○政府委員(影山勇君)
商法の一部を
改正する
法律施行法案に対する
修正案の理由を申上げます。
改正商法の実施につきまして、現在御
審議を願
つておりまする
商法の一部を
改正する
法律施行法案におきましては、定款にきめる
事項その他について、成るべく現存の
会社が定款変更等の必要なく、新法に適合できるような措置をいたしておるわけでありますが、なお新法の実施につきまして
会社によ
つて定款の変更を便宜とするような
事項もございます。そうして実施を控えまして、それらの定款変更の
期間にゆとりを設けまして、新法の
施行後でも一定の
期間は、新法に適合するように定款の変更ができるようにするというのが修正の理由であります。この定款変更を便宜とするという点の主なるものを捉えまして、この
施行法案の第十七条と二十条において修正をいたしたわけであります。十七条は総会の決議の要件でありまして、新法によりますと、定款で特別に定足数を排除又は軽減いたしません限り、発行済みの株式総数の過半数を有する
株主の出席を要することになるわけでありますが、その点に関して定款を変更して、定足数を排除し或いは軽減するということを、新法
施行の最初の定時総会の終結の日まで旧法を適用することによりまして、総会の決議要件について、特にその点定款変更を不用とするというふうにしたわけであります。尤も最初の定時総会が、何らかの理由で新法
施行後あまり長く遅れて招集される場合を
考えますと、旧法の適用があまりに長くなる慮れがございますので、毎年一回定時総会を招集する
会社にあ
つては、遅くも
昭和二十七年六月三十日までというふうに、旧法の適用
期間を限つたわけであります。それからその他の
会社につきましては、
昭和二十六年、今年の十二月三十一日まで、それまでは旧法を適用するということにいたしたわけでございます。但しその前にすでにもう新法に従うように定款の変更をしておる
会社につきましては、こういう手当は必要ではございませんので、第二項におきまして、そういう場合には適用しないということを
規定したわけであります。十七条の三項は、これはこの一項が「総会の決議の要件については」と、こうい
つております
関係上、或いは新法の二百六十六条の責任の免除、それれから二百六十四条の競業の認可といつたような総会の決議を要する、そういう決議の要件につきましては、旧法によるという原則が適用せられるというふうに解せられる慮れがありますので、責任免除とか競業の認可という点が、旧法によらないということを注意的に
規定したものであります。四項五項は、これはこの点については、殊に四項につきましては、現在
提案御
審議中の
施行法案と同
趣旨で、ただ字句の点を改めただけでございます。それから
会社によ
つて定款変更を便宜とする最も重要なもう
一つの点は、定款による累積投票
制度の排除であります。これをやはり新法
施行後最初の定時総会において定款変更をして累積投票によらない旨の定めをして置けばいいということにするために、累積投票の
規定は新法
施行後最初の定時総会の終結の翌日から適用するということにいたしたわけでございます。それが二十条一項であります。二十条二項は、もとの二十条の
条文と同じことであります。それから三十八条は、これは社債権者集会につきまして
施行法案の修正前の十七条一項の
規定を三十八条は準用しておりましたのを、十七条一項が変りましたために、それをやめまして、ここに別に書いたわけであります。以上が
商法の一部を
改正する
法律施行法案に対する
修正案の修正の理由でございます。
次に
有限会社法の一部を
改正する
法律案に対する
修正案の修正の理由でございますが、これは
商法の一部を
改正する
法律の一部を
改正する
法律案によりますと、
会社編に
規定する訴の
担保の
規定が形を変えて復活して参りましたので、それに伴う整理でありまして、有限
会社におきましても
有限会社法の一部を
改正する
法律案はその
担保の
規定を削除しておりましたのを、それぞれもとの場所に復活いたしまして整理をいたしたわけであります。
それからその次に
商法の一部を
改正する
法律の
施行に伴う
関係法律の
整理等に関する
法律案に対する
修正案、この修正理由も
只今有限会社法の一部を
改正する
法律案に対する
修正案について申上げましたと同じように、例えば十一条で商品取引所法におきまして従来株式
会社の
担保に関する
規定を準用しておりましたのを、この整理に関する
法律案で削除しておりましたのを、もう一度活かした
改正でございます。
それから非
訟事件手続法の一部を
改正する
法律案に対する
修正案、これも
会社に対する
解散命令の
請求について
改正商法は
担保の提供権という
規定を削除いたしましたために、非
訟事件手続法の一部を
改正する
法律案においてもこれに伴う
改正を加えたわけでありますが、この点が
解散命令請求に関する
担保の点が復活いたしましたために、非
訟事件手続法の一部を
改正する
法律案に対してもそのための修正を必要とするということに
なつたわけでございます。
以上がこの四つの案に対する
修正案の修正理由でございます。