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1951-03-19 第10回国会 参議院 本会議 第26号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年三月十九日(月曜日)    午前十時四十九分開議     ━━━━━━━━━━━━━  議事日程 第二十五号   昭和二十六年三月十九日    午前十時開議  第一 下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出)(委員長報告)  第二 裁判所法等の一部を改正する法律案内閣提出)(委員長報告)  第三 裁判所職員定員法案内閣提出)(委員長報告)  第四 昭和二十四年度特別会計予備費使用調書(その二)(承諾を求める件)(衆議院送付)(委員長報告)  第五 昭和二十四年度特別会計予算総則第六條並びに第七條に基く使用調書承諾を求める件)(衆議院送付)(委員長報告)  第六 昭和二十四年度日本国有鉄道予備費使用調書承諾を求める件)(衆議院送付)(委員長報告)  第七 昭和二十五年度一般会計予備費使用調書(その一)(承諾を求める件)(衆議院送付)(委員長報告)  第八 昭和二十五年度特別会計予備費使用調書(その一)(承諾を求める件)(衆議院送付)(委員長報告)  第九 地方議会議員選挙期日延期反対に関する請願委員長報告)  第一〇 公職選挙法中一部改正に関する請願(三件)(委員長報告)  第一一 公職選挙法第八十九條改正に関する請願委員長報告)  第一二 島根県多古鼻燈台設置促進請願委員長報告)  第一三 対馬船越村黒島に燈台設置請願委員長報告)  第一四 九十九里浜太東岬燈台設置請願委員長報告)  第一五 川東、谷田川両駅間に駅員無配置駅設置促進請願(二件)(委員長報告)  第一六 郡山市に測候所設置促進請願委員長報告)  第一七 徳島県日和佐町に徳島測候所分室設置請願委員長報告)  第一八 武豊線延長工事施行に関する請願委員長報告)  第一九 大阪、大社両駅間の準急列車二本を石見益田駅まで延長等に関する請願委員長報舌)  第二〇 岩国日原駅間鉄道敷設実地測量に関する請願委員長報告)  第二一 城岡駅を北長岡駅と改称の請願委員長報告)  第二二 魚沼線復活促進に関する請願委員長報告)  第二三 志佐、吉井両駅間に鉄道敷設請願委員長報告)  第二四 岩国日原駅間鉄道敷設促進に関する請願(二件)(委員長報告)  第二五 白棚鉄道復活に関する請願委員長報告)  第二六 下関を基地として関釜連絡航路復活に関する請願委員長報告)  第二七 山田線復旧促進に関する請願委員長報告)  第二八 三陸沿岸鉄道敷設促進に関する請願委員長報告)  第二九 志布志線延長工事促進に関する請願委員長報告)  第三〇 日向長井、三重町両駅間鉄道敷設等に関する請願委員長報告)  第三一 宮崎、小林両市間鉄道敷設促進に関する請願委員長報告)  第三二 仙台、岩沼両駅間鉄道電化に関する請願委員長報告)  第三三 豊頃、大津、大樹三村間国営バス路線開設促進に関する請願委員長報告)  第三四 白河、仙台駅間鉄道電化促進に関する請願委員長報告)  第三五 公職選挙法第八十九條改正に関する陳情委員長報告)  第三六 公職選挙法中一部改正に関する陳情委員長報告)  第三七 福島県猪苗代観測所測候所に昇格するの陳情委員長報告)  第三八 宮原線貫通促進に関する陳情委員長報告)  第三九 宮原線開通促進に関する陳情委員長報告)  第四〇 京都駅改築および鉄道高架建設促進に関する陳情委員長報告)     ━━━━━━━━━━━━━
  2. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 諸般の報告は朗読を省略いたします。      —————・—————
  3. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) これより本日の会議を開きます。    〔羽仁五郎発言の許可を求む〕
  4. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 羽仁五郎君。
  5. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 私はこの際、学問の自由に関して緊急質問することの動議を提出いたします。
  6. 小川久義

    小川久義君 只今の羽仁五郎君の動議に賛成いたします。
  7. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 羽仁君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。よつてこれより発言を許します。羽仁五郎君。    〔羽仁五郎登壇拍手
