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1951-03-24 第10回国会 参議院 本会議 第29号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年三月二十四日(土曜日)    午前十時四十二分開議     —————————————  議事日程 第二十八号   昭和二十六年三月二十四日    午前十時開議  第一 彈効裁判所裁判員辞任の件  第二 参議院事務局職員定員規程の一部改正に関する件  第三 参議院法制局職員定員規程の一部改正に関する件  第四 教育公務員特例法の一部を改正する法律案内閣提出)(委員長報告)  第五 輸出品取締法の一部を改正する法律案衆議院提出)(委員長報告)  第六 地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、日用品検査所の出張所の設置に関し承認を求めるの件(衆議院送付)(委員長報告)  第七 電気通信職員特別給與制定に関する請願委員長報告)  第八 国家公務員等に対する退職手当臨時措置に関する法律延長実施等に関する請願委員長報告)  第九 国立病院医師採用難打開に関する請願委員長報告)  第一〇 医師および看護婦待遇改善等に関する請願委員長報告)  第一一 京都府乙訓郡の地域給に関する請願委員長報告)  第一二 愛知県岩津町の地域給に関する請願委員長報告)  第一三 愛知県永和村の地域給に関する請願委員長報告)  第一四 愛知県立田村の地域給に関する請願委員長報告)  第一五 愛知県吉江村の地域給に関する請願委員長報告)  第一六 愛知県神守村の地域給に関する請願委員長報告)  第一七 愛知県七宝村の地域給に関する請願委員長報告)  第一八 愛知県八開村の地域給に関する請願委員長報告)  第一九 愛知県佐屋村の地域給に関する請願委員長報告)  第二〇 愛知県十四山村の地域給に関する請願委員長報告)  第二一 愛知県美和村の地域給に関する請願委員長報告)  第二二 愛知県飛島村の地域給に関する請願委員長報告)  第二三 愛知県鍋田村の地域給に関する請願委員長報告)  第二四 岐阜県高山市の地域給に関する請願委員長報告)  第二五 岐阜県中津町の地域給に関する請願委員長報告)  第二六 鳥取県倉吉町の地域給に関する請願委員長報告)  第二七 岐阜県笠松町の地域給に関する請願委員長報告)  第二八 岐阜県陶町の寒冷地手当に関する請願委員長報告)  第二九 北海道函館市の地域給に関する請願委員長報告)  第三〇 北海道豊平町の地域給に関する請願委員長報告)  第三一 三重県上野市の寒冷地手当に関する請願委員長報告)  第三二 愛知県岡崎市の地域給に関する請願委員長報告)  第三三 愛知県豊川市の地域給に関する請願委員長報告)  第三四 福井県の地域給に関する請願委員長報告)  第三五 香川県観音寺町の地域給に関する請願委員長報告)  第三六 宮城県気仙沼町の地域給に関する請願委員長報告)  第三七 三重県亀山町の地域給に関する請願委員長報告)  第三八 愛知県小坂井町の地域給に関する請願委員長報告)  第三九 高知後免地区地域給に関する請願委員長報告)  第四〇 福知山市の地域給に関する請願委員長報告)  第四一 広島県忠海町の地域給に関する請願委員長報告)  第四二 奈良県大宇陀町の地域給に関する請願委員長報告)  第四三 名古屋市の地域給に関する請願委員長報告)  第四四 香川県善通寺町の地域給に関する請願委員長報告)  第四五 香川内海地区地域給に関する請願委員長報告)  第四六 香川県池田町の地域給に関する請願委員長報告)  第四七 京都市の地域給に関する請願委員長報告)  第四八 兵庫県川西町の地域給に関する請願委員長報告)  第四九 富山県氷見町の地域給に関する請願委員長報告)  第五〇 愛知県南陽町の地域給に関する請願委員長報告)  第五一 愛知県富田町の地域給に関する請願委員長報告)  第五二 愛知県甚目寺町の地域給に関する請願委員長報告)  第五三 愛知県奧町の地域給に関する請願委員長報告)  第五四 愛知県大治村の地域給に関する請願委員長報告)  第五五 愛知県豊明村の地域給に関する請願委員長報告)  第五六 愛知県東郷村の地域給に関する請願委員長報告)  第五七 京都亀岡地区地域給に関する請願委員長報告)  第五八 長崎県川棚町の地域給に関する請願委員長報告)  第五九 山梨県石和町の地域給に関する請願委員長報告)  第六〇 兵庫県西脇町の地域給に関する請願委員長報告)  第六一 広島県安芸津町の地域給に関する請願委員長報告)  第六二 三重県山郷村の寒冷積雪地手当に関する請願委員長報告)  第六三 三重県十社村の寒冷積雪地手当に関する請願委員長報告)  第六四 三重県白河村の寒冷積雪地手当に関する請願委員長報告)  第六五 三重県水沢村の寒冷積雪地手当に関する請願委員長報告)  第六六 三重県桜村の寒冷積雪地手当に関する請願委員長報告)  第六七 三重西藤原村寒冷積雪地手当に関する請願委員長報告)  第六八 三重県坂下村の寒冷積雪地手当に関する請願委員長報告)  第六九 三重県千種村の寒冷積雪地手当に関する請願委員長報告)  第七〇 三重県白瀬村の寒冷積雪地手当に関する請願委員長報告)  第七一 映画演劇入場税軽減等に関する請願委員長報告)  第七二 地方税法中一部改正に関する請願委員長報告)  第七三 映画入場税軽減に関する請願委員長報告)  第七四 宿泊料に対する遊興飲食税減免請願委員長報告)  第七五 遊興飲食税撤廃に関する請願(二件)(委員長報告)  第七六 旅館宿泊に対する遊興飲食税撤廃請願(八件)(委員長報告)  第七七 遊興飲食税軽減に関する請願委員長報告)  第七八 教育映画入場税減免に関する請願委員長報告)  第七九 ニュース映画入場税免除に関する請願委員長報告)  第八〇 映画演劇入場税軽減に関する請願委員長報告)  第八一 狩猟者税軽減に関する請願委員長報告)  第八二 旅館宿泊に対する遊興飲食税撤廃に関する請願(二件)(委員長報告)  第八三 地方税法中一部改正に関する請願(二件)(委員長報告)  第八四 市民税の新年度徴収処置に関する請願委員長報告)  第八五 法人に対する市民税適正化請願委員長報告)  第八六 在外公館等借入金緊急措置に関する請願委員長報告)  第八七 在外公館等借入金支拂促進に関する請願(四件)(委員長報告)  第八八 比島における戰犯者死刑助命に関する請願委員長報告)  第八九 阿波丸代船取得援助措置に関する請願委員長報告)  第九〇 小笠原島の日本復帰に関する請願委員長報告)  第九一 絹・人絹織物に対する物品税課税反対請願委員長報告)  第九二 絹織物物品税課税反対に関する請願委員長報告)  第九三 絹織物物品税課税反対請願(五件)(委員長報告)  第九四 喫煙用具物品税免税点設定に関する請願委員長報告)  第九五 喫煙用ライター物品税法中丁類とするの請願委員長報告)  第九六 芋あめ物品税撤廃に関する請願委員長報告)  第九七 ラジオ受信機等電機器具物品税軽減に関する請願委員長報告)  第九八 彫刻の物品税軽減に関する請願委員長報告)  第九九 揮発油税軽減促進に関する請願(二件)(委員長報告)  第一〇〇 揮発油税軽減に関する請願(三件)(委員長報告)  第一〇一 織物消費税の廃止に伴う損失補償請願委員長報告)  第一〇二 所得税適正賦課に関する請願委員長報告)  第一〇三 被災害農家に対する所得税適正賦課請願委員長報告)  第一〇四 農民課税に関する請願委員長報告)  第一〇五 水産業協同組合に対する免税等請願委員長報告)  第一〇六 冷凍業固定資産耐用年数改訂請願委員長報告)  第一〇七 納税準備預金利子引上げ等に関する請願委員長報告)  第一〇八 財団法人日本製鉄八幡共済組合年金受給者年金増額に関する請願委員長報告)  第一〇九 閉鎖機関整理委員会等職員退職手当制度確立に関する請願委員長報告)  第一一〇 国内塩業対策確立に関する請願委員長報告)  第一一一 ソーダ用原料塩輸入確保に関する請願委員長報告)  第一一二 たばこ事業民営移管反対に関する請願(十一件)(委員長報告)  第一一三 江戸川改修工事に伴う土地買収代金免税請願委員長報告)  第一一四 豪雪地方の減税に関する請願委員長報告)  第一一五 大蔵省所管の故銑拂下げに関する請願委員長報告)  第一一六 葉たばこ耕作保護対策確立に関する請願委員長報告)  第一一七 高知県須崎町の地域給に関する陳情委員長報告)  第一一八 岐阜県多治見市の地域給に関する陳情委員長報告)  第一一九 京都市の地域給に関する陳情委員長報告)  第一二〇 映画演劇入場税軽減に関する陳情(二件)(委員長報告)  第一二一 事業税課税標準算定に関する陳情委員長報告)  第一二二 在外公館等借入金支拂促進に関する陳情委員長報告)  第一二三 講和條約に関する陳情委員長報告)  第一二四 海外抑留戰犯者日本内地移管等に関する陳情委員長報告)  第一二五 絹織物物品税課税反対陳情委員長報告)  第一二六 高級織物物品税課税反対陳情(二件)(委員長報告)  第一二七 印紙税法中一部改正に関する陳情委員長報告)  第一二八 家畜を滞納処分対象物とすることに関し善処の陳情委員長報告)  第一二九 中小企業に対する租税軽減陳情委員長報告)  第一三〇 税制改革に関する陳情(二件)(委員長報告)  第一三一 民間資本蓄積促進のための租税政策に関する陳情委員長報告)  第一三二 古書籍業者に対する課税適正化陳情委員長報告)  第一三三 公務員退職給與金免税に関する陳情委員長報告)  第一三四 信用保証協会保証額の再保証に関する陳情委員長報告)  第一三五 たばこ事業民営移管反対に関する陳情(二件)(委員長報告)  第一三六 アルコール添加による果実酒実現陳情委員長報告)  第一三七 寒冷地住民所得税軽減に関する陳情委員長報告)  第一三八 鳥取県日野上村生山に山陰合同銀行支店設置陳情委員長報告)  第一三九 徴税整理期中小企業金融対策に関する陳情委員長報告)     —————————————
  2. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 諸般の報告朗読を省略いたします。      ——————————
  3. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) これより本日の会議を開きます。  日程第一、彈劾裁判所裁判員辞任の件。  昨日左藤義詮君から彈劾裁判所裁判員を辞任いたしたい旨の申出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。      ——————————
