額せられたときには、今回の
改正のごとくに、給與の
増額に応じて早急に恩給額も改定せられるように立法措置を講ずるように
政府が努力するということであります。その四は、新恩給制度は、過般来朝せられましたマイヤース氏の勧告に基きまして、人事院の手において只今立法準備中であるということが明らかに
なつたのであります。
このようにいたしまして討論に入ったのであります。梅津委員から、近い将来に新
恩給法が立案せられるということであるが、新
恩給法ば公平の原則によって立案せられることを特に人事院に対して要望するという意見を述べまして、本案に
賛成したのであります。委員会は、この
改正法律案が今日全国二十万三千人の恩給受給者の切実なる要望に応えるものであって、極めて適切なる
改正であるということを認めまして、採決に入りましたところ、全会一致を以て可決すべきものと議決いたしたのであります。
次に
電波監理委員会設置法の一部を
改正する
法律案の審査の経過並びに結果を御
報告申上げます。
この
法律案は、やはり衆議院の発案によるものであります。内閣委員会においてほこれを審査するために二回委員会を開きまして、又電気通信委員会と連合委員会を一回開いたのであります。昨日全会一致を以て可決すべきものと議決いたしました。この
法律案の提案の理由とするところは、電波監理委員会の委員長及び委員に対しては、その職務及び服務の状況に鑑み、
恩給法を適用する必要があるというのであります。この
法律案の内容を申上げますと共に、委員会において明らかに
なつた点を御
報告いたします。電波監理委員会は昨年の六月一日に総理府の外局として設置せられたものであります。その委員長及び委員は、その資格及び
任命の方法、兼職禁止、退職後の就職制限等につきまして、
電波監理委員会設置法によ
つて明らかに
規定せられておるのみならず、更にこの
法律によりまして、国家公務員法に定める服務の根本基準、職務に專念する
義務、政治的行為の制限等の
規定の準用を受けておるのであります。次に委員長及び委員の服務の状況を見まするのに、事実上常勤の
状態であるのみならず、委員会の所掌事務の性質から現在極めて繁忙の
状態にあるのであります。この繁忙の
状態は将来に亘
つても継続するものと予想せられるのであります。そのように、この委員長及び委員は、その職務の性質と服務の状況とが一般公務員と絡段の差異がないのであるにもかかわりませず、現行の法制上におきましては、
恩給法上の官吏であることが明らかでないために恩給を受ける権利がないということに
なつております。この
法律案はかような不合理を除きまして、電波監理委員会の委員長及び委員に対して適正妥当なる所遇を與える
趣旨を以ちまして、この設置法の一部に
改正を加えまして、委員長及び委員をば
恩給法第二十條に
規定する文官とする旨を
規定せんとするものであります。この
改正法律は電波監理委員会が設置せられました昨年の六月一日から適用するということに
なつておるのであります。
内閣委員会におきましては、電波監理委員会の委員長及び委員の性質等から見まして、これを
恩給法第二十條に
規定する文官とすることが妥当であると認めまして、討論を省略いたしまして、全会一致を以て可決すべきものと議決いたしたのであります。
次に
行政機関職員定員法の一部を
改正する
法律案について御
報告を申上げます。
この法案につきましては委員会を開くこと予備審査と共に三回であります。昨日全会一致を以て可決すべきものと議決いたしました。この案の提案の理由及び
法律案の内容について簡單に申上げます。
本案は
昭和二十六年度予算の内容に即して、行政機関の職員の定員を
改正せんとするものであります。即ち一方におきましては、経済統制の解除等によるところの事務の減少乃至廃上に伴
つて定員を縮減すると共に、他方におきましては、電気通信、海上保安、主要食糧配給及び失業保險等の業務、国立医療機関、国立学校及び矯正保護機関の運営等について必要な増員を行いまして、行政機関全般の定員について適当なる
配分を行おうとするものであります。この
改正点の主なるものは四つあるのであります。
第一には、総定員数におきまして八十七万五千八百三十三人であ
つたものが八十八万七千二百七十七人となりまして、差引一万千四百四十四人の増加となるのであります。その主要な増減の内訳を申上げますと、先ず定員減の主なものといたしましては、経済統制関係が三千八百九十六人、農林統計調査関係が千四百八十人、国税徴收関係が五百人、電波監理業務関係が五百十九人、及び引揚援護業務関係が三百三十二人等であります。又定員増の主なものといたしましては、電信電話施設の拡充によるものが一万四百三十一人、海上保安関係二千三百三十四人、
食糧配給公団廃止に伴い食糧配給事務の増加によるもの千七百三十五人、失業保險業務関係千五百四十三人、国立結核療養所の職員千三百四十四人、密貿易の坂締関係が千一人、国立学校関係の職員七百五十三人、並びに監獄及び少年院の職員七百三人等、これが定員増と
なつておるのであります。
第二に電気通信省の本省の定員及び税関の特派吏の定員につきましては、特に必要がある場台には政令を以てこれを増加することができるということに
なつてお
つたのでありますが、今後はこの便宜的措置をやめまして、他の一般行政機関の定員の場合と同様に
行政機関職員定員法で
規定することに改めたのであります。なお附加えて申しておきますが、税関の特派官吏につきましては二百人以内という限度があ
