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1951-02-19 第10回国会 参議院 本会議 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年二月十九日(月曜日)    午前十時二十二分開議     —————————————  議事日程 第十四号   昭和二十六年二月十九日    午前十時開議  第一 郵政事業特別会計歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案内閣提出衆議院送付)(委員長報告)  第二 厚生保險特別会計法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)(委員長報告)  第三 アルコール專売事業特別会計から一般会計への納付特例に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)(委員長報告)  第四 農地調整法等の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)(委員長報告)     ━━━━━━━━━━━━━
  2. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 諸般の報告は朗読を省略いたします。      ——————————
  3. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) これより本日の会議を開きます。  この際、新たに議席に着かれました議員を御紹介いたします。  議席第百五番、地方選出議員、福島県選出松平勇雄君。    〔松平勇雄起立拍手〕      ——————————
  4. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 本院規則第三十條により、松平勇雄君を内閣委員に指名いたします。      ——————————
  5. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) この際、日程第一、郵政事業特別会計歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案日程第二、厚生保險特別会計法の一部を改正する法律案日程第三、アルコール專売事業特別会計から一般会計への納付特例に関する法律の一部を改正する法律案、(いずれも内閣提出衆議院送付)、以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長報告を求めます。大蔵委員長小串清一君。    〔小串清一登壇拍手
  7. 小串清一

    小串清一君 只今上程せられました郵政事業特別会計歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案について、委員会審議経過並びにその結果を御報告申上げます。  郵政事業特別会計におきましては、料金が低廉になつております関係から、昭和二十六年度予算において給與改善等必要経費財源不足を生じますので、一般会計から三十五億八千三百八十三万五千円を繰入れることによつてこれを補てんせんとするものであります。なお、この繰入金につきましては、この会計健全財政が確立せられたときには、予算の定めるところによつて一般会計に繰戻そうとするものであります。  さて委員会審議に当りましては、各委員より熱心な質疑があり、相当突込んだ質問政府に対してなされました。政府よりは大臣初め係員から懇切丁寧な御説明がありましたが、これらの詳細につきましては速記録によつて了承を願いたいと存じます。かくして質疑を終了し、討論に入り、採決の結果、全会一致を以ちまして原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。  次に、厚生保險特別会計法の一部を改正する法律案大蔵委員会における審議経過並びにその結果を御報告申上げます。  本案は、結核対策の一環といたして、本年度より健康保險事業福祉施設を拡充する見地から、結核患者用の病床を増設いたすこととなりましたが、これに要する経費厚生保險特別会計財源のみを以てしては賄い得ませんので、当分の間その一部を一般会計から繰入をなし得るように、所要の改正を行わんとするものであります。  