  5. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) つきましては、この際、日程に追加して、欠員となりました彈劾裁判所裁判員選挙を行いたいと存じます。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。
  7. 愛知揆一

    愛知揆一君 彈劾裁判所裁判員選挙は、成規手続を省略いたしまして、議長において指名せられんことの動議提出いたします。
  8. 小川久義

    小川久義君 只今愛知揆一君動議賛成いたします。
  9. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 愛知君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。よつて議長彈劾裁判所裁判員鈴木安孝君を指名いたします。(拍手)      ——————————
  11. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) この際、日程第二、参議院事務局職員定員規程の一部改正に関する件、日程第三、参議院法制局職員定員規程の一部改正に関する件、以上両件を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。両件につきまして、議長は、参議院事務局職員定員規程の一部を改正する規程案及び参議院法制局職員定員規程の一部を改正する規程案を立案いたしまして、あらかじめ議院運営委員会に付議いたしましたところ、同委員会においては異議がない旨の決定がございました。  これより参事改正規程案朗読いたさせます。    〔海保参事朗読〕   参議院事務局職員定員規程の一部を改正する規程案   参議院事務局職員定員規程の一部を次のように改正する。   第一條第二号「主事專任三百三十六人」を「主事専任三百五十一人」に改める。   第二條を次のように改める。  第二條 前條の職員の外、臨時営繕に関する事務に従事させるため、参事專任三人及び主事専任四人を、国会開会中警務に従事させるため、主事専任三十人を置く。     附 則   この規程は、昭和二十六年四月一日から施行する。   参議院法制局職員定員規程の一部を改正する規程案   参議院法制局職員定員規程の一部を次のように改正する。   「参事 專任 二十四名」を「参事 專任 三十二名」に、「主事 專任 二十名」を「主事 専任 二十六名」に改める。     附 則   この規程は、昭和二十六年七月一日から施行する。     —————————————
  13. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 只今朗読いたしました両規程案賛成の諸君の起立を求めます。    〔総員起立
  14. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて両案は全会一致を以て可決せられました。      ——————————
  15. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 日程第四、教育公務員特例法の一部を改正する法律案内閣提出)を議題といたします。  先ず委員長報告を求めます。文部委員長堀越儀郎君。    〔堀越儀郎登壇拍手
  16. 堀越儀郎

    堀越儀郎君 只今議題となりました教育公務員特例法の一部を改正する法律案につきまして、文部委員会における審議の経過並びに結果の概要を御報告申上げます。  先ず政府議案提出理由及び法案内容を御説明申上げまするが、昭和二十四年度に制定いたされました教育公務員特例法は、国家公務員及び地方公務員で、いわゆる教育公務員とされた者、及びこれに準ずる者について、その職務と責任の特殊性に基きまして、国家公務員法地方公務員法で一般的に規律されることが適当ではないと認められる事項に関しまして、特例を設けたものであります。ただ地方公務員である教育公務員につきましては、教育公務員特例法制定の当時は、未だ地方公務員法制定を見るに至つていなかつたのでありますから、従来、同法並びにそれに基く政令におきまして暫定規定を設けまして措置をいたして参つたのであります。然るところ、御承知のように前国会において制定されました地方公務員法は、いよいよ本年二月十三日からその一部の施行を見ることとなりましたので、教育公務員特例法は早急に改正を行わねばならなくなつたのであります。本改正案は以上の理由に基くものでありまして、教育公務員特例法地方公務員法につきましても同法第五十七條にいう特例であることを明らかにすると共に、従前暫定措置を検討し、併せて新たに特例として追加すべきものをも規定することをその目的といたしておるのであります。  次に本法案内容につきましてその概略を申上げます。  先ず第一に、本法案地方公務員法施行に併うて地方公務員である教育公務員について特例を設けることをその主たる内容といたしております。例えば地方公務員法によりますれば、人事委員会設置有無によつて当該地方公共団体設置する公立学校教育公務員につきましても、その職階制実施有無、その方法についての区別が生じまするので、すべての公立学校教育公務員について国立学校の場合に準じ職階制実施することといたしまして、又その給與については、当分の間、国立学校教育公務員給與を基準として定めることといたしておるのであります。或いは又、教育委員会教育長一般職に属する地方公務員となりまするが、その職務内容或いは任期等から考えまして、一般職の他の地方公務員とは違つた取扱をしようといたしております。更に又、現在市町村設置いたしておりまする公立学校職員に関しましては、当該市町村教育委員会設置されていないときは、それらのものの不利益処分審査は、都道府県立学校職員と同様に都道府県人事委員会においてこれを行うことといたしまして、又現在市町村立学校職員給與負担法がありまするために、義務教育に従事する者などの俸給その他の給與都道府県負担となつておりまするので、これらの者の勤務條件については、地方公務員法規定にかかわらず、すべて都道府県條例で定めることといたしております。このように市町村立学校職員給與負担者都道府県であるという特殊事情に従いまして、市町村單位とする職員団体につきましても、又、当局と交渉するため、都道府県別連合体結成及びそれへの加入をも認めることといたしております。  第二に、本法案は、大学管理機関大学教育公務員についてその意に反する免職転任等処分を行いまする場合のいわゆる事前審査手続に関しまして、従前規定改正を加えております。  最後に、第三といたしまして、本法案社会教育主事につきまして、これを新たに專門的教育職員に加え、教育公務員にいたしまして、指導主事を相並ぶように身分的変更措置をいたしております。  文部委員会におきまして本法案審議を開始いたしましたのは二月一日であります。爾来本法案のみにつきましても十数回の委員会を開きましたため、論議は極めて広汎多岐に亘りました。従つて詳細は委員会速記録について御覧を願うことといたしまして、ここには主要の論点を御紹介いたすにとどめたいと思います。なお、これらの諸論点をめぐつて行われました委員各位の熱心なる御質疑並びにこれに対する政府当局の懇切なる御答弁につきましても、すべて速記録に譲ることといたします。  先ず第一に、教育公務員特例法は、本改正案をも含めて、一体教育公務員保護法規なりや拘束法規なりやの論議がされました。第二には、大学管理機関大学教育公務員免職処分等を行う場合のいわゆる事前審査手続において、公開の審理を行うや否やを今後大学管理機関の任意に定め得るところといたそうとする改正案規定について、多くの委員から詳細な質疑がありました。本委員会は、この点について特に審議の愼重を期するため、現在本問題に関連性を持つておりまする東京大学から参考人の出頭を求め、仔細に具体的事情を聽取いたした次第であります。第三には、結核教員について、教育公務員特例法第十四條によつて特に認められておりまする俸給給與される二年の休職期間を更に延長すべきや否やに関する問題であります。第四には、すべての公立学校教育公務員について、国立学校教育公務員の例に準じて将来実施しようとする職階制に関する問題でありました。第五には、本法案は、地方公共団体設置する学校職員は、当該市町村において單位団体結成し、然る後、都道府県当局勤務條件について交渉するため、それらの連合体結成を認めることといたしているが、現在勤務條件については殆んどすべて都道府県当局と交渉すべき関係にある以上、都道府県單位とする職員団体結成をなぜ認めないかという点に関するものでありました。  かくて、本法案は二月一日以来約五十日間に亘り質疑を重ね又その間各党各派間において法案修正点につきまして種々の折衝が重ねられて参りましたが、漸く昨二十二日、討論採決に入つたのであります。  先ず加納委員外四名より提出修正案が上程され、これについて木村委員から趣旨弁明がありました。修正案内容は、特例法第十四條による結核性疾患による休職期間について、任命権者は、特に必要があると認めるときは、予算範囲内において、給與を支給する休職期間を従来の二年から満三年にまで延長することができるという條項を新たに加えようとするものでありまして、修正理由は、地方財政との調和を図りつつ教育公務員結核療養に資せんとするにあるのであります。  次いで堀越委員外四角提出修正案が上程され、これについて梅原委員から趣旨弁明がありました。この修正案内容は約三点に分れ、第一点は、先に触れました結核教員休職期間について、任命権者は、特に必要があると認めるときは、その休職期間を満三年まで延長することができるとする條項を新たに加えようとするものであります。即ちこの修正部分は、予算範囲内においてという制限が削除されている点のみにおいて、加納委員ほか四名の修正案と異なるものであります。なお、梅原委員趣旨説明によりますると、「特に必要があると認めるとき」及び「期間延長ができる」という、この二つの表現において任命権者において予算的考慮も又行われるべきことを期待する意味が含まれるとされているのであります。第二点は、本法案の若干の規定を二月十三日までその適用を遡及せしめようとするものであります。第三点は、昭和二十七年十月三十一日までは、地方教育公務員について、都道府県單位とする職員団体結成及びこれへの加入を認めようとするものであります。  修正案に対する質疑が終了後、修正案と本法案とを一括して討論に付しましたが、第一クラブ矢嶋委員からは、若干の要望を付して堀越委員ほか四名提出修正案並びにその修正部分を除く原案に対する賛成意見の開陳があり、荒木委員大隈委員からも、それぞれ日本社会党及び国民民主党を代表して同様趣旨賛成討論があり、加納委員からは自由党を代表して、同委員ほか四名提出修正案並びにその修正部分を除く原案に対する賛成討論がありました。日本共産党を代表して岩間委員からは、二つ修正案及び原案に対する反対の演説がありましたが、これらの内容はすべて速記録に譲ることといたします。  討論を終結、採決の結果、加納委員ほか四名提出修正案は否決となり、結局堀越委員ほか四名提出修正案は多数を以て可決せられ、続いて修正部分を除く原案も又多数を以て可決されたのであります。  以上御報告を申上げます。(拍手