  9. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 学問の自由は、これによつて我が民主主義が立つか倒れるか、その最高原則関係する問題であります。然るに現在政府が我が国会審議を求めている教育公務員特例法の一部の改訂案に関連して、国立公立大学等における学者教育者を不当の処置から守る事前公開審理規定立法的意義について、政府文相の見解は、学問の自由の保障について重大な疑義を生じているので、これを質す緊急の必要が認められるのであります。問題は次の三点に集中されるのであります。  第一に、文相天野博士は、国立公立大学等において、およそ教員が常に第一に教育者学者としての自覚に立つことを望むか、それとも、これらの人々が專ら官公吏として命令服従関係に置かれることを望むか、この点であります。現行法はもとより国立公立学校教員公務員としていますが、併し教員本質的には教育者学者として考えられなければならないので、ここに特例法立法されたのであり手。(「ノーノー」と呼ぶ者あり)そこで若しもここに改訂を加えるならば、それはこの教員教育者学者としての自党を一層尊重する方向に向うか、それとも教員官公吏として他律的、従属的方向に置こうとするか、ここには原則的の差異がある。  先日来、国会に向つて文相政府委員は、教育公務員特例法五條改訂によつて大学等における事前公開審理保障が削除されても、公務員として人事院公開審理が受けられると述べている。この考え方には、旧文部省学問教育に対する官僚的支配の弊風の伝統復活として戰慓すべきものがあります。(「その通り」と呼ぶ者あり)  江戸時代寺社奉行が僧侶を呼ぶこと奴のことしと記録されている。政府命令服従する関係に置かれて、何の宗教の尊嚴、何の芸術、何の学問教育尊嚴があるか。旧日本帝国政府文部省が、大学総長一般の校長をもその支配のもと呼びつけて命令を下し、訓令し、奴隷のごとく取扱つたことはないと言えますか。本議員は誇張しているのではありません。現に先頃、国家公務員法に関する本院の人事委会員審議において、本議員がこの点を論ずるや、当時、本院議員として人事委員の任にあつた寺尾博農学博士はこれに共鳴され、あの温厚の君子が、にわかに顔面に憤激の紅潮を隠すことなく、世界にその名を知られた博士が、政府及びその農事試験場等におけるその数十年の生涯に、ともすれば單なる一官吏属僚として扱われ、学者の誇りを傷つけられ、幾たび暗涙にむせんだかわからなやと切々として証言されたのであります。本議員は、農林一号等の母体となつた陸羽百三十二号の発見者とを世界学者しての寺尾博士が、一官吏として体験された屈辱を歎かれた風貌を、今も眼前からかき消すことができないのであります。そこで現文相天野博士に質さなければならない。教育公務員特例法の第五條改訂により、公開審理保障の削除により、文相天野藩士は、教育公務員を、而も学者教育者としての方向に立たせようとするのか、それとも、その反対方向に、官公吏として、即ち寺尾博士をして暗涙にむせばしめたような方向に立たせようとするのか、この二つ方向のどちらに一歩を加えると断言されますか。良心によつて答弁せられたいのであります。  戰前の或る日、大内兵衞教授日本経済前途につき深刻に憂慮され、而も自分経済学者ではあるが、帝国大学教授として一官吏として、政府政策批判公開的に述べることができないと歎かれたのであります。これらすべてはすでに全く過去のことでありましようか。(「日本の常識を考えろ」と呼ぶ者あり)果して本議員の恐れるような環境がまだ日本に強く残存しているとされるならば、教育公務員が、学者教育者として尊重され得る学校において事前公開の場にその所信を議す機会は、断じて奪わるべきではありません。(「その通り」と呼ぶ者あり)  学園における事前公開審理人事院における公開審理とは、その性質が異なる。前者においては、教員は、学者教育者として立ち、後者においては教員公務員として立つ。そして公務員法民主主義を目指してやるということを以て、現在日本にまだ官僚主義が強く残存している環境の問題の、この重大深刻の問題の立法上の考慮が回避されることは許されない。本議員は、東大公開審理にも、人事院公開審理にも、自身出席し、直接の検証に基いて、この質問を行なつているのである。学園における公開審理人事院における公開審理とは、すでにその空気が全く違います。窓の外に眼をやつただけでも、こちらは、今審査し審査されている双方が同じく対等に学問教育の貴重の使命に朝夕を迎えた学園であり、そちらは、学問教育などとは縁の遠い、学者教育者に全くフレムドな、上司下司官僚主義の冷たい風景であり、その室内に対面するのは、任命権者たる文相そのほかの大臣代理者、何局長、何課長、多く官庁に外的な事務にその半生を建つて来られ、学問教育に毎日を捧げた内的住活とはむしろ縁の遠い、どうかすれば甚だ形式的の顔であります。本議員は、東大公開審理において、紛争の間にも、而も原田助教授なり六山助手なりと南原総長や各学部長者教授諸君との間に、又公開を許されて傍聽している教職員学生諸君の間にも、競い対立の中にも而も同じくミネルヴアの殿堂に献身する者の共同の空気を常に、感ずることができたのであります。これに反し本議員は、日本における細菌学権威矢追博士が、その半生を捧げた伝染病研究所を追われ、細菌学から引き離され、厚生省の一官吏として行政事務書類に印を押すような椅子を與えられたことに不満に堪えず、最後の手段として訴えた人事院公開審理において、任命権者厚生大臣代理者総務局長というのか人事課長か何かその人物はいざ知らず、学問には内的理解のなさそうなその官吏から、厚生省の一官吏厚生大臣決裁に何の文句があるのかときめつけられるのを見て、矢追博士その人に対してでない、学問がこのような冷酷な取扱を受けるのを見るに忍びないと、退席したのであります。さすがに人事院公印委員会委員長が、その大臣代理に対し、厚生大臣責任と権限とによる決裁というだけでは事由説明にはならないと注意をしておりましたが、官僚主義の表情は硬化するばかりでありました。而もこの委員長にしてもやはり人事院の一官吏である。学者研究室から行政官庁に移されて感じている悲痛の苦しみの十分の理解をここに求め得ようか。これはその場でありましようか。幸いにして大学等においては、その場が與えられていたのです。学問教育雰囲気の中における事前公開審理がそれです。その保障を、今、文相天野博士が奪い去ろうとされるのですか。  