これにつきまして、委員会審議に当りましては、各委員より御熱心な質疑があり、政府よりも懇切な説明がありましたが、その詳細は速記録によつて了承を願います。かくして質疑を終り、討論採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。  次に、アルコール專売事業特別会計から一般会計への納付特例に関する法律の一部を改正する法律案について御説明申上げます。この案につきましては大蔵委員会においても非常な熱心な審議をいたしました。その審議経過並びに結果についてこれより申上げます。  本案は、昭和二十六年度以降当分の間、アルコール專売事業特別会計の毎会計年度末における固定資産並びに作業資産合計額が、前年度末におけるこれらの資産合計額より減少した場合には、その城少額に相当する金額を、その年度にこの会計から一般会計歳入納付せしめて、その納付した金額に相当するこの会計固有資本を減少するということにしようとするものであります。  さて本案審議に当り、委員諸君から、資産減少理由工場民間拂下げ方針並びに現状、工場生産能力アルコール生産費並びにその需給の状況等について熱心なる質疑が行われまして、これに対して政府からも懇匂詳細な説明がありました。その結果につきましては、速記録によつて了承をお願いいたしたいと存じます。  かくのごとくいたしまして、質疑を終り、討論に入り、採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定をいたした次第であります。  以上三案について御報告を申上げます。(拍手
  8. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより郵政事業特別会計歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案賛成諸君起立を求めます。    〔起立者多数〕
  9. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。      ——————————
  10. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 次に、厚生保險特別会計法の一部を改正する法律案並びにアルコール專売事業特別会計から一般会計への納付特例に関する法律の一部を改正する法律案採決いたします。以上二案全部を問題に供します。二案に賛成諸君起立を求めます。    〔総員起立
  11. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて両案は全会一致を以て可決せられました。      ——————————
  12. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 日程第四、農地調整法等の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。  先ず委員長報告を求めます。農林委員長羽生三七君。    〔羽生三七君登壇拍手
  13. 羽生三七

    羽生三七君 只今議題となりました農地調整法等の一部を改正する法律案農林委員会における審議経過及び結果を御報告申上げます。  本改正法律案内容は、第一に、市町村農地委員会及び都道府県農地委員会委員選挙に対して、新たに公職選挙法第三十四條第二項、即ち、「地方公共団体の議会の議員等の再選挙又は補欠選挙は、これを行うべき事由がその任期の終る前六カ月以内に起つたときは、選挙を行わない」との規定を準用せんとするものであります。併し委員の数が、農地調整法規定されておりますいわゆる小作、地主及び自作の三階層の各階層ごとに、それぞれの階層委員の定数の二分の一に達しなくなつたときは、選挙を行うこととなさんとするのであります。第二は、公職選挙法の施行及びこれに伴う関係法令整理等に関する法律において、市町村農地委員選挙人名簿有効期限は本年三月四日までとなつておりますが、これを来年三月四日まで延期せんとするものであります。  而してこれらの改正理由といたしますところは、来たるべき地方選挙において、農地委員会委員で立候補する者が出て、相当の欠員を生ずるものと予想せられるのであります。併し現行農地調整法規定によれば、委員欠員を生じました場合には、欠員を生じてから五十日以内に補欠選挙を行わなければならないことになつておるのであります。