  17. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 討論の通告がございます。順次発言を許します。岩間正男君。    〔岩間正男登壇
  18. 岩間正男

    岩間正男君 私は日本共産党を代表して、原案並びに修正案反対するものであります。  一昨々年国家公務員法特例法として本法案が初めて国会に上程されましたとき、我々は、本法案が、教員特殊性に鑑み、その地位、待遇等に特別の考慮を拂うべき保護規定であるべきにもかかわらず、むしろ身分上の拘束や服務上の義務を強化する拘束規定に終つている点を指摘して、断乎反対したものであります。然るにこのたび上程されました改正案なるものを見ますときに、この傾向は何ら改められないのみか、ますますその意図が露骨にされておるのであります。今、教員給與研究費の問題、或いはその職業病とも言われる結核療養期間延長等につきましては、何らの顧慮が拂われることなく、一方、第五條の改悪による大学教員公開事前審査に対する著しい制限既得権剥奪、第二十一條による職階制の押付け、第二十五條の六による教員組合の分断、機能剥奪等、物凄く彈圧が強化されておるのであります。これこそは、客観情勢の変化に便乗して、人民から人民教育者を奪い、憲法や極東委員会教育指令によつて認められておる学問の自由、教育の自由を奪わんとする吉田内閣反動的文化行政戦争協力政策の現われであることは明らかであります。而もこのことは、單に法案内容がそうであるばかりでなく、法案成立過程の中にもはつきり現われておるのであります。即ち本法案の上程に先立つて政府は本改正案の最も骨子である第五條改革のみを切離して急遽上程し、いわゆるレッド・パージに間に合せようとした形跡が歴然としておるのであります。而もこのことは、学生、進歩的教職員などの猛烈な反対を予想して、遂に実現することができず、昨年末地方公務員法が通過したのに便乗しまして、その関連改正に名を借りて、漸く今日ここに上程を見たのであります。而も如何に事を急いでいたかは、改正條項の一点である地方議員の兼職問題に籍口しまして、本法案の通過期限を二月十三日と限定して来たことにもよく現われておるのであります。こういうようなことは到底我々の許しがたいところでありまして、即ち政府のこうした陰謀的小策に対しましては、参議院は昨年全会一致を以ちまして、過般、地方議員の兼職延長條項だけを單独立法化して、審議期間を確保したのであります。このような経緯にも明らかなように、本法案の内包する今日的意味は極めて深刻であり、その影響するところは又重大と言わなければならないのであります。天野文相一個人の主観的意図がどのように陳弁されようとも、問題は、その背後の力であり、日本の目下置かれておる政治的、現実的な情勢の中にあるのであります。歴史の進展は明らかにこのことを我々に教えるであろうし、事実又教えつつあるのであります。私はこうした意味におきまして本改正法案に絶対反対するものであります。  先ず修正案について言いますならば、我々は原則的に言つて、第五條の改悪について闘わない如何なる修正案をも認めることはできないのであります。何故ならば、先にも述べましたように、政府のそもそもの狙いとする本改正案の眼目は第五條にあるからであります。従つて如何なる修正案も、第五條を拔きにしてはその意味が乏しいと言わなければならないのであります。やすやすと外濠を埋めさせて置いて、どんな内濠を守ろうとする戦いがあるというのであるか。こういう点で我々は修正案賛成することができないのであります。  ところで、私は第五條の改悪について論を進めたいのであります。即ち大学事前審査は、従来は、三十日以内に当人から請求があつた場合に、大学管理機関公開して口頭審査を行わねばならなかつたのであります。それを改正案は十四日以内と限定し、而も公開の原則はこれを削除しておる。更に代理弁護人の選任、書類、関係記録その他あらゆる資料の提出制限し、僅かに必要があると認めるときは参考人の意見を徴することができるとしておるのであります。そもそも大学教員の人事に際しまして公開口頭審査を認めたその根本趣旨は、飽くまでその身分を守り、学の自由と権威を擁護するところにあつたのであります。又大学の自主性を尊重し、如何なる外部の権力にも盲従させぬというところにあつたのであります。然るに本法案改正に当つて、かねがね大学の自主尊重を品にしておるところの文部省が、学内の民主的に統一された意見を何ら徴することなく、僅かに二三の管理者側の意見に基いて、かかる改悪を一方的に強行しておるのであります。これが果して大学の自主性を尊重することになるでありましようか。立法の経過そのものからすでに甚だ非民主的であると言わなければならないのであります。而も改正理由とするところを委員会において天野文相に質しましたところが、文相は、大学は純粋に学問研究に没頭すべき機関であり、裁判所のような繁雑な事務に煩わされるべきでないということを答えているのであります。だが、一見尤もらしいこれらの理由が如何に現実に背反するものであるかは、次の事実が何よりもこれを雄弁に物語つているものであると言わなければなりません。  先ず第一に、文相の言う学に没頭するに足るだけの條件が現在の大学教員に與えられているかどうかということであります。日々の商業新聞はよくこのことを伝えております。最近の毎日新聞によりますと、全国大学教員の平均収入は年額全部ひつくるめまして約十四万円であります。最高で十六万円、最低に至つては僅かに五、六万円に過ぎない。而も全然別途收入のない者が全体の四六・二%になつておる。別途収入があるにしましても、その大部分即ち八五%が年額僅かに六万円以下であります。これを外国の例に徹しますと、フランスでは大学教授の年収は百四十四万円、戦敗国のドイツ、イタリーにおきましても百万円、五十万円という数字が出ているのであります。こうして日本の大学教員の殆んど大部分は、研究費はおろか、その最低限の生活にも事欠き、半カ年、一カ年分の生活上の赤字に苦しみ続け、納税にも事欠いておる。かの原田教授のような悲惨な自殺者をも出しているのが実情であります。日本学術会議科学者生活擁護委員会は、こうした事態の解決のため、広くその実態調査に着手し、又事あるごとに世論に訴え、政府に要望しているのであります。このような隠れもない事実を天野文相は何と見るのであるか。それでも、なお、大学教授の本分は研究に没頭していればいいと主張される気であるかどうか。研究に没頭するのには没頭するに足るだけの條件をこそ先ず第一に整えるべきであります。(拍手)それこそが文相として又政治家としての天野氏に要望されているところの第一の任務ではないかと思うのであります。ところで、このような重大な基礎的條件の解決に対して殆んど無関心な当局が、大学教員身分上の制限のみに狂奔しているのは、明らかな自己矛盾である。否、かかる劣悪な待遇條件を一方的に押しつけるためにこそ、下からの叫びや運動を抑圧せんとするのが、本法第五條改悪の狙いであると言わなければなりません。現に東京大学で行われておる公開審理のごときも、一昨年の年末給與要求闘争に端を発しているのであります。大学教員の生活改善と研究の自由とはもともと表裏一体の問題である。その当然極まる多数の要求を提げて当局と交渉した職員組合の委員長、副委員長がここでは裁かれているのであります。果して然らば、裁かれるべき者は今の組合の役員であるか、或いは為政者であるか、胸に手を当てて、とくと考えて欲しいのである。(拍手)  次に、文相の言う純粋なる学問とは一体如何なる学問であるか。日露戰争時代には研究室に閉じこもつて戰争の勃発したことさえ知らなかつた学者が美談として伝えられている。だが、このように社会から隔絶され、現実を無視して、象牙の塔に閉じこもつたところにこそ、元来日本の学問の悲劇があると私は思うのである。こうした学の体系と学者たちのあり方が国を亡ぼしたとも言えるのであります。今現に目の前に起つている重大な事態から目隠しされ、国家の運命や民族の将来と深く結びつかない学が何になりましようか。学の権威、学者の真の良識は、これら民族の水先案内であり、啓蒙的、指導的役割を闘つてこそ、その本来の機能が発揮されるのであります。そのためにする人民への献身こそが学者のそもそもの任務であるということを我我は叫びたいのである。然るに太平洋戰争前後におきましては著しくその機能を喪失し、従いまして一たび軍部の暴圧が始まるや、彼らは本来の任務を放棄し、徒らに権力に盲従し、盲従しないまでも右顧左眄し、韜晦したのがその姿ではなかつたが。かの滝川事件、河合事件のごときは、この間に起つた痛ましいレジスタンスの記録として我々の記憶に今なお新たなものがあるのであります。ポツダム宣言を肯い、再び戰争の惨禍を繰返さないことを誓つた敗戰日本の文教政策のあり方は、学者をして学問の自由を守り、飽くまで真理の追求に忠実ならしめ、常に真実の追求に道義的勇気を奮い起たせることにしなければならない。そのような基礎を與えるのが政治のこれは任務であるのであります。それ故にこそ、占領直後に発せられました連合軍の日本教育管理政策には「議会政治、国際平和、個人の権威の思想及び集会、言論、信教の自由等の基本的人権の思想に合致する諸概念の教授」を慫慂し、わざわざ勧めておる。特にこれら実践の確立を奨励しており、又そのためには「学生、教師は教授内容を、批判的、理智的に評価することを奨励さるべく、政治的、公民的、宗教的自由を含む各般の事項の自由討議を許可」しているのであります。その後に発せられました極東委員会教育指令には、特に「教師及び学生は独立不覊の精神を養うべき」ことが規定されているのであります。然るに今日では、政治的意見の相違、平和論議、講和論議、現実的な政治批判のために幾多の進歩的教員が彈圧され、或いは不当な追放にさらされておるのであります。現にその例は顕著である。現に昨年の夏、東大南原総長が全面講和論議をしたところが、吉田首相によつて不当なる圧迫をこうむり、曲学阿世の徒と誹謗されている事実が、はつきり、このことを物語つておる。これこそ学問に対して加えられたところの不当な権力の圧迫の生きた証拠であります。又小中高等学校等でも同じことが起つている。