第二には、文相天野博士は、学問の量のみを眼中にし、学問の質を眼中にされないのでありますか。今の教育も勿論必要であるが、定説を脱却する新学説の発見による学問質的進歩関係して、どうかすると極めてデリケートの深刻の問題が、学者教育者の身辺に惹き起されるのであり、この問題の幸福なる平和的解決のための保障の必要を文相は認識されないのか。文相は、教授及び学生をして徒らなる紛争に煩わされることなく勉学に專念せしめたいと考え、複雑なる訴訟的手続要件としないようにしたいと説明された。併し公開審理のために、教授学生が常に学業を投げうたねばならないほどの時間と労力とを要するかのような印象を與えようとされることは、フエアーではありません。いやしくも、学者教育者人事につき不公平の疑いを生じ、事前公開審理において多大の紛争をなす必要を感ずるというようなことを、文相天野博士は常時に想像されますか。公開審理の紛糾を生ずるのは稀なる場合であります。現行法実施以後の事実がこれを示している。現在までに全国において東大及び神戸大学の二件が紛糾しているだけで、他の大多数の大学においては、教職員及び学生は、万一の場合には事前公開審理保障があるので、ふだんは安心して学問に專心しているのであります。この東大及び神戸大学の二件においても、これに時間を要しているには相当の理由がある。神戸大学の場合には、学長の病気による公開審理延期ということも報告されておりますが、本議員自身は、当時、日本学術会議学問思想の自由の保障委員会委員長として本件の提訴を受けへ考慮の結果、小松攝郎教授は先きの戰争中も学者節操を失わなかつた日本に稀に見る純粹の学者の一人であつたことを本議員もよく知つておりますし、日本に有数の前途有為哲学教授を、ここに一時の興奮の中に簡單に失つてしまうよりは、少しく冷却期間を置き、その間に方向を見定めるべきではないかというような点を、個人的に学長と懇談したこともあつたのです。神戸大学、又東大の場合、公開審理制度の発足に当つて、原被の双方がまだ新しい制度について熟練していないのであります。且つ特に東大の場合、第一流の学者機関を構成しているので、全国大学及び学校の模範となる規準先例を開くべく期待されていたこともあります。いずれにせよ、最初の東大及び神戸大学公開審理十分愼重に行われているのをとらえて忽ち即断を下し、公開審理は徒らなる紛争に多大の時間を空費すると断定し、直ちにこれを廃止せよとするような態度が是か非か。文相天野博士の静かなる愛国心の思索を求めます。(「共産党の代弁者だ」と呼ぶ者あり)大学などの学園行動は、学問教育本質からして、必ずしも事務的の能率とか速度とかいうような方向から判断せらるべきものではありません。ミネルヴアの農は日暮れて飛ぶ。ときには余りにスローであつても、そこにアカデミーの本質があることは、最近イギリズのユニヴアシテイ・グランツ・コミツテイの委員長サー・ワルタア・モベルリイが新著「大学の危機」の中にも切言されている。公開審理という新らしい民主主義制度が高い理想を以て出発してまだその幼年期にあるのに、その動きが直ちに軌道に乗らないといつて忽ちこれを窒息させようとするような急迫の態度は、果して学問関係する者の相互の信頼を高めるゆえんでしようか。  而もここに特に銘記して文相天野博士に質さなければならないのは、草間の量と質との問題であります。学問の量だけが問題ならば、人は机に向つて勉強している時間の多いことのみを願うべし。併し更に高い問題として学問の質の問題がある。学問の独創的の研究はとかく極めてデリケートの関係に立たされ、これが迫害され、学問の自由が阻害される事実の起ることは、歴史の示すところであります。これを守り、そのような悲しむべき事態を、大学等の内部において学問理解する雰囲気の中の公開の処理により、理性の争いにおいて平和的に解決すること、ここに現行公開審理の最も高い新らしい民主主義的意義があります。ヂオルダノ・ブルノがコペルニクス理論の展開を守つて死刑に処せられ、ガリレイが七十歳の高齢を以て秘密裁判に苦められ、近く我が日本においても美濃部博士天野博士が不当の迫害を受けられたような、ああした種類の悲劇、世人の心を痛ましめたこれらの悲惨事の幾分かは、公開審理保障があつたならば防ぐことのできたものなのであります。  学生の両前における教授間の紛争公開教育弊害があるというような議論にも、古い一方的の考え方、知らしむべからず依らしむべし的の考え方復活の虞れのほうを強く感ぜさせられます。本議員も何らの紛争のないことを望みます。併し何らかの紛争の問題がある場合、そしてこれを非公開で処理するという態度がとられた場合、そして、それで学生が納得すればよいが学生が納得しなかつた場合、この場合の教育上の弊害にこそ、実に致命的なものがありはしないでしようか。(拍手)  そればかりではありません。学生はすでにでき上つた学問を、据え膳を食うように、手を拱いて、ただその量の多くを学んで、学校を出ると忽ちそのすべての学問を全く忘れてしまう。然るに、新らしい学問が生れるのを見、学問進歩がさまざまの紛争のなかに守られるその場に連なり、学問の自由のデリケートにして深刻の関係に参加し、かく学問本質的のものに触れることができた感銘は、その学生の一生に決して忘れがたく、その人は年老いるまで学び、又、人の学ぶことに、同情を持つことができます。本議員自身、内外の大学講義温習に列し、数千巻の書を読んだことによつてよりも、学生時代に、大内、森戸両教授の事件を体験し、その後、今日まで、日本及び世界学者教育者学問教育の自由を守つて辛苦するのを見、聞いて、深い感銘を與えられたことを告白せねばなりません。而も紛争が平和的に処理され、そこに学生学問社会的本質に触れる機会を與えられることは、決して時間の空費と言わるべきものではない。