併し現在の農地委員会委員任期は、おおむね市町村農地委員会にあつては本年八月、都道府県農地委員会にあつては同じく九月に満了することになつておりますので、引続く選挙の煩を避け、浪費の防止に資せんとするためとされております。  農林委員会におきましては、先ず政府当局との間に質疑に入り、本法律案は、現在の農地委員会委員任期を来たる八月乃至九月に抑えて、四月には地方選挙が行われることになつたという特別な事態に対処する措置のように認められ、然りとせば農地調整法改正というような恒久立法とすべきものではなく、特例法として取扱うべきであり、これを恒久化すれば、今後若し委員欠員を生じた場合は、常に長きに亘つて各階層間の均衡を失し、農地委員会の運営に適正を欠く慮れがないかとの質問に対し、政府当局から、今回の改正の主眼は特例的な措置にあるが、併し従来の実情から見て恒久化しても差支ないと認められる、而して万一指摘せられたような事態が発生するようであれば救済的措置を講じたい旨の答弁がありました。これら質疑応答の詳細については会議録に讓ることといたしたいと存じます。  かく討論に移り、別に発言もなく、採決の結果、全会一致を以て政府原案通り可決すべきものと決定いたしました。  右御報告申上げます。(拍手
  14. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより本案採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案賛成諸君起立を求めます。    〔総員起立
  15. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本案全会一致を以つて可決せられました。      ——————————    〔佐々木良作発言の許可を求む〕
  16. 佐藤尚武

  17. 佐々木良作

    佐々木良作君 私はこの際、電力編成計画に関しまして緊急質問をすることの動議を提出します。
  18. 小川久義

    小川久義君 只今佐々木良作君の動議賛成いたします。
  19. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 佐々木君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  20. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。    〔「大臣がいないじやないか、大臣はどうした」と呼ぶ者あり〕
  21. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 今、大臣出席を要求しておりますから、佐々木君に暫らく御猶予をお願いします……。  これより佐々木君の発言を許します。佐々木良作君。    〔「公益委員会どうした」「誰が責任ある答弁をするのだ、はつきりせえ」と呼ぶ者あり〕
  22. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 公益事業委員会委員長並びに委員諸君は、本日は渉外事項のため出席ができないそうであります。    〔「保留せえ保留せえ」と呼ぶ者あり〕    〔佐々木良作登壇拍手
  23. 佐々木良作

    佐々木良作君 妙な恰好で緊急の質問をしなければならない状態になりましたことを遺憾に思います。公益事業委員会のほうのメンバーは、今日皆さん渉外関係で出られぬというお話ですけれども、私はこれは嘘だと思います。今日は委員会をやつておられるので、先ほどまで委員長委員会をやつておられて、ほかの委員会のかたもそのままおられるわけです。委員長委員会を主宰しなければいかんから出られぬのだというお話で、従つて私は代りの人でも出してくれ、こういう話をしたのだけれども、出てもらえぬと、こういうお話である。(「不都合だ」と呼ぶ者あり)併しながら私今日どうしてもやらなければいかんのは、緊急質問内容が実際に緊急な事態にかかつておるからでありまして、御存じのように電気事業の再編成は、昨年の暮に突如として出されたポツダム政令によつて一応その方針がきまつて、今それをやる準備過程にありますが、その準備段階におきまして、この二月二十三日、もう二三日したら来る二十三日を目標として進められておる、公益事業委員会で進められておるところの再編決定指令案というのがあります。