社会科の憲法教授におきまして、日本民主憲法の骨格であり、最も中心である戰争放棄や平和保持の精神を熱心に教授して来たものが、今や再軍備論の壁に突き当り、甚だしく教育の矛盾に苦しんでいるのが今日の実情であります。西ドイツの再武装問題に当りましては、かの地にも熱烈な反対運動が巻き起り、現に西ドイツの神学教授カールバルト氏は「再武装は新たなドイツを主戰場にするばかりでなく、同胞相食む悲運に陷れる。戰後、平和主義を教育し、子供の玩具からも武器を取上げて置いて、今日再び武装に駆り立てるのは精神的自殺である。」と、烈烈と反対の叫びを挙げております。全く日本の現状はこの言葉に当てはまるのであります。然るに天野文相は、一方におきまして、教員は政治を論ずるなということを衆議院の予算委員会で答えておるのでありますが、これらのことこそ極東委員会並びに占領政策に違反するものである。又精神的自殺を教育者に強いる結果となると思うのであります。  以上要しますのに、本法案の改悪は、表面いろいろな言辞に装われていようとも、それが来たるべき国際帝国主義の手先としての戰争協力体制の整備強化、又は再軍備の地ならし工作であることは明らかである。即ち民族の自由と独立を守り、全面講和と世界平和を擁護し、戰争と再軍備に飽くまで反対せんとする民主的教育者の追放と、教員組合の解体、弱体化を目指していることは、紛れもない事実であります。而してそれは文部の代弁者が如何ようにチンドン屋的陳弁に憂身をやつそうとも、彼らの主観的意図とはかかわりなく、背後の、そして戰争挑発者どもが明らかにこれを要求しておるのであります。(「時間々々」と呼ぶ者あり)かの滝川事件、河合事件のあとに一体何が起つたか。我々はこの歴史的事実の中から想起を新たにして、過去の経験からよく学び、民族の叡智と直観力を働かせて、闇黒と破滅から民族を守り抜くためにこそ、日本共産党はこのような馬鹿げた法案に対しまして断乎反対するものであります。(拍手
  19. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 荒木正三郎君。    〔荒木正三郎君登壇拍手
  20. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 私は日本社会党を代表いたしまして、只今議題となつておりまする法律案修正案に対しまして賛成の意を表すると共に、その趣旨を明らかにしたいと思うのであります。  委員長報告にもありましたように、第一の修正点は、教員結核性疾患に対しまして、その療養期間制限付きではありますが満三年まで延長することができることであります。昭和二十三年、日本教職員組合が文部省と締結いたしました労働協約の第十條におきまして、結核性疾患による療養期間を三年ときめておるのであります。これは教員が生徒児童と常に接触しておるという勤務の特殊性考慮したもので、單に教員に療養の機会を十分に與えるというだけでなく、発育途上にある生徒児童の健康を守る趣旨に出でたものであります。然るに昭和二十四年に制定せられました教育公務員特例法において、三年を二年に短縮したのであります。爾来全国五十万の教員は、三復運動の名の下に三年に復帰する運動を続け、国会にも多数の請願陳情がなされて来たのであります。中には血書を以てしたためたものもあつたのであります。本参議院におきましても、これらの請願をしばしば受理して来たところであります。このような事情を考えますとき、この修正案は極めて妥当なものと思うのであります。日本社会党といたしましては、この修正案にある「任命権者は、特に必要があると認めるときは、」という制限事項を一日も早く削除することを希望しておることをここに明らかにして置きます。  現在教職員給與が非常に低く、而も過少なる定員等の理由によつて労働條件が極めて悪く、時間的にも経済的にも保健休養の暇がないのであります。加うるに教育者はさまざまな個性を持つ多くの学童生徒を相手に、絶えず緊張した価値創造と自己研修を続けているのであります。これは教育者の特性とは言いながら、常に心身共に過労に陷り、ために他の如何なる職業に比しても結核罹病率が高く、その罹病率は六%にも及んでいる実情であります。このことは文化国家建設を念願する我々にとつて重大な問題であるのみならず、成長盛りで而も感染度の高い青少年を対象として勤務する教育者がかかる状態にあることは、民族保健の上から考えましても、一刻もゆるがせにすることのできない問題であります。最近、長野県、新潟県等の小学校に発生いたしました集団結核の痛ましい事実を思いますとき、この感を一層深くするものであります。政府は速かに教育公務員給與並びに勤務條件の改善を行うと共に、社会保障制度の一環として、国家予算の増額を図り、施設を充実して、結核療養に適切な措置を講ずるよう強く要望して置く次第であります。  次に第二の修正点は、給與、勤務時間その他の勤務條件に関し、都道府県当局と交渉するため、期限付ではありますが、都道府県單位の団体を結成する自由を認めている点であります。この修正は極めて適切なものでありまして、政府原案によりますと、市町村單位に団体を結成し、その上でなければ連合体結成されないことになつているのであります。市町村單位に団体を結成することは全く無意味のことでありまして、この特例法の母法であります地方公務員法趣旨にも副わないのであります。なぜかならば、地方公務員法におきましては、給與、勤務時間その他の勤務條件について当局と交渉するための団体を結成することができることになつているのであります。然るにこの給與については、市町村立学校職員給與負担法によつて都道府県の責任とされており、勤務時間及び勤務條件については本特例法第二十五條において都道府県の権限とされているのであります。従つて何ら交渉する権能のない市町村ごとに職員団体結成することは無意味であり、地方公務員法趣旨に副わないと申したのも、この理由によるものであります。ただ昭和二十七年十月三十一日までという期限を付していることは、委員長報告にもありましたように、この時期に市町村にまで教育委員会設置されて、給與並びに勤務條件を決定する責任者が市町村当局に移ることを予想したからであつて、その時期においても、なお、給與の責任が都道府県にある場合は、当然この期限は延長ざれなければならないものと了解して賛意を表する次第であります。  以上修正案に対する賛成意見を述べたのでありますが、この際、政府原案に対しまして、社会党の態度を明らかにして置きたいと思うのであります。政府は一昨年来いわゆるレッド・パージの名の下に多数の労働者の馘首を行なつたのであります。この中には千名に及ぶ教職員も含まれておるのでありまするが、このことは憲法に保障されている思想の自由を侵害するもので、憲法の趣旨を蹂躪するものと言わなければなりません。この労働者に対する圧迫政策は、国際連合の経済社会委員会において問題になつていることを新聞紙は伝えておるのであります。このたび政府提出いたしました特例法の第五條改正において、従来教職員不利益処分等については事前審査を行い、公開審理をすることになつていたのを、公開審理を削除するに至つたのは、このレッド・パージと深い関係があるものと思われるのであります。かくては、学問の自由、思想の自由が阻害せられ、延いては教職員身分を不安ならしめる結果を招来するとの危惧を抱かざるを得ないのであります。この意味において、第五條の改悪の政府原案に対しまして遺憾の意を表する次第であります。  なお、この教育公務員特例法は、教育公務員特殊性に基いて、教育公務員身分の安定を図ると共に、その地位の向上に資するものでなければならないと考えるのでありまするが、そのことに対する考慮が拂われておらないで、むしろ制限拘束のみを多く規定している感が深いのであります。その一例を挙げますと、一昨年来数度に亘つて規定されました公務員給與に関する法律において、教育公務員はその職務特殊性に基いて給與の別表を作成しなければならないことになつているのでありまするが、然るにそのことが未だに実現していないのみならず、この特例法においても何らの規定を見ていないのであります。政府は常に教育尊重を口にいたしておりますが、これは單なる宣伝に過ぎないと言わざるを得ません。(拍手政府はかかる態度を速かに是正して、教育復興の施策を講ずるよう強く要望して、私の修正案に対する賛成意見を終ります。(拍手
  21. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 加納金助君。    〔加納金助君登壇拍手
  22. 加納金助

    ○加納金助君 私は自由党を代表いたしまして、堀越儀郎氏ほか四名の発議にかかる教育公務員特例法の一部を改正する法律案に対する修正案に対しては、左の理由によつて反対するものであります。  第一点は、公立学校の校長及び教員結核休職期間に関するものであります。公立学校の校長及び教員結核性疾患による休職期間は現行法上二年とされているが、この期間は必ずしも十分と認められない。そこで療養上必要なる期間を確保して、校長及び教員の現職復帰を可能ならしめるため、三年まで休職期間延長できることとした点は賛成をいたすのであります。併しこの場合、休職期間延長によりまして、当然経費の必要を生ずるのであります。文部省の調査するところによれば、一年間の延長によつて約七億の経費を要するというのであります。然るに政府においては特にこの予算措置を講じてないのであります。若しこれを実施するにおきましては、平衡交付金の交付なき場合において、その負担をいたしまするところのものは市町村であります。地方団体であります。今や地方団体は百億の赤字に悩んでおるときであります。かかるときに当りまして、この予算の裏付けなき法案ができたとしたらば、市町村の窮迫は一層甚だしきを加えるものであります。(「苦しい苦しい」「何を言つているか」と呼ぶ者あり)若し不幸にして本案の通過した場合におきましては、或る団体のごときは、誠にこの「必要があると認めるときは」というような含みのある言葉を盾にとりまして、地方団体の長に追つてこれが捻出を要求することは当然であります。それがために、この府県及び市町村長は当然なすべき地方の行政運営の上に一大支障を来たすことは、これ又おのずから明らかなるところであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)私は、かような市町村財政を麻痺するがごときこの法案に対しましては、断乎反対せざるを得ないのであります。(拍手)諸君、(「人間と金とどつちが大切だ」「黙つて聞け」「黙つちやいないよ」と呼ぶ者あり)我が自由党といえども、決して次代を背負うところの学徒の育成のために日夜営々と働く教職員に対する理解と同情を持つことにおいては、あえて人後に落ちないのであります。(笑声)かるが故に、我々は財政の許す限りにおいては三年間の延長を認めて、これを主張した次第であります。  次に、第二の点は職員団体に関する件であります。