一七九八年、日本ではまだ徳川十一代将軍家齊などといつた封建主義支配していた時期に、カントがその純粹の哲学的思索の時間を割いて、シユトライト・デル・フアクルテエチン——「学部鬪争」のような学問政治との紛争に関する問題に一時没頭したことが、純粹の哲学的思索にとつても無益なことであつたとされますか。「学問本質には顛覆的なるものがある、これを守らねばならぬ」とは福沢諭吉の言であります。草間質的進歩のために、既定の枠を脱する学者教育者思索行動に伴う紛争平和的解決保障として、文明の制度として、大学等における事前公開審理保障には、多少の時間とか弊害とかの比較的の問題に左右されることのできない意義があるのではないか。而もこれは稀なることなのです。万一の場合の保障なのです。さればこそ最も愼重にすべきではないのか。  第三、最後に、果して大学等における公開審理が行われない場合、そこに如何なる新らしい事態が発生するか。この問題について文相は如何に考えられるか。鈴を盗んで耳を蔽うていることはできません。この公開審理が行われない場合、そこに論理的にも事実的にも二つ事態のいずれかが発生することを予測しなければならぬ。即ちそこに、この公開審理における紛争と比較することのできない煩烈なる鬪争が全学園又は社会をも巻き込んで、全く政治的なる闘争への激化保障されなくなるか、然らずんば、その反対に、この公開審理平和的解決と比較することのできない諦めの静けさが、死の沈黙奴隷的な、全くの無節操服従にまで陷つて行く頽廃が保障されなくなるか。この二つのうちいずれかの事態が必ず発生するのです。元来、すべての人が、不正不当に屈しない抵抗、レヂスタンスの権利を、人間尊嚴のために固有権利として持つている。かくて、すべての勤労者が、団結権団体交渉権争議権固有基本権として保有している。然るに公務員教育公務員は、この固有基本権そのものを否定されるのではなく、これらの権利行使において、一定の條件の下に団体交渉権及び争議権行使につき制限を承認し、このことにも問題がないわけではないことは、当時対日理事会において英連邦代表などによつて批判ざれたところなのでありますが、その団体交渉権及び争議権行使制限の結果、それに代るものとしてここに発生したのが人事院であり、又は大学等における事前公開審理保障ではなかつたのか。従つて大学等において事前公開審理保障がなくされるということになれば、ここに必然的に、従つてオートマテイツク、自動的に、大学等においても、団体交渉権争議権行使権利復活するか、然らずんば、大学等における学者教育者が不正不当に屈しない抵抗権利が全く失われ、人間尊嚴をも失う、死のごとき沈黙奴隷的服従への堕落も保障されない状態が発生するか、この二つ一つの帰結をアリストテレスも回避することはできないのです。そして文相は、知つてか知らずか、この重大の責任を負われることとなるのである。本議員は、衷心これを天野博士において見るに忍びない。大学等における事前公開審理は、対立の無制限激化か、然らずんば対立の無制限の抑圧か、この両極端のいずれをも避けて、その黄金の中間をとり、激烈なる事議鬪争化に伴う悲惨を防ぐと共に、而も又別の意味で一層悲惨なる死の沈黙奴隷諦め服従の無節操をも防ぎ、理性雰囲気の中に或る程度紛争を許し、これによつて不満が表明され、批判公開され、世論の判断をも受けつつ、ラスキの言うような「説得による革命」の方向において、既存の秩序と新らしい要求との対立意識的調和平和的解決保障される唯一の第三の方法ではないのか。それは理想ではあるが現実ではないと言われますか。併しこの理想を放棄するならば、それこそ我々は究極的に、階級鬪争の激発か、絶対主義專制的支配か、この二つのいずれか一つ方向に立つのであります。  結論大学等事前公開審理要件としている規定には一つの極めて高い理想のあることは、文相も認められるでありましよう。果して然らば、この規定を削り、これを要件としない改訂案には、如何なる高い理想があるのですか。天野博士がその文相在任中に高い理想を犠牲にする官僚政治に関與されることは、哲学を冒涜するものではありますまいか。天野博士自身よく知られるごとく、我が日本伝統の極めて浅く弱い学問の自由を、我が日本伝統の極めて深く強い官僚主義の中に、而もこの学問の自由を育てるために、大学等において、学者教育者が不当の処置から保障されるための進歩的方法としての事前公開審理要件とする規定は、あらゆる困難の中にも捨てらるべからざる民主主義原則に属するものとして、やはり守らるべきものであるという結論に、天野博士が到達され、その文相としての最高の重責において決意されるところがあるならば、現政府にしても、その與党にしても、関係方面にしても、この天野博士理想主義的決意を踏み躪つてまでも、いわゆる現実政策を強行し得るものではないでありましようし、(「共の通り」と呼ぶ者あり)又日本全国大学そのほかの教員学生の多数も、天野博士がそのような重大な決意を以て、遂に大学等における事前公開審理保障を守られたと聞くならば、必ずおのずから著しく自重することができるでありましよう。  今回の改訂がそのまま通つても、大学等における事前公開審理は決して禁止されることのできるものではない。大学等の自由の意思に任されるのである。大学等が自発的に事前公開審理を行うことは望ましいことなのである。文相はこの程度の信念を今この国会を通じて声明せられることをも憎むのですか。而も諸君民主主義最高立法機関としての国会が、この事前公開審理大学等において自発的に行われることを希望するばかりでなく、これを要件として学問教育の自由を保障すべき立法的責任を有するとは考えられませんか。(拍手、「何を言つたかわからないぞ」と呼ぶ者あり)    〔国務大臣天野貞祐登壇拍手
