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衆議院議員(
鍛冶良作君) 我々も調停に長く携わ
つておりまして、お説の
ような弊害があ
つたことは認めざるを得ませんです。この
法律でどこでそれじやといわれますと、特に
指摘するわけに行きませんが、出て来ない場合は、特に出て来ない者に対して過料が今まで五十円以下であ
つたやつを三千円に高めました。それから後の調停に関する問題は、これは調停委員にその人を得るということが一番大切じやないかと思います。我々は今でも相当調停に対しては批判の目を持
つて参りました。又反対したこともございます。その理由は主として素人の人が調停委員になりまして、何でもかんでも、片さえ付けばいいのだと、こういうことで
法律を無視して、条理に合わんことでも何でも、相手方を無理押しにして片付ける、こういう弊害が非常にあ
つたことを痛感いたしております。それともう
一つは、今おつしや
つたように弱い者が出て来ますと抑え易いから、まあ我慢せい我慢せいと言
つてやるという、こういうことがありましたので、私はその意味において、何といたしましても調停はやはり裁判の一種なのですから、解決の
基礎は
法律に置かなくてはならん。而して
法律だけで賄えない、社会条理に合わんというときに初めて
法律を
基礎にして、そこへ社会条理を加味して片付ける。こういうことでなければならんということを主張して来ましたので、
本法を作ります場合にその点を最も深く
考慮したわけであります。調停委員に対する選任については、これはだんだんよくな
つては参りましたが、今最高裁判所のほうから言われました
ように、十分にそれらの点を注意して頂いて選任してもらい、又出て来た以上はしつかりこれに対する教育並びにその他をしてもらいたい、こう思
つております。それから第一条はその
精神を、
条文ではこれは変更いたしませんでしたが、提案理由並びに逐条
説明で特にその点を訂正しておきましたのですが、この逐条
説明というのがございましたでし
よう。その第一条を修正しましたのはその意味からこれを修正いたしましたのです。この前のは道徳的解決という
ような
言葉を使
つて、道徳や人情等をも加味したという、
法律のみに囚われないで、道徳や人情等をも加味してやるというふうに書いてありましたが、それでは今言う
ように
法律を無視して抑え付けるという
ようなことがあ
つてはいかんということで、ここで社会情勢の変化等により法規をそのまま適用することが社会条理に反する場合と、こういうふうに直して、この趣旨をせめて提案理由の
説明並びに逐条
説明だけにでも現わしたいと、こういうので出しましたわけです。それから第五条の逐条
説明にも訂正してあると思いますが、その意味でこれを訂正してございます。