つたのであります。
第三には、終戰処理事業費、特殊財産処理附帶事務費等の支弁にかかる職員につきましては、その数を現行の二千四百七十六人から三千五十五人に増加いたしましたが、これは主として航空庁の航空保安施設の維持運営に従事する職員の定員をここに振替えたからであります。
第四に、定員減少に伴う措置といたしまして、先ず一律に三ヵ月の猶予期間を設けて、六月三十日までは新定員を超える員数の職員をば定員のほかに置くことができるということにいたしました。更に統制経済の解除の関係等で、比較的多数の減員が行われます農林省、通商産業省、運輸省及び経済安定本部につきましては、九月三十日までの間は新定員を超える員数の職員を定員外に置くことを認めることといたしまして、事実上その整理をば九月末日まで延期する措置をと
つておるのであります。これが
改正法案の主要な点でありまするが、この
改正法は
昭和二十穴年四月一日から施行せられることは
なつております。
内閣委員会におきまして本案の審査の結果明らかになりました点を簡單に申上げます。総定員の数におきまして一万一千四百四十四人増加と
なつておるのであるが、この中には定員法の
改正によらずして政令を以てすでに増加している職員数が電気通信省の本省において二千百九十九人、税関の特派官吏の数二百人が含まれておるのでありまするから、今回の定員法の
改正によ
つて実際に増加する定員の数は九千四十五人でありまして、大体一%の増加割合であるということであります。
政府においては、
国民の輿論に副うためにも行政機構を合理的に且つでき得る限り簡素化するという方針で進んだ結果、一般の行政機関においては却
つて減少しているけれども、特定の行政機関においては定員増の必要が出て来たので価全体としては只今申した約九千人の増加と
なつておるという説明であります。而してこの特定の行政機関の定員増加は真に必要止むを得ざる増員であることを説明したのであります。更に又この
改正については、大蔵省で沼和=十六年度予算の編成において査定いたしました行政機関の職員の定員をば行政管理庁において慎重に検討いたしました結果、個々の行政機関の定員については
配分において若干変更を加えたけれども、その他におきましては大体において適当と認めたのであるから、総数においては大蔵省の査定
通り定員法に取入れたという設明でありました。
内閣委員会において質疑はいろいろあ
つたのでありますが、主な点を申上げますると、行政機関職員の定員は今後においても増加することは必至であると思うけれども、このような傾向に対してば
政府は如何なる態度を以て臨むつもりであるかという質問があ
つたのであります。これに対する
政府の答弁は、行政簡素化の線に沿
つてできるだけ不要な人員を削減することは今後においても一貫した
政府のとる方針である。併し情勢によ
つて真に必要止むを得ない部面においては増員することも止むを得ないだろうという考えであると申述べたのであります。更に農林省の統計調査事務所の定員の減少について質疑が行われたのであります。統計調査事乱務所の定員を二千名近くも減少させるのは甚だ遺憾なことである。このように縮減した理由は何であるかということ、又統計調査の事務は人手不足であ
つて、事務の運営の上に困難を来たしているのが現状であるから、定員を増加すべきでみるにもかかわらず却
つて減少せしめたのは遺憾である。それ故に事務はますく過重となり、超過勤務の必要が更に加わ
つて来ると思うが、これに対して手当等をも
政府は考えておるかどうかという質問があ
つたのであります。これに対する
政府の答弁は、主食供出に関する事前割当が事後割当に変
つたこと、更には「いも」類、雑穀等二十二品目の統制が廃止せられたこと等のために事務量は減少するであろうから、その定員を縮減したのである。而してこの程度の定員減であれば何ち支障は起らないものであると信ずるという説明があ
つたのであります。
大体以上のような質疑応答がありまして討論に入りましたところが、梅津委員から、統計調査事務所の定員が減少しているのは統計調査事務に対する
政府の認識が極めて不十分であるにほかならぬ。他の点については
政府原案をほぼ了解したのであるが、この一点については甚だ遺憾に思う。ついては将来この点について万全の措置をと
つて、調査統計事務の遂行の上において的確を期することができるように強く要望しまして本案に
賛成する旨の討論がなされたのであります。かようにいたしまして、愼重審議の結果、採決いたしましたところが、本法案は全会一致を以て可決すべきものと議決した次第であります。
最後に
運輸省設置法等の一部を
改正する
法律案について御
報告いたします。
この
法律案につきまして、委員会は四回開会いたしまして、昨日全会一致を以て可決すべきものと議決したのであります。本法案の要点は、運輸省に置かれてあります運輸審議会に、審議会の行う事務に協力せしめるために審理官制度を設けて、運輸省内の職員から運輸行政に経験の深い者六名を選びまして審理官を補職いたして、審議会において必要と認める各種の公聽会を主宰せしめ、その結果を審議会に
報告せしめることにいたしたのであります。元来運輸審議会の性質は、鉄道及び軌道、或いは道路運送事業、定期航路事業等の免許、運賃の認可その他運輸行攻の根幹とも申すべき重要な事項について運輸大臣の意思決定に参画する大切な機関でありまするが、現在七名の委員がこれに当