  10. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 大学教授国立大学にあつてはやはり国家公務員なんで、国家公務員としての責務を当然負うということは言うまでもないことと私は信じております。併し一般公務員と、それから大学教授というふうのものでは、そこに非常に違つたところがありますから、大学教授というものの違つた点については、更に考慮をする必要があるかと自分は思つております。一方においてはこの教育者の俸給の別表を作ろうというような考えを持つておりますから、そういう際に、大学教授というものについて、その身分になお検討を加えることが必要であるかとも思つております。けれども、私は羽仁さんの論を聞いておるというと、大学教授という一つ学問理想型というものを描き出して、そうして、それについて、その理想的な類型ですね、それのあり方というものを論ぜられ、片つ方は、官吏なら官吏というものは、何だか人間でないような、学問も何も理解せんような、ここに又一つの類型を描き出して、そうして二つの抽象的な類型を鬪わしておるような感じがするのでございます。(拍手、「その通り」と呼ぶ者あり)一体この法律というものは、法律自体だけ考えてもその妥当性はわからない。私の考えでは、法律の施行される対象、即ち法律の行われる社会というものとの関連において、法律の妥当性というものは考うべきものだと思うのです。私はその事前公開審理ということは、それ自体としては誠に結構なことであつて、私もこれを維持したいという考えは持つております。できるならばそうしたい。けれども、日本社会現実は、実際にこれをやつて見るとできないのです。(「言論の圧迫だ」「黙つて聞け」「共産党が……」と呼ぶ者あり)それはこの大学学長たちが、それを経験されたかたも経験されないかたも、到底これではやれないということを私に言つて来ておられるのです。私はそういう経験に基いて、立法そのものは誠に立派なものであるけれども、これが日本現実には適しない。従つてこれを必ずやれと大学に向つて法律的に命令するということは、これは私は不当だと思う。やつても……やることをしたい大学はしたらよろしい。これをやりたくないならば、やらないようにその機関においてきめたらよろしい。もともとこの法律というものは、大学の独立を確保するために作つた法律であるから、その大学の自由に任そうという考えでございます。私も真理を愛し自由を愛する点においては、羽仁君に何も劣らない。自分自分として考えております。(拍手、「詭弁だ」「わかつたよ」と呼ぶ者おり)      —————・—————
  11. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) この際、日程第一、下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案、日程第二、裁判所法等の一部を改正する法律案、日程第三、裁判所職員定員法案、(いずれも内閣提出)、以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長報告を求めます。法務委員会理事宮城タマヨ君。    〔宮城タマヨ君登壇拍手
  13. 宮城タマヨ

    ○宮城タマヨ君 只今上程されました下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案委員会におきましての審議の経過並びに結果について御報告申上げます。  本改正案の要点は、栃木県下都賀郡小山町ほか二カ所に簡易裁判所を新設すること、東京地方裁判所管内の品川簡易裁判所及び奈良地方裁判所管内の吉野簡易裁判所の所在地を変更すること、伊勢崎簡易裁判所ほか三簡易裁判所の管轄区域を是正すること、及び従前の市町村が合併又は分離して、新たに市町村ができ、又市町村の一部が他の市町村に編入される等裁判所の管轄区域の基本となつた行政区画に変更のございましたもの等について、この法律の別表の記載を訂正すること、以上の四点でございます。これらの改正は、いずれも土地の状況及び交通の便否等を考慮いたし、又地元の各機関等の意向等も参酌して決定したものであることは、政府側の説明によつて明らかでございます。  委員会におきましては、須藤委員より簡易裁判所の新設について質疑が行われました。その要旨は速記録によつて御了承を願うことにいたします。討論に入りまして、須藤委員より、裁判所管轄区域の変更是正、その所在地の変更等には賛成であるが、一般に裁判官が不足を告げ、殊に簡易裁判所判事の素質が低く、人権擁護に十分なるものと認められない現在において、簡易裁判所を新設することは時期尚早であり、この点については反対なる旨の発言がございました。討論終結の上、採決いたしました結果は、多数を以て原案を可決すべきものと決定いたしたのでございます。次に裁判所法等の一部を改正する法律案及び裁判所職員定員法案につきまして、委員会審議の経過及び結果の御報告を申上げます。  裁判所法等の一部を改正する法律案の内容を簿單に御説明いたしますと、先ず第一に、家事調査官及び家事調査官補の制度の新設であります。現在家庭に関する事件、即ち家事審判事件及び家事調停事件は、少年保護事件と共に家庭裁判所の所管になつております。ところが新民法の精神が一般国民の間に普及徹底されるにつれて、従来封建的家族制度の中に眼つていた国民は、この新民法の基本的理念たる個人の尊嚴と両性の本質的平等とを追々自党するようになりまして、家庭に関する事件も年々増加の一途を辿つており、今後もますます増加するものと予想されるのであります。