○高橋道男君 私は先だ
つて文部大臣にこの政教分離の方針によ
つて、
宗教団体側においてこれを利用して、
自分たちの勝手気ままに振る舞うこともできるというような曲解をしている者もあるということについての御
質問を申上げましたが、更にそれに
関連して、
先ほど梅原委員もおつしや
つたうちにございますが、この
宗教団体1でなしに、
社会の大勢が
宗教団体に対して如何なる
考えを持
つておるか。又今後持たせなければならないかということが私は非常に大事な問題だと思うのであります。具体的に申しますと戦後パージということは
宗教界には
適用されませんでした。これは
信教の尊重という点において誠に結構なことだと存念しておるのでありますが、このことが
社会的にはやはり
宗教団体の一部が
考えているように
宗教関係は何をや
つてもいいのだ、
自分たちもそれに
関連して、これを利用すればいいのだというようなひどい見解を持
つておる者が今なお世間には多いと思うのであります。これは
社会教育によ
つて是正しなければならんということは、一応簡単に言われるのでありまするけれ
ども、その具体策として如何なることをお
考え頂いておるかどうか。
先ほど梅原委員からは、
教育においてその是正すべき一端を具現すべしという御
意見がございましたが、今回の
教育免許法の一部改正によ
つて、私立
学校において
宗教を免許科目の中に加えられましたことは、これは結構なことと思うのでありまするが、併しこれは国立
学校及び公立
学校については、この免許の
適用は甚だ私は表面的なことであ
つて、免許法の改正によ
つて、
宗教という科目が免許科目の中に加えられたといたしましても、その教えらるべき
内容を一応
考えてみますると、單に
宗教に関する知識を生徒に示すという程度にしか出でないのじやないか。若しそういうことであるならば、これはその程度のことであるならば、私は正常にその免許状を持
つておる者ならば、公立
学校、国立
学校において
宗教に関する
教育を與えても何ら一宗一派に偏よるようなことはあり得ないと思うのでございまして、何故に私立
学校に限
つてこういうものを
適用しなければならないか。公立
学校、国立
学校にはどうしてできないかということを
関連してお尋ねいたします。
更に仮に
教育面においてそういう
宗教に関する免許科目ができましても、現在までのような表面的な、單に
宗教に関する知識を與えるという程度の
教育でありまするならば、私は
宗教を情操
教育と称する程度のものすらも徹底して生徒に涵養することはできない。
宗教家
自身は身を以て魂に食い入る
教育を、或いは教化をするのがその使命であると思うのでございまするが、私は現在の
日本の思想界、或いは
教育会を善導するためには、些少の弊害が伴うことを予想されましても、もつと徹底した魂の
教育をしなければ、将来の
日本を十分に再建して行くことはできない、こういうふうに
考えておるのでございます。従いまして今申した一端に入るのでありますが、教員の免許法改正に当
つて、何故に私立
学校だけにその科目を限らなければならないかということの一点と、それから
宗教に
関連して
社会教育を如何なる方法によ
つて充当して行かれるのかということについてお尋ねをいたしたいのでございます。今度の
宗教法人法案が提出されるについて、これはいわゆる
淫祠邪教を
取締るのだというような、或る一面の結果を予想しての推断を下しておる行動を耳にするのであります。又目にもするのでありますけれ
ども、これは私は
宗教法人法案を誤解しておる
一つであると同時に、そういう
教育に
関係されておる人すら、
宗教に対して、又
宗教団体に対する
政府の施策に対して
認識が足らない
一つの証左である。そこにそういう人達にすら十分の
認識が得られていないということも、附加えて
大臣の御
所見を伺いたいと思うのであります。