遺憾ながらこの点についても修正案反対せざるを得ないのでありまして、むしろ政府原案賛成するものであります。修正内容を伺いますると、政府原案による連合体のほかに都道府県單位職員団体を認めようとするものでありまして、そこに何らの理論的根拠もなく、屋上屋を重ねるものでありまして、何故にかかる団体を認める必要があるか、誠に理解に苦しむところであります。地方公務員法によりますると、公務員は各地方公共団体当局と、その給與、勤務時間その他の勤務條件その他社交的、厚生的事項について交渉するために、職員団体結成することができることになつております。従いまして公立学校職員もおのおの都道府県市町村公務員でありまするし、この地方公務員法の原則によつてその職員団体結成することができるわけであります。例えば市町村設置する大学、高等学校、幼稚園、各種学校のすべての職員及びその他の学校の一部の職員給與は、設置着たる当該市町村負担し、その他の学校職員給與都道府県負担はいたしまするが、その市町村教育委員会が人事の責任者となつております。後者の場合には市町村ごとに職員団体を作る実益なしとの意見がありますが、これらのものにつきましても、施設の整備その他勤務條件及び社交的、厚生的事項につきまして、学校の管理機関である市町村長と交渉することを法的に認め、保護するために、職員団体結成したほうがよろしいのであります。然るに修正案によりますれば、職員団体の運営に当り、都道府県下全職員による直接且つ秘密の投票で一々重大事項を決しなければならないことになり、且つ職員団体の登録の場合の資格審査等が極めて繁雑なものとなり、却つて団体結成上支障すら起きるものと考えられるのであります。そこで政府提出原案は、地方公務員法にある原則をとると共に、市町村立の小学校、中学校、定時制高等学校職員のうち、その大部分の者の給與都道府県負担し、且つその給與、勤務時間その他の勤務條件は、都道府県條例で定める点を考慮いたしまして、都道府県当局と交渉するための職員団体結成、即ち各市町村職員団体連合体を認めているのでありまして、誠に妥当な措置であると考えるのであります。元来職員団体結成に当りましては、先ず市町村ごとにこれを作り、そこで真の代表者を選び、こうした団体を基盤として連合体を作るほうが民主主義の原則に合致するゆえんでありまして、(拍手)一挙に都道府県單位職員団体を作ることは決して適当なるものと考えられないのであります。  以上申述ベましたごとくに、政府原案地方公務員法の原則に副うと共に、而も公立学校職員の利益保護のために万全の配慮を盡したものと考えられまするので、これに賛成し、修正案反対するものであります。(拍手
  23. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 矢嶋三義君。    〔矢嶋三義君登壇拍手
  24. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 只今議題となりました教育公務員特例法の一部を改正する法律案修正議決報告に対し、私は賛成討論をなさんとするものであります。  教育公務員特例法は、国家公務員及び地方公務員でいわゆる教育公務員とされた者及びこれに準ずる者について、国家公務員法なり地方公務員法で規律されるのはその職務と責任の特殊性から適当でないと考えられる事項につき、特例を設けたものであります。本改正案内容は、地方公務員法施行に伴う整備及び経過的なものと、新たに若干の特例を加えたことと、更に若干の改正を図つたものでありまするが、どこまでも教育行政の民主的且つ能率的な運営を保障し、延いては教育の復興に大きく寄與するものでなければならないのであります。文教、科学の振興は、我が国民主国家再建の基盤であることは申すまでもありません。而も教育者その人に期待するところ極めて大きいことを思うとき、本改正案には若干の遺憾な点があり、今後の法の運用に十分適正を期するの要を痛感するものであります。以下主要な事項につきまして所見と要望を申述べたいと存じます。  先ず第一に、第五條第三項の改正によつて大学教育公務員の意に反する免職転任等処分について、大学管理機関の行う事前審査公開審理の項を削除したことであります。現在審査中の事案は、東京大学、神戸大学の二件のみでありまするが、我が国において初めでの試みであり、不慣れのため、審査規程制定等に若干の日月を要し、運用上若干の支障が生じたからとて、直ちにかくも民主的な條項を削除することは極めて遺憾であります。我々は民主主義の理想に徹することも、その実践も、共に浅いのでありまして、かくのごとき大学教育公務員身分の保障、更に学問の自由に重大関係のある民主的法令を十分こなし得るまでにお互いに成長すべく努力しなければならぬ。又政府は当然指導すべきものと考えるのであります。天野文部大臣以下政府委員の答弁により、本改正公開審理の制度を否定するものでなく、大学の自治を尊重し、各大学の自主性に任したあのであることは明らかにされております。大学は民主主義確立のために指導的立場に立つべきものであつて大学教育公務員各個人みずからの問題であることを思うときに、私は各大学関係者に公開審理制度を十分研究善処されるよう強く要望すると共に、政府においても改正趣旨に則りまして、十分の指導と助言をなし、大学の学問の反動化に対処する責任のあることを申述べ、善処を要望するものであります。特に本改正によりまして、現在、東京大学、神戸大学のそれぞれの大学管理機関審査中の事案についても、以後改正後の手続によることとなつておりまするが、これは各大学の自主的処理に一任したものであり、過去一カ年規程制定に種種努力されて来た両大学が現在審査中の公開審理を中止するがごときことは、大学の威信に思いをいたすときに、信ぜられないことでありまするが、私はこの際、両大学に、我が国初めてのモデル・ケースとして審査中の両事案の審査を最後まで研究完遂されますよう、強く希望するものであります。  第二点に申上げたいことは、第二十一條の二において、公立学校教育公務員について職階制実施すると相成つておりまするが、政府委員の説明によれば、教育公務員職階制実施すべきかどうか、又可能であるかどうかとの根本的問題がありますが、国の場合一応実施する建前になつておる関係上、これに倣うこととしたのでありますと説明されています。公立学校教育公務員職務と責任の特殊性から、当然特例法の精神が生かさるべきものであり、今後の実施については十分な科学的研究の上に愼重を期すべきものであることを確信し、且つ要望する次第であります。  第三点は、第十四條の結核性疾患のための長期休養期間修正であります。教育公務員結核性疾患の生徒兒童に対する恐るべき影響性と、教育界における現状から、現行法における休養期間満二年を満三年まで延長することの必要性については、自由党の諸君も揃つて認めるところであり、昨日の委員会、本日の本議場におきましても、代表加納委員の明言されたところであります。現に若干の都道府県はすでに実施しておるのでありまするが、地方財政の実情も考慮し、「任命権者は、特に必要があると認めるときは、」という字句を挿入し、その運用に幅のある改正を図つたものでありまして、誠に現状に即した適正なる改正と考えるものであります。併しながら次代国民の教育の重大性を思うとき、本問題は極めて重大でありまして、政府は十分なる現状調査を速かに実施され、予算措置その他適切なる対策を樹立されるよう要望いたすものであります。  教育公務員の生活安定、適正なる定員の確保による過重労働の排除等に関する適切なる施政をなし、心身ともに有能な人材を教育界に確保するよう適切なる政治をなすことは、本問題を根本的に解決する途でありまして、その責任が為政者にあることを強く主張するものであります。  最後に、最も問題となりました職員団体の項につきまして申述べたいと存じます。  政府原案によりますと、市町村單位單位団体結成することを強要し、母法である地方公務員法の原則に合致すると申されておりますが、これは現実と特殊性を無視し、教育公務員特殊性を生かすべきこの特例法の精神を没却したものであると断ぜざるを得ないのであります。この点につきましては荒木議員の指摘されたところでありまするが、そもそも地方公務員は「給與、勤務時間その他の勤務條件に関し当該地方公共団体当局と交渉するための団体を結成」するものであり、地方公務員法の第五十二條に明記されているところであります。ところが教育公務員給與、勤務時間その他の勤務條件については、都道府県條例で定めること、更にその條例の議案作成は、都道府県教育委員会がこれをなすと、特例法案の第二十五條の四に明記されているのであります。即ち市町村設置する学校教員のうち、義務教育に従事する者等の俸給その他の給與都道府県負担し、給與、勤務時間その他勤務條件市町村條例で定めるのではなくて、都道府県が定めるようになつておるのであります。従いまして、職員団体結成の目的から考えるときに、交渉相手である都道府県を対象に団体を結成すべきであることは、良識ある人のひとしく認めるところでありましよう。(「その通り」と呼ぶ者あり、拍手)同じ地方公務員でも、市町村事務吏員と教育公務員とは著しく事情を異にしておることは、特例法において当然生かさるべきものであると考えるものであります。現在、教育委員会制度の根本的再検討を図るべく、教育委員会制度審議会が発足していますから、教育行政、財政制度の全般に亘つて再検討されるでありましようし、更に昨年末における地方行政調査委員会議の地方公共団体事務再配分に関する勧告とも併せ考えるときに、根本的改正を将来に持ち越し、一応市町村教育委員会設置される昭和二十七年十月三十一日まで都道府県單位職員団体結成できるよう、実情に即し修正したることは、誠に適切であり、これに反対される人の意図が奈辺にあるか疑わざるを得ないのであります。(拍手)  以上これを要するに、本改正案には根本的に賛意を表しかねる点もありまするが、諸般の情勢上不満ながら賛意を表すると共に、我が国教育の民主化、復興のために、本法の適切な運用を期待し、更に将来、より理想的改正が図らるべきものであることを申述べ、私の討論を終る次第であります。(拍手
  25. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) これにて討論の通告者の発言は全部終了いたしました。討論は終局したものと認めます。  これより採決をいたします。  先ず委員会修正案全部を問題に供します。委員会修正案の表決は記名投票を以て行います。委員会修正案賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上御投票を願います。氏名点呼を行います。議場の閉鎖を命じます。    〔議場閉鎖〕    〔参事氏名を点呼〕    〔投票執行〕