そこで、これら家事事件の調査を十分ならしめ、その処理を適切迅速にするために、裁判官の命を受けて審判及び調停に必要な調査を行うべき家事調査官及び家事調査官補の制度を新設しようとするものであります。第二は、家庭裁判所の成人の刑事事件に関する裁判権の拡張であります。現行制度の下では、家庭裁判所はその取扱う成人の刑事事件につきまして罰金刑を科することはできますが、禁錮以上の刑を科することはできません。従つて禁錮以上の科刑を相当と認める場合は、その事件を地方裁判所に移送しなければならないのですが、その結果は審理が重複して行われることとなり、手続も煩瑣であると共に、訴訟の促進にも多大の障害となつておるのであります。それで、この際、家庭裁判所が禁錮以上の刑を科することもできるものと改めまして、このような障害を一掃しようというのであります。第三は裁判所職員の官の級別の廃止でありますが、これは一般公務員のそれと歩調を合せるためのものであります。最後に、裁判官以外の裁判所職員に関する事項の規定の整備でありまして、これら職員は国家公務員法によりまして明年一月一日からはその適用を除外されることになりますので、現在同法において一般国家公務員について定められているような種類の事項は、別に法律を以て定める必要がありますので、その趣旨の規定を裁判所法の中に設けたものであります。  委員会におきましては、愼重審議をいたし、討論は省略の上、採決いたしましたところ、全会一致を以て可決すべきものと決定した次第であります。  次に裁判所職員定員法案は、昭和二十二年法律案第六十四号、裁判所の職員の定員に関する法律の全部を改正するものでありまして、その実質的な改正の要点は、先ず第一に、判事、判事補、裁判所書記官、研修所教官、裁判所書記官、同書記官補、少年調査官、同調査官補及び裁判所技官の定員をそれぞれ若干名ずつ増員すると共に、裁判所事務官を若干名減員することであります。この増員の大部分は、現在最も繁忙を極め、事件処理に追われておりますところの家庭裁判所に配置を予定されておるのでありまして、かかる措置によりまして、家庭裁判所の負担を軽減し、その処理能力を強化しようとするものであります。第二の改正点は、裁判所法等の一部を改正する法律案により新設されることになりまする家事調査官及び家事調査官補の定員を定めることであります。これら職員の職務等につきましては同法案の報告において御説明申上げた通りでありますが、その定員は、差当り家事調査官において四十九人、家事調査官補において百十一人と定めております。  改正は以上の二点でありまして、委員会におきましては、愼重審議の上、討論は省略いたしまして採決いたしましたところ、全会一致を以て可決すべきものと決定いたしました。  右御報告申上げます。(拍手
  14. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  先ず下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔起立者多数〕
  15. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。      —————・—————
  16. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 次に裁判所法等の一部を改正する法律案及び裁判所職員定員法案、以上両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔総員起立〕
  17. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて両案直全会一致を以て可決せられました。      —————・—————
  18. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) この際、日程第四、昭和二十四年度特別会計予備費使用調書(その二)、日程第五、昭和二十四年度特別会計予算総則第六條並びに第七條に基く使用調書、日程舞六、昭和二十四年度日本国有鉄道予備費使用調書、日程第七、昭和二十五年度一般会計予備費使用調書(その一)、日程第八、昭和二十五年度特別会計予備費使用調書(その一)、(いずれも承諾を求めるの件、衆議院送付)、以上五件を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  19. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長報告を求めます。決算委員長前之園喜一郎君。     —————————————    〔前之園喜一郎君登壇拍手
  20. 前之園喜一郎

    ○前之園喜一郎君 只今議題となりました昭和二十四年度特別会計予備費使用総調費(その二)ほか四件の事後承諾を求める件に関する決算委員会審議の経過並びに結果について御報告いたします。初めに本件の内容について大略を説明いたします。  先ず昭和二十四年度特別会計予備費使用調書(その二)について申上げます。昭和二十四年度各特別会計予備費の予算総額は二百億二千七百余万円でありまして、使用された金額は百二十億五千八百余万円でありますが、このうち昭和二十四年十二月までに使用された三十億五千八百余万円については、すでに昨年二月国会承諾を與えておりますので、今回はそれ以後、年度末までに、外国為替等十二特別会計において使用された九十億余万円について承諾を求めておるのであります。次に、昭和二十四年度特別会計予算総則第六條並びに第七條に基く使用調書について申上げます。