この決定指令案が出ますと、大体その通りに再編成内容決定せられることになるわけです。ところが御存じのように日もありませんし、質問せんとする時間も日にちもないので、どうしても今日せんと工合が悪いということでありますから、欠席のままに私質問いたしますが、二十三日以前に公益事業委員会委員長から必ず御答弁をこの席上で頂くように、議長のほうからお取計らいを願いたいことをくれぐれも申し添えまして、内容に入ります。  そういう意味でありますから、私は今電力編成問題の根本でありますところのポ政令という、普通ではとつてはならない方法でこれを出したこととか、或いはその内容日本電気事業九つに切るという不合理な案の内容であるとか、或いは又更にこの二つの令が法律的には非常に矛盾を含んだものであるとか、こういう根本の問題には今日触れないで、こういう問題じやなくて、こういう根本の問題はおかしいことはおかしいことにしましても、その上に今準備公益事業委員会で進められつつあるわけですが、この準備が非常に不公正に、極端に言えば特定委員勝手気まま、或いはもつと極端に言えば特定委員の特別の利害によつて内容が処理されつつあるような疑問が非常に強いのであります。従いまして、そのような状態にあるかどうかということを、これの根本的な責任者であるところの政府当局者と、それから実質的な実務担当者としての責任者であるところの公益事業委員会責任者と、両方から聞いて置きたいというわけであります。  この再編成問題は御存じのように数年間揉みに揉んだ問題でありますが、ちよつと見たところが、日発という会社と、九つ配電会社という会社と、この二つの流れの会社喧嘩だという外観を呈しまして、そうして、その外観を呈しておつたのが、これがポツダム政令によつて配電側勝ち終つたのだというふうに一般には理解されておる。つまり電気事業という日本基本産業の再編成を、何か競馬馬か何かの勝負のように勝つた負けたの考え方で勝ちになつておる。従いまして、この印象をそのまま受けて、もう一応この勝負が済んでおつて、そうしてこれを公正に実施しなければならない現在の段階になつておるにもかかわらず、当時の喧嘩の主流であつた部分がそのまま公益事業委員会内容に反映いたしまして、公益事業委員会の中で日発配電との取扱い方が、現在でも、片一方勝つた者片一方は負けた者、そうして勝つた者が負けた者に対して追い討ちを続けておるという恰好で今再編準備が進められておるわけです。これは勝つた負けたの問題でなくて、全国の電気事業配電送電しておるのは元日発という会社メンバーがやつておるのでありまして、会社看板変つて従業員は変らない。施設は現存している。それが会社看板が変つたということだけで、今勝つた負けたの立場で合併するような恰好でやられるものですから、その関係が非常に不安な状態を呈して来ておるわけであります。例えば二十三日の、恐らく二十三日を目標にしてやつておられるところの決定指令の一番骨子になる、ポイントになる、恐らく新聞その他でも注目されるところの人事というのがあります。新らしく九つできるところの会社人事を誰が掌るか、誰が担当するかという問題は、一番新らしい会社の性格を決定するところの要素になるわけです。新聞その他でもいろいろな批評が出ておりますけれども、私は私なりのいろいろなルートを持つておりますから、皆さんにこれを、今恐らく公益事業委員会できめておる、きまりつつあるものを、私は皆さんの前に御報告いたしたい。これを公益事業委員会のかたなり、或いは林副総理御存じないと思いますが、直接の関係ではないから……、否定されるかも知れない。否定されてもこれは嘘です。恐らく公益事業委員会メンバーが持つておられる中で一番新らしいものであると私は確信しております。北海道は今現在の配電会社社長山田良秀氏、同時に東北は内ケ崎賛五郎氏、関東高井亮太郎氏、北陸が西泰三氏、中部が大岩復一郎氏、関西が五鳥祐氏、中国島田兵蔵氏、四国宮川竹馬氏、九州が佐藤篤次郎氏、このメンバーちよつと頭に描いて頂きたいと思います。このメンバーは、四国宮川竹馬氏だけを除いて、そのほかは全部現在の配電会社社長です。ポ政令に基いた再編成令によりましても、今度の再編成は、日発配電会社も、この会社をなくして平等にバラしてしまつて、平等に解散をさせて、新らしい会社九つ作るのだというふうに規定してある。そうして、そのことは、たびたびの政府声明なり説明にも、そのようにちやんと説明してある。ところが、この人事を見ておわかりのように、恐らく公益事業委員会メンバーは、この再編成ということを、日発九つ切つて、現在九つある配電会社にくつ付くのだ、つまり日発を切り取つて配電会社にくつ付けるのだと、こういうように私は了解されておるのではないかと思う。