  26. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 投票漏れはございませんか……投票漏れないと認めます。これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。    〔議場開鎖〕    〔参事投票を計算〕
  27. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 投票の結果を報告いたします。  投票総数百五十八票、  白色票即ち委員会修正案を可とするもの百五票、(拍手)  青色票即ち委員会修正案を否とするもの五十三票、(拍手)  よつて委員会修正案は可決せられました。(拍手)      ——————————    〔参照〕  賛成者(白色票)氏名   百五名    宮城タマヨ君   前田  穰君    堀越 儀郎君   早川 愼一君    波多野林一君   野田 俊作君    徳川 宗敬君   竹下 豐次君    高橋 道男君   高橋龍太郎君    高田  寛君   高木 正夫君    杉山 昌作君   新谷寅三郎君    小林 政夫君   木下 辰雄君    河井 彌八君   加藤 正人君    加賀  操君   岡本 愛祐君    岡部  常君   尾崎 行輝君    梅原 眞隆君   伊藤 保平君    赤澤 與仁君   赤木 正雄君    紅露 みつ君   深川タマヱ君    木内キヤウ君   竹中 七郎君    谷口弥三郎君   有馬 英二君    油井賢太郎君   鈴木 強平君    櫻内 義雄君   西田 隆男君    林屋亀次郎君   櫻内 辰郎君    一松 定吉君   鬼丸 義齊君    村尾 重雄君   青山 正一君    金子 洋文君   清澤 俊英君    藤原 道子君   島   清君    野溝  勝君   加藤シヅエ君    若木 勝藏君   永井純一郎君    三橋八次郎君   原  虎一君    高田なほ子君   小林 孝平君    松浦 清一君   荒木正三郎君    赤松 常子君  深川榮左エ門君    山田 節男君   三輪 貞治君    成瀬 幡治君   田中  一君    松永 義雄君   小泉 秀吉君    大隈 信幸君  前之園喜一郎君    岩男 仁藏君   伊藤  修君   小笠原二三男君   駒井 藤平君    小川 久義君   境野 清雄君    稻垣平太郎君   羽生 三七君    江田 三郎君   大野 幸一君    曾祢  益君   中村 正雄君    千葉  信君   水橋 藤作君    堂森 芳夫君   梅津 錦一君    重盛 壽治君   東   隆君    森 八三一君   佐多 忠隆君    小林 亦治君   岩崎正三郎君    千田  正君   石川 清一君    松浦 定義君   椿  繁夫君    小松 正雄君   堀木 鎌三君    内村 清次君   栗山 良夫君    矢嶋 三義君   佐々木良作君    木下 源吾君   棚橋 小虎君    和田 博雄君   三木 治朗君    河崎 ナツ君   上條 愛一君    平林 太一君     —————————————  反対者(青色票)氏名  五十三名    島村 軍次君   長島 銀藏君    木村 守江君   宮本 邦彦君    秋山俊一郎君   高橋進太郎君    仁田 竹一君   上原 正吉君    九鬼紋十郎君   深水 六郎君    加納 金助君   大矢半次郎君    城  義臣君   植竹 春彦君    岡崎 真一君   小野 義夫君    鈴木 安孝君   寺尾  豊君    石坂 豊一君   岩沢 忠恭君    中川 幸平君   一松 政二君    徳川 頼貞君   小串 清一君    中川 以良君   廣瀬與兵衞君    野田 卯一君  大野木秀次郎君    加藤 武徳君   長谷山行毅君    松平 勇雄君   古池 信三君    平井 太郎君   白波瀬米吉君    山縣 勝見君   安井  謙君    山本 米治君   岡田 信次君    愛知 揆一君   石村 幸作君   池田宇右衞門君   入交 太藏君    島津 忠彦君   鈴木 恭一君    郡  祐一君   山田 佐一君    堀  末治君   團  伊能君    泉山 三六君   平岡 市三君    左藤 義詮君   細川 嘉六君    羽仁 五郎君      ——————————
  28. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 次に、只今可決せられました修正の個所を除き、残り全部を問題に供します。残り全部に賛成の諸君の起立を求めます。    〔起立者多数〕
  29. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 過半数と認めます。残り全都は可決せられました。  よつて本案は修正議決せられました。      ——————————
  30. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) この際、日程第五、輸出品取締法の一部を改正する法律案衆議院提出)及び日程第六、地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、日用品検査所の出張所の設置に関し承認を求めるの件(衆議院送付)を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  31. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長報告を求めます。通商産業委員長深川榮左エ門君。    〔深川榮左エ門君登壇拍手
  32. 深川榮左エ門

    ○深川榮左エ門君 只今議題となりました輸出品取締法の一部を改正する法律案につき、通商産業委員会における審議の経過と結果を御報告申上げます。  御承知の通り我が輸出貿易は逐年発展しておりまするが、遺憾なことに輸出品に対する海外からの苦情は依然として減少せず、殊に検査に関する苦情は極めて多いのであります。そこで我が輸出品の声価を維持向上せしめ、且つクレーム等による紛争を未然に防止する必要に迫られております。然るに現行の輸出品検査制度の基礎である輸出品取締法には不十分な点が多々あります。    〔議長退席、副議長着席〕  よつてこれが緊急改正の必要を認め、衆議院議員により同法の改正が提案されました。  申上げるまでもなく、現行の輸出品取締法は第二国会制定せられたもので、即ち検査の等級、標準や最低標準は国が定めておりますが、これに基いて検査自体は民間業者が自由に行なつております。国は臨検検査によつて監督しておるに過ぎない実情でございます。従つてややともすれば検査が嚴正を期しがたく、又検査不十分な者に対する検査励行の指導や取締が全般的に不足しております。そこで以上のごとき不備を是正するために、本改正法案では、主として次の三点により改正を加え、以て民間における輸出品検査制度の確立と機能の向上を期した次第であります。  第一点は、検査機関の登録制をとつたことであります。即ち検査のため機械器具などの設備や知識経験を必要とする物資は、主務大臣が品目を指定して検査機関の登録を実施し、この登録された機関の検査を受けさせます。但しこの登録には輸出品の品目ごとに政府が必要な條件を定めて公表し、條件に適合すれば民間の各社又は第三者を問わず登録する制度であります。  次に第二点は、検査の励行を確保するため戒告の規定を設けたことであります。とかく我が輸出品には注文の内容と異なるものが多いとの非難が絶えません。よつて今回主務大臣がそれを戒告する制度を設けております。第三点は再検査の制度を設けたことであります。即ち検査不十分なものには、罰則以外に、政府機関の監督の下に再検査ができるような措置を講じております。以上が本改正法案の要点であります。  さて本委員会におきましては、特に民間当事者等について実情をも調査し、愼重審議しましたが、質疑の主なものは次の通りであります。一、輸出品としての最終製品のみでなく、その加工途中の材料品に関する検査のないのは不十分ではないかということ、二、登録の実施に際しては、政府が諸要素を十分考慮して裁量する余地を残す必要はないかということ、第三点は、在日外国検査機関の問題、その他詳細な質疑と要望がありましたが、立案者側からそれぞれ実例を挙げて答弁がありました。  かくして討論に入り、採決の結果、本改正法案全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたしました次第であります。  以上を以て本報告を終ります。(拍手)  次に、議題となりました地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、日用品検査所の出張所の設置に関し承認を求める件につきまして、通商産業委員会における審議の経過並びに結果を御報告いたします。  本件の内容を申上げますと、もともと日用品検査所は、輸出品取締法によつて我が国輸出雑貨の海外における声価の向上を図るため、雑貨の輸出に際しての臨検検査を行う国の検査機関でありまして、現在東京及び大阪に本所、名古屋及び福岡にそれぞれ支所が設置されておりますが、今回遠隔の生産地における輸出検査に便ならしめるため、新潟及び広島に出張所を設置し、又税関との連結を緊密にして輸出情報の入手を容易ならしめるため、雑貨の主要輸出港である横浜及び神戸にも出張所を設置して包装條件等の検査の充実を図り、以て検査の円滑迅速な施行を図ろうとするものであります。よつて今回その出張所の設置の承認を国会に求めるものであります。  本委員会におきましては、本件に関し愼重に審議いたしました後、討論を省略して直ちに採決に入りましたところ、全会一致を以て原案通り承認すべきものと決定いたした次第であります。  以上簡單に御報告申上げます。(拍手
  33. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  先ず輸出品取締法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔起立者多数〕
  34. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。      ——————————