特別会計予算総則第六條但書の規定により、電気通信事業特別会計において、事業量の増加に伴う收入増加額の一部を事業の直接経費に充当したものが十一億三千六百余万円、同條前段の規定により、同特別会計において公債の償還に充当したものが十億円となつております。又同総則第七條の規定により、労働者災害補償保險特別会計において保險料收入の予算額を超えた増加額の一部を保險金の支拂に充当したものが一億六千六百余万円となつております。これらについて国会承諾を求めているのであります。  次に昭和二十四年度日本国有鉄道予備費使用調書について申上げます。昭和二十四年度日本国有鉄道の予備費の予算額は十億円でありまして、同年度中にこれを全額使用しておるのであります。  次に昭和二十五年度一般会計予備費使用調書(その一)について申上げます。昭和二十五年度一般会計予備費の予算額は四億五千万円でありまして、そのうち昭和二十五年十一月二十日までに使用された金額は二億一千五百余万円となつておるのであります。  次に昭和二十五年度特別会計予備費使用調書(その一)について申上げます。昭和二十五年度各特別会計予備費の予算総額は三百二十五億三千余万円でありまして、そのうち昭和二十五年十二月二十六日までに使用された金額は外国為替等十三特別会計において合計百二十一億九千四百余万円となつておるのであります。  本委員会におきましては以上五件につきまして愼重検討いたしましたのでありますが、次に委員会における質疑応答の主なるものを御紹介いたします。第一、政府は閣議決定によつて国会開会中は予備費の使用決定を行わないと定めておるのであるが、例えば二十五年一月から三月までは国会開会中であつたのに、これを使用したものがある、これについて政府当局の見解はどうであるかとの質疑に対しまして、閣議決定においても、内容の軽微なもの又は当然の義務に属するものについては例外を設けて、国会開会中においても使用決定をなし得ることにしておりますが、その他のものについては、国会審議権を尊重し、閣議決定の原則を嚴守しておりますから、御了承を願いたいとの答弁でありました。次に労働者災害補償保險特別会計において保險金支拂のために予備費を使用したものが二十四年度に十三億余万円、二十五年度に同じく十三億余万円あるが、このように毎年多額の予備費を使用したのはどういう事情によるものか、他方においてこの特別会計は二十四年度末に約二十五億円の損失を計上している、これによつて見れば、この保險については保險料の算定等に妥当を欠くものがあるのではないかと思われるが、政府当局の見解はどうかとの質疑に対しまして、この労災保險は業務開始後なお日が浅く、統計資料等がまだ完備していないため、保險料の算定も暫定的な計算に基いておるのでありますが、これはできるだけ早く統計資料を取りまとめ、確実な基礎を置くことに努力しておる次第でありますとの答弁があつたのであります。  以上を以て質疑を終り、討論に入りましたが、別段の意見もなく、全会一致を以て全部を一括して承諾を與えることに議決いたした次第であります。  以上を以て御報告を終ります。(拍手
  21. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより五件の採決をいたします。五件全部を問題に供します。これら五件は委員長報告通り承諾を與えることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  22. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。よつてこれら五件は承諾を與えることに決定いたしました。      —————・—————
  23. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) この際、日程の順序を変更して、日程第九より第十一までの請願、日程第三十五及び第三十六の陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  24. 佐藤尚武

    ○最長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長報告を求めます。地方行政委員会理事堀末治君。    〔堀末治君登壇拍手
  25. 堀末治

    ○堀末治君 只今議題となりました請願五件及び陳情二件について、地方行政委員会における審議の経過並びに結果を御報告いたします。  先ず請願第四十九号は、全国市長会会長川崎市長金刺不二太郎君の請願でありまして、願意は、先般制定公布を見ました地方公共団体の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律の当初の政府原案において、地方公共団体の長の選挙期日を五月に延長して、数十日間に亘り首長の空位を来たすがごとき内容を有することには反対であるから是正せられたいというのでありますが、本件は御承知のごとく、本院において同法案に対して大体願意に副つた修正が加えられ、すでに法律が成立いたしておりますので、これを採択すべきもの、但し内閣に送付を要せざるものと決定いたしました。  次に、請願第六百二号、請願第七百四十三号及び陳情第百六十三号は、それぞれ公職選挙法第八十九條に列挙されて、公務員の在職中公職に立候補を認められる者の中に、地方公務員法附則第二十項の規定する公営企業に従事する職員並びに非常勤の消防団員及び水防団員を加えられたいとの趣旨であり、請願第七百十八号、請願第一千六十号及び陳情第百七十九号は、三件とも全く同一内容のものでありまして、選挙公営の拡充、任意的立会演説会の開催、任意的選挙公報の発行、都道府県の議会の議員の選挙において一定枚数の通常葉書の頒布を認めること等、公職選挙法改正を要望するものであり、いずれも願意おおむね妥当なりと認められますので、これを採択すべきもの、但し内閣に送付を要せざるものと決定いたしました。  以上御報告をいたします。(拍手