それであるとこれは重大問題になるわけです。而も私はここで、なお、はつきり申上げたいと思いますが、そういうふうな結果になりつつある状態の中で、公益事業委員会の一人の委員が、特に一人の委員が、電気のことは自分が專門のようになされて、今の人事権その他に独裁的な権限を揮つておるという噂を聞きます。これも私の聞いた範囲で、松永安左衛門という偉い方だそうであります。(笑声)それであるかあらぬか、今の九人の新らしい社長になぞらえられておる者のうちの、この九人のうちの八人が現役の配電会社社長でありますが、このかたがたは、従来の日発配電との喧嘩のように一般に見られたところの再編成喧嘩過程におきまして、このかたがたと今の松永委員長とは同じ立場で以て、同じように戦線を進めて喧嘩をされたかたであります。その中のたつた一人の例外をなすところの四国社長に擬されておるところの宮川竹馬氏は、あの場合、松永安左衛門氏の事務所で、松永安左衛門氏の下で同じ仕事をやつておられたかたであります。これはこうなつて一つのどう言いますか、(「論功行賞だよ」と呼ぶ者あり)祿をもらつたというところだろうと思います。私はこのような、先ず第一にこういうような人事が今行われようとしておる。否定せられるかも知れないけれども、恐らく蓋を明けて御覧になれば、二十三日に発表があれば、一週間か二週間も延びれば違うかも知れないが、恐らく今明ければその通りになると思う。ひよつとしたら変るかも知れないのは、その中で中国関西だけであります。私はその名前も知つております。けれども、今日はやめて置こうと思います。  それで今の再編成が、政令にきめられた通りの同じ平等なる、配電日発の平等な立場から公平にやりつつあると見られるかどうか。恐らくまあ松本委員長法律家、大家でありますから、そういう場合にはこうお答えになるかも知れない。「今お前は社長名前を言つたけれども、社長よりも会長というものを今度こしらえてやることになるから、会長は今度の新商法によると思うから、そんなことはない。」これはいんちきだ。そんなことはあるものか。若し会長名前を挙げろと言いますれば挙げることは全部できますが、これは省略いたします。併し何ぼ新商法会長が新らしい権限を持つにしましても、従業員に対して直接の関係にないことは、例えば労働組合との団体交渉会長が出るというわけではないわけでありますから、私は一番心配をしておるのは、従業員が従来の感覚で、施設ができて、発電と送電の仕事が遂行できるかという不安は、絶対に解消されないということになるわけであります。單にこの中でも、大体申上げたいと思いますのは関東であります。関東におきましては、御存じのように高井社長の下に早川氏の副社長も殆んど確定的である。そこで、ここには御存じのように関配労組という労働組合があります。電産労組と申しまして、従来の電産関係従業員は、全部同一の労働組合をなしておりましたが、関東だけには電産労組から独立したところの関配労組という労働組合ができております。これとの関係におきまして、高井氏が、従来からいろいろな意味不当労働行為責任者として伝えられたり、同様なことがたびたびあつたことは、少しでも電気関係に頭を突込んでおられるかたなら十分御承知のはずであります。松永安左衛門氏は十分に御承知のはずである。例えば、分割反対論者関東には引取らないのだというような声明をした、とさえ伝えられておる。自分では取消しておりますけれども。そして関配労組に初めから、現在入つておる者と入つていない者と、実際差別待遇をしたというような、これはそのまま不当労働行為の対象になるようなことであります。こういうことをやつた人が、そのまま同じようになつておる。これでも公平に遂行されつつあると考えられるか。  それから第二番目に、日発配電との株式の統合比率の問題があります。これは内容をどういうふうに言おうとも、経済乃至資産内容は明らかに一対一・七四、つまり大体一と二の比率です。日発が二に対して配電が一。二弱に対して配電が一、資産内容は間違いないわけであります。この資産内容かくのごときであるにもかかわらず、現在一対一ということできめられつつある。屁理窟を附けて、どういうふうに屁理窟を附けられようとも、一対一・七四の比率には間違いない。これは経済内容ですから、勝つた負けたの内容によつて今後変つて来るはずがない。