つておりまして、何らの補助機関を持たないということは甚だ遺憾なことでありまして、殊にその審理する案件はいずれも公共の福祉に直接重大な関係がありまするので、審議会の結論はすべて公聽会に諮
つて審理をするということにいたしまして、成るべく多くの公聽会を開催するためには補助機関として審理官制度を設ける必要があるということであります。又特に重要と認められる案件につきましては、運輸審議会みずからが公聽会を開き、或いはその指名する委員が公聽会を主宰するということもできるのであります。それで、この審理官が主宰していたしました公聽会において知ることができた事実は、これを
報告書に作りまして運輸審議会に提出し、運輸審議会はこの
報告書を利害関係人に提示して、利害関係人は、若し
報告書に誤まりがあると認めたときにはその提示を受けた日から十五日以内にその誤まりのあることを申立てることができる。そうして、運輸審議会はその申立を審査して、
報告書に誤まりがあ
つて運輸審議会の決定に影響を及ぼす虞れのあることを認められたときには、更に公聽会を開かなければならないというような丁重な
規定があるのであります。
改正の第二の点は、関係法令の制定改廃に伴いまして
運輸省設置法等に所要の
改正を加えるのであります。現に廃止と
なつているところの船舶公団、期間よう船料審議会に関する
規定、これを削除する。或いは国際観光ホテル整備法、通訳案内業法、船舶航運会法等の制定に伴いまして條文の整理をすることであります。この
改正は公布の日から施行することと
なつております。
委員会におきましては、その審査の要点は主として審議会の性格及び組織について集中せられたのであります。その審議会の性格に関しましては、これは運輸大臣の意思決定に参加する機関である。大臣から言えぱこれは諮問機関である。運輸省設置法の六條において、諮問事項として十二号に亘
つて列挙してある重要事項がありますが、これは今ここで申上げません。すべてこれらの事項は審議会に諮問いたし、大臣はその決定を尊重して措置すべきものであるということが定めてあるのであります。審議会は諮問に対して公聽会を開きまして、公正な立場において決定をなし、これによ
つて答申をすると、大臣はその審議会の答申を尊重しなければならないが、これに拘束されるかどうかと言えば、これに拘束されない。併し答申はどこまでも尊重する。これに服従すべしという
義務を持
つているものではないということが明らかに
なつたのであります。然らば大臣は審議会の答申を採用しなか
つた例があるかと言えぱ、そういう実例はない。然らば何が故にかかる強い性格を持つところの審議会を必要とするのであるか。これに対し対して、運輸事業の公益性から考えて、大臣の行政措置の公正を期するためにこれが必要である。それがために審議会を作
つて、有力な官吏の経験のある人或いは知識経験に富んでいるところの民間人を以てこれを組織するのだという説明でありました。そこで審議会の性格に関しまして一般的に申しますると、諮問ということについていろいろな
規定の定め方があります。即ち單に諮問するのみの
規定の審議会もあり、又諮問しなければならないという審議会もある。更にその上に審議会の決定をば尊重しなければならないというような
規定のあるものもあるのであります。たくさんの審議会がありますが、そのおのおのについて調べて見ますると、大体只今申したような三様の種類がある。この運輸審議会は勿論一番強力のものであります。そうすると他の審議会につきましては軽くてどうでもよいというような疑いもあるのでありまして、それは甚だ面白くない。従
つて近く審議会につきまして
政府は十分な検討を加えて、
法律を以てこれを
規定するというときが来ているから、その場舎においてこれをよく調整することが必要であるという委員の意見に対しまして、
政府は十分調査しで適当に調整しようということを言明いたしたのであります。
次に審議会の委員の構成でありますが、これは元の官吏であるとか資本家代表というようなものが主であ
つて、弁護士会会長をしている人が一人ある、それで七名でできておるが、なぜに労働階級の代表を加えないかという質問がありました。これに対しまして、委員の選任は官界であるとか資本家であるとか労働者、そういうものを代表としてこれを選定するのではない。要するに識見経歴等豊富な人を採るのであ
つて、この資格を備えている者であるならば労働界出身の人であるからと言
つてこれを除外するものではないということを明らかにいたしたのであります。これに対しましてカニエ委員から、労働者側の適格者を選任すべしということを強調したのであります。それから第四におきまして、審理官六名の選定の範囲、その方法、又その審理官の力が審議会の意見を左右する弊はないかというような質問等があ
つたのであります。
かようにいたしまして大体質疑応答を終りまして、審議会及び審理官の性格は明らかになりましたので、討論に入りましたところが、梅津委員から、運輸審議会が国家行政組織法上の審議会としての性絡から見て極めて重要なものであ
つて、大臣の意思決定に参画するものである。従
つてこの
法律の
規定は若干疑問の点はあるけれども、併し
政府の一方的独断的な決定を避けることができるという建前から本案に
賛成するという意見を陳述いたしたのであります。採決の結果、全会一致を以て可決すべきものと議決いたした次第であります。(拍手)
右御
報告いたします。