  26. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は、委員長報告通り採択し、内閣に送付を要しないことに賛成の諸君の起立を求めます。    〔総員起立〕
  27. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付を要しないことに決定いたしました。      —————・—————
  28. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) この際、日程第十二より第三十四までの請願及び日程第三十七より第四十までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  29. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長報告を求めます。運輸委員長植竹春彦君。    〔植竹春彦君登壇拍手
  30. 植竹春彦

    ○植竹春彦君 只今上程になりました請願二十五件、陳情四件につきまして、運輸委員会におきまする審議の経過並びに結果を、詳細は速記録を御覧願うことといたしまして、その要点を御報告申上げます。  先ずこのたくさんの請願陳情の内容を分類いたしますれば、第一は燈台の件であります。請願第九号は島根県多古鼻に、第十四号は対馬船越村黒島に、第二十号は九十九里浜太東岬に、いずれも設置を要望するものであります。  第二は測候所設置の件であります。即ち請願第六十五号は郡山市に測候所を、同じく第八十九号は徳島県日和佐町に測候所分室を、陳情第二十三号は福島県猪苗代観測所測候所に昇格を、いずれも要望するものであります。  第三は鉄道電化についてであり、請願第五百四十七号は仙台—岩沼間を、同じく第六百四十一号は白河—仙台間を希望するものであります。  第四は停車場関係であります。即ち請願第三百二十一号は城岡駅を北長岡駅と改称するの件、陳情第百二十一号は京都駅改築及び駅付近の鉄道高架建設促進の件、請願第五十二号並びに五百三号は、川東、谷田川両駅の間に駅員無配置駅を設置促進の件であります。  第五は列車延長又は航路復活の要望であります。即ち請願第二百九十七号は、大阪、大社両駅間の準急二本を石見益田駅問に延長してほしいという件であります。請願第五百五号は下関を基地といたしまして関釜連絡航路復活に関するものであります。  第六番目は鉄道路線の建設促進の請願であります。即ち請願第百九十四号は武豊線延長工事施行請願第二百九十九号、四百二十六号、五百四十八号は、岩国日原両駅間の敷設促進、同じく第三百二十二号は魚沼線復活、第四百二十二号は、志佐、吉井両駅間に鉄道敷設、同じく第五百十七号は三陸沿岸の未建設区間の鉄道、同じく第五百二十二号は志布志線延長工事促進、同じく第五百三十号は、日向長井、三重町の両駅間、同じく第五百三十一号は、宮崎、小林両市の間の鉄道、陳情第三十五号及び八十三号は大分県宝泉寺駅から熊本県宮原間の鉄道、請願第五百四号は白棚鉄道の復活、同じく第五百十六号は山田線復旧促進の要望であります。  最後に第七番目は国鉄バス路線の件でありまして、請願第五百八十二号は、豊頃、大津、大樹三村間の開設促進の希望であります。  以上の請願陳情は、いずれも願意妥当と認めました。わけても鉄道の新線建設は、すでに昭和二十五年十二月九日、本院におきまして決議をいたしているところでありまして、委員会におきましては、鉄道建設予定線を初め、殊に工事に着手し、その後中止となつておりまするもの、又はその後の事情の変化によりまして必要と認めまするものの敷設はこれを促進し、交通来路を整え、産業の開発、文化の向上及び民生の安定を図るべきものとして、その願意を極めて妥当と認めたのであります。よつて以上二十九件の請願陳情は、これを議院の会議に付し、内閣に送付すべきものと決定いたしたのであります。  以上御報告いたします。(拍手
  31. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情委員長報告通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔総員起立〕
  32. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。  次会の議事日程は決定次第公報を以て御通知いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時四十八分散会      —————・————— ○本日の会議に付した事件  一、学問の自由に関する緊急質問  一、日程第一 下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案  一、日程第二 裁判所法等の一部を改正する法律案  一、日程第三 裁判所職員定員法案  一、日程第四 昭和二十四年度特別会計予備費使用調書(その二)  一、日程第五 昭和二十四年度特別会計予算総則第六條並びに第七條に基く使用調書  一、日程第六 昭和二十四年度日本国有鉄道予備費使用調書  一、日程第七 昭和二十五年度一般会計予備費使用調書(その一)  一、日程第八 昭和二十五年度特別会計予備費使用調書(その一)  一、日程第九乃至第十一の請願  一、日程第三十五乃至三十六の陳情  一、日程第十二乃至第三十四の請願  一、日程第三十七乃至第四十の陳情