これをどういうわけで、一対一ちよつと鼻糞くらいのプラスアルフアを附けるという噂がありますけれども、鼻糞みたいなプラス・アルフアが根本的な内容でないことは事実であります。どういう理窟を附けても、一対一比率にしようとも理窟が合わなくて、つまり公正な單価になつていないことは事実であります。私はここで根本的の疑問を持ちたい。副総理も恐らく御存じだろうと思いますけれども、この比率内容を御覧になつた場合に、資本主義原則を、資本主義原則根本からひつくり返しておるという意味におきまして、私は共産党の諸君よりもこれはよほど勇敢の措置だと思います。御存じのように、イギリスにおきまして電気及び鉄鋼の国有化が行われ、現在行われつつある。労働党が行なつておるところのこの国営化段階におきましても、全部資本主義原則はつきり立つて、この原則を曲げずに、評価だけは嚴正な評価を行いつつある。そのような評価が行われつつある際に、日本基本動力の元であるところの電気が、理窟なしに今のような一対一比率で行われようとしておることは、その勇気に対しては何とも言えないような感じがするわけであります。  更に三番目にもう一つ例を挙げます。松永安左衛門氏の問題を出しました際に、諸君は恐らく、去年の衆議院考査委員会におけるところの高井証言を思い出されると思う。現実松永安左衛門は、この運動過程で三百七十五万円をもらつたと言つておられる。片つぽうも出したと言つておる。そういう人が今のような状態を保つておられる。その一方にですよ、その一方に、日発のほうではそのときに、この再編問題に政治的な運動をしたという理由で、大西総裁、桜井副総裁が詰腹を切らされて首になつた。片つぽうは今のような金の取引をやつて政治闘争を行なつておる。その三百七十五万円の元は、二百万ずつ積んで、約一千万円の金を配電全部で積んで、闘争資金として現実に積んだわけであります。そういろ行為をやつても、これは取引というか、政治闘争でないか知らんけれども、これにはちつとも触れないで、日発の奴を首を切つて配電はそのまま咎めないだけでない、その大将が公益事業委員会委員長代理という、職制にもないところの自称する委員長代理を勤め、そうして以て新らしい会社社長を又全部この人たちによつて選ばれようとしておる。(「そんな馬鹿なことがあるか」と呼ぶ者あり)これで以て諸君が、電気が足らん、停電して困ると言われたつて電気を扱つておる労働組合従業員として責任を持てぬ。はつきり申上げて置きます。それが証拠には、電産の労働組合は、はつきりとその点を従来申上げておつたということもお考え願いたい。こういうような状態で以て、過度の経済力の集中を排除して経済を民主化するということが電力編成目的であつたはずでありますが、この電力編成目的と、現実にあの人の使われるところの九人の社長を任命して、実質的には一つ松永電力会社ができたに等しいところの会社を作るという、目的内容が如何に矛盾しておるか、御承知を願いたいと思う。私はこれは形式的にはどのような弁解をされようとも、明らかに集中排除法の違反であり、事業者団体法の違反であると考える。(拍手政府及び公益事業委の見解をはつきりと私はここで承わつて置きたいと思う。  更にこの不公平な取扱の第三の問題、もう一つ例を申上げたいと思います。この間、日発の小坂総裁が、日発に三十六億の含み資産があるということを言われ、あれは結局、何が何だかわからんうちに、諸君も訳がわからんことになつたと思います。三十七億か三十四億であつたか、話があつた。要するに三十五六億の妙な帳簿面があつたことは事実だ。これが出た際に、一番、この金は不当な金である、若しそんな金が日発にあるなら返してもらわなければならんと言つたのが、関東配電を中心とした配電会社である。そうしてこれに対して同じ立場で批判を加えたのが松永安左衛門委員である。ところが、ちよつとでも今の電気会社関係しておつた者であるならば、今の電気経理を知つてつた者であるならば、仮に三十六億か三十億か知らんけれども、この金が日発にあるとすれば、同様の金が配電にもあるということを知らない者はない。(「その通り」と呼ぶ者あり、拍手松永安左衛門がこれを知らないということはあり得ない。若し諸君が知らないならば、私は、はつきりと申上げる。関東配電に、今の三十七億の問題の際の、これが二十四年度分と称せられるものは十七億、日発の二十四年度分の十七億と称せられるところの、相対比するものが関東配電に十二三億はつきりとあります。若し嘘だと思うならば、そこの関東配電の幹部の一人がはつきりと、この十二三億あるということを認めておる。