  35. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 次に地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、日用品検査所の出張所の設置に関し承認を求めるの件を問題に供します。委員長報告の通り本件に承認を與えることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  36. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 御異議ないと認めます。よつて本件は承認を與えることに決しました。      ——————————
  37. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) この際、日程の順序を変更して、日程第七より第七十までの請願及び日程第百十七より第百十九までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  38. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 御異議ないと認めます。先ず委員長報告を求めます。人事委員長木下源吾君。    〔木下源吾君登壇拍手
  39. 木下源吾

    ○木下源吾君 只今議題となりました請願六十四件、陳情三件に関しまして、委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。  先ず請願第五百四十五号は、電気通信職員特別給與制定に関する請願でありまして、生産企業庁としての電通省の性格は、一般官庁と異なり、業務遂行及び人事管理、人員配置上から見ても、特別給與表を必要とするとの要旨であり、これは職階制度による給與準則が制定せられ、その矛盾が除去されるまで積極的な考慮を必要とする意味において妥当であるとし、又請願第六百八十二号は、近く解散を予定される肥料公団ほか九公団の職員退職手当に関し、現行法を延長し、附則に所要の改正を加えられたいとの請願であり、その趣旨政府をして考慮せしめる要ありと思われる。次に請願第七百六十号及び七百七十三号は、それぞれ国立病院の医師並びに看護婦の採用難を打開する意味においても、公立、法人の各病院又は日赤病院の医師看護婦給與の均衡を図つてもらいたいとの要請であり、政府をして検討せしめるを妥当と思われる。以上四件の請願は、それぞれの意味においてこれを議院の会議に付し、内閣に送付すべきものと決定いたした次第であります。  次に地域給に関しての請願四十九件、陳情三件でございますが、この地域給に関する請願陳情は、本国会になりましてより、すでに御報告申上げましたもののみでも請願百七十六件、陳情九件の数多くに上り、全国的な広範囲に亘り、非常に熱心に提出せられている実情であります。本委員会におきましては、支給地区分に関する法律の立案又は審議に当り、でき得る限りの正確な結論を導くための一環としても、これらの請願陳情趣旨、要望を重んじ、深く検討すると共に、愼重な審議を行なつているものであります。さて今回御報告申上げる地域給に関する請願都道府県別にして順次申上げますと、先ず請願第九百八十五号、九百八十六号は、それぞれ北海道における函館市、豊平町からのものであります。請願第千二十七号は東北における宮城県気仙沼町からのものであります。次に中部地方からの請願でありますが、請願弟九百二十九号から九百四十号まで及び九百九十四号、九百九十六号、千三十三号、千四十八号並びに千五十五号から千五十九号まで及び千八十五号と千八十六号は、愛知県内からのものでありまして、それぞれ岩津町、永和村、立田村、市江村、神守村、七宝村、八開村、佐屋村、十四山村、美和村、飛鳥村、鍋田村、岡崎市、豊川市、小坂井町、名古屋市、南陽町、富田町、甚目寺町、奥町、大治村、豊明村、東郷村からの請願でございます。次に請願第九百十六号から九百四十九号までの請願は、岐阜県内におけるそれぞれ高山市、中津町、笠松町からであります。請願第千十九号は福井県の全地域に関するものであります。請願第千五十四号、千八十九号は、それぞれ富山県永見町及び山梨県石和町からであります。以上が中部地方からの請願であります。次に近畿地方の請願は、請願第九百二十八号、千五十二号、千八十七号は、京都府内における乙訓郡並びに京都市、亀岡地区からであり、請願第千四十五号、千五十三号、千百九号は、それぞれ兵庫県の福知山市、川西町、西脇町からであり、請願第千二十八号、千四十七号は、三重県亀山町と奈良県の大宇陀町からのものであります。次に中国地方からは三件ございまして、請願第九百四十八号は鳥取県の倉吉町からであり、請願第千四十六号及び第千百十号は、広島県内のそれぞれ忠海町、安芸津町からであります。次に四国地方からの請願は、請願第千二十号及び千四十九号から千五十一号までは、香川県のそれぞれ観音寺町、善通寺町及び内海地区、池田町からであり、請願千三十九号は高知後免地区からのものであります。次に請願千八十八号は九州の長崎県川棚町からの請願であります。  以上四十九件が今回における地域給に関する請願でありますが、このほかに地域給に関する陳情が三件ございまして、陳情第百九十一号、二百九号、二百十一号は、それぞれ高知県の須崎町並びに岐阜県多治見市及び京都市からのものであります。これらの請願陳情は、それぞれの市町村における物価の実情その他の特殊事情から、現行支給割合を引上げ、又は新たに指定されたいとの要望をその主なる内容とするものであります。  本委員会におきましては、前回御報告申上げました地域給に関する請願陳情と同様に取扱うべきであり、今後なお、これらの地方からの資料その他の提出を要望すると共に、深く検討して、これに関する法律案の立案審議に当つて、でき得る限り正確な結論を以て当該地方の要望を十分考慮しつつ再検討することが妥当であるとする意味において、その願意を採択すべきものと認め、又速かに政府をして十分研究の上、所要の措置をとらしめる必要があるものと認めまして、これを議院の会議に付し、内閣に送付することを要するものと決定いたしました次第であります。  次に寒冷地手当に関する請願十一件についてでありますが、請願第九百六十五号は岐阜県陶町からでありまして、当時は南アルプスの山間に位し、海抜四百メートルの高位にあり、斜面は西北に向い、冬期は日照少く、北風を直接受ける寒冷の地であるにもかかわらず、現在非支給地であるから、隣接の支給町村と同様に指定願いたいとの要請であります。  次に請願第千百十八号から千百二十六号までの請願でありますが、これはそれぞれ三重県の上野市、山郷村、十桂村、白河村、水澤村、櫻村、西藤原村、坂下村、千種村、白癩村からのものでありまして、これらの地方は鈴鹿山脈の山麓にあり、冬期五ケ月間を通じて日照少く、積雪も四十センチにも及ぶ寒冷の地であるから、実情勘案の上、寒冷地手当の支給地として指定せられたいとの要望であります。  これら寒冷地手当に関する請願は、それぞれ妥当なる点が見受けられるものでもあり、政府として十分研究せしめる必要があると認めまして、これを議院の会議に付し内閣に送付すべきものと決定いたしました。以上御報告申上げます。
  40. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔総員起立
  41. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。      ——————————
  42. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) この際、日程の順序を変更して、日程第七十一より第八十五までの請願日程第百二十及び第百二十一の陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  43. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 御異議ないと認めます。先ず委員長報告を求めます。地方行政委員会理事堀末治君。    〔堀末治君登壇拍手
  44. 堀末治

    ○堀末治君 只今議題となりました請願二十五件、陳情三件について、地方行政委員会における審査の経過及び結果を御報告いたします。  本委員会においては、前回報告の諸請願陳情審査に引続き、三月十九日に委員会を開きまして、同日までに付託されました請願陳情のうち、地方税に関するものを審査いたしました。  請願第八百九号、遊興飲食税軽減に関する件は、現行四割を一割に引下げられたいというのでありまして、請願第六百六十三号、第七百五十九号、第七百九十一号、第八百三十六号、第八百三十七号、第八百五十一号、第八百七十七号、第九百四十一号、第九百八十四号、第九百九十五号、第千六十一号、第千百八十六号、第千三百十二号の十三件は、いずれも旅館宿泊に対する遊興飲食税を廃止されたいというのでありますが、このうち第六百六十三号は、若し即時実現が困難ならば、食事料の税率を一割以下にされたいというのであります。請願第百四十八号、第六百六十二号、第八百三十八号、第八百三十九号、第九百五十号並びに陳情第十六号、第二百十二号の七件は、映画演劇の入場料減免の措置を望むものでありますが、このうち、請願六百大十二号、九百五十号及び陳情二件は、映画を五割、演劇を二割に引下げ、ニュース及び教育映画を無税にされたいというのであります。請願第三百九十五号は市町村民税の課税標準の改正、報償金の引上げ、国鉄専売公社等に対する課税等を願うものであります。請願第千百八十五号は狩猟者税を二千四百円程度に引下げられたいというのでありまして、陳情第百八号は、事業税課税標準算定に当り、国と地方並びに地方相互間に不均衡のないように指置されたいというのであります。  委員会におきましては、政府当局質疑応答を重ね、愼重審議いたしました結果、いずれも願意妥当と認めまして、これを採択し、議院の会議に付し、内閣に送付すべきものと決定いたしました。  次に請願第三百三十九号は、市民税改正を行う場合には新年度の徴収に支障のないように処置されたいというのでありまして、第三百四十号は、法人に対しても個人同様の市民税を賦課されたいとの請願であります。請願第二百八号は、公営庶民住宅の使用者に対する固定資産税の免除を、同第五百三十九号は、六十五歳以上の不遇な老人に対する市町村民税の免除を願うものであります。  以上の四件はいずれも願意妥当と認めまして、これを採択し、議院の会議に付すべきものと決定いたしました。  以上御報告申上げます。(拍手
  45. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は、委員長報告の通り採択し、日程第八十三より第八十五までの請願のほかは、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔総員起立
  46. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情全会一致を以て採択し、日程第八十三より第八十五までの請願のほかは、内閣に送付することに決定いたしました。      ——————————