若し諸君が嘘だと思うならば、あらゆる委員会でも何でもその証言台に立たせることができる。会社みずからが関東配電にあることを知つておりながら、その金が日発にあるならば返してくれということをあえて言い、公益事業委員の中心がそれをそうだと言つてバツク・アツプをする。これは何事か。大体、電気事業のこの経理というやつは、利益というやつは、実質的にプール計算になつておるのです。その場合に、四分六分に分けることに初めから話がきまつておるのです。片方にちよつと臭いものがあれば、片方にあるのは当然きまつておる。これが日発にあつて配電にないということはない。配電にあつて日発にないということはない。同じ経理になつておるのですから必ずあるわけです。この辺が常におかしくおかしく出て来つつある。これをどうか皆さんも御承知になつて頂きたい。そうして、これに対して政府も、もう少し、公益事業委員に任せたとは言いながら、また本当ならば、公益事業委員は、これは公益事業委員会仕事じやないはずです。本来ならばこれは、私、経済安定委員長としても、私のほうの所管であるところの持株整理委員会仕事なんです。集中排除法に基いてこれをやる仕事、持株整理委員会仕事なんです。そうしてこの研究資料を出したあとの仕事は公正取引委員会仕事です。これは初めからよく知つておる。これは私の委員会内容でもあるから両方とも知つておる。それが公益事業委員会に渡されたこと自身にも、本来、基本的な、法律的な矛盾もあるし、内容的ないかさまがあると私は考える。それを今のような一人の中心人物で以て全都やろうとする、こういうことになる。その証拠には、この中の法律的な矛盾は至る所に見出すことができるわけであります。日発配電の両方の従業員から成つておるところの十三万人を擁する電産の労働組合員は、今度の電気事業の再編成を、松永陰謀による電気事業の私物化、私物化だと、はつきりと認定しております。殊に日発従業員は、現在当然自分の所属しておるところの企業がとにかくもなくなるという考え、配電のほうは、まだ自分のほうに吸収されて、先のような実質的な解釈をしておりますが、併し日発のほうは、ともかくもなくなり、どこかに所属せしめられるというふうな気持があるわけです。そして今度次々に出て来つつあるところの新らしい人事を見たときに、その感はまさに深くなりつつある。そうしてどこに配属ざれるかも知れないところの不安を非常に抱きつつある。而も諸君が毎日御存じのように、現在三年間のうちで初めての、一番強いところの渇水事情にあるとき、電気の事情が今最悪の事態にあるとき、この電気を出すか出さぬかは、配電会社は、しやつちよこ立ちをしたつてちつとも出やしません。日発の連中が全部やつて、そうしてそのために現在過重労働になりつつある。過重労働をあえてしながら、ひよつとすると二月先はどこへ行くか知れんところの不安の状態に置かれておる。これで以てうまく遂行せよ、うまいこと電気を出せというほうが私は無理だと思う。その点、私は労働組合のほうのことばかり言うと考えられるかも知れないが、それならばもう一つだけ言う。  その上に、私どもでさえも、その就任のときには、これこそ松永のかいらいではないかとさえ言つたところの日発の小坂総裁自身が、最近におきまして、この公益事業委員会の余りにも不公正なこの再編の実施方法に対して、非常に腹を立てて、この再編には協力しないとまで言つておると伝えられる。或る場合この状態が続くならば、新会社に対しても日発からは幹部を出さないとさえも言つておると伝えられる。この際に政府はつきりと聞きます。若しそのような態度を小坂総裁がとられたら、これを首切りますか。半年前に、ここまででなくても、自分会社が潰れては困るという意味で反対された大西、櫻井、両氏は首を切られた。この段階で同じように新らしく来た、我々がこれは反対だとさえも目した小坂総裁が、同じような状態喧嘩すると言つておる。政府はこれを首切りますか。見事切つてもらいたい。私はちよつと体の調子が悪いものですから語呂がうまく行かん。おかしく、つまずいたと思いますが、大体の言おうとしたことはわかつて頂いたと思います。  要するに電気事業というのは、御存じのように、アメリカの様子を見ても、ソ連の様子を見ても、イギリスの様子を見ても、自立経済の達成或いは復興経済というやつをやろうとするときには、いつもその基になつておる。もうアメリカとソ連が一番いい例だと思います。必ず電気が基になつて、そうしてやられておる。であるのに日本におきましては掛声だけでやられておることは、再編問題自身が勝つた負けたの勝負だけなんです。