  47. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) この際、日程の順序を変更して、日程第八十六より第九十までの請願及び日程第百二十二より第百二十四までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  48. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 御異議ないと認めます。先ず委員長報告を求めます。外務委員長櫻内辰郎君。    〔櫻内辰郎君登壇拍手
  49. 櫻内辰郎

    ○櫻内辰郎君 只今議題となりました請願並びに陳情につきまして、外務委員会審議の結果を御報告申上げます。  請願第八十三号、第三百八十号、第五百十号、第五百三十二号及び第五百八十九号は、いずれも在外公館等が終戦当時引揚その他の行政的費用として、現地在留民より後日支拂を約して借上げた資金の返還を要望したものであります。請願第六百七号は比島における戦犯者として死刑の判決を受けている者の助命を請願したものであり、請願第六百十七号は阿波丸の代船建造について援助措置を要望した日本郵船会社からの請願であり、第七百十九号は、最近小笠原諸島の信託統治説が伝えられるが、歴史的関係等から見て、小笠原は発見の当初より日本領土であるから、同島の日本復帰を要望するというのであります。  次に陳情でありますが、陳情第七十一号は、請願第八十三号等の同様、在外公館等借入金に関するものであり、第百三十八号は、来たるべき講和條約について、多数国との急速講和、平等の立場における経済協定の締結、在外私的財産の返還等を要望した日本商工会議所会頭を代表とする業界の意向を盛つた陳情であります。又陳情第百五十二号は、海外に抑留されておる戦犯者を内地に移管して服役せしめられたいこと、及び戦犯者に対する減刑、釈放を要望したものであります。  本委員会は、以上各件について政府側の意見も聴取した上、審議を行なつた結果、いずれも願意を尤もと認めて、これを採択し、議院の会議に付し、且つ内閣に送付すべきものと全会一致を以て決定した次第であります。  以上御報告申上げます。(拍手
  50. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔総員起立
  51. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。      ——————————
  52. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) この際、日程第九十一より第百十六までの請願及び日程第百二十五より第百三十九までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  53. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 御異議ないと認めます。先ず委員長報告を求めます。大蔵委員会理事杉山昌作君。    〔杉山昌作君登壇拍手
  54. 杉山昌作

    ○杉山昌作君 只今上程せられました請願四十三件、陳情十八件につきまして、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。  本委員会におきましては特に小委員会を設けて審議に当らせましたが、小委員会におきましては、請願人又は紹介議員から趣旨の説明を聞き、又政府のこれに対する意向も聴取した上、更に質疑応答を重ねる等、慎重に審議をいたしたのでありますが、その結果は次の通りであります。  先ず請願第二十八号、第七十八号、第百五十六号、第百六十六号、第百八十四号、第二百六十六号、第四百八十四号及び陳情第七十四号、第七十五号、第九十四号は、いずれも絹織物等の高級織物に物品税を新たに課することに反対するとの趣旨であり、請願第八号は喫煙用具の物品税に免税点を設定せられたいとの趣旨であり、請願第三十三号は喫煙用ライターの物品税課税分類を丁類とせられたいとの趣旨であり、請願第七号は芋あめの物品税を撤廃せられたいとの趣旨であり、請願第二百八十四号、第七百一号は、それぞれ電機器具及び彫刻の物品税を軽減せられたいとの趣旨であり、請願第九十号、第九十一号、第九十二号、第百三十七号、第百三十八号は、いずれも揮発油税を軽減せられたいとの趣旨であり、請願第六号は、織物消費税廃止に伴つて、生産業者及び販売業者のこうむつた損失を補償せられたいとの趣旨であり、請願第百十九号、第三百十六号は、宮崎県下における先年の台風による災害を所得税の賦課に当つて考慮せられたいとの趣旨であり、請願第百六十九号は農民に対する課税を軽減せられたいとの趣旨であり、請願第四百七十五号は、水産業協同組合に対する法人税等を免除し、並びに漁業関係各種租税の不合理を是正せられたいとの趣旨であり、請願第五百九十一号は、冷凍業者に対する課税に当り、その固定資産耐用年数を実情に即するよう改訂せられたいとの趣旨であり、陳情第十五号は、入金領収書及び商品券の印紙税免除額の引上げ等印紙税法改正せられたいとの趣旨であり、陳情第三十四号は家畜を租税滞納処分の対象とすることに関し善処せられたいとの趣旨であり、陳情第四十九号は、中小企業に対し、勤労控除の設定、基礎控除の引上げ等租税軽減を図られたいとの趣旨であり、陳情第五十九号、第八十六号、第百四十号は、資本蓄積の重要性に鑑みて、税制を再検討し、積立金課税廃止等の措置を講ぜられたいとの趣旨であり、陳情第百六十七号は、古書籍業者に対し、営業の実情に即するよう課税の適正化を期せられたいとの趣旨であり、陳情第百八十五号は公務員の退職給與金を所得税の課税対象から除外せられたいとの趣旨であり、請願第三百五十一号は納税準備預金の利子を引上げられたいとの趣旨であり、陳情第四十八号は、信用保証協会保証額に対し、政府資金による再保証を実現せられたいとの趣旨であり、請願第二百七十四号は、財団法人日本製鉄八幡共済組合年金受給者中、第九国会の立法にかかる年金受給者のための特別措置法の適用から漏れた者に対する年金を増額方措置せられたいとの趣旨であり、請願第六百十三号は、閉鎖機関整理委員会等職員に対しても恒久的な退職給與制度を確立せられたいとの趣旨であり、請願第六百十二号は、塩田の災害復旧、設備改善を促進するため、塩業者に対する融資及び減税の措置を講ぜられたいとの趣旨であり、請願第六百六十五号は、ソーダ用原料塩の輸入確保のため適当な方策を講ぜられたいとの趣旨であり、請願第二百三十号、第二百五十五号、第三百七十一号、第四百九号、第四百二十八号、第五百二号、第五百七十号、第五百七十四号、第五百七十五号、第六百七十三号、第八百七十九号及び陳情第百十四号、第百三十九号は、いずれもたばこ専売事業の民営移管に反対するという趣旨であります。  以上五十三件はいずれも願意を相当と認めますので、これを議院の会議に付し、内閣に送付すべきものと決定いたしました。  次に請願第三百九十七号は、江戸川改修工事に伴い土地を買取られた者に対する所得税賦課に際し、右の土地代金収入への課税を免除せられたいとの趣旨でありますが、今後本件と同様の問題はしばしば起ることが予想されますので、政府も一般問題として十分研究すべきであり、又本件の実情については更に調査し善処すべきものとの意味におきまして、又陳情第百五十七号はアルコール添加による果実酒を実現せしめられたいとの趣旨でありますが、ただその限りにおいては現行法規上可能でありますので、あえて異を唱うべきものでないとの意味におきまして、又請願第六百八十六号、陳情第百七十三号は、寒冷積雪地方の住民に対しては、税率の引下げ又は基礎控除の引上げ等の減税措置を講ぜられたいとの趣旨でありますが、税法上かくのごとき特別措置規定することは適当ではありませんけれども、所得の認定、必要経費の計算等に当つて、十分に実情に合うよう見積る等、課税の適正を図るべきであるとの意味におきまして、又、請願第五百八号は、大蔵省所管の故銑をこれが使用者である鋳物業者に直接拂下げられたいとの趣旨でありますが、これがために拂下げ手続を随意契約制度に改めることは考慮を要するけれども、現行の指名競争入札制度の下に、適当な配慮を行なつて、願意を達成せしむべきものであるとの意味におきまして、又、請願第四百十号は、昭和二十五年度葉たばこ買上げに当り、その標本の適用を緩和し、等外品もこれを買上げるのほか、すでに買上げたものに対しては追加代金を交付する等の措置を講ぜられたいとの趣旨でありまして、その一つ一つの措置は実行困難といたしても、将来に亘り耕作者保護の趣旨を取上げる意味におきまして、又、陳情第百五十四号は、鳥取県日野上村生山に山陰合同銀行の支店を設置せられたいとの趣旨でありますが、要望を政府に取次ぐ意味におきまして、又、陳情第百六十号は、二月、三月の徴税期に際して、中小企業金融特別店舗の設置等、中小企業金融対策を講ぜられたいとの趣旨でありますが、二月、三月の急速実現は別としても、徴税期における中小企業金融の強化を図る必要ありとの意味におきまして、いずれも議院の会議に付し、内閣に送付すべきものと決定いたした次第であります。  以上御報告申上げます。(拍手
  55. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔総員起立
  56. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。  次会の議事日程は決定次第公報を以て御通知いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十二分散会      —————————— ○本日の会議に付した事件  一、日程第一 彈劾裁判所裁判員辞任の件  一、彈劾裁判所裁判員選挙  一、日程第二 参議院事務局職員定員規程の一部改正に関する件  一、日程第三 参議院法制局職員定員規程の一部改正に関する件  一、日程第四 教育公務員特例法の一部を改正する法律案  一、日程第五 輸出品取締法の一部を改正する法律案  一、日程第六 地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、日用品検査所の出張所の設置に関し承認を求めるの件  一、日程第七乃至第七十の請願  一、日程第百十七乃至第百十九の陳情  一、日程第七十一号乃至第八十五の請願  一、日程第百二十乃至第百二十一の陳情  一、日程第八十六乃至第九十の請願  一、日程第百二十二乃至第百二十四の陳情  一、日程第九十一乃至第百十六の請願  一、日程第百二十五乃至第百三十九の陳情