内容にはちつとも入つておりやせん。こういう状態でやられておつていいか。もう少し本気になつて考えてもらいたい。この公益事業委員会内容は、私はもつとたくさんな事実を知つております。公益事業委員会で、今の電気の生産を続けているところの基の技術者と従業員を実質的に殺してしまうような状態ができるならば、一人の技術者を作るのに二十年かかります。そうして昭和二十三年の私の電気委員長をやつていたときの報告書にはつきりと書いております。電気施設はもう老朽状態に入つておる。そうしてこれから五年間は絶対に電気は余る状態になりません。需用が今よりも完全に落ちない限り、その間あのボロ発電所は続けて行かなければならぬともかく状態にある。そうして発電所だけでなくて、それは人間が附いて動くのだ。こういうことを御承知の上で、今の公益事業委員会並びに政府におきましては、この再編成が本来の電気事業にマイナスにならないように……。今、私の指摘した点が果して嘘であるかどうか。これが私の杞憂であるならば私は幸いです。杞憂でないというできれば証明をして頂きたい。抽象的というか、系統が非常に立ちにくく申上げましたけれども、言つたことはおわかりになつたと思います。どうか今の人事内容にしましても、或いはその他の内容にしましても、具体的な例を挙げました。若し反駁の際にはできるだけ具体的な内容で以て一つ答弁と言いますか、私の間違つてつたら間違つたということを御指摘願いたいと思います。それから最初に申上げましたように二十三日以前に必ず公益事業委員会の代表のかたからのこの本会議での御答弁を、議長のほうでどうか御斡旋を願いたいと思います。  失礼いたしました。(「具体的に答弁しろ」と呼ぶ者あり、拍手)    〔国務大臣林讓治君登壇拍手
  24. 林讓治

    ○国務大臣(林讓治君) 詳細の点につきましては委員会などにおきましてお答えすることと存じますが、政府といたしましては、今日、日発及び配電会社の間におきまして終極的にはギヤツプがないものと信じておるわけであります。勿論両者の監督は最も公正を期し、電力編成の所期の目的を果すように努力をいたします。なお只今詳細なる実例を拜聴いたしまして十分参考にいたしたいと考えます。(「具体的に答えろ、具体的に」と呼ぶ者あり、拍手)      ——————————
  25. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) この際お諮りいたします。  厚生委員長から、国民保險経済及び結核施設の実地調査のため、和歌山県、広島県及び山口県に、河崎ナツ君、松原一彦君を、本月中七日間、福岡県、長崎県及び熊本県に、有馬英二君、藤原道子君を、本月中八日間、  建設委員長から、利根川水系全域に亘る治山、治水及び利水工事と、見返資金による国道の道路整備工事の実地調査のため、神奈川県、静岡県、愛知県、三重県及び京都府に、徳川宗敬君、田中一君を、本月中五日間、群馬県、栃木県、茨城県及び千葉県に、小林英三君、小川久義君を、本月中六日間、  農林委員長から、食糧需給、農業倉庫、肥料、飼料及び森林関係等の実地調査のため、愛知県に西山龜七君、片柳眞吉君、岡村文四郎君、池田宇右衞門君を、長野県に白波瀬米吉君、瀧井治三郎君、小林孝平君、岩男仁藏君を、福島県に平沼彌太郎君、飯島連次郎君、宮木邦彦君、三輪貞治君を、本月中四日間の日程を以て、それぞれ派遣いたしたい旨の要求がございました。  これら二十名の議員を派遣することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  26. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。  次会の議事日程決定次第公報を以て御通知いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時十三分散会      —————————— ○本日の会議に付した事件  一、新議員の紹介  一、常任委員の指名  一、日程第一 郵政事業特別会計歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案  一、日程第二 厚生保險特別会計法の一部を改正する法律案  一、日程第三 アルコール專売事業特別会計から一般会計への納付特例に関する法律の一部を改正する法律案  一、日程第四 農地調整法等の一部を改正する法律案  一、電力編成計画に関する緊急質問  一、実地調査のため議員派遣の件